JP2013241467A - ヒト血清コレステロール低下作用を有する食品及びヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化予防又は治療剤 - Google Patents

ヒト血清コレステロール低下作用を有する食品及びヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化予防又は治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒトの血清コレステロール低下作用を有し、脂質代謝改善に有効な食品、及び、ヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化の予防又は治療剤を提供する。
【解決手段】ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するヒト血清コレステロール低下作用を有する食品、並びに、これら植物を含有するヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化予防又は治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒトにおいて肝細胞コレステロール合成阻害活性を有し、ヒトの血清コレステロール低下作用を有する脂質代謝改善に有効な食品、及び、ヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化の予防又は治療剤に関するものである。
近年、心筋梗塞や動脈硬化症といった生活習慣病を患う中高年者や小児が増加してきている。心筋梗塞や動脈硬化症の主要な危険因子の1つに、高コレステロール血症がある。
高コレステロール血症の治療は一般には、医薬品が投与され、種々の食事制限が加えられる。しかし、医薬品の中で主流となっている体内でのコレステロール合成経路の酵素の働きを阻害する、いわゆるHMG−CoAリダクターゼ阻害剤には、横紋筋融解作用や肝機能障害等の副作用やリバウンドがある。また、回腸内で、コレステロールを多く含む胆汁酸を吸着させ、体外に排泄させるイオン交換樹脂を用いる医薬品は大量に服用する必要があるが、まずくて不快感を伴なう等の欠点がある。
又、食べる楽しみを奪われ我慢を強いられる長期の食事制限も、好ましいものではない。
従って、食事制限をすることなく、かつ横紋筋融解作用や肝機能障害等の副作用等のある医薬品を投与することなしに、通常の食生活で血清コレステロール値を低下させることができれば、極めて理想的である。
この様な状況に鑑み、ヒトの血清コレステロールを低下させ、脂質代謝を改善する為に有効な機能性食品の研究が種々行われている。
従って、本発明の目的は、上記したような欠点がない、ヒトの血清コレステロール値を下げる作用を有する食品、及び、肝機能障害等の副作用を伴わないヒトの高コレステロール血症又は動脈硬化の予防又は治療剤を提供することを目的とする。
本発明者は、所属会社が販売している多種の野菜汁の混合物(野菜ジュース)が、血清コレステロール値低下の作用を有しているか否かについてラットに投与することにより試験を行ったが、そのような効果は得られなかった。従って、当該野菜ジュースは、血清コレステロール値低下作用がないものと考えられていた。
その後、本発明者の所属会社において、通常の健康診断と、後の精密検査において、血清コレステロール値に著しい低下を生じている社員が多数おり、それらの者を調査した結果、そのような低下を生じている者は、上記野菜ジュースを、健康診断の前には飲用していなかったが、健康診断と精密検査の間に社内販売により購入した野菜ジュースを1日1本程度飲用していたことが判明し、驚くべきことに、当該野菜ジュースはヒトの血清コレステロール値を低下する作用を有していることを見出した。
そこで、本発明者は、当該混合野菜ジュースのヒト血清コレステロールに対する効果に
関して、いずれの成分が当該作用を有するのかについて鋭意研究し、さらに他の食用植物についても当該作用を有するか否かについて鋭意研究を行った結果、ブロッコリー、なずな等がヒトの肝細胞コレステロール合成阻害活性を有し、特に、これらの水溶性画分中の機能性成分が当該活性を有し、ヒトに対する良好な血清コレステロール値低下作用及び低密度リポプロテインコレステロール(LDL-Chol)値低下作用を有することを見出した。さらに、驚くべきことに、きゃべつ・めきゃべつ・大根・大根葉に、上記したヒトの肝細胞コレステロール合成阻害活性を有する他の食用植物を組み合わせることにより、特異的に肝細胞コレステロール合成阻害活性が強まり、より良好なヒトの血清コレステロール値低下作用及びヒトの低密度リポプロテインコレステロール(LDL-Chol)値低下作用を有することを見出した。また、上記した植物を含有する薬剤は、肝機能障害等の副作用を伴わないヒトの高コレステロール血症の予防又は治療剤、或いは、ヒトの動脈硬化の予防又は治療剤として使用することができることを見出した。本発明は、かかる見地により完成された。
即ち、本発明は、
項1 ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するヒト血清コレステロール低下作用を有する食品、
項2 (A)きゃべつ、めきゃべつ、大根、大根葉からなる群より選ばれる1種又
は2種以上と、(B)ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、た
いせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ及びあぶらなからなる群より選ばれる1種又は2種以上、を含有するヒト血清コレステロール低下作用を有する食品、
項3 (a)ブロッコリー、(b)きゃべつ及び大根葉からなる群より選ばれる少なくとも1種、並びに、(c)セロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、パセリ及びリン
ゴからなる群より選ばれる1種又は2種以上、を含有するヒト血清コレステロール低下作用を有する食品、
項4 ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するヒト高コレステロール血症予防又は治療剤、
項5 ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するヒト動脈硬化予防又は治療剤に係るものである。
本発明食品を摂取することにより、食事制限や、運動指導をすることなく、ヒトの血清コレステロール値を低下させることが可能となる。
また、本発明のヒト高コレステロール血症予防又は治療剤、或いはヒト動脈硬化予防又は治療剤によれば、横紋筋融解作用や肝機能障害等の副作用等を伴うことがない。
以下に本発明をより詳細に説明する。
I.本発明食品
本発明の食品は、ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、
おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するものである。
これら食用植物は、ヒトにおいて最も効率良く血清コレステロール値を低下させ、かつ悪玉コレステロールといわれている低密度リポプロテインコレステロール(LDL-Chol)値を低下させる作用機作である肝細胞コレステロール合成阻害活性を有しており、本発明食品は、これら植物を含有することにより、ヒトに対する良好な血清コレステロール値低下作用及びLDL-Chol値低下作用を有しており、脂質代謝の改善に有効な食品といえる。従って、本発明の食品は、健康食品、機能性食品、特定保健用食品として摂取することができるものである。
本発明においては、これら食用植物の内、ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ及びあぶらなからなる群より選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
これらは2種以上を組み合わせて使用することができるが、特に、きゃべつ、めきゃべつ、大根、大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上と、ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ及びあぶらなからなる群より選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
好ましい組合せとしては、具体的には、きゃべつとブロッコリー、きゃべつと大根葉とブロッコリー、きゃべつとブロッコリーと白菜が挙げられる。
本発明食品において、これら植物は、生の状態として使用してもよいし、生の状態を加熱殺菌したものでもよい。また、上記の生の状態又は加熱殺菌したものを、熱風乾燥、フリーズドライ処理等により乾燥させて、膜状、板状、ブロック状等の固形物或いは当該固形物を粉砕した粉末として使用してもよい。
さらに、上記の生の状態又は加熱殺菌したものを、破砕、搾汁して使用することも可能である。或いは、上記の生の状態又は加熱殺菌したものを適当な濾布等で濾過した液体そのもの、又は、その濾過した液体を遠心分離処理して得られる上澄み液を使用することも可能である。当該上澄み液を熱風乾燥又はフリーズドライ処理等により乾燥させて、膜状や板状やブロック状の固形物やその固形物を粉砕した粉末として使用してもよい。
これら植物の、食品中における総含有量は、適用する食品や、個体差(個人差、人種差等)等によって異なり、ヒトの血清コレステロール低下の効果が得られるものであれば特に限定はされないが、0.01〜100 w/w%が適当であり、好ましくは、1.0〜
99.9 w/w%である。
食品中の含有量が、0.01 w/w%より少ないと、十分な脂質代謝改善効果を期待
できないおそれがあるので好ましくない。
本発明食品には、上記した植物の他に、ヒトの血清コレステロール低下の効果を妨げない限り、他の成分を添加することが可能である。
他の成分として、ケール、大豆、からす麦、大麦等のコレステロール低下作用を有する
植物として公知のものを添加することが可能である。また、通常食品に含有されているような他の植物、例えば、セロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、パセリ、リンゴ、レモン等を上記と同様に処理したものを添加してよい。
特に、本発明においては、ブロッコリーときゃべつ又は大根葉の組合せに、セロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、パセリ、リンゴ又はレモンから選ばれる1種以上を添加した食品が好ましい。
本発明食品には、他の成分として、通常食品の分野で用いられている添加物、例えば、澱粉、乳糖、セルロース、デキストリン、糖アルコール、増粘多糖類などの賦形剤;蔗糖、麦芽糖、ソルビトール、マンニトール、オリゴ糖などの甘味成分;ビタミン、カルシウムなどの栄養補給剤を添加することもできる。
本発明食品は、食品を製造する工程中の適当な時期に、上記のように処理された植物そのもの、賦形剤や食品中の原料の一部に希釈した混合物、或いは、エタノールやその水溶液等に溶解乃至分散させたものを原料中に添加し、常法に従って混合し、その他は当該食品の通常の製造方法によって製造することができる。かかる混合に際しては熱をかけることもできる。
また、上記のように処理された植物そのもの又はその混合物や溶解液を、一旦製造された食品に添加し、常法により混合することによっても製造することができる。
本発明食品は、ヒトが食する食品に限られ、ヒト以外の動物(犬・猫・兎・ラット・マウス等)の飼料(餌)は含まないものである。
本発明食品は、特に限定されることなく、飲食物や嗜好品も含まれる。具体的には、粉末、錠剤、カプセル、飴、キャンディー、ヌガー、チョコレート、ゼリー、ビスケット、ケーキ、パン、麺類、液体飲料、野菜ジュース、乳酸飲料、みそ、ヨーグルト等の醗酵製品、かまぼこ、ちくわ等の水産練り製品、ハム、ソーセージ、加工乳、チーズ等の畜産製品、たれ、ドレッシング、ソース、醤油等の調味食品や健康食品等を挙げることができる。
本発明食品の摂取量は、食品の形態、摂取するヒトの年齢、体重、性別、目的、健康状態等において適宜決定でき、特に限定されるものではないが、通常、液状であれば、1日5〜1,000 ml程度、固体状であれば、1日 0.1〜100g程度を数回に分けて摂取するのが好ましい。
また、本発明食品は、食前、食後、食間を問わず、1日のうちいつでも摂取しても良いが、特に朝食前、昼食前、夕食前、空腹時に摂取すると効果的である。
さらに、本発明食品は、公知の高コレステロール血症予防又は治療剤、例えばメバロチン等と併用して用いることができる。併用する場合は、本発明食品のコレステロール低下作用により、該予防又は治療剤の使用量を減少させても使用量を減少させない場合と同等のコレステロール低下作用を得ることが可能となり、長期の予防又は治療において、副作用の面から有利である。
II.本発明予防又は治療剤
上記したブロッコリー、ナズナ等の本発明食品に含有される食用植物は、ヒトの肝細胞コレステロール合成阻害活性を有するものであり、ヒトの血清コレステロール低下作用を有するものである。従って、これら植物を含有する薬剤は、ヒトの高コレステロール血症予防又は治療剤、さらに、ヒトの動脈硬化予防又は治療剤として使用することができる。
従って、本発明には、ブロッコリー、なずな、すずしろ、はたざお、たがらし、たいせい、おおばたねつけばな、やまがらし、おらんだがらし、たかな、からしな、わさび、ゆりわさび、はくさい、ひのな、すぐきな、かぶ、あぶらな、きゃべつ、めきゃべつ、大根及び大根葉からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するヒト高コレステロール血症又はヒト動脈硬化予防又は治療剤も含まれる。
本発明予防又は治療剤におけるこれら食用植物の好ましい種類・組合せについては、上記本発明食品における場合と同様である。
本発明予防又は治療剤には、通常医薬製剤の調製に用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化材、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味・矯臭剤、安定剤等の添加剤等を適宜配合することもできる。
これら通常添加剤の添加量は、所期の効果を妨げない限り特に限定されるものではないが、例えば、添加後の全量に対して0.001〜90.0重量%、好ましくは、0.01〜70.0重量%程度添加することできる。
本発明の高コレステロール血症予防又は治療剤は、その目的に応じて、液剤、錠剤、顆粒剤、丸薬等の任意の形態として使用でき、本発明食品と同様にしてブロッコリー等の植物を処理し、その剤型の常法に従って調製することができる。
本発明血症予防又は治療剤は、ヒトに適用するもの限られ、人間以外の動物(犬・猫・兎・ラット・マウス等)の高コレステロール血症又は動脈硬化予防又は治療剤は含まないものである。
本発明予防又は治療剤の投与量は、その形態、投与するヒトの年齢、体重、性別、目的等に応じて適宜決定でき、特に限定されるものではないが、通常、液剤であれば、1日5〜1,000 ml程度、固形状剤であれば、1日0.1〜100g程度を数回に分けて摂取するのが好ましい。また、食前、食後、食間を問わず、1日のうちいつでも摂取してもよいが、特に朝食前、昼食前、夕食前、空腹時に摂取するのが好ましい。
以下、試験例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。尚、特に断らない限り、以下の%表示は重量%(w/w%)を表わす。
試験例1 肝細胞コレステロール合成阻害活性試験
I. 試験試料の組成及び調製
表1に示すそれぞれの植物混合物1000gの野菜汁をガーゼ濾布で濾過し、得られた濾液を10000Gで遠心濾過した。濾過により得られた上澄み液をフリー
ズドライ処理して表2に示す試験試料を得た。
Figure 2013241467
Figure 2013241467
II. 試験方法
被験物質として、表2に示したS−1〜S−8を用い、陽性対照としてプラバ
スチンナトリウムを5.6%含有している錠剤(商品名:メバロチン)を用いた。これら被検物質を、乳鉢で粉砕し、投与した。
10%FCSを含むDMEMで培養したHepG2細胞(2×105cells)を、6ウェルプレートに植え込み3日間培養した(ほぼコンフルエント)。培地除去後、DMEMで調製した被験物質S−1〜S−8と陽性対照に14C―酢酸を添加し、2時間培養した後、培地除去、PBS洗浄、KOHで細胞を溶解、ケン化という処理を行い、次いでエーテルで抽出し、乾固した。
乾固し得られた抽出物をアセトンーエタノールで溶解し、0.5%ジキトニン添加後の沈渣の放射能量をシンチレーションカウンターで測定した。
III. 試験結果
試験結果、即ち、HepG2細胞でのコレステロール合成を50%阻害する被験物質及び陽性対照物質の濃度を表3に示す。
Figure 2013241467
表3に於いて、力価の陽性対照比とは、各被験物質の50%コレステロール合成阻害濃度で、陽性対照(メハ゛ロチン) の50%コレステロール合成阻害濃度の0.002%を
割った値であり、陽性対照と同一重量の被験物質の力価を陽性対照比で表わしたものである。
又、力価補正収率換算(基準S-7)とは、試験試料の収率を表2から求め、S−
7を基準にして力価の陽性対照比を補正したものであり、コレステロール合成阻害活性を元の植物混合物にさかのぼって各試験試料間で比較できる様に、表わしたものである。
従って、理論的には、試験試料S−7と陽性対照(メバロチン)の高コレステロール血症群への投与臨床試験を実施し、その結果を比較して、両試料が同等の血清コレステロール低下作用を示す投与量(dose)が見出せた場合には、この力価補正値を基に各植物混合物の投与量が算出可能となる。
尚、試験例1に於いて、上記コレステロール合成阻害活性は各試験試料の水溶性画分のみに見出されたものであり、同時に実施した、各試験試料のエタノール画分・アセトン画分・酢酸エチル画分中には、コレステロール合成阻害活性は見出されなかった。
試験例2 人臨床試験
試験例1で肝細胞でのコレステロール合成阻害活性が見出された
試験試料の中から、T−1、T−5、T−7、S−7について高コレステロール血症群を被験者として人臨床試験を実施し、臨床効果の有無と臨床効果とコレステロール合成阻害活性との間の相関性について評価した。
I. 臨床試験内容
1)高コレステロール血症患者80名を4群に分け、表4に示す試験試料(缶詰飲料)を1日当たり2缶、4週間飲用してもらい、血清コレステロール値等の血液指標の改善効果を評価した。
2)4週間の試験期間前後(0週・4週)に血液採取を行った。
3)試験期間中は、試験試料飲用以外は通常の食生活・日常生活を行い、食事制限・運動指導は一切行わなかった。
II. 臨床試験の対象
以下の基準を満たす高コレステロール血症患者を対照とした。
1)選択基準
i) 血清総コレステロール値が240(mg/dl)以上の者
ii) 本試験の目的と内容を理解し、被験者となる事に同意した者
2)除外基準
i) 肝臓疾患・糖尿病等の合併症を有する者
ii) 高コレステロール血症治療中で治療薬を服用中の者
iii) その他、担当医師が不適当と判断した者
III. 試験試料
表1に示した植物混合物T−1、T−5、T−7を搾汁して得られた野菜汁を濾過して得られた濾液をそれぞれ1缶160gの缶詰に充填して試験試料とする。表2に示したS−7をT−7 160gに相当する量の9.92gを精製水で
溶解し、160gとして、同様に1缶160gの缶詰に充填して試験試料とする。
Figure 2013241467
IV. 試験結果
試験を行った4群の臨床試験前後の総コレステロール値の変化及び低下率を表5に示し、LDLコレステロール値の変化及び低下率を表6に示す。
Figure 2013241467
Figure 2013241467
表5より、本発明食品を飲用することにより、O−1〜O−4群のいずれの群においても、総コレステロール値が低下していることがわかる。
特に、O−4群では、総コレステロール値が、4週の飲用により平均11.9%低下している。この低下率は、試験例1で陽性対照としたメバロチンの投与量別の低下率と比較すると、1日当たり、5mgを4週間投与した場合の11.1%の低下率にほぼ匹敵している。尚、メバロチンの定められた投与量は、1日当たり10mgであり、この場合、総コレステロール値は18〜20%低下する。
表5と表6のコレステロールの変化量より、総コレステロール値の低下における主要な低下要因が、LDLコレステロールの低下によるものである事が明らかである。
表3に示した力価補正と表5の結果を比較すると、S―7の力価を1とした場合、O−3(T−7)は▲11.5%と、O−4(S−7)の▲11.9%とほぼ同等の低下率を示し、力価補正が1対1と同一力価であることと、ほぼ一致している。
O−1(T−1)は▲10.6%と、O−4(S−7)の▲11.9%に比べ0.89対1となり、力価補正が0.90対1であることと、ほぼ一致している。
O−5(T−5)は▲3.5%と、O−4(S−7)の▲11.9%に比べ0.29対1となり、力価補正の0.34対1であることと、ほぼ一致している。
又、安全性関連指標は、肝臓関連指標のGOT、GPT、ALP、γ―GTP、LDH-5等に
は、変化は見られず、心筋・骨格筋関連指標のCPK、LDH-1、LDH-2、LDH-3、LDH-4、クレ
アチン、クレアチニン等にも変化は見られず、腎臓関連指標のBUN、クレアチニン、尿酸
等にも変化は見られなかった。
さらに、栄養充足関連指標では、血清総蛋白、アルブミン、免疫グロブリン、コリンエステラーゼ、血清アミラーゼ等には、変化は見られず、赤血球数、血色素量、血小板数、ヘマトクリット、白血球数、白血球分画(好塩基球、好酸球、
リンパ球、単球等)等にも変化は見られなかった。
以上から、本発明食品のヒト血清コレステロール低下作用は、肝細胞コレステロール合成阻害活性を主たる作用機作としており、低密度リポプロテインコレステロール(LDL-Chol)値を選択的に低下させることで、血清総コレステロールを低下させ、脂質代謝の改善に有効であることが明らかである。
本発明食品の血清コレステロール低下作用は、医薬品のメバロチンに比較すると、弱い効果であるが、肝臓や心筋への副作用は何ら認められなかった。
従って、本発明食品は、新規の医薬品に見られる様な未知の副作用の心配がない、通常の食生活で食している一般的な野菜の混合物で、ヒトの血清コレステロールを低下させることができる点で、コレステロールが高めの人が予防的に使用する場合には十分、保健的な意義があると考えられる。
比較試験例1
ラットに、ブロッコリー、きゃべつ、大根葉、セロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、パセリ及びリンゴを適量含有する混合野菜ジュースを投与した試験結果を以下に示す。
SD−SPFラット(雄、4週齢)10匹を2群に分け、A群(コントロール群)には、標準餌のみを自由摂取させ、B群(試験群)には、標準餌と、混合野菜ジュースを自由摂取させた。
一般的に、コレステロール値を下げるための予防又は治療を行う際には、食事制限をしない場合であっても、脂肪負荷食のような脂肪過剰な食事はしない。従って、本発明の試験例では、混合野菜ジュースの血清コレステロール低下作用を評価するために、脂肪負荷食ではなく、標準餌を摂取させた。
試験開始前、試験開始4週間後の両群の総コレステロール値を表7に示す。
Figure 2013241467
標準食に加えて混合野菜ジュースを与えたB群において、総コレステロール量は低下しているが、標準食を与えたA群においても、同様に総コレステロール量は低下していた。また、A群とB群の変化量及び変化率を比較すると、標準食のみを与えたA群の方が高かった。
以上の結果は、ブロッコリー、きゃべつ、大根葉等を含有する混合野菜ジュースが、ラットの総コレステロールを低下させる作用を有していないことを示す。

Claims (4)

  1. ブロッコリー及びキャベツを含有し、
    さらにセロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、パセリ、リンゴ、レモン及び大根葉を含有し、
    ブロッコリー及びキャベツによるヒト血清LDLコレステロール低下作用を有する、コレステロールが高めの人用のLDLコレステロール低下用缶詰飲料。
  2. 特定保健用食品である、請求項1に記載の飲料。
  3. 野菜ジュースである、請求項1又は2のいずれかに記載の飲料。
  4. 1缶160gの缶詰飲料である、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
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