JP2013241001A - 遮光性と鏡面光沢性とに優れた発泡延伸プラスチックボトル - Google Patents

遮光性と鏡面光沢性とに優れた発泡延伸プラスチックボトル Download PDF

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Abstract

【課題】遮光性と鏡面光沢性との両方に優れた発泡延伸プラスチックボトルを提供する。
【解決手段】発泡セル1が内部に分布した発泡領域が胴部に形成されている発泡延伸プラスチックボトルにおいて、該発泡領域の少なくとも一部で、該発泡セル1のボトル軸方向長さは、発泡セル1の存在する位置が胴部の内面側に位置するものが最も大きく、外面側に存在するものが最も小さくなっている傾斜分布を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気泡が内部に分布している発泡領域が胴部に形成されている発泡延伸プラスチックボトルに関するものである。
現在、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル容器は、透明性、耐熱性、ガス遮断性等の特性に優れており、種々の用途に広く使用されている。
一方、近年では、資源の再利用が強く求められ、上記のようなポリエステル容器に関しても、使用済みの容器を回収し、リサイクル樹脂として種々の用途への再利用が図られている。ところで、包装容器内に収容される内容物については、光により変質しやすいもの、例えばある種の飲料、医薬品、化粧品などは、顔料等の着色剤を樹脂に配合した樹脂組成物を用いて成形された不透明容器に収容されて提供される。しかるに、資源の再利用の点からは、着色剤の配合は望ましくなく(リサイクル樹脂に透明性を確保することが困難となってしまう)、このため、透明容器の使用が要求されているのが現状であり、従って、光変質性の内容物の収容に適した不透明性容器についてもリサイクル適性の改善が必要である。
着色剤を配合せずに遮光性(不透明性)を付与するためには、容器壁に気泡を存在させて発泡容器とすることが考えられ、このような発泡プラスチック容器に関しても種々提案されており、例えば、特許文献1には、発泡セルの平均径が変化している特徴を有しており、表面側に存在する発泡セルの平均径が内部に存在する発泡セルの平均径よりも微小となっている発泡成形品が開示されている。
しかしながら、特許文献1で提案されているような発泡セルの平均径が変化している特徴を有する成形体では、中心部分に厚肉の非発泡部(発泡セルが存在していない部分)が形成されてしまうため、十分な遮光性が得られない。この場合、壁部の全体に発泡セルを分布させ、中心部分に厚肉の非発泡部を形成しないようにすることが考えられるが、このような場合には、胴部の中心部分に非常に大きな発泡セルが分布するようになってしまうため、発泡による強度低下が著しくなってしまい、実用的には採用することができない。
また、特許文献2には、最大延伸方向に沿った容器壁断面でみて、平均長径が400μm以下で且つ平均アスペクト比(長径/短径)が6以上の偏平形状を有する発泡セルが、厚み方向に重なり合うようにして壁中に分布している発泡プラスチック容器が提案されている。
さらに、特許文献3には、発泡セルが分布したプラスチックにより形成された容器壁を有しており、該容器壁の面方向の発泡セルの長さが、容器外面から内面に向かって小さくなっているという発泡プラスチック容器が提案されている。
特許文献2及び3は、何れも本出願人の提案によるものであり、特許文献2の発泡容器は、パール調の外観を呈しており、商品価値が高いという利点があり、特許文献3の発泡容器は、発泡セルの形成によるガスバリア性の低下を有効に抑制できるという利点を有しているが、ボトルのように発泡セルが形成される部分の厚みが比較的薄く制限されている場合には、何れも高い遮光性と同時に高い鏡面光沢性を得ることができないという面で、未だ改善の余地が残されている。即ち、何れも発泡セルの形状は偏平形状を有しているが、発泡セルの数を増大させると、その鏡面光沢性が損なわれるという問題があったのである。
特開2005−246822号 特開2007−22554号 特開2009−234627号
従って、本発明の目的は、遮光性と鏡面光沢性の両方に優れた発泡延伸プラスチックボトルを提供することにある。
本発明者等は、不活性ガスを発泡剤として用いた発泡(所謂マイクロセルラー技術による発泡)によって微細な発泡セルが容器胴部に形成された延伸発泡ボトルについて多くの実験を重ねて研究した結果、発泡セルの大きさ(容器軸方向長さ)に、従来公知の発泡容器中の発泡セルが有している傾斜分布とは全く逆の傾斜分布を持たせることにより、遮光性と鏡面光沢性との両方を満足させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、発泡セルが内部に分布した発泡領域が胴部に形成されている発泡延伸プラスチックボトルにおいて、該発泡領域の少なくとも一部で、該発泡セルのボトル軸方向長さは、該発泡セルの存在する位置が胴部の内面側に位置するものが最も大きく、外面側に存在するものが最も小さくなっている傾斜分布を有していることを特徴とする発泡延伸プラスチックボトルが提供される。
本発明の発泡延伸プラスチックボトル(以下、単に「発泡延伸ボトル」と呼ぶことがある)においては、
(1)前記発泡領域のうち、発泡セルのボトル軸方向長さが前記傾斜分布を有している領域において、外面側には、発泡セルが存在していない非発泡層が形成されていること、
(2)前記発泡領域のうち、発泡セルのボトル軸方向長さが前記傾斜分布を有している領域における全光線透過率が20%以下であり、且つこの領域における胴部外面の20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が40%以上であること、
が好ましい。
尚、20度鏡面光沢度(JIS Z8741)は、可視波長範囲全般にわたって1.567の屈折率を示すガラスの表面に、規定された入射角θ(20度)での鏡面光沢度を基準値とし、この基準値を100%として示したものである。
本発明の発泡延伸ボトルは、胴部に形成されている発泡領域中の発泡セルのボトル軸方向長さが傾斜分布を有しており、該発泡セルの存在する位置が胴部の内面側に位置するものが最も大きく、外面側に存在するものが最も小さくなっている。即ち、この傾斜分布は、前述した特許文献3の発泡容器で形成されている発泡セルとは全く逆である。本発明においては、発泡セルのボトル軸方向長さが、このような逆方向傾斜分布を有しているため、遮光性と鏡面光沢との両方を満足させることができる。
即ち、鏡面光沢とは、物体表面の物理的性質であり、「表面の選択的な方向特性によって、物体の明るい反射がその表面に写りこんで見える見え方」とJISには定義されている。このような鏡面光沢の程度は、正反射光と散乱反射光との強さの比に大きく依存し、正反射光が強いほど鏡面光沢度が高く、散乱反射光が強くなるほど鏡面光沢度が低くなる。
本発明で形成されているような発泡セルのボトル軸方向長さ(以下、「セル長」と略すことがある)の傾斜分布では、ボトルの胴部外面側に位置する発泡セルが最も小さなセル長を有しており、この結果、高い鏡面光沢を確保することが可能となる。即ち、最外面側に位置する発泡セルのセル長を小さくすることにより、外面での散乱反射光が低強度となり、鏡面光沢度が高くなるわけである。例えば、最外面側の発泡セルのセル長が大きいと、外面での散乱反射光が高強度となり、鏡面光沢度が低下することとなる。
上記の説明から理解されるように、外面側の発泡セルのセル長を小さくすることにより、鏡面光沢度を高めることができるのであるが、反面、セル長を小さくすると、反射面が小さく、反射光量が少なくなり、遮光性の低下をもたらす。しかるに、本発明では、このセル長が傾斜分布を有しており、内面側に位置する発泡セルほど、セル長が大きく、反射面の低下を緩和すると同時に、厚み方向で発泡セルの重なり度合を高め、多重で散乱及び反射が生じるようになっている。この結果、外面側のセル長を小さくして鏡面光沢度を高めているにもかかわらず、優れた遮光性を維持することができるのである。
本発明の発泡延伸プラスチックボトルの胴部におけるボトル軸方向断面の一例を示す概略図である。 本発明の発泡延伸プラスチックボトルの胴部におけるボトル軸方向断面の他の例を示す概略図である。 図1の胴部を有するプラスチックボトルの製造プロセスを説明するための図である。 ブロー成形前の発泡プリフォームの形態を示す図である。 図1或いは図2の発泡延伸プラスチックボトルの胴部に対応する発泡プリフォームの胴部の軸方向断面の概略を示す図である。 実施例1で作製された発泡ボトルの胴部断面についてのSEM写真。 実施例2で作製された発泡ボトルの胴部断面についてのSEM写真。
<発泡延伸プラスチックボトル>
本発明の発泡延伸プラスチックボトルのボトル軸方向断面を示す図1を参照して、全体として10で示されているボトル胴部壁には、発泡セル1が分布しており、この図から理解されるように、発泡セル1は、ボトル軸方向(最大延伸方向に相当)を指向した偏平形状を有しており、厚み方向に多重に重なりあって分布している。即ち、本発明においては、胴部壁内に存在する発泡セル1の形状が延伸によって偏平形状となり、これらセル1同士の厚み方向での重なりが広がり、従って、このような発泡セル1が内部に存在している領域は遮光性を示すというのが基本的な原理である。
本発明の発泡延伸ボトルでは、発泡セル1のボトル軸方向の長さ(以下、単に「セル長」と呼ぶ)Lは、胴部壁10の内面側が最も大きく、外面側にいくにしたがって次第に小さくなっており、胴部壁10の外面側に位置する発泡セル1のセル長Lが最も小さくなっている。
また、この胴部壁10の厚みDは、ボトルの用途や大きさ等によっても異なるが、一般に市販されている飲料ボトルで150乃至750μm程度の厚みである。
即ち、本発明では、胴部壁10の外面側の発泡セル1のセル長Lが最も小さいが、上記のような傾斜発泡により、胴部壁10の内面側の発泡セル1のセル長Lが最も長くなっているため、胴部壁10が延伸されて薄い壁となっているにもかかわらず、厚み方向での発泡セル1の厚み方向での重なりを多くすることができ、優れた遮光性を発現させることが可能となっている。
即ち、上記のような傾斜発泡を採用せず、胴部壁10の全体にわたって、セル長Lの小さい発泡セル1を分布させた場合には、鏡面光沢を得ることはできても遮光性の大幅な低下は免れず、セル長Lの大きい発泡セル1を分布させた場合には、遮光性を満足させることはできても、鏡面光沢を満足させることができない。
このように、上記のような傾斜発泡を採用することによって、遮光性と鏡面光沢とを両立させることが可能となるのである。
また、図1の例において、胴部壁10の内外面には、発泡セル1が存在していない薄い非発泡層10a、10bが形成されている。このような非発泡層10a,10bを形成することにより、例えば外面を表面粗さRaが5μm以下の平滑面とすることができ、これにより、鏡面光沢度を高めることができ、さらには、印刷適性やラベル貼着性を向上させることもできる。また、内面側においては、内溶液充填時の泡噴きの発生を回避したり、ボトル内容液の排出性を高め、内容液を注ぎ出したとき、ボトル内に内容液が付着残存してしまうような不都合を効果的に回避することができる。
また、上述した傾斜発泡は、発泡延伸ボトルを形成するためのプリフォームを胴部の内面側から加熱することにより形成されるものであることにも関連して、内面側に形成されている非発泡層10aの厚みdは、通常、2乃至50μm程度の薄層となっている。即ち、発泡が内面側から生じて外面側に進行していくため、内面側の非発泡層10aの厚みdは、薄く制限されることとなる。これを厚くすることも可能ではあるが、そうすると、胴部壁10の全体に分布する発泡セル1の個数が減少し、遮光性が低下してしまうおそれがあるからである。
本発明においては、外面側に存在する非発泡層10bの厚みdにより、鏡面光沢度を調整することができ、例えば、図2に示されているように、外面側の非発泡層10bを厚くすることにより、鏡面光沢度を高めることができる。即ち、非発泡層10bの厚みdが厚くなると、外面で散乱反射光の強度が弱くなるからである。従って、非発泡層10bの厚みを厚くしたときには、内面側の発泡度が図1の場合より高くなっていても、同程度の鏡面光沢度を得ることができる。
ただし、非発泡層10bの厚みdが厚くなりすぎると、当然、発泡セル1の個数が少なくなり、遮光性が低下していくことになる。従って、非発泡層10bの厚みdは、適度な遮光性が確保される程度の厚みとすべきである。
上述した本発明において、発泡セル1のセル長の傾斜分布における傾斜の程度は、遮光性と鏡面光沢度とが両立するように設定されるものであり、具体的には、全光線透過率が20%以下、好ましく10%以下であり、且つ傾斜分布を有する発泡領域における胴部外面の20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が40%以上、特に70%以上、もっとも好ましくは100%以上となるように設定されるが、この胴部壁10は延伸されて薄肉になっていることや、発泡のための加熱がプリフォームの胴部内面側からの一方向加熱により行われるなどの制限を考慮して、内面側の発泡セル1のセル長は一定の範囲に設定されている。例えば、この胴部壁10(傾斜分布を有する発泡領域)を内層、芯層及び外層に均等に3分割したとき、内層の平均セル長さLが20乃至400μm程度の範囲となっており、このような内層の平均セル長さに応じて、傾斜の程度(外面側に存在する発泡セル1のセル長)を設定し、上記のような全光線透過率と鏡面光沢度とが得られるようにすればよい。
本発明において鏡面光沢度が得られる要因としては、外層における気泡の面積割合が小さく、外面側に非発泡層が存在することが重要である。好適な表面光沢性を付与する為には、外層における気泡の面積割合が0乃至5%程度であることが好ましい。尚、発泡セルの面積割合はSEMで撮影した断面画像から市販の画像解析式粒度分布測定ソフト(Mountec社製Mac−View)を用いて測定した。また、外面側に位置する非発泡層の厚みは30乃至300μm程度に設定されていることが好ましい。
尚、上述した長さ分布を有する発泡セル1を備えた発泡領域が胴部壁に形成されている本発明の発泡延伸ボトルは、マイクロセルラー技術を利用した発泡、具体的には、後述する不活性ガスを含浸させての物理発泡により製造される。従って、このようなボトル壁10を構成する樹脂としては、不活性ガスの含浸が可能であり且つブロー延伸が可能である限り特に制限されず、それ自体公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。
例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル系共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフエニレンオキサイド樹脂;ポリ乳酸などの生分解性樹脂;などにより、胴部壁10を備えた発泡延伸ボトルを成形することができる。勿論、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物により、ボトルが形成されていてもよい。特に容器の分野に好適に使用されるオレフィン系樹脂やポリエステル樹脂が好適であり、中でもPET等のポリエステル樹脂は、本発明の利点を最大限に発揮させる上で最適である。
<発泡延伸プラスチックボトルの製造>
上述した本発明の発泡延伸プラスチックボトルは、図3に示すプロセスで製造される。即ち、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスが含浸されたプリフォーム20を作製し{図3(a)}、このプリフォーム20を所定条件下で加熱して発泡セルを生成し{図3(b)}、次いで、ブロー成形することにより図1或いは図2に示す胴部壁10を有する発泡延伸ボトル50が得られる{図3(c)}。
このような製造プロセスにおいて、不活性ガスが含浸されたプリフォーム20は、試験管形状を有しており、最終的に得られるボトルの口部に対応して、その上部の外面には螺子部20aが形成されており、それ自体公知の方法(例えば、前述した特許文献1やWO2009/119549等参照)によって得ることができる。
例えば、前述した成形用の熱可塑性樹脂を使用し、予め、螺子部20aを有した試験管形状のプリフォーム20を、射出成形等の成形手段によって成形し、次いで、このプリフォーム20を、加熱もしくは非加熱下で高圧の不活性ガス雰囲気におくことにより、このプリフォーム20に不活性ガスを含浸させることができる。この場合、温度やガス圧力は、所望の個数の偏平状の発泡セル1が形成されるに十分な量のガスが溶解するように設定される。この温度が高いほどガスの溶解量は少ないが含浸速度は速く、温度が低いほどガスの溶解量は多いが含浸には時間がかかることとなる。
また、射出成形機中の溶融混練部に高圧で不活性ガスを供給し、不活性ガスが溶解した成形用熱可塑性樹脂をそのまま射出成形等の成形に供することにより、不活性ガスが含浸した成形体を得ることもできる。この場合、射出成形機中での発泡等を防止し且つスワルマーク等の外観不良のない成形体を得るためには、例えばWO2009/119549などで本出願人が提案しているように、高圧に保持された金型キャビティ内に保圧をかけながら不活性ガスが溶解した成形用プラスチックを射出充填することにより成形を行うことが好ましい。
尚、プリフォームに不活性ガスを含浸させる際には、ガスがうまく金型から抜けないことに起因して口部の形状が変形する場合があるが、これを効果的に回避する必要があるときは、金型の口部に相当する部分の表面を粗面とするのが好適である。
上記のように射出成形機中で不活性ガスを含浸させる場合には、保圧をしながら、実質上発泡が生じないように成形金型内に射出することが必要である。この段階で発泡を可及的に抑制することにより、後段の発泡工程により生成する発泡セルを微細で且つ均一なものとすることができる。発泡が生じないように射出するには、保圧をしながら射出を行うのがよい。即ち、所定量の樹脂溶融物を成形型内に射出した後、さらに射出を継続し、型内の樹脂溶融物を加圧することにより、発泡を有効に抑制することができる。
保圧の程度(保圧圧力及び時間)は、発泡が効果的に抑制し得るように、不活性ガスの含浸量や樹脂温度等に応じて適宜設定されるが、一般的には、軽量化率が5%以下となるように設定すればよい。即ち、この軽量化率が小さいほど、発泡が抑制されていることを示し、軽量化率が0%で発泡が完全に抑制されていることを示す。このプリフォームの軽量化率は、下記式により実験的に求めることができる。
軽量化率=[(M−M)/M]×100
式中、
は、不活性ガスを含浸させずに不活性ガスを含浸させて得られたプリフォー
ム(ガス含浸プリフォーム)と同じ条件で射出することにより得られたプリフォー
ムの重量を示し、
は、不活性ガスを含浸させて得られたガス含浸プリフォームの重量を示す。
即ち、保圧圧力を大きくするほど軽量化率は低下し、また、保圧時間を長くするほど、軽量化率は低くなる。本発明において、最も好適には軽量化率が0%となるように、保圧条件を設定するのがよい。
また、本発明において、ボトルの胴部壁10の表面に、前述した非発泡層10a,10bを形成するためには、冷却固化されて成形型から取り出されており、不活性ガスが含浸されているプリフォーム20を、所定時間、常圧下(大気圧)に開放させる。即ち、これにより、プリフォーム20の外表面及び内表面から、発泡を生じさせるための不活性ガスが放出されるため、外表面及び内表面に、発泡セル1が存在しない非発泡層10a,10bを形成することができるのである。
この場合、この開放時間を必要以上に長くすると、非発泡層10a及び10bの両方の厚みが厚くなりすぎてしまい、発泡による遮光性が低下してしまうので注意を要する。
上記のようにして得られた不活性ガス含浸のプリフォーム20においては、不活性ガスの溶解量が多いほど、発泡セル1のセル密度を高くし、また発泡セルの大きさ(セル径或いはセル長)を小さくすることができ、溶解量が少ないほど、セル密度は小さく、発泡セルの大きさ(セル径或いはセル長)を大きくすることができる。従って、目的とする発泡セル1aの長さ分布やセル密度(発泡セルの面積割合に相当)に応じて、不活性ガスの含浸量が設定される。
このような不活性ガス含浸のプリフォーム20を、次の図3(b)で示されている発泡工程で発泡させることにより、器壁中に発泡セルが形成されたブロー成形用の発泡プリフォーム(図4において30で示す)が得られる。
図3(b)の発泡工程は、このプリフォーム20の、前述した螺子部20aを除く領域を加熱することにより行われる。即ち、この加熱により、不活性ガスが残存している非発泡プリフォームの内部において発泡を生じ、多数の発泡セルを器壁中に生成せしめることができる。発泡のための加熱の温度は、非発泡プリフォームを形成している樹脂のガラス転移点以上であり、このような加熱により、樹脂中に溶解している不活性ガスの内部エネルギー(自由エネルギー)の急激な変化がもたらされ、相分離が引き起こされ、気泡として樹脂体と分離するため発泡が生じることとなるわけである。
この加熱温度は、当然、発泡プリフォームの変形を防止するために、融点以下、好ましくは200℃以下、特に好ましくは115℃以下である。この加熱温度が高すぎると、加熱後急激に発泡するためセル径の制御が難しくなり、外観も悪化し、さらには胴部の結晶化が進みブロー成形性が低下する問題が発生する。
また、上記のような加熱を、螺子部20aを除く領域について行うのは、この部分に発泡セルが生成してしまうと、螺子部20aの寸法安定性や機械的強度が損なわれ、キャップを装着した時の密封性が損なわれてしまうからである。
ところで、本発明の発泡延伸ボトルでは、その胴部壁10に前述した長さ分布を有するように発泡セル1が形成されていなければならない。このために、図4に示されているように、この加熱によって形成される発泡プリフォーム30は、少なくとも螺子部20aを除く領域、具体的には、胴部及び底部に球形或いは球形に近い発泡セル1a(以下、単に球形発泡セルと呼ぶ)が形成され、その胴部壁に存在する球形発泡セル1aは、後述する延伸によって、図1,2で示されている偏平形状の発泡セル1となる。
従って、この加熱によって形成される発泡プリフォーム30は、図1に示されているような傾斜発泡がボトルの胴部壁10に形成される場合には、図5(a)に示すような傾斜発泡の球形発泡セル1aが分布した構造となり、図2に示されているような傾斜発泡の場合では、図5(b)に示すような傾斜発泡となり、何れも、発泡プリフォーム30の外面及び内面には、それぞれ、球状発泡セル1aが存在していない非発泡層30a,30bが形成されている。
図5を参照して、この発泡プリフォーム30は延伸されていないため、発泡セル1aは、球形或いは球形に近い形状を有しているわけであるが、さらに、延伸により形成される偏平形状の発泡セル1の長さ分布に対応して、この球状発泡セル1aの径(円相当径)Rは、この胴部壁の内面側から外面側にいくにしたがって次第に小さくなっており、内面側が最も大きく、外面側が最も小さくなっている。
例えば、この発泡プリフォーム30の胴部壁を均等な厚みの外層、芯層及び内層に3分割したとき、内層の平均セル径Rは、後述するブロー成形によって胴部壁が延伸されたとき、その長さが前述した平均長さ(20乃至400μm)となるような設定されていればよい。
再び図3(b)に戻って、本発明においては、図5(a)或いは図5(b)に示されているような傾斜発泡の発泡プリフォーム30を得るために、プリフォーム20の胴部を基本的には内面からの一方向加熱により発泡させることが必要である。
例えば、不活性ガス含浸プリフォーム20は、その螺子部20aが形成されている口部が冷却ホルダー23で保持され、この状態での加熱により、胴部及び底部が選択的に加熱されて発泡が行われるが、胴部の内面側から加熱することにより、少なくとも胴部壁には、図5(a)或いは(b)に示されているような径分布を有する球状発泡セル1aが生成する。即ち、所定温度に加熱することにより、プリフォームの内部に溶解している不活性ガスが膨張して球状発泡セル1aを生成し、加熱と共に、この球状発泡セル1aが大きく成長していくわけであるが、内面側からの一方向加熱を行うと、この球状発泡セル1aは、内面側から発生・成長し、内面からの伝熱によって外面側に拡散していく。従って、このような内面側からの一方向加熱による発泡では、図5(a)或いは(b)に示されているように、内面側の球状発泡セル1aの径Rが大きく、外面側のセル1aのセル径Rが最も小さくなる。
このような内面側からの一方向加熱は、前述した冷却ホルダー23を通して鉄心などの高周波加熱用芯棒27をプリフォーム20の内部に挿入し、プリフォーム20を回転させながら、高周波誘導加熱により芯棒27を加熱し、加熱された芯棒27からの放射熱によって行うことができる。
但し、後に実施例に示すような一般的な飲料用ボトルに用いられるプリフォームをブロー可能な温度まで加熱するためにはかなりの高温で内面側を加熱しなければならず、それに伴い内面側のみが積極的に加熱されてしまい粗大な気泡が形成されてしまう。これを回避するためには外面側からもクオーツヒータ等を用いて補助的に加熱を行うことが有効である。
即ち、本発明では、発泡セル1aが生成する領域が樹脂のガラス転移点以上で結晶化温度未満となるように内面側から加熱されるのであるが、前述した図1或いは図2に示されているような傾斜発泡とするために、少なくとも内面側の温度が高く、外面側の温度が低くなるように、加熱の出力等が調整される。一般に、内外面の温度差が小さい場合には、図1に示されているようなパターンの傾斜発泡となり(外面側の非発泡層10bの厚みが薄い)、内外面の温度差が大きい場合には、図2に示されているようなパターンの傾斜発泡となる(外面側の未発泡層10bの厚みが厚い)。
尚、加熱されるプリフォーム20の胴部の厚みがそれほど厚くない場合は、内外面の温度差を大きくすることが困難である。このような場合には、適宜、加熱と同時に、外面側にエアーを吹き付ける等の手段を採用することができる。
本発明では、上記のような方法で得られる発泡プリフォーム30をブロー成形に供することにより、その胴部壁10に図1或いは図2に示す長さ分布を有する偏平状の発泡セル1が形成された延伸発泡ボトル50が得られる。
即ち、このボトル50は、図3(c)に示されているように、発泡されていない螺子部20aを備えており、このような螺子部20aに連なって胴部及び底部を備えており、この胴部において、その壁部に前述した図1或いは図2の長さ分布を有する発泡セル1が形成されているわけである。
尚、ブロー成形工程では、樹脂のガラス転移温度以上、融点未満の温度に加熱された発泡プリフォーム30を所定のブロー金型内に配置し、延伸ロッドを伸張させて該プリフォームを延伸させながら、該プリフォーム内にエアーや窒素等の加圧ガスを吹き込んで膨張延伸させることにより行われ、これにより、本発明の発泡延伸ボトル50を得ることができる。
上記のようなブロー成形では、器壁と共に球状の発泡セル1aも引き伸ばされるため、図1に示されているように延伸方向にセル径の長い、即ち、セル長の大きい偏平形状の発泡セル1が形成されるわけである。
本発明において、ブロー成形は、それ自体公知の条件で行われ、例えば、軸方向(高さ方向)及び周方向の二軸方向での延伸倍率が2乃至4倍程度となるように延伸され、特に飲料用ボトルでは、胴部壁の厚みが前述した範囲(150乃至750μm)程度の厚みとなるように行われる。この場合、延伸倍率を大きくし且つブロー圧を高くすることにより、最外面側や最内面側のセル長Lを大きくすることができる。
尚、上記のようにして本発明の発泡延伸ボトル50を製造するにあたっては、不活性ガスの溶解量が増大するにしたがい、樹脂のガラス転移点は直線的或いは指数関数的に減少する。また、ガスの溶解によって樹脂の粘弾性も変化し、例えばガス溶解量の増大によって樹脂の粘度が低下する。従って、このような不活性ガスの溶解量を考慮して、図5(a),(b)に示す径分布の球形状発泡セル1aが形成され、さらには、図1或いは図2に示す長さ分布の偏平状発泡セル1が得られるように、各種条件を設定すべきである。
尚、上記のようにして製造される本発明の発泡延伸ボトル50では、発泡セル1が内部に存在する発泡領域は、胴部の全体にわたって形成されていることが望ましいが、場合によっては、胴部の一部についてのみ、このような発泡領域を形成することは可能である。発泡領域を胴部に部分的に形成するには、上述の発泡工程において、発泡領域を形成したい部分のみを所定の温度に加熱すればよい。
本発明の発泡延伸ボトル50は、胴部壁10に図1或いは図2に示す長さ分布を有する偏平状の発泡セル1が形成されているため、極めて高い遮光性と鏡面光沢度を示し、特に外観特性に優れている。
尚、本発明の発泡延伸プラスチックボトルにおいては、発泡領域が、本願発明特有の発泡セルの長さ分布を有する領域と、その他の発泡セルの長さ分布を有する領域の双方を有していてもよい。その他の発泡セルの長さ分布としては、例えば、発泡セルのボトル軸方向長さが、胴部の外面側から内面側に向かって漸次小さくなっていく長さ分布や、発泡セルの存在する位置が胴部の外面側から中心部側に存在するものにいくにしたがって漸次小さくなり、次いで中心部側から内面側に存在するものにいくにしたがって漸次大きくなる長さ分布がある。このような発泡ボトルを製造するには、上述の発泡工程において、ボトル軸方向での内外面加熱分布を調整すればよい。
本発明の優れた効果を次の実験例により説明する。
(実施例1)
除湿乾燥機で十分乾燥させた市販のボトル用PET樹脂(固有粘度:0.84dl/g)を射出成形機のホッパーへ供給し、さらに射出成形機の加熱筒の途中から窒素ガスを0.13重量%供給しPET樹脂と混練して溶解させ、金型内での発泡を抑えるためあらかじめ金型内部を空気で昇圧しておき(金型内圧力5MPa)、発泡しないよう保圧の程度を調整(保圧力50MPa、射出保圧時間12秒)して射出成形し、ガスが含浸した試験管形状の容器用プリフォーム(重量;31.6g)を得た。
さらに、上記のガス含浸プリフォームに対して、内面を高周波により加熱した鉄心を挿入することで加熱し、外面を補助的にクオーツヒータにより加熱した(発泡プリフォームの作製)。この際、鉄心温度およびクオーツヒータの出力はプリフォームの内面温度が外面温度より高くなるように調節した。さらに得られた発泡プリフォームをブロー成形し、内容量が約500mlの発泡ボトルを得た。
尚、上記の加熱直後(ブロー成形直前)の発泡プリフォームの外面温度を放射温度計により測定したところ100℃であり、内面温度を熱電対により測定したところ113℃であった。
上記で得られた発泡ボトルについて、その断面をSEM観察し、その写真を図6に示した。図6に示されているように、このボトル壁には多数の偏平状セルが形成されている。さらに市販の画像解析式粒度分布測定ソフト(Mountec社製Mac−View)を用いてセル長分布の評価を行った。胴部壁断面を厚み方向に3分割した際のそれぞれの領域における発泡セルの平均ボトル軸方向長さは外層で19.46μm、芯層で28.76μm、内層で33.84μmとその発泡セルのボトル軸方向長さは、内面側に位置するものが最も大きく、外面側に存在するものが最も小さくなっている傾斜分布を有していた。尚、外面側の非発泡層の平均厚みは45.8μmで、外層の気泡の面積割合は3.85%、厚み方向の平均セル数は36.2個であった。
また、この発泡ボトル胴部壁面について分光光度計{(株)島津製作所UV−3100PC}を用い、積分球式測定法により波長500nmでの全光線透過率を測定したところ6.2%と優れた遮光性を有していた。
また、この発泡ボトル胴部外面についてスガ試験機株式会社製デジタル変角光沢計{(株)スガ試験機UGV−5K}を用い、20度鏡面光沢度を測定したところ47.3%と良好な鏡面光沢性を有していた。
(実施例2)
実施例1と同じ条件でガス含浸プリフォームを成形し、さらに内外面の温度差を拡大するために鉄心温度およびクオーツヒータ出力を調整し、外面側にエアブローを施しながらプリフォームの加熱を行い、発泡ボトルを成形した。尚、ブロー直前温度を測定すると外面が73℃であり、内面が116℃であった。
この発泡ボトルについて、実施例1と同様にSEM観察し、その写真を図7に示した。図7に示されているように、ボトル壁に多数の偏平状セルが形成され、なおかつ外面側は分厚い非発泡層となっていることが確認された。形成された発泡セルの平均ボトル軸方向長さは外層で6.05μm、芯層で28.37μm、内層で50.71μmと実施例1と同様の長さ分布を有する発泡セルが形成されていた。尚、外面側の非発泡層厚みは258.8μmで、外層の気泡の面積割合は0.07%、厚み方向の平均セル数は19.2個であった。波長500nmでの全光線透過率は11.5%と良好な遮光性を有しており、20度鏡面光沢度は105%と優れた鏡面光沢性を有していた。
(実施例3)
窒素ガス供給量を0.15重量%とした以外は実施例1と同じ条件でガス含浸プリフォームを成形し、実施例2と同等の内外面温度差を有するように鉄心温度およびクオーツヒータ出力を調整し、外面側にエアブローを施しながらプリフォームの加熱を行い、発泡ボトルを成形した。尚、ブロー直前温度を測定すると外面が74℃であり、内面が114℃であった。
この発泡ボトルについて、実施例1と同様にSEM観察したところボトル壁に多数の偏平状セルが形成され、なおかつ外面側は分厚い非発泡層となっていることが確認された。その発泡セルの平均ボトル軸方向長さは外層で7.16μm、芯層で18.61μm、内層で29.97μmと実施例1と同様の長さ分布を有する発泡セルが形成されていた。尚、外面側の非発泡層厚みは168.5μmで、外層の気泡の面積割合は0.51%、厚み方向の平均セル数は22.0個であった。波長500nmでの全光線透過率は8.8%で、20度鏡面光沢度は103%と遮光性、鏡面光沢性ともに優れた性能を有していた。
(比較例1)
実施例1と同じ条件でガス含浸プリフォームを作製し、実施例1と同程度で逆の内外面温度差を有するように鉄心温度およびクオーツヒータ出力を調整し、発泡ボトルを成形した。尚、ブロー直前温度を測定すると外面が109℃であり、内面が103℃であった。
この発泡ボトルについて、実施例1と同様にSEM観察したところボトル壁に多数の偏平状セルが形成されており、その平均ボトル軸方向長さは外層で35.15μm、芯層で24.02μm、内層で49.38μmと外面側から中心部側に存在するものにいくにしたがって漸次小さくなり、次いで中心部側から内面側に存在するものにいくにしたがって漸次大きくなる長さ分布を有していた。尚、外面側の非発泡層厚みは13.8μmで、外層の気泡の面積割合は23.6%、厚み方向の平均セル数は39.6個であった。波長500nmでの全光線透過率は5.8%で、20度鏡面光沢度は16.3%と遮光性には優れているが鏡面光沢性が不十分であった。
(比較例2)
実施例1と同じ条件でガス含浸プリフォームを作製し、エアブローを施さないこと以外は実施例2と全く同じ条件で、発泡ボトルを成形した。尚、ブロー直前温度を測定すると外面が110℃であり、内面が118℃であった。
この発泡ボトルについて、実施例1と同様にSEM観察したところボトル壁に多数の偏平状セルが形成されており、その平均ボトル軸方向長さは外層で33.60μm、芯層で25.44μm、内層で34.87μmと外面側から中心部側に存在するものにいくにしたがって漸次小さくなり、次いで中心部側から内面側に存在するものにいくにしたがって漸次大きくなる長さ分布を有していた。尚、外面側の非発泡層厚みは22.6μmで、外層の気泡の面積割合は23.15%、厚み方向の平均セル数は42.2個であった。波長500nmでの全光線透過率は4.3%で、20度鏡面光沢度は21.1%と遮光性には優れているが鏡面光沢性が不十分であった。
(比較例3)
実施例3と同じ条件でガス含浸プリフォームを作製し、エアブローを施さないこと以外は実施例3と全く同じ条件で、発泡ボトルを成形した。尚、ブロー直前温度を測定すると外面が114℃であり、内面が118℃であった。
この発泡ボトルについて、実施例1と同様にSEM観察したところボトル壁に多数の偏平状セルが形成されており、その平均ボトル軸方向長さは外層で26.11μm、芯層で19.44μm、内層で36.43μmと外面側から中心部側に存在するものにいくにしたがって漸次小さくなり、次いで中心部側から内面側に存在するものにいくにしたがって漸次大きくなる長さ分布を有していた。尚、外面側の非発泡層厚みは14.0μmで、外層の気泡の面積割合は26.05%、厚み方向の平均セル数は45.4個であった。波長500nmでの全光線透過率は4.5%で、20度鏡面光沢度は16.1%と遮光性には優れているが鏡面光沢性が不十分であった。
1:発泡セル
10:胴部壁

Claims (3)

  1. 発泡セルが内部に分布した発泡領域が胴部に形成されている発泡延伸プラスチックボトルにおいて、該発泡領域の少なくとも一部で、該発泡セルのボトル軸方向長さは、該発泡セルの存在する位置が胴部の内面側に位置するものが最も大きく、外面側に存在するものが最も小さくなっている傾斜分布を有していることを特徴とする発泡延伸プラスチックボトル。
  2. 前記発泡領域のうち、発泡セルのボトル軸方向長さが前記傾斜分布を有している領域において、外面側には、発泡セルが存在していない非発泡層が形成されている請求項1に記載の発泡延伸プラスチックボトル。
  3. 前記発泡領域のうち、発泡セルのボトル軸方向長さが前記傾斜分布を有している領域における全光線透過率が20%以下であり、且つ該傾斜分布を有している領域における胴部外面の20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が40%以上である請求項2に記載の発泡延伸プラスチックボトル。
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