JP2013240366A - 防煙垂れ幕 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 天井部aに対し略垂下状に設けられる防煙垂れ幕1において、略環状に構成された固定枠10と、固定枠10に対し枠外方向へ移動するように係合した可動枠20と、可動枠20の枠内側に止着された可撓性の垂れ幕本体30と、固定枠10と可動枠20の間に設けられて固定枠10を枠外方向へ引っ張る可動枠引張手段40とを備えた。
【選択図】 図1
Description
そこで、近年では、万が一に落下した場合でも、その落下による衝撃を軽減するように、垂れ幕の材質として、可撓性のシート材を用いる場合がある。しかし、可撓性のシート材を用いた防煙垂れ幕では、シート材が皺になったり撓んだりして、防煙性能や外観上の体裁が低下してしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に記載される従来技術では、一対の長辺枠材(2a)と一対の短辺枠材(2b)と、これら枠材内に取り付けられたガラス繊維シート(3)と、一対の長辺枠材(2a)間に配置されるとともに両端にねじ(11a,11b)を有する複数の支柱(11)とを備え、前記支柱(11)両端のねじ(11a,11b)を、それぞれ長辺枠材(2a)にねじ込み、複数の前記支柱(11)を、一対の長辺枠材(2a)間でつっかえ棒として作用させるようにしている。この従来技術によれば、各支柱(11)の両端のねじ(11a,11b)のねじ込み量を調整することにより、一対の長辺部材(2a)間を広くして、ガラス繊維シート(3)の弛みや皺を解消することができる。
また、前記従来技術では、上下方向にわたる支柱(11)によって上下の長辺部材(2a)間を調整する構造であるため、ガラス繊維シート(3)の横幅方向においては、張り具合を調整することができない。このため、ガラス繊維シート(3)の横幅方向の伸び等に起因して弛みや皺が生じた場合には、これを解消できないおそれがある。
この構成によれば、垂れ幕本体を止着した可動枠を、可動枠引張手段によって固定枠を基準に前記枠外方向へ引っ張れば、垂れ幕本体が引き張られ、該垂れ幕本体の皺や弛み等の解消することができる。しかも、可動枠引張手段を固定枠と可動枠の間に配置した構成であるため、従来技術のような回転操作される支柱を上下辺間にわたって長尺状に設ける必要がなく、枠全体を軽量化して、万が一落下した場合の衝撃を軽減することができる。その上、可動枠引張手段を横幅方向へ複数設ければ、垂れ幕本体の張力を部分的にきめ細かく調整することができる。また、可動枠引張手段を横幅方向の端部側に設けて可動枠を横幅方向へ引っ張るようにすれば、垂れ幕本体の横幅方向の張力も調整することができる。
なお、前記「略環状」には、矩形状の環状、三角形状の環状、多角形状の環状、円環状等を含む。また、前記可動枠の形状は限定されず、この可動枠には、略環状の態様、棒状の態様、その他の形状のものを含む。
この構成によれば、調節ネジを回転操作して可動枠にねじ込ませれば、可動枠が枠外方向へ移動し、該可動枠に止着された垂れ幕本体が引き張られる。
なお、「回転操作可能な調節ネジ」には、後端側にドライバーや六角レンチ等の回転操作治具を嵌合可能な頭部を有するネジやボルト、あるいは蝶ネジ等を含む。
この構成によれば、上辺側と下辺側のそれぞれにおいて、可動枠引張手段によって可動枠構成部材を固定枠構成部材に対し枠外方向へ移動させれば、可動枠構成部材に止着された垂れ幕本体を上下方向へ引き張ることができる。
この構成によれば、左辺側と右辺側のそれぞれにおいて、可動枠引張手段によって可動枠構成部材を固定枠構成部材に対し枠外方向へ移動させれば、可動枠構成部材に止着された垂れ幕本体を左右方向へ引き張ることができる。
この構成によれば、垂れ幕本体の張力により可動枠が枠内側へ移動するとともに固定枠も枠内側へ撓もうとするのを、支持部材によって抑制することができる。
ここで、前記不動部位は、例えば、当該防煙垂れ幕の設置対象である躯体壁面や、該躯体壁面に止着された部材等とすればよい。
この構成によれば、地震等の災害時の振動によって、躯体壁面や枠等が振動した場合でも、その振動を可撓性の振動吸収幕によって吸収することができ、ひいては、前記振動によって前記枠や該枠内の垂れ幕本体等が破損するのを防ぐことができる。
この防煙垂れ幕1は、図示例によれば、天井部aと、該天井部aに対し略垂直な左右の壁部b,bとで囲まれたコ字状の部分に、略垂下状に設置される。なお、図1に示す一例では、防煙垂れ幕1を横幅方向に2つ設けるようにしているが、防煙垂れ幕1を単数又は3以上設けることも可能である。
横幅方向に並ぶ複数(図示例によれば2つ)の防煙垂れ幕1は、天井側支持枠50(図6参照)、壁側支持枠60(図7参照)、及び連結支持枠70(図8参照)を介して固定される。
これら固定枠構成部材11,12の各々は、例えばアルミニウム合金材料等から成形された長尺部材である。図2に示す防煙垂れ幕1では、横方向へ延設された略平行な二本の固定枠構成部材11,11と、これら固定枠構成部材11,11の両端部側で上下方向へ延設された略平行な二本の固定枠構成部材12,12と具備している。
この凹部11aの底部壁には、長手方向へ連続する貫通孔11a1が形成され、該貫通孔11a1の端部には雌ネジ部(図示せず)が形成される。縦方向の固定枠構成部材11と横方向の固定枠構成部材12とは、図3に示すように、その一方の枠構成部材11に挿通される止着具13(例えばボルトやネジ等)が、他方の枠構成部材12の前記雌ネジ部に螺合されることで、一体矩形枠状の固定枠10として構成される。
この補強リブ11cは、前記のようにして斜め方向へ突出することで、固定枠構成部材11の厚さ方向の撓みと、該厚さ方向に直交する方向(図5によれば上下方向)の撓みとの双方を抑制し、特に、調節ネジ41によって可動枠20を引っ張った際における当該固定枠構成部材11の変形を抑制する。
これら可動枠構成部材21,22の各々は、例えばアルミニウム合金材料等から成形された長尺部材である。図示例の可動枠20は、横方向へ延設された略平行な二本の可動枠構成部材21,21と、これら可動枠構成部材21,21の両端部側で上下方向へ延設された略平行な二本の可動枠構成部材22,22とから構成される。
凹部21aは、可動枠構成部材21の長手方向へ連続して設けられる。
雌ネジ部21a1は、凹部21aの開口側から挿入される調節ネジ41を螺合するように、凹部21a内の側壁に形成されている。
貫通孔21bは、支持部材23を枠内外方向へ自在に移動するように遊挿する孔である。
そして、この支持部材23は、上下の可動枠構成部材21,21の間において、横幅方向へ所定間隔(図2によれば略等間隔)を置いて、複数(図示例によれば2つ)設けられる。
より詳細に説明すれば、垂れ幕本体30の上端側が上辺側の可動枠構成部材21に止着されるとともに同垂れ幕本体30の下端側が下辺側の可動枠構成部材21に止着される。また、垂れ幕本体30の左端側が左辺側の可動枠構成部材22に止着されるとともに同垂れ幕本体30の右端側を右辺側の可動枠構成部材22に止着される。
そして、固定枠10に対し枠外側から調節ネジ41が挿入されることで、各可動枠構成部材21,22と各固定枠構成部材11,12との間には、可動枠引張手段40が構成される。
この構成によれば、調節ネジ41の頭部が回転操作治具(例えばドライバーや六角レンチ等)により回転操作されることで、可動枠構成部材21,22を固定枠構成部材11,12に対し接近離隔させることができる。したがって、可動枠構成部材21,22に止着された垂れ幕本体30は、可動枠引張手段40の調整により、その張力が調整可能である。
図2に示す一例によれば、横方向においては、その中央側の可動枠引張手段40の数(図示例によれば3箇所)を、その両端側の可動枠引張手段40の数(図示例によれば2箇所)よりも多く設定し、特に横幅方向の中央側に生じる弛みや皺を解消するようにしている。また、縦方向においては、固定枠構成部材12及び可動枠構成部材22の上下方向の略中央寄りと上端寄りと下端寄りの箇所に、それぞれ可動枠引張手段40を設けて、上下方向で略均等に弛み及び皺が解消されるようにしている。
より詳細に説明すれば、前記弛みや皺の近くの調節ネジ41が締め付けられると、該調節ネジ41の先端側が対応する可動枠構成部材21,22にねじ込まれ、可動枠構成部材21,22が固定枠構成部材11,12側へ引っ張られる。この際、特に、長尺な横幅方向においては、固定枠構成部材11が枠内側へ弓型に撓んで変形しようとするが、この変形を、上下の固定枠構成部材11,11間に設けられた支持部材23によって抑制することができる。
より詳細に説明すれば、先ず、固定枠10の上下端部には、化粧枠14が固定される。
化粧枠14は、固定枠構成部材11を断面略コ字状に覆う数センチ程度の長さの部材であり、固定枠構成部材11の長手方向において間隔を置いて数カ所(例えば、両端側と中央側の3箇所)に配設される。この化粧枠14の装着状態において、上側の化粧枠14の下端部と、固定枠構成部材11の外面との間には、該枠の厚みを上方へ向かって厚くするように、段部14aが形成される。
なお、化粧枠14を固定枠構成部材11に対し止着する手段は、図示例によれば、止着具15(例えば、ネジやボルト等)を用いているが、嵌合や接着等、他の止着手段とすることも可能である。また、他例としては、化粧枠14を固定枠構成部材11の長手方向へわたる単数の長尺状部材とすることも可能である。
天井側支持枠50は、下方を開口した断面コ字枠状の部材であり、横幅方向へ延設されている。この天井側支持枠50内の下端側には、防煙垂れ幕1の厚み方向へ突出して対向するように、突起51,51が形成されている。この天井側支持枠50は、ブラケット52及び止着具53(例えばネジやボルト等)を介して天井部aに固定されている。
そして、図6(c)に示すように、天井側支持枠50に対し止着具16(例えば、ネジやボルト等)が挿入され、該止着具16が、化粧枠14と固定枠構成部材11に挿通及び螺合されることで、防煙垂れ幕1は落下不能に固定される。
連結支持枠70は、凹部71,72を背中合わせにした断面略H状の部材であり、縦方向の固定枠構成部材12の略全長にわたるように設けられる。
図示例によれば、一方(図8によれば左側)の凹部71には、一方の防煙垂れ幕1の固定枠構成部材12が挿入される。そして、凹部71と固定枠構成部材12とは、止着具17(例えば、ネジやボルト等)によって固定される。
また、他方(図8によれば右側)の凹部72には、他方の防煙垂れ幕1の固定枠構成部材12が挿入される。
なお、各防煙垂れ幕1は上端部が天井側支持枠50に止着されているため、前記止着具17は省くことが可能である。
壁側支持枠60は、上下方向において固定枠構成部材12の略全長にわたる断面凹状の部材であり、その底部側が止着具18(例えばネジやボルト等)によって壁部bに固定されている。
この空間Sは、地震等によって防煙垂れ幕1や、天井部a、壁部bが揺さ振られた場合に、その際の振動を吸収して、防煙垂れ幕1が該防煙垂れ幕1を支持する箇所が破損してしまうのを防ぐ。
しかも、簡素構造の可動枠引張手段40を固定枠10と可動枠20の間に配置した構成であるため、この可動枠引張手段40を複数設けたとしても、重量の増加は比較的少なくて済み、ひいては、防煙垂れ幕1が万が一落下した場合でもその衝撃を軽減することができる。
その上、可動枠引張手段40を横幅方向へ複数設けるようにしているため(図2参照)、垂れ幕本体30の上下方向の張力を横幅方向へわたってきめ細かく調整することができ、ひいては、可動枠引張手段40の横幅方向の全長にわたって皺や弛みが生じるのを防ぐことができる。
また、可動枠引張手段40を横幅方向の端部側にも上下方向に間隔を置いて複数設けているので、上下方向においても、可動枠引張手段40の横幅方向の張力をきめ細かく調整することができる。
図9に示す防煙垂れ幕1の設置構造Bは、上述した設置構造について一部を変更したものであるため、主に、その変更部分についての詳細に説明し、重複する説明は省略する。
そして、振動吸収膜82における横幅方向の一端側と他端側には、それぞれ上下方向へわたる止着バー82a,82bが接続されている。一方の止着バー82aは、止着部材83における凹部81bに対し横幅方向へ抜けることのないように嵌合される。また、他方の止着バー82bは、後述する止着部材83に対し横幅方向へ抜けることのないように嵌合される。
11,12:固定枠構成部材 20:可動枠
21,22:可動枠構成部材 23:支持部材
30:垂れ幕本体 40:可動枠引張手段
41:調節ネジ a:天井部
b:壁部
Claims (6)
- 天井部に対し略垂下状に設けられる防煙垂れ幕において、略環状に構成された固定枠と、前記固定枠に対し枠外方向へ移動するように係合した可動枠と、前記可動枠の枠内側に止着された可撓性の垂れ幕本体と、前記固定枠と前記可動枠の間に設けられて前記可動枠を枠外方向へ引っ張る可動枠引張手段とを備え、前記可動枠引張手段により前記可動枠を枠外方向へ引っ張ることで前記垂れ幕本体を引き張るようにしたことを特徴とする防煙垂れ幕。
- 前記可動枠引張手段は、回転操作可能な調節ネジを備え、この調節ネジを、前記固定枠に対し回転可能であって且つ枠内方向へ移動不能に支持するとともに、前記可動枠に螺合させていることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ幕。
- 前記固定枠を複数の固定枠構成部材によって矩形枠状に構成するとともに、記可動枠を複数の可動枠構成部材によって前記固定枠の枠内側に位置する矩形枠状に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の防煙垂れ幕。
- 前記垂れ幕本体の上端側を上辺側の前記可動枠構成部材に止着するとともに同垂れ幕本体の下端側を下辺側の前記可動枠構成部材に止着し、前記可動枠引張手段を前記固定枠及び前記可動枠の上辺側と下辺側にそれぞれ配設したことを特徴とする請求項3記載の防煙垂れ幕。
- 前記垂れ幕本体の左端側を左辺側の前記可動枠構成部材に止着するとともに同垂れ幕本体の右端側を右辺側の前記可動枠構成部材に止着し、前記可動枠引張手段を前記固定枠及び前記可動枠の左辺側と右辺側にそれぞれ配設したことを特徴とする請求項3又は4記載の防煙垂れ幕。
- 前記垂れ幕本体を引っ張る方向と平行する方向へ連続する支持部材が設けられ、
前記支持部材は、前記固定枠に対し枠外方向へ移動しないように係合するとともに、前記可動枠に対しては枠内外方向へ自在に移動するように係合していることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の防煙垂れ幕。
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