JP5927001B2 - 防煙垂れ幕装置及び該防煙垂れ幕装置の施工方法 - Google Patents
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Description
そこで、近年では、可撓性のシート材を用いた防煙垂れ幕がある。例えば、特許文献1に記載される防煙垂れ幕では、可撓性のシート材(5)と、このシート材(5)の左端側を巻取るように両端側がベアリングによって支持されたシート材巻体(4)と、該シート材巻取体(4)を収納するボックス(3)と、シート材(5)の右端側を止着する枠体(8)とを具備し、シート材巻体(4)の巻取り力によってシート材(5)を張るようにしている。
また、シート材巻体(4)を巻取り回転させてシート材(5)を引張った際には、シート材(5)の張力によって、シート材巻体(4)の軸方向の中央寄りが、シート材(5)側へ撓み、シート材(5)に撓みや弛み、皺等を生じてしまうおそれがある。
この構成によれば、巻取体を巻取り方向へ回転させると、該巻取体及び該巻取体に巻かれた垂れ幕本体の外周部に、筒状支持部が摺接して、巻取体の回転が継続する。巻取体の外周部を筒状支持部によって回転可能に覆い支持しているため、巻取体の上下側にベアリングを用いる必要がなく、支持基体の上下方向寸法を比較的小さく設定することができる。その上、巻取体の胴を覆い支持する構造であるため、垂れ幕本体の張力によって巻取体の中央側が撓むようなことを防ぐことができる。また、巻取体の周囲に隙間が生じ難い構造であるため、垂れ幕本体内外の気密性が良好である。よって、巻取体の撓みに起因して、垂れ幕本体に撓みや弛み、皺を生じるのを防ぐことができる上、垂れ幕本体による防煙効果を向上することができる。
この構成によれば、垂れ幕本体の厚さ方向の位置が安定するとともに、垂れ幕本体を同じ厚さ方向位置にて横幅方向へ引っ張ることができる。また、縁部を垂れ幕本体の表裏面のうちの一方のみに当接するようにしているため、その当接部分の気密性が良好であり、防煙効果をより向上することができる。
すなわち、この独立した発明の一つは、天井部に対し垂下状に配置される左右の支持基体と、これら支持基体の間に延設される可撓性の垂れ幕本体とを備えた防煙垂れ幕において、前記垂れ幕本体の上端に沿うように、ガイドレールを設け、該ガイドレールには、左右方向へ移動自在に挟持部を設け、前記垂れ幕本体の上端側を前記挟持部によって厚さ方向に挟持するようにしたことを特徴とする。
この発明によれば、垂れ幕本体を延設する作業を、垂れ幕本体の上端部を挟持部に挟持しなら行えるので、作業性が良好である。しかも、垂れ幕本体を左右方向へ引き張った際には、挟持部がガイドレールに沿って移動するため、垂れ幕本体に皺や撓み、弛み等を生じ難い。
この防煙垂れ幕装置1は、天井部aに対し垂下状に配置される左右の支持基体10,20と、これら支持基体10,20の間に左右方向へ連続して延設される垂れ幕本体30と、垂れ幕本体30の上端に沿うガイドレール40とを備え、一方(図1によれば右側)の支持基体10内の巻取体12を巻取り方向へ回転させることで垂れ幕本体30を張るようにしている。
第一パネル11aは、断面略L字状(図3参照)のパネルであって上下方向へ連続するとともに垂れ幕本体30の上下幅よりも若干長めに形成される。この第一パネル11aの基端側における内側面には、固定部材14に嵌合させるための突起11a1が形成される。この突起11a1は、先端側が広がった断面形状(図示例によれば略円形状)であって、上下方向へ連続して形成され、後述する固定部材14に対し、上端部又は下端部から挿入されて嵌合する。
第二パネル11bは、第一パネル11aに対し、垂れ幕本体30を間にして対称形状に設けられた部材であり、第一パネル11a同様に突起11b1を有する。
これら第一パネル11a及び第二パネル11bは、後述する固定部材14を挟むようにして一体化されている(図3参照)。そして、これら第一パネル11aと第二パネル11bの間には、垂れ幕本体30を遊挿させるスリット11cが形成される。
また、被係合凹部12cは、内部が広がった断面形状(図示例によれば略円形状)であって巻取体12の軸方向の全長にわたる溝状に形成される。この被係合凹部12cには、その下端部から、垂れ幕本体30一端側に止着された係合部31が挿入される。
そして、筒状支持部13aは、開口部13a1を周方向に挟む一方側と他方側に、該開口部13a1の上下方向に沿って縁部13a3と縁部13a5を有し、その一方(図3中の上側)の縁部13a3を、垂れ幕本体30の前記一方側の面に対し、その厚さ方向側から略直角に当接させ、垂れ幕本体30の逆側の面(図3中の下側の面)には当接するものがないようにしている。
この構成によれば、垂れ幕本体30の厚さ方向の位置が安定するとともに、垂れ幕本体30を同じ厚さ方向位置にて横幅方向へ引っ張ることができ、ひいては、垂れ幕本体30の外観上の体裁を向上するとともに、垂れ幕本体30の撓み、弛み及び皺の発生を抑制することができる。また、縁部13a3を垂れ幕本体30の表裏面のうちの一方のみに圧接するようにしているため、該圧接部分の気密性が良好であり、ひいては、防煙効果を向上することができる。
よって、この回止め係合部15a3は、回転方向の一方(図示例によれば反時計方向)において支持部材13の接続部13bに当接し、また回転方向の他方においては筒状支持部13aの外周部から突出する突片部13a4に当接するため、周方向の何れにも回転しないように保持される。
ネジ軸部15b1は、巻取体12上端側の雌ネジ孔12aに螺合する雄ネジ状に形成された軸である。
第一ナット部15b2は、一方向回転手段15の環状係合部15a2に嵌合する六角ナット状に形成された部位である。
座金部15b3は、一方向回転手段15の環状係合部15a2の上端面に当接するように形成された座金状の部位である。
第二ナット部15b4は、最上端部に位置する六角頭状の部位であり、スパナ等に治具が嵌め合せられるようになっている。
本実施例の軸状部材15bでは、座金部15b3及び第一ナット部15b2からなる座金付ナットを、第二ナット部15b4及びネジ軸部15b1からなるボルトに螺合し溶着することで構成される。
上記構成の軸状部材15bは、第一ナット部15b2を巻取体12の上端側に螺合させて締め付けられる。よって、この構成によれば、回転不能な支持部材13、及び一方向回転手段15の基部15a1及び回止め係合部15a3等に対し、軸状部材15b及び環状係合部15a2が、一方向(巻取体12の巻取り方向)へのみ回転することになる。
収納ケース21、支持部材23及び固定部材24は、それぞれ、上述した収納ケース11、支持部材13及び固定部材14(図3参照)と左右対称に構成された部材である。
支持部材23は、支持部材13と同様にして、筒状支持部23a、開口部23a1、被係合凹部23a2、縁部23a3、接続部23b等を有し、止着具23cによって固定部材24に固定されている。
固定部材24は、固定部材14と同様にして、止着部材24a、受け部材24b等を備え、止着具24cによって壁面cに止着固定される。
この垂れ幕本体30の左右端部には、係合部31,31が止着固定される。各係合部31は金属材料や合成樹脂材料等からなる略丸棒状の部材であり、垂れ幕本体30の端部に止着固定される。
このガイドレール40は、前記天井側固定部材a1に固定される固定部材41と、固定部材41に対し着脱される着脱片42と、固定部材41と着脱片42の間の内部空間で左右方向へ移動自在な単数もしくは複数(図示例によれば2つ)の挟持部43とを具備し、垂れ幕本体30の上端側を前記挟持部43によって厚さ方向に挟持する。
スライド片43aは、図示例によれば下方を開口した断面凹字状に形成され、下方へ突出する一片部を凹溝41aに嵌め合せている。
挟持片43bは、スライド片43aの他片部側に重なり合う断面逆L字状に形成された部材である。
止着具43cは、図示例によれば、スライド片43a及び挟持片43bに挿通されるチョウネジと、該チョウネジの先端側に螺合されるナットとからなる。
なお、スライド片43a及び挟持片43bは、長尺状の固定部材41及び着脱片42に対し、横幅方向の一部に設けられる短尺状の部材である。
まず、天井部aに対しガイドレール40が装着され、左右の壁面b,cに対して支持基体10,20が装着される。これらの装着順序は任意である。
詳細に説明すれば、着脱片42が外され、挟持部43を露出した状態のガイドレール40に対し、下方側から垂れ幕本体30の上端部を接近させ、該上端部を挟持部43におけるスライド片43aと挟持片43bとの間に挟み、止着具43cを締め付け、その後で、着脱片42が装着される。垂れ幕本体30は、固定部材41と挟持部43の間に挿通されるとともに、上端部が挟持部43に挟まれることで下方へ落下しなくなる。
そして、収納ケース21の下端には、カバー部材21dが装着される。
また、巻取体12の周囲に隙間が生じ難い構造であるため、気密性が良好で、防煙効果が比較的高い。
さらに、施工時には、垂れ幕本体30の上端部を簡単に吊り下げることができ、作業性が良好な上、垂れ幕本体30を挟持した挟持部43が自在にスライドするため、施行中においても、撓みや弛み、皺等を生じ難い。
この被挿通部32は、垂れ幕本体30’の下端側を上方へ折り返し止着することで、断面袋状に形成され、可撓性長尺部材50を横幅方向へ移動自在であって且つ上下方向へ移動しないように挿通する。
この可撓性長尺部材50は、垂れ幕本体30’の被挿通部32に挿通され、その少なくとも一端側が張力発生手段60を介して不動部位(図示例によれば支持基体10,20)に止着される。なお、図示例によれば、両端側に張力発生手段60を介在しているが、一方のみに張力発生手段60を介在し、他方は直接不動部位に止着するようにしてもよい。
被挿通部32から露出した可撓性長尺部材50の端部側は、張力発生手段60の被止着部材62に挿通され、その先端側に、被止着部材62からの抜けを防ぐ抜止め部材51(例えば、ワイヤースリーブ等)が止着される。
特に、防煙垂れ幕装置2は、横幅方向の寸法が比較的長い場合に上記作用効果を効果的に奏する。
さらに、他例としては、張力発生手段を、可撓性長尺部材50の長さ方向の中途部分に設けることも可能である。
30,30” 垂れ幕本体 31 係合部
12 巻取体 12b 治具係合部
12c 被係合凹部(第1の被係合凹部) 13 支持部材
13a 筒状支持部 13a1 開口部
13a2 被係合凹部(第2の被係合凹部) 13a3 縁部
15 一方向回転手段 40 ガイドレール
41 固定部材 42 着脱片
41b 開口部 43 挟持部
a 天井部 b,c 壁面
Claims (6)
- 天井部に対し垂下状に配置される左右の支持基体と、これら支持基体の間に延設される可撓性の垂れ幕本体と、該垂れ幕本体を巻取り可能な略円柱状の巻取体と、該巻取体の外周部、又は該巻取体に巻かれる前記垂れ幕本体の外周部に摺接してこの外周部を回転可能に覆い支持する筒状支持部とを備え、前記巻取体を巻取り方向へ回転させることで前記垂れ幕本体を張るようにした防煙垂れ幕装置において、
前記垂れ幕本体の左右両端部に、それぞれ、係合部が止着固定され、
前記巻取体の外周部に、前記係合部を嵌め合せて係止可能な第1の被係合凹部が設けられ、前記筒状支持部の内周部には、同じ係合部を嵌め合せて係止可能な第2の被係合凹部が設けられ、
前記筒状支持部は、左右の前記支持基体の両方にそれぞれ固定され、
前記巻取体は、左右の前記筒状支持部のうち、その一方又は両方に支持され、
前記垂れ幕本体の左右の前記係合部は、その一方が前記第1の被係合凹部に係止され、その他方が、前記第1の被係合凹部又は前記第2の被係合凹部に係止されていることを特徴とする防煙垂れ幕装置。 - 前記第1及び第2の被係合凹部は、それぞれ、内部が広がった断面形状であって上下方向にわたる溝状に形成され、その下端部から、前記垂れ幕本体の一端側に止着された略丸棒状の前記係合部が挿入されるようにしていることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ幕装置。
- 前記両方の筒状支持部のうち、その片方のみに前記巻取体が設けられ、
前記垂れ幕本体の左右の前記係合部は、その一方が、前記片方の筒状支持部に内在された前記巻取体における前記第1の被係合凹部に係止され、その他方が、前記巻取体を内在しない方の筒状支持部における前記第2の被係合凹部に係止されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防煙垂れ幕装置。 - 前記垂れ幕本体の上端に沿うように、ガイドレールを設け、該ガイドレールに、左右方向へ移動自在に挟持部を設け、前記垂れ幕本体の上端側を前記挟持部によって厚さ方向に挟持するようにした防煙垂れ幕装置であって、
前記ガイドレールは、固定部材と、該固定部材に対し着脱される着脱片とを具備し、
前記固定部材は、その内部の凹溝によって前記挟持部を左右方向へ移動可能に支持するとともに、垂れ幕本体厚さ方向の一方側に、前記挟持部を外部に露出する開口部を有し、
前記着脱片は、前記開口部を閉鎖するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の防煙垂れ幕装置。 - 前記垂れ幕本体の下端側に可撓性長尺部材を設け、該可撓性長尺部材に、前記垂れ幕本体の横幅方向の張力よりも高い張力を生じさせる張力発生手段を設けていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の防煙垂れ幕装置。
- 前記垂れ幕本体の横幅方向の一端側を一方の支持基体側の前記筒状支持部に止着する工程と、前記垂れ幕本体の横幅方向の他端側を横方向へ引き延ばしながら、前記垂れ幕本体の上端側を前記挟持部に挟持させる工程と、前記垂れ幕本体の前記他端側を他方の支持基体側の前記巻取体の外周部に止着する工程と、を含むことを特徴とする請求項5記載の防煙垂れ幕装置の施工方法。
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