JP2015019848A - 防煙垂壁取り付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シートタイプの防煙垂壁において壁間にシートの端部を張力を維持しつつ保持でき,地震時におけるシートの破損等を防止できる装置であって,長期間の使用中におけるしわの発生のおそれを実質上防止できる装置の提供。【解決手段】 防煙垂壁の設置において,防煙垂壁用シートの端部を壁に取り付けるための装置であって,(a)固定される固定枠体と,これに対しスライド可能な可動枠体を含み,(b)固定枠体が,シート方向に延びる雄ねじ有するシャフトと,シャフト取り付けられたスプリング及びナットとを含んでおり,(c)可動枠体が,シート端部を横断する方向の押さえ枠部材を壁とは反対側の縁部に備えると共に,棒状部材を押さえ枠部材より壁側に回転不能且つスライド可能に備え,(d)可動枠体が,その内側にシャフト,スプリング及びスライドする棒状部材を収容可能な空間を備える,装置。【選択図】 図1

Description

本発明は,防煙垂壁の取り付け装置に関し,詳しくはシートタイプの防煙垂壁の取り付け装置に関する。
ビル等の一定以上の床面積を有する建築物には、建築基準法により,防煙区画を構成する防煙垂壁の設置が義務づけられている。防煙垂壁は,火災時に発生する煙から人が避難するための時間的猶予を与えるためのものである。従来一般的な防煙垂壁は、多数のガラス板を天井から所定の高さまで下ろしたものを連ねることによって構成されている。それらは多くの場合,天井裏の梁等の支持構造物に取り付けられた上側フレーム部材の下側にある細長い開口にガラス板の上縁を挿入し、ガラス板の下縁両端の角部を,上側フレーム部材から下げられた吊り金具の受け部に載せる等の方法で,取り付けられていた。このようなタイプの防煙垂壁は,力学的にあまり安定でないものが多く,一部のガラス板の角部が受け部から外れて落下すると,隣接のガラス板がその反動で同じ状態となって次々と連鎖的に落下し,防煙垂壁全体の崩落に至るという事態を引き起こし易い。その上,ガラス板はこれを支える構造体が歪んだ場合,応力を受けて割れ易い。このため,従来の防煙垂壁の大半は地震に弱く,ある程度の強さの地震が起こった場合,ガラス板の割れや破片の落下,あるいは崩落を起こし,頭上から落下してくるガラス板や床面等に衝突して飛散するガラス片による怪我等の重大な身体的危険や避難上の障害となり,また地震後の収束後は,大量に散乱したガラス片が,速やかな復旧作業を妨げるという問題があった。
このため,ガラス板に較べてはるかに軽く柔軟なシートを用いた防煙垂壁も一部において用いられている。防煙垂壁に用いられるシートとしては,基材としてのガラスクロスに,合成樹脂(例えば,ジアリルフタレート樹脂や不飽和ポリエステル樹脂)を含浸させ,あるいは更に樹脂にケイ酸その他の無機充填剤を含ませた,不燃性シートが知られている。ガラスクロスを基材とした樹脂含浸シートは,極めて薄く且つロール状に巻いておける程柔軟ではあるが,ヤング率は非常に大きく,引張に対して伸びにくいという性質を有する。それらのシートを用いた防煙垂壁として,天井から吊り下げられた1枚のシートの両端をそれぞれ端部保持具により保持し且つ引張して張力を付与するタイプのものが知られており,そこでは,シートに張力を付与するために,シートの端部を保持する部材を,壁面に固定された保持具本体の調節ボルトを回すことによって壁側に引き寄せる,という機構が採用されている(特許文献1及び2参照)。
しかしながら,シートの両端をそれぞれ端部保持具により保持し且つ張力を付与するタイプにおいて,上記の機構によりシートに十分な張力を付与することが可能である一方,ある程度以上の強さの地震が起こった場合,揺れに伴う構造物の歪みにより,これに固定されて追随する端部保持具に結合されたシートも,同じく歪みの影響を受ける。上述のように,シートは極めて伸びにくいため,歪み(特に伸び)がわずかであっても非常に大きな応力がシートに生じ,シートの破損や,それに引かれる端部保持具の破損,変形等が起こり得る,という潜在的問題がある。
上記の問題に対し,本発明者は,シートタイプの防煙垂壁において壁側でシートの端部を張力を維持しつつ保持するための改良された装置であって,取り付けが容易であり,また特に地震時におけるシートの破損や,シートを保持する装置の破損,変形等を防止できる装置を開示している(特許文献3参照),各種施設において使用されつつある。当該装置は,水平に張られるシートの端部を壁面に対して保持するためのものであり,壁面に固定された固定枠体に対し,シートが張られる可動枠体がスプリングを介して取り付けられており,固定枠体に対するスプリングの一端の位置を固定枠体から水平に延びたボルトに螺合させたナットにより調節することで,スプリングを介してシートに適度な張力を加えて且つ維持できるように構成されている。
特開2008−220508号公報 特開2009−060965号公報 特開2013−000210号公報
特許文献3に記載の装置において,シートは,樹脂含浸ガラス繊維シート等の不燃性シートであり,重さがあるため,シートを弛みなく張るには,可動枠体によりかなりの張力がシートに加えられる。装置の目的上,一旦設置されシートが張られると,その状態で装置は通常長期間(例えば,装置の取り付けれら施設の使用期間)にわたって使用される。その間,装置の可動枠体に,及び可動枠体へのシート端部の結合部位にも,かなりの力が作用し続ける。長期間を経るうちに可動枠体に僅かに撓みが生じたり,あるいは可動枠体と結合させてあるシート端部(そこに張力が集中しやすい)に変形が生じた場合,シート表面にしわが生じ,それが僅かなものでも光の反射むらとして増幅されて目に映るようになる可能性がある。高級ホテルや百貨店等,高級感を演出する必要のある施設では,そのような事態が生じるのは非常に不都合である。
従って,シート取り付け後長期間を経てもシートに歪みが生じる可能性を実質上排除できるように改良された装置が望ましい。同時に,装置は,構成が単純であり,且つシートの取り付け作業が容易に行えるものであることも,製造及び作業の生産性という点から望ましい。
本発明の目的は,上記特許文献3に記載の装置の利点をそのまま残しつつ,長期間の使用中におけるしわの発生のおそれを実質上防止できるという点で改良された装置を提供することである。
本発明者は,上記特開2013−000210号公報に記載の装置において,可動枠体とシートの端部とを固定する手段として,可動枠体のシート側を押さえ枠部材とし,可動枠体の内側に,押さえ部材と平行に棒状の部材を,回転不能であるがしかし押さえ部材と当接させまた離間させるようスライド可能に設けることよって上記の目的を達成できる装置が得られることを見出し,更に検討を加えて本発明を完成させた。すなわち,本発明は次のものを提供する。
1.防煙垂壁の設置において,建築物の壁間を横断する方向に張られる防煙垂壁用シートの端部を壁に取り付けるための装置であって,
(a)壁に対して固定される固定枠体と,該固定枠体に挿入された可動枠体であってシートが張られる方向にスライド可能なものである可動枠体とを含んでなり,
(b)該固定枠体が,その壁側の縁部からシート方向に,該可動枠体の壁側の縁部を貫通して該可動枠体の内部へと延びる少なくとも1本のシャフトであって少なくともその先端側の外周面に所定の範囲にわたって雄ねじが形成されているものであるシャフトと,該シャフトの,該可動枠体の壁側の縁部を貫通して延びている部分を中に通して取り付けられたスプリングであって,該可動枠体の壁側の縁部の該シャフトが貫通している部位の周囲と該シャフトの雄ねじに螺合されたナットとの間に挟まれて取り付けられたスプリングとを含んでおり,
(c)該可動枠体が,シート端部を横断する方向の押さえ枠部材を壁とは反対側の縁部に備えると共に,該押さえ枠部材に平行に棒状部材を該押さえ枠部材より壁側に備え,該棒状部材は,回転不能に且つ該押さえ枠部材に対し当接及び離間できるようスライド可能に,両端部において該可動枠体によって保持されており,
(d)該可動枠体が,その内側に該シャフト,スプリング及びスライドする棒状部材を収容できる空間を備えているものである,装置。
2.該押さえ枠部材が,棒状又は板状であり,一側面を該棒状部材に対向させたものである,上記1の装置。
3.該可動枠体による該棒状部材の回転不能且つスライド可能な保持が,該棒状部材の両端部と係合しスライドのみを許容する,該可動枠体に設けられたガイドによるものである,上記1又は2の装置。
4.該棒状部材が両端に突起を有しており,該突起が回転不能且つスライド可能に係合するガイドが該可動枠体の上部及び下部において該押さえ枠部材寄りの位置に設けられているものである,上記3の装置。
5.該ガイドが,該可動枠体の上部及び下部に形成された溝又は切り欠きである,上記4の装置。
6.該突起が板状突起である,上記4又は5の装置。
7.該ガイドが,該可動枠体の上部及び下部において該押さえ枠部材とは反対の側に向けて開口しており,該開口部を通して該棒状部材が該可動枠部材に着脱可能である,上記4〜6の何れかの装置。
8.該棒状部材が,円筒状の部材とその内部に挿入されて固定され両端において突出している板状部材とを含んでなるものである,上記1〜7の何れかの装置。
9.該可動枠体に保持されたシートを通すことのできる間隙を残した状態で該固定枠体及び該可動枠体の側面を覆うものであるカバー部材を更に含む,上記1〜8の何れかの装置。
本発明の装置によれば,天井から吊り下げられた1枚の不燃性シートを,スプリングにより張力を維持した状態でその両端をそれぞれ保持することにより設置するタイプの防煙垂壁において,シートの張力は,棒状部材と押さえ枠部材の双方に分散されて保持されることとなるから,それらの部材に変形が生じ難く,またシートが,離散した「点」ではなく,シートの幅に沿った「線」挟んでで保持できることから,シートに応力集中が起こり難く,従って保持部位でシートが変形を起こすことも,防止できる。このため,長期間にわたる使用でもシート表面にしわが生じるおそれを実質上排除できる。
また,本発明の装置によれば,可動枠体の一部をなす棒状部材は,これにシート末端を仮固定して巻きつけ,シャフトの雄ねじに螺合されたナットを締めてスプリングの一端を固定枠体の方へ移動させるだけで,間にシートを挟んで押さえ枠部材に押しつけられ(視点を変えれば押さえ枠部材が棒状部材に押しつけられ),それによってシートが保持される。シートの端部に穴あけ等の細工をする必要もないから,シート取り付け非常に簡単に行え作業効率も高い。
本発明の装置において,棒状部材は回転不能であり,押さえ枠部材が棒状部材に押し付けられる力の大きさは,シートに作用する張力に等しく,シートは棒状部材と押さえ枠部材とによって両面で挟まれているため,押し付け力に比例した摩擦力が表裏両面で2重に作用する。このため,シート作用するこれらの摩擦力はシートを棒状部材上に固く保持するに十分であり,またシートに係る張力を増加させれば摩擦力も平行して増加しそれだけ強くシートを保持することとなるから,ナットを締め込んでシートの張力を高めても,シートが棒状部材から外れるおそれはない。こうして,十分な張力をかけた状態でシートを安定に保持することが可能となる。
なお本発明の装置が,
(1)たとえ地震による揺れに伴う構造物の歪みがあっても,シートに生じる応力がスプリングの弾性変形によって瞬時に緩和されることにより,シートに過大な張力が作用するのを効果的に防止できるため,地震時におけるシートの破断を極めて効果的に防止することができる点;及び,
(2)シートを天井から吊り下げる機構に関しては制約がなく,従来の種々の防煙垂壁の天井側の機構を用いることができるため,既設の防煙垂壁において天井側の機構は交換せずにそのまま用い,壁側でシート端部を保持する保持具その他の装置のみを本発明の装置に置き換えれば済み,現在国内に大量にある既設の防煙垂壁を,極めて簡単且つ迅速,低コストで,地震に強い防煙垂壁に変更することを可能にする点は,
特許文献3に記載の装置と変わりがない。
図1は,シートを張った状態の本発明の装置の側面図を示す(但し,装置の側面全体を覆う平らなカバーは外した状態)。 図2は,可動枠体(但し,棒状部材を取り外した状態のもの)の側面図を示す。 図3は,可動枠体(但し,棒状部材を取り外した状態のもの)の上面図を示す。 図4は,可動枠体(但し,棒状部材を取り外した状態のもの)の背面図を示す。 図5は,(a)棒状部材の上面図(端面図),及び(b)棒状部材の側面図を示す。
本発明において,防煙垂壁用パネルの製造において使用するシートとしては,当該用途に適合する不燃性シートであればよい。そのようなシートの一例として,樹脂含浸ガラス繊維シートが知られている。樹脂含浸ガラスシートは複数のものが市販されており,例えば,ガラス繊維から作った織布(ガラスクロス)に合成樹脂(ジアリルフタレート樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂等)を含浸させ,あるいは更に含浸樹脂にケイ酸その他の無機充填剤を含ませてある,国土交通大臣認定の不燃性シートが販売されており,本発明において好適に用いることができるものの一つである。
本発明において,固定枠体は,壁面に固定でき,且つこれに可動枠体が所定の範囲でスライド可能に挿入され,且つシャフトに取り付けられたスプリング(例えばコイルスプリング)の一端の位置をナットにより調整でき,スプリングで可動枠体を壁方向に押すことのできるものであれば,それ以外の具体的な形状,構造は任意である。固定枠体の壁面への固定は,ボルト等の当業者に知られた取り付け手段によって行うものであってよく,その場合に,ボルトを通して壁面に固定するためのボルト穴は,固定枠体の適した位置を適宜選んで設けておけばよい。固定枠体を形成する材料の例としては,アルミニウム,アルミニウム合金,ステンレススチールその他の金属が通常好ましいが,設計上負荷させる張力の強弱や,固定枠体の部位によっては,各種の硬質の不燃性樹脂(各種の有機/無機充填材を含有するものを含む)を適宜選択して用いることもできる。
可動枠体は,固定枠体に回転不能且つスライド可能に挿入され,壁面側の端部から内部にシャフトが挿入でき,且つシート保持部材を一体構造の一部として含むか又は着脱可能な別体としてを含むものであり,それ以外の具体的な形状,構造は任意である。可動枠体を形成する材料は,固定枠体と同様であってよい。
可動枠体の一部を構成する「棒状部材」は,通常は,上記のような金属製である。棒状部材は,中実のものであってもよいが,筒のような中空のものであってもよい。棒状部材の表面形状は,丸棒状でも角棒状(例えば,横断面が4角形,6角形,8角形等)でもよい。丸棒状の場合も,横断面の輪郭が正確な円である必要はない。棒状部材が中空のものである場合,必要に応じて,内部に細長い板状部材を密接挿嵌して溶接等により固定させておくことができる。そのようにした場合,重量を余り増やすことなしに,嵌め込まれた板状部材の面内方向の曲げに対する棒状部材の剛直さを大幅に高めることができる。棒状部材は,両端で可動枠体にスライド可能であるが回転は不能に,且つ所望により着脱可能に,取り付けられる。スライド可能且つ回転不能な方式での取り付けには,平行移動のみを可能にする適宜のガイドを設けることで行うことができる。そのようなガイドとしては,例えば,棒状部材末端の板状の突起や直線状に並べられた2個以上の突起をスライド可能に収容する溝や切り欠き,或いは,棒状部材末端の横断溝にスライド可能に嵌合するレール等が挙げられるが,これらに限定されない。
可動枠体の一部を構成する押さえ枠部材も,上記のような金属製である。シートの張力は,直接的には棒状部材に作用し,これは次いで間に挟まれたシート部分を介して押さえ枠部材により受けられる。従って,押さえ枠部材は,シートの張力全部に対抗してシートを支えるが,部材の変形原因となる応力分布に関する限り,一旦棒状部材の介在によってそのような応力は分散され弱められる。このため,押さえ枠部材は,他の条件が同一であれば,それ単独にシート末端が取り付けられている場合に較べて遥かに変形(ここでは曲げ)し難い。従って,押さえ枠部材の形状に特段の制約はなく棒状(例えば,角棒状)や板状等とすることができる。またそれらは中実のものであっても中空のものであってもよく,また断面「コ」の字状の棒であっても差し支えない。
固定枠体に設けられたシャフトの本数は,少なくとも1本であり,固定枠体及び可動枠体の上下幅に応じて2本,3本又はそれ以上と,適宜設定すればよい。またシャフトを設ける位置は,可動枠体にとってはスプリングの押圧力が直接作用する位置であるため,可動枠体全体にスプリングの押圧力が無理なく作用できるよう,可動枠体の具体的形状,構造に適した位置を適宜選択すればよい。シャフトの本数が一本の場合は,通常固定枠体の中央付近とすればよく,2本の場合は,例えば,固定枠体の上下端近く又はそれより適宜内側寄りに,3本の場合は,例えば,固定枠体の上下端近く及び中央付近に,それぞれ設ければよいが,これらに限定されない。
シャフトには,先端側の外周面に少なくとも所定の範囲にわたる雄ねじが形成されている。この雄ねじは,ナットをこれに螺着し,これを回すことで,シャフト上のナットの位置を移動させ,それによりシャフトに取り付けられたスプリングの一端の位置を調整することを可能にする。ナットを締め込んだ場合,ナットの位置は,固定枠体の固定されている壁面方向に移動するため,スプリングの可動域がそれだけ壁面寄りとなり,シートが貼られていると,これを引張する。その場合の張力の強さは,ナットの締め込みにより調整可能である。勿論,スプリングの一端を確実に支持するに必要な受け面はナット自体が備えていても,或いはそのような面をワッシャー(座金)を間に挟むことにより確保してもよい。
対向する一対の壁面間に張られる1枚のシートに対し,その両端部をそれぞれ壁に取り付けられた本発明の装置で保持することができるが,設置場所の状況によっては,一方の側のみを本発明の装置で保持し,他方の側は従来の,スプリングを用いない既設の保持機構を流用することも可能である。但し,シートの両端部を本発明の装置で保持することがより好ましい。シートの両端部をスプリングを介して保持しておけば,地震時の揺れに伴う建築物の歪みに起因してシートや保持装置に作用する過度の力を,一層確実に緩和できるからである。
シートが張られた後は,装置の一方の側から他方の側への空気(煙)の流路を塞ぐため,シートが通るための間隙(スリット等)を残して固定枠体と可動枠体とを,特にそれらの側面において覆うカバーを施せばよく,そのようなカバーの形状,構造は,固定枠体及び可動枠体の具体的形状に合わせて適宜定めることができる。
本発明において,シートの保持は,シートの張力を用いた摩擦力により,例えば次のようにして達成される。
(1)壁に取り付けられた固定枠体と組み合わせた可動枠体において,棒状部材に,シート末端をおよそ1周半程度巻きつけた状態で取り付ける。これに際しシートは,押さえ枠部材及び棒状部材の横を通った後,棒状部材の表面に沿って約1周半程度周り込ませて先端を棒状部材に仮固定しておけばよい。棒状部材を可動枠体の他の部分に対し着脱可能に構成してあれば,棒状部材にシート末端を仮固定してから当該部材を装着できる。仮固定は例えば両面テープのような一時的な手段で行えば十分である。接着剤等の半恒久的な手段で固定してもよいがその必要はない。シートの他端も,対向側の同様の装置に同様にして取り付ける。取り付けに際し,余分な弛みを生じないよう,シートの長さを予め調整しておく。
(2)スプリングの一端の位置を規定しているナットを締める方向に回してスプリングを押し,それにより可動枠体を固定枠体方向に移動させる。棒状部材にはシートの一端が仮固定され,シートの他端は対向する壁に固定された同様の装置におり取り付けらえているため,棒状部材は押さえ枠部材と同じようには移動できず,従ってほぼ定位置に止まり,壁側に移動して来る押さえ枠部材に当接し,それにより,棒状部材に巻かれたシートが押さえ枠部材の一側面との間に挟まれる。
(3)ナットを更に回すことにより,スプリングの一端が更に押されるため,スプリングの他端は可動枠体を壁側に更に押し,それによりシートに張力が生じると同時に,棒状部材を押している押さえ枠部材により,挟まれた部分のシートの両面に2重に摩擦力が発生する。各面の摩擦力は,それぞれ,押さえ枠部材による押圧力(シートの張力に等しい)に比例しており,これら両面に生じる摩擦力によって,シートはその位置に容易に固定される。ナットを更に回して張力を更に高めても,摩擦力も同時に増大するから同様であり,シートは,シートの張力それ自体によって,棒状部材と押さえ枠部材との間に挟まれた状態で確実に固定される。重力や気流による風圧等,他の外力の影響を受けなくなる程度に,ナットを回してシートの張力を高めた段階で,シートの張り付けは完了する。
以下,一実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが,本発明が実施例に限定されることは意図しない。
図1は,壁(W)に取り付け,シートを張った状態の本発明の装置の側面図(但し,装置の側面を覆う平らなカバーは外した状態で示す)である。装置は,固定枠体,可動枠体(棒状部材を含む)とからなる。また,図2は,可動枠体(但し,棒状部材を取り外した状態のもの)の側面図であり,図3はその上面図,図4はその背面図(可動枠体基部側),図5aは棒状部材の上面図(端面図),図5bはその側面図を,それぞれ示す。
これらの図において,1(図1)は金属製の固定枠体であり,全体としてコの字状の外形をなし,その各辺をなす部分の断面も,それぞれが内側に向かってに開いたコの字状である。3は金属製の可動枠体であり,壁面の方に向かって「コ」の字状に開いた断面を有する可動枠体基部3a,上側及び下側の可動枠体水平部3b,押さえ枠部材5,及び棒状部材7から構成されている。可動枠体基部3aは,可動枠体水平部3bの一部と共に,固定枠体1の「コ」の字状の断面の内側に水平方向にスライド可能に収まっている。可動枠体材基部3aの横断面幅は,固定枠体1の「コ」の字状断面の内寸より小さく,可動枠体基部3aは,奥までスライドさせた場合,固定枠体基部1aの「コ」の字状断面内に収まることができる。
固定枠体1には,壁に縦方向に固定される部分である固定枠体基部1aの内側2箇所から立ち上がって押さえ枠部材5の方向に延びる2本のシャフト17が備えられている。シャフト17には,外周に雄ねじが形成されており,シャフト17の基部は,本実施例では,固定枠体基部1aの内側に溶接されているナット(図では省略)に螺着し且つ一部を溶接することにより脱落不能に固定されている。当該ナットの頭部の最大径は,可動枠体基部3aのコの字状断面の内法より小さく,可動枠体基部3aがスライドして固定枠体基部1aの内側に当接したしたときには,当該ナットは,可動枠体基部3aのコの字状の断面内に収まり,これとは干渉しない。
2本のシャフト17は,それらに対応する位置において可動枠体基3aに設けられた2個のシャフト穴30(図4)を通過し,可動枠体3内側に配置されたコイルスプリング19を通って延びており,先端側において,コイルスプリング19の末端位置を規定するナット23がワッシャー(図では省略)と共に螺着されている。こうして,スプリング19は,可動枠体3の可動枠体基部3aの内側表面(シャフト穴の周囲)とシャフト17の末端側に取り付けられたワッシャーとの間に挟まれている。
可動枠体3の一部をなす押さえ枠部材5は,金属製の板であり,その狭い側の一側面を内側に向けて両端において,可動枠体水平部3bの末端に,本実施例では,溶接されている。押さえ枠部材5の内側には,これに平行に,棒状部材7が水平なスライド可能且つ着脱可能に取り付けられている。
図5に示すように,本実施例での棒状部材7は丸棒状で,円筒状の金属管7a内に金属板7bを密接挿嵌して両者を部分的な溶接により固定したものであり,金属板7bは金属管7aの両端において同じ長さだけ突出部を有する。これらの突出部は,図1において,それぞれ,可動枠体水平部3bに設けられた,細長い切り欠き32(図3)内に,水平なスライドが可能に挿入されている。
図1,2に見られるように,切り欠き32の中間の位置において,可動枠体水平部3bは,一旦内側に折れ曲がって段部35を形成しており,それにより,一対の可動枠体水平部3b同士の間隔は,可動枠体基部側3aの側に較べて段部35よりも先端側において狭まっている。このため,切り欠き32は,段部35において,可動枠体基部3a側(すなわち,押さえ枠部材とは反対の側)に開口している。
金属管7aの長さは,可動枠体水平部の段部35より先端側の部分間の内法にほぼ等しくそれらの内面に接して嵌まることができ,また,金属板7bの突出部の長さは,段部35より可動枠体基部3a側における可動枠体水平部3b間の内法にほぼ等しく,それらの内面の間に嵌まることができる。このため,棒状部材5の金属板7bの両突出部は,切り欠き32の開口部を通して切り欠きに出し入れでき,従って,棒状部材7は,可動枠体3に着脱可能である。
図1において,棒状部材7には,シートSの末端が約1周半巻かれた位置で棒状部材に両面テープで仮固定され,且つシートSは,棒状部材7と押さえ枠部材5との間に挟まれて固定されている。
シートSの取り付けの手順は概略次のとおりである。すなわち,シートSの一端を棒状部材7に仮止めして1周半程度巻きつけた状態で,棒状部材7を上下の可動枠体水平部3bの間を差渡すように入れ,両端における金属板7bの突出部をそれぞれの切り欠き35内にその開口部から挿入する。次いで,上下両方のナット23を締める方向に回してスプリング19を壁側に方向に押しやり,それによりスプリング19の他端で可動枠体基部3aを押して固定枠体基部1a側へと押す。それにより可動枠体3の棒状部材7以外の部分は,固定枠体基部1a側へある程度平行移動するが,棒状部材7にはシートSの一端が取り付けらておりシートの他端は他の同様の装置に固定されているから,シートSに引かれる結果となり,そのため最初は隙間があっても,押さえ枠部材5の方へとスライドしてこれに(シートを挟んで)当接する。その後は,ナットを更に回して,可動枠体基部3aと連動する押さえ枠部材5により,棒状部材7を可動枠体基部3aの方向に押すことで,シートSの張力を増大させる。図示した構造から明らかなように,シートSの張力は,押さえ枠部材5がシートSを挟んで棒状部材7を押す力に等しく,このためシートは,押さえ枠部材5と棒状部材7とに挟まれた両面にそれぞれ作用する,シートの張力に等しい大きさの押圧力に応じた摩擦力(静止摩擦力)によって,それら両部材間に固定される。シートSが適度な張り加減となるまでナット23を回せば,シートの取り付けは終了する。その後,空気の流路を遮断するために,装置に,張られたシートSを通す部分のみを残して他を覆う適宜のカバーを装着して,作業は全て終了する。
本発明の防煙垂壁取り付け装置は,天井から吊り下げられた1枚の不燃性シートの両端をそれぞれ保持し且つ張力を付与するタイプの防煙垂壁において,地震時におけるシートや取り付け装置の破断や破損,変形を極めて効果的に防止できる装置として有用性が高い。更には,既設の防煙垂壁において天井側の機構をそのまま用いることができるため,本発明は,大量にある既設の防煙垂壁を,極めて簡単且つ迅速,低コストで地震に強い防煙垂壁へと改善することを可能にする。また本発明の装置は,長期間を経てもシートにしわがよるのを実質上防止できる。
1: 固定枠体
1a: 固定枠体基部
3: 可動枠体
3a: 可動枠体基部
3b: 可動枠体水平部
5: 押さえ枠部材
7: 棒状部材
7a: 金属管
7b: 金属板
17: シャフト
19: スプリング
23: ナット
30: シャフト穴
32: 切り欠き
35: 段部
S: シート
W: 壁

Claims (9)

  1. 防煙垂壁の設置において,建築物の壁間を横断する方向に張られる防煙垂壁用シートの端部を壁に取り付けるための装置であって,
    (a)壁に対して固定される固定枠体と,該固定枠体に挿入された可動枠体であってシートが張られる方向にスライド可能なものである可動枠体とを含んでなり,
    (b)該固定枠体が,その壁側の縁部からシート方向に,該可動枠体の壁側の縁部を貫通して該可動枠体の内部へと延びる少なくとも1本のシャフトであって少なくともその先端側の外周面に所定の範囲にわたって雄ねじが形成されているものであるシャフトと,該シャフトの,該可動枠体の壁側の縁部を貫通して延びている部分を中に通して取り付けられたスプリングであって,該可動枠体の壁側の縁部の該シャフトが貫通している部位の周囲と該シャフトの雄ねじに螺合されたナットとの間に挟まれて取り付けられたスプリングとを含んでおり,
    (c)該可動枠体が,シート端部を横断する方向の押さえ枠部材を壁とは反対側の縁部に備えると共に,該押さえ枠部材に平行に棒状部材を該押さえ枠部材より壁側に備え,該棒状部材は,回転不能に且つ該押さえ枠部材に対し当接及び離間できるようスライド可能に,両端部において該可動枠体によって保持されており,
    (d)該可動枠体が,その内側に該シャフト,スプリング及びスライドする棒状部材を収容できる空間を備えているものである,装置。
  2. 該押さえ枠部材が,棒状又は板状であり,一側面を該棒状部材に対向させたものである,請求項1の装置。
  3. 該可動枠体による該棒状部材の回転不能且つスライド可能な保持が,該棒状部材の両端部と係合しスライドのみを許容する,該可動枠体に設けられたガイドによるものである,請求項1又は2の装置。
  4. 該棒状部材が両端に突起を有しており,該突起が回転不能且つスライド可能に係合するガイドが該可動枠体の上部及び下部において該押さえ枠部材寄りの位置に設けられているものである,請求項3の装置。
  5. 該ガイドが,該可動枠体の上部及び下部に形成された溝又は切り欠きである,請求項4の装置。
  6. 該突起が板状突起である,請求項4又は5の装置。
  7. 該ガイドが,該可動枠体の上部及び下部において該押さえ枠部材とは反対の側に向けて開口しており,該開口部を通して該棒状部材が該可動枠部材に着脱可能である,請求項4〜6の何れかの装置。
  8. 該棒状部材が,円筒状の部材とその内部に挿入されて固定され両端において突出している板状部材とを含んでなるものである,請求項1〜7の何れかの装置。
  9. 該可動枠体に保持されたシートを通すことのできる間隙を残した状態で該固定枠体及び該可動枠体の側面を覆うものであるカバー部材を更に含む,請求項1〜8の何れかの装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015107362A (ja) * 2015-02-04 2015-06-11 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021080828A (ja) * 2017-08-30 2021-05-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 内装パネル

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