JP2013237426A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ及びモータに電力を供給する電源回路などのハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、目標過給圧の上限値Plimを、第1のモータジェネレータに電力を供給する電源回路を構成するインバータの水温TMPinvの上昇に反して小さい値に設定する(ステップS21)。そして、制御装置は、過給機に対する目標過給圧を、その時点の上限値Plimを超えない範囲で設定し、設定した目標過給圧に基づいて過給機の過給圧を調整する。また、制御装置は、第1のモータジェネレータから負荷トルクを出力させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、過給機を有するエンジンを備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
一般に、ハイブリッド車両は、エンジンとエンジンの出力軸に駆動連結されたモータとを備えている。こうしたハイブリッド車両では、エンジンの運転時には、エンジンからのエンジントルクの周期的な変動を駆動輪側に伝達させないように、モータから負荷トルクを発生させている。これにより、エンジントルクに含まれる周期的な変動がモータの駆動によって吸収され、エンジンの出力軸の過回転が抑制される。なお、負荷トルクとは、エンジントルクに基づき回転するエンジンの出力軸に対して、その回転方向とは逆方向に作用するトルクである。こうした負荷トルクは、エンジントルクの周期的な変動が大きいときほど大きい値に設定されるようになっている。
ところで、モータ及びモータに電力を供給するためのインバータなどの電源回路が高温になると、モータに供給できる電力が制限され、モータから出力できる負荷トルクの最大値も小さくなる。そのため、モータに供給できる電力が制限されているときには、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなったとしても、負荷トルクを、このトルク変動の大きさに見合った大きさに設定できなくなるおそれがある。
そこで、特許文献1には、モータに供給できる電力が制限されている場合の対処方法の一例が開示されている。すなわち、モータに供給できる電力が制限されていると推定できる場合には、エンジントルクの周期的な変動を小さくすべくエンジンが制御される。その結果、モータに供給できる電力が制限されている状況下においても、負荷トルクをエンジントルクに含まれる周期的な変動の大きさに見合った値に設定することが可能となる。これにより、エンジントルクに含まれる周期的な変動がモータの駆動によって吸収され、エンジンの出力軸の過回転が抑制されるようになる。
特開2000−282910号公報
一方、近年では、過給機を有するエンジンを備えるハイブリッド車両の開発が進められている。過給機を有するエンジンにおいては、過給機の過給圧が高圧であるときほどエンジントルクの周期的な変動が大きくなる。そのため、モータに供給できる電力が制限されている状況下においては、過給機に対する目標過給圧を適切に設定しないと、エンジントルクに含まれる周期的な変動をモータの駆動によって吸収しきれなくなるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、モータ及びモータに電力を供給する電源回路などのハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
本発明の一態様は、過給機を有するエンジンと、エンジンの出力軸に駆動連結されるモータとを備えるハイブリッド車両に適用される制御装置であって、エンジンの運転時には、設定した目標過給圧に基づいて過給機の過給圧を調整しつつ、エンジンから出力されるエンジントルクを打ち消す方向のトルクである負荷トルクをモータから出力させるハイブリッド車両の制御装置を前提としている。そして、この制御装置では、目標過給圧に上限値を設けるとともに、上限値を、モータに電力を供給する電源回路の温度の上昇に反して小さい値に設定する制御を行うようにした。
上記構成によれば、電源回路の温度が高温となる状況下においては、過給機に対する目標過給圧の上限値が小さい値に設定される。これにより、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、モータから出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジンの出力軸の過回転を抑えることが可能となる。したがって、モータ及び電源回路などのハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるようになる。
また、高地での車両走行時などのように車両の走行する環境の気圧が低い場合には、環境の気圧が高いときよりも、電源回路から大気への放熱効率が低下し、電源回路の温度が上昇しやすい。このように電源回路の温度が上昇しやすい環境下においては、電源回路を通じてモータに流す電流を制限することで、電源回路での発熱が抑えられ、電源回路を保護することが可能となる。また、車両の走行する環境の気圧が低い場合では、モータに印加する電圧が高いと、電源回路の構成部品が絶縁破壊を起こすやすくなる。こうした絶縁破壊を起こしにくくするためには、モータに印加する電圧を低くする、即ちモータに流す電流を制限することが好ましい。
そこで、目標過給圧の上限値を、車両の走行する環境の気圧の低下に従って小さい値に設定する制御を更に行うことが好ましい。これにより、車両の走行する環境の気圧が低い状況下においては、過給機に対する目標過給圧の上限値が小さい値に設定されるようになり、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、モータから出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジンの出力軸の過回転を抑えることが可能となる。したがって、ハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるようになる。
また、モータの温度が高温である場合には、モータからの出力を制限することにより、モータでの発熱が抑えられ、同モータを保護することが可能となる。そこで、目標過給圧の上限値を、モータの温度の上昇に反して小さい値に設定する制御を更に行うことが好ましい。これにより、モータが高温となる状況下においては、過給機に対する目標過給圧の上限値が小さい値に設定されるようになり、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、モータから出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジンの出力軸の過回転を抑えることが可能となる。したがって、ハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるようになる。
そして、上記のように設定した目標過給圧の上限値のうち、最小となる上限値を目標過給圧の上限値とすることが好ましい。これにより、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、モータから出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジンの出力軸の過回転を抑えることが可能となる。したがって、ハイブリッドシステムの電気系部品の保護を図りつつ、過給機に対する目標過給圧を適切に設定することができるようになる。
なお、電源回路としては、水冷式のインバータを備えたものがある。こうした電源回路を備えるハイブリッドシステムにおいては、インバータを冷却する冷却水の温度を、電源回路の温度として監視することが好ましい。これにより、インバータを構成するスイッチング素子などの配置などに影響されずに、電源回路の温度を安定して監視することができるようになる。
本発明にかかるハイブリッド車両の制御装置の一実施形態を搭載するハイブリッド車両を示す模式図。 モータ回転数とモータトルクとの関係を示すグラフ。 第1のモータジェネレータの温度に基づき対モータ上限値を設定するためのマップ。 車両の走行環境の大気圧に基づき対大気圧上限値を設定するためのマップ。 インバータの水温に基づき対インバータ上限値を設定するためのマップ。 目標過給圧の上限値を決定するための処理ルーチンを説明するフローチャート。 (a)〜(e)は車両の走行中に目標過給圧の上限値が変更される様子を示すタイミングチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車両には、エンジン100、第1のモータジェネレータ150及び第2のモータジェネレータ160を有するハイブリッドシステム10が設けられている。こうしたハイブリッドシステム10は遊星歯車機構からなる動力分割機構200を備えており、この動力分割機構200にはエンジン100の出力軸であるクランク軸101及び第1のモータジェネレータ150が連結されている。すなわち、第1のモータジェネレータ150には、エンジン100から出力された動力が動力分割機構200を介して伝達される。
また、動力分割機構200には、遊星歯車機構からなるリダクションギア210を介して第2のモータジェネレータ160が連結されるとともに、減速機構220を介して駆動輪20が連結されている。そして、減速機構220には、エンジン100からの動力及び第2のモータジェネレータ160からの動力のうち少なくとも一方が動力分割機構200を介して伝達される。
本実施形態のエンジン100は、排気式の過給機120を備えている。こうしたエンジン100における各気筒の燃焼室110には、吸気通路102と排気通路103とが接続されており、吸気通路102には、燃焼室110に吸入される吸気の量である吸気量を調整するためのスロットルバルブ104が設けられている。また、吸気通路102においてスロットルバルブ104よりも上流側には過給機120のコンプレッサホイール121が設けられるとともに、排気通路103には過給機120のタービンホイール122が設けられている。そして、コンプレッサホイール121は、回転軸123を介してタービンホイール122に連結されており、このタービンホイール122と一体回転するようになっている。また、排気通路103にはタービンホイール122を迂回するようにバイパス通路130が形成されており、このバイパス通路130にはタービンホイール122側に流れる排気の流量を調節するウェイストゲートバルブ131が設けられている。
気筒の燃焼室110では、インジェクタ105から噴射された燃料と吸気とからなる混合気が燃焼され、この燃焼に応じた動力がクランク軸101に出力される。また、燃焼後のガスは排気として排気通路103に排出される。こうして排気通路103に排出された排気のエネルギーによりタービンホイール122が回転することにより、コンプレッサホイール121が回転駆動され、このコンプレッサホイール121によって圧縮された吸気が吸気通路102を通じて各燃焼室110に吸入される。こうした過給機120の過給によって吸気量が増大することにより、インジェクタ105からの燃料噴射量も増大される。その結果、過給機120の非駆動時と比較して、エンジン100のトルクであるエンジントルクが大きくなる。
なお、排気通路103内を流れる排気の流量が非常に多い場合には、タービンホイール122及びこれに連結されるコンプレッサホイール121が過回転状態になるおそれがある。この場合、閉じ状態にあるウェイストゲートバルブ131を開くことにより、バイパス通路130を通過する排気の量が増大される。こうしたウェイストゲートバルブ131の開度調整によって、コンプレッサホイール121の過回転が抑えられ、ひいては過給機120による過過給が抑制されるようになる。
第1及び第2の各モータジェネレータ150,160は、内部に永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備える周知の同期発電電動機である。こうした第1及び第2の各モータジェネレータ150,160は、インバータ300及びコンバータ320を介してバッテリ340に接続されている。そして、第1のモータジェネレータ150によって発電された交流電流は、インバータ300で直流電流に変換され、コンバータ320を通じて降圧された後にバッテリ340に充電される。また、エンジン100の始動時には、バッテリ340から供給される直流電流がコンバータ320を通じて昇圧された後にインバータ300によって交流電流に変換され、この交流電流が第1のモータジェネレータ150に供給される。
第2のモータジェネレータ160は、第1のモータジェネレータ150と同じくインバータ300及びコンバータ320を介してバッテリ340に接続されている。そして、発進時、低速時及び加速時には、バッテリ340から供給される直流電流がコンバータ320で昇圧された後にインバータ300によって交流電流に交換され、この交流電流が第2のモータジェネレータ160に供給される。
第1のモータジェネレータ150は、エンジン100のクランク軸101に駆動連結されている。そのため、第1のモータジェネレータ150は、エンジン100の始動時にはエンジン100をクランキングするスタータモータとして機能する一方、エンジン100の運転中にはエンジン100の動力を利用して発電を行う発電機として機能する。また、定常走行時及び加速時には、第1のモータジェネレータ150によって発電された交流電流がインバータ300を介して第2のモータジェネレータ160に供給される。こうして供給された交流電流によって第2のモータジェネレータ160が駆動されると、その動力はリダクションギア210、動力分割機構200及び減速機構220を介して駆動輪20に伝達される。
また、減速時には、駆動輪20からの動力が減速機構220、動力分割機構200及びリダクションギア210を介して伝達されることにより第2のモータジェネレータ160が駆動される。このとき、第2のモータジェネレータ160が発電機として機能して発電することで、駆動輪20から第2のモータジェネレータ160に伝達された動力が電力に変換される。こうして変換された電力は、インバータ300によって交流電流から直流電流に変換され、コンバータ320を通じて降圧された後にバッテリ340に充電される。すなわち、減速時には、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリ340に蓄えることにより、エネルギーが回収される。
なお、インバータ300やコンバータ320などの電源回路、及び第1のモータジェネレータ150は、水冷式の冷却装置360によって冷却されている。こうした冷却装置360は、エンジン100を冷却するためのクーリングシステムとは独立した構成となっており、専用のラジエター、電動式のウォータポンプ及びリザーバタンクなどを有している。すなわち、インバータ300、コンバータ320及び第1のモータジェネレータ150などの被冷却対象部品で発生した熱は、被冷却対象部品周辺の大気だけではなく、冷却装置360の駆動によって循環される冷却水にも放熱される。そのため、冷却水の温度は、被冷却対象部品が高温になるに連れて高温となりやすい。
次に、ハイブリッドシステム10を制御する制御装置400について説明する。
本実施形態の制御装置400は、ハイブリッドシステム10を統括的に制御するパワーマネジメントコントロールコンピュータ、及びこのパワーマネジメントコントロールコンピュータと通信可能な複数の制御ユニットを有している。すなわち、制御装置400は、制御ユニットとして、バッテリ340の蓄電量などを監視するバッテリ監視ユニット、第1及び第2の各モータジェネレータ150,160を制御するモータ制御ユニット、及びエンジン100を制御するエンジン制御ユニットなどを有している。
こうした制御装置400には、第1のモータジェネレータ150の回転数を検出するための第1の回転センサ501と、第2のモータジェネレータ160の回転数を検出するための第2の回転センサ502とが電気的に接続されている。また、制御装置400には、第1のモータジェネレータ150の温度を検出するための第1のモータ温度センサ503と、第2のモータジェネレータ160の温度を検出するための第2のモータ温度センサ504とが電気的に接続されている。さらに、制御装置400には、冷却装置360で循環する冷却水の温度を検出するための冷却水温度センサ505と、車両の走行環境の大気圧を検出するための大気圧センサ506とが電気的に接続されている。そして、制御装置400は、設定したモータジェネレータ150,160に対する出力要求、これら各センサ501,502,503,504,505,506からの検出信号に基づいた各種状態値に基づき、インバータ300及びコンバータ320を通じて各モータジェネレータ150,160を制御する。なお、ここでいう「状態値」とは、第1及び第2のモータジェネレータ150,160の回転数、第1及び第2のモータジェネレータ150,160の温度、冷却水の温度及び車両の走行環境の大気圧を含む。
また、制御装置400には、吸気量を検出するためのエアフロメータ511、及びエンジン100のクランク軸101の回転速度であるエンジン回転速度を検出するためのクランクポジションセンサ512が電気的に接続されている。また、制御装置400には、スロットルバルブ104の開度を検出するためのスロットルポジションセンサ513、及び過給機120による過給圧を検出するための過給圧センサ514などが電気的に接続されている。そして、制御装置400は、設定したエンジン100に対する出力要求と、センサ511,512,513,514からの検出信号に基づき検出した吸気量、エンジン回転速度、スロットルバルブ104の開度及び過給圧に応じて、エンジン100における燃料噴射制御、点火時期制御、吸気量制御及び過給機120の過給圧制御などを行う。
また、制御装置400には、運転者によるアクセルペダル21の操作量であるアクセル操作量を検出するためのアクセルポジションセンサ521、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサ522、車速を検出するための車速センサ523などが電気的に接続されている。そして、制御装置400は、センサ521,523からの検出信号に基づき検出したアクセル操作量と車速とに基づいて動力分割機構200から減速機構220に出力すべき要求トルクを算出し、この要求トルクに対応する要求パワーが減速機構220に出力されるようにエンジン100と第1及び第2の各モータジェネレータ150,160とを制御する。
ここで、制御装置400によるエンジン100と第1及び第2の各モータジェネレータ150,160との制御について詳述する。
制御装置400は、目標回転数及び目標エンジントルクを設定し、エンジン回転数及びエンジントルクが目標回転数及び目標エンジントルクとなるようにエンジン100を制御する。目標回転数及び目標エンジントルクは、以下のようにして設定される。すなわち、アクセル操作量と車速とに基づいて、エンジン100の走行要求パワーと、車両に要求される駆動トルクとして減速機構220に出力すべき要求トルクとが設定される。そして、バッテリ340の蓄電状態に基づいて、バッテリ340からエンジン100への充放電要求パワーが算出される。続いて、エンジン100の総要求パワーが、アクセル操作量及び車速に基づく走行要求パワーと、バッテリ340の充放電要求パワーとの和として算出される。また、この総要求パワーを、制御装置400が記憶している最適燃費マップに適用することで、エンジン100の目標回転数及び目標エンジントルクが決定される。
そして、制御装置400は、エンジン回転数が目標回転数となるように、第1のモータジェネレータ150の発電トルクをフィードバック制御する。制御装置400は、先に設定した減速機構220に出力すべき要求トルクから第1のモータジェネレータ150の発電トルクを減算した不足分のトルクが、第2のモータジェネレータ160によってアシストされるように第2のモータジェネレータ160の目標モータトルクを決定する。そして、制御装置400は、決定した目標モータトルクに基づき第2のモータジェネレータ160を制御する。
以上のようにして、エンジン100からの動力の一部を利用して第1のモータジェネレータ150を駆動し、そこで発電された電力を利用して第2のモータジェネレータ160を駆動することによって、駆動輪20にはエンジン100からの動力と第2のモータジェネレータ160からの動力とが伝達される。こうしてエンジン100からの動力の一部を第1のモータジェネレータ150に分配するとともに、第2のモータジェネレータ160からの動力によって駆動輪20の駆動をアシストすることにより、エンジン回転数を調整し、エンジン100を効率のよい運転領域で運転させつつ、要求パワーが得られるようにする。
また、制御装置400は、要求パワーが大きい加速時などには、バッテリ340から第2のモータジェネレータ160に電力を供給し、第2のモータジェネレータ160によるアシスト量を増大させてより大きな動力を減速機構220に入力させる。
さらに、制御装置400は、バッテリ340の蓄電量が少ないときには、エンジン100の運転量を増大させ、第1のモータジェネレータ150における発電量を増大させることにより、バッテリ340に電力を供給する。その一方で、制御装置400は、バッテリ340の蓄電量が十分に確保されているときには、エンジン100の運転を停止して要求パワーに見合う動力を第2のモータジェネレータ160のみから減速機構220に出力させることも可能である。
ところで、エンジン100の運転時においては、エンジントルクが周期的に変動しているため、クランク軸101の回転数であるエンジン回転数は、エンジン100のトルク変動に合わせて目標回転数を中心に周期的に変動する。そこで、本実施形態のハイブリッド車両にあっては、エンジン回転数が目標回転数を超えるような過回転を抑制するために、第1のモータジェネレータ150から負荷トルクを発生させている。この負荷トルクは、クランク軸101に対して、エンジントルクによって回転するクランク軸101の回転方向の逆方向に作用するトルクである。こうした負荷トルクを、エンジントルクに含まれる周期的な変動の大きさに見合った大きさに決定することにより、クランク軸101の過回転が抑制される。しかし、負荷トルクは、第1のモータジェネレータ150に供給できる電力の最大値である供給可能電力が制限される状況下では制限される。
そこで、設定可能な負荷トルクの最大値と供給可能電力との関係を、図2に示すグラフを参照して詳述する。なお、図2では、供給可能電力Xの大きさによって、第1のモータジェネレータ150のモータ回転数Vmg1とモータトルクTmg1との関係が変化する様子が示されている。
図2に示すように、供給可能電力Xが最大値Xmaxである場合、即ち供給可能電力Xが制限されていない場合、設定可能な負荷トルクの最大値が第1の値TF1となる。また、供給可能電力Xが最大値Xmaxよりも小さい第1制限値X1である場合、即ち供給可能電力Xが多少制限されている場合、設定可能な負荷トルクの最大値は第1の値TF1よりも小さい第2の値TF2となる。そして、供給可能電力Xが第1制限値X1よりも小さい第2制限値X2である場合、即ち供給可能電力Xが大幅に制限されている場合、設定可能な負荷トルクの最大値は第2の値TF2よりも小さい第3の値TF3となる。
このように負荷トルクが制限され得る状況下で、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きいと、このトルク変動を第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収しきれないおそれがある。例えば、供給可能電力Xが第1制限値X1である場合に、エンジントルクに含まれる周期的な変動の大きさに見合った負荷トルクが第2の値TF2よりも大きい第21の値TF21であるときには、負荷トルクを第21の値TF21よりも小さい値にしか設定できないため、トルク変動を第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収しきれない。すなわち、クランク軸101の過回転を招くおそれがある。
特に過給機120の駆動中にあっては、過給機120の非駆動時と比較してエンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりやすい。そのため、過給機120に対する目標過給圧の上限値を、そのときの供給可能電力X、即ちそのときに設定可能な負荷トルクの最大値に基づいた値に決定し、過給機120の過給圧が目標過給圧の上限値を超えないようにすることが好ましい。
なお、供給可能電力Xが制限される状況としては、以下に示す3つの場合が挙げられる。
(第1の状況)第1のモータジェネレータ150の温度が高温である場合。
(第2の状況)インバータ300などの電源回路の温度が高温である場合。
(第3の状況)車両の走行環境の大気圧が低圧である場合。
第1のモータジェネレータ150は、それに流れる電流が大電流である場合ほど発熱しやすくなる。そのため、第1のモータジェネレータ150が高温である場合には、第1のモータジェネレータ150に流す電流を小さくし、即ち供給可能電力Xを小さくし、第1のモータジェネレータ150を保護することが好ましい。
また、インバータ300は、それに流れる電流が大電流である場合ほど発熱しやすい。そのため、インバータ300が高温である場合には、第1のモータジェネレータ150が高温である場合と同様に、供給可能電力Xを小さくし、インバータ300を保護することが好ましい。
また、車両の走行環境の大気圧が低圧である場合には、インバータ300から大気への放熱効率が低下し、インバータ300の温度が上昇しやすくなる。さらに、大気圧が低圧である場合には、コンバータ320のスイッチング素子などの構成部材が絶縁破壊を起こしやすくなる。そのため、本実施形態では、車両の走行環境の大気圧が低圧である場合には、供給可能電力Xを小さくしてコンバータ320による昇圧電圧を制限することにより、インバータ300などのハイブリッドシステム10の電気系部品が保護されている。なお、大気圧が低圧となる走行環境としては、山岳地などのように標高の高い地域などが挙げられる。
そこで次に、本実施形態の制御装置400が目標過給圧の上限値を決定する際に用いられる各種マップについて説明する。
まず始めに、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1に基づいた目標過給圧の上限値である対モータ上限値Plim2を設定するためのマップを、図3を参照して説明する。
図3に示すように、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th未満である場合、第1のモータジェネレータ150が高温状態ではないと判断され、対モータ上限値Plim2は、供給可能電力Xが制限されていない場合の上限値でもある基本上限値Plim1に設定される。これに対し、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th以上である場合、第1のモータジェネレータ150が高温状態であると判断される。そのため、対モータ上限値Plim2は、基本上限値Plim1よりも低い値Plim21以下の値に設定される。本実施形態では、対モータ上限値Plim2は、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Thと一致している場合には値Plim21に設定され、温度TMPmg1が高温である場合ほど小さい値に設定される。
そして、このように第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1に基づいて設定された対モータ上限値Plim2に過給機120の過給圧が達したとしても、エンジントルクの周期的な変動を第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収することが可能となる。すなわち、第1のモータジェネレータ150から出力させる負荷トルクを対モータ上限値Plim2に見合った値に設定することが可能となる。
次に、車両の走行環境の大気圧APに基づいた目標過給圧の上限値である対大気圧上限値Plim3を設定するためのマップを、図4を参照して説明する。
図4に示すように、大気圧APが低圧判定値APThよりも高圧である場合、走行環境の大気圧APが低圧ではないと判断され、対大気圧上限値Plim3は基本上限値Plim1に設定される。これに対し、大気圧APが低圧判定値APTh以下である場合には、走行環境の大気圧APが低圧であると判断される。そのため、対大気圧上限値Plim3は、基本上限値Plim1よりも低い値Plim31以下の値に設定される。本実施形態では、対大気圧上限値Plim3は、大気圧APが低圧判定値APThと一致している場合には値Plim31に設定され、大気圧APが低圧である場合ほど小さい値に設定される。
そして、このように走行環境の大気圧APに基づいて設定された対大気圧上限値Plim3に過給機120の過給圧が達したとしても、エンジントルクの周期的な変動を第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収することが可能となる。すなわち、第1のモータジェネレータ150から出力させる負荷トルクを対大気圧上限値Plim3に見合った値に設定することが可能となる。
次に、インバータ300を冷却する冷却水の温度であるインバータ300の水温TMPinvに基づいた目標過給圧の上限値である対インバータ上限値Plim4を設定するためのマップを、図5を参照して説明する。
図5に示すように、インバータ300の水温TMPinvが高温判定値TMPinvThよりも低温である場合、インバータ300の水温TMPinvが高温ではない、即ちインバータ300が高温ではないと判断され、対インバータ上限値Plim4は基本上限値Plim1に設定される。これに対し、インバータ300の水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh以上である場合には、インバータ300の水温TMPinvが高温である、即ちインバータ300が高温であると判断される。そのため、対インバータ上限値Plim4は、基本上限値Plim1よりも低い値Plim41以下の値に設定される。本実施形態では、対インバータ上限値Plim4は、水温TMPinvが高温判定値TMPinvThと一致している場合には値Plim41に設定され、水温TMPinvが高温である場合ほど小さい値に設定される。
そして、このようにインバータ300の水温TMPinvに基づいて設定された対インバータ上限値Plim4に過給機120の過給圧が達したとしても、エンジントルクの周期的な変動を第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収することが可能となる。すなわち、第1のモータジェネレータ150から出力させる負荷トルクを対インバータ上限値Plim4に見合った値に設定することが可能となる。
次に、目標過給圧の上限値を決定するために制御装置400が実行する処理ルーチンについて、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図6に示す処理ルーチンは、予め設定された所定サイクル毎に実行される。こうした処理ルーチンにおいて、制御装置400は、供給可能電力Xが制限されていない場合における目標過給圧の上限値である基本上限値Plim1を取得する(ステップS11)。続いて、制御装置400は、第1のモータ温度センサ503からの検出信号に基づいた第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1を取得し、この温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th未満であるか否かを判定する(ステップS12)。温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th以上である場合(ステップS12:NO)、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1に基づいた過給機120の過給圧の増圧の制限を行う必要があると判断され、制御装置400は、図3に示すマップを用い、対モータ上限値Plim2を温度TMPmg1に応じた値に決定する(ステップS13)。そして、制御装置400は、その処理を後述するステップS15に移行する。
一方、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th未満である場合(ステップS12:YES)、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1に基づいた過給圧の増圧の制限を行わなくてもよいと判断され、制御装置400は、対モータ上限値Plim2を基本上限値Plim1とする(ステップS14)。すなわち、本実施形態では、制御装置400が、対モータ上限値Plim2を、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1の上昇に反して小さい値に設定する制御を行う。そして、制御装置400は、その処理を次のステップS15に移行する。
ステップS15において、制御装置400は、大気圧センサ506からの検出信号に基づいた車両の走行環境の大気圧APを取得し、この大気圧APが低圧判定値APThを超えているか否かを判定する。大気圧APが低圧判定値APTh以下である場合(ステップS15:NO)、車両の走行環境の大気圧APに基づいた過給機120の過給圧の増圧の制限を行う必要があると判断され、制御装置400は、図4に示すマップを用い、対大気圧上限値Plim3を大気圧APに応じた値に決定する(ステップS16)。そして、制御装置400は、その処理を後述するステップS18に移行する。
一方、大気圧APが低圧判定値APThを超えている場合(ステップS15:YES)、車両の走行環境の大気圧APに基づいた過給圧の増圧の制限を行わなくてもよいと判断され、制御装置400は、対大気圧上限値Plim3を基本上限値Plim1とする(ステップS17)。すなわち、本実施形態では、制御装置400が、対大気圧上限値Plim3を、車両の走行環境の大気圧APの低下に従って小さい値に設定する制御を行う。そして、制御装置400は、その処理を次のステップS18に移行する。
ステップS18において、制御装置400は、冷却水温度センサ505からの検出信号に基づいたインバータ300の水温TMPinvを取得し、この水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh未満であるか否かを判定する。インバータ300の水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh以上である場合(ステップS18:NO)、インバータ300の水温TMPinvに基づいた過給機120の過給圧の増大の制限を行う必要があると判断され、制御装置400は、図5に示すマップを用い、対インバータ上限値Plim4をインバータ300の水温TMPinvに応じた値に設定する(ステップS19)。そして、制御装置400は、その処理を後述するステップS21に移行する。
一方、インバータ300の水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh未満である場合(ステップS18:YES)、インバータ300の水温TMPinvに基づいた過給圧の増圧の制限を行わなくてもよいと判断され、制御装置400は、対インバータ上限値Plim4を基本上限値Plim1とする(ステップS20)。すなわち、本実施形態では、制御装置400が、対インバータ上限値Plim4を、インバータ300の温度に相当するインバータ300の水温TMPinvの上昇に反して小さい値に設定する制御を行う。そして、制御装置400は、その処理を次のステップS21に移行する。
ステップS21において、制御装置400は、設定した各上限値Plim1,Plim2,Plim3,Plim4のうち最小となる上限値を、目標過給圧の上限値Plimに決定する。その後、制御装置400は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、エンジン100の運転によって走行する車両の動作について、図7に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、前提として、図7(c)に示すように、車両は、大気圧APが低圧判定値APTh未満となるような標高の高い高地で走行しているものとする。
エンジン回転数が高回転になると、排気通路103を流れる排気の流量が多くなり、過給機120のタービンホイール122が回転し、過給機120が駆動するようになる。そして、図7(a),(b)に示すように、運転者によるアクセル操作量が増えて車速Vが速くなると、過給機120に対する目標過給圧Ptが次第に大きくなる。すると、過給機120は、その過給圧が目標過給圧Ptに近づくように駆動される。
ところで、図7(c)〜(e)に示すように、第1のタイミングt1では、車両の走行環境の大気圧APが低圧判定値APTh未満であるのに対し、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1は高温判定値TMPmg1未満であるとともに、インバータ300の水温TMPinvは高温判定値TMPinvTh未満である。すなわち、対モータ上限値Plim2及び対インバータ上限値Plim4が基本上限値Plim1に設定されている一方で、対大気圧上限値Plim3は、基本上限値Plim1よりも小さい値Plim31以下の値に設定されている。そのため、目標過給圧の上限値Plimは、対大気圧上限値Plim3に決定される。
しかし、図7(b)に示すように、第1のタイミングt1では、目標過給圧Ptは、目標過給圧の上限値Plimよりも小さい値に設定される。そのため、目標過給圧Ptが上限値Plim未満である間は、過給圧の増圧が制限されない。すなわち、ウェイストゲートバルブ131は閉じ状態のままとなっている。
こうした車両の走行中では、第1のモータジェネレータ150からは、エンジン100から出力されるエンジントルクに含まれる周期的な変動の大きさに見合った負荷トルクが出力されている。これにより、エンジン100のクランク軸101の過回転が抑制される。こうして第1のモータジェネレータ150が駆動していると、図7(d),(e)に示すように、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1及びインバータ300の水温TMPinvが次第に高くなる。
そして、第2のタイミングt2で第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th以上になると、対モータ上限値Plim2は、基本上限値Plim1よりも小さい値Plim21に設定される。この時点では、図7(b)に示すように、対モータ上限値Plim2は対大気圧上限値Plim3よりも大きいため、目標過給圧の上限値Plimは、その時点の対大気圧上限値Plim3に決定される。なお、インバータ300の水温TMPinvは高温判定値TMPmg1Th未満であるため、対インバータ上限値Plim4は基本上限値Plim1となっている。
第2のタイミングt2以降でも目標過給圧Ptがその上限値Plim未満である間では、アクセル操作量の増大や車速Vの高速化に伴い、目標過給圧Ptが時間の経過とともに高くなる。そのため、第1のモータジェネレータ150に要求される負荷トルクも大きくなり、第1のモータジェネレータ150及びインバータ300に流れる電流が次第に大きくなる。その結果、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1及びインバータ300の水温TMPinvが次第に高くなる。そのため、図7(b),(d)に示すように、対モータ上限値Plim2は、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1の上昇に反して小さくなる。
そして、その後の第3のタイミングt3で対モータ上限値Plim2が対大気圧上限値Plim3よりも小さくなると、目標過給圧の上限値Plimは、対モータ上限値Plim2に決定される。そのため、第3のタイミングt3以降から第4のタイミングt4までの間では、目標過給圧の上限値Plimが第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1の上昇に反して小さくなる。
すると、目標過給圧Ptの上昇と目標過給圧の上限値Plimの低下により、目標過給圧Ptとその上限値Plimとの差が次第に小さくなる。そして、第4のタイミングt4で目標過給圧Ptがその時点の上限値Plim(=Plim2)に達すると、目標過給圧Ptは、この時点の上限値Plimで保持されるようになる。すると、ウェイストゲートバルブ131の開度調整が行われるようになり、過給機120の過給圧の増圧が規制される。その結果、エンジントルクに含まれる周期的な変動がさらに大きくなることが抑制され、こうしたトルク変動は、負荷トルクを出力する第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収される。すなわち、第1のモータジェネレータ150からは、その時点のトルク変動の大きさに見合った大きさの負荷トルクを出力させることが可能となる。
なお、図7(a)に示すように、第4のタイミングt4以降でも、車両の加速は継続されている。そのため、第4のタイミングt4以降では、目標過給圧Ptの上昇が禁止される以前よりも、第2のモータジェネレータ160から出力されるモータトルクが増大されることもある。
そして、図7(e)に示すように、その後もインバータ300の水温TMPinvの上昇が継続されると、第5のタイミングt5で水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh以上となる。すると、図7(b),(e)に示すように、対インバータ上限値Plim4は、基本上限値Plim1よりも小さい値Plim31に設定される。このとき、図7(b)に示すように、対インバータ上限値Plim4は、対モータ上限値Plim2及び対大気圧上限値Plim3よりも大きいため、目標過給圧の上限値Plimは、対モータ上限値Plim2に決定される。
その後もインバータ300の水温TMPinvが上昇し続けると、対インバータ上限値Plim4は次第に小さくなる。そして、第6のタイミングt6で対インバータ上限値Plim4が対モータ上限値Plim2よりも小さくなると、目標過給圧の上限値Plimは、その時点の対インバータ上限値Plim4に決定される。
図7(b),(e)に示すように、この対インバータ上限値Plim4は第6のタイミングt6以降でも小さくなるため、目標過給圧の上限値Plimもまた小さくなる。そのため、過給機120に対する目標過給圧Ptは、その上限値Plimの低下に伴い小さくなる。すると、ウェイストゲートバルブ131の開度がさらに大きくなり、過給機120の過給圧は、目標過給圧Ptに追随して減圧される。これにより、インバータ300の温度上昇に伴って第1のモータジェネレータ150に供給できる電力の最大値である供給可能電力X(図2参照)が小さくなって第1のモータジェネレータ150から出力できる負荷トルクの最大値が小さくなる状況下であっても、負荷トルクは、エンジントルクに含まれる周期的な変動に見合った大きさに設定される。そのため、第1のモータジェネレータ150の駆動によって、エンジン100のクランク軸101の過回転が抑制される。
なお、第6のタイミングt6以降でもインバータ300の水温TMPinvが上昇し続けると、目標過給圧の上限値Plimは、対インバータ上限値Plim4の低下に伴って小さくなる。そのため、目標過給圧Ptがその時点の上限値Plimに達している場合には、目標過給圧Ptは、上限値Plimの低下に伴って減圧される。この場合、目標過給圧Ptの減圧に伴って過給機120の過給圧が減圧され、駆動輪20に伝達されるエンジントルクが減少されることになるものの、この減少分は第2のモータジェネレータ160から出力されるモータトルクの増大によって賄われる。すなわち、運転者からの駆動トルクの増大要求に反して過給圧が減圧される場合であっても、第2のモータジェネレータ160からのモータトルクが増大されることにより、駆動輪20に伝達される駆動トルクが増大される。
その後、第7のタイミングt7でインバータ300の水温TMPinvが保持されるようになると、目標過給圧の上限値Plim及び目標過給圧Ptは、その時点の値で保持されるようになる。その結果、過給機120の過給圧も保持されるようになる。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)インバータ300の温度が高温となる状況下においては、第1のモータジェネレータ150に供給できる電力の最大値である供給可能電力Xが制限されるとともに、過給機120に対する目標過給圧の上限値Plimが小さい値に設定される。これにより、供給可能電力Xによって第1のモータジェネレータ150から出力できる負荷トルクの最大値が小さくなっている場合には、エンジントルクに含まれる周期的な変動の大きさを、第1のモータジェネレータ150の駆動によって吸収できる程度の大きさに収めることが可能となる。その結果、供給可能電力Xの制限によって第1のモータジェネレータ150からの負荷トルクを小さく抑えても、エンジン100のクランク軸101の過回転を抑えることが可能となる。したがって、第1のモータジェネレータ150及びインバータ300を含む電源回路などのハイブリッドシステム10の電気系部品の保護を図りつつ、過給機120に対する目標過給圧Ptを適切に設定することができるようになる。
(2)本実施形態では、インバータ300の温度に相当する値として、インバータ300を冷却する冷却水の温度である水温TMPinvが監視され、この水温TMPinvに基づきインバータ300が高温になっているか否かが推定されている。これにより、インバータ300を構成するスイッチング素子などの配置などに影響されずに、インバータ300の温度を安定して監視することができるようになる。その結果、対インバータ上限値Plim4を適切な値に設定することができ、ひいては目標過給圧Ptを適切に設定することができるようになる。
(3)高地での車両走行時などのように車両の走行環境の大気圧APが低い場合には、走行環境の大気圧APが高いときよりも、インバータ300から大気への放熱効率が低下し、インバータ300の温度が上昇しやすい。このようにインバータ300から放熱しにくい環境下においては、インバータ300を通じて第1のモータジェネレータ150に流す電流を制限することで、インバータ300での発熱を抑え、インバータ300を保護することが可能となる。
また、車両の走行環境の大気圧APが低い場合では、第1のモータジェネレータ150に印加する電圧が高いと、コンバータ320の構成部品が絶縁破壊を起こすやすくなる。こうした絶縁破壊を起こしにくくするために、コンバータ320による昇圧電圧を制限して第1のモータジェネレータ150に印加する電圧が低くされている、即ち第1のモータジェネレータ150に流す電流が制限されている。
そこで、本実施形態では、対インバータ上限値Plim4を、車両の走行環境の大気圧APの低下に従って小さい値に設定するようにした。これにより、車両の走行環境の大気圧APが低い走行環境下においては、過給機120に対する目標過給圧の上限値Plimが小さい値に設定されるようになり、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、供給可能電力Xの制限によって第1のモータジェネレータ150から出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジン100のクランク軸101の過回転を抑えることが可能となる。したがって、インバータ300の保護を図りつつ、過給機120に対する目標過給圧Ptを適切に設定することができるようになる。
(4)また、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1が高温である場合には、第1のモータジェネレータ150からの出力、即ち第1のモータジェネレータ150に供給される電力を制限することにより、第1のモータジェネレータ150での発熱を抑え、第1のモータジェネレータ150を保護することが可能となる。そこで、本実施形態では、対モータ上限値Plim2を、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1の上昇に反して小さい値に設定するようにした。
これにより、第1のモータジェネレータ150が高温となる状況下においては、過給機120に対する目標過給圧の上限値Plimが小さい値に設定されるようになり、エンジントルクに含まれる周期的な変動が大きくなりにくくなる。その結果、供給可能電力Xの制限によって第1のモータジェネレータ150から出力される負荷トルクを小さく抑えても、エンジン100のクランク軸101の過回転を抑えることが可能となる。したがって、第1のモータジェネレータ150の保護を図りつつ、過給機120に対する目標過給圧Ptを適切に設定することができるようになる。
(5)そして、本実施形態では、インバータ300の水温TMPinvに基づいた対インバータ上限値Plim4、車両の走行環境の大気圧APに基づいた対大気圧上限値Plim3、及び第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1に基づいた対モータ上限値Plim2のうち、最小となる上限値が目標過給圧の上限値Plimとされる。これにより、第1のモータジェネレータ150及びインバータ300などで構成されるハイブリッドシステム10の電気系部品の保護を図りつつ、過給機120に対する目標過給圧Ptを適切に設定できるようになる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・インバータには、これを構成するスイッチング素子などの電子部品の温度を検出するための温度センサを搭載したものもある。こうしたインバータを採用する場合には、同温度センサからの検出信号に基づいた温度(以下、「センサ温度」ともいう。)をインバータの温度として監視するようにしてもよい。そして、センサ温度に基づきインバータの温度が高温であると推定される場合には、インバータが高温ではないと推定される場合よりも、対インバータ上限値Plim4を小さい値に設定するようにしてもよい。
・対インバータ上限値Plim4を、インバータ300の水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh未満であるときには第1の値(例えば、基本上限値Plim1)とし、水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh以上であるときには第1の値よりも小さい第2の値(例えば、値Plim41)とするようにしてもよい。
また、水温TMPinvが高温判定値TMPinvTh以上である場合においては、対インバータ上限値Plim4を、水温TMPinvが高くなるに連れて段階的に小さくするようにしてもよい。
・対大気圧上限値Plim3を、車両の走行環境の大気圧APが低圧判定値APThよりも高圧であるときには第1の値(例えば、基本上限値Plim1)とし、大気圧APが低圧判定値APTh以下であるときには第1の値よりも小さい第2の値(例えば、値Plim31)とするようにしてもよい。
また、大気圧APが低圧判定値APTh以下である場合においては、対大気圧上限値Plim3を、大気圧APが低くなるに連れて段階的に小さくするようにしてもよい。
・対モータ上限値Plim2を、第1のモータジェネレータ150の温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th未満であるときには第1の値(例えば、基本上限値Plim1)とし、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th以上であるときには第1の値よりも小さい第2の値(例えば、値Plim21)とするようにしてもよい。
また、温度TMPmg1が高温判定値TMPmg1Th以上である場合においては、対モータ上限値Plim2を、温度TMPmg1が高温になるに連れて段階的に小さくするようにしてもよい。
・図6に示す処理ルーチンにおいて、ステップS12〜S14の各処理を省略してもよい。この場合、目標過給圧の上限値Plimは、基本上限値Plim1、対大気圧上限値Plim3及び対インバータ上限値Plim4のうち最小となる上限値に決定される。
・図6に示す処理ルーチンにおいて、ステップS18〜S20の各処理を省略してもよい。この場合、目標過給圧の上限値Plimは、基本上限値Plim1、対モータ上限値Plim2及び対大気圧上限値Plim3のうち最小となる上限値に決定される。
・図6に示す処理ルーチンにおいて、ステップS12〜S14の各処理と、ステップS18〜S20の各処理とを省略してもよい。この場合、目標過給圧の上限値Plimは、基本上限値Plim1及び対インバータ上限値Plim4のうち最小となる上限値に決定される。
・ハイブリッドシステムとしては、エンジン100の運転時に、クランク軸101に対して負荷トルクを付与可能なモータを備える構成であれば、他の任意の構成であってもよい。例えば、ハイブリッドシステムは、発電機及び動力源として機能する1つのモータを備えた構成であってもよい。
・過給機は、エンジン100の排気を利用して駆動する過給機ではなく、クランク軸101の回転を利用する機関駆動式の過給機であってもよいし、モータなどの電動機からの駆動力を利用する電動式の過給機であってもよい。
100…エンジン、101…出力軸としてのクランク軸、120…過給機、150…第1のモータジェネレータ、300…電源回路としてのインバータ、360…冷却装置、400…制御装置。

Claims (5)

  1. 過給機を有するエンジンと、同エンジンの出力軸に駆動連結されるモータとを備えるハイブリッド車両に適用され、前記エンジンの運転時には、設定した目標過給圧に基づいて前記過給機の過給圧を調整しつつ、前記エンジンから出力されるエンジントルクを打ち消す方向のトルクである負荷トルクを前記モータから出力させるハイブリッド車両の制御装置において、
    前記目標過給圧に上限値を設けるとともに、同上限値を、前記モータに電力を供給する電源回路の温度の上昇に反して小さい値に設定する制御を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記目標過給圧の上限値を、車両の走行する環境の気圧の低下に従って小さい値に設定する制御を更に行う
    請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記目標過給圧の上限値を、前記モータの温度の上昇に反して小さい値に設定する制御を更に行う
    請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記設定した目標過給圧の上限値のうち、最小となる上限値を前記目標過給圧の上限値とする
    請求項2又は請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記電源回路は、水冷式のインバータを備えてなり、
    前記インバータを冷却する冷却水の温度を、前記電源回路の温度として監視する
    請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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