JP2016164037A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両に搭載された電池を適切に冷却する。【解決手段】車両制御装置は、内燃機関と電動機とを走行用駆動源として備え、且つ該電動機を駆動するために使用される蓄電手段が設けられたハイブリッド車両に搭載されている。当該車両制御装置は、蓄電手段を冷却するための冷却ファンと、蓄電手段の温度及びハイブリッド車両の車速の少なくとも一方に応じて冷却ファンの作動及び停止を切り換える制御手段と、を備える。制御手段は、内燃機関の燃焼室内温度に起因して内燃機関のエンジントルクに制限がかけられたときS101に、冷却ファンを作動させるS102、蓄電手段の温度及び車速の少なくとも一方の値を低下する。【選択図】図5
Description
本発明は、ハイブリッド車両の車両制御装置に関し、特に、ハイブリッド車両に搭載される蓄電手段の冷却を行う車両制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えばシーケンシャルシフト時に、シフトポジションが下段であるほど送風量が大きく、且つ車速が大きいほど送風量が大きくなるように、電池冷却装置の冷却ファンを制御する装置が提案されている(特許文献1参照)。
或いは、ハイブリッド車両に搭載されたバッテリに対して送風する電動ファンを備える装置が提案されている(特許文献2参照)。
上述の背景技術では、ハイブリッド車両の駆動源としてのモータの使用量が増加することにより該モータに電力を供給する電池の発熱量が増加することは考慮されておらず、電池を適切に冷却することができない可能性があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両に搭載された電池を適切に冷却することができる車両制御装置を提供することを課題とする。
本発明の車両制御装置は、上記課題を解決するために、内燃機関と電動機とを走行用駆動源として備え、前記内燃機関及び前記電動機の両方が分担して車両全体の駆動力として動力を発生可能であり、且つ前記電動機を駆動するために使用される蓄電手段が設けられたハイブリッド車両の車両制御装置であって、前記蓄電手段を冷却するための冷却ファンと、前記蓄電手段の温度及び前記ハイブリッド車両の車速の少なくとも一方に応じて前記冷却ファンの作動及び停止を切り換える制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記内燃機関の燃焼室内温度に起因して前記内燃機関のエンジントルクに制限がかけられたときに、前記冷却ファンを作動させる、前記蓄電手段の温度及び前記車速の少なくとも一方の値を低下する。
本発明の車両制御装置によれば、当該車両制御装置が搭載されるハイブリッド車両は、内燃機関と電動機(モータ)とを走行用駆動源として備える。内燃機関及び電動機の両方は、分担してハイブリッド車両全体の駆動力として動力を発生する。ハイブリッド車両には、電動機を駆動するために使用される蓄電手段が設けられている。尚、電動機は、電動発電機(モータ・ジェネレータ)によって実現されてよい。つまり、電動機として機能し得る限りにおいて、電動発電機を意味してかまわない。
当該車両制御装置は、蓄電手段を冷却するための冷却ファンと、蓄電手段の温度及びハイブリッド車両の車速の少なくとも一方に応じて冷却ファンの作動及び停止を切り換える制御手段と、を備えて構成されている。
ここで、本願発明者の研究によれば、以下の事項が判明している。即ち、内燃機関の燃焼室内の温度が低いほど、同じ燃料噴射量(エンジントルク)で運転したときの排気中のPN(Particulate Number:粒子状物質の個数)値が悪化する。このため、PN値の悪化を抑制するために、内燃機関の燃焼室内の温度に応じてエンジントルクに制限がかけられる。ここで、エンジントルクの制限値は、燃焼室内の温度が低いほど小さな値となるように、言い換えれば、燃焼室内の温度が高いほど大きな値となるように設定される。
エンジントルクに制限がかけられた場合、ハイブリッド車両の要求出力は、電動機の補助により実現される。ここで、ハイブリッド車両では、例えば燃費向上の観点から内燃機関の始動と停止とが比較的頻繁に繰り返され、燃焼室内の温度が比較的低くなりやすい。すると、PN値の悪化抑制のためにエンジントルクに制限がかけられることが比較的多くなる。この結果、電動機の使用が増加し、電池の発熱量が増加するおそれがある。
そこで本発明では、制御手段により、内燃機関の燃焼室内温度に起因して該内燃機関のエンジントルクに制限がかけられたときに、冷却ファンを作動させる蓄電手段の温度及び車速の少なくとも一方の値が低下される。
このように構成すれば、蓄電手段の温度が比較的低いときから、或いは、車速が比較的低い(つまり、要求出力が比較的小さい)ときから、冷却ファンが作動されるので、エンジントルクに制限がかけられたことに伴い電動機の使用が増えた場合であっても、蓄電手段を適切に冷却することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
本発明の車両制御装置に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
(ハイブリッド車両の構成)
実施形態に係る車両制御装置が搭載されたハイブリッド車両の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る車両制御装置が搭載されたハイブリッド車両の要部を示す構成図である。
実施形態に係る車両制御装置が搭載されたハイブリッド車両の構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る車両制御装置が搭載されたハイブリッド車両の要部を示す構成図である。
図1において、車両1は、複数の動力源を組み合わせたハイブリッド車両として構成されている。車両1は、エンジン3と、2つのモータ・ジェネレータ4及び5と、を走行用の動力源として備えている。車両1は、エンジン3及び第2モータ・ジェネレータ5の両方が分担して車両全体の駆動力として動力を発生可能に構成されている。尚、実施形態に係る「エンジン3」及び「第2モータ・ジェネレータ5」は、夫々、本発明に係る「内燃機関」及び「電動機」の一例である。
エンジン3は、4つの気筒10を備えた直列4気筒型の内燃機関である。エンジン3の各気筒10には、吸気通路11と排気通路12とが夫々接続されている。
吸気通路11には各気筒10に吸気を分配する吸気マニホールド11aが含まれている。吸気通路11には、空気濾過用のエアクリーナ13、空気流量を調整可能なスロットルバルブ14、ターボチャージャ15のコンプレッサ15a、及びインタークーラ16が設けられている。排気通路12には各気筒10の排気を集合する排気マニホールド12aが含まれている。排気通路12には、ターボチャージャ15のタービン15b、主に冷間時の排気浄化を行うスタート触媒17、及び排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒18が設けられている。
エンジン3には、更に、排気の一部を吸気系に還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置20が設けられている。EGR装置20は、排気通路12と吸気通路11とを結ぶEGR通路21と、EGR通路21に導かれる排気を冷却するEGRクーラ22と、EGRガスの流量を調整するEGRバルブ23と、を備えている。EGR通路21は、その排気側の一端がスタート触媒17と排気浄化触媒18との間の排気通路18に接続され、その吸気側の一端がスロットルバルブ14とコンプレッサ15aとの間の吸気通路11に接続されている。
エンジン3と第1モータ・ジェネレータ4とは差動機構である動力分割機構6に接続されている。動力分割機構6の出力は出力ギア30に伝達される。出力ギア30と第2モータ・ジェネレータ5とは互いに連結されていて一体回転する。出力ギア30から出力された動力は、減速装置31及び差動装置32を介して駆動輪33に伝達される。
第1モータ・ジェネレータ4は、ステータ4aとロータ4bとを有する。第1モータ・ジェネレータ4は、動力分割機構6にて分割されたエンジン3の動力を受けて発電する発電機として機能すると共に、交流電力にて駆動される電動機としても機能する。第2モータ・ジェネレータ5は、ステータ5aとロータ5bとを有する。第2モータ・ジェネレータ5も、電動機及び発電機として機能する。
各モータ・ジェネレータ4及び5は、モータ用制御装置35を介して、本発明に係る「蓄電手段」の一例としてのバッテリ36に電気的に接続されている。モータ用制御装置35は、各モータ・ジェネレータ4及び5が発電した電力を直流変換してバッテリ36に蓄電すると共に、バッテリ36の電力を交流変換して各モータ・ジェネレータ4及び5に供給する。本実施形態では、特に、バッテリ36を冷却する冷却ファン50が設けられている。尚、バッテリ36の代わりに周知のキャパシタを設けることもできる。
動力分割機構6は、シングルピニオン型の遊星歯車機構として構成されており、サンギアSと、リングギアRと、これらサンギアS及びリングギアRに噛み合うピニオンPを自転及び公転可能な状態で保持するプラネタリキャリアCと、を有している。サンギアSは第1モータ・ジェネレータ4のロータ4aに連結され、リングギアRは出力ギア30に連結され、プラネタリキャリアCはエンジン3のクランク軸7に連結される。尚、クランク軸7とプラネタリキャリアCとの間には、エンジン3のトルク変動を吸収するためのダンパ8が介在している。
車両1の制御はECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)40により行われる。ECU40はエンジン3及び各モータ・ジェネレータ4及び5に対して各種の電子制御を行う。
(PN排出抑制制御)
以下、本発明に関連してECU40が行う主要な制御について説明する。ECU40には、多数のセンサの信号が入力される。本発明に関連するものとしては、不図示のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた信号を出力するアクセル開度センサ41、車両1の速度(車速)に応じた信号を出力する車速センサ42、バッテリ36の蓄電率に応じた信号を出力するSOCセンサ43、エンジン3のエンジン回転数に応じた信号を出力するクランク角センサ44、及びエンジン3の燃焼室内の温度に応じた信号を出力する筒内温度センサ45の各信号がECU40に入力される。
以下、本発明に関連してECU40が行う主要な制御について説明する。ECU40には、多数のセンサの信号が入力される。本発明に関連するものとしては、不図示のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた信号を出力するアクセル開度センサ41、車両1の速度(車速)に応じた信号を出力する車速センサ42、バッテリ36の蓄電率に応じた信号を出力するSOCセンサ43、エンジン3のエンジン回転数に応じた信号を出力するクランク角センサ44、及びエンジン3の燃焼室内の温度に応じた信号を出力する筒内温度センサ45の各信号がECU40に入力される。
ECU40は、アクセル開度センサ41の出力信号と車速センサ42の出力信号とを参照して、運転者が車両1に対して要求する要求出力を計算し、その要求出力に対するシステム効率が最適となるように各種のモードを切り替えながら車両1を制御する。例えば、エンジン3の熱効率が低下する低負荷領域ではエンジン3の燃焼を停止して第2モータ・ジェネレータ5を駆動するEVモードが選択される。また、エンジン3だけではトルクが不足する場合は、エンジン3と共に第2モータ・ジェネレータ5を走行用駆動源とするHVモードが選択される。
HVモードが選択された場合、車両1の全体に対する要求出力はエンジン3のエンジン要求出力と、第2モータ・ジェネレータ5のモータ要求出力との合計に等しい。つまり、車両1の全体に対する要求出力をエンジン3の出力だけでは賄えない場合には、第2モータ・ジェネレータ5の出力でその不足分が補われる。
要求出力に対するエンジン要求出力とモータ要求出力との配分は、エンジン回転数とエンジントルクとで定義されたエンジン3の動作点の変化に応じて変化する。エンジン要求出力が特定されると、そのエンジン要求出力を実現できるエンジン3の動作点が定められる。特別な条件が成立しない限りエンジン3の動作点は、予め設定された最適燃費線L(図2参照)上を移動するように制御されるので、エンジン要求出力を実現するエンジン3の動作点は原則として最適燃費線L上に設定される。尚、最適燃費線Lは、エンジン3の熱効率が最適となるように、実機又はシミュレーション等を用いた適合によって定められる。
ここで、車両制御装置としてのECU40が実施する本実施形態に係るエンジン制御の概要を図2及び図3を参照して説明する。図2は、実施形態に係るエンジン制御の概要の一例を示す図である。図3は、実施形態に係るエンジン要求出力との差と蓄電率との関係の一例を示す図である。
一般に、エンジンの燃焼室内の温度が低いほど同じ燃料噴射量(エンジントルク)で運転した排気中のPN値が悪化する。そこで、ECU40は、PN値の悪化を抑制できるようにエンジン3の燃焼室内の温度に応じてエンジントルク制限値を設定する。エンジントルク制限値は、燃焼室内の温度が低いほど小さな値となるように、言い換えれば、燃焼室内の温度が高いほど大きな値となるように設定される。
図2に示すように、エンジン要求出力に基づくエンジン出力Bのエンジントルクがエンジントルク制限値Aを超える場合、エンジン動作点を最適燃費線L上に維持したままではエンジン要求出力を達成できない(動作点F´参照)。そのため、エンジン3の動作点を、最適燃費線L上の動作点F´からエンジントルク制限値Aを超えずにエンジン要求出力に近づくように変化させながら、第2モータ・ジェネレータ5のモータ出力によってエンジン要求出力に達するまでの出力不足を補う。しかし、第2モータ・ジェネレータ5から出力可能なモータ出力はバッテリ36の入出力制限によって制約を受けるので、無条件にエンジン出力の不足を補うことはできない。つまり、第2モータ・ジェネレータ5による出力補正はバッテリ36の入出力制限の範囲内に限られる。
図3に示したように、バッテリ36の充電状態(SOC)の代表値としての蓄電率には入出力制限で規定される下限値が存在する。そこで、ECU40は、バッテリ36の蓄電率の下限値を超えない範囲で、エンジン動作点をエンジン要求出力に近づけていく。図2及び図3に示した例では、動作点F´から動作点Gまで移動しても蓄電率の下限値を下回らないので、バッテリ36の蓄電率を下限値以上に維持しながらエンジン3の動作点を動作点F´から動作点Gまで移動させてエンジン要求出力を達成できる。この際、エンジン3の動作点が、動作点F´から動作点Gまで移動する過渡期には、バッテリ36の負荷が増えるが、エンジン3の動作点が動作点Gに到達すれば、バッテリ36の負荷は増えない。
尚、エンジン要求出力に基づくエンジン出力Bのエンジントルクがエンジントルク制限値Aを超える場合であっても、動作点F´のエンジントルクと、エンジン出力Bのエンジントルクとの差分(つまり、出力不足分)を、第2モータ・ジェネレータ5の出力により補うことができる(つまり、バッテリ36に余力が十分ある)のであれば、エンジン3の動作点は、動作点F´のままであってよい。
尚、図3の縦軸はエンジン要求出力との差を示しているが、動作点Gと動作点F´とが図2の位置関係にあるときは、図3の縦軸はエンジン回転数差とすることもできる。
上述したエンジン制御を実現するため、ECU40は、図4に示す制御ルーチンを実施する。図4に示す制御ルーチンのプログラムは、ECU40に予め記憶されており、適時に読み出されて、燃焼室内の温度が、冷間時に相当する所定値未満の場合に実行される。
図4において、ECU40は、所定の始動要求等に応じてエンジン3を始動し(ステップS0)、その後、エンジン3の停止要求があるか否かを判定する(ステップS1)。停止要求があると判定された場合(ステップS1:Yes)、ECU40は、エンジン3に対する停止処理を実施してエンジン3を停止させてルーチンを抜ける(ステップS13)。
他方、停止要求がないと判定された場合(ステップS1:No)、ECU40は、アクセル開度及び車速に基づいて、エンジン要求出力Bを算出する(ステップS2)。ここで、アクセル開度は、アクセル開度センサ41の出力信号に基づいて、車速は、車速センサ42の出力信号に基づいて、夫々取得される。
次に、ECU40は、燃焼室内の温度に基づいてエンジントルク制限値Aを設定する(ステップS3)。エンジントルク制限値Aは、エンジン3のエンジントルクを制限するためのものであり、燃焼室内の温度が高いほど大きな値となるように不図示の算出マップに基づいて設定される。
この算出マップには、PN値が許容範囲内に抑制され得るエンジントルク制限値Aが燃焼室内の温度毎に設定されている。従って、ECU40がこの算出マップに基づいてエンジントルク制限値Aを設定することによりPN値が許容範囲内に抑制されることが保証される。尚、本実施形態では、燃焼室内の温度は筒内温度センサ45の出力信号に基づいて取得されるが、例えば冷却水温、間欠時間、始動後のエンジン仕事量等の燃焼室内の温度と相関する物理量に基づいて、燃焼室内の温度が推定されてもよい。
次に、ECU40は、エンジン要求出力Bに基づいて、最適燃費線L(図2参照)上のトルクB´を算出する(ステップS4)。続いて、ECU40は、算出されたトルクB´が、エンジントルク制限値Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。トルクB´が、エンジントルク制限値A以下であると判定された場合(ステップS5:No)、ECU40は、ステップS1の処理を実施する。
他方、トルクB´が、エンジントルク制限値Aより大きいと判定された場合(ステップs5:Yes)、ECU40は、最適燃費線Lとエンジントルク制限値Aとの交点に相当する出力F´(図2参照)を仮に設定する(ステップS6)。次に、ECU40は、SOCセンサ43の出力信号を参照してバッテリ36の蓄電率を取得する(ステップS7)。
続いて、ECU40は、取得された蓄電率に基づいて、エンジン出力とエンジン要求出力との許容差C(図3参照)を算出する(ステップS8)。エンジン3の動作点の変更量がこの許容差C以下であれば、動作点変更時に第2モータ・ジェネレータ5による出力補助を実施してもバッテリ36の蓄電率の下限値未満とならないことが保証される。つまり、バッテリ36の蓄電率が下限値以上に維持される。
次に、ECU40は、今回の計算でエンジン出力に追加する出力追加分Gを算出する(ステップS9)。出力追加分Gは、エンジン要求出力Bから、ステップS6の処理で設定された動作点F´及びステップS8の処理で算出された許容差Cの夫々を減じることにより算出される。
次に、ECU40は、エンジン3に対する出力指令値であるエンジン指示出力Fを算出する(ステップS10)。エンジン指示出力Fは、ステップS6の処理で設定された出力F´にステップS9の処理で算出された追加出力分Gを加算することにより算出される。
次に、ECU40は、ステップS10の処理で算出されたエンジン指示出力Fとエンジントルク制限値Aとに基づいて、制御目標となるエンジン回転数Eを算出する(ステップS11)。続いて、ECU40は、エンジン3の動作点が、エンジントルク制限値A及びエンジン回転数Eであるエンジン動作点に変更されるように、動力分割機構6に連結された第1モータ・ジェネレータ4を制御する(ステップS12)。その後、ECU40は、ステップS1の処理を実施する。
上述の制御ルーチンにより、エンジントルク制限値Aを超えず、且つバッテリ36の蓄電率が下限値以上に維持されるように出力制御が行われる。これにより、エンジン3のトルク増加に伴うPN値の悪化を抑制でき、且つバッテリ36の蓄電率の低下によるエンジン3の余計な出力増加によるPN値の悪化も抑制できる。
(冷却ファン制御)
ところで、バッテリ36は、その充放電に起因して温度が上昇する。そこで、本実施形態では、バッテリ36の温度がその適正温度範囲内となるように、冷却ファン50によりバッテリ36が冷却される。
ところで、バッテリ36は、その充放電に起因して温度が上昇する。そこで、本実施形態では、バッテリ36の温度がその適正温度範囲内となるように、冷却ファン50によりバッテリ36が冷却される。
ここで特に、上述したPN排出抑制制御が実施されると、エンジン出力の不足分が、第2モータ・ジェネレータ5により補われることに起因して、バッテリ36の放電量が増え、バッテリ36の温度が上昇しやすくなる。この場合、冷却ファン50の作動を開始する、例えばバッテリ36の温度や車速等が固定値として設定されていると、バッテリ36の冷却が間に合わず、バッテリ36の温度上昇に起因してバッテリ入出力(充放電)制限がかけられてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る車両制御装置としてのECU40は、図5に示す冷却ファン制御ルーチンを実施する。図5に示す制御ルーチンのプログラムは、ECU40に予め記憶されており、適時に読み出されて実行される。
図5において、ECU40は、車両1において上述したPN排出抑制制御が実施されているか否かを判定する(ステップS101)。PN排出抑制制御が実施されていると判定された場合(ステップS101:Yes)、ECU40は、冷却ファン50の作動を開始するバッテリ36の温度(即ち、温度閾値)、及び冷却ファン50の作動を開始する車速(即ち、車速閾値)の少なくとも一方の値を低下させる(ステップS102)。この結果、バッテリ36の温度が、PN排出抑制制御に起因して上昇することを適切に抑制することができる。
他方、PN排出抑制制御が実施されていないと判定された場合(ステップS101:No)、ECU40は、通常の温度閾値及び車速閾値の少なくとも一方に応じて、冷却ファン50を作動させる(ステップS103)。
尚、ステップS102の処理及びステップS103の処理の各々において、ECU40は、例えば車速に応じて冷却ファン50の回転数を変化させて送風量を変更してよい。また、上述したステップS102の処理に代えて、PN排出抑制制御が実施中であることを条件に、直ちに冷却ファン50の作動が開始されてもよい。
次に、本実施形態に係る冷却ファン制御の効果について、図6を参照して説明を加える。図6は、電池温度及びPN排出積算量各々の時間変動の一例を示す図である。
図6において、PN排出抑制制御が実施されていない場合(破線参照)、バッテリ36の温度の上昇は緩やかであるものの(図6の上段参照)、PN排出積算量は比較的早期にPN排出規制値を超えてしまう(図6の下段参照)。
PN排出抑制制御は実施されるが、冷却ファン50の作動開始が、PN排出抑制制御が実施されていない場合と同じであると(実線参照)、PN排出積算量の上昇は緩やかであるものの(図6の下段参照)、バッテリ36の温度が時刻t1において入出力制限開始温度を超えてしまう(図6の上段参照)。この結果、PN排出抑制制御の実行を継続することができず、時刻t1後の比較的早い時期にPN排出積算量がPN排出規制値を超えてしまう。
本実施形態に係る冷却ファン制御が実施されつつ、PN排出抑制制御が実施される場合(二点鎖線参照)、比較的早期に冷却ファン50の作動が開始されるのでバッテリ36の温度の上昇が抑制され(図6の上段参照)、PN排出抑制制御を比較的長い期間継続できるので、PN排出積算量の上昇も抑制することができる(図6の下段参照)。
本実施形態に係る「ECU40」は、本発明に係る「制御手段」の一例である。本実施形態に係る「PN抑制制御が実施されているとき」が、本発明に係る「内燃機関の燃焼室内温度に起因して内燃機関のエンジントルクに制限がかけられたとき」に相当する。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…車両、3…エンジン、4、5…モータ・ジェネレータ、36…バッテリ、40…ECU、50…冷却ファン
Claims (1)
- 内燃機関と電動機とを走行用駆動源として備え、前記内燃機関及び前記電動機の両方が分担して車両全体の駆動力として動力を発生可能であり、且つ前記電動機を駆動するために使用される蓄電手段が設けられたハイブリッド車両の車両制御装置であって、
前記蓄電手段を冷却するための冷却ファンと、
前記蓄電手段の温度及び前記ハイブリッド車両の車速の少なくとも一方に応じて前記冷却ファンの作動及び停止を切り換える制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記内燃機関の燃焼室内温度に起因して前記内燃機関のエンジントルクに制限がかけられたときに、前記冷却ファンを作動させる、前記蓄電手段の温度及び前記車速の少なくとも一方の値を低下する
ことを特徴とする車両制御装置。
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Cited By (2)
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KR20180120952A (ko) * | 2017-04-28 | 2018-11-07 | 현대자동차주식회사 | 배터리 냉각 제어 장치 및 방법, 그리고 차량 시스템 |
JP2019057994A (ja) * | 2017-09-20 | 2019-04-11 | 三菱自動車工業株式会社 | 電動車両 |
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KR102322856B1 (ko) | 2017-04-28 | 2021-11-08 | 현대자동차주식회사 | 배터리 냉각 제어 장치 및 방법, 그리고 차량 시스템 |
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