JP2013237200A - スクラッチ印刷物及びその製造方法 - Google Patents

スクラッチ印刷物及びその製造方法 Download PDF

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直樹 川原
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Abstract

【課題】 スクラッチ隠蔽層に可変情報を表示可能であり、かつ、スクラッチ隠蔽層の適正な接着力が得られると共に、コイン等の硬貨で引っ掻くことにより当該スクラッチ隠蔽層を削り取ることが可能なスクラッチ印刷物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 基材1上に有色インキのオフセット印刷による秘匿情報を表示する秘匿情報層2を形成し、秘匿情報層2を被覆するようにオフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層3を形成し、剥離層3の上に秘匿情報2の隠蔽性を有すると共に引っ掻くことにより剥離可能なスクラッチ隠蔽層6を電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成してなることを特徴とするスクラッチ印刷物10であることにより、上記課題を解決することができた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクラッチ印刷物及びその製造方法に関し、更に詳しくは、コイン等の硬貨で引っ掻く(スクラッチ)ことにより表面に形成された隠蔽層を削り取ることにより、下面に形成されている秘匿情報層が視認可能となるスクラッチ印刷物及びその製造方法に関するものである。
表面の隠蔽層をコイン等で削り取ることにより、隠蔽層で隠蔽されている文字、数字、図柄等を示す秘匿情報層を視認可能に表出させるスクラッチ印刷物が知られている。
このようなスクラッチ印刷物は、広告用チラシ、インスタント抽選券等のように、秘匿情報層を構成する文字、数字、図柄等が、当り、外れや特別提供価格等を表す固定データである場合、秘匿情報層の形成には高速・大量印刷に有利なオフセット印刷が用いられている。また、秘匿情報層を覆う隠蔽層は、例えば、凝集破壊性のあるゴム系樹脂と、アルミニウム粉末とを主成分とするインキを用いて3〜10μm程度の厚みでスクリーン印刷またはグラビア印刷により形成するのが一般的である。
例えば、特許文献1では、紙上に文字、図柄等の秘匿情報層をオフセット印刷し、当該秘匿情報層の上に紫外線硬化性インキを用いたオフセット印刷で被覆層を形成し、当該被覆層の上に銀色や黒色の顔料を多量に含有させたインキを用いてオフセット印刷で隠蔽層を形成させることにより、オフセット印刷のみでスクラッチ印刷物を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2では、機密情報データと、その周囲の下地印刷層が重なり合うことなく、ほぼ密接してなり、かつほぼ面一を形成させることにより、アルミニウム粉末等を樹脂に添加した銀インキによるスクラッチ隠蔽層の表面に機密情報データの凸部が下地印刷層との段差となって現れることがなく機密情報データとして視認が不可能なスクラッチ印刷物が提案されている。
特開平2−297482号公報 特開2003−220781号公報
上記のようなスクラッチ印刷物では、秘匿情報層を隠蔽する目的で、秘匿情報層の上に銀インキや墨インキを用いたベタ印刷によりスクラッチ隠蔽層を形成している。
しかしながら、このようなスクラッチ隠蔽層を形成した場合、スクラッチ隠蔽層上に印刷を施すのが困難であり、デザイン的にもあまり見栄えのよいものとは言えず、デザインの自由度に欠け、使用方法等の文字情報を付加できないという問題があった。
したがって、上記の問題を解決するために本発明の目的は、スクラッチ隠蔽層に可変情報を表示可能であり、かつ、スクラッチ隠蔽層の適正な接着力が得られると共に、コイン等の硬貨で引っ掻くことにより当該スクラッチ隠蔽層を削り取ることが可能なスクラッチ印刷物及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材上に有色インキのオフセット印刷による秘匿情報を表示する秘匿情報層を形成し、前記秘匿情報層を被覆するようにオフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層を形成し、前記剥離層の上に前記秘匿情報の隠蔽性を有すると共に引っ掻くことにより剥離可能なスクラッチ隠蔽層を電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成してなることを特徴とするスクラッチ印刷物である。
また、本発明のスクラッチ印刷物は、上記において、前記スクラッチ隠蔽層が、可変情報と前記可変情報の周辺に密接した背景を表示することを特徴とする。
また、本発明のスクラッチ印刷物は、上記において、前記スクラッチ隠蔽層の上に、更に透明インキ組成物による透明保護層を電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成してなることを特徴とする。
また、本発明のスクラッチ印刷物は、上記において、前記基材が、その上に有色インキのオフセット印刷による絵柄を表示する印刷層を前記スクラッチ隠蔽層と並存していることを特徴とする。
また、本発明は、基材上に有色インキのオフセット印刷により秘匿情報を表示する秘匿情報層を形成し、前記秘匿情報層を被覆するように透明インキ組成物を用いてオフセット印刷により剥離層を形成し、前記剥離層の上に、スクラッチ隠蔽層をコンピュータでデジタルデータとし、前記デジタルデータを電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成し、前記スクラッチ隠蔽層を被覆するように透明インキ組成物を用いて電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により透明保護層を形成することを特徴とするスクラッチ印刷物の製造方法である。
本発明は、上述したように、秘匿情報層を覆うようにして剥離層の上に電子写真印刷方式によるスクラッチ隠蔽層が形成されていることによって、スクラッチ隠蔽層に一部ずつ異なる印刷が可能であるのでオンデマンド性に優れ、小ロット、多品種印刷に対応できる。
また、秘匿情報層とスクラッチ隠蔽層の層間に剥離層を設けることによって、スクラッチ隠蔽層の適正な接着力が得られ、通常の取扱い時にスクラッチ隠蔽層が不要に剥離せず、かつ、硬貨で引っ掻くことにより当該スクラッチ隠蔽層を削り取ることができる。
また、スクラッチ隠蔽層が、電子写真印刷方式により形成されるため、従来のスクリーン印刷またはグラビア印刷より薄く形成することができるので、スクラッチ層を取り除く際に発生する削りカスの発生が少なくて済むという効果を奏する。
本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を示す概略断面図である。 本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を示す概略断面図である。 本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を示す概略断面図である。 本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を示す平面図である。 図4に示すスクラッチ印刷物10の表面を硬貨等で擦りスクラッチ隠蔽層を全て剥離した状態の一例を示す平面図である。 本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を示す平面図である。 図6に示すスクラッチ印刷物10の表面を硬貨等で擦りスクラッチ隠蔽層を全て剥離した状態の一例を示す平面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を概略断面図に示す。
スクラッチ印刷物10は、図1に示すように、紙,合成紙,樹脂シート等からなる基材1上の所定位置に、有色インキを用いてオフセット印刷してなる秘匿情報層2が形成され、秘匿情報層2を覆うようにして、オフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層3が形成され、さらに剥離層3上に秘匿情報層2を隠蔽するようにすると共に引っ掻くことにより剥離可能なスクラッチ隠蔽層6を形成されている。
スクラッチ隠蔽層6は、電子写真印刷方式により形成され、可変情報4と可変情報4の周辺に密接した背景5を表示することができる。
図2に本発明にかかるスクラッチ印刷物10の他の実施例を概略断面図に示す。
図2に示すように、本発明にかかるスクラッチ印刷物10は、基材1上の所定位置に、有色インキを用いてオフセット印刷してなる秘匿情報層2が形成され、秘匿情報層2を覆うようにして、オフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層3が形成され、剥離層3上にスクラッチ隠蔽層6を形成し、さらに隠蔽層6を覆うようにして、透明インキ組成物による透明保護層7が形成されている。
図3に本発明にかかるスクラッチ印刷物10の他の実施例を概略断面図に示す。
図3に示すように、本発明にかかるスクラッチ印刷物10は、基材1上の所定位置に、秘匿情報層2以外に、秘匿情報層2と並存して有色インキのオフセット印刷による絵柄を表示する印刷層8を設けることができる。
そして、秘匿情報層2を覆うようにして、オフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層3が形成され、剥離層3上にスクラッチ隠蔽層6を形成し、さらに隠蔽層6を覆うようにして、透明インキ組成物による透明保護層7が形成されている。
図4に本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を平面図に示す。
図4に示すスクラッチ印刷物10は、基材1の上に秘匿情報が表示され、秘匿情報層を覆うようにして、剥離層の上にスクラッチ隠蔽層6が設けられている。
スクラッチ隠蔽層6は、可変情報として、顧客へのメッセージ欄が予め電子写真印刷により印字されると共に、可変情報の周辺に密接した背景5である画像が印刷されている。
メッセージ欄には、例えば、顧客の宛名やスクラッチ隠蔽層6を擦って割引等の特典情報の読み取りを促すメッセージ等が印刷されている。
図5にスクラッチ印刷物10の表面を硬貨等で擦りスクラッチ隠蔽層を全て剥離した状態の一例を平面図に示す。
スクラッチ隠蔽層6の部分を硬貨等で擦って、図5に示す割引等の特典情報等の秘匿情報層2を露出させることができる。
また、基材1上には、秘匿情報層2と共に、有色インキのオフセット印刷による図、記号、文字等の絵柄8も表示されている。
図6に本発明にかかるスクラッチ印刷物10の一実施例を平面図に示す。
図6に示すスクラッチ印刷物10は、基材1の上に秘匿情報が表示され、秘匿情報層2を覆うようにして、剥離層の上にスクラッチ隠蔽層6が設けられている。
スクラッチ隠蔽層6は、可変情報4として、顧客へのメッセージ欄が予め電子写真印刷により印字されると共に、可変情報4の周辺に密接した背景5が印刷されている。
メッセージ欄には、例えば、スクラッチ隠蔽層6を擦って割引等の特典情報の読み取りを促すメッセージ等が印刷されている。
スクラッチ隠蔽層6に被覆されていないオフセット印刷による画像として、二次元バーコードによる製造管理用二次元コード9が表示される。
図7に図6に示すスクラッチ印刷物10の表面を硬貨等で擦りスクラッチ隠蔽層を全て剥離した状態の一例を平面図に示す。
図6に示すスクラッチ隠蔽層6の部分を硬貨等で擦って、秘匿情報層2を露出させることで、図7に示す二次元バーコードによる顧客用二次元コード9が表示される。
以下、本発明のスクラッチ印刷物を構成する各層について、詳細に説明する。
(基材)
本発明のスクラッチ印刷物における基材1は、有色オフセット印刷インキ層等を保持するという役割を有する以外、基材の材料は特に限定されず、例えば、グラシン紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン系、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル等の各種プラスチックフィルム又はシートが使用できる。
基材の厚さは、通常、50μm〜500μm程度が使用できる。
基材がプラスチックフィルム又はシートの場合、印刷面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理等を行うことが密接着性を高める上で好ましい。
(秘匿情報層)
本発明の秘匿情報層2は、基材1の一方の面に印刷される層である。
本発明において、秘匿情報層2は、基材と接する部分において、強固に密接着する密接着性を有することが好ましいものである。
秘匿情報層2の材料としては、例えば、グラビアインキ組成物、オフセットインキ組成物、凸版インキ組成物、シルクスクリーンインキ組成物、その他のインキ組成物を使用し、これを、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、転写印刷方式、その他の印刷方式により文字、記号、図形等の固定情報を印刷することで、厚さ0.1μm〜10μm程度に形成することができる。
本発明の実施例では、オフセットインキ組成物を使用しており、これをオフセット印刷方式により、固定情報を印刷することが、高速・大量印刷可能であり、インキ膜厚が0.1μm〜3μm程度であるため、スクラッチ隠蔽層の表面に秘匿情報層2が段差となって現れることがない点で好ましい。
(剥離層)
本発明の剥離層3は、秘匿情報層2の上に印刷される層である。
本発明において、剥離層3は、秘匿情報層2と接する部分においては、強固に密接着する密接着性を有し、他方、剥離層3の上に設けたスクラッチ隠蔽層6の部分においては、密接着性を弱くし、スクラッチ隠蔽層6と剥離性ないし離形性を有することが必要である。このため、本発明において、剥離層3は、樹脂をビヒクルの主成分とする無色透明なインキ組成物を使用し、秘匿情報層2との密接着性は有するが、スクラッチ隠蔽層6を構成する樹脂とは、密接着性が弱い樹脂を選定して使用することが好ましいものである。更に、硬貨等で擦る際、耐スクラッチ性を有することが望ましいものである。
上記において、剥離層3を構成する樹脂は、例えば、通常のインキ組成物を構成するビヒクルの主成分とする無色透明なインキ組成物を使用することができる。
インキ組成物を構成するビヒクルの樹脂としては、フェノール樹脂、ニトロセルロース系樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはポリウレタン系樹脂等を使用することができる。
かかる剥離層3を形成するインキ組成物としては、上記に例示した樹脂の1種ないし2種以上を使用し,これをビヒクルの主成分とし、これに、必要ならば、シリコーンやポリエチレンワックス等からなるスリップ剤、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し溶媒、希釈剤等で充分に混練し、調製してインキ組成物を製造することができる。
本発明においては、上記で製造したインキ組成物を使用し、秘匿情報層2の上に、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、フレキソ印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、転写印刷方式、その他の印刷方式により印刷して、厚さ0.1μm〜10μm程度に剥離層3を形成することができる。
本発明の実施例では、剥離層3の膜厚は、1μm〜5μm程度が好ましく、1.5μm〜2μm程度がより好ましい。上記の範囲内であると、秘匿情報層2と密接着性を有し、かつ、剥離層3の上に設けたスクラッチ隠蔽層6と適度な剥離性を有するので好ましい。1μm未満であると、剥離性を確保し難いので好ましくなく、5μmを超えると、剥離層の乾燥に時間がかかる上、材料の浪費であるため、好ましくない。
(スクラッチ隠蔽層)
本発明のスクラッチ隠蔽層6は、剥離層2の上に印刷される層である。
スクラッチ隠蔽層6は、秘匿情報層2の隠蔽性を有すると共に、硬貨等で引っ掻くことにより剥離可能な材料であれば、どのような材料を用いてもかまわない。
本発明において、スクラッチ隠蔽層6は、電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により、可変情報4と背景5を表示することができる。
上記の電子写真方式とは、レーザー光を電子写真感光体に照射することにより、帯電、露光させて静電潜像を形成し、その潜像に対応した画像を現像剤を用いて基材に付着、転移させて画像を形成する方式である。必要箇所が電子信号によるレーザー光などによって感光されることにより、所定の箇所に現像剤が付着、転移することができる。この方式を採用することにより、高解像度の画像を比較的容易に形成できる。
現像剤には、トナーとトナーに電荷を付与する粒子(キャリア)とを含む二成分のものと、電荷制御能を有するトナー単独の一成分のものがある。これらの現像剤において、トナーは帯電機能を有する着色粒子であり、結着樹脂、色材、電荷制御剤、離型剤、表面処理剤、磁性剤等を用いて製造される。
トナー材料は、カラー画像の場合、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー等を使用することができる。黒色トナーの場合、黒色色材として、カーボンブラック、磁性体、また、イエロー色材、マゼンタ色材、シアン色材を混合して黒色に調色された色材等を使用することができる。
中でも、可変情報4の印刷濃度と背景5の濃度をほぼ等しくすると、透過光によって秘匿情報層2を読み取りにくくするので、より好ましい。
スクラッチ隠蔽層6の膜厚は、0.5μm〜10μm程度が好ましく、0.5μm〜2μmがより好ましい。上記の範囲内であると、秘匿情報層2を適切に隠蔽することができ、硬貨等で削って除去しやすいので好ましい。0.5μm未満であると、隠蔽性を確保し難いので好ましくなく、10μmを超えると、硬貨等でスクラッチ隠蔽層6を削り取る際、削り屑の量が多くなり、また、材料の浪費であるため、好ましくない。
(透明保護層)
本発明の透明保護層7は、スクラッチ隠蔽層6の上に印刷される層である。
透明保護層7は、着色トナーと相溶性があり、僅かな摩擦では傷が付かず、硬貨等で擦過すると剥がれる程度の強度を有することが好ましい。
透明保護層7を設けることにより、流通過程で表面が傷つきにくく、スクラッチ隠蔽層を保護できるという効果がある。
なお、透明保護層7は、スクラッチ隠蔽層6を被覆すればよく、紙面全体を被覆する必要はない。
透明保護層7は、色素を含有しない透明な熱可塑性樹脂からなる透明トナーを使用することができる。透明トナーを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ジエン系樹脂、アクリロニトリル、ビニルエーテル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を単独又は混合して使用することができる。
本発明において、透明保護層7は、電子写真印刷方式により、厚さ0.1μm〜10μm程度、形成することができ、厚さ0.2μm〜10μm程度が、僅かな摩擦では傷が付かず、かつ、硬貨等で擦過すると剥がれる程度の強度を有するので好ましい。
本実施例において、ポリエステル樹脂からなる透明トナーを使用しており、流通過程では十分な硬度を有しており、スクラッチ隠蔽層6の保護層として電子写真印刷工程では低粘性の溶融状態となり、透明保護層7がスクラッチ隠蔽層6に埋め込まれて十分な高画質が形成できる点で好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
基材1として、厚さ127.9g/m2のマットコート紙(三菱製紙(株)製、ホワイトニューVマット)を用い、基材1の片面に、秘匿情報層2(顧客の特典情報)と絵柄8(図形、記号、文字等)として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のオフセットカラーインキ(DIC(株)製、製品名:ヒュージョン−G EZ)を用いて、枚葉オフセット印刷により厚さが1μmになるように印刷した。次いで、秘匿情報層2の上に、剥離層3として、OPニス(DIC(株)製、製品名:カルトンセルフOPニス)を用い、枚葉オフセット印刷により厚さが2μmになるように印刷した。次に、秘匿情報層3の上に、スクラッチ隠蔽層6として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のカラートナー(富士ゼロックス(株)社製、製品名Color10000Pressトナー)を用いて、電子写真方式を採用する市販のフルカラー複合機(富士ゼロックス(株)社製)により、定着温度を120℃〜150℃の範囲に設定し、可変情報4(顧客の宛名、顧客に特典情報の読み取りを促すメッセージ)とその背景5の画像を厚さ1μmで形成して、図4に示すような実施例1のスクラッチ印刷物10を作製した。
得られた実施例1のスクラッチ印刷物10は、電子写真印刷方式によるスクラッチ隠蔽層が形成されていることによって、秘匿情報層と異なった情報をスクラッチ隠蔽層に表示可能であった。
また、電子写真印刷方式によるスクラッチ隠蔽層が形成されていることによって、インクジェット方式の画像のように印字濃度が薄くないため、印字した二次元コード等の可変情報を機械的に認識することができた。
また、印字した可変情報に顧客の個人情報が含まれる場合、シュレッダーせず、該当箇所のみを硬貨等で引っ掻くことにより、個人情報を消去することができた。
また、実施例1のスクラッチ印刷物10は、スクラッチ隠蔽層6を注視したところ、顧客の特典情報(秘匿情報)の文字の読み取りが困難であり、隠蔽度の高さを確認できた。
また、スクラッチ隠蔽層6の顧客の宛名、顧客に特典情報の読み取りを促すメッセージの文字画像が鮮明であることを確認できた。
また、スクラッチ隠蔽層6を硬貨で擦ると、スクラッチ隠蔽層6が剥がれ、顧客の特典情報が読み取れることを確認できた。
また、スクラッチ隠蔽層6を取り除く際に発生する削りカスの発生がグラビア印刷やスクリーン印刷で形成したスクラッチ隠蔽層6と比べて少ないことを確認できた。
(実施例2)
基材1として、厚さ127.9g/m2のマットコート紙(三菱製紙(株)製、ホワイトニューVマット)を用い、基材1の片面に、秘匿情報層2(顧客の特典情報)と絵柄8(図形、記号、文字等)として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のオフセットカラーインキ(DIC(株)製、製品名:ヒュージョン−G EZ)を用いて、枚葉オフセット印刷により厚さが1μmになるように印刷した。次いで、秘匿情報層2の上に、剥離層3として、OPニス(DIC(株)製、製品名:カルトンセルフOPニス)を用い、枚葉オフセット印刷により厚さが2μmになるように印刷した。次に、秘匿情報層3の上に、スクラッチ隠蔽層6として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のカラートナー(富士ゼロックス(株)社製、製品名:Color 10000 Pressトナー)を用いて、電子写真方式を採用する市販のフルカラー複合機(富士ゼロックス(株)社製)により、定着温度を120℃〜150℃の範囲に設定し、可変情報4(顧客の宛名、顧客に特典情報の読み取りを促すメッセージ)とその背景5の画像を厚さ1μmで形成した。更に、スクラッチ隠蔽層6の上に、透明保護層7として、透明トナー(富士ゼロックス(株)社製、製品名:Color10000 Press クリアトナー)を用いて、電子写真方式を採用する市販のフルカラー複合機(富士ゼロックス(株)社製)により、定着温度を120℃〜150℃の範囲に設定し、厚さ0.4μm〜0.2μmで形成し、図4に示すような実施例2のスクラッチ印刷物10を作製した。
実施例2のスクラッチ印刷物10は、実施例1の作用効果に加え、スクラッチ隠蔽層6の上に、透明保護層7を形成しているため、スクラッチ印刷物10の流通過程では十分な硬度を有しており、電子写真印刷工程では透明保護層7がスクラッチ隠蔽層6に埋め込まれて十分な高画質が形成できることを確認した。
(実施例3)
基材1として、用紙斤量127.9g/m2のマットコート紙(三菱製紙(株)製、ホワイトニューVマット)を用い、基材1の片面に、秘匿情報層2(顧客の特典情報)と絵柄8(図形、記号、文字等)として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のオフセットカラーインキ(DIC(株)製、製品名:ヒュージョン−G EZ)を用いて、枚葉オフセット印刷により厚さが1μmになるように印刷した。次いで、秘匿情報層2の上に、剥離層3として、メジウムインキ(DIC(株)製、製品名:FGメジウム)を用い、枚葉オフセット印刷により厚さが2μmになるように印刷した。次に、秘匿情報層3の上に、スクラッチ隠蔽層6として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のカラートナー(富士ゼロックス(株)社製、製品名:Color 10000 Pressトナー)を用いて、電子写真方式を採用する市販のフルカラー複合機(富士ゼロックス(株)社製)により、定着温度を120℃〜150℃の範囲に設定し、可変情報4(顧客の宛名、顧客に特典情報の読み取りを促すメッセージ)とその背景5の画像を厚さ1μmで形成した。更に、スクラッチ隠蔽層6の上に、透明保護層7として、透明トナー(富士ゼロックス(株)社製、製品名:Color10000 Press クリアトナー)を用いて、電子写真方式を採用する市販のフルカラー複合機(富士ゼロックス(株)社製)により、定着温度を120℃〜150℃の範囲に設定し、厚さ0.4μm〜0.2μmで形成し、図4に示すような実施例2のスクラッチ印刷物10を作製した。
実施例3のスクラッチ印刷物10は、実施例2と同様の作用効果を奏することを確認した。
実施例2〜3で用いた基材の斤量127.9g/m2のマットコート紙以外に、用紙斤量、64.0g/m2、81.4g/m2、209.3g/m2、300.0g/m2の用紙についても、実施例2〜3と同様の方法で、スクラッチ印刷物10を作製した。
また、実施例2〜3の剥離層3の厚み、2μmを1μmに変更した以外は、実施例2〜3と同様の方法で、スクラッチ印刷物10を作製した。
上記の各実施例のスクラッチ印刷物10について、剥離性の評価を行った。それらの測定条件及び評価基準について、以下に説明する。
<剥離性の測定条件>
上記の各実施例のスクラッチ印刷物10のスクラッチ隠蔽層6の部分を10円硬貨(銅製)で5回擦り、スクラッチ隠蔽層6の剥離の有無を目視にて確認した。
<剥離性の判断基準>
○:スクラッチ隠蔽層6の剥離なし。
×:スクラッチ隠蔽層6の剥離あり。
上記の剥離性の評価結果を表1に示す。
Figure 2013237200
表1に示すとおり、本発明の実施例で得られたスクラッチ印刷物10については、剥離性の評価試験において、良好な結果を得た。
1 基材
2 秘匿情報層
3 剥離層
4 可変情報層
5 背景
6 スクラッチ隠蔽層
7 透明保護層
8 絵柄
9 二次元コード
10 スクラッチ印刷物

Claims (5)

  1. 基材上に有色インキのオフセット印刷による秘匿情報を表示する秘匿情報層を形成し、
    前記秘匿情報層を被覆するようにオフセット印刷による透明インキ組成物からなる剥離層を形成し、
    前記剥離層の上に前記秘匿情報の隠蔽性を有すると共に引っ掻くことにより剥離可能なスクラッチ隠蔽層を電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成してなることを特徴とするスクラッチ印刷物。
  2. 前記スクラッチ隠蔽層が、可変情報と前記可変情報の周辺に密接した背景を表示することを特徴とする請求項1記載のスクラッチ印刷物。
  3. 前記スクラッチ隠蔽層の上に、更に透明インキ組成物による透明保護層を電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクラッチ印刷物。
  4. 前記基材が、その上に有色インキのオフセット印刷による絵柄を表示する印刷層を前記スクラッチ隠蔽層と並存していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクラッチ印刷物。
  5. 基材上に有色インキのオフセット印刷により秘匿情報を表示する秘匿情報層を形成し、
    前記秘匿情報層を被覆するように透明インキ組成物を用いてオフセット印刷により剥離層を形成し、
    前記剥離層の上に、スクラッチ隠蔽層をコンピュータでデジタルデータとし、前記デジタルデータを電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により形成し、
    前記スクラッチ隠蔽層を被覆するように透明インキ組成物を用いて電子写真印刷方式によるオンデマンド印刷により透明保護層を形成することを特徴とするスクラッチ印刷物の製造方法。
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