JP2013235103A - ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー - Google Patents

ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー Download PDF

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【課題】安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性及び摺動性を有するローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラーを提供することを本発明の目的とする。
【解決手段】フッ素樹脂を90〜99重量%(特に93〜97重量%)、平均粒子径0.1〜5μmの無機粒子を1〜10重量%(特に3〜7重量%)含有する、ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー。
【選択図】なし

Description

本発明は、ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラーに関する。
近年、紙、不織布、フィルム、シート、サイディング(外壁)材等を製造する際に、コスト削減や品質の向上が求められている。これらの工程で使用する、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付けるローラー、製紙ローラー、印刷ローラー等は、非粘着性を付与するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いたフッ素樹脂コーティングが行われている。しかしながら、PTFE、PFA等のフッ素樹脂自体が柔らかく、耐摩耗性が不十分である。耐摩耗性が不十分であれば、製造装置を停止して、ローラーのコーティングをやり直して交換する頻度が多くなり、コスト面での負荷が多くなる。そのため、PTFE、PFA等のフッ素樹脂コーティングの耐摩耗性の向上が望まれている。
フッ素樹脂層にフィラーを含有させて耐摩耗性を向上させた発明例としては、特許文献1等が知られている。
特開2009−157205号公報
特許文献1のOA機器用ローラーでは、フッ素樹脂含有層を複数層とし、フィラーを添加して各種機能(導電性、熱伝導性、耐摩耗性、強度等)を付加した機能層を内側に位置させることが好ましいとされている一方、フィラーが含有されていない層を表層(最表面、最外層)とすることが好ましいとされている。これは、特に表層の柔軟性や良好な離型性を確保するためである。
しかしながら、OA機器用ローラーよりも相手材(紙、フィルム、不織布、フィルム、シート等)との接触が激しく、使用頻度も高い、より高いレベルの耐摩耗性が要求されるローラーに関しては、フィラーが含まれていない層を表層(最表面、最外層)とするのは、耐摩耗性が不十分である。
これらの理由から、本発明は、安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性及び摺動性を有するローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラーを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、フッ素樹脂に特定の粒径を有する無機粒子を特定量添加することで、フッ素樹脂が有する非粘着性や摺動性を損ねることなく、耐摩耗性を飛躍的に向上できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.フッ素樹脂を90〜99重量%、平均粒子径0.1〜5μmの無機粒子を1〜10重量%含有する、ローラーの最表面用組成物。
項2.前記フッ素樹脂の含有量が93〜97重量%であり、前記無機粒子の含有量が3〜7重量%である、項1に記載のローラーの最表面用組成物。
項3.前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロテトラフルオロエチレン共重合体(ECTFE)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1又は2に記載のローラーの最表面用組成物。
項4.前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び酸化鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物。
項5.前記ローラーが、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付すためのローラー、製紙ローラー又は印刷ローラーである、項1〜4のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物。
項6.項1〜5のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物を用いたコーティング膜からなる、ローラーの最表面用部材。
項7.前記コーティング膜の厚みが40μm以上である、項6に記載のローラーの最表面用部材。
項8.項6又は7に記載のローラーの最表面用部材を最表面に備える、ローラー。
項9.基材上に、プライマー層及び前記ローラーの最表面用部材を順に備える、項8に記載のローラー。
本発明によれば、安価で、且つ、十分な耐摩耗性と非粘着性及び摺動性を有するローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラーを提供することができる。また、本発明のローラーの最表面用組成物を使用すれば、ローラーの最表面のフッ素樹脂が有する非粘着性や摺動性を損ねることなく、長期間に渡って使用することが可能となり、紙、不織布、フィルム、シート等製品の品質向上や製品の歩留まりを向上させることができる。
1.ローラーの最表面用組成物
本発明のローラーの最表面用組成物は、フッ素樹脂を90〜99重量%、平均粒子径0.1〜5μmの無機粒子を1〜10重量%含有する。
フッ素樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロテトラフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が好ましい。これらのフッ素樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)は、フッ素含有量が高く、柔軟で非粘着性をより向上させることができるため、特に好ましい。
本発明の組成物において、フッ素樹脂の含有量は、90〜99重量%、好ましくは93〜97重量%である。フッ素樹脂の含有量が90重量%未満では、非粘着性が不十分である。また、フッ素樹脂の含有量が99重量%をこえると、耐摩耗性が不十分である。
本発明で使用する無機粒子の平均粒子径は、0.1〜5μm、好ましくは0.5〜3μmである。無機粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、無機粒子同士の凝集が起こりやすく、フッ素樹脂との均一な混合(分散)が不十分となる。また、無機粒子の平均粒子径が5μmをこえると、最表面用組成物の最表面が平滑になりにくくなったり、最表面用組成物から無機微粒子が脱離しやすくなったりする。
なお、無機粒子の平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡(SEM、TEM等)観察等により測定することができる。
無機粒子としては、特に制限されるわけではないが、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄等が挙げられる。無機粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、無機粒子の含有量は、1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。無機微粒子の含有量が1重量%未満では、耐摩耗性が不十分である。また、無機微粒子の含有量が10重量%をこえると、非粘着性が不十分である。
本発明の組成物には、上記フッ素樹脂及び無機粒子以外にも、流動助剤、顔料、帯電助剤、脱ガス剤、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませてもよい。
本発明の組成物の形態は特に制限されない。
例えば、フッ素樹脂粉末、無機粒子及び必要に応じて他の固形粉末を、粉末同士で混合して固体組成物として粉体塗料としてもよい。この場合、ローラーを製造する際には、静電塗装ガンを用いて静電塗装を行うことが好ましい。
また、フッ素樹脂、無機粒子及び必要に応じて他の固形分を溶媒に溶解又は分散させて液体塗料としてもよい。この際使用できる溶媒としては、特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1−メチル−2−ピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。これらの溶媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。この場合、ローラーを製造する際には、エアースプレーを用いて塗装を行うことが好ましい。
粉体塗料及び液体塗料のなかでも、厚膜の形成が容易な観点から、粉体塗料が好ましい。例えば、フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を主成分とする場合、液体塗料を用いると膜厚60μm程度までの厚膜しか形成できないが、粉体塗料を使用すると膜厚1000μm程度の厚膜を形成することも可能である。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜200℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、フッ素樹脂を溶融させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は250〜400℃程度が好ましく、300〜380℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。また、焼成後にコーティング膜の表面を平滑にするため、サンドペーパー等で研磨処理を行ってもよい。
本発明の組成物は、ローラーの最表面用に使用されるものであるが、使用できるローラーは特に制限されない。例えば、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付すためのローラー、製紙ローラー、印刷ローラー等のいずれにも適用可能である。
2.ローラーの最表面用部材
本発明のローラーの最表面用部材は、上記説明した本発明の組成物を用いたコーティング膜からなる。より具体的には、本発明の組成物が粉体塗料である場合には静電塗装ガンを用いて静電塗装されたコーティング膜が好ましく、液体塗料である場合にはエアースプレーを用いて塗装されたコーティング膜が好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜200℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、フッ素樹脂を溶融させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は250〜400℃程度が好ましく、300〜380℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。また、焼成後にコーティング膜の表面を平滑にするため、サンドペーパー等で研磨処理を行ってもよい。
このコーティング膜の厚みは、40μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましい。コーティング膜の厚みを40μm以上とすることで、より耐久性を向上させることができる。特に、柔軟性等に優れるテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等を用いて、圧着ローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付すためのローラー、製紙ローラー等のサイズの大きいローラーに適用する場合には、コーティング膜の厚みが小さいと使用に耐えられない傾向がある。また、コーティング膜の厚みの上限値は特に制限はないが、通常1000μm程度である。
3.ローラー
本発明のローラーは、上記説明した本発明のローラーの最表面用部材を備える。このローラーは、具体的には、基材上に、プライマー層及び本発明のローラーの最表面用部材を順に備えることが好ましい。
基材の材質としては、特に制限されない。例えば、一般鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属類;プラスチック等の樹脂類;炭素材、セラミックス等の非金属類等のいずれもが使用できる。
基材の形状は、特に制限されないが、円筒型が好ましい。
基材と本発明のローラーの最表面用部材との密着性を高めるため、基材の表面は凹凸状態にしておく(表面を粗す)ことが好ましい。基材の表面を凹凸状態にする手法としては、酸またはアルカリ水溶液中でのエッチング処理、粗面形成剤の塗布、金属又はセラミック溶射、ショットブラスト等があるが、この中でもショットブラストが低コストで均一に表面を凹凸状態にできるため、好ましい。
本発明のローラーにおいては、基材とフッ素樹脂層の密着性を高めるために、基材と本発明のローラーの最表面用部材との間にプライマー層を設けることが好ましい。プライマー層としては、市販のフッ素樹脂コーティング用の製品を用いた層が使用できる。プライマー層の主成分としては、ポリエーテルサルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。また、プライマー層にフッ素樹脂が含まれていてもよい。
プライマー層の厚みは、凹凸状態にした基材の表面を均一にコーティングして、最表面のフッ素樹脂層との密着性を高める点から、5〜40μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。
この後、本発明の組成物を用いて、最表面を形成する。本発明の組成物が粉体塗料である場合には静電塗装ガンを用いて静電塗装することが好ましく、液体塗料である場合にはエアースプレーを用いて塗装することが好ましい。この際、上述のように、最表面層の厚みが40μm以上となるように調整することが好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜200℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、フッ素樹脂を溶融させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は250〜400℃程度が好ましく、300〜380℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。また、焼成後にコーティング膜の表面を平滑にするため、サンドペーパー等で研磨処理を行ってもよい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例の評価は以下のようにして行った。
[粘着テープ荷重測定試験]
コーティング加工した平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)に粘着テープ(幅50mm×長さ150mm)の幅50mm×長さ50mm部分を貼り付けて、デジタルフォースゲージ(日本電産シンポ(株)製FGP−0.5)にて上(垂直)方向に引き上げ、平板テストピースから粘着テープが剥離する際の荷重を測定した。
[ホイール摩耗試験]
コーティング加工した円筒型テストピース(直径50mm、幅10mm、材質SUS304)を装置に固定し、ステンレスホイール(直径150mm、幅15mm、材質SUS304)を40Nの力で押し付けて、600rpmで回転させ、円筒型テストピースの外周面に加工したコーティングが摩滅するまでの走行距離(m)を測定した。
実施例1
3リットルのポリプロピレン容器にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)製MP−10)950gにシリカ粉末((株)アドマテックス製SO−E3、平均粒子径1.0μm)50gを加えた。
この3リットルのポリプロピレン容器を6時間ローリング撹拌して、PFA+シリカ粉体塗料を調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面と円筒型テストピース(直径50mm、幅10mm、材質SUS304)の外周面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
デュポン(株)製の粉体塗装用プライマー(420−713)を使用して、エアースプレーにてプライマー層の塗装を行った。塗装後に150℃で15分間の乾燥を行った。膜厚を測定したところ、20μmであった。
このプライマー層の上に、上記のPFA+シリカ粉体塗料を使用して、静電塗装ガンにてトップコート層の塗装を行った。塗装後に380℃で20分間の焼成を行った。プライマーとトップコート層の合計膜厚を測定したところ、80μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、280gであった。また、円筒型テストピースを用いてホイール摩耗試験を行ったところ、339,200mであった。
実施例2
3リットルのポリプロピレン容器にPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル(株)製MP−10)950gに炭化ケイ素粉末(太平洋ランダム(株)製、平均粒子径2.3μm)50gを加えた。
この3リットルのポリプロピレン容器を6時間ローリング撹拌して、PFA+炭化ケイ素粉体塗料を調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面と円筒型テストピース(直径50mm、幅10mm、材質SUS304)の外周面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
デュポン(株)製の粉体塗装用プライマー(420−713)を使用して、エアースプレーにてプライマー層の塗装を行った。塗装後に150℃で15分間の乾燥を行った。膜厚を測定したところ、20μmであった。
このプライマー層の上に、上記のPFA+炭化ケイ素粉体塗料を使用して、静電塗装ガンにてトップコート層の塗装を行った。塗装後に380℃で20分間の焼成を行った。プライマーとトップコート層の合計膜厚を測定したところ、80μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、280gであった。また、円筒型テストピースを用いてホイール摩耗試験を行ったところ、339,310mであった。
比較例1
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)の片面と円筒型テストピース(直径50mm、幅10mm、材質SUS304)の外周面をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
デュポン(株)製の粉体塗装用プライマー(420−713)を使用して、エアースプレーにてプライマー層の塗装を行った。塗装後に150℃で15分間の乾燥を行った。膜厚を測定したところ、20μmであった。
このプライマー層の上に、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のPFAパウダー
(MP−10)を使用して、静電塗装ガンにてトップコート層の塗装を行った。塗装後に380℃で20分間の焼成を行った。プライマーとトップコート層の合計膜厚を測定したところ、80μmであった。
平板テストピースを用いて、粘着テープ荷重測定試験を行ったところ、280gであった。しかしながら、円筒型テストピースを用いてホイール摩耗試験を行ったところ、45,566mであり、耐久性に乏しい結果であった。

Claims (9)

  1. フッ素樹脂を90〜99重量%、平均粒子径0.1〜5μmの無機粒子を1〜10重量%含有する、ローラーの最表面用組成物。
  2. 前記フッ素樹脂の含有量が93〜97重量%であり、前記無機粒子の含有量が3〜7重量%である、請求項1に記載のローラーの最表面用組成物。
  3. 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロテトラフルオロエチレン共重合体(ECTFE)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のローラーの最表面用組成物。
  4. 前記無機粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び酸化鉄よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物。
  5. 前記ローラーが、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、しわ取りローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材に模様を付すためのローラー、製紙ローラー又は印刷ローラーである、請求項1〜4のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のローラーの最表面用組成物を用いたコーティング膜からなる、ローラーの最表面用部材。
  7. 前記コーティング膜の厚みが40μm以上である、請求項6に記載のローラーの最表面用部材。
  8. 請求項6又は7に記載のローラーの最表面用部材を最表面に備える、ローラー。
  9. 基材上に、プライマー層及び前記ローラーの最表面用部材を順に備える、請求項8に記載のローラー。
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