JP2006091529A - 定着装置、回動部材および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置60であって、定着ロール61と、定着ロール61を押圧し、定着ロール61との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力パッド64とを備え、定着ロール61は、ニップ部N側の表面にフッ素樹脂等の耐熱性樹脂100重量部と膨潤性合成雲母等の層間剥離性フィラー0.1重量部〜5重量部とを配合してなる樹脂からなる離型層613を有する。
【選択図】 図2
Description
即ち、特許文献1に記載した定着装置は、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと定着ロールとの間にシートを通過させることができるようにベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成されたものである。
このような離型層には、トナーとの離型性が良好という性能の面から、例えばフッ素樹脂等により構成されている(特許文献2参照)。また、このようなフッ素樹脂に酸化チタン等の無機半導電性フィラーを配合しフッ素樹脂層の耐磨耗性を低減させる方法(特許文献3参照)、芯材上にプライマー層とフィラーを配合をしたフッ素樹脂組成物層とフッ素樹脂層との3層構造にする方法(特許文献4参照)、粒径5μm以下のグラファイト粉体を配合したフッ素樹脂層を形成する方法(特許文献5参照)等が報告されている。
また、ロールニップ方式において定着ロールを押圧する加圧ロールの表面を、フッ素樹脂とフッ素ゴム等との混合物からなるスリーブにより被覆層を形成する方法(特許文献6参照)も報告されている。
即ち、例えば、ベルトニップ方式の場合、定着ロール表面とトナー像を形成する用紙表面との長期間の接触により、定着ロールの最表層に被覆されたフッ素樹脂層が磨耗し、定着ロールの基材であるシリコーンゴム層が剥き出しになる傾向がある。このような剥き出しになった表面が生じることにより、画像不良が生じ、また、定着ロール表面からの用紙の剥離性も低下するという問題がある。
即ち、本発明の目的は、長期の使用において高品質な定着画像を形成する定着装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、長期の使用に耐えうる回転部材を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、定着画像を形成する画像形成装置を提供することにある。
また、回動部材は、金属性コアと、樹脂層との間に設けた弾性層と、を有するロールであることが好ましい。
ここで、ベルト部材は、基材層と、基材層上の記録材と接する面側に設けた耐熱性樹脂と層間剥離性フィラーとを配合してなる樹脂層と、を有することが好ましい。
また、層間剥離性フィラーは、厚さ0.005μm〜1μm、長さ0.01μm〜20μmである形状を有するものが好ましい。具体的には、層間剥離性フィラーは、合成雲母、モンモリナイト、サポナイト、ヘクトライト、スメクタイト、珪酸アルミニウムマグネシウムから選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。
また、樹脂層は、耐熱性樹脂100重量部と、耐熱性樹脂に対して層間剥離性フィラー0.1重量部〜5重量部とを配合してなる樹脂組成物から形成されることが好ましい。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1には、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置が示されている。図1に示された画像形成装置は、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
図1に示すような画像形成装置では、画像読取装置(IIT)(図示せず)やパーソナルコンピュータ(PC)(図示せず)等から出力される画像データは、画像処理装置(IPS)(図示せず)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は、本実施の形態が適用される定着装置60の構成を示す側断面図である。定着装置60は、回動部材の一例としての定着ロール61と、ベルト部材の一例としてのエンドレスベルト62と、およびエンドレスベルト62を介して定着ロール61から押圧される圧力部材の一例としての圧力パッド64と、により主要部が構成されている。
定着ロール61の内部には、発熱源として、例えば、定格600Wのハロゲンヒータ66が配設されている。一方、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されている。画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)を維持するように調整している。
図3に示すように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド部材80が配設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801と、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の外径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802と、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803と、で構成されている。
ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65に、長手方向に沿って取り付けられている。また、ベルトガイド部材63には、エンドレスベルト62の回転方向に向けて複数のリブが形成され、エンドレスベルト62内周面との接触面積を極力少なくするように構成されている。さらに、ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように摩擦係数が低い材質であって、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質で形成されている。具体的にはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の耐熱性樹脂が用いられる。
低摩擦シート68は、ニップ部Nの上流側端部が低摩擦シート固定部材68aによってホルダ65に固定されている。そして、エンドレスベルト62の回動方向に沿って、圧力パッド64とエンドレスベルト62内周面との間に挟持された状態で、ニップ部Nの全域に亘って配設されている。なお、低摩擦シート68のニップ部N下流側は、低摩擦シート68に歪みが生じないように、固定されず自由端(フリー)の状態に設定されている。そして、低摩擦シート68は、ニップ部Nにおいて圧力パッド64と定着ロール61との間に押圧力が印加されている状態の下で、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減している。
まず、定着ロール61では、コア611は、鉄、アルミニウム(例えば、A−5052材)、SUS、銅等の熱伝導率の高い金属または合金、セラミックス、FRMで形成された、例えば外径φ30mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒体で構成されている。
耐熱性弾性体層612は、耐熱性の高い弾性体で構成され、特に、ゴム硬度が15°〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。なかでも、表面張力が小さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。このようなシリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。本実施の形態の定着装置60では、ゴム硬度が35°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムを600μmの厚さでコア611に被覆している。耐熱性弾性体層612の厚さは、通常、3mm以下、好ましくは、0.1mm〜1.5mmの範囲内である。耐熱性弾性体層612のコア611の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、公知のコーティング法、成型などが採用できる。
これらの中でも、特に耐熱性、機械特性等の面から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる。
フッ素樹脂と層間剥離性フィラーとの割合は、特に限定されないが、フッ素樹脂100重量部に対して、層間剥離性フィラー0.1重量部〜5重量部、好ましくは、0.1重量部〜3重量部である。層間剥離性フィラーの配合量が過度に少ないと、離型層613の強度が低下する傾向がある。また、層間剥離性フィラーの配合量が過度に多いと、離型層613の摺動面の摩擦係数が増大する傾向がある。
定着ロール61の表面に設けた離型層613の厚さは、通常、5μm〜50μm、好ましくは15μm〜30μmの範囲内である。
ここで、フッ素樹脂と層間剥離性フィラーとを配合したフッ素樹脂層からなるチューブの調製方法としては、例えば、フッ素樹脂と所定量の層間剥離性フィラーとを、押し出し成型機に投入し、フッ素樹脂の融点以上(約320℃)の温度において、溶融混練した後チューブ状に押し出して調製する方法が挙げられる。この場合、予め、フッ素樹脂と層間剥離性フィラーとを溶融状態で混合し、層間剥離性フィラーがフッ素樹脂中に分散した混合ペレットを調製し、このように調製した混合ペレットを押し出し成型機中に投入することが好ましい。
また、他の方法としては、例えば、予め、フッ素樹脂と層間剥離性フィラーとを配合し、これを適当な分散媒中に分散させたフッ素樹脂分散液を調製し、このフッ素樹脂分散液を、耐熱性弾性体層612表面に塗布した後、焼成することにより離型層613を形成する方法が挙げられる。
これらの中でも、特に耐熱性、機械特性等の面から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる。離型層(表面層)の厚さは5μm〜100μm、好ましくは10μm〜30μm程度に設定される。
剥離ニップ部材64bは、PPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。そして、本実施の形態の定着装置60では、エンドレスベルト62は、圧力パッド64により定着ロール61に約40°の巻き付き角度でラップされ、約8mm幅のニップ部Nを形成している。
前述した第1の実施の形態では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。第2の実施の形態では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。尚、第1の実施の形態と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、摺擦部材の一例としての低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層921と、このベース層921の加圧ロール91側の面または両面に被覆された離型層922と、から構成されている。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配設することも可能である。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
ベース層921の表面を被覆する離型層922(表面層)としては、層間剥離性フィラーを配合したフッ素樹脂層から構成されている。離型層922(表面層)を、層間剥離性フィラーを配合したフッ素樹脂層から構成することにより、長期の使用に耐え得る信頼性の高い定着ベルト92の走行を実現することができる。
また、本実施の形態では、加圧ロール91の表面に設けられた離型層913を、層間剥離性フィラーを配合したフッ素樹脂を用いて形成することも可能である。
(評価試験)
第1の実施の形態において説明した定着装置60と同様な構成の定着装置を備えた画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)を用いて、以下の条件に従い、画質評価、用紙の剥離性評価、定着ロールの耐久性試験を行った。
1.画質評価
ベタ黒画像を薄紙(富士ゼロックス株式会社製:P紙)に出力し、画像光沢斑の有無に基づき画質を評価した。
2.定着ロールと用紙との剥離性評価
ベタ黒画像を薄紙(富士ゼロックス株式会社製:P紙)に出力する際の用紙の剥離状態を評価した。
3.定着ロールの耐久性試験
画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)を用いてA4サイズ白紙連続通紙試験を行い、定着ロールの表面に形成した離型層の摩耗状態を観察した。
定着ロールは、外径26mm、肉厚1.8mm、長さ360mmである円筒状鉄製のコアの外周面に、厚さ600μmのシリコーンHTVゴム(ゴム硬度33度:JIS−A)の弾性層が設けられ、この弾性層の表面に、層間剥離性フィラーを配合したフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。定着ロールのコアの内部には、加熱源としてハロゲンランプ(600w)が配設されている。定着ロールの表面温度は、加熱された定着ロールの表面に当接した状態で配置された感温素子である温度センサー及び温度コントローラーとにより175℃に制御した。
エンドレスベルトを押圧する圧力パッドは、幅10mm、厚さ5mm、長さ340mmのシリコーンゴムからなる支持体上に低摩擦シートが設けられ、低摩擦シート表面には、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルオイル(ダイキン工業株式会社製:S100)が供給されている。また、支持体の上に配置されたベルトガイド部材の表面には、ベルト回転方向のリブが設けられており、エンドレスベルトの内周面との接触面積を少なくしている。圧力パッドは、エンドレスベルトを介して圧縮コイルスプリングにより定着ロールを34.5kgの荷重で押圧している。
フッ素樹脂としてパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)(三井デュポンフロロケミカル株式会社製:テフロン(登録商標)350Jモールディングパウダー)100重量部と、層間剥離性フィラーとして合成マイカ(コープケミカル株式会社製:ソマシフMEE 直径約150nm、長さ約8μm)2重量部とを、予め溶融させながら分散させて混合ペレットを作製した。次に、この混合ペレットを、温度380℃にて押し出し成型機を用いて、合成マイカを配合したフッ素樹脂からなる、厚さ25μmのチューブを調製した。
次に、表面にプライマー(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を塗布した外径60mmのアルミニウム芯金上に、前述した合成マイカを配合したフッ素樹脂からなるチューブが内面にセットされた円筒状金型スリーブに配置し、この中に液状シリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を注入した後加硫してフッ素樹脂が被覆された定着ロールを調製した。
層間剥離性フィラーとして長径粒径5μmのモンモリナイト(クニミネ工業株式会社製クニピアF:直径約180nm、長さ約0.5μm)1重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様の条件で定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、200,000枚連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
層間剥離性フィラーとして粒径3μmの合成スメクタイト(珪酸アルミニウムマグネシウム)(コープケミカル株式会社製:SEN)0.5重量部を配合したこと以外は、実施例1と同様の条件で定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、200,000枚連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
フッ素樹脂としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)(アウジモント株式会社製)100重量部と、層間剥離性フィラーとして珪酸アルミニウムマグネシウム(コープケミカル株式会社製SWF:直径約200nm、長さ約0.08μm)0.5重量部とを配合したこと以外は、実施例1と同様の条件で定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、200,000枚連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
フッ素樹脂としてパーフルオロアルコキシ樹脂(三井デュポンフロロケミカル株式会社製:テフロン(登録商標)350Jモールディングパウダー)100重量部と、層間剥離性フィラーとして合成マイカ(コープケミカル株式会社製:ソマシフMEE 直径約150nm、長さ約8μm)2重量部とを、押し出し成型機に投入して温度380℃にて押し出し、合成マイカを配合したフッ素樹脂からなる、厚さ25μmのチューブを調製した。
次に、表面にプライマー(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を塗布した外径60mmのアルミニウム芯金上に、前述した合成マイカを配合したフッ素樹脂からなるチューブが内面にセットされた円筒状金型スリーブに配置し、この中に液状シリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を注入した後加硫してフッ素樹脂が被覆された定着ロールを調製した。
表面にプライマー(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を塗布した外径60mmのアルミニウム芯金上に、フッ素樹脂(PFA)からなるチューブが内面にセットされた円筒状金型スリーブに配置し、この中に液状シリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を注入した後加硫してフッ素樹脂が被覆された定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
表面にプライマー(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を塗布した外径60mmのアルミニウム芯金上に、フッ素樹脂(PFA)100重量部とチタン酸カリウムウィスカー20重量部とを配合してなるフッ素樹脂層からなるチューブが内面にセットされた円筒状金型スリーブに配置し、この中に液状シリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を注入した後加硫してフッ素樹脂が被覆された定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
表面にプライマー(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を塗布した外径60mmのアルミニウム芯金上に、フッ素樹脂(PFA)100重量部と、層間剥離性を有しない非膨潤性マイカ(TOPY工業株式会社製:PDM5B)10重量部とを配合してなるフッ素樹脂層からなるチューブが内面にセットされた円筒状金型スリーブに配置し、この中に液状シリコーンゴム(東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社製)を注入した後加硫してフッ素樹脂が被覆された定着ロールを調製した。
次に、このように調製した定着ロールを備えた定着装置を画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製:カラープリンター Docu Center Color 400)に組み込み、連続通紙によるランニング試験を実施し、画質評価及び耐久試験を行った。結果を表1に示す。
一方、層間剥離性フィラーを配合せずに調製した定着ロールを使用した画像形成装置の場合(比較例1)は、80,000枚通紙試験で定着ロール表面層が摩滅し、また、剥離性能が低下して定着ロール表面に用紙が巻き付いた。
次に、チタン酸カリウムウィスカーを配合して調製した定着ロールを使用した画像形成装置の場合(比較例2)は、100,000枚通紙試験で定着ロール表面層が摩滅し、また、画像荒れが発生した。
一方、非膨潤性マイカを配合して調製した定着ロールを使用した画像形成装置の場合(比較例3)は、150,000枚通紙試験で定着ロール表面層が摩滅し、また、画像荒れが発生した。
尚、上述した本実施の形態では、定着ロールについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、加圧側ロールまたはベルト管状体の、用紙の未定着画像側に接する表面層を、層間剥離性フィラーを配合したフッ素樹脂組成物により形成することにより同様な効果を奏することが出来る。
Claims (12)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動部材と、
前記回動部材を押圧し、当該回動部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備え、
前記回動部材は、前記ニップ部側に耐熱性樹脂と層間剥離性フィラーとを配合してなる樹脂層を有する
ことを特徴とする定着装置。 - 前記樹脂層の厚さが5μm〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記耐熱性樹脂がフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記回動部材は、金属性コアと、前記樹脂層との間に設けた弾性層と、を有するロールであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記圧力部材により前記回動部材に圧接されて移動し、当該回動部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成するベルト部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記ベルト部材は、基材層と、前記基材層上の前記記録材と接する面側に設けた前記耐熱性樹脂と前記層間剥離性フィラーとを配合してなる樹脂層と、を有することを特徴とする請求項5記載の定着装置。
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置に用いられる回転部材であって、
前記記録材が通過するニップ側に、耐熱性樹脂と層間剥離性フィラーとを配合してなる樹脂層を有することを特徴とする回転部材。 - 前記耐熱性樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体から選ばれる少なくとも1種類のフッ素樹脂であることを特徴とする請求項7記載の回転部材。
- 前記層間剥離性フィラーは、厚さ0.005μm〜1μm、長さ0.01μm〜20μmである形状を有することを特徴とする請求項7記載の回転部材。
- 前記層間剥離性フィラーは、合成雲母、モンモリナイト、サポナイト、ヘクトライト、スメクタイト、珪酸アルミニウムマグネシウムから選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項7記載の回転部材。
- 前記樹脂層が、前記耐熱性樹脂100重量部と、当該耐熱性樹脂に対して前記層間剥離性フィラー0.1重量部〜5重量部とを配合してなる樹脂組成物から形成されることを特徴とする請求項7記載の回転部材。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動部材と、
前記回動部材を押圧し、当該回動部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材とを備え、
前記回動部材の表面側に、耐熱性樹脂と層間剥離性フィラーとを配合してなる樹脂層を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
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JP2013235103A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-11-21 | Osaka Gas Co Ltd | ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー |
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