JP2000259022A - 電子写真用定着部品、および定着装置 - Google Patents
電子写真用定着部品、および定着装置Info
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- JP2000259022A JP2000259022A JP11058776A JP5877699A JP2000259022A JP 2000259022 A JP2000259022 A JP 2000259022A JP 11058776 A JP11058776 A JP 11058776A JP 5877699 A JP5877699 A JP 5877699A JP 2000259022 A JP2000259022 A JP 2000259022A
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- Japan
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- roll
- pressure
- heating
- fluororesin
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コーティング可能で耐熱性があり、用紙剥離
性を改善すべく優れた弾性を有するフッ素樹脂を用い、
当該樹脂による離型層を形成した電子写真用定着部品お
よび定着装置を提供すること。 【解決手段】 基体の外表面に、下記一般式(1)で表
される構造単位を有する環状のフッ素樹脂、または、下
記一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂
からなり、かつ、フッ素樹脂が架橋構造を有する離型層
を有することを特徴とする電子写真用定着部品および定
着装置である。 一般式(1) −C6F10O− 一般式(2) 【化1】 上記一般式(2)中、m、nおよびpは、組成比を表
し、下記式を満たすものである。 0.15≦m0.45、0.15≦n≦0.25、0.
35≦p≦0.65
性を改善すべく優れた弾性を有するフッ素樹脂を用い、
当該樹脂による離型層を形成した電子写真用定着部品お
よび定着装置を提供すること。 【解決手段】 基体の外表面に、下記一般式(1)で表
される構造単位を有する環状のフッ素樹脂、または、下
記一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂
からなり、かつ、フッ素樹脂が架橋構造を有する離型層
を有することを特徴とする電子写真用定着部品および定
着装置である。 一般式(1) −C6F10O− 一般式(2) 【化1】 上記一般式(2)中、m、nおよびpは、組成比を表
し、下記式を満たすものである。 0.15≦m0.45、0.15≦n≦0.25、0.
35≦p≦0.65
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー等に対する
非粘着性や、撥水性、撥油性に優れた電子写真用の定着
部品に関する。また本発明は、未定着トナー像を形成し
た記録シートに、熱と圧力とを同時に作用させてトナー
像を定着させる、加熱加圧型の定着装置に関する。
非粘着性や、撥水性、撥油性に優れた電子写真用の定着
部品に関する。また本発明は、未定着トナー像を形成し
た記録シートに、熱と圧力とを同時に作用させてトナー
像を定着させる、加熱加圧型の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスを利用した複写
機等においては、記録シート上に形成された未定着トナ
ー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法
として溶剤定着法、圧力定着法、および加熱定着法が知
られている。しかし、溶剤定着法は、溶剤蒸気が発散
し、臭気や衛生上の問題が多いという欠点を有してお
り、また、圧力定着法については他の定着法と較べて定
着性が悪いという欠点を有しており、共に広く実用化さ
れてはいないのが現状である。このため、未定着トナー
像の定着には、一般に加熱によってトナーを溶融させ、
記録シート上に融着させる加熱定着法が広く採用されて
来た。
機等においては、記録シート上に形成された未定着トナ
ー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法
として溶剤定着法、圧力定着法、および加熱定着法が知
られている。しかし、溶剤定着法は、溶剤蒸気が発散
し、臭気や衛生上の問題が多いという欠点を有してお
り、また、圧力定着法については他の定着法と較べて定
着性が悪いという欠点を有しており、共に広く実用化さ
れてはいないのが現状である。このため、未定着トナー
像の定着には、一般に加熱によってトナーを溶融させ、
記録シート上に融着させる加熱定着法が広く採用されて
来た。
【0003】この加熱定着法による定着装置の一般的な
構成例(後述のソフトロールの例)を図1に示す(概略
断面図)。図1に示す定着装置は、円筒状芯金(コアロ
ール)10aの外周面に弾性体層10bが形成され、さ
らにその上層に耐熱性離型層10cが形成された加熱ロ
ール10と、該加熱ロール10に対し圧接配置され、円
筒状芯金11aの外周面に弾性体層11bが形成され、
さらにその上層に耐熱性離型層11cが形成された加圧
ロール11とで構成され、両ロール10および11の内
部には、それぞれヒータランプ12および13が内蔵さ
れている。加熱ロール10には、離型剤塗布装置16に
より、所定の離型剤が塗布されている。加熱ロール10
と加圧ロール11との間には、1〜15Kg/cm2程
度の圧力が加えられたニップ部が形成される。未定着ト
ナー像14の形成された記録シート15は、前記ニップ
部に挿通されて定着される。
構成例(後述のソフトロールの例)を図1に示す(概略
断面図)。図1に示す定着装置は、円筒状芯金(コアロ
ール)10aの外周面に弾性体層10bが形成され、さ
らにその上層に耐熱性離型層10cが形成された加熱ロ
ール10と、該加熱ロール10に対し圧接配置され、円
筒状芯金11aの外周面に弾性体層11bが形成され、
さらにその上層に耐熱性離型層11cが形成された加圧
ロール11とで構成され、両ロール10および11の内
部には、それぞれヒータランプ12および13が内蔵さ
れている。加熱ロール10には、離型剤塗布装置16に
より、所定の離型剤が塗布されている。加熱ロール10
と加圧ロール11との間には、1〜15Kg/cm2程
度の圧力が加えられたニップ部が形成される。未定着ト
ナー像14の形成された記録シート15は、前記ニップ
部に挿通されて定着される。
【0004】このような加熱ロールを用いて定着を行う
方式(ロール定着方式)は、他の加熱定着法である熱風
定着方式やオーブン定着方式と較べて熱効率が高く、低
電力化が図られ、かつ高速性に優れ、しかも、紙詰まり
による火災の危険性等の問題もないことなどから、現在
最も広く利用されている。
方式(ロール定着方式)は、他の加熱定着法である熱風
定着方式やオーブン定着方式と較べて熱効率が高く、低
電力化が図られ、かつ高速性に優れ、しかも、紙詰まり
による火災の危険性等の問題もないことなどから、現在
最も広く利用されている。
【0005】ロール定着方式は、使用する加熱ロールの
材料により、主に大きく2つに分けられる。アルミニウ
ムや鉄のコアロールの上にプライマーと呼ばれる接着剤
をコートした後、デュポン社の商品名でテフロンと称さ
れるPTFEやPFAなどのフッ素樹脂を薄く形成した
フッ素樹脂ロールと、やはりプライマーを介してシリコ
ーンゴムやフッ素ゴム等を薄く形成したシリコーンゴム
ロールやフッ素ゴムロールに分けられる。前者は、比較
的固いのでハードロール、後者は、柔らかく弾性を有す
るのでソフトロールと呼ばれる。ハードロールは、主に
白黒用複写機、プリンターに、一方ソフトロールは、主
にカラー用複写機やカラープリンター、高画質用白黒機
等に使用されている。特にカラー用の場合には、高画質
と高離型性が求められ、弾性を有するためトナー画像を
均一に定着させるのに優れているソフトロールが採用さ
れている。
材料により、主に大きく2つに分けられる。アルミニウ
ムや鉄のコアロールの上にプライマーと呼ばれる接着剤
をコートした後、デュポン社の商品名でテフロンと称さ
れるPTFEやPFAなどのフッ素樹脂を薄く形成した
フッ素樹脂ロールと、やはりプライマーを介してシリコ
ーンゴムやフッ素ゴム等を薄く形成したシリコーンゴム
ロールやフッ素ゴムロールに分けられる。前者は、比較
的固いのでハードロール、後者は、柔らかく弾性を有す
るのでソフトロールと呼ばれる。ハードロールは、主に
白黒用複写機、プリンターに、一方ソフトロールは、主
にカラー用複写機やカラープリンター、高画質用白黒機
等に使用されている。特にカラー用の場合には、高画質
と高離型性が求められ、弾性を有するためトナー画像を
均一に定着させるのに優れているソフトロールが採用さ
れている。
【0006】近年、コスト低減や信頼性の改善の観点か
ら、従来より行われていた加熱ロール表面への離型剤の
供給はほとんど行われなくなり、この結果、加熱ロール
の耐磨耗性が問題となってきている。特に、ソフトロー
ルの場合には、耐磨耗性に対する離型剤の効果は顕著
で、離型剤をほとんど供給しない場合には、シリコーン
ゴムやフッ素ゴムの加熱ロール表面は、数百枚の定着程
度で傷や磨耗が発生し、使用不能となることがあった。
このため、弾性体層のさらに上層に樹脂層、特に耐磨耗
性のあるフッ素樹脂層を形成させることが考えられてき
た。
ら、従来より行われていた加熱ロール表面への離型剤の
供給はほとんど行われなくなり、この結果、加熱ロール
の耐磨耗性が問題となってきている。特に、ソフトロー
ルの場合には、耐磨耗性に対する離型剤の効果は顕著
で、離型剤をほとんど供給しない場合には、シリコーン
ゴムやフッ素ゴムの加熱ロール表面は、数百枚の定着程
度で傷や磨耗が発生し、使用不能となることがあった。
このため、弾性体層のさらに上層に樹脂層、特に耐磨耗
性のあるフッ素樹脂層を形成させることが考えられてき
た。
【0007】特公昭43−1555号では、加熱ロール
の構成として、コアロールの回りに弾性体としてシリコ
ーンゴム、更にその上層にフッ素樹脂としてPTFEを
被覆したものが提案されている。特公昭58−4374
0号では、加熱ロールの構成として、コアロールの回り
に弾性層としてシリコーンゴムを形成し、更にその上層
に、エーテル基を特定したPFA樹脂層を形成したもの
が提案されている。
の構成として、コアロールの回りに弾性体としてシリコ
ーンゴム、更にその上層にフッ素樹脂としてPTFEを
被覆したものが提案されている。特公昭58−4374
0号では、加熱ロールの構成として、コアロールの回り
に弾性層としてシリコーンゴムを形成し、更にその上層
に、エーテル基を特定したPFA樹脂層を形成したもの
が提案されている。
【0008】特開昭63−36382号等では、加熱ロ
ールの製法として、PFAチューブを引っ張った状態で
コアロールに保持し、その隙間に液状シリコーンゴムを
注入し、さらにPFAチューブを加硫焼成してフッ素樹
脂層を形成することが提案されている。特開昭55−3
1494号では、加熱ロールの製法として、コアロール
の回りにPFA粒子層を静電塗装法により形成し、その
後、溶融焼成してフッ素樹脂層を形成することが提案さ
れている。
ールの製法として、PFAチューブを引っ張った状態で
コアロールに保持し、その隙間に液状シリコーンゴムを
注入し、さらにPFAチューブを加硫焼成してフッ素樹
脂層を形成することが提案されている。特開昭55−3
1494号では、加熱ロールの製法として、コアロール
の回りにPFA粒子層を静電塗装法により形成し、その
後、溶融焼成してフッ素樹脂層を形成することが提案さ
れている。
【0009】しかしながら、これらのフッ素樹脂層を形
成した定着ロールには、定着ロール表面からの用紙剥離
性が低下するという共通した問題点があった。これは、
表面のフッ素樹脂層の弾性が低いので、トナーを離型す
るための実効的なロール表面の歪みを確保することがで
きないためである。
成した定着ロールには、定着ロール表面からの用紙剥離
性が低下するという共通した問題点があった。これは、
表面のフッ素樹脂層の弾性が低いので、トナーを離型す
るための実効的なロール表面の歪みを確保することがで
きないためである。
【0010】本発明者らは、フッ素樹脂層の弾性を向上
させるための対応策として、特開平11−15315号
公報に記載のフッ素樹脂層の形成方法を提案している。
これは、比較的柔らかく、また、比較的溶剤に溶解しに
くいフッ素樹脂をコーティング法にて塗布し、フッ素樹
脂層を形成するものであり、具体的には、主鎖に下記環
状構造
させるための対応策として、特開平11−15315号
公報に記載のフッ素樹脂層の形成方法を提案している。
これは、比較的柔らかく、また、比較的溶剤に溶解しに
くいフッ素樹脂をコーティング法にて塗布し、フッ素樹
脂層を形成するものであり、具体的には、主鎖に下記環
状構造
【0011】
【化4】
【0012】または
【0013】
【化5】
【0014】を有するパーフロロポリマーをパーフロロ
化合物の溶媒に溶解した溶液を用いて、定着ロール上に
離型層(フッ素樹脂層)を形成する方法である。上記特
定のパーフロロポリマーは、サイクルポリマーと呼ばれ
る、環状で融点を持たない非晶質のポリマーで、従来の
含フッ素ポリマーが、一般的に溶媒に不溶であったのに
対し、上記特定のパーフロロポリマーは、パーフロロ化
合物の溶媒に溶解し、該溶液を用いればコーティングす
ることができるので、従来得られなかったフッ素樹脂の
薄膜を低温で形成できる。また適当に柔らかい為、用紙
剥離性も向上する。
化合物の溶媒に溶解した溶液を用いて、定着ロール上に
離型層(フッ素樹脂層)を形成する方法である。上記特
定のパーフロロポリマーは、サイクルポリマーと呼ばれ
る、環状で融点を持たない非晶質のポリマーで、従来の
含フッ素ポリマーが、一般的に溶媒に不溶であったのに
対し、上記特定のパーフロロポリマーは、パーフロロ化
合物の溶媒に溶解し、該溶液を用いればコーティングす
ることができるので、従来得られなかったフッ素樹脂の
薄膜を低温で形成できる。また適当に柔らかい為、用紙
剥離性も向上する。
【0015】しかしながら、このフッ素樹脂は耐熱性が
完全に十分であるとは言えず、かかる樹脂を使用した離
型層を有する加熱ロールを高温領域、たとえば150〜
200℃程度の温度領域で使用した場合、加熱ロールと
加圧ロールとの間に用紙が挟まれた状態(ニップ形成)
で用紙の搬送不良が生じストップした時等過酷な条件の
下では、ニップ跡がそのまま離型層表面に残ってしまう
ことがあった。これは、加熱ロール表面のフッ素樹脂が
ニップ形成時に高温度によりフローして用紙の繊維中に
まで進入し、用紙をニップから取り除いた後にも当該繊
維模様がニップ形状として残ってしまうためと考えられ
る。
完全に十分であるとは言えず、かかる樹脂を使用した離
型層を有する加熱ロールを高温領域、たとえば150〜
200℃程度の温度領域で使用した場合、加熱ロールと
加圧ロールとの間に用紙が挟まれた状態(ニップ形成)
で用紙の搬送不良が生じストップした時等過酷な条件の
下では、ニップ跡がそのまま離型層表面に残ってしまう
ことがあった。これは、加熱ロール表面のフッ素樹脂が
ニップ形成時に高温度によりフローして用紙の繊維中に
まで進入し、用紙をニップから取り除いた後にも当該繊
維模様がニップ形状として残ってしまうためと考えられ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、適当な溶剤に溶け、コーティング可能でかつ耐熱性
のあるフッ素樹脂を用いた離型層を形成した電子写真用
定着部品、および定着装置を提供することにある。また
他の目的は、フッ素樹脂を最外層とする電子写真用定着
部品(定着ロール)の問題点であった用紙剥離性を改善
すべく、優れた弾性を有するフッ素樹脂層(離型層)を
形成した電子写真用定着部品、および定着装置を提供す
ることにある。
は、適当な溶剤に溶け、コーティング可能でかつ耐熱性
のあるフッ素樹脂を用いた離型層を形成した電子写真用
定着部品、および定着装置を提供することにある。また
他の目的は、フッ素樹脂を最外層とする電子写真用定着
部品(定着ロール)の問題点であった用紙剥離性を改善
すべく、優れた弾性を有するフッ素樹脂層(離型層)を
形成した電子写真用定着部品、および定着装置を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の各
問題点に鑑み、種々検討した結果、少なくとも外表面
に、耐熱性および離型性を有する下記一般式(1)で表
される構造単位を有する環状のフッ素樹脂、または、下
記一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂
で構成され、かつ、フッ素樹脂が架橋構造を有する離型
層を形成する事により達成されることを見出した。
問題点に鑑み、種々検討した結果、少なくとも外表面
に、耐熱性および離型性を有する下記一般式(1)で表
される構造単位を有する環状のフッ素樹脂、または、下
記一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂
で構成され、かつ、フッ素樹脂が架橋構造を有する離型
層を形成する事により達成されることを見出した。
【0018】即ち本発明は、基体の外表面に、下記一般
式(1)で表される構造単位を有する環状のフッ素樹
脂、または、下記一般式(2)で表される構造単位を有
するフッ素樹脂からなり、かつ、フッ素樹脂が架橋構造
を有する離型層を有することを特徴とする電子写真用定
着部品である。
式(1)で表される構造単位を有する環状のフッ素樹
脂、または、下記一般式(2)で表される構造単位を有
するフッ素樹脂からなり、かつ、フッ素樹脂が架橋構造
を有する離型層を有することを特徴とする電子写真用定
着部品である。
【0019】・一般式(1) −C6F10O−
【0020】・一般式(2)
【化6】
【0021】上記一般式(2)中、m、nおよびpは、
組成比を表し、下記式を満たすものである。 0.15≦m≦0.45 0.15≦n≦0.25 0.35≦p≦0.65
組成比を表し、下記式を満たすものである。 0.15≦m≦0.45 0.15≦n≦0.25 0.35≦p≦0.65
【0022】本発明に用いる上記フッ素樹脂について、
架橋処理を施す事により、耐熱フロー特性が大幅に改善
され、用紙の搬送不良が生じた場合にもニップ跡が離型
層表面に残ってしまうといった不具合を解消することが
できる。
架橋処理を施す事により、耐熱フロー特性が大幅に改善
され、用紙の搬送不良が生じた場合にもニップ跡が離型
層表面に残ってしまうといった不具合を解消することが
できる。
【0023】本発明では、使用できるフッ素樹脂として
は、上記一般式(1)で表される構造単位を有する環状
のフッ素樹脂、および、3元系の上記一般式(2)で表
される構造単位を有するフッ素樹脂の2種類である。特
に、一般式(1)で表される構造単位としては、下記一
般式(3)または一般式(4)で表される環状の構造単
位である。
は、上記一般式(1)で表される構造単位を有する環状
のフッ素樹脂、および、3元系の上記一般式(2)で表
される構造単位を有するフッ素樹脂の2種類である。特
に、一般式(1)で表される構造単位としては、下記一
般式(3)または一般式(4)で表される環状の構造単
位である。
【0024】一般式(3)
【化7】
【0025】一般式(4)
【化8】
【0026】本発明においては、前記離型層が、Si
C、SiO2、BN、Al2O3、TiN、CF、カーボ
ン粒子、PFA粒子、PTFE粒子からなる群より選ば
れる少なくとも1種以上の充填剤を含有してなることが
好ましい。
C、SiO2、BN、Al2O3、TiN、CF、カーボ
ン粒子、PFA粒子、PTFE粒子からなる群より選ば
れる少なくとも1種以上の充填剤を含有してなることが
好ましい。
【0027】本発明において基体としては、金属あるい
はガラスからなる円筒状ロールが挙げられ、その場合に
は、円筒状ロールと離型層との間に、耐熱性のある弾性
体層が形成されていることが好ましく、当該弾性体層
が、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素樹
脂、フッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種
の弾性体からなることが好ましい。
はガラスからなる円筒状ロールが挙げられ、その場合に
は、円筒状ロールと離型層との間に、耐熱性のある弾性
体層が形成されていることが好ましく、当該弾性体層
が、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素樹
脂、フッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種
の弾性体からなることが好ましい。
【0028】また、本発明において基体としては、金属
あるいは耐熱性樹脂からなるベルトが挙げられ、その場
合には、ベルトと離型層との間に、耐熱性のある弾性体
層が形成されていることが好ましく、当該弾性体層が、
シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素樹脂、
フッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾
性体からなることが好ましい。
あるいは耐熱性樹脂からなるベルトが挙げられ、その場
合には、ベルトと離型層との間に、耐熱性のある弾性体
層が形成されていることが好ましく、当該弾性体層が、
シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素樹脂、
フッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の弾
性体からなることが好ましい。
【0029】なお、本発明において、「定着部品」と
は、主として電子写真装置の定着装置として用いられ
る、ロール、ベルト、ブレード等を指し、その他離型性
能や撥水、撥油および耐久性が問題となる電子写真複写
機を含む一般の事務機あるいはその他の分野における未
定着画像定着用の部品の全てを含む概念である。
は、主として電子写真装置の定着装置として用いられ
る、ロール、ベルト、ブレード等を指し、その他離型性
能や撥水、撥油および耐久性が問題となる電子写真複写
機を含む一般の事務機あるいはその他の分野における未
定着画像定着用の部品の全てを含む概念である。
【0030】上記本発明の電子写真用定着部品は、例え
ば以下の定着装置において、加熱ロール、加圧ロール、
加熱ベルト、あるいは、加圧ベルトとして使用すること
ができる。
ば以下の定着装置において、加熱ロール、加圧ロール、
加熱ベルト、あるいは、加圧ベルトとして使用すること
ができる。
【0031】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ロールとを有し、前記ニップ部に未定
着トナー像を有する記録シートを通過させ、熱および圧
力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着する
加熱ロール型の定着装置。
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ロールとを有し、前記ニップ部に未定
着トナー像を有する記録シートを通過させ、熱および圧
力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着する
加熱ロール型の定着装置。
【0032】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ベルトと、前記加圧ベルトを介して加
熱ロールに対向し加圧する加圧ロールとを有し、前記ニ
ップ部に未定着トナー像を有する記録シートを挿通さ
せ、熱および圧力を作用させて前記記録シート上にトナ
ー像を定着する加熱加圧型の定着装置。
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ベルトと、前記加圧ベルトを介して加
熱ロールに対向し加圧する加圧ロールとを有し、前記ニ
ップ部に未定着トナー像を有する記録シートを挿通さ
せ、熱および圧力を作用させて前記記録シート上にトナ
ー像を定着する加熱加圧型の定着装置。
【0033】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトを介して前記加圧部材
に対向し加圧する加圧ロールとを有し、加熱ベルトと加
圧ロールとの間にニップ部が形成され、該ニップ部に未
定着トナー像を有する記録シートを挿通させ、熱および
圧力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着す
る加熱加圧型の定着装置。
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトを介して前記加圧部材
に対向し加圧する加圧ロールとを有し、加熱ベルトと加
圧ロールとの間にニップ部が形成され、該ニップ部に未
定着トナー像を有する記録シートを挿通させ、熱および
圧力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着す
る加熱加圧型の定着装置。
【0034】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形
成する加圧ベルトと、前記加熱ベルトおよび加圧ベルト
のニップ部を介して前記加圧部材に対向し加圧する加圧
ロールとを有し、前記ニップ部に未定着トナー像を有す
る記録シートを挿通させ、熱および圧力を作用させて前
記記録シート上にトナー像を定着する加熱加圧型の定着
装置。
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形
成する加圧ベルトと、前記加熱ベルトおよび加圧ベルト
のニップ部を介して前記加圧部材に対向し加圧する加圧
ロールとを有し、前記ニップ部に未定着トナー像を有す
る記録シートを挿通させ、熱および圧力を作用させて前
記記録シート上にトナー像を定着する加熱加圧型の定着
装置。
【0035】
a)一般式(1)で表される構造単位を有する環状フッ
素樹脂 まず、本発明に用いられる下記一般式(1)で表される
構造単位を有する環状フッ素樹脂(以下、単に「環状フ
ッ素樹脂」という場合がある)について説明する。
素樹脂 まず、本発明に用いられる下記一般式(1)で表される
構造単位を有する環状フッ素樹脂(以下、単に「環状フ
ッ素樹脂」という場合がある)について説明する。
【0036】一般式(1) −C6F10O−
【0037】本発明に用いられる環状フッ素樹脂は、上
記一般式(1)で表される構造単位からなるものであ
り、該構成単位は、環状の構造を含むものである。上記
一般式(1)で表される構造単位としては、具体的に
は、以下の2種の構造が挙げられる。
記一般式(1)で表される構造単位からなるものであ
り、該構成単位は、環状の構造を含むものである。上記
一般式(1)で表される構造単位としては、具体的に
は、以下の2種の構造が挙げられる。
【0038】一般式(3)
【化9】
【0039】一般式(4)
【化10】
【0040】本発明に用いられる環状フッ素樹脂は、上
記一般式(3)および/または一般式(4)で表される
構造単位からなるものであり、一般式(3)で表される
構造単位と、一般式(4)で表される構造単位とが同一
樹脂中で混在していても、単一の構造単位のみから構成
されていても構わない。一般式(3)で表される構造単
位と一般式(4)で表される構造単位とが同一樹脂中で
混在している場合、その配列、割合等は特に限定される
ことなく、全体として上記一般式(1)で表される構造
単位で、環状フッ素樹脂が構成されていればよい。
記一般式(3)および/または一般式(4)で表される
構造単位からなるものであり、一般式(3)で表される
構造単位と、一般式(4)で表される構造単位とが同一
樹脂中で混在していても、単一の構造単位のみから構成
されていても構わない。一般式(3)で表される構造単
位と一般式(4)で表される構造単位とが同一樹脂中で
混在している場合、その配列、割合等は特に限定される
ことなく、全体として上記一般式(1)で表される構造
単位で、環状フッ素樹脂が構成されていればよい。
【0041】一般に脂肪族系のフッ素樹脂は溶剤に不溶
である為、コーティングによる均一な薄膜形成は困難で
あったが、特開昭63−238111号公報、特開昭6
3−260932号公報、あるいは、USP4,75
4,009号明細書等に見られるような、特殊なフッ素
系溶剤に溶解する主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹
脂が開発されている。このうち、上記一般式(3)ある
いは一般式(4)で表される構造単位からなるフッ素樹
脂は、特定のパーフロロ系溶媒に可溶であるので、薄膜
のコーティングが可能であり、また、溶媒種を適宜選択
することにより低温での乾燥焼成が可能となり、下地に
弾性層としてシリコーンゴム等を使用する場合にも、該
下地を熱で劣化させることがない。従来のフッ素樹脂の
問題点であった弾性の向上は、本環状フッ素樹脂を用い
る事により達成でき、結果として用紙剥離性を向上でき
る。更に、当該樹脂を架橋させる事により、高い耐熱性
をも獲得することができる。環状フッ素樹脂の架橋につ
いては、後述する。
である為、コーティングによる均一な薄膜形成は困難で
あったが、特開昭63−238111号公報、特開昭6
3−260932号公報、あるいは、USP4,75
4,009号明細書等に見られるような、特殊なフッ素
系溶剤に溶解する主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素樹
脂が開発されている。このうち、上記一般式(3)ある
いは一般式(4)で表される構造単位からなるフッ素樹
脂は、特定のパーフロロ系溶媒に可溶であるので、薄膜
のコーティングが可能であり、また、溶媒種を適宜選択
することにより低温での乾燥焼成が可能となり、下地に
弾性層としてシリコーンゴム等を使用する場合にも、該
下地を熱で劣化させることがない。従来のフッ素樹脂の
問題点であった弾性の向上は、本環状フッ素樹脂を用い
る事により達成でき、結果として用紙剥離性を向上でき
る。更に、当該樹脂を架橋させる事により、高い耐熱性
をも獲得することができる。環状フッ素樹脂の架橋につ
いては、後述する。
【0042】本発明に用いられる環状フッ素樹脂は、特
開平1−131214号公報に記載された方法により製
造することができるが、サイトップ(旭硝子社製)とい
う商品名で市場に流通されており、容易に入手すること
ができる。このような環状フッ素樹脂は、PTFEやP
FAに比べ引っ張り破壊強度や降伏強度が高いため本発
明の定着部品の離型層に耐久性、信頼性の高い表面を与
えることができる。なお、具体的な引っ張り破壊強度お
よび降伏強度は以下の通りである。
開平1−131214号公報に記載された方法により製
造することができるが、サイトップ(旭硝子社製)とい
う商品名で市場に流通されており、容易に入手すること
ができる。このような環状フッ素樹脂は、PTFEやP
FAに比べ引っ張り破壊強度や降伏強度が高いため本発
明の定着部品の離型層に耐久性、信頼性の高い表面を与
えることができる。なお、具体的な引っ張り破壊強度お
よび降伏強度は以下の通りである。
【0043】
【表1】
【0044】本発明に用いられる環状フッ素樹脂は、特
定のパーフロロ系溶媒に可溶であるため、薄膜のコーテ
ィングが可能であり、また、溶媒種により低温で乾燥焼
成が可能で、下地にシリコーンゴム等を使用する場合に
も、下地を熱で劣化させることがない。
定のパーフロロ系溶媒に可溶であるため、薄膜のコーテ
ィングが可能であり、また、溶媒種により低温で乾燥焼
成が可能で、下地にシリコーンゴム等を使用する場合に
も、下地を熱で劣化させることがない。
【0045】b)一般式(2)で表される構造単位を有
するフッ素樹脂 次に、本発明に用いられる下記一般式(2)で表される
構造単位を有する3元系のフッ素樹脂(以下、単に「3
元系フッ素樹脂」という場合がある。)について説明す
る。
するフッ素樹脂 次に、本発明に用いられる下記一般式(2)で表される
構造単位を有する3元系のフッ素樹脂(以下、単に「3
元系フッ素樹脂」という場合がある。)について説明す
る。
【0046】・一般式(2)
【化11】
【0047】上記一般式(2)中、m、nおよびpは、
組成比を表し、下記式を満たすものである。 0.15≦m≦0.45 0.15≦n≦0.25 0.35≦p≦0.65
組成比を表し、下記式を満たすものである。 0.15≦m≦0.45 0.15≦n≦0.25 0.35≦p≦0.65
【0048】上記3元系フッ素樹脂は、VDF(ビニリ
デンフロライド)、HFP(ヘキサフロロプロピレ
ン)、TFE(テトラフロロエチレン)の3つのモノマ
ーからなる共重合体である。かかる組成のフッ素樹脂
は、微粉末状をした柔軟性のある透明なフッ素樹脂であ
る。
デンフロライド)、HFP(ヘキサフロロプロピレ
ン)、TFE(テトラフロロエチレン)の3つのモノマ
ーからなる共重合体である。かかる組成のフッ素樹脂
は、微粉末状をした柔軟性のある透明なフッ素樹脂であ
る。
【0049】従来から上記一般式(2)で表される構造
単位(組成比を除く)を有する3元系フッ素樹脂は、フ
ッ素ゴムとして知られているが、上記組成比の範囲のも
のは、このフッ素ゴムの組成領域から少し外れており、
プラスチック(熱可塑性)の性質を持ちながら柔軟性を
持ち(Tgが室温付近)、透明である(結晶化度が低
い)など特異な性質を有する。上記組成範囲の3元系フ
ッ素樹脂は、Wonewok Technical C
onference(1994年7月29日〜31日に
開催)に於いて、Paul F Tuckner(3M
社)により発表された含フッ素熱可塑性エラストマー
(THV)であり、従来のエラストマーには認められな
い融点を有しており、更に機械的強度は従来のエラスト
マーの2倍から3倍と高く、補強剤を入れる事なく使用
できるものとして注目を浴びている。また、ケトン、エ
ステル系溶剤に可溶であるため、各種器材にコーティン
グ可能といった優れた特徴も有する。3元系フッ素樹脂
の架橋については、後述する。
単位(組成比を除く)を有する3元系フッ素樹脂は、フ
ッ素ゴムとして知られているが、上記組成比の範囲のも
のは、このフッ素ゴムの組成領域から少し外れており、
プラスチック(熱可塑性)の性質を持ちながら柔軟性を
持ち(Tgが室温付近)、透明である(結晶化度が低
い)など特異な性質を有する。上記組成範囲の3元系フ
ッ素樹脂は、Wonewok Technical C
onference(1994年7月29日〜31日に
開催)に於いて、Paul F Tuckner(3M
社)により発表された含フッ素熱可塑性エラストマー
(THV)であり、従来のエラストマーには認められな
い融点を有しており、更に機械的強度は従来のエラスト
マーの2倍から3倍と高く、補強剤を入れる事なく使用
できるものとして注目を浴びている。また、ケトン、エ
ステル系溶剤に可溶であるため、各種器材にコーティン
グ可能といった優れた特徴も有する。3元系フッ素樹脂
の架橋については、後述する。
【0050】〔フッ素樹脂の架橋(離型層の形成)〕一
般式(1)で表される構造単位からなる環状フッ素樹脂
の架橋方法としては、後述する電子線架橋も可能である
が、特開平9−143420号公報に詳しく説明されて
いるような架橋剤含有による架橋(以下、「架橋剤架
橋」という場合がある。)が効果的である。まず、架橋
剤架橋について詳細に説明する。
般式(1)で表される構造単位からなる環状フッ素樹脂
の架橋方法としては、後述する電子線架橋も可能である
が、特開平9−143420号公報に詳しく説明されて
いるような架橋剤含有による架橋(以下、「架橋剤架
橋」という場合がある。)が効果的である。まず、架橋
剤架橋について詳細に説明する。
【0051】架橋剤架橋には、次の3つの材料が必要で
ある。 i) 官能基を分子内に有し、かつ溶剤に可溶な一般式
(1)で表される構造単位からなる環状フッ素樹脂
(a)。 ii) 式R1 mR2 nSi(OR3)4-m-n(式中R1および
R2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキ
ル基、mおよびnは0≦m+n≦3を満たす0〜3の整
数)で表されるアルコキシシラン類の部分加水分解縮合
物(b)・・・架橋剤。 iii) カップリング剤(c)・・・架橋助剤
ある。 i) 官能基を分子内に有し、かつ溶剤に可溶な一般式
(1)で表される構造単位からなる環状フッ素樹脂
(a)。 ii) 式R1 mR2 nSi(OR3)4-m-n(式中R1および
R2は同一または相異なる非加水分解性基、R3はアルキ
ル基、mおよびnは0≦m+n≦3を満たす0〜3の整
数)で表されるアルコキシシラン類の部分加水分解縮合
物(b)・・・架橋剤。 iii) カップリング剤(c)・・・架橋助剤
【0052】上記架橋剤架橋における環状フッ素樹脂
(a)分子中の官能基は、部分加水分解縮合物(b)ま
たはカップリング(c)と架橋反応しうる基である。環
状フッ素樹脂(a)分子中の官能基としては、カルボン
酸エステル基、カルボン酸アミド基などのカルボン酸誘
導体基、スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基な
どのスルホン酸誘導体基、水酸基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、ニトリル基、マレイミド基、アミノ基、ア
ルコキシシリル基およびシラノール基などが例示され
る。環状フッ素樹脂(a)中の官能基の割合は、部分加
水分解縮合物(b)との相溶性の観点より、環状フッ素
樹脂(a)1グラムあたり1マイクロモル以上であるこ
とが好ましい。より好ましい環状フッ素樹脂(a)中の
官能基の割合は、樹脂(a)1グラムあたり1〜10,
000マイクロモルであり、さらに好ましくは1〜3,
000マイクロモルである。これらの官能基が、溶液中
で部分加水分解縮合物(b)またはカップリング剤
(c)と相互作用または反応することにより、均一な溶
液が得られ、その結果として均一な塗膜が得られると考
えられる。部分加水分解縮合物(b)との相溶性の観点
より、環状フッ素樹脂(a)分子中の官能基としては、
水酸基またはカルボキシル基が好ましい。
(a)分子中の官能基は、部分加水分解縮合物(b)ま
たはカップリング(c)と架橋反応しうる基である。環
状フッ素樹脂(a)分子中の官能基としては、カルボン
酸エステル基、カルボン酸アミド基などのカルボン酸誘
導体基、スルホン酸エステル基、スルホン酸アミド基な
どのスルホン酸誘導体基、水酸基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、ニトリル基、マレイミド基、アミノ基、ア
ルコキシシリル基およびシラノール基などが例示され
る。環状フッ素樹脂(a)中の官能基の割合は、部分加
水分解縮合物(b)との相溶性の観点より、環状フッ素
樹脂(a)1グラムあたり1マイクロモル以上であるこ
とが好ましい。より好ましい環状フッ素樹脂(a)中の
官能基の割合は、樹脂(a)1グラムあたり1〜10,
000マイクロモルであり、さらに好ましくは1〜3,
000マイクロモルである。これらの官能基が、溶液中
で部分加水分解縮合物(b)またはカップリング剤
(c)と相互作用または反応することにより、均一な溶
液が得られ、その結果として均一な塗膜が得られると考
えられる。部分加水分解縮合物(b)との相溶性の観点
より、環状フッ素樹脂(a)分子中の官能基としては、
水酸基またはカルボキシル基が好ましい。
【0053】環状フッ素樹脂(a)の重量平均分子量
は、特に限定されないが、3,000〜1,000,0
00が好ましく、より好ましくは5,000〜500,
000である。環状フッ素樹脂(a)中のフッ素含有量
は40〜75重量%が好ましく、より好ましくは50〜
70重量%である。環状フッ素樹脂(a)は、官能基を
分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有す
るフッ素樹脂で、2つ以上の重合性二重結合を有する含
フッ素モノマーを環化重合して得られるフッ素樹脂に官
能基を導入したものである。2つ以上の重合性二重結合
を有する含フッ素モノマーとしては、下記の式(e)、
式(f)、式(g)または式(h)で表されるものが例
示される。ただし、式(e)〜式(h)中のT1〜
T12、Y1〜Y10、Z1〜Z8およびW1〜W8は、それぞ
れ独立にFまたはCF3である。
は、特に限定されないが、3,000〜1,000,0
00が好ましく、より好ましくは5,000〜500,
000である。環状フッ素樹脂(a)中のフッ素含有量
は40〜75重量%が好ましく、より好ましくは50〜
70重量%である。環状フッ素樹脂(a)は、官能基を
分子内に有し、かつ主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有す
るフッ素樹脂で、2つ以上の重合性二重結合を有する含
フッ素モノマーを環化重合して得られるフッ素樹脂に官
能基を導入したものである。2つ以上の重合性二重結合
を有する含フッ素モノマーとしては、下記の式(e)、
式(f)、式(g)または式(h)で表されるものが例
示される。ただし、式(e)〜式(h)中のT1〜
T12、Y1〜Y10、Z1〜Z8およびW1〜W8は、それぞ
れ独立にFまたはCF3である。
【0054】(e) CT1T2=CT3CT4T5CT6T
7CT8T9CT10=CT11T12 (f) CY1Y2=CY3OCY4Y5CY6Y7CY8=C
T9Y10 (g) CZ1Z2=CZ3OCZ4z5CZ6=CZ7Z8 (h) CW1W2=CW3OCW4W5CW6=CW7W8
7CT8T9CT10=CT11T12 (f) CY1Y2=CY3OCY4Y5CY6Y7CY8=C
T9Y10 (g) CZ1Z2=CZ3OCZ4z5CZ6=CZ7Z8 (h) CW1W2=CW3OCW4W5CW6=CW7W8
【0055】環状フッ素樹脂(a)は、繰り返し単位中
に含フッ素脂肪族環構造を20〜100モル%含有する
ものが機械的特性などの面から好ましい。官能基の導入
方法としては、分子内にカルボキシル基などの官能基、
またはこれらの前駆体基、例えばアシル基を有する開始
剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、
フッ素樹脂の末端基にカルボキシル基を導入する方法が
一般的である。
に含フッ素脂肪族環構造を20〜100モル%含有する
ものが機械的特性などの面から好ましい。官能基の導入
方法としては、分子内にカルボキシル基などの官能基、
またはこれらの前駆体基、例えばアシル基を有する開始
剤または連鎖移動剤の存在下で重合を行うことにより、
フッ素樹脂の末端基にカルボキシル基を導入する方法が
一般的である。
【0056】上記架橋剤架橋には、式R1 mR2 nSi(O
R3)4-m-n(式中R1およびR2は同一または相異なる非
加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m
+n≦3を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシ
シラン類の部分加水分解縮合物(b)を必須成分とす
る。式中の非加水分解性基としては、入手の容易性から
炭素数1〜14のものが好ましい。R1とR2とが同一で
ある場合には、R1およびR2には官能基を有しないもの
が好ましく、R1とR2とが異なる場合には、R1がエポ
キシ基、アミノ基等の官能基を有するもの、または、含
フッ素アルキル基であり、R2がR1以外の基である事が
好ましい。非加水分解性基としては、γ−グリシドキシ
プロピル基、γ−アミノプロピル基、アミノフェニル
基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などの反応性
基を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル
基、フェニル基、トリル基などのアリール基、トリフル
オロメチル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオ
ロブチル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオ
ロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ヘプタデ
カフルオロウンデシル基などの含フッ素アルキル基など
が好ましい。R3は部分加水分解のし易さから、炭素数
1〜8のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数
1〜4のアルキル基である。
R3)4-m-n(式中R1およびR2は同一または相異なる非
加水分解性基、R3はアルキル基、mおよびnは0≦m
+n≦3を満たす0〜3の整数)で表されるアルコキシ
シラン類の部分加水分解縮合物(b)を必須成分とす
る。式中の非加水分解性基としては、入手の容易性から
炭素数1〜14のものが好ましい。R1とR2とが同一で
ある場合には、R1およびR2には官能基を有しないもの
が好ましく、R1とR2とが異なる場合には、R1がエポ
キシ基、アミノ基等の官能基を有するもの、または、含
フッ素アルキル基であり、R2がR1以外の基である事が
好ましい。非加水分解性基としては、γ−グリシドキシ
プロピル基、γ−アミノプロピル基、アミノフェニル
基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などの反応性
基を有する有機基、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル
基、フェニル基、トリル基などのアリール基、トリフル
オロメチル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオ
ロブチル基、ノナフルオロヘキシル基、トリデカフルオ
ロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基、ヘプタデ
カフルオロウンデシル基などの含フッ素アルキル基など
が好ましい。R3は部分加水分解のし易さから、炭素数
1〜8のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数
1〜4のアルキル基である。
【0057】本発明における部分加水分解縮合物(b)
は、式中m=n=0、m+n=1、m+n=2およびm
+n=3であるものから選ばれる1種のみからなる部分
加水分解縮合物でもよく、これらから選ばれる2種以上
からなる部分加水分解縮合物でもよい。ただし、当然な
がらm+n=3であるアルコキシシラン類は、分子内に
加水分解基を1つしか有しておらず、単独では部分加水
分解縮合物を形成しえない。したがってm+n=3であ
るアルコキシシラン類は、溶液中でのアルコキシシラン
類の部分加水分解縮合物の過剰な反応を制御するなどの
目的で、m=n=0、m+n=1またはm+n=2のア
ルコキシシラン類と併用される。m+n=3であるアル
コキシシラン類は、全アルコキシシラン類に対して10
モル%以下であることが望ましい。m+n=2のアルコ
キシシラン類単独の部分加水分解縮合物は、直鎖状の縮
合物を形成し、三次元構造を取りえないため、樹脂の高
温での機械特性を改良する効果があまりない。従ってm
+n=2のアルコキシシラン類は、m=n=0、m+n
=1のアルコキシシラン類と併用されるのが好ましい。
m+n=2であるアルコキシシラン類は、全アルコキシ
シラン類に対して30モル%以下であることが望まし
い。このようなアルコキシシラン類の好ましい例を以下
に示す。
は、式中m=n=0、m+n=1、m+n=2およびm
+n=3であるものから選ばれる1種のみからなる部分
加水分解縮合物でもよく、これらから選ばれる2種以上
からなる部分加水分解縮合物でもよい。ただし、当然な
がらm+n=3であるアルコキシシラン類は、分子内に
加水分解基を1つしか有しておらず、単独では部分加水
分解縮合物を形成しえない。したがってm+n=3であ
るアルコキシシラン類は、溶液中でのアルコキシシラン
類の部分加水分解縮合物の過剰な反応を制御するなどの
目的で、m=n=0、m+n=1またはm+n=2のア
ルコキシシラン類と併用される。m+n=3であるアル
コキシシラン類は、全アルコキシシラン類に対して10
モル%以下であることが望ましい。m+n=2のアルコ
キシシラン類単独の部分加水分解縮合物は、直鎖状の縮
合物を形成し、三次元構造を取りえないため、樹脂の高
温での機械特性を改良する効果があまりない。従ってm
+n=2のアルコキシシラン類は、m=n=0、m+n
=1のアルコキシシラン類と併用されるのが好ましい。
m+n=2であるアルコキシシラン類は、全アルコキシ
シラン類に対して30モル%以下であることが望まし
い。このようなアルコキシシラン類の好ましい例を以下
に示す。
【0058】これらのアルコキシシラン類は、単独で使
用してもよく、2種以上を併用してもよい。テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシ
ラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシランなどのモノアルケニルトリアルコキシシラン
類、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロブチ
ルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメト
キシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、
ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘ
プタデカフルオロウンデシルトリメトキシシラン、(4
−ペルフルオロブチルフェニル)トリメトキシシラン、
(4−ペルフルオロヘキシルフェニル)トリメトキシシ
ラン、(4−ペルフルオロオクチルフェニル)トリメト
キシシランなどの含フッ素アルコキシシラン類、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン
類、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノ
シラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノ
フェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシ
ラン類。
用してもよく、2種以上を併用してもよい。テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシ
シランなどのテトラアルコキシシラン類、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシランなどのモノアルキルトリアルコキシシ
ラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシランなどのモノアルケニルトリアルコキシシラン
類、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロブチ
ルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメト
キシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシ
ラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、
ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、ヘ
プタデカフルオロウンデシルトリメトキシシラン、(4
−ペルフルオロブチルフェニル)トリメトキシシラン、
(4−ペルフルオロヘキシルフェニル)トリメトキシシ
ラン、(4−ペルフルオロオクチルフェニル)トリメト
キシシランなどの含フッ素アルコキシシラン類、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシシラン
類、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノ
シラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノ
フェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香環アミノシ
ラン類。
【0059】これらのアルコキシシラン類中で、含フッ
素アルコキシシラン類は、フッ素樹脂との相溶性が高
く、また、テトラアルコキシシラン類は、加水分解縮合
反応が完全に行われれば無機化することから、高温での
機械強度の改善に特に適する。
素アルコキシシラン類は、フッ素樹脂との相溶性が高
く、また、テトラアルコキシシラン類は、加水分解縮合
反応が完全に行われれば無機化することから、高温での
機械強度の改善に特に適する。
【0060】アルコキシシラン類の縮合反応は、周知、
公知の方法により行いうる。例えば、アルコキシシラン
類を溶剤および触媒の存在下に水を添加して加水分解縮
合反応させる方法がある。この場合、必要に応じて加熱
を行ってもよい。触媒としては塩酸、硝酸、硫酸などの
無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸が使用でき
る。通常、生成物の分子量をゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン
換算重量平均分子量で500〜10,000の範囲に設
定するのが、環状フッ素樹脂(a)との相溶性、後述す
る溶剤への溶解性の観点から好ましい。
公知の方法により行いうる。例えば、アルコキシシラン
類を溶剤および触媒の存在下に水を添加して加水分解縮
合反応させる方法がある。この場合、必要に応じて加熱
を行ってもよい。触媒としては塩酸、硝酸、硫酸などの
無機酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸などの有機酸が使用でき
る。通常、生成物の分子量をゲルパーミエーションクロ
マトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン
換算重量平均分子量で500〜10,000の範囲に設
定するのが、環状フッ素樹脂(a)との相溶性、後述す
る溶剤への溶解性の観点から好ましい。
【0061】本発明において、環状フッ素樹脂(a)お
よび部分加水分解縮合物(b)の混合溶液を調製するに
あたり、溶剤としてこれらを同時に溶解するものを選択
することが必要である。ここで特徴的なことは、主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は非プロトン
性フッ素溶剤には溶解するが、プロトン性含フッ素溶剤
には溶解せず、逆に部分加水分解縮合物(b)は、プロ
トン性含フッ素溶剤には溶解するが、非プロトン性含フ
ッ素溶剤には溶解しない場合があり、従って混合溶剤に
することにより両者を同時に溶解することができるとい
う点である。
よび部分加水分解縮合物(b)の混合溶液を調製するに
あたり、溶剤としてこれらを同時に溶解するものを選択
することが必要である。ここで特徴的なことは、主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂は非プロトン
性フッ素溶剤には溶解するが、プロトン性含フッ素溶剤
には溶解せず、逆に部分加水分解縮合物(b)は、プロ
トン性含フッ素溶剤には溶解するが、非プロトン性含フ
ッ素溶剤には溶解しない場合があり、従って混合溶剤に
することにより両者を同時に溶解することができるとい
う点である。
【0062】非プロトン性含フッ素溶剤には、ペルフル
オロヘキサン、ペルフルオロオクタン、1H,1H,1
H,2H,2H−ペルフルオロオクタン[F(CF2)6
C2H5]、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオ
ロデカン[F(CF2)8C2H5]などの含フッ素脂肪族
炭化水素類が、プロトン性含フッ素溶剤には、CF3C
H2OH、CF3CF2CH2OH、CF3(CF2)3CH2
CH2OH、CF3(CF2)5CH2CH2OH、CF3C
F2CH2CH2CH2OH、CF3(CF2)3CH 2CH2
CH2OHなどの含フッ素アルコールが好適に例示され
る。これらを2種以上併用してもよい。
オロヘキサン、ペルフルオロオクタン、1H,1H,1
H,2H,2H−ペルフルオロオクタン[F(CF2)6
C2H5]、1H,1H,1H,2H,2H−ペルフルオ
ロデカン[F(CF2)8C2H5]などの含フッ素脂肪族
炭化水素類が、プロトン性含フッ素溶剤には、CF3C
H2OH、CF3CF2CH2OH、CF3(CF2)3CH2
CH2OH、CF3(CF2)5CH2CH2OH、CF3C
F2CH2CH2CH2OH、CF3(CF2)3CH 2CH2
CH2OHなどの含フッ素アルコールが好適に例示され
る。これらを2種以上併用してもよい。
【0063】環状フッ素樹脂(a)および部分加水分解
縮合物(b)の混合溶液の調製方法としては、結果とし
て均一な溶液が調製できれば特に限定されない。環状フ
ッ素樹脂(a)および部分加水分解縮合物(b)の組成
比は、通常、環状フッ素樹脂(a)100重量部に対し
て部分加水分解縮合物(b)を3〜400重量部とする
ことが好ましく、より好ましくは10〜150重量部で
ある。部分加水分解縮合物(b)の割合が少なすぎる
と、機械物性が充分に改善できず、多すぎると環状フッ
素樹脂が本来有する離型性等の特性を損なう恐れがあ
る。
縮合物(b)の混合溶液の調製方法としては、結果とし
て均一な溶液が調製できれば特に限定されない。環状フ
ッ素樹脂(a)および部分加水分解縮合物(b)の組成
比は、通常、環状フッ素樹脂(a)100重量部に対し
て部分加水分解縮合物(b)を3〜400重量部とする
ことが好ましく、より好ましくは10〜150重量部で
ある。部分加水分解縮合物(b)の割合が少なすぎる
と、機械物性が充分に改善できず、多すぎると環状フッ
素樹脂が本来有する離型性等の特性を損なう恐れがあ
る。
【0064】上記混合溶液中での環状フッ素樹脂(a)
と部分加水分解縮合物(b)とを合計した固形分濃度
は、これらが溶解する範囲で、所望の溶液粘度となるよ
うに、あるいは、離型層としてのコーティング膜の膜厚
などの観点から適宜選択すればよい。例えば膜厚0.1
〜5μmのコーティング膜をスピンコート法にて得よう
とする場合、一般には固形分濃度を1〜15重量%に設
定すればよい。
と部分加水分解縮合物(b)とを合計した固形分濃度
は、これらが溶解する範囲で、所望の溶液粘度となるよ
うに、あるいは、離型層としてのコーティング膜の膜厚
などの観点から適宜選択すればよい。例えば膜厚0.1
〜5μmのコーティング膜をスピンコート法にて得よう
とする場合、一般には固形分濃度を1〜15重量%に設
定すればよい。
【0065】環状フッ素樹脂(a)と部分加水分解縮合
物(b)との間の架橋は、環状フッ素樹脂(a)の官能
基部分と部分加水分解縮合物(b)とをカップリング剤
(c)を介して架橋反応させる。ここでカップリング剤
(c)とは、加水分解性基[部分加水分解縮合物(b)
と反応可能な部位]と非加水分解性基とを有するケイ素
系化合物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物等の
化合物であって、かつ環状フッ素樹脂(a)の官能基と
反応可能な部位を持つ化合物を意味する。非加水分解性
基は末端の炭素原子でケイ素原子、チタン原子、アルミ
ニウム原子などに結合している。加水分解性基として
は、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノキシ基、アミド基、
ケトオキシム基、イソシアネート基、ハロゲン原子など
が例示され、好ましくはアルコキシ基、アルコキシアル
コキシ基などの1価アルコールの水酸基の水素原子を除
いた基である。特にアルコキシ基が好ましく、その炭素
数は8個以下、特に1〜4個、が好ましい。カップリン
グ剤(c)としてはシラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤な
どが好ましい。
物(b)との間の架橋は、環状フッ素樹脂(a)の官能
基部分と部分加水分解縮合物(b)とをカップリング剤
(c)を介して架橋反応させる。ここでカップリング剤
(c)とは、加水分解性基[部分加水分解縮合物(b)
と反応可能な部位]と非加水分解性基とを有するケイ素
系化合物、チタン系化合物、アルミニウム系化合物等の
化合物であって、かつ環状フッ素樹脂(a)の官能基と
反応可能な部位を持つ化合物を意味する。非加水分解性
基は末端の炭素原子でケイ素原子、チタン原子、アルミ
ニウム原子などに結合している。加水分解性基として
は、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシルオ
キシ基、アリールオキシ基、アミノキシ基、アミド基、
ケトオキシム基、イソシアネート基、ハロゲン原子など
が例示され、好ましくはアルコキシ基、アルコキシアル
コキシ基などの1価アルコールの水酸基の水素原子を除
いた基である。特にアルコキシ基が好ましく、その炭素
数は8個以下、特に1〜4個、が好ましい。カップリン
グ剤(c)としてはシラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤な
どが好ましい。
【0066】カップリング剤(c)の混合溶液への添加
量としては、0.1重量%〜30重量%とすることが好
ましく、より好ましくは1重量%〜20重量%である。
量としては、0.1重量%〜30重量%とすることが好
ましく、より好ましくは1重量%〜20重量%である。
【0067】離型層を形成する方法としては、コーティ
ング対象である物品に上記混合溶液(コーティング液)
を塗布した後に、加熱乾燥して溶剤を揮発させる方法が
好ましい。塗布方法としては、スピンコート法、ディッ
ピング法、ポッティング法、刷け塗り法、スプレーコー
ト法などが例示され、コーティング対象である物品の形
状、必要膜厚などから適宜選択すればよい。そして、離
型層を形成するためには、塗布後の塗膜中の溶剤を揮発
させ、かつアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を
硬化させるべく、加熱乾燥するベーク工程を要する。
ング対象である物品に上記混合溶液(コーティング液)
を塗布した後に、加熱乾燥して溶剤を揮発させる方法が
好ましい。塗布方法としては、スピンコート法、ディッ
ピング法、ポッティング法、刷け塗り法、スプレーコー
ト法などが例示され、コーティング対象である物品の形
状、必要膜厚などから適宜選択すればよい。そして、離
型層を形成するためには、塗布後の塗膜中の溶剤を揮発
させ、かつアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を
硬化させるべく、加熱乾燥するベーク工程を要する。
【0068】ベークの温度条件としては、塗膜厚などに
より適宜選択すればよいが、充分な硬化反応のためには
最終ベークとして、通常200〜450℃のベークを行
うことが好ましい。塗膜の表面平滑性を確保する、また
は塗膜の微細スペース埋込性を向上させるなどの目的
で、50〜250℃程度のプリベーク工程を追加した
り、ベーク工程を何段階かに分けて実施することもでき
る。
より適宜選択すればよいが、充分な硬化反応のためには
最終ベークとして、通常200〜450℃のベークを行
うことが好ましい。塗膜の表面平滑性を確保する、また
は塗膜の微細スペース埋込性を向上させるなどの目的
で、50〜250℃程度のプリベーク工程を追加した
り、ベーク工程を何段階かに分けて実施することもでき
る。
【0069】ベークの時間条件としては、温度条件同様
塗膜厚などにより適宜選択すればよく、また温度条件、
ベーク工程の段数等によっても異なってくる。一般的に
は、100〜120℃で30分間溶剤分を揮発させ、さ
らに250℃で1時間架橋処理を行う。以上のようにし
て、架橋構造を有する環状フッ素樹脂からなる離型層を
形成することができる。
塗膜厚などにより適宜選択すればよく、また温度条件、
ベーク工程の段数等によっても異なってくる。一般的に
は、100〜120℃で30分間溶剤分を揮発させ、さ
らに250℃で1時間架橋処理を行う。以上のようにし
て、架橋構造を有する環状フッ素樹脂からなる離型層を
形成することができる。
【0070】離型層形成用の上記コーティング液は液体
であるため、サブミクロンから数10μmまでの薄膜コ
ーティング、とりわけ薄い離型層を得るのに適してい
る。従来のフッ素樹脂チューブ形成法は、30μm程度
の厚みとすることが薄さの限度であり、定着後の画質に
優れた10μm程度の薄膜の離型層を得ようとすれば、
製造上の取扱いが困難になり、極端に製造能力が落ちる
のに対し、上記離型層形成用の上記混合溶液を用いて離
型層を得れば、そのような製造能力上の問題は発生しな
い。また、離型層の薄膜の強度についても、従来のフッ
素樹脂(PTFE、PFA等)よりも引っ張り破壊強度
や降伏強度が高くて丈夫であり、信頼性の高い表面が得
られる。
であるため、サブミクロンから数10μmまでの薄膜コ
ーティング、とりわけ薄い離型層を得るのに適してい
る。従来のフッ素樹脂チューブ形成法は、30μm程度
の厚みとすることが薄さの限度であり、定着後の画質に
優れた10μm程度の薄膜の離型層を得ようとすれば、
製造上の取扱いが困難になり、極端に製造能力が落ちる
のに対し、上記離型層形成用の上記混合溶液を用いて離
型層を得れば、そのような製造能力上の問題は発生しな
い。また、離型層の薄膜の強度についても、従来のフッ
素樹脂(PTFE、PFA等)よりも引っ張り破壊強度
や降伏強度が高くて丈夫であり、信頼性の高い表面が得
られる。
【0071】一方、一般式(2)で表される構造単位を
有するフッ素樹脂の架橋方法としては、環状フッ素樹脂
同様、架橋剤架橋によることも可能である。しかし、こ
の場合には、架橋助剤の配合量が多量であることによる
分散不良や基体特性の劣化などを抑制する観点より、架
橋助剤の量をできる限り少なくし、電子線照射によって
架橋(EB架橋)させることが好ましい。このとき架橋
助剤がなくても、電子線による架橋は可能であるが、架
橋効率が低く、例えば電子線照射後の成型物を200℃
のオーブンに入れ、耐熱性を観察すると、成型物は軟化
し、元の形状を維持できない場合があり、電子線架橋だ
けでは十分とは言えない。
有するフッ素樹脂の架橋方法としては、環状フッ素樹脂
同様、架橋剤架橋によることも可能である。しかし、こ
の場合には、架橋助剤の配合量が多量であることによる
分散不良や基体特性の劣化などを抑制する観点より、架
橋助剤の量をできる限り少なくし、電子線照射によって
架橋(EB架橋)させることが好ましい。このとき架橋
助剤がなくても、電子線による架橋は可能であるが、架
橋効率が低く、例えば電子線照射後の成型物を200℃
のオーブンに入れ、耐熱性を観察すると、成型物は軟化
し、元の形状を維持できない場合があり、電子線架橋だ
けでは十分とは言えない。
【0072】一般式(2)で表される構造単位を有する
フッ素樹脂の架橋度の向上を達成する為に用いる架橋助
剤としては、アリル型化合物、イオウ、有機アミン類、
マレイミド類、メタクリレート類、ジビニル化合物、ポ
リブタジエン等が挙げられるが、これらの中でもトリア
リルイソシアヌレート(TAIC)に代表されるアリル
型化合物が最も好ましく、その配合量としては、架橋度
の向上と効果の飽和との両観点より、通常0.5〜10
重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
フッ素樹脂の架橋度の向上を達成する為に用いる架橋助
剤としては、アリル型化合物、イオウ、有機アミン類、
マレイミド類、メタクリレート類、ジビニル化合物、ポ
リブタジエン等が挙げられるが、これらの中でもトリア
リルイソシアヌレート(TAIC)に代表されるアリル
型化合物が最も好ましく、その配合量としては、架橋度
の向上と効果の飽和との両観点より、通常0.5〜10
重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。
【0073】一般式(2)で表される構造単位を有する
フッ素樹脂を含有する離型層形成用のコーティング液
は、一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹
脂を適当な溶剤に溶解することにより得られる。使用し
得る溶剤としてはメチルエチルケトン(MEK)、メチ
ルイソブチルケトン(MIBK)、アセトンなどのケト
ン類、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテー
トなどが挙げられる。希釈濃度は、樹脂に対して0.1
重量%〜50重量%程度が好ましく、より好ましくは
0.5〜20重量%である。架橋助剤と一般式(2)で
表される構造単位を有するフッ素樹脂とを混練し、その
後溶剤に溶解することにより、コーティング液を調製す
ることができる。
フッ素樹脂を含有する離型層形成用のコーティング液
は、一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹
脂を適当な溶剤に溶解することにより得られる。使用し
得る溶剤としてはメチルエチルケトン(MEK)、メチ
ルイソブチルケトン(MIBK)、アセトンなどのケト
ン類、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテー
トなどが挙げられる。希釈濃度は、樹脂に対して0.1
重量%〜50重量%程度が好ましく、より好ましくは
0.5〜20重量%である。架橋助剤と一般式(2)で
表される構造単位を有するフッ素樹脂とを混練し、その
後溶剤に溶解することにより、コーティング液を調製す
ることができる。
【0074】離型層を作製する方法としては、コーティ
ング対象である物品に上記コーティング液を塗布した後
に、加熱乾燥して溶剤を揮発させる方法が好ましい。塗
布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ポ
ッティング法、ダイコート法、スプレーコート法などが
例示され、コーティング対象である物品の形状、必要膜
厚などから適宜選択すればよい。そして、離型層を形成
するためには、塗布後の塗膜中の溶剤を揮発させさせる
べく、加熱乾燥するベーク工程を要する。ベーク条件
(温度、時間等)は、塗膜厚などにより適宜選択すれば
よい。
ング対象である物品に上記コーティング液を塗布した後
に、加熱乾燥して溶剤を揮発させる方法が好ましい。塗
布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ポ
ッティング法、ダイコート法、スプレーコート法などが
例示され、コーティング対象である物品の形状、必要膜
厚などから適宜選択すればよい。そして、離型層を形成
するためには、塗布後の塗膜中の溶剤を揮発させさせる
べく、加熱乾燥するベーク工程を要する。ベーク条件
(温度、時間等)は、塗膜厚などにより適宜選択すれば
よい。
【0075】ベークされた成型物(一般式(2)で表さ
れる構造単位を有するフッ素樹脂を含むコーティング
層)は、EB架橋される。ここで、EB架橋の特徴につ
いて説明する。EB架橋における「EB」とは、「El
ectoron Beam」の略であり、すなわち電子
線の事である。EBは放射線の仲間で、電気を持った粒
子線に分類されている。電子を加速器で加速して取り出
し、束となったものがEBである。EBは身近な例で
は、テレビ、電子顕微鏡などに応用されているが、これ
らよりも更にパワーアップしたものがEB加速器であ
る。
れる構造単位を有するフッ素樹脂を含むコーティング
層)は、EB架橋される。ここで、EB架橋の特徴につ
いて説明する。EB架橋における「EB」とは、「El
ectoron Beam」の略であり、すなわち電子
線の事である。EBは放射線の仲間で、電気を持った粒
子線に分類されている。電子を加速器で加速して取り出
し、束となったものがEBである。EBは身近な例で
は、テレビ、電子顕微鏡などに応用されているが、これ
らよりも更にパワーアップしたものがEB加速器であ
る。
【0076】EBの工業的利用は、チャルスビーのポリ
エチレンの架橋(1952年)に始まる。その後、塗料
や接着剤の硬化、表面改質、加硫、耐熱性の向上、延伸
性の改善、形状記憶性などの応用が工業的に広い範囲に
おいて進められてきている。
エチレンの架橋(1952年)に始まる。その後、塗料
や接着剤の硬化、表面改質、加硫、耐熱性の向上、延伸
性の改善、形状記憶性などの応用が工業的に広い範囲に
おいて進められてきている。
【0077】その理由としては、 ・加熱できない材料の架橋が可能であること。 ・架橋に要する時間が短いこと。 ・架橋剤や架橋を促進する化合物が少量もしくは無添加
で架橋可能であること。 ・架橋反応の浸透深さがコントロール可能であること。 等が挙げられる。身近な例では、建材や家具の化粧板の
塗装硬化・携帯電話やリモコンなどのプラスチック成形
モールド品の改質・プラスチックフィルムの形状記憶効
果付与・タイヤのインナーチューブ架橋等と我々の生活
に密着した材料に広く用いられている。
で架橋可能であること。 ・架橋反応の浸透深さがコントロール可能であること。 等が挙げられる。身近な例では、建材や家具の化粧板の
塗装硬化・携帯電話やリモコンなどのプラスチック成形
モールド品の改質・プラスチックフィルムの形状記憶効
果付与・タイヤのインナーチューブ架橋等と我々の生活
に密着した材料に広く用いられている。
【0078】EBは、紫外線(UV)とは全く異なった
ものであり、エネルギーの強さが100〜300keV
と、UVのそれより10〜30倍大きく、このため浸透
深さが深く、硬化時間は1秒以下と高速である。また、
処理雰囲気としては、反応阻害を防止する為、不活性ガ
ス(たとえば窒素ガス)雰囲気とすることが必要とな
る。
ものであり、エネルギーの強さが100〜300keV
と、UVのそれより10〜30倍大きく、このため浸透
深さが深く、硬化時間は1秒以下と高速である。また、
処理雰囲気としては、反応阻害を防止する為、不活性ガ
ス(たとえば窒素ガス)雰囲気とすることが必要とな
る。
【0079】EB架橋の架橋機構は、高エネルギーの電
子線がポリマー分子中にラジカルを発生させ、このラジ
カルが他のラジカルもしくは二重結合などの架橋点と結
合することで分子間に橋かけが生じると、一般的に説明
されている。
子線がポリマー分子中にラジカルを発生させ、このラジ
カルが他のラジカルもしくは二重結合などの架橋点と結
合することで分子間に橋かけが生じると、一般的に説明
されている。
【0080】装置的に見ると、一般的な熱電子タイプの
EB発生原理は、真空に保たれたチャンバーの中心に配
置されたフィラメント(タングステン)に電流を流す事
によりフィラメントが加熱されて熱電子が放出する。放
出された熱電子は、まずグリッドに抽出される。この熱
電子は、ターミナルと陽極である真空チャンバー中のウ
インドウの薄い箔(アルミやチタン等)を通過して外界
に飛び出す。この外界に飛び出し熱電子がEBである。
EB発生原理は、真空に保たれたチャンバーの中心に配
置されたフィラメント(タングステン)に電流を流す事
によりフィラメントが加熱されて熱電子が放出する。放
出された熱電子は、まずグリッドに抽出される。この熱
電子は、ターミナルと陽極である真空チャンバー中のウ
インドウの薄い箔(アルミやチタン等)を通過して外界
に飛び出す。この外界に飛び出し熱電子がEBである。
【0081】電子線照射でもっとも問題になるのは、同
時に発生するX線の遮蔽と真空チャンバーの密閉度であ
る。EBが対象物に照射されると制動X線が発生するの
で鉛等で遮蔽し、それを装置内に閉じ込め外部には漏洩
しない様、装置自身が自己遮蔽構造となっている。ま
た、真空チャンバーの真空度は10-7torr以下でな
くてはならず、真空度が落ちると放電が生じ、電子線が
照射部に届かなくなる。先に延べたチタン箔(10ミク
ロン)は、真空度を保ち、かつ電子線照射に耐え得るウ
インドウ用の材料として、現存する最高の素材である。
時に発生するX線の遮蔽と真空チャンバーの密閉度であ
る。EBが対象物に照射されると制動X線が発生するの
で鉛等で遮蔽し、それを装置内に閉じ込め外部には漏洩
しない様、装置自身が自己遮蔽構造となっている。ま
た、真空チャンバーの真空度は10-7torr以下でな
くてはならず、真空度が落ちると放電が生じ、電子線が
照射部に届かなくなる。先に延べたチタン箔(10ミク
ロン)は、真空度を保ち、かつ電子線照射に耐え得るウ
インドウ用の材料として、現存する最高の素材である。
【0082】電子線照射をするに当たっては、吸収線量
(架橋する材料が受ける電子線量)と加速電圧を決定す
る必要がある。前者は架橋の度合い、後者は架橋の浸透
深さを決定するものであり、これらは用途や材料の性状
によって変わってくる。また、電子線架橋は照射量の加
成性が成り立つ(例えば架橋度50%の物質に、更に2
5%架橋分の吸収線量が照射されると、架橋度は75%
となる)。対象物の形状はシート状でなくてもよく、線
状のものやロールなども技術的には可能である。
(架橋する材料が受ける電子線量)と加速電圧を決定す
る必要がある。前者は架橋の度合い、後者は架橋の浸透
深さを決定するものであり、これらは用途や材料の性状
によって変わってくる。また、電子線架橋は照射量の加
成性が成り立つ(例えば架橋度50%の物質に、更に2
5%架橋分の吸収線量が照射されると、架橋度は75%
となる)。対象物の形状はシート状でなくてもよく、線
状のものやロールなども技術的には可能である。
【0083】ベークされた成型物(一般式(2)で表さ
れる構造単位を有するフッ素樹脂を含むコーティング
層)には、加速電圧として100〜300kV、好まし
くは150〜250KV、電子電流として1〜10m
A、好ましくは2〜6mA、成型物の搬送速度として数
十mm/sec〜数m/sec、好ましくは100〜2
000mm/sec、照射線量として1〜数十Mra
d、好ましくは2〜20MradのDose量の好まし
い照射条件でEB照射され、フッ素樹脂が架橋される。
板状の成型物の場合には、垂直に真上から照射される。
この場合、照射される側が実効的に多くの電子線を受
け、反対側は減衰した照射線量となる。従って表裏反転
できるものは、例えば必要照射線量を10Mradとし
た場合に、表を6.8Mrad、裏を3.2Mradと
言う風に両面照射で均一に架橋することができる。しか
し、両側から照射できるものは稀であり、ほとんどが表
面側からの照射となる。従って、厚み方向的には内部に
入るほど、架橋程度が落ちる事になり、対象物が厚い場
合特にこの点に注意が必要である。しかしながら100
μm以下の厚みであれば、そして加速電圧が200KV
を超えていれば裏面への架橋度低下はそれほど気にする
事はない。EB照射の対象物は、ロール状であったり、
エンドレスベルト状であったりするので、このような場
合には、回転させながら照射する必要がある。いずれの
場合にも、窒素雰囲気中で照射を行うことが好ましい。
れる構造単位を有するフッ素樹脂を含むコーティング
層)には、加速電圧として100〜300kV、好まし
くは150〜250KV、電子電流として1〜10m
A、好ましくは2〜6mA、成型物の搬送速度として数
十mm/sec〜数m/sec、好ましくは100〜2
000mm/sec、照射線量として1〜数十Mra
d、好ましくは2〜20MradのDose量の好まし
い照射条件でEB照射され、フッ素樹脂が架橋される。
板状の成型物の場合には、垂直に真上から照射される。
この場合、照射される側が実効的に多くの電子線を受
け、反対側は減衰した照射線量となる。従って表裏反転
できるものは、例えば必要照射線量を10Mradとし
た場合に、表を6.8Mrad、裏を3.2Mradと
言う風に両面照射で均一に架橋することができる。しか
し、両側から照射できるものは稀であり、ほとんどが表
面側からの照射となる。従って、厚み方向的には内部に
入るほど、架橋程度が落ちる事になり、対象物が厚い場
合特にこの点に注意が必要である。しかしながら100
μm以下の厚みであれば、そして加速電圧が200KV
を超えていれば裏面への架橋度低下はそれほど気にする
事はない。EB照射の対象物は、ロール状であったり、
エンドレスベルト状であったりするので、このような場
合には、回転させながら照射する必要がある。いずれの
場合にも、窒素雰囲気中で照射を行うことが好ましい。
【0084】架橋の進み具合すなわち架橋度は、溶剤に
対する耐性、不溶性で評価することができる。架橋する
前には充分可溶であったものが、架橋後は架橋の程度に
従って不溶化していく。例えば、対象物を50℃の温度
の溶剤中に10分ほど浸漬し、取り出した後、溶剤を揮
発させた後の重量差で比較することができる。特定の溶
剤に対する耐溶剤性としては、元の重量に対して95%
以上の不溶性を示す事が一つの目安となる。
対する耐性、不溶性で評価することができる。架橋する
前には充分可溶であったものが、架橋後は架橋の程度に
従って不溶化していく。例えば、対象物を50℃の温度
の溶剤中に10分ほど浸漬し、取り出した後、溶剤を揮
発させた後の重量差で比較することができる。特定の溶
剤に対する耐溶剤性としては、元の重量に対して95%
以上の不溶性を示す事が一つの目安となる。
【0085】一般式(1)および一般式(2)いずれの
構造単位を有するフッ素樹脂を含有するコーティング液
においても、特に磨耗性や離型性の改善のために、Si
C、SiO2、BN、Al2O3、TiN、CF、カーボ
ン粒子、PTFE粒子、PFA粒子からなる群より選ば
れる充填剤(フィラー)を1種以上使用してもよい。こ
れら充填剤の粒径としては、必要膜厚に応じて適宜選択
して使用することができ、具体的には10μm程度以下
から1μm以下程度の範囲から選択される。充填剤の充
填量としては、コーティング液中好ましくは1〜50重
量%、より好ましくは1〜50重量%、好ましくは、1
〜10重量%である。
構造単位を有するフッ素樹脂を含有するコーティング液
においても、特に磨耗性や離型性の改善のために、Si
C、SiO2、BN、Al2O3、TiN、CF、カーボ
ン粒子、PTFE粒子、PFA粒子からなる群より選ば
れる充填剤(フィラー)を1種以上使用してもよい。こ
れら充填剤の粒径としては、必要膜厚に応じて適宜選択
して使用することができ、具体的には10μm程度以下
から1μm以下程度の範囲から選択される。充填剤の充
填量としては、コーティング液中好ましくは1〜50重
量%、より好ましくは1〜50重量%、好ましくは、1
〜10重量%である。
【0086】乾燥後の離型層の膜厚としては、電子写真
用の定着部品として十分な厚みがあれば十分であり、好
ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜30μm
の範囲である。
用の定着部品として十分な厚みがあれば十分であり、好
ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜30μm
の範囲である。
【0087】以上、最外層としての離型層の材料および
その架橋方法を述べてきたが、以下、定着用部品として
の製造方法について説明する。 〔基体〕本発明に用いられる基体は、円筒状ロール、ベ
ルト状、ブレード状等電子写真用定着部品として用いら
れるあらゆる形状のものが挙げられる。
その架橋方法を述べてきたが、以下、定着用部品として
の製造方法について説明する。 〔基体〕本発明に用いられる基体は、円筒状ロール、ベ
ルト状、ブレード状等電子写真用定着部品として用いら
れるあらゆる形状のものが挙げられる。
【0088】本発明に用いられる基体が円筒状ロールの
場合、該基体としては、金属としてアルミニウム、鉄、
銅、等の円筒状ロール、ガラス製円筒状ロールが用いら
れる。本発明に用いられる基体がベルト状の場合、該基
体としては、金属(アルミニウム、鉄、銅等)、あるい
は耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PE
EK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPS(ポ
リフェニレンサルファイド)樹脂等)からなるベルトが
用いられる。本発明に用いられる基体がブレード状の場
合、該基体としては、金属(アルミニウム、鉄、銅
等)、あるいは耐熱性ゴム(シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム等)からなるブレードが用いられる。その他、これら
基体の大きさ(外径、幅、ベルト長さ等)、厚み(肉
厚、シート厚)等は、定着部品として必要な寸法を適宜
選択すればよい。
場合、該基体としては、金属としてアルミニウム、鉄、
銅、等の円筒状ロール、ガラス製円筒状ロールが用いら
れる。本発明に用いられる基体がベルト状の場合、該基
体としては、金属(アルミニウム、鉄、銅等)、あるい
は耐熱性樹脂(ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PE
EK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PPS(ポ
リフェニレンサルファイド)樹脂等)からなるベルトが
用いられる。本発明に用いられる基体がブレード状の場
合、該基体としては、金属(アルミニウム、鉄、銅
等)、あるいは耐熱性ゴム(シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム等)からなるブレードが用いられる。その他、これら
基体の大きさ(外径、幅、ベルト長さ等)、厚み(肉
厚、シート厚)等は、定着部品として必要な寸法を適宜
選択すればよい。
【0089】〔弾性体層〕本発明の電子写真用定着部品
は、上記基体上に、前記離型層を形成することにより得
られるが、基体上に弾性体層として、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、フッ素樹脂等を形成した後に前記離型層を
形成することが、離型性向上の観点より好ましい。
は、上記基体上に、前記離型層を形成することにより得
られるが、基体上に弾性体層として、シリコーンゴム、
フッ素ゴム、フッ素樹脂等を形成した後に前記離型層を
形成することが、離型性向上の観点より好ましい。
【0090】弾性体層として形成するシリコーンゴム、
フッ素ゴムは、汎用のものが使用できる。例えばシリコ
ーンゴムとしては、ビニルメチルシリコーンゴム、メチ
ルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フ
ロロシリコーンゴム等が利用できる。またフッ素ゴムと
しては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/
プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフロロメチ
ルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フロロ
ポリエーテル、およびその他のフッ素ゴムが利用でき
る。これらは、それぞれ単独でもまたは2種以上組み合
せてもよい。
フッ素ゴムは、汎用のものが使用できる。例えばシリコ
ーンゴムとしては、ビニルメチルシリコーンゴム、メチ
ルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フ
ロロシリコーンゴム等が利用できる。またフッ素ゴムと
しては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/
プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフロロメチ
ルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フロロ
ポリエーテル、およびその他のフッ素ゴムが利用でき
る。これらは、それぞれ単独でもまたは2種以上組み合
せてもよい。
【0091】そしてこれら弾性体層として形成するシリ
コーンゴム、フッ素ゴムには、無機あるいは有機の各種
充填剤が利用できる。無機充填剤としては、カーボンブ
ラック、酸化チタン、シリカ、炭化ケイ素、タルク、マ
イカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カル
シウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等
が挙げられる。また有機充填剤としては、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェ
ニレンスルフィド等が利用できる。このほか特殊な弾性
体として、フッ素樹脂としてPTFE、PFAも利用で
きる。
コーンゴム、フッ素ゴムには、無機あるいは有機の各種
充填剤が利用できる。無機充填剤としては、カーボンブ
ラック、酸化チタン、シリカ、炭化ケイ素、タルク、マ
イカ、カオリン、酸化鉄、炭酸カルシウム、ケイ酸カル
シウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等
が挙げられる。また有機充填剤としては、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェ
ニレンスルフィド等が利用できる。このほか特殊な弾性
体として、フッ素樹脂としてPTFE、PFAも利用で
きる。
【0092】弾性体層に用いるこれら弾性体としては、
反発弾性として比較的高いものがよく、40%以上、好
ましくは50%以上のものが有効であり、かかる反発弾
性の観点よりシリコーンゴムが最も好ましい。
反発弾性として比較的高いものがよく、40%以上、好
ましくは50%以上のものが有効であり、かかる反発弾
性の観点よりシリコーンゴムが最も好ましい。
【0093】〔本発明の定着部品の用途〕本発明の定着
部品は、以下のような種々の分野で利用する事ができ
る。 (a)電子写真複写機を含む画像形成をその目的とする
あらゆる装置において、離型機能が要求されるロール、
ベルト、ブレード等の金属あるいはゴム材料に応用する
事ができる。 (b)電子写真複写機を含む一般の事務機あるいはその
他の分野において、例えばトナー、インク等の画像形成
材料がその表面に付着するときに、撥水、撥油および耐
久性が問題となるあらゆる金属あるいはゴム製品、ゴム
部品に応用が可能であり、これらの部品を使った定着装
置としても利用可能である。
部品は、以下のような種々の分野で利用する事ができ
る。 (a)電子写真複写機を含む画像形成をその目的とする
あらゆる装置において、離型機能が要求されるロール、
ベルト、ブレード等の金属あるいはゴム材料に応用する
事ができる。 (b)電子写真複写機を含む一般の事務機あるいはその
他の分野において、例えばトナー、インク等の画像形成
材料がその表面に付着するときに、撥水、撥油および耐
久性が問題となるあらゆる金属あるいはゴム製品、ゴム
部品に応用が可能であり、これらの部品を使った定着装
置としても利用可能である。
【0094】〔定着装置〕以上の如き本発明の定着部品
を適用し得る具体的な定着装置について、以下に説明す
る。なお、本発明の定着部品を適用し得る定着装置は、
以下のものに限定されるものではない。
を適用し得る具体的な定着装置について、以下に説明す
る。なお、本発明の定着部品を適用し得る定着装置は、
以下のものに限定されるものではない。
【0095】1.2ロール方式の定着装置 少なくとも表面が耐熱性および離型性を有する加熱ロー
ルと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧
ロールとを有し、前記ニップ部に未定着トナー像を有す
る記録シートを通過させ、熱および圧力を作用させて前
記記録シート上にトナー像を定着する加熱ロール型の定
着装置において、本発明の定着部品は、加熱ロールおよ
び加圧ロールとして用いることができる。
ルと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧
ロールとを有し、前記ニップ部に未定着トナー像を有す
る記録シートを通過させ、熱および圧力を作用させて前
記記録シート上にトナー像を定着する加熱ロール型の定
着装置において、本発明の定着部品は、加熱ロールおよ
び加圧ロールとして用いることができる。
【0096】本方式の定着装置は、既述の如き図1に示
す方式のものである。即ち、図1における加熱ロール1
0および加圧ロール11に、本発明の定着部品を適用す
ることができる。即ち、加熱ロール10は基体10a上
にシリコーンゴム等による弾性体層10bを形成し、さ
らにその上層に環状フッ素樹脂およびエラストマーの混
合物からなる離型層10cを形成したものであり、同様
に加圧ロール11は基体11a上にシリコーンゴム等に
よる弾性体層11bを形成し、さらにその上層に環状フ
ッ素樹脂およびエラストマーの混合物からなる離型層1
1cを形成したものである。
す方式のものである。即ち、図1における加熱ロール1
0および加圧ロール11に、本発明の定着部品を適用す
ることができる。即ち、加熱ロール10は基体10a上
にシリコーンゴム等による弾性体層10bを形成し、さ
らにその上層に環状フッ素樹脂およびエラストマーの混
合物からなる離型層10cを形成したものであり、同様
に加圧ロール11は基体11a上にシリコーンゴム等に
よる弾性体層11bを形成し、さらにその上層に環状フ
ッ素樹脂およびエラストマーの混合物からなる離型層1
1cを形成したものである。
【0097】図1に示す定着装置の機構、構造等につい
ては、既述の通りであるため割愛する。なお、本例にお
いては、加熱ロール10と加圧ロール11との双方が本
発明の定着部品である場合について説明したが、加熱ロ
ール10と加圧ロール11のうちの一方のみが本発明の
定着部品である場合でも、本発明の効果は発揮される。
もちろん、双方が本発明の定着部品であることが好まし
い。
ては、既述の通りであるため割愛する。なお、本例にお
いては、加熱ロール10と加圧ロール11との双方が本
発明の定着部品である場合について説明したが、加熱ロ
ール10と加圧ロール11のうちの一方のみが本発明の
定着部品である場合でも、本発明の効果は発揮される。
もちろん、双方が本発明の定着部品であることが好まし
い。
【0098】2.ベルトニップロール定着方式の定着装
置 少なくとも表面が耐熱性および離型性を有する加熱ロー
ルと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧
ベルトと、前記加圧ベルトを介して加熱ロールに対向し
加圧する加圧ロールとを有し、前記ニップ部に未定着ト
ナー像を有する記録シートを挿通させ、熱および圧力を
作用させて前記記録シート上にトナー像を定着する加熱
加圧型の定着装置において、本発明の定着部品は、加熱
ロールおよび/または加圧ベルトとして用いることがで
きる。
置 少なくとも表面が耐熱性および離型性を有する加熱ロー
ルと、前記加熱ロールと圧接しニップ部を形成する加圧
ベルトと、前記加圧ベルトを介して加熱ロールに対向し
加圧する加圧ロールとを有し、前記ニップ部に未定着ト
ナー像を有する記録シートを挿通させ、熱および圧力を
作用させて前記記録シート上にトナー像を定着する加熱
加圧型の定着装置において、本発明の定着部品は、加熱
ロールおよび/または加圧ベルトとして用いることがで
きる。
【0099】図2に本方式の定着装置の一例である概略
断面図を示す。図2において、20は基体20a上にシ
リコーンゴム等による弾性体層20bを形成し、さらに
その上層に環状フッ素樹脂およびエラストマーの混合物
からなる離型層20cを形成した、本発明の定着部品と
しての加熱ロールである。加熱ロール20の内部には、
ヒータランプ22が内蔵されている。
断面図を示す。図2において、20は基体20a上にシ
リコーンゴム等による弾性体層20bを形成し、さらに
その上層に環状フッ素樹脂およびエラストマーの混合物
からなる離型層20cを形成した、本発明の定着部品と
しての加熱ロールである。加熱ロール20の内部には、
ヒータランプ22が内蔵されている。
【0100】加熱ロール20には張架ロール27a、ス
テアリングロール27bおよび圧力ロール27cにより
張架された、ポリイミド樹脂シート等よりなる耐熱性の
加圧ベルト29が所定角度巻き付き、加圧ベルト29の
内側には、加圧ベルト29を加熱ロール20に押しつけ
る加圧パッド28が配され、圧力ロール27cとともに
ニップ部を形成している。加圧パッド28は、例えば、
シリコーンゴムベース上にシリコーンスポンジを載せ、
さらにその上にフッ素樹脂製のシートを被せたもの等が
用いられる。
テアリングロール27bおよび圧力ロール27cにより
張架された、ポリイミド樹脂シート等よりなる耐熱性の
加圧ベルト29が所定角度巻き付き、加圧ベルト29の
内側には、加圧ベルト29を加熱ロール20に押しつけ
る加圧パッド28が配され、圧力ロール27cとともに
ニップ部を形成している。加圧パッド28は、例えば、
シリコーンゴムベース上にシリコーンスポンジを載せ、
さらにその上にフッ素樹脂製のシートを被せたもの等が
用いられる。
【0101】加熱ロール20は矢印B方向に回転し、そ
れにつれて加圧ベルト29も矢印C方向に従動回転す
る。未定着トナー像24が形成された記録シート25は
矢印A方向に、上記定着装置のニップ部に挿通され、加
熱溶融および加圧されトナー像が定着される。
れにつれて加圧ベルト29も矢印C方向に従動回転す
る。未定着トナー像24が形成された記録シート25は
矢印A方向に、上記定着装置のニップ部に挿通され、加
熱溶融および加圧されトナー像が定着される。
【0102】図5に本方式の定着装置の他の一例である
概略断面図を示す。図5において、本発明の定着部品と
しての加熱ロール50、ヒータランプ52等の構成は、
図2の加熱ロール20、ヒータランプ22と同様であ
る。加圧ベルト59自体の構成も、図2の加圧ベルト2
9と同様であるが、図5においては該加圧ベルト59の
保持、引回しの方法が異なっている。即ち、加圧ベルト
59は、その内側に配された加圧パッド28により加熱
ロール50に押しつけられニップ部を形成しているが、
張架ロール等による張架はされず、テンションフリーの
状態になっている。
概略断面図を示す。図5において、本発明の定着部品と
しての加熱ロール50、ヒータランプ52等の構成は、
図2の加熱ロール20、ヒータランプ22と同様であ
る。加圧ベルト59自体の構成も、図2の加圧ベルト2
9と同様であるが、図5においては該加圧ベルト59の
保持、引回しの方法が異なっている。即ち、加圧ベルト
59は、その内側に配された加圧パッド28により加熱
ロール50に押しつけられニップ部を形成しているが、
張架ロール等による張架はされず、テンションフリーの
状態になっている。
【0103】加熱ロール50は矢印B方向に回転し、そ
れにつれて加圧ベルト59も矢印C方向に従動回転し、
ガイド56により加圧ベルト59の回転の軌道が一定に
保持される。未定着トナー像24が形成された記録シー
ト25は矢印A方向に、上記定着装置のニップ部に挿通
され、加熱溶融および加圧されトナー像が定着される。
れにつれて加圧ベルト59も矢印C方向に従動回転し、
ガイド56により加圧ベルト59の回転の軌道が一定に
保持される。未定着トナー像24が形成された記録シー
ト25は矢印A方向に、上記定着装置のニップ部に挿通
され、加熱溶融および加圧されトナー像が定着される。
【0104】図5の定着装置は、加圧ベルト59の駆動
系が省略されているため、安価に製造でき、また装置の
小型化を図ることができる。
系が省略されているため、安価に製造でき、また装置の
小型化を図ることができる。
【0105】なお、本例においては、加熱ロール10、
50のみが本発明の定着部品である場合について説明し
たが、加圧ベルト29、59のみが本発明の定着部品で
ある場合であっても本発明の効果は発揮される。もちろ
ん、加熱ロール10、50と加圧ベルト29、59の双
方が本発明の定着部品であることが好ましい。加圧ベル
ト29、59が本発明の定着部品である場合の、該加圧
ベルト29、59の構成は、後述の図3における加熱ベ
ルト30と同様である。
50のみが本発明の定着部品である場合について説明し
たが、加圧ベルト29、59のみが本発明の定着部品で
ある場合であっても本発明の効果は発揮される。もちろ
ん、加熱ロール10、50と加圧ベルト29、59の双
方が本発明の定着部品であることが好ましい。加圧ベル
ト29、59が本発明の定着部品である場合の、該加圧
ベルト29、59の構成は、後述の図3における加熱ベ
ルト30と同様である。
【0106】3.ベルト定着方式の定着装置 少なくとも表面が耐熱性および離型性を有する加熱ベル
トと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、
前記加熱ベルトを介して前記加圧部材に対向し加圧する
加圧ロールとを有し、加熱ベルトと加圧ロールとの間に
ニップ部が形成され、該ニップ部に未定着トナー像を有
する記録シートを挿通させ、熱および圧力を作用させて
前記記録シート上にトナー像を定着する加熱加圧型の定
着装置において、本発明の定着部品は、加熱ベルトおよ
び/または加圧ロールとして用いることができる。
トと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、
前記加熱ベルトを介して前記加圧部材に対向し加圧する
加圧ロールとを有し、加熱ベルトと加圧ロールとの間に
ニップ部が形成され、該ニップ部に未定着トナー像を有
する記録シートを挿通させ、熱および圧力を作用させて
前記記録シート上にトナー像を定着する加熱加圧型の定
着装置において、本発明の定着部品は、加熱ベルトおよ
び/または加圧ロールとして用いることができる。
【0107】図3は本方式の定着装置の一例を示す概略
断面図である。図3において、30は、耐熱性ベースフ
ィルム(例えばポリイミドフィルム等)の基体上にフッ
素樹脂およびエラストマーの混合物からなる離型層を形
成した、本発明の定着部品としての加熱ベルト(定着ベ
ルト)である。該加熱ベルト30に接するように加圧ロ
ール31が配され、加熱ベルト30と加圧ロール31と
の間にニップ部を形成している。加圧ロール31は、基
体31a上にシリコーンゴム等による弾性体層31bを
形成し、さらにその上層に環状フッ素樹脂およびエラス
トマーの混合物からなる離型層31cを形成した、本発
明の定着部品である。
断面図である。図3において、30は、耐熱性ベースフ
ィルム(例えばポリイミドフィルム等)の基体上にフッ
素樹脂およびエラストマーの混合物からなる離型層を形
成した、本発明の定着部品としての加熱ベルト(定着ベ
ルト)である。該加熱ベルト30に接するように加圧ロ
ール31が配され、加熱ベルト30と加圧ロール31と
の間にニップ部を形成している。加圧ロール31は、基
体31a上にシリコーンゴム等による弾性体層31bを
形成し、さらにその上層に環状フッ素樹脂およびエラス
トマーの混合物からなる離型層31cを形成した、本発
明の定着部品である。
【0108】加熱ベルト30内側には、加圧ロール31
と対向する位置に、例えば鉄製の圧力ロール33aと、
逆T字型をした圧力印加部材33bと、潤滑剤を含浸さ
せた金属パッド33cとからなる加圧部材33が配さ
れ、圧力印加部材33bが圧力ロール33aを介して加
熱ベルト30を加圧ロール31に押しつけ、前記ニップ
部にニップ圧が加わるようになっている。このとき圧力
印加部材33bは、金属パッド33cが圧力ロール33
aの内面を滑りながらニップ圧を印加している。なお、
圧力ロール33aの内面には潤滑性のある耐熱オイルが
コーティングされていることが好ましい。さらに加熱ベ
ルト30の内側には、加熱ベルト30のニップ部を加熱
するためのヒータランプ32が配されている。
と対向する位置に、例えば鉄製の圧力ロール33aと、
逆T字型をした圧力印加部材33bと、潤滑剤を含浸さ
せた金属パッド33cとからなる加圧部材33が配さ
れ、圧力印加部材33bが圧力ロール33aを介して加
熱ベルト30を加圧ロール31に押しつけ、前記ニップ
部にニップ圧が加わるようになっている。このとき圧力
印加部材33bは、金属パッド33cが圧力ロール33
aの内面を滑りながらニップ圧を印加している。なお、
圧力ロール33aの内面には潤滑性のある耐熱オイルが
コーティングされていることが好ましい。さらに加熱ベ
ルト30の内側には、加熱ベルト30のニップ部を加熱
するためのヒータランプ32が配されている。
【0109】圧力ロール33aに従動して加熱ベルト3
0は矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ロール31
も矢印C方向に従動回転する。未定着トナー像34が形
成された記録シート35は矢印A方向に、上記定着装置
のニップ部に挿通され、加熱溶融および加圧されトナー
像が定着される。
0は矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ロール31
も矢印C方向に従動回転する。未定着トナー像34が形
成された記録シート35は矢印A方向に、上記定着装置
のニップ部に挿通され、加熱溶融および加圧されトナー
像が定着される。
【0110】なお、本例においては、加熱ベルト30と
加圧ロール31との双方が本発明の定着部品である場合
について説明したが、加熱ベルト30と加圧ロール31
のうちの一方のみが本発明の定着部品である場合でも、
本発明の効果は発揮される。もちろん、双方が本発明の
定着部品であることが好ましい。
加圧ロール31との双方が本発明の定着部品である場合
について説明したが、加熱ベルト30と加圧ロール31
のうちの一方のみが本発明の定着部品である場合でも、
本発明の効果は発揮される。もちろん、双方が本発明の
定着部品であることが好ましい。
【0111】4.ベルト対方式の定着装置 少なくとも表面が耐熱性および離型性を有する加熱ベル
トと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、
前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形成する加圧ベルト
と、前記加熱ベルトおよび加圧ベルトのニップ部を介し
て前記加圧部材に対向し加圧する加圧ロールとを有し、
前記ニップ部に未定着トナー像を有する記録シートを挿
通させ、熱および圧力を作用させて前記記録シート上に
トナー像を定着する加熱加圧型の定着装置において、本
発明の定着部品は、加熱ベルトおよび/または加圧ベル
トとして用いることができる。
トと、前記加熱ベルトの内側より圧接する加圧部材と、
前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形成する加圧ベルト
と、前記加熱ベルトおよび加圧ベルトのニップ部を介し
て前記加圧部材に対向し加圧する加圧ロールとを有し、
前記ニップ部に未定着トナー像を有する記録シートを挿
通させ、熱および圧力を作用させて前記記録シート上に
トナー像を定着する加熱加圧型の定着装置において、本
発明の定着部品は、加熱ベルトおよび/または加圧ベル
トとして用いることができる。
【0112】図4は本方式の定着装置の一例を示す概略
断面図である。図4において、加熱ベルト(定着ベル
ト)40、ヒータランプ42および加圧部材43の構成
は、前記図3における定着装置の加熱ベルト(定着ベル
ト)30、ヒータランプ32および加圧部材33の構成
と同一である。従って、加熱ベルト40は、本発明の定
着部品としての加熱ベルト(定着ベルト)である。
断面図である。図4において、加熱ベルト(定着ベル
ト)40、ヒータランプ42および加圧部材43の構成
は、前記図3における定着装置の加熱ベルト(定着ベル
ト)30、ヒータランプ32および加圧部材33の構成
と同一である。従って、加熱ベルト40は、本発明の定
着部品としての加熱ベルト(定着ベルト)である。
【0113】加熱ベルト40に面で接するように加圧ベ
ルト49が配され、加熱ベルト40と加圧ベルト49と
の間にニップ部を形成している。加圧ベルト49は、加
熱ベルト40と同様の構成、即ち、本発明の定着部品で
ある。加圧ベルト49の内側には、加圧部材43と対向
する位置にシリコーンゴム等からなる加圧ロール48が
配され、前記ニップ部にニップ圧が加わるようになって
いる。
ルト49が配され、加熱ベルト40と加圧ベルト49と
の間にニップ部を形成している。加圧ベルト49は、加
熱ベルト40と同様の構成、即ち、本発明の定着部品で
ある。加圧ベルト49の内側には、加圧部材43と対向
する位置にシリコーンゴム等からなる加圧ロール48が
配され、前記ニップ部にニップ圧が加わるようになって
いる。
【0114】圧力ロール43aに従動して加熱ベルト4
0は矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ベルト49
も矢印C方向に従動回転する。未定着トナー像44が形
成された記録シート45は矢印A方向に、上記定着装置
のニップ部に挿通され、加熱溶融および加圧されトナー
像が定着される。
0は矢印B方向に回転し、それにつれて加圧ベルト49
も矢印C方向に従動回転する。未定着トナー像44が形
成された記録シート45は矢印A方向に、上記定着装置
のニップ部に挿通され、加熱溶融および加圧されトナー
像が定着される。
【0115】なお、本例においては、加熱ベルト40と
加圧ベルト49との双方が本発明の定着部品である場合
について説明したが、加熱ベルト40と加圧ベルト49
のうちの一方のみが本発明の定着部品である場合でも、
本発明の効果は発揮される。もちろん、双方が本発明の
定着部品であることが好ましい。
加圧ベルト49との双方が本発明の定着部品である場合
について説明したが、加熱ベルト40と加圧ベルト49
のうちの一方のみが本発明の定着部品である場合でも、
本発明の効果は発揮される。もちろん、双方が本発明の
定着部品であることが好ましい。
【0116】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(A)の調製 共通溶剤Xの調製 パーフロロブチルアミンにCF3CF2CH2OHとを、
前者と後者との混合比(重量)が98:2となるように
混ぜ、これを共通溶剤Xとした。
前者と後者との混合比(重量)が98:2となるように
混ぜ、これを共通溶剤Xとした。
【0117】フッ素樹脂(A1)の準備 官能基(−COOH基)を10重量%有する環状フッ素
樹脂(C6F10O)として、サイトップ(旭ガラス社製
CTL809M)を用意し、これをフッ素樹脂(A1)
とした。なお、上記サイトップは、前記一般式(3)お
よび一般式(4)の構造単位を有するフッ素樹脂であ
り、重量平均分子量は6万である。
樹脂(C6F10O)として、サイトップ(旭ガラス社製
CTL809M)を用意し、これをフッ素樹脂(A1)
とした。なお、上記サイトップは、前記一般式(3)お
よび一般式(4)の構造単位を有するフッ素樹脂であ
り、重量平均分子量は6万である。
【0118】部分加水分解縮合物溶液(A2)の調製 テトラメトキシシラン及びCF3(CF2)7CH2CH2
Si(OCH3)3をモル比1:0.5の割合でCF3C
F2CH2OH中に溶解させ、さらに硝酸と水とを加えた
後に室温で72時間反応させた。次いで、反応液をイオ
ン交換樹脂塔に通過させて硝酸を除去し、部分加水分解
縮合物溶液(A2)10重量部(濃度15重量%)を得
た。
Si(OCH3)3をモル比1:0.5の割合でCF3C
F2CH2OH中に溶解させ、さらに硝酸と水とを加えた
後に室温で72時間反応させた。次いで、反応液をイオ
ン交換樹脂塔に通過させて硝酸を除去し、部分加水分解
縮合物溶液(A2)10重量部(濃度15重量%)を得
た。
【0119】コーティング液(A)の調製 で準備したフッ素樹脂(A1)100重量部(樹脂換
算分)を、で調製した共通溶剤X1600重量部に添
加し、これにで調製した部分加水分解縮合物溶液(A
2)10重量部を加え、アミノフェニルトリメトキシシ
ラン2重量部の存在下でコーティング液(A)を調製し
た。このとき、当該溶液中のポリマー濃度が6重量%と
なるように調整した。
算分)を、で調製した共通溶剤X1600重量部に添
加し、これにで調製した部分加水分解縮合物溶液(A
2)10重量部を加え、アミノフェニルトリメトキシシ
ラン2重量部の存在下でコーティング液(A)を調製し
た。このとき、当該溶液中のポリマー濃度が6重量%と
なるように調整した。
【0120】(ii)加熱ロールの作製 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(A)を刷毛塗り法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、温度をゆっくりあげ、120℃のオーブ
ンで30分間コーティング液中の溶剤分を揮発させ、さ
らに250℃1時間のベークを行って、加熱ロールを作
製した。
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(A)を刷毛塗り法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、温度をゆっくりあげ、120℃のオーブ
ンで30分間コーティング液中の溶剤分を揮発させ、さ
らに250℃1時間のベークを行って、加熱ロールを作
製した。
【0121】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製。 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ロールと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、加圧ロ
ールを作製した。
作製。 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ロールと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、加圧ロ
ールを作製した。
【0122】(3)架橋度の測定 加熱ロール表面に形成されたフッ素樹脂からなる離型層
を一部(1cm2)剥ぎ取り、重量(αg)を測定し
た。当該離型層の一部を、50℃の共通溶剤X100m
l中に10分間浸漬し、その後200℃のオーブン中に
1時間置き、空冷して室温まで温度が下がってから再度
重量(βg)を測定し、元々の重さ(αg)に対する割
合(β/α×100)%を求めた。結果は95%であっ
た。
を一部(1cm2)剥ぎ取り、重量(αg)を測定し
た。当該離型層の一部を、50℃の共通溶剤X100m
l中に10分間浸漬し、その後200℃のオーブン中に
1時間置き、空冷して室温まで温度が下がってから再度
重量(βg)を測定し、元々の重さ(αg)に対する割
合(β/α×100)%を求めた。結果は95%であっ
た。
【0123】(4)定着装置 以上で得られた(1)の加熱ロール、および(2)の加
圧ロールを図1に示す定着装置の加熱ロール10、およ
び加圧ロール11として組み込んだ。図1を使用し、実
機評価を説明する。ヒータランプ12および13は、そ
れぞれ800Wおよび700Wのハロゲンランプとし、
加熱ロール10の表面の設定温度は、150℃とした。
加熱ロール10の回転速度は100mm/secとし、
加熱ロール10と加圧ロール11との間に形成されるニ
ップ幅は6mmに設定されている。18および19は、
それぞれインレットおよびアウトレットの、記録シート
15をスムーズに出入りさせるための平板状の各シュー
トである。離型剤オイルとして富士ゼロックス(株)製
カラーフューザーオイルを加熱ロール10と加圧ロール
11の両表面に1μl/(A4用紙サイズ)の量になる
ように供給した。
圧ロールを図1に示す定着装置の加熱ロール10、およ
び加圧ロール11として組み込んだ。図1を使用し、実
機評価を説明する。ヒータランプ12および13は、そ
れぞれ800Wおよび700Wのハロゲンランプとし、
加熱ロール10の表面の設定温度は、150℃とした。
加熱ロール10の回転速度は100mm/secとし、
加熱ロール10と加圧ロール11との間に形成されるニ
ップ幅は6mmに設定されている。18および19は、
それぞれインレットおよびアウトレットの、記録シート
15をスムーズに出入りさせるための平板状の各シュー
トである。離型剤オイルとして富士ゼロックス(株)製
カラーフューザーオイルを加熱ロール10と加圧ロール
11の両表面に1μl/(A4用紙サイズ)の量になる
ように供給した。
【0124】(5)評価試験 用紙剥離性評価試験 記録シート15として富士ゼロックス製J紙を用い、該
記録シート15に粉体トナーによる未定着トナー像14
をトナー密度が1.5mg/cm2になるように形成し
た。
記録シート15に粉体トナーによる未定着トナー像14
をトナー密度が1.5mg/cm2になるように形成し
た。
【0125】未定着トナー像14は、トナーとして富士
ゼロックスA Color 635用カラートナー(シ
アン色)にワックス(ポリプロピレンワックス)を5%
含有したものを使用し、不図示の電子写真装置の転写機
で形成した。用紙剥離性の評価は、記録シート15が加
熱ロール10からきれいに剥離するかどうかを官能的に
評価した。評価基準は以下の通りである。
ゼロックスA Color 635用カラートナー(シ
アン色)にワックス(ポリプロピレンワックス)を5%
含有したものを使用し、不図示の電子写真装置の転写機
で形成した。用紙剥離性の評価は、記録シート15が加
熱ロール10からきれいに剥離するかどうかを官能的に
評価した。評価基準は以下の通りである。
【0126】 ○:問題なくきれいに剥離する場合 △:剥離はするが、加熱ロール10にややつられてしま
う場合 ×:加熱ロール10に巻き付いてしまう場合 結果を表2に示す。表2に示すように用紙剥離性は良好
であった。
う場合 ×:加熱ロール10に巻き付いてしまう場合 結果を表2に示す。表2に示すように用紙剥離性は良好
であった。
【0127】ニップ跡残りの発生有無評価試験 定着装置の加熱ロール10と加圧ロール11とをラッチ
させニップを形成し、その状態のまま回転させる。この
時加熱ロール10の表面の設定温度は、200℃にして
おく。ニップに用紙(富士ゼロックス製J紙)を挿通
し、用紙が両ロール10,11間に挟まれた状態で、両
ロール10,11の回転をとめる。この状態で5秒間静
止した後、両ロール10,11を回転させ、用紙を排出
した後にニップを開放する。両ロール10,11を装置
から取り外し、両ロール10,11表面上にニップ跡が
残っているかを目視および顕微鏡によって判定する。両
ロール10,11の表層材料に耐熱性がない時は、フロ
ーして用紙の繊維模様が両ロール10,11表面に残
り、目視または顕微鏡により検出される。評価基準は以
下の通りである。
させニップを形成し、その状態のまま回転させる。この
時加熱ロール10の表面の設定温度は、200℃にして
おく。ニップに用紙(富士ゼロックス製J紙)を挿通
し、用紙が両ロール10,11間に挟まれた状態で、両
ロール10,11の回転をとめる。この状態で5秒間静
止した後、両ロール10,11を回転させ、用紙を排出
した後にニップを開放する。両ロール10,11を装置
から取り外し、両ロール10,11表面上にニップ跡が
残っているかを目視および顕微鏡によって判定する。両
ロール10,11の表層材料に耐熱性がない時は、フロ
ーして用紙の繊維模様が両ロール10,11表面に残
り、目視または顕微鏡により検出される。評価基準は以
下の通りである。
【0128】 ○:ニップ跡残りが全く検出されない場合 △:ニップ跡残りが目視では検出されないが、顕微鏡に
よりわずかに検出される場合 ×:ニップ跡残りが目視により検出される場合 結果を表2に示す。表2に示すようにニップ跡残りは検
出されなかった。
よりわずかに検出される場合 ×:ニップ跡残りが目視により検出される場合 結果を表2に示す。表2に示すようにニップ跡残りは検
出されなかった。
【0129】[実施例2] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(B)の調製 実施例1のコーティング液(A)の調製において、部分
加水分解縮合物溶液(A2)の添加量を10重量部から
40重量部に変更し、アミノフェニルトリメトキシシラ
ンの添加量を2重量部から4重量部に変更したことを除
いては、実施例1と同様にしてコーティング液(B)を
調製した。
加水分解縮合物溶液(A2)の添加量を10重量部から
40重量部に変更し、アミノフェニルトリメトキシシラ
ンの添加量を2重量部から4重量部に変更したことを除
いては、実施例1と同様にしてコーティング液(B)を
調製した。
【0130】(ii)加熱ロールの作製 実施例1の加熱ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(B)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
(A)をコーティング液(B)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
【0131】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(B)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(B)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
【0132】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は99.5%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は99.5%であった。
【0133】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
【0134】[実施例3] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(C)の調製 フッ素樹脂(C1)の準備 一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂と
して、THV200G(住友3M社製)を用意し、これ
をフッ素樹脂(C1)とする。なお、上記THV200
Gは、一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素
樹脂である。
して、THV200G(住友3M社製)を用意し、これ
をフッ素樹脂(C1)とする。なお、上記THV200
Gは、一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素
樹脂である。
【0135】コーティング液(C)の調製 で準備したフッ素樹脂(C1)100重量部を小型混
練器に入れ、架橋助剤としてのTAIC(Aldric
h社製)を1重量部加え、1時間混練した。混練後の上
記フッ素樹脂(C1)混練物20重量部に対し、MEK
200重量部を加え、攪拌しコーティング液(C)を調
製した。このとき、当該溶液中のポリマー濃度が9重量
%となるように調整した。
練器に入れ、架橋助剤としてのTAIC(Aldric
h社製)を1重量部加え、1時間混練した。混練後の上
記フッ素樹脂(C1)混練物20重量部に対し、MEK
200重量部を加え、攪拌しコーティング液(C)を調
製した。このとき、当該溶液中のポリマー濃度が9重量
%となるように調整した。
【0136】(ii)加熱ロール(未架橋状態)の作製 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(C)をディップ法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、100℃のオーブンで30分間コーティ
ング液中の溶剤分を揮発させ、加熱ロール(未架橋状
態)を作製した。
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(C)をディップ法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、100℃のオーブンで30分間コーティ
ング液中の溶剤分を揮発させ、加熱ロール(未架橋状
態)を作製した。
【0137】(iii)離型層の電子線架橋 電子線架橋装置として、岩崎電気製CB250/15改
造機(対象物たるロールを回転しながら電子線を照射で
きるように改造したもの)を用意した。上記得られた加
熱ロールに対し、前記電子線架橋装置を用い、加速電圧
150KV、電子電流4.0mA、および照射幅15c
mの照射条件で、照射線量が加熱ロール表面で10Mr
adとなる様に搬送速度を調節しながら電子線を照射
し、加熱ロール(架橋状態)を作製した。
造機(対象物たるロールを回転しながら電子線を照射で
きるように改造したもの)を用意した。上記得られた加
熱ロールに対し、前記電子線架橋装置を用い、加速電圧
150KV、電子電流4.0mA、および照射幅15c
mの照射条件で、照射線量が加熱ロール表面で10Mr
adとなる様に搬送速度を調節しながら電子線を照射
し、加熱ロール(架橋状態)を作製した。
【0138】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0139】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定において、共通溶剤XをMEK
に変更したことを除いては、実施例1と同様にして、加
熱ロール表面に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の
架橋度を測定した。結果は97%であった。
に変更したことを除いては、実施例1と同様にして、加
熱ロール表面に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の
架橋度を測定した。結果は97%であった。
【0140】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
【0141】[実施例4] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(D)の調製 実施例3のコーティング液(C)の調製において、架橋
助剤としての、TAIC(Aldrich社製)の添加
量を1重量部から3重量部に変更したことを除いては、
実施例3と同様にしてコーティング液(D)を調製し
た。
助剤としての、TAIC(Aldrich社製)の添加
量を1重量部から3重量部に変更したことを除いては、
実施例3と同様にしてコーティング液(D)を調製し
た。
【0142】(ii)加熱ロール(未架橋状態)の作製 実施例3の加熱ロールの作製において、コーティング液
(C)をコーティング液(D)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
(C)をコーティング液(D)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
【0143】(iii)離型層の電子線架橋 上記得られた加熱ロールに対し、実施例3と同様にし
て、電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製し
た。
て、電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製し
た。
【0144】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0145】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は98%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は98%であった。
【0146】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
【0147】[実施例5] (1)架橋性フッ素樹脂最外層を有する加熱ロールの作
製。 (i)コーティング液(E)の調製 フッ素樹脂(E1)の準備 実施例1と同じサイトップ(旭ガラス社製CTL809
M)を用意した。さらに、当該サイトップ100重量部
(樹脂換算分)に、フィラーとして富士見研磨剤(株)
社製SiC#10000(粒径0.3μm)を10重量
部添加し、攪拌して、これをフッ素樹脂(E1)とし
た。
製。 (i)コーティング液(E)の調製 フッ素樹脂(E1)の準備 実施例1と同じサイトップ(旭ガラス社製CTL809
M)を用意した。さらに、当該サイトップ100重量部
(樹脂換算分)に、フィラーとして富士見研磨剤(株)
社製SiC#10000(粒径0.3μm)を10重量
部添加し、攪拌して、これをフッ素樹脂(E1)とし
た。
【0148】コーティング液(E)の調製 で準備したフッ素樹脂(E1)110重量部を、実施
例1で調製した共通溶剤Xに添加し、これに実施例1で
調製した部分加水分解縮合物溶液(A2)40重量部を
加え、アミノフェニルトリメトキシシラン4重量部の存
在下でコーティング液(E)を調製した。このとき、当
該溶液中のポリマー濃度が6重量%となるように調整し
た。
例1で調製した共通溶剤Xに添加し、これに実施例1で
調製した部分加水分解縮合物溶液(A2)40重量部を
加え、アミノフェニルトリメトキシシラン4重量部の存
在下でコーティング液(E)を調製した。このとき、当
該溶液中のポリマー濃度が6重量%となるように調整し
た。
【0149】(ii)加熱ロールの作製 実施例1の加熱ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(E)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
(A)をコーティング液(E)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
【0150】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(E)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(E)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
【0151】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は97.5%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は97.5%であった。
【0152】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であり、また、ニップ跡残りは検
出されなかった。
【0153】[実施例6] (1)加熱ベルト(本発明の定着部品)の作製 基体として、厚み200μmのSUS製のエンドレスベ
ルト(幅340mm、周長200mm)を用意し、該エ
ンドレスベルトの外側の面に、弾性体層として、高熱伝
導性のゴム硬度40度のHTV系シリコーンゴムを0.
1mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上に、
実施例1で調製したコーティング液(A)を刷毛塗り法
にて塗布し、最外層としての離型層(乾燥膜厚として2
0μm)を形成した。その後、温度をゆっくりあげ、1
20℃のオーブンで30分間コーティング液中の溶剤分
を揮発させ、さらに250℃1時間のベークを行って、
加熱ベルトを作製した。
ルト(幅340mm、周長200mm)を用意し、該エ
ンドレスベルトの外側の面に、弾性体層として、高熱伝
導性のゴム硬度40度のHTV系シリコーンゴムを0.
1mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上に、
実施例1で調製したコーティング液(A)を刷毛塗り法
にて塗布し、最外層としての離型層(乾燥膜厚として2
0μm)を形成した。その後、温度をゆっくりあげ、1
20℃のオーブンで30分間コーティング液中の溶剤分
を揮発させ、さらに250℃1時間のベークを行って、
加熱ベルトを作製した。
【0154】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製。 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度40度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ベルトと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、加圧ロ
ールを作製した。
作製。 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度40度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ベルトと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、加圧ロ
ールを作製した。
【0155】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定と同様にして、加圧ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は95%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は95%であった。
【0156】(4)定着装置 以上で得られた(1)の加熱ベルト、および(2)の加
圧ロールを図3に示す定着装置の加熱ベルト30、およ
び加圧ロール31として組み込んだ。図3を使用し、実
機評価を説明する。
圧ロールを図3に示す定着装置の加熱ベルト30、およ
び加圧ロール31として組み込んだ。図3を使用し、実
機評価を説明する。
【0157】圧力ロール33aは200μm厚の鉄製
(直径30mm、長さ350mm)であり、これは50
0W(×2個)のヒータランプ32により加熱される。
圧力ロール33aの表面の設定温度は、200℃とした
(加熱ベルト30を介してその温度は、減衰して記録シ
ート35に伝わる)。圧力ロール33aの内部からは、
逆T字型をした鋼鉄製の圧力印加部材33bが圧力ロー
ル33aを通して加圧ロール31に0.5〜10kg/
cm2(好ましくは1〜5kg/cm2)の圧力が加わ
り、ニップ幅10mmのニップを形成している(実際に
は、未定着トナー像34が形成された記録シート35が
矢印A方向から当該部分に近づいてくると、加熱ベルト
30と加圧ロール31とが接触しはじめ、ニップを形成
する構成となっている。)。圧力印加部材33bの先端
に位置する金属パッド33cには、潤滑剤を含んだ金属
を用いている。更に圧力ロール33aの内面には、潤滑
性のある耐熱オイル(ダイキン工業社製、デムナムグリ
ースS−100:フッ素オイル)が溝を埋めるようにコ
ーティングされている。
(直径30mm、長さ350mm)であり、これは50
0W(×2個)のヒータランプ32により加熱される。
圧力ロール33aの表面の設定温度は、200℃とした
(加熱ベルト30を介してその温度は、減衰して記録シ
ート35に伝わる)。圧力ロール33aの内部からは、
逆T字型をした鋼鉄製の圧力印加部材33bが圧力ロー
ル33aを通して加圧ロール31に0.5〜10kg/
cm2(好ましくは1〜5kg/cm2)の圧力が加わ
り、ニップ幅10mmのニップを形成している(実際に
は、未定着トナー像34が形成された記録シート35が
矢印A方向から当該部分に近づいてくると、加熱ベルト
30と加圧ロール31とが接触しはじめ、ニップを形成
する構成となっている。)。圧力印加部材33bの先端
に位置する金属パッド33cには、潤滑剤を含んだ金属
を用いている。更に圧力ロール33aの内面には、潤滑
性のある耐熱オイル(ダイキン工業社製、デムナムグリ
ースS−100:フッ素オイル)が溝を埋めるようにコ
ーティングされている。
【0158】(5)評価試験 用紙剥離性評価試験 記録シート35として富士ゼロックス製J紙を用い、該
記録シート35に粉体トナーによる未定着トナー像34
をトナー密度が1.5mg/cm2になるように形成し
た。
記録シート35に粉体トナーによる未定着トナー像34
をトナー密度が1.5mg/cm2になるように形成し
た。
【0159】未定着トナー像34は、トナーとして富士
ゼロックスA Color 635用カラートナー(シ
アン色)にワックス(ポリプロピレンワックス)を5%
含有したものを使用し、不図示の電子写真装置の転写機
で形成した。用紙剥離性の評価は、記録シート35が加
熱ベルト30からきれいに剥離するかどうかを官能的に
評価した。評価基準は以下の通りである。
ゼロックスA Color 635用カラートナー(シ
アン色)にワックス(ポリプロピレンワックス)を5%
含有したものを使用し、不図示の電子写真装置の転写機
で形成した。用紙剥離性の評価は、記録シート35が加
熱ベルト30からきれいに剥離するかどうかを官能的に
評価した。評価基準は以下の通りである。
【0160】 ○:問題なくきれいに剥離する場合 △:剥離はするが、加熱ベルト30にややつられてしま
う場合 ×:加熱ベルト30に巻き付いてしまう場合 結果を表2に示す。表2に示すように用紙剥離性は良好
であった。
う場合 ×:加熱ベルト30に巻き付いてしまう場合 結果を表2に示す。表2に示すように用紙剥離性は良好
であった。
【0161】ニップ跡残りの発生有無評価試験 定着装置の加熱ベルト30と加圧ロール31とをラッチ
させニップを形成し、その状態のまま回転させる。この
時加熱ベルト30の表面の設定温度は、200℃にして
おく。ニップに用紙(富士ゼロックス製J紙)を挿通
し、用紙が加熱ベルト30と加圧ロール31との間に挟
まれた状態で、加熱ベルト30および加圧ロール31の
回転をとめる。この状態で5秒間静止した後、加熱ベル
ト30および加圧ロール31を回転させ、用紙を排出し
た後にニップを開放する。加熱ベルト30および加圧ロ
ール31を装置から取り外し、加熱ベルト30および加
圧ロール31表面上にニップ跡が残っているかを目視お
よび顕微鏡によって判定する。これらの表層材料に耐熱
性がない時は、フローして用紙の繊維模様が表面に残
り、目視または顕微鏡により検出される。評価基準は実
施例1と同様である。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であった。
させニップを形成し、その状態のまま回転させる。この
時加熱ベルト30の表面の設定温度は、200℃にして
おく。ニップに用紙(富士ゼロックス製J紙)を挿通
し、用紙が加熱ベルト30と加圧ロール31との間に挟
まれた状態で、加熱ベルト30および加圧ロール31の
回転をとめる。この状態で5秒間静止した後、加熱ベル
ト30および加圧ロール31を回転させ、用紙を排出し
た後にニップを開放する。加熱ベルト30および加圧ロ
ール31を装置から取り外し、加熱ベルト30および加
圧ロール31表面上にニップ跡が残っているかを目視お
よび顕微鏡によって判定する。これらの表層材料に耐熱
性がない時は、フローして用紙の繊維模様が表面に残
り、目視または顕微鏡により検出される。評価基準は実
施例1と同様である。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であった。
【0162】[比較例1] (1)非架橋性フッ素樹脂離型層を有する加熱ロール
(比較用の定着部品)の作製 (i)コーティング液(F)の調製 実施例1で準備したフッ素樹脂(A1)に、溶剤として
パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)を加えて
樹脂濃度6重量%のコーティング液(F)を調製した。
(比較用の定着部品)の作製 (i)コーティング液(F)の調製 実施例1で準備したフッ素樹脂(A1)に、溶剤として
パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)を加えて
樹脂濃度6重量%のコーティング液(F)を調製した。
【0163】(ii)加熱ロールの作製 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(F)を刷毛塗り法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、温度をゆっくりあげ、120℃のオーブ
ンで30分間コーティング液中の溶剤分を揮発させ、さ
らに180℃1時間のベークを行って、非架橋性フッ素
樹脂離型層を有する加熱ロールを作製した。
mmφ、長さ400mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を3mmの厚さに被覆した。さらにこの弾性体層の上
に、コーティング液(F)を刷毛塗り法にて塗布し、最
外層としての離型層(乾燥膜厚として20μm)を形成
した。その後、温度をゆっくりあげ、120℃のオーブ
ンで30分間コーティング液中の溶剤分を揮発させ、さ
らに180℃1時間のベークを行って、非架橋性フッ素
樹脂離型層を有する加熱ロールを作製した。
【0164】(2)非架橋性フッ素樹脂離型層を有する
加圧ロール(比較用の定着部品)の作製 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ロールと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、非架橋
性フッ素樹脂離型層を有する加圧ロールを作製した。
加圧ロール(比較用の定着部品)の作製 基体として、アルミニウム製の円筒状ロール(外径50
mmφ、長さ390mm)を用意し、弾性体層として、
高熱伝導性のゴム硬度55度のHTV系シリコーンゴム
を1mmの厚さに被覆した。さらに、上記加熱ロールと
同じように、コーティング液(A)を20μmの厚さ
(乾燥膜厚)に形成し、同様のベークを行って、非架橋
性フッ素樹脂離型層を有する加圧ロールを作製した。
【0165】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定において、共通溶剤Xをパーフ
ロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)に変更したこと
を除いては、実施例1と同様にして、加熱ロール表面に
形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定し
ようとしたが、ほとんど溶けてしまい、架橋度は0%で
あった。
ロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)に変更したこと
を除いては、実施例1と同様にして、加熱ロール表面に
形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定し
ようとしたが、ほとんど溶けてしまい、架橋度は0%で
あった。
【0166】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは目視で検出され、追試と
して加熱ロール10の表面の設定温度を150℃にして
同様に試験を行ったが、同じようにニップ跡残りが目視
で検出された。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは目視で検出され、追試と
して加熱ロール10の表面の設定温度を150℃にして
同様に試験を行ったが、同じようにニップ跡残りが目視
で検出された。
【0167】[実施例7] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(G)の調製 実施例1のコーティング液(A)の調製において、部分
加水分解縮合物溶液(A2)の添加量を10重量部から
7重量部に変更し、アミノフェニルトリメトキシシラン
の添加量を2重量部から1重量部に変更したことを除い
ては、実施例1と同様にしてコーティング液(G)を調
製した。
加水分解縮合物溶液(A2)の添加量を10重量部から
7重量部に変更し、アミノフェニルトリメトキシシラン
の添加量を2重量部から1重量部に変更したことを除い
ては、実施例1と同様にしてコーティング液(G)を調
製した。
【0168】(ii)加熱ロールの作製 実施例1の加熱ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(G)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
(A)をコーティング液(G)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加熱ロールを作製した。
【0169】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(G)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
作製 実施例1の加圧ロールの作製において、コーティング液
(A)をコーティング液(G)に変更したことを除いて
は、実施例1と同様にして、加圧ロールを作製した。
【0170】(3)架橋度の測定 実施例1の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は93%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は93%であった。
【0171】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
【0172】[比較例2] (1)非架橋性フッ素樹脂離型層を有する加熱ロール
(比較用の定着部品)の作製 (i)コーティング液(H)の調製 実施例3で準備したフッ素樹脂(C1)20重量部に対
し、MEK200重量部を加え、攪拌しコーティング液
(H)を調製した。このとき、当該溶液中のポリマー濃
度が9重量%となるように調整した。
(比較用の定着部品)の作製 (i)コーティング液(H)の調製 実施例3で準備したフッ素樹脂(C1)20重量部に対
し、MEK200重量部を加え、攪拌しコーティング液
(H)を調製した。このとき、当該溶液中のポリマー濃
度が9重量%となるように調整した。
【0173】(ii)加熱ロール(非架橋状態)の作製 実施例3の加熱ロール(未架橋状態)の作製において、
コーティング液(C)をコーティング液(H)に変更し
たことを除いては、実施例3と同様にして、非架橋性フ
ッ素樹脂離型層を有する加熱ロールを作製した。
コーティング液(C)をコーティング液(H)に変更し
たことを除いては、実施例3と同様にして、非架橋性フ
ッ素樹脂離型層を有する加熱ロールを作製した。
【0174】(2)非架橋性フッ素樹脂離型層を有する
加圧ロール(比較用の定着部品)の作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
加圧ロール(比較用の定着部品)の作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0175】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
しようとしたところ、50℃のMEK100ml中に1
0分間浸漬したところで、完全に溶解してしまい、架橋
度は0%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
しようとしたところ、50℃のMEK100ml中に1
0分間浸漬したところで、完全に溶解してしまい、架橋
度は0%であった。
【0176】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行おうとしたが、加熱ロール10表面の温
度を150℃としたところ、加熱ロール10の離型層表
面が塑性流動してしまい、評価試験を続行することがで
きなかった。従って、比較例2で作製した加熱ロールお
よび加圧ロールの離型層は、耐熱性がないことがわかっ
た。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行おうとしたが、加熱ロール10表面の温
度を150℃としたところ、加熱ロール10の離型層表
面が塑性流動してしまい、評価試験を続行することがで
きなかった。従って、比較例2で作製した加熱ロールお
よび加圧ロールの離型層は、耐熱性がないことがわかっ
た。
【0177】[実施例8] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 実施例3の加熱ロールの作製において、未架橋状態まで
は実施例3と同様に加熱ロールを作製した。さらに、そ
の後、200℃1時間ベークを行い、離型層のフッ素樹
脂を熱架橋させた。
は実施例3と同様に加熱ロールを作製した。さらに、そ
の後、200℃1時間ベークを行い、離型層のフッ素樹
脂を熱架橋させた。
【0178】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と全く同じようにして、加圧ロー
ルを作製した。
作製 上記加熱ロールの作製と全く同じようにして、加圧ロー
ルを作製した。
【0179】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は30%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は30%であった。
【0180】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
【0181】[実施例9] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)加熱ロール(未架橋状態)の作製 実施例3の加熱ロール(未架橋状態)の作製において、
コーティング液(C)を比較例2で調製した架橋助剤を
含まないコーティング液(H)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
コーティング液(C)を比較例2で調製した架橋助剤を
含まないコーティング液(H)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
【0182】(ii)離型層の電子線架橋 上記得られた加熱ロールに対し、実施例3と同様にして
電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製した。
電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製した。
【0183】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0184】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は50%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は50%であった。
【0185】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
【0186】[実施例10] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 実施例3の加熱ロールの作製において、未架橋状態まで
は実施例3と全く同様に加熱ロールを作製し、離型層の
電子線架橋における照射線量を、加熱ロール表面で5M
rad(実施例3における場合の半分)となる様に搬送
速度を調節しながら電子線を照射し、他の条件は実施例
3と同様にして加熱ロール(架橋状態)を作製した。
は実施例3と全く同様に加熱ロールを作製し、離型層の
電子線架橋における照射線量を、加熱ロール表面で5M
rad(実施例3における場合の半分)となる様に搬送
速度を調節しながら電子線を照射し、他の条件は実施例
3と同様にして加熱ロール(架橋状態)を作製した。
【0187】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0188】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は90%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は90%であった。
【0189】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であった。一方、ニップ跡残りは
顕微鏡では検出されたものの、目視では検出されなかっ
た。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性は良好であった。一方、ニップ跡残りは
顕微鏡では検出されたものの、目視では検出されなかっ
た。
【0190】[実施例11] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 実施例3の加熱ロールの作製において、未架橋状態まで
は実施例3と同様に加熱ロールを作製し、離型層の電子
線架橋における照射線量を、加熱ロール表面で20Mr
ad(実施例3における場合の2倍)となる様に搬送速
度を調節しながら電子線を照射し、他の条件は実施例3
と同様にして加熱ロール(架橋状態)を作製した。
は実施例3と同様に加熱ロールを作製し、離型層の電子
線架橋における照射線量を、加熱ロール表面で20Mr
ad(実施例3における場合の2倍)となる様に搬送速
度を調節しながら電子線を照射し、他の条件は実施例3
と同様にして加熱ロール(架橋状態)を作製した。
【0191】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0192】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は93%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は93%であった。
【0193】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは顕微鏡では検出されたも
のの、目視では検出されなかった。
【0194】[実施例12] (1)加熱ロール(本発明の定着部品)の作製 (i)コーティング液(I)の調製 実施例3のコーティング液(C)の調製において、架橋
助剤としてのTAIC(Aldrich社製)の添加量
を、1重量部から5重量部に変更したことを除いては、
実施例3と同様にしてコーティング液(I)を調製し
た。
助剤としてのTAIC(Aldrich社製)の添加量
を、1重量部から5重量部に変更したことを除いては、
実施例3と同様にしてコーティング液(I)を調製し
た。
【0195】(ii)加熱ロール(未架橋状態)の作製 実施例3の加熱ロールの作製において、コーティング液
(C)をコーティング液(I)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
(C)をコーティング液(I)に変更したことを除いて
は、実施例3と同様にして、加熱ロール(未架橋状態)
を作製した。
【0196】(iii)離型層の電子線架橋 上記得られた加熱ロールに対し、実施例3と同様にし
て、電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製し
た。
て、電子線を照射し、加熱ロール(架橋状態)を作製し
た。
【0197】(2)加圧ロール(本発明の定着部品)の
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
作製 上記加熱ロールの作製と同様にして、加圧ロールを作製
した。
【0198】(3)架橋度の測定 実施例3の架橋度の測定と同様にして、加熱ロール表面
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は95%であった。
に形成されたフッ素樹脂からなる離型層の架橋度を測定
した。結果は95%であった。
【0199】(4)評価試験 実施例1と同様の定着装置を用い、実施例1と同様にし
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは検出されなかった。
て用紙剥離性評価試験、および、ニップ跡残りの発生有
無評価試験を行った。結果を表2に示す。表2に示すよ
うに用紙剥離性はスムーズではないものの、用紙は剥離
された。一方、ニップ跡残りは検出されなかった。
【0200】
【表2】
【0201】
【発明の効果】以上の如く、本発明に用いられる架橋性
のフッ素樹脂は、フッ素樹脂でありながら特殊な溶剤に
溶けるのものであり、他の溶媒に溶解したエラストマー
と混合して、適当な基材、例えば金属や耐熱性樹脂フィ
ルム、あるいはゴムなどの弾性体にもコーティングが可
能である。また、フィラーを含有できることから、耐磨
耗性にも非常に優れるという特徴を持ち、薄くコーテイ
ングできるので、高画質適性も併せ持つ。
のフッ素樹脂は、フッ素樹脂でありながら特殊な溶剤に
溶けるのものであり、他の溶媒に溶解したエラストマー
と混合して、適当な基材、例えば金属や耐熱性樹脂フィ
ルム、あるいはゴムなどの弾性体にもコーティングが可
能である。また、フィラーを含有できることから、耐磨
耗性にも非常に優れるという特徴を持ち、薄くコーテイ
ングできるので、高画質適性も併せ持つ。
【0202】そして、本発明に用いられる架橋性のフッ
素樹脂は、架橋させてあるので、耐熱特性に優れ、ニッ
プ跡残りなどの問題が発生しない。また、フッ素樹脂粒
子の脱落、剥がれによる耐磨耗性の低下という問題点が
ない。低温で加工できるので下地にゴムを用いた場合に
も、当該ゴムを痛めることがないといった利点もある。
さらに、容易にコーティングできるので、経済性に優れ
るという利点もある。また本発明の定着部品は、加熱ロ
ール型定着装置、あるいは、加熱ベルト型定着装置を構
成するロール、あるいは、ベルトに適用することによ
り、高画質・高耐磨耗・高離型性を併せ持つ定着装置を
提供することができる。
素樹脂は、架橋させてあるので、耐熱特性に優れ、ニッ
プ跡残りなどの問題が発生しない。また、フッ素樹脂粒
子の脱落、剥がれによる耐磨耗性の低下という問題点が
ない。低温で加工できるので下地にゴムを用いた場合に
も、当該ゴムを痛めることがないといった利点もある。
さらに、容易にコーティングできるので、経済性に優れ
るという利点もある。また本発明の定着部品は、加熱ロ
ール型定着装置、あるいは、加熱ベルト型定着装置を構
成するロール、あるいは、ベルトに適用することによ
り、高画質・高耐磨耗・高離型性を併せ持つ定着装置を
提供することができる。
【図1】 一般的な定着装置の構成例、および本発明の
定着部品が適用される定着装置の一例を示す概略断面図
である。
定着部品が適用される定着装置の一例を示す概略断面図
である。
【図2】 本発明の定着部品が適用される定着装置の他
の一例を示す概略断面図である。
の一例を示す概略断面図である。
【図3】 本発明の定着部品が適用される定着装置の他
の一例を示す概略断面図である。
の一例を示す概略断面図である。
【図4】 本発明の定着部品が適用される定着装置の他
の一例を示す概略断面図である。
の一例を示す概略断面図である。
【図5】 本発明の定着部品が適用される定着装置の他
の一例を示す概略断面図である。
の一例を示す概略断面図である。
10、20、50:加熱ロール 11、31:加圧ロール 12、13、22、32、42、52:ヒータランプ 14、24、34、44、54:未定着トナー像 15、25、35、45、55:記録シート 16、26、56:離型剤塗布装置 27:ロール 28、58:加圧パッド 29、49、59:加圧ベルト 30、40:加熱ベルト(定着ベルト) 33、43:加圧部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 大輔 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA16 BA11 BB03 BB05 BB06 BB08 BB14 BB15 BB29 BB39 4J002 BD121 BD151 BD152 BD161 BD171 DA036 DE146 DF016 DJ006 DJ016 DK006 FA046 FA082 FA086 FD012 FD016 GM00
Claims (13)
- 【請求項1】 基体の外表面に、下記一般式(1)で表
される構造単位を有する環状のフッ素樹脂、または、下
記一般式(2)で表される構造単位を有するフッ素樹脂
からなり、かつ、フッ素樹脂が架橋構造を有する離型層
を有することを特徴とする電子写真用定着部品。 ・一般式(1) −C6F10O− ・一般式(2) 【化1】 上記一般式(2)中、m、nおよびpは、組成比を表
し、下記式を満たすものである。 0.15≦m≦0.45 0.15≦n≦0.25 0.35≦p≦0.65 - 【請求項2】 一般式(1)で表される構造単位が、下
記一般式(3)または一般式(4)で表される環状の構
造単位であることを特徴とする請求項1に記載の電子写
真用定着部品。 ・一般式(3) 【化2】 ・一般式(4) 【化3】 - 【請求項3】 前記離型層が、SiC、SiO2、B
N、Al2O3、TiN、CF、カーボン粒子、PFA粒
子、PTFE粒子からなる群より選ばれる少なくとも1
種以上の充填剤を含有してなることを特徴とする請求項
1または2に記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項4】 基体が、金属あるいはガラスからなる円
筒状ロールであることを特徴とする請求項1ないし3の
いずれか1に記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項5】 円筒状ロールと離型層との間に、耐熱性
のある弾性体層が形成されていることを特徴とする請求
項4に記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項6】 弾性体層が、シリコーンゴム、フロロシ
リコーンゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムからなる群より
選ばれる少なくとも1種の弾性体からなることを特徴と
する請求項5に記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項7】 基体が、金属あるいは耐熱性樹脂からな
るベルトであることを特徴とする請求項1ないし3に記
載の電子写真用定着部品。 - 【請求項8】 ベルトと離型層との間に、耐熱性のある
弾性体層が形成されていることを特徴とする請求項7に
記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項9】 弾性体層が、シリコーンゴム、フロロシ
リコーンゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムからなる群より
選ばれる少なくとも1種の弾性体からなることを特徴と
する請求項8に記載の電子写真用定着部品。 - 【請求項10】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ロールとを有し、前記ニップ部に未定
着トナー像を有する記録シートを通過させ、熱および圧
力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着する
加熱ロール型の定着装置であって、前記加熱ロールおよ
び/または加圧ロールが請求項4ないし6のいずれか1
に記載の電子写真用定着部品であることを特徴とする定
着装置。 - 【請求項11】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ロールと、前記加熱ロールと圧接しニップ
部を形成する加圧ベルトと、前記加圧ベルトを介して加
熱ロールに対向し加圧する加圧ロールとを有し、前記ニ
ップ部に未定着トナー像を有する記録シートを挿通さ
せ、熱および圧力を作用させて前記記録シート上にトナ
ー像を定着する加熱加圧型の定着装置であって、前記加
熱ロールが請求項4ないし6のいずれか1に記載の電子
写真用定着部品、および/または、前記加圧ベルトが請
求項7ないし9のいずれか1に記載の電子写真用定着部
品であることを特徴とする定着装置。 - 【請求項12】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトを介して前記加圧部材
に対向し加圧する加圧ロールとを有し、加熱ベルトと加
圧ロールとの間にニップ部が形成され、該ニップ部に未
定着トナー像を有する記録シートを挿通させ、熱および
圧力を作用させて前記記録シート上にトナー像を定着す
る加熱加圧型の定着装置であって、前記加熱ベルトが請
求項7ないし9のいずれか1に記載の電子写真用定着部
品、および/または、加圧ロールが請求項4ないし6の
いずれか1に記載の電子写真用定着部品であることを特
徴とする定着装置。 - 【請求項13】 少なくとも表面が耐熱性および離型性
を有する加熱ベルトと、前記加熱ベルトの内側より圧接
する加圧部材と、前記加熱ベルトと圧接しニップ部を形
成する加圧ベルトと、前記加熱ベルトおよび加圧ベルト
のニップ部を介して前記加圧部材に対向し加圧する加圧
ロールとを有し、前記ニップ部に未定着トナー像を有す
る記録シートを挿通させ、熱および圧力を作用させて前
記記録シート上にトナー像を定着する加熱加圧型の定着
装置であって、前記加熱ベルトおよび/または前記加圧
ベルトが請求項7ないし9のいずれか1に記載の電子写
真用定着部品であることを特徴とする定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11058776A JP2000259022A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 電子写真用定着部品、および定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11058776A JP2000259022A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 電子写真用定着部品、および定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000259022A true JP2000259022A (ja) | 2000-09-22 |
Family
ID=13093970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11058776A Pending JP2000259022A (ja) | 1999-03-05 | 1999-03-05 | 電子写真用定着部品、および定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000259022A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003015452A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-17 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び該定着装置を有するカラー画像形成装置 |
JP2003107944A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-11 | Konica Corp | 画像形成装置 |
JP2004206105A (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真装置用摺動部材、及びそれを用いた定着装置 |
WO2007013397A1 (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-01 | Daikin Industries, Ltd. | 硬化性組成物、それからなる成形品および成形品の製造方法 |
KR100723470B1 (ko) * | 2001-06-25 | 2007-05-30 | 삼성전자주식회사 | 불소치환 환상형 모노머를 포함하는 감광성 폴리머 및이를 포함하는 레지스트 조성물 |
JP2010211220A (ja) * | 2002-12-12 | 2010-09-24 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置 |
JP2011187626A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Sony Corp | 薄膜トランジスタおよび電子機器 |
JP2013020025A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Daikin Ind Ltd | 定着用ロール及び定着用ベルト |
JP2013235103A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-11-21 | Osaka Gas Co Ltd | ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー |
-
1999
- 1999-03-05 JP JP11058776A patent/JP2000259022A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100723470B1 (ko) * | 2001-06-25 | 2007-05-30 | 삼성전자주식회사 | 불소치환 환상형 모노머를 포함하는 감광성 폴리머 및이를 포함하는 레지스트 조성물 |
JP2003015452A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-17 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び該定着装置を有するカラー画像形成装置 |
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JP2004206105A (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真装置用摺動部材、及びそれを用いた定着装置 |
JP4683156B2 (ja) * | 2002-12-12 | 2011-05-11 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置 |
JP4543670B2 (ja) * | 2002-12-12 | 2010-09-15 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置 |
KR101004155B1 (ko) | 2005-07-26 | 2010-12-24 | 다이킨 고교 가부시키가이샤 | 경화성 조성물, 이를 포함하는 성형품 및 성형품의 제조방법 |
KR100950352B1 (ko) | 2005-07-26 | 2010-03-29 | 다이킨 고교 가부시키가이샤 | 경화성 조성물, 이를 포함하는 성형품 및 성형품의 제조 방법 |
WO2007013397A1 (ja) * | 2005-07-26 | 2007-02-01 | Daikin Industries, Ltd. | 硬化性組成物、それからなる成形品および成形品の製造方法 |
US8211964B2 (en) | 2005-07-26 | 2012-07-03 | Daikin Industries, Ltd. | Curable composition, molded article obtained from same and process for production of molded article |
JP4998267B2 (ja) * | 2005-07-26 | 2012-08-15 | ダイキン工業株式会社 | 硬化性組成物、それからなる成形品および成形品の製造方法 |
US9068057B2 (en) | 2005-07-26 | 2015-06-30 | Daikin Industries, Ltd. | Curable composition, molded article obtained from same and process for production of molded article |
JP2011187626A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Sony Corp | 薄膜トランジスタおよび電子機器 |
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JP2013235103A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-11-21 | Osaka Gas Co Ltd | ローラーの最表面用組成物、並びにそれを用いたローラーの最表面用部材及びローラー |
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