JP2013234787A - 床暖房装置の運転方法及び床暖房装置 - Google Patents

床暖房装置の運転方法及び床暖房装置 Download PDF

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Abstract

【課題】他の暖房装置と共に運転される場合でも、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房可能に運転し得る床暖房装置の運転方法及び床暖房装置を提供する。
【解決手段】基準温度プロファイルと基準環境温度を取得する学習運転工程、基準環境温度と実運転時環境温度との差分及び基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、予測温度プロファイルに基づいて、適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、床暖房手段Mを運転して、空間温度検出手段3の検出温度が判定用温度範囲内の場合は適正暖房状態であると判定し、検出温度が判定用温度範囲を超えている場合は、過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、運転状態判定工程における判定結果に基づいて、床暖房パネル1の加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、暖房対象空間の床部に設置されて、前記暖房対象空間を暖房すべく加熱作動する床暖房パネルを備えると共に、その床暖房パネルの加熱能力を調整可能な床暖房手段が設けられた床暖房装置の運転方法、及び、床暖房装置に関する。
かかる床暖房装置は、暖房対象空間の床部に設置した床暖房パネルを加熱作動させて、暖房対象空間の床面を加熱することにより、暖房対象空間を暖房するものであり、床暖房パネルの加熱能力が調整可能に構成されていて、その床暖房パネルの加熱能力を調整することにより、暖房対象空間の温度を調整可能なようになっている。
例えば、床暖房パネルに熱媒を通流させる熱媒通流管を蛇行状等の形態で埋入状態で設けて、熱源機により加熱した熱媒を熱媒通流管を通して床暖房パネルに循環させることにより、床暖房パネルを加熱作動させることになる。そして、この場合は、例えば、床暖房パネルに熱媒が間欠的に循環されるように構成されて、その間欠的に熱媒を循環させるデューティ比を複数段階に変更することにより、床暖房パネルの加熱能力が調整可能に構成される。説明を加えると、床暖房パネルへの熱媒の供給を断続可能な熱動弁を設けて、設定サイクル時間(例えば、20分間)のうちで熱動弁を開弁状態にする時間の割合を複数段階に変更することにより、熱媒を循環させるデューティ比を複数段階に変更することになる。
このような床暖房装置において、従来、床暖房パネルの加熱能力を変更調整する構成としては、人為操作により床暖房パネルの加熱能力の大小(例えば、複数段階のデューティ比のいずれか)を設定する手動操作式の加熱能力設定部が設けられ、その加熱能力設定部により設定された加熱能力に床暖房パネルの加熱能力を調整するように構成されたものがある。つまり、床暖房パネルの加熱能力が使用者の所望の加熱能力に調整される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−157591号公報
ところで、このような床暖房装置は、主に暖房対象空間の床面の温度を調整するためのものであるので、通常は、このような床暖房装置に加えて、主に暖房対象空間の空間温度を調整可能な他の暖房装置(例えば、ヒートポンプ式のエアコンや、ガスファンヒータ等)が設けられる。
そして、例えば、寒さが厳しい等の気候条件等によっては、床暖房装置と共に、他の暖房装置も運転される場合がある。
床暖房装置は主に暖房対象空間の床面の温度を調整するものであり、他の暖房装置は主に暖房対象空間の空間温度を調整するものであるので、床暖房装置と他の暖房装置とが共に運転されている場合に、暖房対象空間が過度に暖房されていても、使用者には認識し難いものである。又、使用者が暖房対象空間の暖房状態が過度であると認識したとしても、必ずしも、床暖房装置や他の暖房装置の暖房能力を弱める操作が行われるとは限らない。
従って、従来では、床暖房装置が他の暖房装置と共に運転された場合に、暖房対象空間の暖房状態が過度になっても、その過度な暖房状態を解消するための床暖房装置や他の暖房装置の操作が行われ難いので、省エネルギを図りながら、暖房対象空間の暖房状態の過不足を抑制して暖房対象空間を適正に暖房するように床暖房装置を運転する上で、改善の余地があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、他の暖房装置と共に運転される場合でも、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房可能に運転し得る床暖房装置の運転方法及び床暖房装置を提供することにある。
本発明に係る床暖房装置の運転方法は、暖房対象空間の床部に設置されて、前記暖房対象空間を暖房すべく加熱作動する床暖房パネルを備えると共に、その床暖房パネルの加熱能力を調整可能な床暖房手段が設けられた床暖房装置の運転方法であって、
その特徴構成は、前記暖房対象空間の温度を検出する空間温度検出手段と、
外気の温度又はその外気の温度に応じて変動する箇所の温度を環境温度として検出する環境温度検出手段とを設け、
前記暖房対象空間を暖房可能な他の暖房装置が運転されていない状態で、所定の基準加熱条件で定められた加熱能力にて前記床暖房手段を運転する学習運転を実行して、前記空間温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転の開始時点からの前記暖房対象空間の温度における時間経過に伴う推移である基準温度プロファイルを取得すると共に、前記環境温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転時の環境温度を基準環境温度として取得する学習運転工程、
前記床暖房手段を実運転させる前に、前記環境温度検出手段にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、前記基準環境温度と前記実運転時環境温度との差分及び前記基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、
前記予測温度プロファイルに基づいて、その予測温度プロファイルにおける前記床暖房手段の運転開始から所定の設定時間が経過した時点において、前記暖房対象空間の暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、
前記床暖房手段を前記基準加熱条件で運転して、運転開始後、前記所定の設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記判定用温度範囲を超えている場合は、前記暖房対象空間の暖房状態が過大な過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、
前記運転状態判定工程における判定結果に基づいて、前記床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、学習運転工程では、他の暖房装置が運転されていない状態で、床暖房手段を基準加熱条件で定められた加熱能力にて運転して、空間温度検出手段の検出情報に基づいて、基準温度プロファイルを取得すると共に、環境温度検出手段の検出情報に基づいて、基準環境温度を取得する。
次に、予測温度プロファイル導出工程では、床暖房手段を実運転させる前に、環境温度検出手段にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、基準環境温度と実運転時環境温度との差分及び基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する。
次に、温度範囲設定工程では、予測温度プロファイルに基づいて、床暖房手段の運転開始から所定の設定時間が経過した時点で、暖房対象空間の暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する。
次に、床暖房手段を基準加熱条件で運転して、運転状態判定工程では、運転開始後、設定時間が経過した時点の空間温度検出手段の検出温度に基づいて、その検出温度が判定用温度範囲内の場合は適正暖房状態であると判定し、その検出温度が判定用温度範囲を超えている場合は、暖房状態が過大な(即ち、過剰に暖房されている状態と同義である)過大暖房状態であると判定する。
そして、その運転状態判定工程における判定結果に基づいて、床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する。
つまり、他の暖房装置が運転されていない状態で、床暖房手段の運転を開始すると、空間温度検出手段の検出温度は、概ね予測温度プロファイルに沿って推移し、一方、他の暖房装置が運転されている状態で、床暖房手段の運転を開始すると、空間温度検出手段の検出温度は、予測温度プロファイルよりも高めの温度で予測温度プロファイルに沿って推移すると考えられる。
すると、床暖房手段の運転開始後、設定時間が経過した時点の空間温度検出手段の検出温度が判定用温度範囲を超えていて、過大暖房状態であると判定した場合は、他の暖房装置も共に運転されている可能性がある。そこで、そのような可能性がある場合は、他の暖房装置の暖房能力を低下する、床暖房パネルの加熱能力を低下する等、暖房対象空間を暖房する能力を低下する制御を実行すると、省エネルギを図りながらも、適正な暖房状態を維持することが可能となる。
従って、他の暖房装置と共に運転される場合でも、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房可能に運転し得る床暖房装置の運転方法を提供することができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記加熱能力制御の実行において、前記運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して前記床暖房手段の運転を継続する条件維持制御を実行し、前記運転状態判定工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は前記床暖房パネルの加熱作動を停止すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力低下制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、運転状態判定工程で適正暖房状態であると判定した場合は、基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して床暖房手段の運転を継続し、運転状態判定工程で過大暖房状態であると判定した場合は、床暖房パネルの加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は床暖房パネルの加熱作動を停止すべく床暖房手段の作動を制御する。
つまり、床暖房装置と共に他の暖房装置が運転されているか否か等により、運転暖房対象空間の暖房状態の程度が変化しても、その暖房状態の程度に応じて加熱能力を調整する形態で、床暖房手段を作動させることができるので、暖房対象空間を一層適正に暖房することができる。
従って、他の暖房装置と共に運転されるか否かに拘わらず、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房することができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記所定の設定時間として、運転開始後の最初の設定時間である第1設定時間が設定されており、
前記温度範囲設定工程としての初期温度範囲設定工程で、前記第1設定時間が経過した時点において前記適正暖房状態を判定するための初期判定用温度範囲を設定し、
前記運転状態判定工程としての前記第1設定時間が経過した時点における初期運転状態判定工程で、前記第1設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記適正暖房状態であると判定した場合は前記条件維持制御を実行し、前記過大暖房状態であると判定した場合は前記加熱能力低下制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、運転開始後の最初の設定時間である第1設定時間が経過した時点で、運転状態判定工程としての初期運転状態判定工程を実行して、適正暖房状態か過大暖房状態かを判定して、適正暖房状態であると判定した場合は条件維持制御を実行し、過大暖房状態であると判定した場合は加熱能力低下制御を実行する。
従って、床暖房手段の運転開始後、極力早く、過大暖房状態か否かを判定して、過大暖房状態と判定した場合は、加熱能力低下制御を実行するので、一層の省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房することができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過すると、
前記予測温度プロファイルに基づいて、前記第2設定時間が経過した時点において前記適正暖房状態を判定するための平常時判定用温度範囲を設定する平常時温度範囲設定工程、
前記第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記平常時判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記平常時判定用温度範囲を超えている場合は前記過大暖房状態であると判定する平常時運転状態判定工程を順に実行し、
前記初期運転状態判定工程及び前記平常時運転状態判定工程の両工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記他の暖房装置が運転されている状態であると判定する点にある。
即ち、初期運転状態判定工程で過大暖房状態であると判定して、加熱能力低下制御を実行したにも拘らず、その初期運転状態判定工程の後、第2設定時間が経過した時点の平常時運転状態判定工程でも、過大暖房状態であると判定した場合は、床暖房装置と共に他の暖房装置も運転されている可能性が極めて高いと考えられる。
そこで、上記特徴構成によれば、初期運転状態判定工程及び平常時運転状態判定工程の両工程で過大暖房状態であると判定した場合は、他の暖房装置が運転されている状態であると判定する。
そして、そのように他の暖房装置が運転されている状態であることを判定することにより、床暖房装置が他の暖房装置と共に運転されている状態に対応して、省エネルギを図るための処理を的確に行うことができる。
例えば、使用者に他の暖房装置が運転されているか否かの確認を促す情報を報知する処理を行うことにより、使用者に床暖房装置と共に他の暖房装置の運転されていることを認識させて、他の暖房装置の暖房能力を低下する等、省エネルギを図る対策が行われるようにすることができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過する毎に、前記平常時温度範囲設定工程、前記平常時運転状態判定工程を順に実行し、
前記平常時運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記条件維持制御を実行し、前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記加熱能力低下制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過する毎に、平常時温度範囲設定工程、前記平常時運転状態判定工程を順に実行して、平常時運転状態判定工程で適正暖房状態であると判定した場合は、条件維持制御を実行し、過大暖房状態であると判定した場合は、加熱能力低下制御を実行する。
従って、床暖房装置を運転している間中、他の暖房装置が運転されているか否かに拘わらず、暖房対象空間の暖房状態に応じて床暖房パネルの加熱能力を調整して、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
又、床暖房装置の運転開始後に、他の暖房装置が運転された場合でも、暖房対象空間の暖房状態に応じて床暖房パネルの加熱能力を調整して、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
ちなみに、この特徴構成を実施する場合は、空間温度検出手段の検出温度が略平衡となる温度平衡状態に達するまで学習運転を実行して、その学習運転中の空間温度検出手段の検出情報に基づいて、学習運転の開始時点から温度平衡状態に達するまでの期間の基準温度プロファイルを導出するようにするのが好ましい。
つまり、学習運転を実行した時間よりも長く床暖房装置を運転した場合でも、予測温度プロファイルにおける温度平衡状態の部分を、温度が平衡状態で推移するとして時間が進む方向に延ばすことにより、基準温度プロファイルを取得した時間よりも長い時間にわたって、床暖房装置の運転時間に応じて、予測温度プロファイルを導出することができる。
本発明に係る床暖房装置の更なる特徴構成は、前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の適正時予測到達温度に対して、高温側に所定の温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、
前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
前記適正時予測到達温度に対して、低温側に前記温度変化許容幅だけ低い温度に設定し、
前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の過大暖房時予測到達温度に対して、高温側に前記温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、
前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
前記過大暖房時予測到達温度に対して、低温側に前記温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ低い温度に設定する点にある。
上記特徴構成によれば、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、適正暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の空間温度検出手段の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象空間の温度が変化するとして、第2設定時間が経過した時点の温度を適正時予測到達温度として導出する。
そして、平常時判定用温度範囲の上限温度を、適正時予測到達温度に対して、高温側に所定の温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、その下限温度を、適正時予測到達温度に対して、低温側に前記温度変化許容幅だけ低い温度に設定する。
一方、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、過大暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の空間温度検出手段の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象空間の温度が変化するとして、第2設定時間が経過した時点の温度を過大時予測到達温度として導出する。
そして、平常時判定用温度範囲の上限温度を、過大暖房時予測到達温度に対して、高温側に温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、その下限温度を、過大暖房時予測到達温度に対して、低温側に温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ低い温度に設定する。
つまり、過大暖房状態であると判定した場合は、加熱能力低下制御を実行することになり、そして、加熱能力低下制御を実行すると、暖房対象空間の温度が低下傾向になる可能性があるが、他の暖房装置が運転されている可能性があるので、暖房対象空間の温度が上昇傾向になる可能性がある。
そこで、平常時温度範囲設定工程では、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において過大暖房状態であると判定した場合は、適正暖房状態であると判定した場合よりも、平常時判定用温度範囲における規準となる温度(適正時予測到達温度や過大時予測到達温度)と下限温度との温度幅を広く設定する。そのことにより、暖房対象空間の温度が一旦低下しても適正な温度に上昇する可能性があるにも拘らず、床暖房パネルの加熱能力を増大させるといった制御を行うのを回避することができる。
従って、暖房対象空間の温度が不安定化するのを回避して、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記初期運転状態判定工程において前記空間温度検出手段の検出温度が前記初期判定用温度範囲を下回って、前記暖房対象空間の暖房状態が過小な過小暖房状態であると判定した場合、及び、前記平常時運転状態判定工程において前記空間温度検出手段の検出温度が前記平常時判定用温度範囲を下回って前記過小暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力よりも増大すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力増大制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、初期運転状態判定工程において、空間温度検出手段の検出温度が初期判定用温度範囲を下回ると、過小暖房状態であると判定し、又、平常時運転状態判定工程において、空間温度検出手段の検出温度が平常時判定用温度範囲を下回ると、暖房状態が過小な(即ち、暖房が不足している状態と同義である)過小暖房状態であると判定する。
そして、初期運転状態判定工程において過小暖房状態であると判定したり、平常時運転状態判定工程において過小暖房状態であると判定すると、床暖房パネルの加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段の作動を制御する加熱能力増大制御を実行する。
つまり、環境温度検出手段にて実運転時環境温度を検出した後に、その実運転時環境温度の検出時点よりも暖房対象空間の暖房負荷が大きくなっても、床暖房パネルの加熱能力を増大して、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
例えば、床暖房装置の運転後に、外気温が環境温度検出手段にて環境温度を検出した時点よりも低下したり、床暖房装置の運転後に、暖房対象空間の窓や扉が僅かに開いたりして、暖房対象空間の暖房負荷が大きくなっても、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
本発明に係る床暖房装置の運転方法の更なる特徴構成は、前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記過小暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の過小暖房時予測到達温度に対して、低温側に所定の温度変化許容幅だけ低い温度に設定し、
前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
前記過小暖房時予測到達温度に対して、高温側に前記温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ高い温度に設定する点にある。
上記特徴構成によれば、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、過小暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の空間温度検出手段の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象空間の温度が変化するとして、第2設定時間が経過した時点の温度を過小暖房時予測到達温度として導出する。
そして、平常時判定用温度範囲の下限温度を、過小暖房時予測到達温度に対して、低温側に温度変化許容幅だけ低い温度に設定し、その上限温度を、過小暖房時予測到達温度に対して、高温側に温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ高い温度に設定する。
つまり、過小暖房状態であると判定した場合は、床暖房パネルの加熱能力を現在の加熱能力よりも上昇する加熱能力増大制御を実行するので、一旦は暖房対象空間の温度が上昇傾向になるが、やがて平衡状態になって適正な温度範囲に低下する可能性がある。
そこで、平常時温度範囲設定工程では、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において過小暖房状態であると判定した場合は、適正暖房状態であると判定した場合よりも、平常時判定用温度範囲における規準となる温度(適正時予測到達温度や過小暖房時予測到達温度)と上限温度との温度幅を広く設定する。そのことにより、暖房対象空間の温度が一旦上昇しても適正な温度に低下する可能性があるにも拘らず、床暖房パネルの加熱能力を低下させるといった制御を行うのを回避することができる。
従って、暖房対象空間の温度が不安定化するのを回避して、暖房対象空間を適正に暖房することができる。
本発明に係る床暖房装置は、暖房対象空間の床部に設置されて、前記暖房対象空間を暖房すべく加熱作動する床暖房パネルを備えると共に、その床暖房パネルの加熱能力を調整可能な床暖房手段が設けられた床暖房装置であって、
その特徴構成は、前記暖房対象空間の温度を検出する空間温度検出手段と、
外気の温度又はその外気の温度に応じて変動する箇所の温度を環境温度として検出する環境温度検出手段と、
運転を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記暖房対象空間を暖房可能な他の暖房装置が運転されていない状態で、所定の基準加熱条件で定められた加熱能力にて前記床暖房手段を運転する学習運転を実行して、前記空間温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転の開始時点からの前記暖房対象空間の温度における時間経過に伴う推移である基準温度プロファイルを取得すると共に、前記環境温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転時の環境温度を基準環境温度として取得する学習運転工程、
前記床暖房手段を実運転させる前に、前記環境温度検出手段にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、前記基準環境温度と前記実運転時環境温度との差分及び前記基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、
前記予測温度プロファイルに基づいて、その予測温度プロファイルにおける前記床暖房手段の運転開始から所定の設定時間が経過した時点において、前記暖房対象空間の暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、
前記床暖房手段を前記基準加熱条件で運転して、運転開始後、前記所定の設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記判定用温度範囲を超えている場合は、前記暖房対象空間の暖房状態が過大な過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、
前記運転状態判定工程における判定結果に基づいて、前記床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、制御手段は、上記の床暖房装置の運転方法についての特徴構成において説明したのと同様に、学習運転工程では、基準温度プロファイルを取得すると共に基準環境温度を取得し、予測温度プロファイル導出工程では、予測温度プロファイルを導出し、温度範囲設定工程では、判定用温度範囲を設定し、次いで、床暖房手段を基準加熱条件で運転して、運転状態判定工程では、適正暖房状態であるか過大暖房状態であるかを判定する。
そして、制御手段は、その運転状態判定工程における判定結果に基づいて、床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する。
つまり、上記の床暖房装置の運転方法についての特徴構成において説明したのと同様に考え方により、運転状態判定工程で過大暖房状態であると判定した場合は、他の暖房装置も共に運転されている可能性があり、そのような可能性がある場合は、他の暖房装置の暖房能力を低下する、床暖房パネルの加熱能力を低下する等、暖房対象空間を暖房する能力を低下する制御を実行することにより、省エネルギを図りながらも、適正な暖房状態を維持することが可能となる。
従って、他の暖房装置と共に運転される場合でも、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房可能に運転し得る床暖房装置を提供することができる。
本発明に係る床暖房装置の更なる特徴構成は、前記制御手段が、
前記加熱能力制御の実行において、前記運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して前記床暖房手段の運転を継続する条件維持制御を実行し、前記運転状態判定工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は前記床暖房パネルの加熱作動を停止すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力低下制御を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、制御手段は、運転状態判定工程で適正暖房状態であると判定した場合は、基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して床暖房手段の運転を継続し、運転状態判定工程で過大暖房状態であると判定した場合は、床暖房パネルの加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は床暖房パネルの加熱作動を停止すべく床暖房手段の作動を制御する。
つまり、床暖房装置と共に他の暖房装置が運転されているか否か等により、運転暖房対象空間の暖房状態の程度が変化しても、その暖房状態の程度に応じて自動的に加熱能力を調整する形態で、床暖房手段を作動させることができるので、暖房対象空間を一層適正に暖房することができる。
従って、他の暖房装置と共に運転されるか否かに拘わらず、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房することができる。
床暖房装置の全体概略構成を示すブロック図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 制御動作のフローチャートを示す図 基準温度プロファイルを示す図 予測温度プロファイルを示す図 初期判定用温度範囲の設定方法を説明する図 平常時判定用温度範囲の設定方法を説明する図 平常時判定用温度範囲の設定方法を説明する図 平常時判定用温度範囲の設定方法を説明する図
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本発明に係る床暖房装置FHは、暖房対象室R(暖房対象空間の一例)の床材(図示省略)の下方に設置されて、熱媒の通流により加熱作動する床暖房用パネル1と、その床暖房用パネル1に熱媒を循環供給する熱源機2と、暖房対象室R内の温度を検出する室温センサ3(空間温度検出手段の一例であり、図1に破線丸印で示す)と、外気の温度を環境温度として検出する外気温センサ4(環境温度検出手段の一例であり、図1に破線丸印で示す)と、この床暖房装置FHの運転を制御する制御手段としての制御部5と、その制御部5に運転制御情報を送信する遠隔操作式の操作部6等を備えて構成されている。
操作部6は暖房対象室R内に設けられて、その操作部6内に、室温センサ3が設けられ、又、熱源機2は屋外に設けられて、その熱源機2内に、外気温センサ4が設けられている。
暖房対象室R内には、本発明に係る床暖房装置FHとは別に、この暖房対象室Rを暖房可能な他の空調装置ACが設けられている。ちなみに、この他の空調装置ACとしては、例えば、ヒートポンプサイクルを備えて冷暖房が可能なヒートポンプ式のエアコンが設けられる。
次に、床暖房装置FHの各部について、説明を加える。
図1に示すように、床暖房パネル1は、パネル材11に熱媒通流管12が蛇行状に埋入状態で設けられて構成され、加熱された熱媒が熱媒循環路7を通して熱媒通流管12に通流されることにより加熱作動するように構成されている。
熱源機2は、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して、簡単に説明すると、この熱源機2は、熱媒加熱用の熱交換器を経由して熱媒を通流させる熱媒通流路、熱交換器を加熱するガスバーナ、そのガスバーナに燃焼用空気を供給する燃焼用送風機、及び、熱媒を熱媒通流路における熱媒送出用の出口に向けて流動させるように熱媒通流路に設けられた熱媒循環ポンプ等を備えて構成されている。
そして、図1に示すように、熱媒循環路7の熱媒往き管7fが熱媒通流路の熱媒送出用の出口に接続され、熱媒戻り管7rが熱媒通流路における熱媒戻し用の入口に接続されて、熱媒循環ポンプの通流作用により、熱交換器にてガスバーナの燃焼熱により所定の目標加熱温度(例えば、60℃)に加熱された熱媒が熱媒循環路7を通して床暖房パネル1に循環供給されるように構成されている。
熱媒往き管7fには、流路を開閉して熱媒の通流を断続する熱動弁8が設けられている。そして、この熱動弁8を所定の設定サイクル時間で開閉することにより、床暖房パネル1に熱媒を間欠的に循環供給するように構成されている。そして、そのように床暖房パネル1に熱媒を間欠的に循環供給するに当たって、熱動弁8の開弁時間のデューティ比を複数段階に変更することにより、床暖房パネル1の加熱能力を複数段階に調整する構成となっている。
そして、操作部6には、床暖房パネル1の加熱能力を複数段階のうちから択一的に選択して設定する手動操作式の加熱能力設定部61が設けられている。
例えば、設定サイクル時間が20分に設定され、開弁時間のデューティ比(開弁時間/設定時間)が、「18分/20分」、「16分/20分」、「14分/20分」、「12分/20分」、「10分/20分」、「8分/20分」、「6分/20分」の7段階に設定されている。
そして、操作部6の加熱能力設定部61は、7段階の開弁時間のデューティ比に個々に対応する「1」〜「7」の7段階(数字が大きいほ加熱能力が大きい)の加熱能力のうちから、任意の加熱能力を択一的に選択して設定可能に構成されている。
制御部5は、操作部6の加熱能力設定部61により設定された加熱能力に対応するデューティ比で、熱動弁8を開閉操作するように構成されていて、加熱能力設定部61により設定された加熱能力に対応するデューティ比で、床暖房パネル1に熱媒が間欠的に循環されることになる。
つまり、床暖房パネル1、その床暖房パネル1に熱媒を循環させるための熱媒循環路7、その熱媒循環路7を通して床暖房パネル1に加熱した熱媒を循環供給する熱源機2、並びに、床暖房パネル1への熱媒の循環供給を断続する熱動弁8等により、暖房対象室Rの床部に設置されて、暖房対象室Rを暖房すべく加熱作動する床暖房パネル1を備えると共に、その床暖房パネル1の加熱能力を調整可能な床暖房手段Mが構成されている。
次に、本発明による床暖房装置FHの運転方法について説明する。
この実施形態では、本発明による運転方法を制御部5に実行させるように構成されている。
即ち、制御部5は、暖房対象室Rを暖房可能な他の暖房装置ACが運転されていない状態で、所定の基準加熱条件で定められた加熱能力にて床暖房手段Mを運転する学習運転を実行して、室温センサ3の検出情報に基づいて、学習運転の開始時点からの暖房対象室Rの温度における時間経過に伴う推移である基準温度プロファイルを取得すると共に、外気温センサ4の検出情報に基づいて、学習運転時の環境温度を基準環境温度として取得する学習運転工程、
床暖房手段Mを実運転させる前に、外気温センサ4にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、基準環境温度と実運転時環境温度との差分及び基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、
その予測温度プロファイルに基づいて、その予測温度プロファイルにおける床暖房手段Mの運転開始から所定の設定時間が経過した時点において、暖房対象室Rの暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、
床暖房手段Mを基準加熱条件で運転して、運転開始後、所定の設定時間が経過した時点の室温センサ3の検出温度に基づいて、その検出温度が判定用温度範囲内の場合は適正暖房状態であると判定し、その検出温度が判定用温度範囲を超えている場合は、暖房対象室Rの暖房状態が過大な過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、
その運転状態判定工程における判定結果に基づいて、床暖房パネル1の加熱能力を制御する加熱能力制御を実行するように構成されている。
この実施形態では、制御部5が、学習運転を室温センサ3の検出温度が略平衡となる温度平衡状態に達するまで実行して、室温センサ3の検出情報に基づいて、学習運転の開始時点から温度平衡状態に達するまでの基準温度プロファイルを導出するように構成されている。
次に、制御部5の制御動作を説明する。
図1に示すように、操作部6には、先述の加熱能力設定部61の他に、この床暖房装置FHの通常運転(詳細は後述する)の開始及び停止を指令する通常運転スイッチ62、この床暖房装置FHを他の空調装置ACの運転状態に対応付けて運転するシンクロ運転(詳細は後述する)の開始及び停止を指令するシンクロ運転スイッチ63、学習運転を指令する学習運転スイッチ64、タイマー運転の開始時刻と停止時刻を設定するタイマー設定スイッチ65、及び、各種情報を表示するディスプレイ66等が設けられている。
制御部5は、通常運転スイッチ62により通常運転が指令されか、あるいは、通常運転スイッチ62により通常運転が指令された状態で、タイマー設定スイッチ65にて設定された開始時刻になると、熱源機2を作動させると共に、最初の1サイクルは、後のサイクルよりも高温のホットダッシュ用の目標加熱温度(例えば、70℃)に加熱した熱媒を設定サイクル時間の間連続して循環供給するホットダッシュ運転を実行した後、次のサイクルからは、加熱能力設定部61により設定された加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。
そして、制御部5は、通常運転の実行中に、通常運転スイッチ62により停止が指令されるか、あるいは、タイマー設定スイッチ65にて設定された停止時刻になることにより、運転停止が指令されると、熱源機2を停止させると共に熱動弁8を閉弁して床暖房手段Mを停止する。
この床暖房装置FHの使用者は、床暖房装置FHに学習運転を行わせるときには、学習運転スイッチ64により指令することになるが、使用者は、その指令の前に、操作部6の加熱能力設定部61により、その学習運転の際の床暖房パネル1の加熱能力を、シンクロ運転を行わせる際の床暖房パネル1の加熱能力と同じ加熱能力に設定する。
制御部5は、学習運転スイッチ64により学習運転が指令されると、学習運転を実行する。尚、学習運転を行う際の基準加熱条件として、最初の1サイクルは、ホットダッシュ運転を行い、次のサイクルからは、加熱能力設定部61により設定された加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する条件に定められている。
この学習運転における制御部5の制御動作を、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御部5は、予め設定された学習運転の開始時刻(例えば、午前2時)になると、学習運転の開始を許容する学習運転開始条件を満たすか否かを判定する(ステップ#1、2)。ステップ#2では、室温変化判定用の設定時間(例えば、5分間)の間、室温センサ3の検出温度の変化幅が平衡状態判定用変化幅(例えば、1℃)内であることが繰り返し2回確認されると、学習運転開始条件を満たすと判定する。
制御部5は、ステップ#2で学習運転開始条件を満たすと判定すると、床暖房手段Mを基準加熱条件で運転し、この基準加熱条件で運転している間、所定のサンプリング時間(例えば、1分間)毎に、室温センサ3により暖房対象室温度Trs(t)を検出すると共に、外気温センサ4により環境温度Tos(t)を検出する(ステップ#3〜5)。
次に、制御部5は、室温変化判定用の設定時間の間の室温センサ3の検出温度Trs(t)の変化幅が平衡状態判定用変化幅内になって、室温センサ3により検出される暖房対象室温度Trs(t)が略平衡となる温度平衡状態になったと判定すると、基準温度プロファイルTrs(t)を取得すると共に、基準環境温度Tos(ave)を取得し、次に、熱源機2を停止させると共に熱動弁8を閉弁することにより、床暖房手段Mを停止して学習運転を終了する(ステップ#6〜8)。
制御部5は、学習運転の間に室温センサ3により検出した時系列の暖房対象室温度Trs(t0〜te)を基準温度プロファイルTrs(t)として取得する。ちなみに、基準温度プロファイルTrs(t)を図示すると、図11に示す通りである。
又、制御部5は、学習運転の間に検出した時系列の環境温度Tos(t0〜te)を平均して、その平均値を基準環境温度Tos(ave)として取得する。
ここで、t0〜teは、t0、t1、t2、……………、te如き、サンプリング時間間隔で推移する時間を示す。つまり、Trs(t0〜te)は、Trs(t0)、Trs(t1)、Trs(t2)、……………、Trs(te)の時系列の複数のデータを示す。又、Tos(t0〜te)も、Tos(t0)、Tos(t1)、Tos(t2)、……………、Tos(te)の時系列の複数のデータを示す。
この床暖房装置FHの使用者は、床暖房装置FHにシンクロ運転を行わせる際には、シンクロ運転スイッチ63により指令することになるが、使用者がシンクロ運転スイッチ63によりシンクロ運転を指令すると、そのシンクロ運転での床暖房パネル1の加熱能力が、学習運転の際の加熱能力と同一の加熱能力に自動的に設定される。
制御部5は、シンクロ運転スイッチ63によりシンクロ運転が指令されるか、あるいは、シンクロ運転スイッチ63によりシンクロ運転が指令された状態で、タイマー設定スイッチ65にて設定された開始時刻になって、シンクロ運転の開始タイミングになるとシンクロ運転を実行する。
先ず、図3に示すフローチャートに基づいて、シンクロ運転全体の制御部5の概略制御動作を説明する。尚、第1設定時間ts1及び第2設定時間ts2は、夫々、前述したサンプリング時間よりも十分に長い時間に設定され、この実施形態では、第1設定時間ts1及び第2設定時間ts2共に、熱動弁8を周期的に開閉する設定サイクル時間と同じ時間(この実施形態では、20分間)に設定されている。
制御部5は、シンクロ運転の開始タイミングになると、予測温度プロファイル導出工程を実行して、予測温度プロファイルを導出し、続いて、初期温度範囲設定工程を実行して、初期判定用温度範囲を設定した後、床暖房手段Mの運転を基準加熱条件にて定められているホットダッシュ運転にて開始し、その開始後、第1設定時間ts1が経過すると、初期運転状態判定工程を実行すると共に、その判定結果に応じた条件にて床暖房手段Mを運転する加熱能力制御を実行する(ステップ#11〜17)。
続いて、制御部5は、第2設定時間ts2が経過すると、平常時温度範囲設定工程を実行して、平常時判定用温度範囲を設定し、次に、平常時運転状態判定工程を実行すると共に、その判定結果に応じた条件にて床暖房手段Mを運転する加熱能力制御を実行する(ステップ#18〜21)。
以降、制御部5は、シンクロ運転スイッチ63により停止が指令されるか、あるいは、タイマー設定スイッチ65にて設定された停止時刻になることにより、運転停止が指令されるまでは、第2設定時間ts2が経過する毎に、平常時温度範囲設定工程、平常時運転状態判定工程を順に実行すると共に、その判定結果に応じた条件にて床暖房手段Mを運転する加熱能力制御を実行し、運転停止が指令されると、熱源機2を停止させると共に、熱動弁8を閉弁して床暖房手段Mの運転を停止する(ステップ#22〜24)。
次に、シンクロ運転における各工程の制御動作について、説明を加える。
先ず、図4に示すフローチャートに基づいて、予測温度プロファイル導出工程及び初期温度範囲設定工程について、説明を加える。
制御部5は、予測温度プロファイル導出工程では、このシンクロ運転の開始時点の外気温センサ4の検出温度Tor(t0)を実運転時環境温度として検出し、学習運転の間に検出した時系列の暖房対象室温度Trs(t0〜te)夫々に、実運転時環境温度Tor(t0)から基準環境温度Tos(ave)を減じた差を加える(差が負の場合は、結果的に減じることになる)ことにより、時系列の予測暖房対象室温度Tre(t0〜te)を求めて、その時系列の予測暖房対象室温度Tre(t0〜te)を予測温度プロファイルTre(t)とする(ステップ#31,32)。ちなみに、予測温度プロファイルを図示すると、図12に示す通りである。
制御部5は、初期温度範囲設定工程では、図13に示すように、予測温度プロファイルTre(t)において床暖房手段Mの運転開始から第1設定時間ts1が経過した時点の予測温度Tre(ts1)を求めると共に、その予測温度Tre(ts1)に温度変化許容幅ΔTを加えた温度を上限温度Tmaxとし、その予測温度Tre(ts1)から温度変化許容幅ΔTを減じた温度を下限温度Tminとする初期判定用温度範囲を設定する(ステップ#33)。ちなみに、温度変化許容幅ΔTは、例えば、1℃に設定される。
次に、図5に示すフローチャートに基づいて、初期運転状態判定工程、及び、その初期運転状態判定工程の判定結果に基づく加熱能力制御について、説明を加える。
床暖房手段Mの運転開始後、第1設定時間ts1経過した時点で、室温センサ3により、第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)を検出し、その暖房対象室温度Trr(ts1)と初期判定用温度範囲とを比較して、暖房状態を判定する(ステップ#41、42)。
ステップ#42で、第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)が初期判定用温度範囲内にあると判定した場合は、適正暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、基準加熱条件で定められている加熱能力(即ち、加熱能力設定部61にて設定されている加熱能力)に設定してリターンする(ステップ#43、44)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、基準加熱条件で定められている加熱能力(即ち、加熱能力設定部61にて設定されている加熱能力)に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、条件維持制御として、加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力に維持して床暖房手段Mの運転を継続する条件維持制御を実行する。
ステップ#42で、第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)が初期判定用温度範囲の上限温度Tmaxよりも高いと判定した場合は、過大暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を加熱停止に設定してリターンする(ステップ#45、46)する。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、熱動弁8を閉弁して、床暖房パネル1の加熱作動を停止する。即ち、加熱能力低下制御として、床暖房パネル1の加熱作動を停止すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力低下制御を実行する。
ステップ#42で、第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)が初期判定用温度範囲の下限温度Tminよりも低いと判定した場合は、過小暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、基準加熱条件で定められている加熱能力よりも1段上に設定してリターンする(ステップ#47,48)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、加熱能力設定部61にて設定されている加熱能力よりも1段上の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力増大制御として、加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行する。
次に、図6〜図8に示すフローチャートに基づいて、最初の平常時温度範囲設定工程、最初の平常時運転状態判定工程、及び、その最初の平常時運転状態判定工程の判定結果に基づく加熱能力制御について、説明を加える。
制御部5は、初期運転状態判定工程において適正暖房状態と判定した場合は(図6のステップ#50)、図14に示すように、室温センサ3により検出された第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)から予測温度プロファイルTre(t)に沿って暖房対象室Rの温度が変化したと仮定して、第1設定時間ts1の経過後から第2設定時間ts2が経過した時点(即ち、ts1+ts2の時間が経過した時点)の温度を、適正時予測到達温度Ta(+ts2)として導出する。ここで、記載を簡略化するため、以下の説明及び図面において、「ts1+ts2」を「+ts2」と略記する。
そして、その適正時予測到達温度Ta(+ts2)に温度変化許容幅ΔTを加えた温度を上限温度Tmaxとし、その適正時予測到達温度Ta(+ts2)から温度変化許容幅ΔTを減じた温度を下限温度Tminとする平常時判定用温度範囲を設定する(図6のステップ#51)。
制御部5は、初期運転状態判定工程において過大暖房状態と判定した場合は(図6のステップ#50)、図15に示すように、室温センサ3により検出された第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)から予測温度プロファイルTre(t)に沿って暖房対象室Rの温度が変化したと仮定して、第1設定時間ts1の経過後から第2設定時間ts2が経過した時点(即ち、ts1+ts2の時間が経過した時点)の温度を、過大時予測到達温度Tb(+ts2)として導出する。そして、その過大時予測到達温度Tb(+ts2)に温度変化許容幅ΔTを加えた温度を上限温度Tmaxとし、その過大時予測到達温度Tb(+ts2)から温度変化許容幅ΔTの2倍の温度幅を減じた温度を下限温度Tminとする平常時判定用温度範囲を設定する(図6のステップ#52)。
制御部5は、初期運転状態判定工程において過小暖房状態と判定した場合は(図6のステップ#50)、図16に示すように、室温センサ3により検出された第1設定時間ts1経過後の暖房対象室温度Trr(ts1)から予測温度プロファイルTre(t)に沿って暖房対象室Rの温度が変化したと仮定して、第1設定時間ts1の経過後から第2設定時間ts2が経過した時点(即ち、ts1+ts2の時間が経過した時点)の温度を、過小時予測到達温度Tc(+ts2)として導出する。そして、その過小時予測到達温度Tc(+ts2)に温度変化許容幅ΔTの2倍の温度幅を加えた温度を上限温度Tmaxとし、その適正時予測到達温度Tc(+ts2)から温度変化許容幅ΔTを減じた温度を下限温度Tminとする平常時判定用温度範囲を設定する(図6のステップ#53)。
制御部5は、初期運転状態判定工程において適正暖房状態と判定した場合、又は、過小暖房状態と判定した場合は、平常時運転状態判定工程では、第1設定時間ts1経過後、最初の第2設定時間ts2が経過した時点で、室温センサ3により、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)を検出し、その暖房対象室温度Trr(+ts2)と平常時判定用温度範囲とを比較して、暖房状態を判定する(図7のステップ#54、55)。
ステップ#55で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲内にあると判定した場合は、適正暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)と同じ加熱能力に設定する(図7のステップ#56、57)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルでのデューティ比と同じデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、条件維持制御として、加熱能力を現在の加熱能力に維持して床暖房手段Mの運転を継続する条件維持制御を実行する。
ステップ#55で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲の上限温度Tmaxよりも高いと判定した場合は、過大暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)よりも1段低い加熱能力に設定する(図7のステップ#58、5)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルの加熱能力よりも1段下の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力低下制御として、加熱能力を現在の加熱能力よりも低下すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力低下制御を実行する。
ステップ#55で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲の下限温度Tminよりも低いと判定した場合は、過小暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)よりも1段高い加熱能力に設定する(図7のステップ#60、61)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルの加熱能力よりも1段上の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力増大制御として、加熱能力を現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行する。
制御部5は、初期運転状態判定工程において過大暖房状態と判定した場合も、初期運転状態判定工程において適正暖房状態と判定した場合又は過小暖房状態と判定した場合と同様に、平常時運転状態判定工程を実行して、室温センサ3により、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)を検出し、その最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)と平常時判定用温度範囲とを比較して、暖房状態を判定する(図8のステップ#62、63)。
ステップ#63で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲内にあると判定した場合は、適正暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)と同じ加熱能力に設定してリターンする(図8のステップ#64、65)。初期運転状態判定工程で過大暖房状態と判定して、床暖房パネル1の加熱作動を停止しているので、次のサイクルの加熱能力制御では、熱動弁8の閉弁状態を維持して、加熱作動の停止状態を継続する。即ち、条件維持制御として、加熱能力を現在の加熱能力に維持して床暖房手段Mの運転を継続する条件維持制御を実行する。
ステップ#63で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲の上限温度Tmaxよりも高いと判定した場合は、過大暖房状態と判定して、他の暖房装置ACが運転されている状態であると判定し、続いて、他の暖房装置が運転されているか否かの確認を使用者に促すためのメッセージ、例えば、「他の暖房装置が運転されていませんか」の如きメッセージをディスプレイ66に表示し、続いて、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、加熱停止に設定してリターンする(図8のステップ#66〜69)。そして、初期運転状態判定工程で過大暖房状態と判定して、床暖房パネル1の加熱作動を停止しているので、次のサイクルの加熱能力制御では、熱動弁8の閉弁状態を維持して、加熱作動の停止状態を継続する。即ち、加熱能力低下制御として、床暖房パネル1の加熱作動を停止すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力低下制御を実行する。
ステップ#63で、最初の第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+ts2)が平常時判定用温度範囲の下限温度Tminよりも低いと判定した場合は、過小暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)よりも1段高い加熱能力に設定する(図8のステップ#70、71)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルの加熱能力よりも1段上の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力増大制御として、加熱能力を現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行する。
次に、図9及び図10に示すフローチャートに基づいて、2回目以降の平常時温度範囲設定工程、2回目以降の平常時運転状態判定工程、及び、その2回目以降の平常時運転状態判定工程の判定結果に基づく加熱能力制御について、説明を加える。尚、2回目以降の平常時温度範囲設定工程及び2回目以降の平常時運転状態判定工程は、運転開始後、第1設定時間ts1及び最初の第2設定時間ts2が経過した後に、更なる第2設定時間ts2が経過する毎(即ち、ts1+nts2(nは、2以上の自然数)の時間が経過する毎)に実行されることになる。ここで、記載を簡略化するため、以下の説明及び図面において、「ts1+nts2」を「+nts2」と略記する。
制御部5は、直前の平常時運転状態判定工程において適正暖房状態と判定した場合は、最初の平常時運転状態判定工程において適正暖房状態と判定した場合と同様に(図6のステップ#50、51)、平常時判定用温度範囲を設定する(図9のステップ#80、81)。
又、制御部5は、直前の平常時運転状態判定工程において過大暖房状態と判定した場合も、最初の平常時運転状態判定工程において過大暖房状態と判定した場合と同様に(図6のステップ#50、52)、平常時判定用温度範囲を設定する(図9のステップ#80、82)。
又、制御部5は、直前の平常時運転状態判定工程において過小暖房状態と判定した場合も(ステップ#80)、最初の平常時運転状態判定工程において過小暖房状態と判定した場合と同様に(図6のステップ#50、52)、平常時判定用温度範囲を設定する(図9のステップ#80、83)。
続いて、制御部5は、更なる第2設定時間ts2が経過した時点(即ち、ts1+nts2の時間が経過した時点)で、室温センサ3により、更なる第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+nts2)を検出し、その暖房対象室温度Trr(+nts2)と平常時判定用温度範囲とを比較して、暖房状態を判定する(図10のステップ#84、85)。
ステップ#85で、更なる第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+nts2)が平常時判定用温度範囲内にあると判定した場合は、適正暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)と同じ加熱能力に設定する(図10のステップ#86、87)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルでのデューティ比と同じデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、条件維持制御として、加熱能力を現在の加熱能力に維持して床暖房手段Mの運転を継続する条件維持制御を実行する。但し、直前のサイクルでは床暖房パネル1の加熱作動を停止している場合は、その停止状態を継続する。
ステップ#85で、更なる第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+nts2)が平常時判定用温度範囲の上限温度Tmaxよりも高いと判定した場合は、過大暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)よりも1段低い加熱能力に設定する(図10のステップ#88、89)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルの加熱能力よりも1段下の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力低下制御として、加熱能力を現在の加熱能力よりも低下すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力低下制御を実行する。但し、直前のサイクルの加熱能力が最下段の加熱能力の場合は、熱動弁8を閉弁して、床暖房パネル1の加熱作動を停止し、直前のサイクルでは床暖房パネル1の加熱作動を停止している場合は、その停止状態を継続する。
ステップ#85で、更なる第2設定時間ts2経過後の暖房対象室温度Trr(+nts2)が平常時判定用温度範囲の下限温度Tminよりも低いと判定した場合は、過小暖房状態と判定して、次のサイクルの床暖房パネル1の加熱能力を、直前のサイクルの加熱能力(現在の加熱能力に相当する)よりも1段高い加熱能力に設定する(図10のステップ#90、91)。そして、次のサイクルの加熱能力制御では、直前のサイクルの加熱能力よりも1段上の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。即ち、加熱能力増大制御として、加熱能力を現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行する。但し、直前のサイクルでは床暖房パネル1の加熱作動を停止している場合は、最下段の加熱能力に対応するデューティ比で熱動弁8を開閉操作する。
つまり、この実施形態では、制御部5が、加熱能力制御の実行において、運転状態判定工程で適正暖房状態であると判定した場合は、基準加熱条件に定められた加熱能力又は現在の加熱能力を維持して床暖房手段Mの運転を継続する条件維持制御を実行し、運転状態判定工程で過大暖房状態であると判定した場合は、床暖房パネル1の加熱能力を基準加熱条件に定められた加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は床暖房パネル1の加熱作動を停止すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力低下制御を実行するように構成されていることになる。
又、所定の設定時間として、運転開始後の最初の設定時間である第1設定時間ts1が設定されている。
そして、制御部5が、温度範囲設定工程としての初期温度範囲設定工程で、第1設定時間ts1が経過した時点において適正暖房状態を判定するための初期判定用温度範囲を設定し、運転状態判定工程としての第1設定時間ts1が経過した時点における初期運転状態判定工程で、第1設定時間ts1が経過した時点の室温センサ3の検出温度に基づいて、適正暖房状態であると判定した場合は条件維持制御を実行し、過大暖房状態であると判定した場合は加熱能力低下制御を実行するように構成されていることになる。
又、制御部5が、第1設定時間ts1の経過後、第2設定時間ts2が経過すると、
予測温度プロファイルに基づいて、第2設定時間ts2が経過した時点において適正暖房状態を判定するための平常時判定用温度範囲を設定する平常時温度範囲設定工程、
第2設定時間ts2が経過した時点の室温センサ3の検出温度に基づいて、その検出温度が平常時判定用温度範囲内の場合は適正暖房状態であると判定し、その検出温度が平常時判定用温度範囲を超えている場合は過大暖房状態であると判定する平常時運転状態判定工程を順に実行し、
初期運転状態判定工程及び1回目の平常時運転状態判定工程の両工程で過大暖房状態であると判定した場合は、他の暖房装置ACが運転されている状態であると判定するように構成されていることになる。
又、制御部5が、第1設定時間ts1の経過後、第2設定時間ts2が経過する毎に、平常時温度範囲設定工程、平常時運転状態判定工程を順に実行し、平常時運転状態判定工程で適正暖房状態であると判定した場合は、条件維持制御を実行し、過大暖房状態であると判定した場合は、加熱能力低下制御を実行するように構成されていることになる。
又、制御部5が、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、適正暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、平常時判定用温度範囲の上限温度Taxを、
第1設定時間ts1が経過した時点又は直前の第2設定時間ts2が経過した時点の室温センサ3の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象室Rの温度が変化した場合における第2設定時間ts2が経過した時点の適正時予測到達温度に対して、高温側に所定の温度変化許容幅ΔTだけ高い温度に設定し、
平常時判定用温度範囲の下限温度Tminを、
適正時予測到達温度に対して、低温側に温度変化許容幅ΔTだけ低い温度に設定し、
初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、過大暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、平常時判定用温度範囲の上限温度Taxを、
第1設定時間ts1が経過した時点又は直前の第2設定時間ts2が経過した時点の室温センサ3の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象室Rの温度が変化した場合における第2設定時間ts2が経過した時点の過大暖房時予測到達温度に対して、高温側に温度変化許容幅ΔTだけ高い温度に設定し、
平常時判定用温度範囲の下限温度Tminを、
過大暖房時予測到達温度に対して、低温側に温度変化許容幅ΔTよりも広い温度幅(この実施形態ではΔTの2倍)だけ低い温度に設定するように構成されていることになる。
又、制御部5が、初期運転状態判定工程において室温センサ3の検出温度が初期判定用温度範囲を下回って、暖房対象室Rの暖房状態が過小な過小暖房状態であると判定した場合、及び、平常時運転状態判定工程において室温センサ3の検出温度が平常時判定用温度範囲を下回って過小暖房状態であると判定した場合は、床暖房パネル1の加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行するように構成されていることになる。
又、制御部5が、初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、過小暖房状態であると判定した場合は、平常時温度範囲設定工程では、平常時判定用温度範囲の下限温度Tminを、
第1設定時間ts1が経過した時点又は直前の第2設定時間ts2が経過した時点の室温センサ3の検出温度から予測温度プロファイルに沿って暖房対象室Rの温度が変化した場合における第2設定時間ts2が経過した時点の過小暖房時予測到達温度に対して、低温側に温度変化許容幅ΔTだけ低い温度に設定し、
平常時判定用温度範囲の上限温度Tmaxを、
過小暖房時予測到達温度に対して、高温側に温度変化許容幅ΔTよりも広い温度幅(この実施形態ではΔTの2倍)だけ高い温度に設定するように構成されていることになる。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 温度範囲設定工程と運転状態判定工程を実行する形態は、上記の実施形態において説明した形態、即ち、運転開始後、第1設定時間が経過すると、初期温度範囲設定工程と初期運転状態判定工程とを実行し、更に、その第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過する毎に、平常時温度範囲設定工程と平常時運転状態判定工程とを繰り返し実行する形態に限定されるものではない。
例えば、初期温度範囲設定工程と初期運転状態判定工程だけを実行する形態でも良い。あるいは、初期温度範囲設定工程と初期運転状態判定工程とを実行した後に、平常時温度範囲設定工程と平常時運転状態判定工程とを1回だけを実行する形態でも良い。
(ロ) 学習運転の実行形態は、上記の実施形態において説明した形態、即ち、室温センサ3の検出温度が略平衡となる温度平衡状態に達するまで実行する形態に限定されるものではない。例えば、予め設定した設定時間が経過する間、実行しても良い。この場合、設定時間としては、温度平衡状態に達するまでの期間の間に対応する時間に設定しても良いし、温度平衡状態に達した後の期間に対応する時間に設定しても良い。
(ハ) 初期運転状態判定工程で過大暖房状態と判定したときの加熱能力低下制御としては、上記の実施形態において例示した制御、即ち、床暖房パネル1の加熱作動を停止させる制御形態に限定されるものではなく、例えば、床暖房パネル1の加熱能力を基準加熱条件で定められている加熱能力よりも低下すべく床暖房手段Mを制御する制御形態を採用することができる。
(ニ) 上記の実施形態では、初期運転状態判定工程や平常時運転状態判定工程で過小暖房状態であると判定すると、床暖房パネル1の加熱能力を現在の加熱能力よりも増大すべく床暖房手段Mの作動を制御する加熱能力増大制御を実行したが、このような加熱能力増大制御を省略しても良い。その場合は、暖房対象室Rの窓や扉が開いていないかを確認するのを使用者に促すためのメッセージ、例えば、「窓や扉が開いていませんか」の如きメッセージをディスプレイ66に表示しても良い。
(ホ) 平常時温度範囲設定工程で設定する平常時判定用温度範囲の設定する形態は、上記の実施形態で例示した形態に限定されるものではない。例えば、平常時判定用温度範囲の基準となる温度を、上記の実施形態では、第1設定時間ts1又は直前の第2設定時間ts2が経過した時点の室温センサ3の検出温度から予測温度プロファイルTre(t)に沿って暖房対象室Rの温度が変化したと場合における第2設定時間ts2が経過した時点の温度としたが、予測温度プロファイルTre(t)における第2設定時間ts2が経過した時点の温度としても良い。又、平常時判定用温度範囲の温度幅も、適宜変更設定することができる。
(ヘ) 床暖房パネル1の加熱源の具体例は、上記の実施形態において例示した例に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態のように、熱源機2にて加熱した熱媒を通流させる熱媒通流管12を床暖房パネル1の加熱源とする場合、熱源機2としては、ガスバーナを熱源とするものや、電気式のヒートポンプを熱源とするものを用いることができる。
又、電熱線等の電気式の加熱手段を床暖房パネル1の加熱源としても良い。
以上説明したように、他の暖房装置と共に運転される場合でも、省エネルギを図りながら暖房対象空間を適正に暖房可能に運転し得る床暖房装置の運転方法及び床暖房装置を提供することができる。
1 床暖房パネル
3 室温センサ(空間温度検出手段)
4 外気温センサ(環境温度検出手段)
5 制御部(制御手段)
AC 他の暖房装置
M 床暖房手段
R 暖房対象室(暖房対象空間)

Claims (10)

  1. 暖房対象空間の床部に設置されて、前記暖房対象空間を暖房すべく加熱作動する床暖房パネルを備えると共に、その床暖房パネルの加熱能力を調整可能な床暖房手段が設けられた床暖房装置の運転方法であって、
    前記暖房対象空間の温度を検出する空間温度検出手段と、
    外気の温度又はその外気の温度に応じて変動する箇所の温度を環境温度として検出する環境温度検出手段とを設け、
    前記暖房対象空間を暖房可能な他の暖房装置が運転されていない状態で、所定の基準加熱条件で定められた加熱能力にて前記床暖房手段を運転する学習運転を実行して、前記空間温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転の開始時点からの前記暖房対象空間の温度における時間経過に伴う推移である基準温度プロファイルを取得すると共に、前記環境温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転時の環境温度を基準環境温度として取得する学習運転工程、
    前記床暖房手段を実運転させる前に、前記環境温度検出手段にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、前記基準環境温度と前記実運転時環境温度との差分及び前記基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、
    前記予測温度プロファイルに基づいて、その予測温度プロファイルにおける前記床暖房手段の運転開始から所定の設定時間が経過した時点において、前記暖房対象空間の暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、
    前記床暖房手段を前記基準加熱条件で運転して、運転開始後、前記所定の設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記判定用温度範囲を超えている場合は、前記暖房対象空間の暖房状態が過大な過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、
    前記運転状態判定工程における判定結果に基づいて、前記床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する床暖房装置の運転方法。
  2. 前記加熱能力制御の実行において、前記運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して前記床暖房手段の運転を継続する条件維持制御を実行し、前記運転状態判定工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は前記床暖房パネルの加熱作動を停止すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力低下制御を実行する請求項1に記載の床暖房装置の運転方法。
  3. 前記所定の設定時間として、運転開始後の最初の設定時間である第1設定時間が設定されており、
    前記温度範囲設定工程としての初期温度範囲設定工程で、前記第1設定時間が経過した時点において前記適正暖房状態を判定するための初期判定用温度範囲を設定し、
    前記運転状態判定工程としての前記第1設定時間が経過した時点における初期運転状態判定工程で、前記第1設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記適正暖房状態であると判定した場合は前記条件維持制御を実行し、前記過大暖房状態であると判定した場合は前記加熱能力低下制御を実行する請求項2に記載の床暖房装置の運転方法。
  4. 前記第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過すると、
    前記予測温度プロファイルに基づいて、前記第2設定時間が経過した時点において前記適正暖房状態を判定するための平常時判定用温度範囲を設定する平常時温度範囲設定工程、
    前記第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記平常時判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記平常時判定用温度範囲を超えている場合は前記過大暖房状態であると判定する平常時運転状態判定工程を順に実行し、
    前記初期運転状態判定工程及び前記平常時運転状態判定工程の両工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記他の暖房装置が運転されている状態であると判定する請求項3に記載の床暖房装置の運転方法。
  5. 前記第1設定時間の経過後、第2設定時間が経過する毎に、前記平常時温度範囲設定工程、前記平常時運転状態判定工程を順に実行し、
    前記平常時運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記条件維持制御を実行し、前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記加熱能力低下制御を実行する請求項4に記載の床暖房装置の運転方法。
  6. 前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
    前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の適正時予測到達温度に対して、高温側に所定の温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、
    前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
    前記適正時予測到達温度に対して、低温側に前記温度変化許容幅だけ低い温度に設定し、
    前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
    前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の過大暖房時予測到達温度に対して、高温側に前記温度変化許容幅だけ高い温度に設定し、
    前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
    前記過大暖房時予測到達温度に対して、低温側に前記温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ低い温度に設定する請求項5に記載の床暖房装置の運転方法。
  7. 前記初期運転状態判定工程において前記空間温度検出手段の検出温度が前記初期判定用温度範囲を下回って、前記暖房対象空間の暖房状態が過小な過小暖房状態であると判定した場合、及び、前記平常時運転状態判定工程において前記空間温度検出手段の検出温度が前記平常時判定用温度範囲を下回って前記過小暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力よりも増大すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力増大制御を実行する請求項5又は6に記載の床暖房装置の運転方法。
  8. 前記初期運転状態判定工程又は直前の平常時運転状態判定工程において、前記過小暖房状態であると判定した場合は、前記平常時温度範囲設定工程では、前記平常時判定用温度範囲の下限温度を、
    前記第1設定時間が経過した時点又は直前の第2設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度から前記予測温度プロファイルに沿って前記暖房対象空間の温度が変化した場合における前記第2設定時間が経過した時点の過小暖房時予測到達温度に対して、低温側に所定の温度変化許容幅だけ低い温度に設定し、
    前記平常時判定用温度範囲の上限温度を、
    前記過小暖房時予測到達温度に対して、高温側に前記温度変化許容幅よりも広い温度幅だけ高い温度に設定する請求項7に記載の床暖房装置の運転方法。
  9. 暖房対象空間の床部に設置されて、前記暖房対象空間を暖房すべく加熱作動する床暖房パネルを備えると共に、その床暖房パネルの加熱能力を調整可能な床暖房手段が設けられた床暖房装置であって、
    前記暖房対象空間の温度を検出する空間温度検出手段と、
    外気の温度又はその外気の温度に応じて変動する箇所の温度を環境温度として検出する環境温度検出手段と、
    運転を制御する制御手段とが設けられ、
    前記制御手段が、
    前記暖房対象空間を暖房可能な他の暖房装置が運転されていない状態で、所定の基準加熱条件で定められた加熱能力にて前記床暖房手段を運転する学習運転を実行して、前記空間温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転の開始時点からの前記暖房対象空間の温度における時間経過に伴う推移である基準温度プロファイルを取得すると共に、前記環境温度検出手段の検出情報に基づいて、前記学習運転時の環境温度を基準環境温度として取得する学習運転工程、
    前記床暖房手段を実運転させる前に、前記環境温度検出手段にて検出される環境温度を実運転時環境温度として取得して、前記基準環境温度と前記実運転時環境温度との差分及び前記基準温度プロファイルに基づいて、予測温度プロファイルを導出する予測温度プロファイル導出工程、
    前記予測温度プロファイルに基づいて、その予測温度プロファイルにおける前記床暖房手段の運転開始から所定の設定時間が経過した時点において、前記暖房対象空間の暖房状態が適正である適正暖房状態を判定するための判定用温度範囲を設定する温度範囲設定工程、
    前記床暖房手段を前記基準加熱条件で運転して、運転開始後、前記所定の設定時間が経過した時点の前記空間温度検出手段の検出温度に基づいて、前記検出温度が前記判定用温度範囲内の場合は前記適正暖房状態であると判定し、前記検出温度が前記判定用温度範囲を超えている場合は、前記暖房対象空間の暖房状態が過大な過大暖房状態であると判定する運転状態判定工程を順に実行し、
    前記運転状態判定工程における判定結果に基づいて、前記床暖房パネルの加熱能力を制御する加熱能力制御を実行する床暖房装置。
  10. 前記制御手段が、
    前記加熱能力制御の実行において、前記運転状態判定工程で前記適正暖房状態であると判定した場合は、前記基準加熱条件で定められている加熱能力又は現在の加熱能力を維持して前記床暖房手段の運転を継続する条件維持制御を実行し、前記運転状態判定工程で前記過大暖房状態であると判定した場合は、前記床暖房パネルの加熱能力を前記基準加熱条件で定められている加熱能力若しくは現在の加熱能力よりも低下すべく又は前記床暖房パネルの加熱作動を停止すべく前記床暖房手段の作動を制御する加熱能力低下制御を実行する請求項9に記載の床暖房装置。
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