以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(床暖房装置10)
本実施形態に係る床暖房装置10の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る床暖房装置10の一例を示す概略図である。
図1に示される床暖房装置10は、床材102を加温すると共に、加温された床材102からの放射熱によって、室内104を暖房する装置である。本実施形態では、床暖房装置10が設置された室内104に、空調機100(他の暖房装置の一例)が設置されている。空調機100は、例えば、室内104の側壁109に取り付けられている。
なお、空調機100は、床面106からの高さH1が、例えば、2100mm程度となる位置に設置される。また、空調機100は、図2に示されるように、空調機100の側方に配置された側壁110からの距離L1が、例えば、1360mm程度となる位置に設置される。室内104の床面106から天井108までの高さHA(図1参照)は、例えば、2400mmである。また、室内104の広さは、例えば、6370mm(図2の符号D1参照)×3640mm(図2の符号W1参照)とされている。
床暖房装置10は、具体的には、図1に示されるように、加温部20と、操作部30と、室温センサ40と、制御装置60と、を備えている。以下、床暖房装置10の各部の構成について説明する。
(加温部20)
図1に示される加温部20は、床材102を加温する構成部分である。本実施形態では、加温部20は、温水式の加温部であり、例えば、床パネル22と、加熱機24と、循環管26と、を有している。
床パネル22は、床材102の下方側に配置されており、床材102に対して伝熱可能に接触している。循環管26は、床パネル22と加熱機24との間で、熱媒体としての温水を循環させる。加熱機24は、循環管26で循環する温水を加熱する。
加温部20では、加熱機24で加熱された温水が、循環管26によって、床パネル22と加熱機24との間を循環することで、床材102を加温する。
加熱機24は、循環管26で循環する温水を加熱する温度(以下、加熱温度という)及び温水の流量を複数段階に変更可能とされている。そして、加温部20では、温水の加熱温度及び流量を変更することで、床材102を加温する熱量(以下、加温熱量という)を複数段階に調整可能とされている。
加温部20の加温熱量(すなわち、温水の加熱温度及び流量)は、操作部30にて入力される設定温度に予め対応付けられている。例えば、設定温度a、b、c、dの各々に対して、加温熱量A、B、C、Dの各々が対応付けられている。この場合、例えば、設定温度a、b、c、dは、この順で高くなる温度であり、加温熱量A、B、C、Dは、この順で多くなる熱量である。
さらに、加温部20は、複数の運転モードを有している。具体的には、加温部20は、複数の運転モードとし、急熱運転モード、定常運転モード、及び控えめ運転モードを有している。
定常運転モードは、加温部20の定常運転時に実行される運転モードであり、急熱運転モードよりも床材102を加温する加温熱量が少ない運転モードである。定常運転モードでは、操作部30にて入力された設定温度に対応付けられた加温熱量にて、加温部20が床材102を加熱する。すなわち、定常運転モードは、設定温度を目標温度として、加温部20の運転を行うモードである。
急熱運転モードは、定常運転モードよりも床材102を加温する加温熱量が多い運転モードであり、開始運転モードの一例である。急熱運転モードでは、操作部30にて入力された設定温度に対応付けられた加温熱量よりも高い加温熱量にて、床材102を加温する。この結果、急熱運転モードでは、定常運転モードよりも高い温度に床材102が加温される。
控えめ運転モードは、定常運転モードよりも床材102を加温する加温熱量が少ない運転モードである。控えめ運転モードでは、操作部30にて入力された設定温度に対応付けられた加温熱量よりも低い加温熱量にて、床材102を加温する。この結果、控えめ運転モードでは、定常運転モードよりも低い温度に床材102が加温される。
このように、急熱運転モード、定常運転モード、及び控えめ運転モードは、操作部30にて入力された設定温度を基準にした運転モードである。さらに、加温部20は、操作部30にて入力された設定温度に関わらず、床材を加温する加温熱量を、定常運転モードにおける加温熱量から段階的に低下可能とされている。
(操作部30)
図1に示される操作部30は、床暖房装置10の使用者(以下、ユーザという)が各種の操作を行う構成部分である。ユーザによる操作としては、例えば、床暖房装置10のオンオフ操作、及び室温の設定操作などがある。
ユーザによる床暖房装置10のオンオフ操作によって、床暖房装置10の稼働、及び稼働の停止が決定される。すなわち、ユーザは、操作部30を通じて、床暖房装置10を稼働させる稼働指示、及び床暖房装置10の稼働を停止させる停止指示を入力可能となっている。
また、ユーザによる室温の設定操作によって、ユーザが所望する室温が設定される。すなわち、ユーザは、操作部30を通じて、所望の室温として、設定温度を入力可能となっている。
操作部30は、ユーザによって入力された指示(前述の稼働指示等)及び情報(設定温度の情報等)を制御装置60へ送信する。
本実施形態では、操作部30は、例えば、リモートコントローラーで構成される。この操作部30は、例えば、室内104の側壁109に設置される。また、操作部30は、床面106からの高さH2が、例えば1100mm程度となる位置に設置される。さらに、操作部30は、図2に示されるように、空調機100の側方に配置された側壁110からの距離L2が、例えば、4000mm程度となる位置に設置される。
(室温センサ40)
図1に示される室温センサ40は、検出部の一例であり、室内104の室温を検出するセンサである。室温センサ40は、例えば、操作部30に設けられている。したがって、室温センサ40は、床面106からの高さが、例えば、1100mm程度となる高さに設置される。
室温センサ40は、例えば、予め定められた所定の間隔で室内104の室温を検出し、検出した室温の情報を制御装置60へ送る。
(制御装置60)
制御装置60は、判定部の一例であり、加温部20の動作を制御する装置である。具体的には、制御装置60は、図3に示されるように、プロセッサ61と、メモリ62と、ストレージ63と、タイマー64と、カウンタ66と、を有している。
プロセッサ61としては、例えば、汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)が用いられる。なお、プロセッサの一例としては、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路で構成された専用のプロセッサであってもよい。
ストレージ63は、制御プログラム63A(図4参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ63は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
メモリ62は、プロセッサ61が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ61が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ61は、ストレージ63から制御プログラム63Aを含む各種プログラムをメモリ62に読み出し、メモリ62を作業領域としてプログラムを実行する。
タイマー64は、後述の基準時間などを計測するための計測部である。カウンタ66は、後述の基準回数などを計測するための計測部である。
制御装置60において、プロセッサ61は制御プログラム63Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのプロセッサ61とソフトウェア資源としての制御プログラム63Aの協働によって実現される機能構成について説明する。図4は、プロセッサ61の機能構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、制御装置60において、プロセッサ61は、制御プログラム63Aを実行することにより、取得部61A、及び運転制御部61Bとして機能する。
取得部61Aは、ユーザが操作部30を通じて入力した各種の指示及び情報を取得する機能部である。本実施形態では、取得部61Aは、少なくとも、ユーザが操作部30を通じて入力した稼働指示、及び設定温度の情報(以下、設定温度情報という)を取得する。また、取得部61Aは、室温センサ40が検出した室温の情報(以下、室温情報をという)を、室温センサ40から取得する。
運転制御部61Bは、加温部20の動作(すなわち運転状態)を制御する機能部である。本実施形態では、運転制御部61Bは、取得部61Aが取得した指示、及び室温センサ40の検出結果に基づき、加温部20の運転モードを選択して、加温部20を運転する。具体的には、運転制御部61Bは、以下のように、加温部20の運転状態を制御する。
運転制御部61Bは、取得部61Aが稼働指示を取得すると、急熱運転モードにて加温部20の運転を開始させる。
また、運転制御部61Bは、加温部20の運転開始後、室温センサ40が検出した室温における加温部20の運転開始から予め定められた第一基準時間経過した時の温度上昇幅が、予め定められた基準上昇幅以上である場合に、急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う。
なお、第一基準時間は、一例として、10分とされる。また、基準上昇幅は、一例として、4〜6℃の範囲で設定される。第一基準時間及び基準上昇幅は、予め設定され、第一基準時間及び基準上昇幅の情報は、ストレージ63に記憶されている。加温部20の運転開始からの経過時間は、タイマー64により計測される。
また、運転制御部61Bは、加温部20の運転開始後、室温センサ40が検出した室温における前記温度上昇幅が基準上昇幅未満である場合において、第一基準時間の経過時点から予め定められた第二基準時間経過した後に、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出した場合に、急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う。なお、「第二基準時間経過した後」には、第二基準時間経過した時点を含む概念である。
なお、第二基準時間は、一例として、10分とされる。すなわち、第二基準時間と第一基準時間とが、同じ時間とされている。第二基準時間は、予め設定され、第二基準時間の情報は、ストレージ63に記憶されている。第一基準時間の経過時点からの経過時間は、タイマー64により計測される。
また、運転制御部61Bは、第一基準時間の経過時点から第二基準時間経過した後に、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出した場合に、第二基準時間の経過時点から第二基準時間が経過する毎に、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出するか判定し、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出した場合に、急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う。
換言すれば、運転制御部61Bは、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出せず、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出する間は、控えめ運転を維持する制御を加温部20に対して行う。
また、運転制御部61Bは、運転開始の急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させた後、予め定められた基準経過時間を経過した場合に、定常運転モードに移行させる。
なお、基準経過時間は、一例として、30分とされる。基準経過時間は、予め設定され、基準経過時間の情報は、ストレージ63に記憶されている。運転開始の急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させた後の経過時間は、タイマー64により計測される。
また、運転制御部61Bは、定常運転モードへ移行させた後に、室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後、予め定められた基準期間(以下、基準期間Aという場合がある)において予め定められた基準回数(以下、基準回数Aという場合がある)、設定温度を超える室温を検出した場合に、空調機100が運転されていると判定する。また、運転制御部61Bは、空調機100が運転されていると判定した場合に、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させる制御を加温部20に対して行う。
なお、基準期間Aは、一例として、1分とされる。基準回数Aは、一例として、20回とされる。基準期間A及び基準回数Aは、予め設定され、基準期間A及び基準回数Aの情報は、ストレージ63に記憶されている。室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後の経過時間は、タイマー64により計測される。室温センサ40が設定温度を超える室温を検出した検出回数は、カウンタ66により計測される。
運転制御部61Bは、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させた後、室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後、基準期間Aにおいて基準回数A、設定温度を超える室温を再度検出した場合に、加温熱量を再度低下させる制御を加温部20に対して行う。
また、運転制御部61Bは、加温熱量を低下させた後、室温センサ40が、設定温度未満の室温を検出した後、予め定められた基準期間(以下、基準期間Bという場合がある)において予め定められた基準回数(以下、基準回数Bという場合がある)、設定温度未満の室温を検出した場合に、加温熱量を元に戻す制御を加温部20に対して行う。
なお、基準期間Bは、一例として、1分とされる。基準回数Bは、一例として、20回とされる。基準期間B及び基準回数Bは、予め設定され、基準期間B及び基準回数Bの情報は、ストレージ63に記憶されている。室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後の経過時間は、タイマー64により計測される。室温センサ40が設定温度を超える室温を検出した検出回数は、カウンタ66により計測される。
また、運転制御部61Bは、運転開始の急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させた後、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超える場合に、急熱運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う。
なお、基準低下幅は、一例として、−2.2℃/minとされる。基準低下幅は、予め設定され、基準低下幅の情報は、ストレージ63に記憶されている。
また、運転制御部61Bは、急熱運転モードへ移行させた後、室温センサ40が検出した室温における急熱運転モードへの移行から予め定められた第一基準時間経過した時の温度上昇幅が、予め定められた基準上昇幅以上である場合に、急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う。
なお、前述の第一基準時間、基準上昇幅、第二基準時間、基準経過時間、基準期間A、基準回数A、基準期間B、基準回数B及び基準低下幅等は、ユーザが操作部30を通じて設定変更可能な構成であってもよい。
(本実施形態に係る制御処理)
次に、本実施形態に係る制御処理の一例について説明する。本実施形態では、一例として、床暖房装置10の運転開始の際に実行される運転開始制御処理と、床暖房装置10の定常運転の際に実行される定常運転制御処理と、運転開始制御処理及び定常運転制御処理とは別個に実行される換気検知処理と、が行われる。
図5は、制御装置60によって実行される運転開始制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、制御装置60によって実行される定常運転制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、制御装置60によって実行される換気検知制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
運転開始制御処理、定常運転制御処理、及び換気検知処理は、プロセッサ61が、ストレージ63から制御プログラム63Aを読み出し、協働して実行することにより行なわれる。
(運転開始制御処理)
運転開始制御処理は、一例として、操作部30を通じて、床暖房装置10のオン操作が行われることで、実行が開始される。なお、床暖房装置10のオン操作の際には、例えば、所望の室温として、設定温度の入力が、操作部30を通じて行われる。
プロセッサ61は、図5に示されるように、急熱運転モードにて加温部20の運転を開始させる(ステップS102)。
次に、プロセッサ61は、加温部20の運転を開始してから第一基準時間(例えば、10分間)が経過したか否かを判定する(ステップS104)。
プロセッサ61は、第一基準時間が経過したと判定した場合に(ステップS104:YES)、ステップS106へ進む。一方、プロセッサ61は、第一基準時間が経過していないと判定した場合には(ステップS104:NO)、再度、ステップS104を行う。すなわち、プロセッサ61は、第一基準時間を経過するまで、ステップS104を繰り返す。
ステップS106では、プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における加温部20の運転開始から第一基準時間(例えば、10分間)経過した時の温度上昇幅が、基準上昇幅(例えば、4〜6℃の範囲で設定された温度)以上であるか否かを判定する。
プロセッサ61は、当該温度上昇幅が、基準上昇幅以上であると判定した場合に(ステップS106:YES)、空調機100が運転中であると判定し(ステップS108)、加温部20の運転モードを急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させ(ステップS110)、ステップS116へ進む。なお、空調機100が運転中であるとの判定自体(ステップS108)は、装置外部に明示されるものである必要ない。そして、控えめ運転モードへ移行させるステップS110の制御は、空調機100が運転中であることを想定して行われるものであるから、ステップS110の制御を行った結果、加温部20の運転モードが急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行した場合には、空調機100が運転中であるとの判定があったものとみなすことができる。
一方、プロセッサ61は、当該温度上昇幅が、基準上昇幅未満であると判定した場合に(ステップS106:NO)、ステップS112へ進む。ステップS112では、第一基準時間の経過時点から第二基準時間(例えば、10分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、第二基準時間が経過したと判定した場合に(ステップS112:YES)、ステップS114へ進む。一方、プロセッサ61は、第二基準時間が経過していないと判定した場合には(ステップS112:NO)、再度、ステップS112を行う。すなわち、プロセッサ61は、第二基準時間を経過するまで、ステップS112を繰り返す。
ステップS114では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度以上の室温を検出したと判定した場合に(ステップS114:YES)、空調機100が運転中であると判定し(ステップS108)、加温部20の運転モードを急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させ(ステップS110)、ステップS116へ進む。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したと判定した場合には(ステップS114:NO)、ステップS112へ戻る。
ステップS116では、プロセッサ61は、控えめ運転モードへ移行した時点から基準経過時間(例えば、30分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準経過時間が経過したと判定した場合に(ステップS116:YES)、加温部20の運転モードを控えめ運転モードから定常運転モードへ移行させ(ステップS118)、本処理を終了する。
一方、プロセッサ61は、基準経過時間が経過していないと判定した場合には(ステップS116:NO)、再度、ステップS116を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準経過時間を経過するまで、ステップS116を繰り返す。
なお、運転開始制御処理では、操作部30を通じて、床暖房装置10のオフ操作が行われた場合に、いずれのステップを実行しているかに関わらず、本処理を終了する。
(定常運転制御処理)
定常運転制御処理は、加温部20が定常運転モードへ移行して、運転開始制御処理が終了した後に実行が開始される。したがって、定常運転制御処理は、運転開始制御処理と直列に実行され、定常運転制御処理及び運転開始制御処理の一方が実行されている場合には他方が実行されない。
プロセッサ61は、図6に示されるように、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、プロセッサ61は、例えば、設定温度よりも2.2℃超の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したと判定した場合に(ステップS202:YES)、ステップS204へ移行する。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出していないと判定した場合には(ステップS202:NO)、再度、ステップS202を行う。すなわち、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出するまで、ステップS202を繰り返す。
ステップS204では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出してから基準期間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間が経過したと判定した場合に(ステップS204:YES)、ステップS206へ進む。一方、プロセッサ61は、基準期間が経過していないと判定した場合には(ステップS204:NO)、再度、ステップS204を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準期間を経過するまで、ステップS204を繰り返す。
ステップS206では、プロセッサ61は、基準期間において予め定められた基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したか否かを判定する(ステップS206)。
プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したと判定した場合に(ステップS206:YES)、空調機100が運転中であると判定し(ステップS208)、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から、例えば1段階低下させ(ステップS210)、ステップS212へ進む。なお、空調機100が運転中であるとの判定自体(ステップS208)は、装置外部に明示されるものである必要ない。そして、加温熱量を低下させるステップS210の制御は、空調機100が運転中であることを想定して行われるものであるから、ステップS210の制御を行った結果、加温部20において加温熱量の低下が生じた場合には、空調機100が運転中であるとの判定があったものとみなすことができる。
一方、プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出していないと判定した場合には(ステップS206:NO)、ステップS202へ戻る。
ステップS212では、プロセッサ61は、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させてから基準経過時間(例えば、30分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準経過時間が経過したと判定した場合に(ステップS212:YES)、ステップS214へ進む。
一方、プロセッサ61は、基準経過時間が経過していないと判定した場合には(ステップS212:NO)、再度、ステップS212を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準経過時間を経過するまで、ステップS212を繰り返す。
ステップS214では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したか否かを判定する。具体的には、プロセッサ61は、例えば、設定温度よりも2.2℃超の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したと判定した場合に(ステップS214:YES)、ステップS216へ移行する。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出していないと判定した場合には(ステップS214:NO)、ステップS240へ移行する。
ステップS240では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したと判定した場合に(ステップS240:YES)、ステップS242へ移行する。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出していないと判定した場合には(ステップS240:NO)、ステップS212へ戻る。
ステップS242では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出してから基準期間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間が経過したと判定した場合に(ステップS242:YES)、ステップS244へ進む。一方、プロセッサ61は、基準期間が経過していないと判定した場合には(ステップS242:NO)、再度、ステップS242を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準期間を経過するまで、ステップS242を繰り返す。
ステップS244では、プロセッサ61は、基準期間において予め定められた基準回数、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したと判定した場合に(ステップS244:YES)、定常運転モードに戻し(ステップS246)、ステップS202に戻る。すなわち、ステップS246では、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量に戻す。なお、ステップS246では、加温部20の加温熱量を1段階のみ戻す(上げる)構成であってもよい。
ステップS216では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出してから基準期間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間が経過したと判定した場合に(ステップS216:YES)、ステップS218へ進む。一方、プロセッサ61は、基準期間が経過していないと判定した場合には(ステップS216:NO)、再度、ステップS216を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準期間を経過するまで、ステップS216を繰り返す。
ステップS218では、プロセッサ61は、基準期間において予め定められた基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したか否かを判定する(ステップS218)。
プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出したと判定した場合に(ステップS218:YES)、空調機100が運転中であると判定し(ステップS220)、加温部20の加温熱量をさらに低下させ(ステップS222)、ステップS224へ進む。なお、空調機100が運転中であるとの判定自体(ステップS220)は、装置外部に明示されるものである必要ない。そして、加温熱量を低下させるステップS222の制御は、空調機100が運転中であることを想定して行われるものであるから、ステップS222の制御を行った結果、加温部20において加温熱量の低下が生じた場合には、空調機100が運転中であるとの判定があったものとみなすことができる。
一方、プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度を超える室温を検出していないと判定した場合には(ステップS218:NO)、ステップS212へ戻る。
ステップS224では、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量であるか否か判定する。最低熱量とは、加温部20において用いることが可能な加温熱量のうち、最も低い加温熱量である。
プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量であると判定した場合には(ステップS224:YES)、ステップS226へ進む。
一方、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量ではないと判定した場合には(ステップS224:NO)、ステップS212へ戻る。
ステップS226では、プロセッサ61は、加温熱量を最低熱量に低下させてから基準経過時間(例えば、30分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準経過時間が経過したと判定した場合に(ステップS226:YES)、ステップS228へ進む。
一方、プロセッサ61は、基準経過時間が経過していないと判定した場合には(ステップS226:NO)、再度、ステップS226を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準経過時間を経過するまで、ステップS226を繰り返す。
ステップS228では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したと判定した場合に(ステップS228:YES)、ステップS230へ移行する。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出していないと判定した場合には(ステップS228:NO)、ステップS226へ戻る。
ステップS230では、プロセッサ61は、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出してから基準期間(例えば、1分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間が経過したと判定した場合に(ステップS230:YES)、ステップS232へ進む。一方、プロセッサ61は、基準期間が経過していないと判定した場合には(ステップS230:NO)、再度、ステップS230を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準期間を経過するまで、ステップS230を繰り返す。
ステップS232では、プロセッサ61は、基準期間において予め定められた基準回数、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準期間において、基準回数、室温センサ40が設定温度未満の室温を検出したと判定した場合に(ステップS232:YES)、定常運転モードに戻し(ステップS234)、ステップS202に戻る。すなわち、ステップS234では、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量に戻す。
なお、定常運転制御処理では、操作部30を通じて、床暖房装置10のオフ操作が行われた場合に、いずれのステップを実行しているかに関わらず、本処理を終了する。
(換気検知処理)
換気検知処理は、例えば、床暖房装置10が設置された部屋において、窓開け等による換気によって生じる温度低下を検知し、加温部20の運転モードを制御するための処理である。換気検知処理は、例えば、加温部20が控えめ運転モードへ移行することで(ステップS110)、実行が開始され、運転開始制御処理及び定常運転制御処理の一方と並列に実行される。
プロセッサ61は、図7に示されるように、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超えるか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、ステップS302において、プロセッサ61は、室温センサ40にて、例えば、−2.2℃/minの室温を検出する否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超える場合には(ステップS302:YES)、換気検知処理と並列に実行される運転開始制御処理又は定常運転制御処理において、加温部20の運転モードを、ステップS102における急熱運転モードへ移行させる(ステップS304)。すなわち、プロセッサ61は、換気検知処理と並列に運転開始制御処理を実行している場合には、ステップS102に戻る。プロセッサ61は、換気検知処理と並列に定常運転制御処理を実行している場合には、定常運転制御処理の実行を終了し、運転開始制御処理の実行を開始する。プロセッサ61は、ステップS302を実行すると、本処理を終了する。
プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超えない場合には(ステップS302:NO)、再度、ステップS302を行う。すなわち、プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超えるまで、ステップS302を繰り返す。
なお、換気検知処理は、操作部30を通じて、床暖房装置10のオフ操作が行われた場合に、いずれのステップを実行しているかに関わらず、本処理を終了する。
(本実施形態に係る作用効果)
以上のように、本実施形態に係る床暖房装置10では、プロセッサ61は、加温部20の運転モードを定常運転モードへ移行させた後に、室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後、予め定められた基準期間において予め定められた基準回数、設定温度を超える室温を検出した場合に、空調機100が運転されていると判定する。(ステップS202:YES、ステップS204:YES、ステップS206:YES、S208参照)。
このため、加温部20を定常運転モードにて運転している際に、床暖房装置10と併用されている空調機100の運転状況を把握できる。
また、床暖房装置10では、プロセッサ61は、空調機100が運転されていると判定した場合に、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させる制御を加温部20に対して行う(ステップS210、S222参照)。
このため、空調機100が運転されていると判定した場合に、急熱運転モードを継続する構成に比べ、室温が床暖房装置10の設定温度を超えて上昇することが抑制される。
また、床暖房装置10では、プロセッサ61は、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させた後、室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後、基準期間において基準回数、設定温度を超える室温を再度検出した場合に、加温熱量を再度低下させる制御を加温部20に対して行う(ステップS214:YES、ステップS216:YES、ステップS218:YES、S220、S222参照)。
このため、室温センサ40が、設定温度を超える室温を検出した後、基準期間において基準回数、設定温度を超える室温を検出したか否かの判定が肯定された場合に、加温部20の加温熱量を維持する構成に比べ、室温が床暖房装置10の設定温度を超えて上昇することが抑制される。
また、床暖房装置10では、プロセッサ61は、加温熱量を定常運転モードにおける加温熱量から低下させた後、室温センサ40が、設定温度未満の室温を検出した後、基準期間において基準回数、設定温度未満の室温を検出した場合に、加温熱量を元に戻す制御を加温部20に対して行う(ステップS240:YES、ステップS242:YES、ステップS244:YES、S246参照)。
このため、室温センサ40が、設定温度未満の室温を検出した後、基準期間において基準回数、設定温度未満の室温を検出した場合に、加温熱量を低下させた状態を維持する構成に比べ、床暖房装置10と併用運転されていた空調機100の運転が停止された場合であっても、室温が床暖房装置10の設定温度を下回って低下することが抑制される。
また、床暖房装置10では、プロセッサ61は、運転開始の急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させた後、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超える場合に、急熱運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う(ステップS302:YES、ステップS304参照)。
このため、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超える場合に、現状の運転モードを維持する構成に比べ、例えば、窓開け等による換気によって急激な温度低下が生じた場合であっても、室温が床暖房装置10の設定温度を下回って低下することが抑制される。
また、床暖房装置10では、プロセッサ61は、加温部20の運転開始後、室温センサ40が検出した室温における加温部20の運転開始から予め定められた第一基準時間経過した時の温度上昇幅が、予め定められた基準上昇幅以上である場合に、急熱運転モードから控えめ運転モードへ移行させる制御を加温部20に対して行う(ステップS104:YES、ステップS106:YES、S108、S110参照)。
このため、当該温度上昇幅が基準上昇幅以上である場合において、急熱運転モードを継続する構成に比べ、室温が床暖房装置10の設定温度を超えて上昇することが抑制される。
(定常運転制御処理の変形例)
定常運転制御処理としては、図8に示されるフローにて処理を行ってもよい。以下、定常運転制御処理の変形例として、図8に示されるフローについて説明する。なお、図6に示されるフローと同じ部分には、同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
定常運転制御処理の変形例では、図8に示されるように、ステップS224では、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量であるか否か判定する。最低熱量とは、加温部20において用いることが可能な加温熱量のうち、最も低い加温熱量である。
プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量であると判定した場合には(ステップS224:YES)、ステップS402へ進む。
一方、プロセッサ61は、加温部20の加温熱量が、最低熱量ではないと判定した場合には(ステップS224:NO)、ステップS212へ戻る。
ステップS402では、プロセッサ61は、加温熱量を最低熱量に低下させてから基準経過時間(例えば、30分間)が経過したか否かを判定する。
プロセッサ61は、基準経過時間が経過したと判定した場合に(ステップS402:YES)、ステップS404へ進む。
一方、プロセッサ61は、基準経過時間が経過していないと判定した場合には(ステップS402:NO)、再度、ステップS402を行う。すなわち、プロセッサ61は、基準経過時間を経過するまで、ステップS402を繰り返す。
ステップS404では、プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超えるか否かを判定する。具体的には、ステップS3404において、プロセッサ61は、室温センサ40にて、例えば、−2.2℃/minの室温を検出する否かを判定する。
プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超える場合には(ステップS404:YES)、加温部20の加温熱量を上昇させ(ステップS406)、ステップS402へ戻る。ステップS406では、プロセッサ61は、例えば、加温部20の加温熱量を1段階上昇させる。さらに言えば、プロセッサ61は、ステップS406において、例えば、ステップS222にて低下させた分を上昇させる。
一方、プロセッサ61は、室温センサ40が検出した室温における単位期間あたりの温度低下が予め定められた基準低下幅を超えない場合には(ステップS404:NO)、ステップS224へ戻る。
(空調機100の変形例)
本実施形態では、他の暖房装置の一例として、空調機100が室内104に設置されていたが、これに限られない。他の暖房装置の一例としては、パネルヒータ、ガスファンヒータ、及びオイルヒータ等であってもよく、種々の暖房装置を用いることができる。
(加温部20の変形例)
本実施形態では、加温部20は、循環管26で循環する温水の加熱温度及び流量を変更することで、床材102の加温熱量を複数段階に調整可能とされていたが、これに限られない。例えば、加温部20は、循環管26で循環する温水の加熱温度及び流量の一方を変更することで、床材102の加温熱量を複数段階に調整する構成であってもよいし、温水の加熱温度及び流量に加えて又は替えて、その他の条件によって、床材102の加温熱量を複数段階に調整する構成であってもよい。
本実施形態では、加温部20は、温水式であったが、これに限られない。加温部20としては、電気式のものであってもよい。電気式の加温部では、例えば、床材102の下方側に配置した発熱体を通電により加温する構成が考えられる。この構成では、例えば、発熱体へ通電させる電力によって、床材102の加温熱量を複数段階に調整する構成とすることができる。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。