JP2013233582A - 微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法 - Google Patents

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Kazuhiko Takashima
Shigeru Nakajima
中島  茂
Takafumi Watanabe
孝文 渡辺
Seiichi Sugiyama
精一 杉山
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Abstract

【課題】被加工物の表面硬さが部分的に異なる場合でも微細凹部を均一に形成する機能を備えたうえで、設備費の低減や加工時間の短縮を実現することができる微細凹部加工装置及微細凹部加工方法を提供する。
【解決手段】微細凹部形成用の凹凸を有する加工ローラ1を被加工物Wに押付けて微細凹部を形成するローラ押圧機構2と、ローラ押圧機構2による加工ローラ1の押圧力を検出する荷重検出手段4と、被加工物Wに予め付与した表面硬さ判定用の情報Mを検出する情報検出手段5と、荷重検出手段4及び情報検出手段5の各検出信号に基づいてローラ押圧機構2による加工ローラ1の押圧力を制御する制御手段6を備えた。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンを構成するカムシャフトやクランクシャフトなどの各種摺動部品の表面に、油溜まりとして機能する微細凹部を形成するのに用いられる微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法に関するものである。
この種の微細凹部加工装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の微細凹部加工装置は、外周部に微細な凹凸を有する加工ローラを備え、この加工ローラを被加工物に押付けて転動させることにより、被加工物に多数の微細凹部を形成するものである。上記の微細凹部加工装置は、被加工物の表面硬さ分布を測定する渦電流式の非接触式検出器を備えており、この検出器で測定した表面硬さ分布情報などに基づいて、被加工物に対する加工ローラの押圧力をコントロールする。これにより、被加工物の熱処理条件などによって表面硬さが部分的に異なっている場合でも、微細凹部を均一に形成することができる。
特許第4587026号公報
ところが、上記したような従来の微細凹部加工装置にあっては、被加工物の表面硬さを測定するために渦電流式の非接触式検出器を用いていたため、装置が高価になると共に、表面硬さ測定に時間がかかるので加工時間全体が長くなるという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、被加工物の表面硬さが部分的に異なる場合でも微細凹部を均一に形成する機能を備えたうえで、設備費の低減や加工時間の短縮を実現することができる微細凹部加工装置及微細凹部加工方法を提供することを目的としている。
本発明に係る微細凹部加工装置は、微細凹部形成用の凹凸を有する加工ローラを被加工物に押付けて微細凹部を形成するローラ押圧機構と、ローラ押圧機構による加工ローラの押圧力を検出する荷重検出手段を備えている。そして、微細凹部加工装置は、被加工物に予め付与した表面硬さ判定用の情報を検出する情報検出手段と、荷重検出手段及び情報検出手段の各検出信号に基づいてローラ押圧機構による加工ローラの押圧力を制御する制御手段を備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
また、本発明に係る微細凹部加工方法は、被加工物に微細凹部を形成するに際し、被加工物に表面硬さ判定用の情報を付与する工程と、被加工物に付与した情報に基づいて被加工物に微細凹部を形成する工程を備えたことを特徴としている。
本発明に係る微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法によれば、被加工物の表面硬さが部分的に異なる場合でも微細凹部を均一に形成する機能を備えたうえで、設備費の低減や加工時間の短縮を実現することができる。
本発明に係る微細凹部加工装置の一実施形態を説明する側面図(A)及び正面図(B)である。 情報付与手段の一例を示す正面図(A)及び情報検出手段の一例を示す正面図(B)である。 加工ローラを説明する拡大図付の側面図である。 被加工物の表面硬さの分布を示す正面図(A)及びグラフ(B)である。 被加工物に形成した情報である線状痕を説明する正面図である。 本発明の微細凹部加工方法の基本構成を説明するフローチャートである。 図1に示す微細凹部加工装置を用いて被加工物に微細凹部を形成する場合の動作説明図(A)〜(F)である。 加工ローラの押圧力に対する被加工物の表面硬さと微細凹部の深さとの関係を示すグラフである。 本発明に係る微細凹部加工装置の他の実施形態を説明する側面図(A)及び正面図(B)である。
以下、図面に基づいて、本発明の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法の一実施形態を説明する。この実施形態では、被加工物Wが概略円柱状の部材であって、その外周面に多数の微細凹部を形成する。
図1及び図2に示す微細凹部加工装置は、概略として、外周部に微細凹部形成用の凹凸を有する加工ローラ1と、加工ローラ1の外周部を被加工物Wに押付けて微細凹部を形成するローラ押圧機構2と、被加工物Wを回転可能に保持するワーク保持手段3を備えている。
また、微細凹部加工装置は、ローラ押圧機構2による加工ローラ1の押圧力を検出する荷重検出手段4と、被加工物Wに予め形成した表面硬さ判定用の情報(M)を検出する情報検出手段5と、荷重検出手段4及び情報検出手段5の各検出信号に基づいてローラ押圧機構2による加工ローラ1の押圧力を制御する制御手段6を備えている。さらに、微細凹部加工装置は、より好ましい実施形態として、被加工物Wに表面硬さ判定用の情報(M)を付与する情報付与手段7を備えている。
加工ローラ1は、図3にも示すように、扁平なローラであって、その外周部に微細凹部形成用の凹凸を有している。この凹凸は、微細凹部の反転形状を有する微細凸部を円周方向に所定間隔で配列したものである。
ローラ押圧機構2は、ステッピングモータ11と、ステッピングモータ11で回転駆動されるボールねじ12により垂直方向(X方向)に移動するスライダ13と、スライダ13に固定したハウジング14を備えている。また、ローラ押圧機構2は、ハウジング14に収容したコイルスプリング15と、コイルスプリング15に上端を連結し且つ下端をハウジング14の下側に突出させたシャフト16と、シャフト16の下端に連結したアーム17を備えている。アーム17には、回転軸18を介して前記加工ローラ1が回転自在に装着してある。このアーム17は、加工ローラ1と一体で移動するローラ支持部である。
さらに、ローラ押圧機構2は、ハウジング14内におけるコイルスプリング15の上部に、加工ローラ1の押圧力を検出する荷重検出手段4が設けてある。この荷重検出手段4は、例えばロードセルであって、コイルスプリング15の反発力を加工ローラ1の押圧力として検出する。
ワーク保持手段3は、モータを内蔵した主軸台3Aと、回転駆動される主軸3B及びチャッキング部3Cを備えている。このワーク保持手段3は、チャッキング部3Cにより被加工物Wの端部を把持して、同被加工物Wをその軸線が水平になる状態に保持し、主軸3Bととも被加工物Wを軸線回りに回転させる。
本発明の微細凹部加工装置は、周知のNC工作機械を応用することができる。この場合、微細凹部加工装置は、NC工作機械の昇降ヘッドに前記ローラ押圧機構2を装着すると共に、NC工作機械のテーブルにワーク保持手段3を配置する。このとき、ローラ押圧機構2及びワーク保持手段3は、加工ローラ1の回転軸18と、加工ローラ1の下側で保持された被加工物Wの軸線とが、互いに平行になるように配置してある。
上記のNC工作機械において、ローラ押圧機構2は、昇降ヘッドとともに上下方向(X方向)に移動可能である。また、ワーク保持手段3は、テーブルとともに少なくとも被加工物Wの軸線方向(Z方向)に移動可能である。これにより、加工ローラ1と被加工物Wは、上下方向(X方向)及び水平方向(Z方向)に相対的に移動することができる。なお、NC工作機械においては、昇降ヘッドをステッピングモータ2の代わりにすることも可能である。
さらに、微細凹部加工装置は、NC工作機械の制御部を制御手段6として用いることが可能である。制御手段6は、荷重検出手段4、ステッピングモータ11及び主軸台3Aとの間で信号の出入力を行い、データの記憶や演算を行って、ステッピングモータ11及び主軸台3Aに指令を出力する。
ここで、本発明の微細凹部加工装置は、例えば、自動車用エンジンを構成するカムシャフトやクランクシャフトなどの摺動部品の表面に微細凹部を形成する。一般的に、この種の部品には高周波焼入れが施されており、高周波焼入れ後には研削又は旋削加工により表面が仕上げられている。
具体的には、上記摺動部品である被加工物Wは、図4(A)に示すように、外周面の中央部分(図中の網掛け部分)のみに焼入れが施されている。このため、被加工物Wの表面硬さの分布は、図4に示すように、焼入れ部の表面硬さに比べて、焼入れ部以外である未焼入れ部の表面硬さが極端に低くなっている。このような表面硬さ分布を有する被加工物Wに対し、加工ローラ1の押圧力を一定にして微細凹部を形成すると、微細凹部の形状や深さにばらつきが生じる。
そこで、本発明の微細凹部加工装置は、情報付与手段7により、被加工物Wに表面硬さ判定用の情報(M)を予め付与する。この実施形態の情報付与手段7は、図2(A)に示すように、アダプタ7Aに保持された針状の工具7Bを備えている。アダプタ7Aは、先のNC工作機械の昇降ヘッドに装着することができる。工具7Bは、被加工物Wの焼入れ部の硬さよりも低く且つ未焼入れ部の硬さよりも高い硬度の材料から成るものである。
上記の情報付与手段7は、工具7Bで被加工物Wを軸線方向に引っかくようにして、被加工物Wに情報としての線状痕Mを形成する。この際、主軸3Bの回転位置を検出することにより、被加工物Wのどの回転位相に線状痕Mを形成したかを判断し得る。
上記の線状痕Mは、焼入れ部と未焼入れ部の中間硬さに対応した工具7Bによるものなので、図5に示すように、焼入れ部よりも低硬度の未焼入れ部のみに形成される。若しくは、線状痕Mは、高硬度の焼入れ部で不鮮明となり、低硬度の未焼入れ部で鮮明となる。なお、線状痕Mは、一箇所だけでなく、被加工物Wの円周方向に所定間隔で形成することも可能であるし、軸線方向だけでなく円周方向に形成することも可能である。
さらに、微細凹部加工装置は、情報検出手段5により、被加工物Wに形成した表面硬さ判定用の線状痕Mを検出する。情報検出手段5は、入力部及び処理部を含むもので、上述の如く情報が可視化された線状痕Mであるから、入力部には可視光の撮像手段が使用可能であり、例えば、比較的安価で小型軽量であるCCDカメラを採用し得る。CCDカメラの画像を処理する処理部の機能は、制御手段6で実行することも可能である。この情報検出手段5は、情報付与手段7と同様に、先のNC工作機械の昇降ヘッドに装着することができる。
なお、この実施形態では、加工ローラ1及びローラ押圧機構2、情報検出手段5、情報付与手段7が個別になっている。この場合には、例えばNC工作機械のツールチェンジャーによりローラ押圧機構2及び各手段5,7を選択的に使用したり、工程順に配置したりすることができる。また、情報付与手段5は、当該微細凹部加工装置に含まれていない場合もあり、例えば焼入れ及び表面仕上げの後工程に配置しても構わない。
上記のようにして被加工物Wに表面硬さ判定用の線状痕Mを形成し、この線状痕Mの有無や鮮明度を検出することで、被加工物Wにおける焼入れ部及び未焼入れ部の範囲を知ることができる。すなわち、線状痕Mが有る範囲若しくは鮮明な範囲が未焼入れ部であり、線状痕Mが無い範囲若しくは不鮮明な範囲が焼入れ部である。なお、これらの範囲は、線状痕Mを形成する際と同様に、主軸3Bの回転位置を検出することで、被加工物Wにおける回転位相を特定することができる。
そして、上記の微細凹部加工装置は、制御手段6により、荷重検出手段4及び情報検出手段5の各検出信号に基づいてローラ押圧機構2による加工ローラ1の押圧力を制御する。より詳しくは、制御手段6は、線状痕Mが有る範囲若しくは線状痕Mが鮮明である範囲に対する加工ローラ1の押圧力よりも、線状痕Mが無い範囲若しくは線状痕Mが不鮮明である範囲に対する加工ローラ1の押圧力の方が大きくなるように制御する。具体的な動作としては、加工ローラ1の押圧力すなわち荷重検出手段4の検出値が所定の値となるようにステッピングモータ11を駆動する。
次に、上記微細凹部加工装置の動作とともに微細凹部加工方法を説明する。
本発明の微細凹部加工方法は、図6に基本構成を示すように、被加工物Wに微細凹部を形成するに際し、被加工物Wに表面硬さ判定用の情報である線状痕Mを付与する工程(ステップS1)と、被加工物Wに付与した情報である線状痕Mに基づいて被加工物Wに微細凹部を形成する工程(ステップS2)を備えている。なお、被加工物Wに予め付与する情報の種類によっては、情報を付与する工程(S1)の前に、被加工物Wの表面硬さを測定する工程(ステップS0)を備えた構成にすることができる。
上記の微細凹部加工装置は、まず、図示しないNC工作機械の昇降ヘッドを下降させると共に、テーブルを水平方向に適宜移動させて、図7(A)に示すように、加工ローラ1が被加工物Wの外周面Waの一端に対向するように位置決めする。
続いて、図7(B)に示すように、ステッピングモータ11によりボールねじ12を回転させ、これによりスライダ13とともにハウジング14を降下させて、加工ローラ1の先端を被加工物Wの外周面Waに接触させる。
その後、図7(C)に示すように、スライダ13をさらに降下させることにより、ハウジング14に内蔵したコイルスプリング15を圧縮し、その反発力を加工ローラ1の押圧力(荷重)として被加工物Wの被加工面Waに付与する。
この際、ハウジング14内に設けた荷重検出手段4が上記の押圧力を検出し、この検出信号をNC工作機械の制御部である制御手段6へ伝達する。これを受けた制御手段6は、荷重検出手段4の検出値が予め設定した値になるまでステッピングモータ11を動作させる。つまり、ハウジング14を降下させて加工ローラ1の押圧力を増大させる。
こののち、図7(D)に示すように、主軸3Bを回転させると共に、図示しないNC工作機械のテーブルにより主軸台3Aを水平方向(Z方向)へ移動させる。これにより、被加工物Wが軸線回りに回転すると共に、この被加工物Wに接触している加工ローラ1が連れ回り(転動)し、同時に、加工ローラ1と被加工物Wとが水平方向に相対移動しているので、被加工物Wの外周面Waに螺旋状の軌跡で微細凹部を形成する。
ここで、図8には、加工ローラ1の押圧力に対する被加工物Wの表面硬さと、被加工物Wに形成する微細凹部の深さとの関係を示す。例えば、被加工物Wに深さ8μmの微細凹部を加工するには、図4(B)に示すように両端の未焼入れ部の硬さがHRC15程度で、焼入れ部の硬さがHRC42程度である場合、未焼入れ部は押圧力40N、焼入れ部は押圧力200Nで加工する必要がある。
そこで、微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法では、微細凹部の加工中において、図4(B)及び図8に示す各データや、線状痕Mの有無(若しくは鮮明度)で焼入れ範囲を判定したデータに基づいて、図7(E)及び(F)に示すように、ステッピングモータ11によりスライダ13及びハウジング14を上下方向(X方向)に移動させ、外周面Waの焼入れ部及び未焼入れ部に合わせて加工ローラ1の押圧力を変化させる。具体的には、高硬度の焼入れ部では加工ローラ1の押圧力を大きくし、低硬度の未焼入れ部では加工ローラ1の押圧力を小さくする。その結果、被加工物Wの外周面Waには、一定形状で一定深さの微細凹部が連続的に形成されることとなる。
上記の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法によれば、被加工物Wの表面硬さが部分的に異なる場合でも微細凹部を均一に形成することができる。しかも、加工ローラ1の押圧力の制御において、被加工物Wに形成した表面硬さ判定用の線状痕Mを用いるので、表面硬さの異なる範囲が可視化され、CCDカメラ等の簡単な装置を用いて線状痕Mの検出を速やかに行うことができる。これにより、微細凹部を均一に形成する機能を備えたうえで、設備費の低減や加工時間の短縮を実現することができる。
また、微細凹部加工装置は、情報付与手段7を備えたものとすることで、線状痕(情報)Mの形成、線状痕(情報)Mの検出、及び微細凹部の加工を一つの装置で連続的に行うことができ、設備費のさらなる低減や加工時間のさらなる短縮を実現する。
さらに、微細凹部加工装置は、被加工物Wが焼入れを施したものであり、焼入れ部と未焼入れ部の中間硬度の工具により情報である線状痕Mを形成するので、焼入れ部と未焼入れ部を可視化して、その検出を容易にすることができる。つまり、被加工物Wを切断して断面を顕微鏡で確認するような検査を行うことなく、焼入れ範囲を容易に評価することができる。
さらに、微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法により製造された被加工物Wは、例えば、自動車用エンジンを構成するカムシャフトやクランクシャフトなどの摺動部品であって、その摺動面に情報である線状痕Mと微細凹部を有している。これにより、表面硬さの部分的な相違に応じて微細凹部が均一に形成された高品質の摺動部品であることが容易に判る。このような摺動部品は、カムシャフトやクランクシャフトである場合には、自動車用エンジンの性能向上に貢献することができる。
図9は、本発明の微細凹部加工装置の他の実施形態を説明する図である。先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の微細凹部加工装置は、加工ローラ1を支持して一体で移動するローラ支持部を備えると共に、このローラ支持部に情報検出手段5が設けてある。ローラ支持部は、先の実施形態で説明したように、ローラ押圧機構2を構成するアーム17である。情報検出手段5は、CCDカメラであって、被加工物Wに向けた状態にしてブラケット5Aによりアーム17に取付けてある。このとき、情報検出手段5は、加工ローラ1による加工前の位置で線状痕(情報)Mの有無若しくは鮮明度を検出する。
上記の微細凹部加工装置及びこれを用いた微細凹部加工方法は、加工ローラ1による微細凹部の加工開始と共に、予め形成した表面硬さ判定用の線状痕Mを検出して、焼入れ部と未焼入れ部の各範囲を判定し、その判定結果に基づいて加工ローラ1の押圧力を制御する。
つまり、先の実施形態では、線状痕Mを検出した後、そのデータに基づいて加工ローラ1の押圧力を制御して微細凹部を形成する。これに対して、この実施形態では、微細凹部の加工中すなわちインプロセスで線状痕Mの検出を行いながら、加工ローラ1の押圧力を制御して微細凹部を形成する。
上記の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法によれば、先の実施形態と同様に、被加工物Wの表面硬さが部分的に異なる場合でも微細凹部を均一に形成することができる。また、微細凹部の加工前に線状痕Mを検出する工程や、焼入れ範囲のデータを保存するメモリ類が不要になるので、設備費のさらなる低減を実現すると共に、加工時間をさらに短縮することができ、生産性のさらなる向上などに貢献することができる。
本発明の微細凹部加工装置及び微細凹部加工方法は、その構成が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することが可能である。例えば、被加工物に予め付与する情報としては、線状痕のほかに、電磁的に印加したデータ、除去可能な着色剤、タグ、ICチップ及びバーコードなどの各種情報があり、その情報に応じた情報付与手段や情報検出手段を採用する。また、当該加工装置及び加工方法により微細凹部が形成される被加工物は、自動車用エンジンを構成する摺動部品のほか、潤滑油を介して摺動接触する各種の摺動部品が対象となる。
M 線状痕(情報)
1 加工ローラ
2 ローラ押圧機構
4 荷重検出手段
5 情報検出手段
6 制御手段
7 情報付与手段
11 ステッピングモータ(ローラ押圧機構)
12 ボールねじ(ローラ押圧機構)
13 スライダ(ローラ押圧機構)
14 ハウジング(ローラ押圧機構)
15 コイルスプリング(ローラ押圧機構)
16 シャフト(ローラ押圧機構)
17 アーム(ローラ押圧機構・ローラ支持部)

Claims (9)

  1. 微細凹部形成用の凹凸を有する加工ローラを被加工物に押付けて微細凹部を形成するローラ押圧機構と、
    ローラ押圧機構による加工ローラの押圧力を検出する荷重検出手段と、
    被加工物に予め付与した表面硬さ判定用の情報を検出する情報検出手段と、
    荷重検出手段及び情報検出手段の各検出信号に基づいてローラ押圧機構による加工ローラの押圧力を制御する制御手段を備えたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. 被加工物に表面硬さ判定用の情報を付与する情報付与手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  3. 被加工物が、微細凹部の加工前に焼入れを施したものであって、
    情報付与手段が、被加工物の焼入れ部の硬さよりも低く且つ未焼入れ部の硬さよりも高い硬度の工具を備えており、
    表面硬さ判定用の情報が、前記工具により形成した線状痕であることを特徴とする請求項2に記載の微細凹部加工装置。
  4. 前記制御手段が、線状痕が有る範囲若しくは線状痕が鮮明である範囲に対する加工ローラの押圧力よりも、表面硬さ判定用の線状痕が無い範囲若しくは線状痕が不鮮明である範囲に対する加工ローラの押圧力の方が大きくなるように制御することを特徴とする請求項3に記載の微細凹部加工装置。
  5. 前記加工ローラを支持して一体で移動するローラ支持部を備えると共に、このローラ支持部に情報検出手段が設けてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細凹部加工装置。
  6. 被加工物に微細凹部を形成するに際し、
    被加工物に表面硬さ判定用の情報を付与する工程と、
    被加工物に付与した情報に基づいて被加工物に微細凹部を形成する工程を備えたことを特徴とする微細凹部加工方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細凹部加工装置を用いて被加工物に微細凹部を形成するに際し、
    被加工物に予め付与した表面硬さ判定用の情報を検出し、
    加工ローラを被加工物に押付けた後、
    加工ローラの押圧力を検出しつつ被加工物の表面に沿って加工ローラを転動させると共に、前記情報に基づいて加工ローラの押圧力を変化させて微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
  8. 請求項5に記載の微細凹部加工装置を用いて被加工物に微細凹部を形成するに際し、
    加工ローラを被加工物に押付けた後、
    被加工物に予め付与した表面硬さ判定用の情報を検出しながら、加工ローラの押圧力を検出しつつ被加工物の表面に沿って加工ローラを転動させると共に、前情報に基づいて加工ローラの押圧力を変化させて微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微細凹部加工装置、又は請求項6〜8のいずれか1項に記載の微細凹部加工方法により製造された摺動部品であって、表面に多数の微細凹部と表面硬さ判定用の情報を有することを特徴とする摺動部品。
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