JP2013233499A - イオン交換器およびこれを含む燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン交換器における交換作業を簡便に行うことができるようにする。
【解決手段】イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dと、該イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dが収容されるケース47eと、該ケース47eの蓋47fと、を有し、イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dは蓋47fに取り外し可能な状態で固定されている。このようなイオン交換器47は、例えば反応ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を有する燃料電池システムにおいて、当該燃料電池に接続される配管に配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dと、該イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dが収容されるケース47eと、該ケース47eの蓋47fと、を有し、イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dは蓋47fに取り外し可能な状態で固定されている。このようなイオン交換器47は、例えば反応ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を有する燃料電池システムにおいて、当該燃料電池に接続される配管に配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、イオン交換器およびこれを含む燃料電池システムに関する。さらに詳述すると、本発明は、燃料電池システム等において用いられるイオン交換器の構造の改良に関する。
イオン交換器は、例えば燃料電池の冷却系において冷却媒体(冷却水)の不純物を除去する機器などとして利用されている。イオン交換器のイオン交換樹脂はイオン交換性の基をもつ高分子電解質からなる網状構造の樹脂であり、イオン交換によって吸着したイオンを樹脂の表面だけでなく内部にも入り込ませる。例えば燃料電池システムの配管部品等から溶出した不純物中には金属イオンやフッ素イオンが含まれている場合があり、これらイオンは金属の腐食や燃料電池の機能低下を招くおそれがあるが、このようなイオン交換樹脂によればイオンを吸着して除去することが可能である。
このようなイオン交換器は、定期的に交換されなければならない。従来のイオン交換器には、ケースとイオン交換樹脂とが一体となった当該イオン交換器をケースごと交換するものがある(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、イオン交換器の交換時、当該イオン交換器と他の冷却系部品が繋がった部分を遮断しなければならないため、交換時の作業性が芳しくないという問題がある。
すなわち、イオン交換器を交換する際には、冷却水がこぼれないようにするために、例えば、イオン交換器と他の冷却系部品とがつながった部分をホースクリップで一時的に止めておくといったことが行われているものの、それでもイオン交換器内やホース内の冷却水がこぼれてしまうことがあり、そうした場合にはこぼれた水量分の冷却水を補充する手間も生じる。こういった事情から、イオン交換器内の冷却水がこぼれないように注意しながらの作業が必要であり、このことが交換作業を繁雑なものとし、作業の簡便さや効率性の向上を妨げているという実情がある。
そこで、本発明は、当該イオン交換器における交換作業を簡便に行うことができるようにしたイオン交換器およびこれを含む燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明のイオン交換器は、イオン交換樹脂カートリッジと、該イオン交換樹脂カートリッジが収容されるケースと、該ケースの蓋と、を有し、イオン交換樹脂カートリッジは蓋に取り外し可能な状態で固定されている、というものである。
このようなイオン交換器によれば、蓋を取り外すと同時にイオン交換樹脂カートリッジが取り出せるため、他部品との接続部分を遮断しなくても冷却媒体をこぼすことなくイオン交換樹脂カートリッジを交換することができる。このため、イオン交換器をケースごと交換する必要がなく、当該イオン交換器と他の冷却系部品とが繋がった部分を遮断しなくて済むことから、イオン交換器における交換作業が簡便なものとなる。
また、本発明では、反応ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を有する燃料電池システムにおいて、当該燃料電池に接続される配管に、上述のごときイオン交換器が配置されていることを特徴としている。このような燃料電池システムが燃料電池車両に搭載されていることも好ましい。この場合、イオン交換器が燃料電池車両の機関室内の上部付近に搭載されていることが好ましい。
本発明によれば、当該イオン交換器における交換作業を簡便に行うことができるようになる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に本発明にかかるイオン交換器の実施形態を示す。本発明にかかるイオン交換器47は、イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dと、該イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dが収容されるケース47eと、該ケース47eの蓋47fと、を有しているもので(図2、図3参照)、例えば燃料電池車両FCHVに搭載された燃料電池システム1において利用される(図1等参照)。以下では、本発明の一実施形態における燃料電池システム1の全体構成について説明し、その後、イオン交換器47の構造等について説明する。
図1に本実施形態における燃料電池システム1の概略構成を示す。図示するように、燃料電池システム1は、燃料電池2と、酸化ガスとしての空気(酸素)を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素を燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、燃料電池2に冷媒(冷却媒体)を供給して燃料電池2を冷却する冷媒配管系5と、システムの電力を充放電する電力系(図示省略)と、システム全体を統括制御する制御部7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。燃料電池2の単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。一方のセパレータの燃料ガス流路に燃料ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、このガス供給により燃料電池2は電力を発生する。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れるガス供給流路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れるガス排出路12と、を有している。ガス供給流路11には、エアクリーナー(フィルタ)13を介して酸化ガスを取り込むコンプレッサ14が設けられている。ガス排出路12には、マフラー18が設けられており、酸化オフガスはこれらを通り、排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。コンプレッサ14は、モータ14aの駆動により大気中の酸化ガスを取り込む。
燃料ガス配管系4は、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される水素ガスが流れるガス供給流路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)をガス供給流路22の合流点Aに戻すための水素オフガス循環ライン23と、水素オフガス循環ライン23内の水素オフガスをガス供給流路22に圧送するポンプ24と、を有している。水素ポンプ24は、モータ24aの駆動により、循環系内の水素ガスを燃料電池2に循環供給する。
水素供給源21は、例えば高圧水素タンクや水素吸蔵合金などで構成され、例えば35MPaまたは70MPaの水素ガスを貯留可能に構成されている。水素供給源21の元弁等の弁を開くと、ガス供給流路22に水素ガスが流出する。水素ガスは、調圧弁27その他の減圧弁により、最終的に例えば200kPa程度まで減圧されて、燃料電池2に供給される。
冷媒配管系(冷却系)5は、燃料電池2内の冷却流路に連通する冷媒流路41と、冷媒流路41に設けられた冷却ポンプ42と、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44と、ラジエータ43及びバイパス流路44の冷却水の通流を設定する三方弁45と、冷却配管46と、イオン交換器47を有している。冷却ポンプ42は、モータ42aの駆動により、冷媒流路41内の冷媒を燃料電池2に循環供給する。
制御部7は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プラグラムに従って所望の演算を実行して、ポンプ24の解凍制御など、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。制御部7は、ガス系統(酸化ガス配管系3、燃料ガス配管系4)や冷媒配管系5に用いられる各種の圧力センサや温度センサ、外気温センサなどの検出信号を入力し、各構成要素に制御信号を出力する。
続いて、イオン交換器47の構成について説明する(図2、図3参照)。
本実施形態では、冷媒配管系5の冷却配管46にイオン交換器47を設けており、このイオン交換器47を、循環する冷媒(例えば冷却水)中の不純物を除去する装置(不純物除去装置)として機能させている。冷却配管46は、冷媒流路41とバイパス流路44とを接続する配管によって形成されている(図4等参照)。イオン交換器47の内部にはイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dが充填されている。イオン交換器47のケース47eには、イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dを交換する際に開閉ないし着脱することが可能な蓋47fが設けられている。ケース47eと蓋47fは、それぞれケーシングの下部、上部を構成している。これらケース47eと蓋47fは、例えば、ケース47eの本体に埋め込まれたボルトや圧入されたナット(いずれも図示省略)等を利用して締結される。ケース47eの材質は例えばSUS304である。
蓋47fは、燃料電池車両FCHVに取り付けられた状態のイオン交換器47において、ケース47eの重力方向上側に取り付けられており、当該蓋47fをケース47eから取り外したとしても該ケース47eから冷却水がこぼれないようになっている。
ケース47eには、冷却配管46が接続される出入口ポート47gが設けられている(図2、図3参照)。出入口ポート47gは、ケース47eに一体形成されている。
また、ケース47eには、車体へ直接固定するための車体固定部として機能するブラケット47nが一体形成されている(図3参照)。このようなブラケット47nによれば、燃料電池車両FCHVの車体の振動を逃がしてイオン交換樹脂カートリッジ47c,47d等の振動を抑えることが可能である。
イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dはイオン交換性の基をもつ高分子電解質からなる網状構造のイオン交換樹脂47hを含むカートリッジであり、イオン交換によってイオンを吸着する機能を有している。例えば本実施形態におけるイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを有しているものである。イオン交換樹脂47hは通常粒子状であるが繊維状のものを使用することもできる。本実施形態のイオン交換樹脂カートリッジは、着脱可能な上部のイオン交換樹脂カートリッジ47cと下部のイオン交換樹脂カートリッジ47dとからなる。着脱可能とするための構成は特に限定されないが、本実施形態ではイオン交換樹脂カートリッジ47dの外周に形成した爪部材47jとこれら爪部材47jに係止する弾性を有するフック部材47kとからなる構成としている(図3参照)。
ここで、本実施形態におけるイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dは、ケース47eの蓋47fに取り外し可能な状態で固定されている。このようなイオン交換器47によれば、蓋47fを取り外すだけでケース47eからイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dを取り出すことが可能である。このため、他部品との接続部分を遮断する手間(例えば、当該イオン交換器47の出入口ポート47gに接続された冷却配管46をホースクリップで一時的に止めておくといった手間)をかけずとも、冷却媒体をこぼすことなくイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dを交換することができる。
このようにイオン交換樹脂カートリッジ47c,47dを蓋47fに取り外し可能な状態で固定するための具体的な構造は特に限定されないが、例えば本実施形態では、上部のイオン交換樹脂カートリッジ47cと下部のイオン交換樹脂カートリッジ47dとの間にイオン交換樹脂47hを挟み込み、樹脂を含むカートリッジを構成したうえで、当該イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dをイオン交換樹脂47hごと蓋47fの下側からねじ込んでその一部(例えば蓋47fの筒状部分47i)で保持させる構造としている。イオン交換樹脂47hの上面と下面には、メッシュ47mを配している。例えば一方のメッシュ47mは、ケース47eにインサート成形されていてもよい。メッシュ47mの目の粗さは、イオン交換樹脂47hが落ちない程度ならばよい。さらに、この蓋47fをケース47eに取り付けて締結することにより、イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dはケース47e内に収容された状態となる(図2参照)。このような構造とした本実施形態の場合、交換時には当該イオン交換樹脂カートリッジ47c,47dのみを交換し、ケース47eと蓋47fはそのまま流用する(引き続き使用する)ことができる。
また、本実施形態のイオン交換器47は、重力方向縦向きに取り付けられている。冷却水は、該イオン交換器47の上側面からケース47e内に流入し、上から下へとイオン交換樹脂47hを通過し、出入口ポート47gと同じ方向の下側面からケース47eの外へ流出する。なお、これとは逆に、イオン交換樹脂47hの下側から上側へと冷却水を通過させるようにしてもよい。
ちなみに、上述したイオン交換器47は、燃料電池車両FCHVの例えば前方上部に収容されていることが好ましい(図5参照)。イオン交換器47を機関室内の上部付近(例えばボンネットフードBの真下のような位置)など、外部から取り扱いやすい場所に配置しておけば、当該イオン交換器47を交換する作業、再生剤を供給する作業のいずれも行いやすい。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態では燃料電池システム1の冷媒配管系5のイオン交換器47に本発明を適用した場合について説明したが、上述した構造や構成はその他の部位におけるイオン交換器にも応用することは可能である。その他のイオン交換器としては、例えば燃料ガス配管系4の水素オフガス循環ライン(循環路)23に設けられている、気液分離器31やイオン交換樹脂32などを含む不純物除去装置30がある(図1参照)。
本発明は、燃料電池システムの冷却系等に配置されるイオン交換器に適用して好適である。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、5…冷媒配管系(冷却系)、46…冷却配管(配管)、47…イオン交換器、47c,47d…イオン交換樹脂カートリッジ、47e…ケース、47f…蓋、FCHV…燃料電池車両
Claims (4)
- イオン交換樹脂カートリッジと、
該イオン交換樹脂カートリッジが収容されるケースと、
該ケースの蓋と、
を有し、
前記イオン交換樹脂カートリッジは前記蓋に取り外し可能な状態で固定されている、イオン交換器。 - 反応ガスの電気化学反応により発電する燃料電池を有する燃料電池システムにおいて、
当該燃料電池に接続される配管に、請求項1に記載のイオン交換器が配置されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料電池車両に搭載されている、請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記イオン交換器が前記燃料電池車両の機関室内の上部付近に搭載されている、請求項3に記載の燃料電池システム。
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