JP2009123453A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】部品交換の作業性が良好な燃料電池システムを提供することである。
【解決手段】燃料電池システム20は、燃料電池22に接続される流体流路26と、流体流路26に設けられる交換部品100と、を含んでいる。流体流路26は交換部品100のための部品挿入空間64を有し、該部品挿入空間64は流体流路26の延伸方向に交差する方向に部品挿入口を有している。燃料電池システム20は、部品挿入空間64をケース内側に収容して設けられるケース70をさらに含むことができ、ケース70は部品挿入口に対向する位置に開口72を有していることが好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池システム20は、燃料電池22に接続される流体流路26と、流体流路26に設けられる交換部品100と、を含んでいる。流体流路26は交換部品100のための部品挿入空間64を有し、該部品挿入空間64は流体流路26の延伸方向に交差する方向に部品挿入口を有している。燃料電池システム20は、部品挿入空間64をケース内側に収容して設けられるケース70をさらに含むことができ、ケース70は部品挿入口に対向する位置に開口72を有していることが好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は燃料電池システムに係り、特に交換部品を有する燃料電池システムに関する。
燃料電池として例えば燃料ガスと酸化ガスとを電気化学的に反応させることによって発電するタイプが知られている。燃料電池は、例えば出力電圧が高いため、外部環境からの保護のため等の理由から、ケースに収容される場合が多い。
ケースの従来構造として例えば特許文献1に記載されたものがある。この従来のケースは、ハット型のアッパケースと、プレート型のロアケースの2つのピースから構成されている。ロアケース上に燃料電池スタックが配置され、この燃料電池スタックを上から覆うようにアッパケースが被せられている。アッパケースとロアケースとは、ボルト等の取り外し可能な締結具によって締結されている。燃料電池スタックのエンドプレートの壁面には冷媒液や反応ガスの配管が接続されており、これらの配管はロアケースを貫通してケースの外部へ延びている。ロアケースの配管が貫通している部分にはガスケット等のシールが施されている。ロアケースは、車両フレームに溶接されたボデーメンバとボルトで締結されている。
特許文献1には、このケースによれば、ロアケースからアッパケースを取り外すことによりメンテナンス箇所が剥き出しになるので、燃料電池スタックを車両に搭載したままの状態で点検作業や部品交換作業を行うことが可能になると述べられている。
上記従来のケースを備えた燃料電池システムでは、冷媒液や反応ガスの配管は、エンドプレートに接続されているとともにロアケースを貫通してケースの外部へ延びており、ロアケースにおいて配管が貫通している部分にはシールが施されている。このため、この配管に設けられる部品の交換は配管を分離・分解して行う必要がある。
また、上記従来のケースによれば、部品交換作業等の際にロアケースからアッパケースを取り外すための作業が必要である。このため、ケースの設置場所によっては、ケース取り外し作業自体が煩雑になる場合があると考えられる。
本発明の目的は、部品交換の作業性が良好な燃料電池システムを提供することである。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池に接続される流体流路と、流体流路に設けられる交換部品と、を備え、流体流路は交換部品のための部品挿入空間を有し、該部品挿入空間は流体流路の延伸方向に交差する方向に部品挿入口を有していることを特徴とする。この構成によれば、交換部品を部品挿入口から流体流路へ挿入可能である。このため、流体流路を分離・分解することなく交換部品を交換することができ、作業性が向上する。
ここで、部品挿入空間をケース内側に収容して設けられるケースをさらに備え、ケースは部品挿入口に対向する位置に開口を有していることが好ましい。この構成によれば、交換部品の挿入をケース外側からケースの開口を通じて行うことが可能である。このため、ケースを取り外すことなく交換部品を交換することができ、作業性が向上する。
また、部品挿入空間は、燃料電池を挟持するエンドプレートと、気液分離器と、フランジ部分と、流体配管と、バルブとのうちの少なくとも1つに設けられていることが好ましい。この構成によれば、燃料電池システムが有する部材に交換部品が取り付けられるので、部材の追加による重量の増加等を抑制することができる。
また、交換部品にはシール部材が取り付けられていることが好ましい。この構成によれば、交換部品の交換と同時にシール部材も交換することが可能である。このため、シール部材の交換の迅速化、容易化を図ることができるし、また、シール部材の交換忘れを防止することができる。したがって、作業性が向上する。
また、交換部品のシール部材は、流体流路を流れる流体が交換部品と流体流路との間の隙間を通って下流側へ流れるのを防止するシール部材と、流体が部品挿入空間から外部へ流出するのを防止するシール部材と、流体流路内へ異物が進入するのを防止するシール部材とのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、部品挿入口は燃料電池システムに対して設けられる作業空間に面していることが好ましい。この構成によれば、燃料電池システム自体を設置箇所から取り外すことなく、交換部品を交換可能である。したがって、交換作業が容易になり、作業性が向上する。
また、部品挿入口は燃料電池システムの下部に設けられていることが好ましい。この構成によれば、燃料電池システムが例えば自動車車両の下部等に搭載される場合に好適である。
また、ケースは開口の蓋を有していることが好ましい。この構成によれば、異物がケースの開口を通ってケース内側へ進入するのを防止することができる。
また、ケースの蓋が閉じられた状態でケースの蓋と交換部品とが接触することが好ましい。この構成によれば、ケースの蓋によって交換部品を支持することができる。
また、交換部品と部品挿入空間とは、互いに係合して交換部品の取り付け状態を規定する取り付け規定部を有することが好ましい。この構成によれば、交換部品の交換が容易になり、作業性が向上する。
また、交換部品は、部品挿入空間が設けられた部材との接触部分が絶縁材料で構成されていることが好ましい。この構成によれば、別個に絶縁を施す必要を無くすことが可能である。
また、交換部品はフィルタとイオン交換器との少なくとも1つであることが好ましい。
上記構成によれば、部品交換の作業性が良好な燃料電池システムを提供するができる。
図1に実施の形態に係る燃料電池システムの一例である燃料電池システム20の構成を説明する図を示す。燃料電池システム20は、燃料ガスおよび酸化ガスの電気化学反応によって発電を行う燃料電池22を含んでいる。ここでは燃料ガスとして水素ガスを例示し、酸化ガスとして空気中の酸素ガスを例示するが、燃料ガスおよび酸化ガスはこれらの例示に限られるものではない。なお、燃料ガスおよび酸化ガスは反応ガスと総称される場合がある。
燃料電池22は例えば固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell;PEFC)によって構成可能である。固体高分子型燃料電池は、例えば、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;MEA)とMEAを挟持するセパレータとを含む単セルが複数積層されて(スタックされて)構成されている。なお、MEAは例えば固体高分子電解質膜がガス拡散電極で挟まれ一体的に接合されている。積層された単セルの集合体である燃料電池22は、単セルの積層方向端部において一対のエンドプレート60(図2参照)に挟まれて締付ボルト等によって固定されている。なお、エンドプレート60は例えばステンレス鋼(SUS)の板状部材で構成される。
燃料電池システム20は、水素ガス供給流路24と、水素ガス循環流路26と、水素ガス排出流路28と、酸素ガス供給流路30と、酸素ガス排出流路32とを含んでおり、これらの流体流路24,26,28,30,32は以下の説明から分かるように燃料電池22に繋がっている。
また、燃料電池システム20は、水素ガス供給源34と、コンプレッサ54とを含んでいる。なお、水素ガス供給源34は、例えば水素タンク、水素吸蔵合金、燃料改質器等の一つまたは複数で構成可能である。また、コンプレッサ54は、酸素ガスを含んだ空気を取り込んで圧送するものであり、酸素ガス供給源と呼ぶことも可能である。なお、コンプレッサ54に替えて例えば酸素ガス供給源の一例である酸素タンク等を用いてもよい。
水素ガス供給流路24は、水素ガス供給源34と燃料電池22の水素ガス供給口との間を接続しており、水素ガス供給源34から燃料電池22へ水素ガスを供給する流路である。水素ガス供給流路24は例えば、流体配管(以下単に配管と呼ぶ。)と、当該配管に設けられた遮断バルブ36、レギュレータ38、圧力計40、インジェクタ42および圧力計44とを含んで構成される。なお、上記要素36,38,40,42,44は図示の例では水素ガス供給源34の側から、換言すればガスの流れの上流側から、この順序で設けられている。
水素ガス循環流路26は、燃料電池22の水素ガス排出口と水素ガス供給流路24との間を接続しており、燃料電池22を通って流出する水素オフガスを燃料電池22へ再度供給し循環させる流路である。ここでは、水素ガス循環流路26は圧力計44の下流側で水素ガス供給流路24に接続されている。水素ガス循環流路26は例えば、配管と、当該配管に設けられた気液分離器46およびポンプ48とを含んで構成される。気液分離器46は水素オフガスから水分等を回収するものである。ポンプ48は気液分離器46を通過した水素オフガスを加圧して水素ガス供給流路24へ送り出すものである。なお、上記要素46,48は図示の例では燃料電池22の側から、換言すればガスの流れの上流側から、この順序で設けられている。
水素ガス排出流路28は、気液分離器46の排出口に接続されており、気液分離器46で分離された不純物を含む水素オフガスを燃料電池システム20の外部へ排出する流路である。なお、気液分離器46で分離された水分等も水素ガス排出流路28を通じて排出可能である。水素ガス排出流路28は例えば、配管と、当該配管に設けられた排出バルブ(パージバルブ)50および希釈器52とを含んで構成される。なお、上記要素50,52は図示の例では気液分離器46の側から、換言すればガスの流れの上流側から、この順序で設けられている。
酸素ガス供給流路30は、コンプレッサ54の送出口と燃料電池22の酸素ガス供給口との間を接続しており、コンプレッサ54から燃料電池22へ酸素ガスを含んだ空気を供給する流路である。酸素ガス供給流路30は例えば、配管と、当該配管に設けられた加湿器56を含んで構成される。
酸素ガス排出流路32は、燃料電池22の酸素ガス排出口に接続されており、燃料電池22を通って流出する酸化オフガスを燃料電池システム20の外部へ排出する流路である。酸素ガス排出流路32は例えば、配管と、当該配管に設けられた加湿器56および希釈器52とを含んで構成される。ここでは加湿器56を酸素ガス供給流路30と酸素ガス排出流路32とで共有する場合を例示するが、流路30,32のそれぞれに加湿器を設けてもよい。なお、上記要素56,52は図示の例では燃料電池22の側から、換言すればガスの流れの上流側から、この順序で設けられている。加湿器56を通過した酸化オフガスは希釈器52によって水素オフガスと合流し水素オフガスとともに燃料電池システム20の外部へ排出される。この例示では、希釈器52が酸素ガス排出流路32と水素ガス排出流路28とで共有されている。
ここで、エンドプレート60(図3参照)は厚さ方向に貫通し燃料電池22の水素ガス供給口に通じる貫通穴を有しており、この貫通穴に水素ガス供給流路24の上記配管が溶接等によって接続されている。この場合、エンドプレート60の当該貫通穴も水素ガス供給流路24の一部を構成している。同様に、エンドプレート60は水素ガス排出用、酸素ガス供給用および酸素ガス排出用の各貫通穴を有しており、各貫通穴には対応する配管が接続されている。
図2に燃料電池システム20を説明する模式図を示す。図2に示すように、燃料電池システム20はケース70を含んでおり、図2の例ではケース70は燃料電池22と、エンドプレート60と、エンドプレート60に接続された配管80の一部分とをケース内側に収容している。なお、ここでは、燃料電池22の単セルの積層方向が重力方向Gに直交する場合を例示し、また、配管80が水素ガス循環流路26の配管である場合を例示する。
ケース70は例えば中空直方体の形状に構成することができるが、この形状に限られるものではない。ケース70は例えば金属板を加圧成型、溶接等することによって製造可能である。
図2の例では配管80は、燃料電池システム20が使用場所に設置された状態において重力方向下部となる位置で、エンドプレート60に接続されている。図2に示すように燃料電池システム20の水素ガス循環流路26には交換部品の一例であるフィルタ100が設けられ、このフィルタ100はエンドプレート60内部の部品挿入空間64に挿入される。
ここで、図3および図4にフィルタ100の取り付け箇所付近の拡大断面図を示す。図3にはフィルタ100が未挿入の状態を示し、図4にはフィルタ100が挿入された状態を示している。なお、図3および図4では図面の煩雑を避けるために図示を省略しているが、エンドプレート60の図示左側に燃料電池22(図2参照)が配置され、エンドプレート60の図示右側に配管80(図2参照)が配置される。また、図4中の矢印Fは水素ガス(水素オフガス)の流れる方向を表している。
上記のようにエンドプレート60には水素ガス循環流路26を構成する貫通穴62が形成されており、図3および図4の例示では貫通穴62は水平方向に延伸している。貫通穴62の途中には、フィルタ100を挿入するための部品挿入空間64が設けられている。図3および図4には部品挿入空間64が貫通穴62と直交して延設されている場合を例示しているが、部品挿入空間64の延設方向と貫通穴62の延伸方向とは直角以外の角度で以て交差していてもよい。部品挿入空間64はエンドプレート60の下面(換言すれば底面)61において開口し、当該開口部が部品挿入口66を構成している。このとき、部品挿入空間64は貫通穴62の延伸方向に交差する方向(図3および図4の例では直交する方向)に部品挿入口66を有している。
このため、燃料電池システム20では、フィルタ100をエンドプレート60の部品挿入口66から貫通穴62へ、すなわち水素ガス循環流路26へ挿入可能である。したがって、水素ガス循環流路26の配管等を分離・分解することなくフィルタ100を交換することができ、作業性を向上することができる。
また、図2および図3に示すように、ケース70は部品挿入口66に対向する位置に開口72を有しており、当該開口72はフィルタ100が通過可能な大きさをしている。上記のように部品挿入空間64はエンドプレート60内部に形成されているので、部品挿入空間64はケース70の内側に収容されている。この場合、燃料電池システム20によれば、フィルタ100をケース外側からケース70の開口72を通じて行うことが可能である。このため、ケース70を取り外すことなくフィルタ100を交換することができ、作業性を向上することができる。
なお、ケース70の開口72の縁部は、図3および図4の例示のようにエンドプレート60の側すなわちケース内側へ曲げられていてもよいし、図2の例示のように曲げられていなくてもよい。また、図3および図4では開口72の縁部がエンドプレート60に接触していない場合を例示しているが、当該開口縁部はエンドプレート60に接触していてもよい。
ここで、部品挿入口66は燃料電池システム20に対して設けられる作業空間に面していることが好ましい。これにより、燃料電池システム20自体を設置箇所から取り外すことなく、フィルタ100を交換可能である。したがって、交換作業が容易になり、作業性が向上する。なお、上記のようにケース70の開口72は部品挿入口66に対向して設けられるので、部品挿入口66が上記作業空間に面する場合にはケース70の開口も当該作業空間に面することになる。
例えば燃料電池システム20を自動車車両に搭載する場合、車両の低重心化、車内乗員スペース(キャビンスペース)の拡大等の観点から燃料電池システム20を車両底部に搭載することが考えられる。このような搭載形態では作業空間は車両底部側に設けられ、作業者は車両底部から燃料電池システム20にアクセスして作業することになる。この場合、部品挿入口66およびケース70の開口72が上記のように燃料電池システム20の下部、換言すればケース70の下部に設けられていることにより、燃料電池システム20自体を車両から取り外することなくフィルタ100の交換作業ができ、好適である。
また、燃料電池システム20が車両前方のエンジンルーム内に搭載される場合、ボンネットを開けて燃料電池システム20にアクセスすることも可能になる。この場合、部品挿入口66およびケース70の開口72を当該システム20の重力方向上部に設けてもよい。エンジンルームが車両後方に設けられる場合についても同様である。
図5にフィルタ100の外観図を示す。図5において上段は正面図(側面図)であり、下段は上面図である。なお、図5中の4−4線での断面が図4におけるフィルタ100の断面に対応する。図5および図4を参照して、フィルタ100の構造の一例を説明する。
フィルタ100は、フィルタ本体102と、枠体部104と、台座部106と、つば部108とを有している。枠体部104、台座部106およびつば部108は例えば樹脂等で形成可能である。なお、これらの要素102,104,106,108の形状、寸法等は図示の例に限られるものではない。
フィルタ本体102は、枠体部104の開口に嵌め込まれている。枠体部104の当該開口、換言すればフィルタ本体102は、フィルタ100が部品挿入空間64に挿入された状態において水素ガス循環流路26中に位置するように設けられている。図4および図5には蛇腹状のフィルタ本体102を例示している。台座部106は図示の例では円柱形状をしており、一方の円形面(以下、上面と呼ぶ。)上に枠体部104が立設している。台座部106の他方の円形面(以下、下面と呼ぶ。)の側の端部には台座部106の側面全周にわたって、つば部108が設けられている。図示の例ではつば部108は台座部106の下面側へ向かうに従って広がる傾斜を有している。
フィルタ100は取り付け規定部110を有しており、これに対応して部品挿入空間64に取り付け規定部68が設けられている。両取り付け規定部110,68は互いに係合することによってフィルタ100の取り付け状態、換言すれば取り付け姿勢を規定するものである。取り付け規定部110,68により、フィルタ100の交換が容易になり、作業性が向上する。
図4および図5では部品挿入空間64の取り付け規定部68が突起で構成され、フィルタ100の取り付け規定部110が当該突起をガイドするガイド溝で構成される場合を例示しているが、取り付け規定部110を突起で構成し、取り付け規定部68をガイド溝で構成することも可能である。また、その他の構造によって取り付け規定部68,110を構成してもよい。なお、取り付け規定部110,68の位置、形状、大きさ等は上記例示に限られるものではない。
フィルタ100は枠体部104を部品挿入空間64の奥側に向けて部品挿入空間64内へ挿入される。部品挿入空間64は枠体部104の外形とほぼ同じ穴形状を有しており、図4の例ではフィルタ本体102および枠体部104が部品挿入空間64に収容される。
フィルタ100にはシール部材120,122,124,126が取り付けられている。シール部材120は枠体部104に、フィルタ本体102を囲んで設けられている。なお、図5等ではシール部材120が取り付け規定部110と反対側の面に設けられている場合を例示している。シール部材122は、台座部106の上面に枠体部104を囲んで設けられている。シール部材124は、台座部106の側面全周にわたって設けられている。シール部材126は、つば部108の傾斜面上に設けられている。
なお、図5等では、シール部材120,122,124のそれぞれがOリングで構成され上記の配置位置に形成された溝に設けられており、シール部材126が平リング(または角リング)で構成される場合を例示しているが、各シール部材120,122,124,126に他の種類のシール部材を用いることも可能である。また、シール部材の個数はこの例示に限られるものではない。
シール部材120は、図4の例では、部品挿入空間64内において枠体部104とエンドプレート60とに挟まれて両者間をシールする。これにより、貫通穴62を流れる水素ガスがフィルタ100と貫通穴62との間の隙間を通って(換言すればフィルタ100を迂回して)流路下流側へ流れるのが防止される。また、シール部材122は、図4の例では、台座部106とエンドプレート60の下面61とに挟まれて両者間をシールする。これにより、水素ガスが部品挿入空間64から外部へ流出するのが防止される。また、シール部材124,126は、図4の例では、台座部106とケース70の開口縁部とに挟まれて両者間をシールする。これにより、貫通穴62内、すなわち水素ガス循環流路26内へ、塵埃や水分等の異物が進入するのが防止される。なお、シール部材120,122,124,126のうちの1つまたは複数を選択して設けてもよいし、シール部材120,122,124,126以外のシール部材を設けてもよい。
シール部材120,122,124,126がフィルタ100に取り付けられているので、フィルタ100の交換と同時にシール部材120,122,124,126も交換することが可能である。このため、シール部材120,122,124,126の交換の迅速化、容易化を図ることができるし、また、シール部材120,122,124,126の交換忘れを防止することができる。したがって、作業性を向上することができる。
ここで、フィルタ100においてエンドプレート60との接触部分は、電気絶縁材料で構成されていることが好ましく、別個に絶縁を施す必要を無くすことができる。図4の例ではシール部材120,122と、枠体部104と、取り付け規定部110とにおいてフィルタ100とエンドプレート60とが接触しているので、例えば、シール部材120,122としてゴム製等のシール部材を用い、枠体部104および取り付け規定部110を上記のように樹脂等で形成することが好ましい。
図4に示すようにケース70は開口72を覆う蓋74を有していることが好ましく、蓋74によって開口72を通ってケース70内へ異物が進入するのを防止することができる。また、蓋74が閉じられた状態において当該蓋74とフィルタ100とが接触するように蓋74またはフィルタ100の形状を設計することによって、蓋74でフィルタ100を部品挿入空間64内に支持することができる。蓋74は例えばねじによってケース70に取り付けられ、その他の手段によって取り付けてもよい。なお、図2等では、図面の煩雑を避けるため、蓋74の図示を省略している。
ここで、図6の断面図に例示するように、ボルト152等の締結具を用いてフィルタ100とエンドプレート60とを締結することによって、フィルタ100を部品挿入空間64内に支持するようにしてもよい。
また、図7の断面図に例示するように、ねじ構造154を利用してフィルタ100とケース70の開口縁部とを螺合することによって、フィルタ100を部品挿入空間64内に支持するようにしてもよい。図7の例では、台座部106を分割することによって、フィルタ100が、フィルタ本体102が設けられる部品106aと、ねじ構造154が設けられる部品106bとに分割されている。かかる部品分割によれば、部品106bを回転させても、フィルタ本体102の姿勢を適切に保つことが可能である。
図6および図7では蓋74とフィルタ100とが接触しない形態を例示しているが、図5の例示したように両者74,100に接触させるようにしてもよい。
上記ではフィルタ100の一部分が部品挿入空間64内に挿入される場合を例示したが(図4参照)、部品挿入空間64は図8の断面図に例示するようにフィルタ100の全体を挿入可能な大きさ、形状であっても構わない。
上記では部品挿入空間64がエンドプレート60に設けられる場合を例示したが、他の箇所に部品挿入空間64を設けることも可能である。
例えば図9の模式図に例示するように、気液分離器46、排出バルブ50、気液分離器46と排出バルブ50との接続部分におけるフランジ部分82、配管80に部品挿入空間64を設け、これによりフィルタ100を取り付けることも可能である。なお、図9には燃料電池22から排出される水素オフガスを希釈器52へ送出する流路90を図示し、種々の要素を模式的に図示している。
また、図9では上記要素60,46,50,82,80の全てに対して部品挿入空間64を設けた場合を例示しているが、これらの要素60,46,50,82,80のうちの1個または複数個に部品挿入空間64を設けることも可能である。
また、図9では上記要素60,46,50,82,80の全てがケース70内に収容され、これらの要素60,46,50,82,80の全てに対応してケース開口72が設けられた場合を例示している。これに対して、上記要素60,46,50,82,80のうちの1個または複数個をケース70内に収容する構成であってもよい。また、ケース70は燃料電池22を収容しないケースであってもよい。すなわち、開口72を有するケース70は部品挿入空間64が設けられた要素を少なくとも収容するものとすることが可能である。また、複数の部品挿入空間64に対して1個のケース開口72を設けるようにしても構わない。
また、図9に例示した箇所以外に部品挿入空間64を設けることも可能である。例えば流体流路24,30,32(図1参照)の1箇所または複数箇所に部品挿入空間64を設けることも可能である。
ここで、部品挿入空間64用に別個の部材を用い当該部材を配管途中に介在させることによって、流体流路に部品挿入空間64を設けることが可能である。これに対して、燃料電池システム20が有する一般的な各種部材、例えばエンドプレート60、気液分離器46、排出バルブ50、フランジ部分82、配管80等に部品挿入空間64を設ける場合には、上記の別個の部材を用いて部品挿入空間64を形成する場合に比べて、部材の追加による重量の増加等を抑制することができる。
上記では交換部品としてフィルタ100を例示したが、交換部品は他の部品、例えばイオン交換器等であってもよい。また、複数種類の交換部品、例えばフィルタ100とイオン交換器とのそれぞれについて上記各種の構成を適用してもよい。
なお、上記では流体流路としてガス流路24,26,28,30,32を例示したが、例えば燃料電池22に接続され当該電池22を冷却するための冷媒の流路についても上記各種の構成を適用可能である。
20 燃料電池システム、22 燃料電池、24 水素ガス供給流路、26 水素ガス循環流路、28 水素ガス排出流路、30 酸素ガス供給流路、32 酸素ガス排出流路、46 気液分離器、50 排出バルブ、60 エンドプレート、64 部品挿入空間、66 部品挿入口、68,110 取り付け規定部、70 ケース、72 開口、74 蓋、80 配管、82 フランジ部分、90 流体流路、100 フィルタ(交換部品)、120,122,124,126 シール部材。
Claims (12)
- 燃料電池に接続される流体流路と、
流体流路に設けられる交換部品と、
を備え、
流体流路は交換部品のための部品挿入空間を有し、該部品挿入空間は流体流路の延伸方向に交差する方向に部品挿入口を有していることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
部品挿入空間をケース内側に収容して設けられるケースをさらに備え、
ケースは部品挿入口に対向する位置に開口を有していることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
部品挿入空間は、燃料電池を挟持するエンドプレートと、気液分離器と、フランジ部分と、流体配管と、バルブとのうちの少なくとも1つに設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
交換部品にはシール部材が取り付けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項4に記載の燃料電池システムであって、
交換部品のシール部材は、流体流路を流れる流体が交換部品と流体流路との間の隙間を通って下流側へ流れるのを防止するシール部材と、流体が部品挿入空間から外部へ流出するのを防止するシール部材と、流体流路内へ異物が進入するのを防止するシール部材とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
部品挿入口は燃料電池システムに対して設けられる作業空間に面していることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
部品挿入口は燃料電池システムの下部に設けられていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
ケースは開口の蓋を有していることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項8に記載の燃料電池システムであって、
ケースの蓋が閉じられた状態でケースの蓋と交換部品とが接触することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
交換部品と部品挿入空間とは、互いに係合して交換部品の取り付け状態を規定する取り付け規定部を有することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
交換部品は、部品挿入空間が設けられた部材との接触部分が絶縁材料で構成されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
交換部品はフィルタとイオン交換器との少なくとも1つであることを特徴とする燃料電池システム。
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-
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- 2007-11-14 JP JP2007295021A patent/JP2009123453A/ja active Pending
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