JP2013233101A - 細胞培養用基材および細胞の取得方法 - Google Patents

細胞培養用基材および細胞の取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた光熱変換特性を示す粒径を有すると同時に、凝集することなくゲル中に安定に分散可能な金微粒子を用いた細胞培養基材を提供することを課題とする。また、その細胞培養基材を用いた細胞の取得方法を提供することを課題とする。
【解決手段】加熱によってゾル化するゲル中に金微粒子を分散させてなり、該金微粒子が、金イオンを含む溶液中で還元剤の存在下に、金からなる種核を成長させて得られ、且つ該金微粒子の体積平均径が35〜65 nmであることを特徴とする細胞培養用基材により、上記の課題を解決した。
【選択図】図11

Description

本発明は、加熱によってゾル化するゲル中に金微粒子を分散させてなる細胞培養用基材に関する。また、本発明はその基材を用いた細胞の取得方法に関する。
再生医療および癌治療の分野においては、疾患や不慮の事故などにより失われた細胞の機能を回復させる目的で、幹細胞および免疫細胞などの特定の機能を有する機能性細胞を対象に投与する細胞療法が試みられている。
このような機能性細胞は、生存、増殖、および機能の発揮のために足場を必要とする付着細胞であるものが多い。従来、このような付着細胞を培養するために、足場としてコラーゲン、ポリリジン、フィブロネクチンなどの基材を内部にコートした培養容器が用いられてきた。このような培養容器を用いることによって、足場に依存する機能性細胞のような付着細胞を効率的に培養できる。
しかし、上記の機能性細胞の培養においては、培養している全ての細胞が所望の機能を有するとは限らない。したがって、その機能を実際に有する細胞のみを取得するためには、培養している細胞の中から該機能を有する細胞を選択的に回収する必要がある。
これまでに、本発明者らは、光エネルギーを熱エネルギーに変換して放出するという金微粒子の性質を利用して、加熱によりゾル化するゲル中に、保護剤としてのデンドリマーに内包された金微粒子を分散させてなる細胞培養基材を開発している(特許文献1参照)。この細胞培養基材では、光を照射した部分のゲルが、金微粒子から発生する熱により溶解するので、その部分に存在する細胞を選択的に取得することを可能にする。
特開2012−39947号公報
Kojima, C.ら, Design of photosensitive gold nanoparticles for biomedical applications based on self-consistent optical response theory., J. Phys. Chem. C 2011, 115, 19091-19095
特許文献1に記載の細胞培養基材を用いた細胞の取得方法では、光照射による細胞へのダメージを抑えるために、照射時間をより短くすることが求められる。他方で、本発明者らは、金微粒子の光熱変換特性がその粒径により変化し、理論解析によれば、金微粒子の粒径が60 nmであるとき、波長532 nmのレーザ照射により最大の変換効率が得られることを報告している(非特許文献1参照)。そこで、細胞培養基材における金微粒子の光熱変換の効率を向上させるため、本発明者らは、金微粒子の粒径を最適化することを検討した。
ここで、金微粒子は、そのままでは微粒子同士が凝集する傾向にあり、また、ゲルに対する親和性に乏しいので、ゲル中で安定に分散しにくい。そこで、凝集の防止およびゲル中での分散性の向上のために、金微粒子をデンドリマーに内包させる手段が採用される。しかし、この場合では、該金微粒子の粒径はデンドリマーの内部空間の大きさによって制限されていた。
したがって、デンドリマーの内部空間よりも大きい粒径の金微粒子を用いたい場合は、デンドリマー以外の手段により金微粒子の凝集を防止し、且つゲル中の分散性を向上させなければならない。そこで、本発明者らは、優れた光熱変換特性を示す粒径を有すると同時に、凝集することなくゲル中に安定に分散可能な金微粒子を用いた細胞培養基材を提供することを目的とした。
本発明者らは、鋭意検討の結果、金イオンを含む溶液中で還元剤の存在下に、金からなる核種を成長させることにより、粒径の大きい金微粒子が得られ、そして該金微粒子は凝集することなくゲル中に安定に分散可能であることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、加熱によってゾル化するゲル中に金微粒子を分散させてなり、該金微粒子が、金イオンを含む溶液中で還元剤の存在下に、金からなる種核を成長させて得られ、且つ該金微粒子の体積平均径が35〜65 nmであることを特徴とする細胞培養用基材を提供する。
また、本発明は、
上記の細胞培養用基材を用いて培養されている細胞から、興味対象の細胞を見出す工程と、
上記の細胞培養用基材に光を照射して、照射範囲内の基材をゾル化する工程と、
上記の範囲内の基材から分離した細胞を回収する工程と
を含む、細胞の取得方法を提供する。
本発明によれば、金微粒子による光熱変換の効率が向上した細胞培養基材が提供される。この基材は、より短時間の光照射によって溶解され得るので、細胞へのダメージが低減することが期待される。また、この基材を用いる本発明の細胞の取得方法によれば、より短時間の光照射によって興味対象の細胞を選択的に取得することを可能にする。
金からなる種核、およびアスコルビン酸を用いて調製した金微粒子の電子顕微鏡写真である。 金からなる種核、およびヒドロキノンを用いて調製した金微粒子の電子顕微鏡写真である。 金からなる種核、およびヒドロキノンを用いて調製した金微粒子の粒度分布を示すグラフである。 金微粒子を含む溶液にレーザを5分間照射したときの温度上昇を示すグラフである。 ゼラチンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材の吸収スペクトルである。 架橋ゼラチンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材の吸収スペクトルである。 コラーゲンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材の吸収スペクトルである。 ゼラチンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材における溶解面積を照射時間に対してプロットしたグラフである。 架橋ゼラチンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材における溶解面積を照射時間に対してプロットしたグラフである。 コラーゲンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材における溶解面積を照射時間に対してプロットしたグラフである。 コラーゲンゲルを用いた本発明の細胞培養用基材のレーザの照射前後の写真である。
(1)細胞培養用基材
[ゲル]
本発明の細胞培養用基材(以下、単に「基材」ともいう)を構成するゲルは、細胞培養が可能であって、加熱によってゾル化するゲルであれば特に限定されない。ここで、ゾル化とは、ゲルを加熱することによって、該ゲルを、液体を分散媒とするコロイド、すなわちゾルへと変換することを意味する。また、本明細書においては、ゾル化することを「溶解する」ともいう。
そのようなゲルの原料としては、細胞に影響を及ぼさない温度で溶媒中に溶解する素材であれば特に限定されず、例えばゼラチン、コラーゲン、デンプン、ペクチン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸などの天然由来材料、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリN-イソプロピルアクリルアミドなどの人工材料などが挙げられる。それらの中でも、コラーゲンおよびゼラチンが好ましい。本発明の実施形態においては、上記の原料のうちの少なくとも1種を用いてゲルを作製する。
当該技術においては種々のタイプのコラーゲンが知られているが、本発明の実施形態においては、コラーゲンの種類は特に限定されず、いずれのタイプのコラーゲンを用いてもよい。それらの中でも、I型コラーゲンを含むコラーゲンゲルが好ましい。また、酵素処理によりテロペプチドを除去したコラーゲンであるアテロコラーゲンを用いてもよい。
本発明の実施形態において、ゼラチンは、生体から得られるコラーゲンから製造されたゼラチンであれば特に限定されない。そのようなゼラチンとしては、例えば、コラーゲンを塩酸などにより酸処理して得られる酸処理ゼラチン、コラーゲンを石灰などによりアルカリ処理して得られるアルカリ処理ゼラチン、およびコラーゲンを酵素処理して得られる酵素処理ゼラチンが挙げられる。
本発明の実施形態において、コラーゲンおよびゼラチンの由来は特に限定されず、例えばウシ、ブタなどの哺乳動物、もしくは七面鳥、ダチョウなどの鳥類の骨、軟骨および皮など、またはサケなどの魚類の皮などから得られたコラーゲンおよびゼラチンを用い得る。
本発明の細胞培養用基材にコラーゲンゲルを用いる場合、基材におけるコラーゲン濃度は、通常0.04〜1重量%、好ましくは0.06〜0.15重量%である。また、ゼラチンゲルを用いる場合、基材におけるゼラチンの濃度は、通常1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。
細胞培養用基材のゾル化点は、通常は、細胞培養時の温度よりも高く、且つ細胞に影響を及ぼさない程度であればよいが、好ましくは37℃より高く、50℃より低い温度であり、より好ましくは39〜45℃である。
本発明の細胞培養用基材においては、ゾル化点を引き上げるために、当該技術において公知の方法によってゲルを架橋してもよい。そのような方法としては、例えば架橋剤や縮合剤を用いる方法、酵素反応を用いる方法、放射線を用いる方法などが挙げられる。
架橋剤や縮合剤を用いる方法では、該架橋剤は、細胞の生存、増殖、接着性および機能の発揮に影響を及ぼさない架橋剤や縮合剤であれば特に限定されない。そのような架橋剤は当該技術において公知である。例えば、ゼラチンを架橋する場合、架橋剤として、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、塩化アルミニウムなどのアルミニウム塩、ジメチロール尿素などのN-メチロール化合物、2, 3-ジヒドロキシジオキサンなどのジオキサン誘導体、1, 3-ビスビニルスルホニル-2-プロパノールなどのビニル化合物、あるいはグルタルアルデヒド、エチレンジアミン、コハク酸などの多官能性化合物、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルフォリニウムクロライドn-ハイドレート(DMT-MM)などの縮合剤などを用い得る。また、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)もしくはエチル(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)との組み合わせを用いてもよい。なお、本発明の実施形態においては、これらの架橋剤を単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
酵素反応を用いる方法では、トランスグルタミナーゼなどを用いることによって、ゼラチンの架橋を行うことができる。
放射線を用いる方法では、ゼラチンに電子線、ガンマ線などの放射線を照射することによって、ゼラチンの架橋を行うことができる。また、紫外線照射による架橋も可能である。
[金微粒子]
本発明の基材に用いられる金微粒子は、金イオンを含む溶液中で還元剤の存在下に、金からなる種核を成長させて得られ、且つ該金微粒子の体積平均径が35〜65 nmであることを特徴とする。本発明の実施形態において、金微粒子は、上記の特徴を有する限り、特に限定されない。なお、金からなる種核を成長させる方法自体は当該技術において公知であり、例えば、Perrault, S. D.およびChan, W. C. W., J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 17042-17043、Ziegler, C.、Eychmuller, A., J. Phys. Chem. C. 2011, 115, 4502-4506、およびBastus, N. G.ら, Langmuir. 2011, 27, 11098-11105に記載されている。
本発明の実施形態において、還元剤は、金イオンを含む溶液中で金イオンを還元することにより、金からなる種核を成長させる物質であれば特に限定されないが、好ましくは、還元反応が緩やかに進行する条件下で用い得る還元剤である。そのような還元剤自体は当該技術において公知であり、例えばヒドロキノン、アスコルビン酸、クエン酸などが挙げられる。本発明の実施形態においては、還元剤を単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の実施形態において、還元剤としてヒドロキノン、アスコルビン酸またはクエン酸を用いる場合、還元反応は酸性条件下で行うことが好ましい。その場合、酸性のpHで緩衝作用を有する緩衝剤を反応液に添加しておくことが好ましい。そのような緩衝剤は特に限定されないが、例えばクエン酸などが挙げられる。なお、クエン酸は、還元能および緩衝能を有する多機能性材料として作用する。
上記の金からなる種核は、当該技術において公知の金微粒子の製造方法により取得することができる。例えば、金イオンを還元することにより、種核としての金微粒子を得ることができる。また、市販の金微粒子を種核として用いてもよい。そのような金微粒子としては、例えば、金微粒子溶液(5 nm Colloidal Gold、10 nm Colloidal Goldおよび20 nm Colloidal Gold)がSigma-Aldrich社より販売されている。
本発明の実施形態において、金微粒子の体積平均径の測定方法は特に限定されず、公知の粒子径の測定方法から選択すればよい。そのような測定方法として、例えば、透過型電子顕微鏡により得られた画像の解析から体積平均径を測定する方法が挙げられる。
本発明の基材においては、詳細なメカニズムは不明であるが、上記の種核成長法により得られる金微粒子はゲルに対する親和性を有しているので、該金微粒子はゲル中に安定に分散する。これは、おそらく、金微粒子の表面が上記の還元剤などで被覆されることによって該金微粒子が安定化し、その結果、ゲル中での分散性が向上したものと考えられる。
なお、本発明の基材に含まれる金微粒子の量は特に限定されないが、例えば、金濃度で表して100〜1000μM、好ましくは100〜500μMである。
本発明の実施形態においては、任意に、金微粒子の表面を保護剤で修飾してもよい。そのような保護剤としては、上記のゲルに対して親和性を有する分子であれば特に限定されないが、例えばコラーゲンペプチド、ポリエチレングリコール、デキストラン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。なお、保護剤による修飾は、該保護剤を上記の金微粒子の表面に物理的、化学的または生物学的に結合させる方法により行われ、そのような方法自体は公知である。
本発明の基材に用いられる金微粒子は、公知の精製方法、例えば透析法、限外ろ過法、ゲルろ過クロマトグラフィー法などにより精製されてもよい。また、金微粒子は、公知の滅菌方法、例えば蒸気圧滅菌法などにより滅菌されてもよい。
[細胞培養基材]
本発明の基材は、上記の金微粒子を適切な分散媒に分散させた液と、溶解したゲルの溶液(ゾル)とを混合し、得られた混合物を冷却によりゲル化することにより製造することができる。なお、上記の分散液に用いられる分散媒は、細胞に対して毒性のない水性媒体であれば特に限定されず、例えば水、生理食塩水、緩衝液などが挙げられる。
本発明の実施形態において、上記の混合は、ゾルがゲル化しない温度下、例えばゼラチンを用いる場合は35〜45℃にて行うことが好ましい。また、上記の混合物の冷却は、該混合液を適当な細胞培養用容器内に入れた状態で行うことが好ましい。そのような容器の形状は特に限定されず、例えばディッシュ、プレートなどの形態にある市販の容器を用い得る。なお、本発明の基材の製造は、クリーンルームのような無菌空間内で行うことが好ましい。
本発明の基材において、金微粒子がゲル中に分散しているか否かは、該基材について波長400〜800 nmの範囲における吸収スペクトルを得ることにより確認できる。該基材中の金微粒子の吸収スペクトルが、上記の分散液中の金微粒子の吸収スペクトルと同様に、金微粒子に特有の表面プラズモン共鳴吸収(SPR)が確認できる場合、金微粒子がゲル中において凝集することなく、安定に分散していることがわかる。
本発明の基材を用いて培養される細胞は、接着細胞であれば特に限定されないが、好ましくは特定の機能を有すると考えられる細胞である。そのような細胞としては、生体から得た細胞であってもよいし、当該技術において公知の樹立細胞株であってもよい。例えば、樹状細胞などの免疫細胞、胚性幹細胞(ES細胞)および誘導多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞、生体から採取した組織などに由来する初代培養細胞、種々の癌細胞などが挙げられる。さらに、本発明の基材は、当該技術において公知の方法により形質転換された細胞の培養にも好適に用い得る。そのような形質転換細胞としては、例えば、所定のタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクター、または、siRNAもしくはshRNAなどを導入した細胞などが挙げられる。
本発明の基材を用いて細胞を培養する場合、その培養方法は、本発明の基材を用いること以外は当該技術において公知の培養方法と異なるところはなく、細胞の種類に応じて必要な培地、添加物、器具、設備などを用いて細胞を培養すればよい。
本発明の基材には上記の金微粒子が分散しているので、光が照射されると該金微粒子から熱が発生して照射範囲内の基材がゾル化する。その結果、照射範囲内にあった細胞は、基材のゾル化によって足場を失うので、該基材から分離する。本発明の実施形態において、照射光は、細胞に重大な損傷を与えない波長およびエネルギーを有する光であればよく、通常400〜1200 nm、好ましくは450〜900 nmの波長を有し、0.1〜1000 mW、好ましくは0.4〜500 mWで射出される光線である。そのような光線はレーザ光線が好ましい。
(2)細胞の取得方法
本発明の細胞の取得方法(以下、単に「方法」ともいう)では、まず、本発明の細胞培養用基材を用いて培養されている細胞から、興味対象の細胞を見出す。
上記の興味対象の細胞は、基材上で培養している細胞の中から選択的に取得しようとする任意の細胞であればよい。そのような細胞としては、例えば、興味対象の機能を有するか、または興味対象の分子を発現している細胞などが挙げられ、より具体的には、上記の幹細胞、免疫細胞、形質転換細胞などである。
興味対象の細胞を見出す手段は特に限定されず、例えば、顕微鏡などで細胞を観察して見出すことができる。例えば、特定の形態を呈しているか、または緑色蛍光タンパク質などの所定のマーカー分子を発現している細胞として見出してもよい。あるいは、細胞を当該技術において公知の色素、酵素、抗体などで直接的または間接的に標識して、標識された細胞を興味対象の細胞として見出してもよい。
次いで、本発明の方法では、上記の細胞培養用基材に光を照射して、照射範囲内の基材をゾル化する。本発明の方法に用い得る光は、本発明の基材について述べたことと同様である。また、光の照射時間は、照射範囲内の基材をゾル化できる時間であれば特に限定されないが、通常10〜600秒、好ましくは10〜300秒である。なお、光を射出する装置は、細胞培養用基材上の任意の範囲内に光を照射できる限り特に限定されないが、好ましくはレーザスキャン顕微鏡である。
本発明の実施形態において、光を照射する範囲は、興味対象の細胞自体または該細胞を含む領域であってもよい。あるいは、興味対象の細胞を含まない領域、すなわち興味対象の細胞以外の細胞自体または該細胞を含む領域であってもよい。また、光を照射する範囲は、本発明の基材上に1つであってもよいし、複数であってもよい。
本発明の方法では、上記の光を照射した範囲内の基材から分離した細胞を回収する。
光を基材上の興味対象の細胞自体または該細胞を含む領域に照射した場合、興味対象の細胞が該基材から分離する。この分離した細胞を培地ごと回収することにより、興味対象の細胞を取得することができる。また、光を基材上の興味対象の細胞を含まない領域に照射した場合、興味対象の細胞以外の細胞が該基材から分離する。この分離した細胞を培地ごと回収することにより、興味対象の細胞を、容器内に残った基材上に付着した状態で取得できる。あるいは、フォトリゾグラフィーで用いられるマスクにより、光の照射範囲を制御することもできる。
本発明の方法は、培地を除いた状態で行うこともできる。この場合、本発明の基材に光を照射した後、ゾル化した部位または基材全体に、培地または適当な緩衝液などの液体を添加し、該基材から分離した細胞を、添加した液体ごと回収することにより、興味対象の細胞を取得することができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1: 細胞培養用基材の製造
(1)金微粒子の作製
(1-1)アスコルビン酸を用いた金微粒子の作製
(1-1-1)試薬
・HAuCl4水溶液
塩化金酸四水和物(HAuCl4・4H2O) (1g:ナカライテスク株式会社)を超純水(10 ml)に溶解して希釈し、HAuCl4水溶液(230.2 mM)を調製した。さらに、このHAuCl4水溶液を超純水で希釈して、HAuCl4水溶液(7.06 mM)を調製した。
・クエン酸混合溶液
クエン酸三ナトリウム二水和物(27.4 mg:ナカライテスク株式会社)と、クエン酸一水和物(1.3 mg)と、超純水(2.4 ml)を混合して、クエン酸混合溶液(クエン酸三ナトリウム:38.5 mM、クエン酸:2.38 mM)を調製した。
・アスコルビン酸水溶液
アスコルビン酸(48 mg:Sigma-Aldrich社)を超純水に溶解して、アスコルビン酸水溶液(6.8 M、4ml)を調製した。
・クエン酸三ナトリウム水溶液
クエン酸三ナトリウム二水和物(27.4 mg)を超純水に溶解して、クエン酸三ナトリウム水溶液(71 mM、2ml)を調製した。
(1-1-2)金からなる種核の作製
HAuCl4水溶液(7.06 mM、2.083 ml)と、超純水(47.917 ml)とを混合し、得られた混合溶液を攪拌しながら、オイルバスにて120℃で加熱した。この混合溶液が沸騰した時点で、すばやくクエン酸混合溶液(2ml)を加え、5分間加熱還流して、金からなる種核を含む溶液(金濃度282.9μM) (以下「Seed A溶液」という)を得た。
(1-1-3)金微粒子の作製
HAuCl4水溶液(7.06 mM、2ml)と、超純水(10 ml)とを混合して、A1溶液を調製した。アスコルビン酸水溶液(6.8 M、0.5 ml)と、クエン酸三ナトリウム水溶液(71 mM、0.25 ml)と、超純水(11.25 ml)とを混合して、B1溶液を調製した。上記のSeed A溶液(3ml)と、超純水(17 ml)とを混合して、C1溶液を調製した。A1溶液(12 ml)およびB1溶液(12 ml)のそれぞれを別個の10 mlシリンジに入れ、各シリンジにテフロン(登録商標)チューブを繋ぎ、シリンジポンプ(SP-2PC:AS ONE社製)を用いて、それぞれの溶液を独立かつ等速(10 ml/45 min)で、攪拌中のC1溶液へ注入した(室温)。注入後、ただちに混合液をオイルバスにて120℃で30分間加熱還流した。その後、放冷して、種核を成長させて、金微粒子を含む溶液(金濃度315.5μM) (以下「Growth A溶液」という)を得た。
得られたGrowth A(4.5 ml)と、超純水(15.5 ml)とを混合して、C2溶液を調製した。このC2溶液に含まれる金微粒子を種核として、さらに成長させた。すなわち、上記のC1溶液に替えてC2溶液を用いたこと以外は上記と同様にして、金微粒子を含む溶液(金濃度329.8μM) (以下「Growth B溶液」という)を得た。
なお、各溶液中の金微粒子は常温下でさらに成長するので、これらの溶液を所定の期間保存した。保存の開始から0時間、1日、2日および5日目において、各溶液から一部を採取した。また、Seed A溶液についても同様に保存し、サンプリングした。
(1-2)ヒドロキノンを用いた金微粒子の作製
(1-2-1)試薬
・HAuCl4水溶液
HAuCl4水溶液(230.2 mM)を超純水で希釈して、HAuCl4水溶液(29.47 mM)を調製した。
・クエン酸三ナトリウム水溶液
クエン酸三ナトリウム二水和物を超純水に溶解して、クエン酸三ナトリウム水溶液(38.7 mM)を調製した。
・ヒドロキノン
ヒドロキノン(ナカライテスク株式会社)を超純水に溶解して、ヒドロキノン水溶液(30 mM)を調製した。
(1-2-2)金からなる種核の作製
HAuCl4水溶液(29.47 mM、0.3 ml)と、超純水(30 ml)とを混合し、得られた混合溶液を激しく攪拌しながら、オイルバスにて130℃で加熱した。この混合溶液が沸騰した時点で、クエン酸三ナトリウム二水和物水溶液(38.7 mM、0.9 ml)を加え、10分間加熱還流した。その後、常温にて静置して、金からなる種核を含む溶液(金濃度283.7μM) (以下「Seed B溶液」という)を得た。
(1-2-3)金微粒子の作製
HAuCl4水溶液(29.47 mM)を遠心分離(25℃、11000 rpm、60分)して、上澄み液を回収した。回収したHAuCl4水溶液の上澄み液(29.47 mM、0.1 ml)と、超純水(9.372 ml)と、Seed B溶液(0.406 ml)とを混合し、25℃に保ったインキュベータ(TAITEC BCP-120F)内で激しく攪拌した。得られた混合液にクエン酸三ナトリウム水溶液(38.7 mM、0.022 ml)を加えた後、すばやくヒドロキノン水溶液(30 mM、0.1 ml)を加えた。そして、1時間攪拌して種核を成長させて、金微粒子を含む溶液(金濃度306.2μM) (以下「Growth1溶液」という)を得た。
また、Seed B 溶液の量を0.2 mlおよび0.1 mlに変更したことと、最終的な水溶液の体積をそれぞれ10 mlとするために超純水の量を変更したこと以外は上記と同様にして、それぞれ、金微粒子を含む溶液(金濃度300.4μM) (以下「Growth2溶液」という)、および金微粒子を含む溶液(金濃度297.5μM) (以下「Growth3溶液」という)を得た。
なお、各溶液中の金微粒子は常温下でさらに成長するので、これらの溶液をクールインキュベータ(三菱電機エンジニアリング株式会社製)内で25℃にて暗室保存した。保存の開始から0時間、1日、3日、7日および30日目において、各溶液から一部を採取した。また、Seed B溶液についても同様に保存し、サンプリングした。
(1-3)金微粒子内包デンドリマーの作製
比較のため、デンドリマーに内包された金微粒子を作製した。
(1-3-1)試薬
・HAuCl4水溶液
HAuCl4水溶液(230.2 mM)を超純水で希釈して、HAuCl4水溶液(7.06 mM)を調製した。
・NaBH4-NaOH溶液
NaBH4 (2.27 mg:和光純薬工業株式会社)をNaOH水溶液(0.3 M、0.4 ml)に溶解して、NaBH4-NaOH溶液(1.96 mM)を調製した。
・PEG修飾デンドリマー(PEG-PAMAM-G4den)
PEG-PAMAM-G4denは、Kojima, C.ら, Bioconjugate Chem., vol. 11, 910-917 (2000) に記載の合成法に従って合成した。
(1-3-2)金微粒子内包デンドリマーの作製
PEG-PAMAM-G4den水溶液(10μM、16.7 ml)を超純水(12.294 ml)で希釈して攪拌しながら、HAuCl4水溶液(7.06μM、1.30 ml、デンドリマーに対して55当量)を加えた。ここに、NaBH4-NaOH溶液(1.96 mM、0.306 ml、デンドリマーに対して275当量)を加え、1時間攪拌して、金微粒子内包デンドリマーを含む溶液(金濃度300μM ) (以下「Dendrimer溶液」という)を得た。なお、作製方法は、Haba, Y. Kojima, C.ら, Langmuir, vol. 23, 5243-5246 (2007)に記載されている。
(2)金微粒子の特徴決定
(2-1)金微粒子の表面プラズモン共鳴(SPR)測定
上記の各溶液について、UV/vis Spectrophotometer (JASCO V-630:JASCO社製)を用いて25℃での400〜800 nmの吸収スペクトルを測定した。なお、各溶液の金濃度が100μMとなるように超純水で希釈して、測定サンプルとした。測定結果から、530 nm付近のSPRに由来する、金微粒子に特有の吸収スペクトルの強度を比較することにより、各溶液に含まれる金微粒子の光吸収効率を評価した。
デンドリマーに内包された金微粒子の吸収スペクトルでは、530 nm付近にSPRに由来する吸収バンドが見られた。また、Dendrimer溶液が赤橙色を呈していたことから、粒径の小さな金微粒子の生成を確認した。
Seed A溶液中の種核、ならびにGrowth A溶液およびGrowth B溶液中の金微粒子の吸収スペクトルでは、Growth A、Growth Bの順にスペクトルのピークトップ位置のレッドシフトが見られ、スペクトル強度の増加が見られたことから、種核の成長が行えたと考えられる。
Seed溶液では、経時的なスペクトル変化が見られず、分散安定性が高いことがわかった。他方で、Growth1〜3溶液では、いずれも調製からおよそ7日後まで経時的な吸収スペクトルの上昇がみられ、30日後も金微粒子は安定に分散していることが示唆された。また、調製から7日後の種核および金微粒子のスペクトルを比較したところ、種核の成長に伴って吸光度が大幅に上昇したことがわかり、様々な粒径の金微粒子が作製されたことが示唆された。また、波長532 nmにおいては、Growth1およびGrowth2溶液中の金微粒子が最大の光吸収を示すことがわかった。
(2-2)透過型電子顕微鏡による粒径測定
上記で得られた各溶液(10μl)を、グリッド(応研商事製)上に滴下し、室温で2分間静置した。そして、ろ紙で水分を吸い取り、デシケーター内で乾燥させてサンプルを得た。得られたサンプルを透過型電子顕微鏡(JEM-2000F、加速電圧200 kV:日本電子製)を用いて観察し、粒径を測定した。得られた画像を図1および図2に示す。図1の(a)〜(c)はそれぞれ、調製から2日後のSeed A溶液中の種核、ならびにGrowth A溶液およびGrowth B溶液中の金微粒子の画像である。また、図2の(a)〜(d)はそれぞれ、調製から7日後のSeed溶液中の種核、およびGrowth1〜3の溶液中の金微粒子の画像である。なお、図1および図2中のスケールバーはぞれぞれ20nmおよび50 nmを表す。
Dendrimer溶液に含まれる金微粒子の体積平均径は、Haba, Y. Kojima, C.ら, Langmuir, vol. 23, 5243-5246 (2007)に記載されているとおり、約2nmであった。
図1より、種核の体積平均径は13 nmであり、アスコルビン酸を用いて調製したGrowth A溶液およびGrowth B溶液中の金微粒子の体積平均径はそれぞれ31 nmおよび69 nmであった。この結果より、種核の成長を適切に行えたことがわかった。
図2より、種核の体積平均径は13 nmであり、ヒドロキノンを用いて調製したGrowth1〜3の溶液中の金微粒子の体積平均径はそれぞれ39 nm、49 nmおよび64 nmであった。この結果より、種核の成長を適切に行えたことがわかった。また、ヘキサゴナルな形状の粒子が多く見られた。これらの金微粒子の粒度分布を図3に示す。図3より、Growth1〜3の粒径の標準誤差(SD)は15%以内であり、単分散性が比較的高いことがわかった。
以降の実験では、ヒドロキノンを用いて作製した金微粒子を用いた。
(2-3)金微粒子の光熱変換能の検討
Dendrimer溶液、ならびに調製から7日目のGrowth1〜3の溶液にレーザを照射して、溶液の温度変化を測定することにより、金微粒子の光熱変換能を検討した。
金濃度を100μMに調整した各溶液(3ml)を、可視光透過型プラスチックセル(Kartell社製)に入れ、撹拌しながら、レーザ射出装置(JUNO-5000:昭和オプトロニクス社製)を用いてレーザ(波長532 nm、強度0.9 W、光径3mm)を5分間照射した。この間に、熱電対(SK-1250MCIIIα:SATO KEIRYOKI社製)を用いて各溶液の温度を経時的に測定した。結果を図4に示す。
図4は、5分間のレーザ照射後の各溶液の温度上昇を示したグラフである。図4より、ヒドロキノンを用いて調製したGrowth1〜3の溶液中の金微粒子は、デンドリマーに内包された金微粒子に比べて、大幅な温度上昇が見られた。なお、この結果では、粒径がそれぞれ39 nmおよび49 nmのGrowth1およびGrowth2で最も高い温度上昇が認められたが、これは非特許文献1の理論解析で導き出された粒径(60 nm)とは異なっていた。また、温度変化の大きさと、吸収スペクトルの強度との間に相関が見られた。
(3)金微粒子をゲル中に分散させた細胞培養用基材の作製
加熱により溶解する各種のゲル中に、上記のSeed B溶液中の種核、およびGrowth1〜3の溶液中の金微粒子をそれぞれ分散させた細胞培養用基材を作製した。
(3-1)ゼラチンゲルを用いた細胞培養用基材の作製
超純水で希釈した各溶液(1.3 ml)を、ウォーターバスを用いて60℃〜70℃で加熱した。ここへ、固体ゼラチン(90 mg、豚皮由来、タイプA:Sigma-Aldrich社製)を加え、30分間加熱しながら攪拌してゼラチンを溶解させた後、40℃に保った。これをマルチディッシュプレート(nunc社製)へ加え、サーモミキサー(eppendorf社製)を用いて40℃で1時間静置した。その後、冷蔵庫(4℃)で12時間以上静置して、金微粒子分散ゼラチンゲルを得た。得られた金微粒子分散ゼラチンゲルは、ゼラチン濃度が6wt%、金濃度が250μMであった。
(3-2)架橋ゼラチンゲルを用いた細胞培養用基材の作製
超純水で希釈した各溶液(1.5 ml)を、ウォーターバスを用いて60℃〜70℃で加熱した。ここへ、固体ゼラチン(90 mg、豚皮由来、タイプA:Sigma-Aldrich社製)を加え、30分間加熱しながら攪拌してゼラチンを溶解させた後、40℃に保った。ここへ、NHS水溶液(0.087 M、0.075 ml:東京化成工業)を加えて素早く撹拌し、次いで、EDC水溶液(0.516 M、0.125 ml:ペプチド研究所)を加えて素早く攪拌した。これを、ただちにマルチディッシュプレート(nunc社製)へ加え、サーモミキサー(eppendorf社製)を用いて40℃で1時間静置した。その後、冷蔵庫(4℃)で12時間以上静置して、金微粒子分散架橋ゼラチンゲルを得た。得られたゲルに、ゲル300μl当たり600μlのPBS(-)を添加して37℃でインキュベーションして洗浄した。その後、PBS(-)を2回置換し、24時間にわたって洗浄を計3回行った。その後、Opti-MEM(300μl/well:GIBCO社)で置換して、37℃で24時間インキュベーションした。得られた金微粒子分散架橋ゼラチンゲルは、ゼラチン濃度が6wt%、NHS濃度が0.05 wt%、EDC濃度が0.5 wt%、金濃度が250μMであった。
(3-3)コラーゲンゲルを用いた細胞培養用基材の作製
(3-3-1)試薬
・10倍濃度無機塩培地
イオン交換水(10 ml)に、CaCl無水物(20.2 mg)、MgCl・6H2O (23.5 mg)、KCl (40.4 mg)、NaCl (639.7 mg)およびNaH2PO4・2H2O (14.1 mg)を加えて溶解させ、得られた溶液をフィルター滅菌して、10倍濃度無機塩培地を調製した。
・再構成溶液
NaOH (0.05 M、10 ml)に、NaHCO3 (219.7 mg)およびHEPES (477.12 mg)を加えて溶解させ、得られた溶液をフィルター滅菌して、再構成溶液を調製した。
・水(pH3)
イオン交換水にHCl水溶液(0.05 M)を加え、pHメーターを用いてpH3に調整し、得られた溶液をフィルター滅菌して、水(pH3)を調製した。
(3-3-2)金微粒子分散コラーゲンゲルの作製
クリーンベンチ内で、氷冷下でCellmatrix I-A(コラーゲン濃度0.3wt%、pH3.0、0.447 ml:新田ゼラチン株式会社)に、金微粒子を含む溶液(0.333 ml)、10倍濃度無機塩培地(0.1 ml)、水(pH3、0.02 ml)、および再構成溶液(0.1 ml)を加えて、コラーゲン−金微粒子混合溶液(1ml)を調製した。これをマルチディッシュプレート(nunc社製)へ加え、ダイレクトヒートCO2インキュベータ(Thermo scientific社製)内で37℃にて1時間静置して、金微粒子分散コラーゲンゲルを得た。得られたゲルに、ゲル300μl当たり600μlのPBS(-)を添加して37℃で24時間インキュベーションして洗浄した。得られた金微粒子分散コラーゲンゲルは、コラーゲン濃度が0.134 wt%、金濃度が250μMであった。
(3-4)金微粒子内包デンドリマーを分散させた細胞培養用基材の作製
比較のため、各種のゲル中に金微粒子内包デンドリマーを分散させた細胞培養用基材を作製した。具体的には、金微粒子を含む溶液に替えてDendrimer溶液を用いたこと以外は上記の(3-1)〜(3-3)と同様にして、同じ金濃度の細胞培養用基材を作製した。
(4)金微粒子分散ゲルの特徴決定
(4-1)金微粒子分散ゲルのSPR測定
上記で得られたマルチディッシュプレート中の金微粒子分散ゲル(200μl/well、金濃度100μM)について、UV/visスペクトルを400〜800 nmの範囲でマルチプレートリーダー(Multiskan spectrum:eppendorf社製)を用いて測定した。測定は、ゲル作製直後、24時間PBS(-)洗浄後、24時間Opti-MEM処理後の順に行った。なお、コントロールとして、金微粒子を含まないゲルを用いた。
図5に、ゼラチンゲルの基材の吸収スペクトルを示す。図5より、吸収スペクトルは、溶液の状態のときと比べて若干の変化は見られたが、金微粒子がゲル中で安定に分散していることがわかった。しかし、種核を含むゼラチンゲルでは、532 nm付近でのピークが減少しており、種核はゼラチンゲル中で不安定であることがわかった。
図6に、架橋ゼラチンゲルの基材の吸収スペクトルを示す。この図では、各サンプルのスペクトルから、コントロールのゲルのスペクトルを差し引いている。図6より、溶液のスペクトル(図中の「solution」)と比べて、ゲル(図中の「gel」)、PBS(-)で洗浄した該ゲル(図中の「gel (PBS(-) 24h)」)、および洗浄後に培地を添加した該ゲル(図中の「gel (PBS(-) 24h & Opti-MEM 24h)」)のスペクトルは若干変化したものの、各処理でSPRバンドはむしろ微増していた。したがって、金微粒子は架橋ゼラチンゲル中で分散安定であると考えられる。
図7に、コラーゲンゲルの基材の吸収スペクトルを示す。この図では、各サンプルのスペクトルから、コントロールのゲルのスペクトルを差し引いている。また、UVスペクトル強度が安定しなかったので、400 nmにおける溶液のスペクトル(図中の「solution」)の吸光度で正規化した。図7より、架橋ゼラチンゲルの場合と同様に、溶液のスペクトルと比べて、ゲル(図中の「gel」)、PBS(-)で洗浄した該ゲル(図中の「gel (PBS(-) 24h)」)、および洗浄後に培地を添加した該ゲル(図中の「gel (PBS(-) 24h & Opti-MEM 24h)」)のスペクトルは若干変化したものの、各処理でSPRバンドはむしろ微増していた。したがって、金微粒子はコラーゲンゲル中で分散安定であると考えられる。
(4-2)細胞培養用基材のゾル化面積の測定
上記のマルチディッシュプレート内に作製した細胞培養用基材を、25℃または37℃に設定したサーモミキサー上に載せ、真上から垂直にレーザ(波長532 nm、強度0.9 W、光径3mm、照射面積約7mm2)を5分間照射して、ゾル化したゲルの面積を記録した。具体的には、デジタルカメラで撮影したゲルの画像からゾル化部分の長径および短径を実測して算出した。なお、架橋ゼラチンゲルおよびコラーゲンゲルでは、レーザの照射前にゲル上の培地などを除去した。
図8〜10に、各種のゲルの細胞培養用基材における溶解面積を照射時間に対してプロットしたグラフを示す。図8より、ゼラチンゲルを用いた基材の場合は、金微粒子(Growth1〜3)は、同じ金濃度条件の金微粒子内包デンドリマー(Au-den)と比べて、大幅に溶解面積が増大していた。また、Growth1〜3では、レーザの照射部位(約7mm2)を溶解するのに要する時間は30秒以内であるのに対し、Au-denでは60〜120秒であることが示された。なお、種核は上記のとおりゼラチンゲル中で安定に分散しなかったので、試験を行っていない。
図9より、架橋ゼラチンゲルを用いた基材の場合は、ゾル化温度がゼラチンゲルよりも高いので、溶解面積は大幅に下がったと考えられるが、図8と同様に、金微粒子(Growth1〜3)は、同じ金濃度条件のAu-denと比べて、溶解面積が増大していた。架橋剤の種類およびゼラチン濃度を変更して、架橋ゼラチンのゾル化温度を調節することにより、基材の溶解性が改善されると期待される。
金微粒子内包デンドリマーがコラーゲンゲル中では安定に分散しなかったので、比較のために種核(Seed)を用いた。図10より、コラーゲンゲルを用いた基材の場合は、Growth1〜3では、経時的な溶解面積の増大が見られた。また、Seedでは5分間のレーザ照射でも照射部位(約7mm2)の溶解には至らなかったが、Growth1〜3ではいずれも5分以内に照射部位を溶解できた。
実施例2: コラーゲンゲル中に金微粒子を分散させた基材を用いる細胞の培養および剥離
実施例1で得た、コラーゲンゲル中に金微粒子としてGrowth1〜3をそれぞれ分散させた細胞培養用基材を用いて、ヒト子宮頸癌由来のHeLa細胞を培養した。培地としてOpti-MEMを用いて、37℃、5%CO2雰囲気下で培養した。そして、培地を除去して、レーザ(波長532 nm、強度0.9 W、径3mm)をHeLa細胞が存在する基材上に5分間照射した後、すみやかに培地を添加した。レーザ照射の前後の細胞培養用基材の写真を、図11に示す。
照射前である図11の左パネル(上からGrowth1〜3)より、本発明の細胞培養用基材を用いて細胞を正常に培養できることが分かった。また、図11の右パネルより、レーザ照射前に比べて、細胞密度が低下していた。これは、光照射によって細胞を該細胞培養用基材から剥離できたことを示唆する。

Claims (5)

  1. 加熱によってゾル化するゲル中に金微粒子を分散させてなり、前記金微粒子が、金イオンを含む溶液中で還元剤の存在下に、金からなる種核を成長させて得られ、且つ前記金微粒子の体積平均径が35〜65 nmであることを特徴とする細胞培養用基材。
  2. 前記還元剤が、金イオンを還元することにより、金からなる種核を成長させる物質である請求項1に記載の細胞培養用基材。
  3. 前記物質が、ヒドロキノン、アスコルビン酸およびクエン酸から選択される少なくとも1種である請求項2に記載の細胞培養用基材。
  4. 前記ゲルが、ゼラチンゲルまたはコラーゲンゲルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞培養用基材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞培養用基材を用いて培養されている細胞から、興味対象の細胞を見出す工程と、
    前記細胞培養用基材に光を照射して、照射範囲内の基材をゾル化する工程と、
    前記範囲内の基材から分離した細胞を回収する工程と
    を含む、細胞の取得方法。
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