JP2013233016A - ステーター用インシュレーター - Google Patents

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Abstract

【課題】成形収縮に伴う変形を抑えることできるステーター用インシュレーターを提供する。
【解決手段】樹脂製のインシュレーターの備える上側構成部材11は、ステーターコアが通される矩形筒体形状をなす周壁を構成する上側周壁部分12を備えている。上側周壁部分12は、上側中央壁と、上側第中央壁に連結された上側連結短壁16と、上側中央壁に連結された上側連結長壁17とから構成されている。上側周壁部分12におけるステーターコアのヨーク部側には、上側ヨークフランジ13を備え、ティース部側には上側ティースフランジ14を備えている。上側ヨークフランジ13と上側ティースフランジ14との内表面には、フランジ凹部とフランジ凸部とから構成される段差部が形成されている。
【選択図】図3

Description

本開示の技術は、モーターやジェネレーター等の回転電機のステーターにて、ステーターコアとコイルとを絶縁するステーター用インシュレーターに関する。
従来から、モーターやジェネレーター等の回転電機には、例えば、特許文献1に記載のように、複数のステーターコアが環状に連結されたステーターが用いられている。こうしたステーターの構成について、図16から図18を参照して説明する。図16は、ステーターの平面構造を示す平面図であり、一部を部分断面図として示す図である。また、図17は、ステーターを構成するステーターコアとインシュレーターとの斜視構造を示す分解斜視図であり、図18は、インシュレーターの構成部材を示す斜視図である。
図16に示されるように、円環形状をなすステーター50の外周部では、複数のステーターコアCが周方向に配列されている。各ステーターコアCは、ステーター50の中心軸と平行な方向である積層方向に複数のコア片C1が接合された積層体であり、複数のコア片C1の各々は、ステーター50の中心軸と平行な方向から見てT字形状をなしている。こうしたステーターコアCは、ステーター50の外周部を構成してステーター50の周方向に延びる板状をなすヨーク部CYと、ヨーク部CYからステーター50の径方向に延びる矩形柱状のティース部CTとを備えている。
ヨーク部CYには、ステーター50の周方向にて互いに向かい合う一対の対向端面が形成されている。一対の対向端面の一方には、周方向に窪んだ部分である嵌合溝C2が、コア片C1の積層方向に延びている。一対の対向端面の他方には、周方向に突出した部分である嵌合突条C3が、これもまたコア片C1の積層方向に延びている。そして、互いに隣接するステーターコアCでは、一方のステーターコアCの嵌合突条C3が、他方のステーターコアCの嵌合溝C2に嵌め込まれている。これによって、ステーター50の外周部が、複数のヨーク部CYの連結体として形成されている。
ティース部CTの周面には、矩形筒形状をなす絶縁性のインシュレーター51が取付けられ、インシュレーター51の外周面には、コイル52が巻き付けられている。
図17に示されるように、インシュレーター51は、ステーター50の径方向の両端に開口を有してティース部CTの周面を囲う矩形筒体形状をなす周壁を備えている。インシュレーター51における周壁は、互いに対向する2つの第一壁61と、互いに対向する2つの第二壁62とから構成され、1つの第一壁61と1つの第二壁62とが一体成形された2つの構成部材63の結合体である。
各構成部材63における第一壁61は、コア片C1が広がる方向と平行な側面を有する板状をなし、ティース部CTの周面のうちステーター50の軸方向と平行な部分を覆っている。各構成部材63における第二壁62は、コア片C1が積層される方向と平行な側面を有する板状をなし、ティース部CTの周面のうちステーター50の軸方向と直交する部分を覆っている。こうして構成される第一壁61と第二壁62との各々には、ステーター50の径方向の両端部に、ヨークフランジ64とティースフランジ65とが形成されている。
1つの構成部材63における第一壁61には、他の構成部材63の第二壁62と向い合う部位に、嵌合凹部63aが形成されている。また、1つの構成部材63における第二壁62には、他の構成部材63における第一壁61と向い合う部位に、嵌合凸部63bが形成されている。そして、1つの構成部材63の嵌合凹部63aに他の構成部材63の嵌合凸部63bが嵌め込まれることによって、構成部材63同士が連結される。
特開2008−161015号公報
ところで、各構成部材63の形成材料には、例えば、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維が合成樹脂に混合された繊維強化樹脂が用いられる。そして、繊維強化樹脂が金型内に流し込まれることによって、構成部材63が成形される。このとき、樹脂に混合された繊維は、繊維の延びる方向が樹脂の流れる方向に沿う状態で配列される。例えば、図18にて実線矢印で示されるように、ティースフランジ65における第一壁61から立ち上がる部分に樹脂のゲート痕Gが形成される場合、第二壁62では、第二壁62の基端から先端に向かって繊維が配列する。また、ヨークフランジ64とティースフランジ65とでは、第二壁62から立ち上がる部分において、第二壁62の基端から先端に向かって繊維が配列する。そして、樹脂が冷却されることによって、金型に沿った形状の構成部材が成形される。
この際に、繊維の延びる方向では樹脂の収縮が繊維によって妨げられるため、それ以外の方向に比べて樹脂の収縮量が小さくなる。そのため、各構成部材63では、繊維の配列方向における収縮量S1と、それ以外の方向、特に、繊維の配列方向と直交する方向である樹脂の延びる方向における収縮量S2とが異なることになる。これにより、各構成部材63の備える第二壁62は、ステーターコアC側に向かって傾くことになる。結果として、第一壁61の内表面と第二壁62の内表面とによって形成される二面角と、ティース部CTにて2つの外側面によって形成される二面角との角度が大きく異なるため、各構成部材63がステーターコアCに対して取り付けにくくなってしまう。また、ステーターコアCと各構成部材63との間に隙間が生じるため、ステーターコアCの熱がインシュレーター51に伝わりにくくなってしまう。
なお、インシュレーターが1つの部材から構成される場合であっても、繊維の延びる方向による収縮量の違いは共通して生じる。また、繊維が混合されていない合成樹脂が形成材料として用いられた場合であっても、繊維強化樹脂ほどではないものの、金型に対する樹脂の流入方向とそれ以外の方向とにおいて収縮の度合いが異なる。そのため、これらの場合にも、上述と同様の問題が生じることになる。
本開示の技術は、成形収縮に伴う変形を抑えることができるステーター用インシュレーターを提供することを目的とする。
以下、上述の課題を解決するための手段及び作用効果について記載する。
本開示におけるステーター用インシュレーターの一態様は、ステーターコアが通される矩形筒体形状をなす周壁を備え、前記周壁の周囲にはコイルが巻かれる樹脂製のステーター用インシュレーターであって、前記周壁が、ゲート痕を含み、一つの方向に沿って延びる相互に対向する2つの第一壁と、前記第一壁と交差する方向に沿って延びる相互に対向する2つの第二壁とから構成され、前記周壁における少なくとも1つの開口に、前記第一壁から立ち上がるフランジ部を備え、前記フランジ部の表面は、前記第一壁の延びる方向に沿って並ぶ複数の段差部を含む。
本開示におけるステーター用インシュレーターの一態様によれば、第一壁から立ち上がるフランジ部の表面が、第一壁の延びる方向に沿って並ぶ複数の段差部を含んでいる。そのため、周壁のゲート痕から流し込まれた樹脂の流れる方向が、フランジ部の表面に段差部が形成されていない構成と比べて、複数の方向に分かれやすい。結果として、樹脂の流れる方向が1つの方向となる構成と比べて、1つの方向とそれ以外の方向とにおける樹脂の収縮度合いの差をフランジ部において小さくすることができる。したがって、こうしたフランジ部を備えるステーター用インシュレーターでは、成形収縮に伴う変形を抑えることができる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、前記第一壁の延びる方向における前記第一壁の長さが、前記第二壁の延びる方向における前記第二壁の長さよりも長い。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様によれば、第一壁の延びる方向における第一壁の長さが、第二壁の延びる方向における第二壁の長さよりも長いため、より変形量の大きくなりやすい部分での変形が抑えられる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、複数の前記段差部の各々が、前記第一壁の延びる方向と交差する方向に延びる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様によれば、各段差部が第一壁の延びる方向と交差する方向に延びるため、第一壁の延びる方向と交差する方向に沿って、樹脂の流れる方向が複数の方向に分かれやすくなる。そのため、成形収縮に伴う変形がより抑えられる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、複数の前記段差部の各々では、前記第一壁の延びる方向の長さが、前記段差部の延びる方向の長さよりも小さい。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様では、各段差部にて、樹脂の流れやすい方向である第一壁の延びる方向の長さが段差部の延びる方向の長さよりも小さいため、樹脂の流れる方向を1つの方向に偏りにくくする効果が大きくなる。それゆえに、1つの方向と他の方向とにおける収縮度合いの差が抑えられることによって、ステーター用インシュレーターの変形が抑えられる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、前記周壁の外周面は平坦面であり、前記フランジ部の表面のうち前記平坦面に連なる部分に前記段差部が形成されている。
ステーター用インシュレーターの周壁にはコイルが巻かれるため、周壁の外周面は平坦な面であることが好ましい。また、フランジ部に形成された段差部による樹脂の流れを1つの方向に偏らせない効果は、フランジ部における段差部の形成面において大きく、形成面から離れるに従って小さくなる。
この点で、上述の他の態様によれば、周壁の外周面が平坦面であり、且つ、段差部が、フランジ部の表面における平坦面に連なる部分に形成されている。そのため、平坦面である周壁の外周面に近いフランジ部の表面にて、樹脂の流れを1つの方向に偏らせない効果が最も大きくなる。これにより、フランジ部の表面では、周壁に近い側の部分にて、収縮度合いの差がより小さくなるため、平坦面において収縮度合いの差が生じたとしても、ステーター用インシュレーターの変形が抑えられやすくなる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、前記段差部が第一段差部とされ、前記第二壁の内表面には、前記第二壁の延びる方向に沿って段差が連なる第二段差部が形成されている。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様によれば、第二壁の延びる方向に沿って段差が連なる段差面が、第二壁の内表面に形成されている。そのため、第二壁においては、樹脂の流れる方向が、段差面が形成されていない構成と比べて、複数の方向に分かれやすくなる。そのため、1つの方向とその他の方向とで、樹脂の収縮度合いの差が小さくなり、ひいては、ステーター用インシュレーターの変形が抑えられる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、前記周壁及び前記フランジ部の形成材料が繊維強化樹脂である。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様によれば、周壁及びフランジ部の形成材料が繊維強化樹脂である。そのため、ステーター用インシュレーターの成形時には、樹脂の流れる方向と繊維の延びる方向とが略平行になる。それゆえに、ステーター用インシュレーターでは、繊維を含んでいない樹脂が形成材料である構成と比べて、樹脂の流れる方向での収縮度合いがそれ以外の方向における収縮度合いよりもより小さくなるため、これら方向間での収縮度合いの差がより大きくなる。結果として、フランジ部に形成された段差部による効果がより得られやすくなる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様は、前記2つの第一壁の各々が、前記周壁の周方向に並ぶ一対の連結壁から構成され、前記一対の連結壁の各々が互いに重なる先端を備え、前記一対の連結壁の各々の基端が互いに異なる前記第二壁と一体に成形された2つの構成部材を備え、2つの構成部材を第1構成部材と第2構成部材とし、前記フランジ部は、前記第1構成部材と一体に成形された第1部分と、前記第2構成部材と一体に成形された第2部分とから構成される。
本開示におけるステーター用インシュレーターの他の態様では、ステーター用インシュレーターが、1つの第二壁と、この第二壁と一体に成形された2つの連結壁とから構成される2つの構成部材を備えている。そして、各構成部材と一体に成形されたフランジ部には、段差部が形成されている。これにより、各構成部材の備えるフランジ部において、樹脂の流れが1つの方向に偏ることが抑えられるため、樹脂の流れの偏りによる変形が、各構成部材において抑えられる。
本開示におけるステーター用インシュレーターの一実施形態の斜視構造をステーターコアとともに示した斜視図である。 ステーター用インシュレーターを構成する上側構成部材の斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターを構成する上側構成部材の斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターを構成する下側構成部材の斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターを構成する下側構成部材の斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターを構成する下側構成部材での繊維の配列の一例を模式的に示す模式図である。 フランジの表面に段差部が形成されていない下側構成部材での繊維の配列を模式的に示す模式図である。 ステーター用インシュレーターを構成する下側構成部材の変形前と変形後とを示す平面図である。 フランジの表面に段差部が形成されていない下側構成部材の変形前と変形後とを示す平面図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 ステーター用インシュレーターの変形例における部分斜視構造を示す斜視図である。 従来のステーターの全体構成を示す平面図である。 インシュレーターの斜視構造とステーターコアの斜視構造とを示す斜視図である。 インシュレーターの構成部材での繊維の配列の一例を模式的に示す模式図である。
本開示におけるステーター用インシュレーターをモーターのステーターに用いられるインシュレーターとして具体化した一実施形態について、図1から図9を参照して説明する。なお、本実施形態のインシュレーターは、上述した従来のインシュレーター51と同様、ステーター50を構成するステーターコアCのティース部CTに取り付けられることで、ステーターコアCとコイル52とを絶縁するインシュレーターである。
[インシュレーターの全体構成]
まず、インシュレーターの全体構成について、インシュレーターが取り付けられるステーターコアの構成とともに、図1を参照して説明する。
図1に示されるように、ステーターコアCは、T字形状をなす2以上のコア片C1が一つの方向である積層方向に接合された積層体である。ステーターコアCのヨーク部CYには、ヨーク部CYの放線方向に延びる矩形柱状をなすティース部CTが一体に形成されている。ヨーク部CYの端面のうち積層方向に延びる1つの端面には、積層方向に延びる嵌合溝C2が形成され、また、ヨーク部CYの端面のうち積層方向に延びる他の端面には、積層方向に延びる嵌合突条C3が形成されている。また、ヨーク部CYの側面のうちティース部CTとは反対側の端面には、これもまた積層方向に延びる取り付け溝C4が形成されている。そして、互いに隣接するステーターコアCにて、一方のステーターコアCの嵌合突条C3が、他方のステーターコアCの嵌合溝C2に嵌め込まれることによって、円環形状のステーターにおける外周部が、複数のヨーク部CYの連結体として形成される。また、モーターハウジングの内表面に形成された取り付け突起が、取り付け溝C4に嵌め込まれることによって、ステーターの外周部が、モーターハウジングに固定される。
インシュレーター10にてティース部CTを囲む周壁は、図1の上側に配置される第1構成部材としての上側構成部材11と、図1の下側に配置される第2構成部材としての下側構成部材21とから構成されている。上側構成部材11と下側構成部材21との各々は、射出成形法によって一体に成形された樹脂製の部材である。各構成部材11,21の形成材料には、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂とガラス繊維との混合物である繊維強化樹脂が用いられる。
[上側構成部材]
次に、上側構成部材11の構成について、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2には、ステーターの外側から見た上側構成部材11の斜視構造が示されている。また、図3には、ステーターの内側から見た上側構成部材11の斜視構造が示されている。
図2に示されるように、上側構成部材11における上側周壁部分12は、1つの方向である長さ方向の下側に折り返された板状をなしている。上側構成部材11がステーターコアCに取付けられる状態で、この上側周壁部分12は、ティース部CTにおける周面の一部を覆う。上側周壁部分12の端部のうち、長さ方向と直交する方向である幅方向の一端部には、上側周壁部分12の厚さ方向に広がる上側ヨークフランジ13が一体に形成されている。上側構成部材11がステーターコアCに取付けられる状態で、この上側ヨークフランジ13は、ヨーク部CYと向かい合う。
上側周壁部分12の端部のうち幅方向の他端部には、これもまた上側周壁部分12の厚さ方向に広がる上側ティースフランジ14が一体に形成されている。上側構成部材11がステーターコアCに取付けられる状態で、この上側ティースフランジ14は、ティース部CTの先端部における上側を囲う。上述の上側ヨークフランジ13と上側ティースフランジ14とが、フランジ部における第1部分を構成している。
上側周壁部分12は、長さ方向と直交する幅方向に広がる上側中央壁15と、上側中央壁15の一端部から長さ方向の下側に延びる上側連結短壁16と、上側中央壁15の他端部からこれもまた長さ方向の下側に延びる上側連結長壁17とを備えている。上側連結短壁16の外表面16osと上側連結長壁17の外表面17osとは、コイルの巻き付けられる平坦面である。上側周壁部分12の外周面は、上側連結短壁16の外表面16osと、上側中央壁15の外表面と、上側連結長壁17の外表面17osとによって構成されている。上側連結短壁16における長さ方向の長さは、上側連結長壁17における長さ方向の長さよりも短い。
上側連結短壁16は、上側中央壁15の一端部から長さ方向に折れ曲がる上側短壁弧状部16aを有している。上側短壁弧状部16aにおける長さ方向の下端部には、長さ方向の下側に延びる平板形状をなす上側短壁段差部16bが一体に形成されている。上側短壁段差部16bは、上側短壁弧状部16aの肉厚よりも薄い肉厚を有する壁部である。そして、上側連結短壁16の下端部である先端部には、これら上側短壁弧状部16aの肉厚と上側短壁段差部16bの肉厚との差からなる段差が、上側連結短壁16の側面のうちで上側連結長壁17と向い合う内表面に形成されている。
上側短壁段差部16bにおける幅方向の中央には、上側短壁段差部16bの長さ方向の略全体にわたる上側短壁ガイド溝16cが長さ方向に延びている。
上側ヨークフランジ13のうち上側中央壁15から立ち上がる部分の中央には、上側構成部材11の金型における樹脂の入口である円環形状のゲート痕Gが形成されている。また、上側ヨークフランジ13のうち上側短壁段差部16bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い短壁フランジ段差部13aが形成されている。短壁フランジ段差部13aは、上側ヨークフランジ13の外表面にて窪んだ部分である。短壁フランジ段差部13aの基端における厚さ方向の外側には、ステーターコアCのヨーク部CY側に盛り上がる短壁フランジ突起13bが形成されている。
上側ティースフランジ14のうち上側短壁段差部16bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い短壁フランジ段差部14aが形成されている。短壁フランジ段差部14aは、上側ティースフランジ14の外表面にて窪んだ部分である。
図3に示されるように、上側連結長壁17は、上側中央壁15の他端部から長さ方向に折れ曲がる上側長壁弧状部17aを有している。上側長壁弧状部17aにおける長さ方向の下端部には、長さ方向の下側に延びる平板形状をなす上側長壁段差部17bが一体に形成されている。上側長壁段差部17bは、上側長壁弧状部17aの肉厚よりも薄い肉を有する壁部である。上側長壁段差部17bの長さ方向における長さは、上側短壁段差部16bの長さ方向の長さよりも長い。そして、上側連結長壁17の下端部である先端部には、これら上側長壁弧状部17aの肉厚と上側長壁段差部17bの肉厚との差からなる段差が、上側連結長壁17の側面のうちで上側連結短壁16と向い合う側面とは反対の外表面17osに形成されている。
上側長壁段差部17bの外表面における幅方向の中央には、上側長壁段差部17bの長さ方向の全体にわたる上側長壁突条17cが長さ方向に延びている。
上側ヨークフランジ13のうち上側長壁段差部17bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い長壁フランジ段差部13cが形成されている。長壁フランジ段差部13cは、上側ヨークフランジ13の内表面にて窪んだ部分である。長壁フランジ段差部13cの先端における厚さ方向の外側には、長壁フランジ段差部13cにおける他の部分よりも幅方向の肉厚が薄い長壁フランジ溝13dが形成されている。長壁フランジ溝13dは、長壁フランジ段差部13cの内表面にて窪んだ部分である。
上側ヨークフランジ13にて上側ティースフランジ14と対向する内表面13sは、上側周壁部分12の外周面に連なる。この内表面13sのうち上側長壁弧状部17aの平坦部分から立ち上がる部分には、上記厚さ方向の全体にわたる複数の上側フランジ凹部13eが、長さ方向において略等間隔をあけて形成されている。上側フランジ凹部13eは、上側連結長壁17の延びる方向と直交する方向に延びる凹溝であり、上記長さ方向の長さよりも上記厚さ方向の長さの方が長い断面が矩形状の溝である。2つの上側フランジ凹部13eに挟まれた部分には、上側ヨークフランジ13と幅方向の肉厚が等しい上側フランジ凸部13fが形成されている。そして、上側フランジ凹部13eと上側フランジ凸部13fとが、上記長さ方向に沿って並ぶことによって、上側ヨークフランジ13の表面としての内表面13sには、上記長さ方向に沿って並ぶ複数の段差部が形成される。なお、本実施形態では、この段差部が第一段差部を構成している。
上側ティースフランジ14のうち上側長壁段差部17bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い長壁フランジ段差部14bが形成されている。長壁フランジ段差部14bは、上側ティースフランジ14の内表面14sにて窪んだ部分である。
上側ティースフランジ14にて上側ヨークフランジ13と対向する内表面14sは、上側周壁部分12の外周面に連なる。この内表面14sのうち上側長壁弧状部17aの平坦部分から立ち上がる部分には、厚さ方向の全体にわたる複数の上側フランジ凹部14cが、長さ方向において略等間隔をあけて形成されている。各上側フランジ凹部14cは、上側ヨークフランジ13に形成された上側フランジ凹部13eと向かい合う。上側フランジ凹部14cは、上側連結長壁17の延びる方向と直交する方向に延びる凹溝であり、上側フランジ凹部13eと同様、上記長さ方向の長さよりも上記厚さ方向の長さの方が長い断面が矩形状の溝である。2つの上側フランジ凹部14cに挟まれた部分には、上側ティースフランジ14と幅方向の肉厚が等しい上側フランジ凸部14dが形成されている。そして、上側フランジ凹部14cと上側フランジ凸部14dとが、上記長さ方向に沿って並ぶことによって、上側ティースフランジ14の表面としての内表面14sには、上記長さ方向に沿って並ぶ複数の段差部が形成される。なお、本実施形態では、この段差部が第一段差部を構成している。
このように、上側ヨークフランジ13及び上側ティースフランジ14の一部に段差部を形成することで、段差部が形成されていない構成と比べて、これらフランジの一部における肉厚が薄くなるため、上側構成部材11の固化に必要な時間を短くすることができる。また、上側ヨークフランジ13及び上側ティースフランジ14の表面積も段差が形成されていない構成と比べて大きくなるため、コイルから伝えられた熱が上側構成部材11から放熱されやすくなる。
上側中央壁15の内表面には、上側中央壁15におけるステーターコアCのヨーク部CY側からティース部CT側に向かって幅方向に延びる4つの上側凸部と、隣り合う2つの上側凸部に挟まれる上側凹部とによって構成される上側段差面11aが形成されている。上側段差面11aは、第二段差部を構成している。上側段差面11aは、上側中央壁15の内表面を含む面であって、上側ヨークフランジ13における外表面から、上側ティースフランジ14における外表面までにわたって形成されている。
[下側構成部材]
次いで、下側構成部材21の構成について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4には、ステーターの外側から見た下側構成部材21の斜視構造が示されている。また、図5には、ステーターの内側から見た下側構成部材21の斜視構造が示されている。
図4に示されるように、下側構成部材21における下側周壁部分22は、長さ方向の上側に折り返された板状をなしている。下側構成部材21がステーターコアCに取付けられる状態で、この下側周壁部分22は、ティース部CTにおける周面の一部を覆う。下側周壁部分22の端部のうち、長さ方向と直交する方向である幅方向の一端部には、下側周壁部分22の厚さ方向に広がる下側ヨークフランジ23が一体に形成されている。下側構成部材21がステーターコアCに取付けられる状態で、この下側ヨークフランジ23は、ヨーク部CYと向い合う。
下側周壁部分22の端部のうち幅方向の他端部には、下側周壁部分22の厚さ方向に広がる下側ティースフランジ24が一体に形成されている。下側構成部材21がステーターコアCに取付けられる状態で、この下側ティースフランジ24は、ティース部CTの先端部における下側を囲う。上述の下側ヨークフランジ23と下側ティースフランジ24とが、フランジ部における第2部分を構成している。
下側周壁部分22は、長さ方向と直交する幅方向に広がる下側中央壁25と、下側中央壁25の一端部から長さ方向の上側に延びる下側連結短壁26と、下側中央壁25の他端部から長さ方向の上側に延びる下側連結長壁27とを備えている。下側連結短壁26の外表面26osと下側連結長壁27の外表面27osとは、コイルの巻き付けられる平坦面である。下側周壁部分22の外周面は、下側連結短壁26の外表面26osと、下側中央壁25の外表面と、下側連結長壁27の外表面27osとによって構成されている。下側連結短壁26における長さ方向の長さは、下側連結長壁27における長さ方向の長さよりも短い。
下側連結短壁26は、下側中央壁25の一端部から長さ方向に折れ曲がる下側短壁弧状部26aを有している。下側短壁弧状部26aにおける長さ方向の上端部には、長さ方向の上側に延びる平板形状をなす下側短壁段差部26bが一体に形成されている。下側短壁段差部26bは、下側短壁弧状部26aの肉厚よりも薄い肉厚を有する壁部である。下側短壁段差部26bの上記長さ方向の長さは、上側長壁段差部17bの上記長さ方向の長さと同一である。そして、下側連結短壁26の上端部である先端部には、これら下側短壁弧状部26aの肉厚と下側短壁段差部26bの肉厚との差からなる段差が、下側連結短壁26の側面のうちで下側連結長壁27と向い合う内表面に形成されている。
下側短壁段差部26bにおける幅方向の中央には、下側短壁段差部26bの長さ方向の略全体にわたる下側短壁ガイド溝26cが長さ方向に延びている。
下側ヨークフランジ23のうち下側中央壁25から立ち上がる部分の中央には、下側構成部材21の金型における樹脂の入口である円環形状のゲート痕Gが形成されている。また、下側ヨークフランジ23のうち下側短壁段差部26bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い短壁フランジ段差部23aが形成されている。短壁フランジ段差部23aは、下側ヨークフランジ23の外表面にて窪んだ部分である。短壁フランジ段差部23aの基端における厚さ方向の外側には、ステーターコアCのヨーク部CY側に盛り上がる短壁フランジ突起23bが形成されている。
下側ティースフランジ24のうち下側短壁段差部26bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い短壁フランジ段差部24aが形成されている。短壁フランジ段差部24aは、下側ティースフランジ24の外表面にて窪んだ部分である。
図5に示されるように、下側連結長壁27は、下側中央壁25の他端部から長さ方向に折れ曲がる下側長壁弧状部27aを有している。下側長壁弧状部27aにおける長さ方向の上端部には、長さ方向の上側に延びる平板形状をなす下側長壁段差部27bが一体に形成されている。下側長壁段差部27bは、下側長壁弧状部27aの肉厚よりも薄い肉厚を有する壁部である。下側長壁段差部27bの長さ方向の長さは、上側短壁段差部16bの長さ方向の長さと同一である。そして、下側連結長壁27の上端部である先端部には、これら下側長壁弧状部27aの肉厚と下側長壁段差部27bの肉厚との差からなる段差が、下側連結長壁27の側面のうちで下側連結短壁26と向かい合う側面と反対の外表面27osに形成されている。
下側長壁段差部27bの外表面における幅方向の中央には、下側長壁段差部27bの長さ方向の全体にわたる下側長壁突条27cが長さ方向に延びている。
下側ヨークフランジ23のうち下側長壁段差部27bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い長壁フランジ段差部23cが形成されている。長壁フランジ段差部23cは、下側ヨークフランジ23の内表面にて窪んだ部分である。長壁フランジ段差部23cの先端における厚さ方向の外側には、長壁フランジ段差部23cにおける他の部分よりも幅方向の肉厚が薄い長壁フランジ溝23dが形成されている。長壁フランジ溝23dは、長壁フランジ段差部23cの内表面にて窪んだ部分である。
下側ヨークフランジ23にて下側ティースフランジ24と対向する内表面23sは、下側周壁部分22の外表面に連なる。この内表面23sのうち下側長壁弧状部27aの平坦部分から立ち上がる部分には、厚さ方向の全体にわたる複数の下側フランジ凹部23eが、長さ方向において略等間隔をあけて形成されている。下側フランジ凹部23eは、下側連結長壁27の延びる方向と直交する方向に延びる凹溝であり、上記長さ方向の長さよりも上記厚さ方向の長さの方が長い断面が矩形状の溝である。2つの下側フランジ凹部23eに挟まれた部分には、下側ヨークフランジ23と幅方向の肉厚が等しい下側フランジ凸部23fが形成されている。そして、下側フランジ凹部23eと下側フランジ凸部23fとが、上記長さ方向に沿って並ぶことによって、下側ヨークフランジ23の表面としての内表面23sには、上記長さ方向に沿って並ぶ複数の段差部が形成される。なお、本実施形態では、この段差部が第一段差部を構成している。
下側ティースフランジ24のうち下側長壁段差部27bからその厚さ方向に広がる部分には、幅方向の肉厚が他の部分よりも薄い長壁フランジ段差部24bが形成されている。長壁フランジ段差部24bは、下側ティースフランジ24の内表面にて窪んだ部分である。
下側ティースフランジ24にて下側ヨークフランジ23と対向する内表面24sは、下側周壁部分22の外周面に連なる。この内表面24sのうち下側長壁弧状部27aの平坦部分から立ち上がる部分には、厚さ方向の全体にわたる複数の下側フランジ凹部24cが、長さ方向において略等間隔をあけて形成されている。各下側フランジ凹部24cは、下側ヨークフランジ23に形成された下側フランジ凹部23eと向かい合う。下側フランジ凹部24cは、下側連結長壁27の延びる方向と直交する方向に延びる凹溝であり、下側フランジ凹部23eと同様、上記長さ方向の長さよりも上記厚さ方向の長さの方が長い断面が矩形状の溝である。2つの下側フランジ凹部24cに挟まれた部分には、下側ティースフランジ24と幅方向の肉厚が等しい下側フランジ凸部24dが形成されている。そして、下側フランジ凹部24cと下側フランジ凸部24dとが、上記長さ方向に沿って並ぶことによって、下側ティースフランジ24の表面としての内表面24sには、上記長さ方向に沿って並ぶ複数の段差部が形成される。なお、本実施形態では、この段差部が第一段差部を構成している。
このように、下側ヨークフランジ23及び下側ティースフランジ24の一部に段差部を形成することで、段差部が形成されていない構成と比べて、これらフランジの一部における肉厚が薄くなるため、下側構成部材21の固化に必要な時間を短くすることができる。また、下側ヨークフランジ23及び下側ティースフランジ24の表面積も段差が形成されていない構成と比べて大きくなるため、コイルから伝えられた熱が下側構成部材21から放熱されやすくなる。
下側中央壁25の内表面には、下側中央壁25におけるステーターコアCのヨーク部CY側からティース部CT側に向かって幅方向に延びる4つの下側凸部と、隣り合う2つの下側凸部に挟まれる下側凹部とによって構成される下側段差面21aが形成されている。下側段差面21aは、第二段差部を構成している。下側段差面21aは、下側中央壁25の内表面を含む面であって、下側ヨークフランジ23における外表面から、下側ティースフランジ24における外表面までにわたって形成されている。
なお、本実施形態では、第二壁が上側中央壁15と下側中央壁25とにより構成されている。また、第一壁を構成する一方の連結壁が、上側連結短壁16と下側連結長壁27とから構成され、他方の連結壁が、上側連結長壁17と下側連結短壁26とから構成されている。
[取り付け方法]
こうしたインシュレーター10は、以下のような手順でステーターコアCに取り付けられる。なお、以下では、上側構成部材11が下側構成部材21よりも先にステーターコアCに取り付けられる場合の手順について説明する。
まず、上側構成部材11が、ステーターコアCに嵌め込まれる。このとき、上側構成部材11の上側段差面11aが、ティース部CTにおける1つのコア片C1によって構成される端面の一方に接する。また、上側連結短壁16の内表面が、ティース部CTにおけるコア片C1の積層方向に延びる側面の一方に接し、且つ、上側連結長壁17の内表面が、ティース部CTにおける側面の他方に接する。これにより、上側周壁部分12が、ティース部CTにおける周面の一部を覆い、且つ、ヨークフランジ13がヨーク部CYと向かい合う。
次いで、ステーターコアCに取り付けられた上側構成部材11に対して、下側構成部材21が近付けられると、上側長壁段差部17bの先端部の上に、下側短壁段差部26bの先端部が重ねられる。そして、下側短壁段差部26bの一部が上側長壁段差部17bの上に重ねられた状態で上側中央壁15側にスライドされることで、上側長壁突条17cが、下側短壁ガイド溝26cに嵌め込まれる。
この際に、上側長壁突条17cが下側短壁ガイド溝26cに嵌め込まれる途中で、上側短壁段差部16bの先端部の下に、下側長壁段差部27bの先端部が重ねられる。そして、下側短壁段差部26bが上側中央壁15側にスライドされるに伴い、下側長壁段差部27bの一部が上側短壁段差部16bの上に重ねられた状態で上側中央壁15側にスライドされる。これにより、下側長壁突条27cが、上側短壁ガイド溝16cに嵌め込まれる。
そして、下側短壁段差部26bの全体が上側長壁段差部17bの全体と重なることで、短壁フランジ突起23bが、長壁フランジ溝13dに嵌め込まれる。同時に、下側長壁段差部27bの全体が上側短壁段差部16bの全体と重なることで、短壁フランジ突起13bが、長壁フランジ溝23dに嵌め込まれる。こうして、インシュレーター10がステーターコアCに取り付けられる。
[繊維配向]
上述のインシュレーター10における繊維の配向について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は、上記インシュレーター10での繊維の配向として、繊維の延びる方向を矢印で模式的に示す。また、図7は、各フランジにフランジ凹部が形成されていない比較例のインシュレーターにおける繊維の配向として、繊維の延びる方向を矢印で模式的に示す。また、図6及び図7では、繊維の配向が強いほど、繊維の延びる方向を長い矢印で示している。繊維の延びる方向は、ゲート痕Gとなる部位から流し込まれる樹脂の金型内での流れの解析によって算出されたものである。また、上側構成部材11と下側構成部材21とは、連結短壁段差部と連結長壁段差部とにおける長さ方向の長さや、フランジ段差部における厚さ方向の長さ等が異なるものの、周壁部分と、周壁部分の2つの開口の各々から立ち上がるフランジを備えている点が共通している。そのため、ゲート痕Gとなる部位から流し込まれる樹脂は、上側構成部材11と下側構成部材21とでは樹脂の流れる経路、ひいては繊維の配向が同様である。そこで、以下では、下側構成部材21での繊維の延びる方向についてのみ説明する。
図6に示されるように、本実施形態における下側構成部材21の下側連結長壁27では、スプールSPからゲート痕Gとなる部位に流し込まれた樹脂が、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かって流れる。そして、樹脂に含まれる高分子材料の流れに従い、樹脂内の繊維は、こうした流れの方向と繊維の延びる方向とを略平行とし、樹脂の流れの方向と直交する方向に配列される。
これに対し、下側ヨークフランジ23の内表面では、下側中央壁25側から下側長壁段差部27bに向かう樹脂の流れが、下側フランジ凹部23eや下側フランジ凸部23f等の段差部の形成される部分で乱される。例えば、下側ヨークフランジ23の内表面が形成される際に、薄肉である下側フランジ凹部23eの形成される部位で樹脂の流路が一旦絞られる一方で、下側フランジ凸部23fの形成される部位では再び拡げられる。そして、これらを流れる樹脂の流れは、流路の拡げられる部分で特に乱れることになる。なお、樹脂の流動する経路におけるこうした傾向は、下側ヨークフランジ23の内表面側にて最も強く、且つ、下側ヨークフランジ23の外表面に向かうにつれて次第に小さくなる。
そして、下側ヨークフランジ23では、上述のような樹脂の流れに応じて繊維が配列される。そのため、下側ヨークフランジ23の内表面が平坦である構成と比べて、繊維配向には、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう方向、下側連結長壁27の幅方向、各下側フランジ凸部23f内での旋回方向等、多くの方向が含まれる。
このように、下側ヨークフランジ23における下側連結長壁27から立ち上がる部分では、繊維配向が一律になることが抑えられる。そのため、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう方向と、それ以外の方向とで、下側ヨークフランジ23を構成する樹脂の収縮度合いに差が生じることを抑えられる。
また、下側ティースフランジ24の内表面にも、下側ヨークフランジ23と同様、下側フランジ凹部24cと下側フランジ凸部24dとが形成されている。そのため、下側ティースフランジ24の内表面が平坦である構成と比べて、下側ヨークフランジ23と同様の理由で、繊維配向には、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう方向、下側連結長壁27の幅方向、各下側フランジ凸部23f内での旋回方向等、多くの方向が含まれる。それゆえに、下側ティースフランジ24における下側連結長壁27から立ち上がる部分では、繊維配向が一律になることが抑えられる。そのため、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう方向と、それ以外の方向とで、下側ティースフランジ24を構成する樹脂の収縮度合いに差が生じることを抑えられる。
一方、図7に示されるように、比較例における下側構成部材21の下側連結長壁27では、本実施形態における下側構成部材21と同様、スプールSPからゲート痕Gを介して流し込まれた樹脂が、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かって流れる。そのため、樹脂内における繊維の延びる方向は、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう。加えて、下側ヨークフランジ23における下側連結長壁27から立ち上がる部分と、下側ティースフランジ24における下側連結長壁27から立ち上がる部分においても、ほとんどの繊維の延びる方向が、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう。そのため、下側連結長壁27だけでなく、下側ヨークフランジ23と下側ティースフランジ24においても、下側中央壁25側から下側長壁段差部27b側に向かう方向と、それ以外の方向とで、各部を構成する樹脂の収縮度合いに差が生じてしまう。
[下側構成部材の変形量]
上述の本実施形態における下側構成部材21の変形量と、比較例における下側構成部材21の変形量とについて、図8及び図9を参照して説明する。なお、図8及び図9には、各下側構成部材21を下側ヨークフランジ23の外表面側から見た上面図が示されている。また、図8及び図9では、図示の便宜上、各下側構成部材21における変形量が実際の変形量よりも拡大して示されている。
図8に示されるように、二点鎖線で示される金型での短壁フランジ段差部23aにおける先端部の外側と、長壁フランジ段差部23cにおける先端部の外側との間の長さを基準長さLrとする。そして、実線で示される本実施形態の下側構成部材21での短壁フランジ段差部23aにおける先端部の外側と、長壁フランジ段差部23cにおける先端部の外側との間の長さを変形長さLeとする。
このとき、本実施形態における下側構成部材21では、下側構成部材21における上述の厚さ方向での最大変形量Lr−Leが、基準長さLrの2.5%であることが認められた。
これに対し、図9に示されるように、図8と同様、二点鎖線で示される金型での短壁フランジ段差部23aにおける先端部の外側と、長壁フランジ段差部23cにおける先端部の外側との間の長さを基準長さLrとする。そして、実線で示される比較例の下側構成部材21での短壁フランジ段差部23aにおける先端部の外側と、長壁フランジ段差部23cにおける先端部の外側との間の長さを変形長さLcとする。
このとき、比較例における下側構成部材21では、下側構成部材21における上述の厚さ方向での最大変形量Lr−Lcが、基準長さLrの4.0%であることが認められた。
このように、下側ヨークフランジ23に形成された段差部と、下側ティースフランジ24に形成された段差部とによって、下側構成部材21における繊維配向による収縮度合いの偏りが抑えられることが認められた。
以上説明したように、上述の実施形態におけるステーター用インシュレーターによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)上側連結長壁17から立ち上がる各フランジの内表面が、上側連結長壁17の延びる方向に沿って並ぶ上側フランジ凹部と上側フランジ凸部とから構成される複数の段差部を含んでいる。また、下側連結長壁27から立ち上がる各フランジの内表面が、下側連結長壁27の延びる方向に沿って並ぶ下側フランジ凹部とフランジ凸部とから構成される複数の段差部を含んでいる。そのため、ゲート痕Gから流し込まれた樹脂の流れる方向が、フランジの表面に段差部が形成されていない構成と比べて、複数の方向に分かれやすい。結果として、樹脂の流れる方向が1つの方向となる構成と比べて、1つの方向とそれ以外の方向とにおける樹脂の収縮度合いの差をフランジにおいて小さくすることができる。したがって、こうしたフランジを備えるステーター用インシュレーターでは、成形収縮に伴う変形を抑えることができる。
(2)上側連結長壁17及び下側連結長壁27の延びる方向における各連結長壁の長さが、上側中央壁15及び下側中央壁25の延びる方向における各中央壁の長さよりも長いため、より変形量の大きくなりやすい部分での変形が抑えられる。
(3)フランジ凹部とフランジ凸部とによって形成される各段差部が、上側連結長壁17及び下側連結長壁27の延びる方向と直交する方向に延びるため、上側連結長壁17及び下側連結長壁27の延びる方向と直交する方向に沿って、樹脂の流れる方向が複数の方向に分かれやすくなる。そのため、成形収縮に伴う変形がより抑えられる。
(4)フランジ凹部とフランジ凸部とによって形成される各段差部にて、樹脂の流れやすい方向である上側連結長壁17及び下側連結長壁27の延びる方向の長さが段差部の延びる方向の長さよりも小さいため、樹脂の流れる方向を1つの方向に偏りにくくする効果が大きくなる。それゆえに、1つの方向と他の方向とにおける収縮度合いの差が抑えられることによって、インシュレーター10の変形が抑えられる。
(5)周壁の外周面が平坦面であり、且つ、段差部が、各フランジの表面における平坦面に連なる部分である各フランジの内表面に形成されている。そのため、平坦面である周壁の外周面に近いフランジの表面にて、樹脂の流れを1つの方向に偏らせない効果が最も大きくなる。これにより、フランジの表面では、周壁に近い側の部分にて、収縮度合いの差がより小さくなるため、平坦面において収縮度合いの差が生じたとしても、ステーター用インシュレーターの変形が抑えられやすくなる。
(6)各中央壁の延びる方向に沿って段差が連なる段差面11a,21aが、各中央壁の内表面に形成されている。そのため、各中央壁においては、樹脂の流れる方向が、段差面が形成されていない構成と比べて、複数の方向に分かれやすくなる。そのため、1つの方向とその他の方向とで、樹脂の収縮度合いの差が小さくなり、ひいては、ステーター用インシュレーターの変形が抑えられる。
(7)各構成部材11,21の形成材料が繊維強化樹脂である。そのため、インシュレーター10の成形時には、樹脂の流れる方向と繊維の延びる方向とが略平行になる。それゆえに、インシュレーター10では、繊維を含んでいない樹脂が形成材料である構成と比べて、樹脂の流れる方向での収縮度合いがそれ以外の方向における収縮度合いよりもより小さくなるため、これら方向間での収縮度合いの差がより大きくなる。結果として、各フランジに形成された段差部による効果がより得られやすくなる。
(8)インシュレーター10が、上側構成部材11と下側構成部材21とを備え、各構成部材11,21と一体に成形されたフランジには、段差部が形成されている。これにより、各構成部材11,21の備えるフランジにおいて、樹脂の流れが1つの方向に偏ることが抑えられるため、樹脂の流れの偏りによる変形が、各構成部材11,21において抑えられる。
(9)こうして各構成部材11,21の変形が抑えられるため、各構成部材11,21の金型を設計する際に考慮されるべき変形量がより小さくなることから、金型が設計しやすくなる。
(10)また、各構成部材11,21の変形が抑えられるため、各構成部材11,21の成形条件にばらつきが生じたとしても、変形が抑えられている分だけ、各構成部材11,21の変形量が、各構成部材11,21に対して望まれる所定範囲内に収まりやすくなる。
なお、上述の実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・各フランジに形成されたフランジ凹部とフランジ凸部とは、上側連結長壁17や下側連結長壁27の延びる方向と交差する方向に延びる形状でもよい。
・フランジ凹部とフランジ凸部とは、各フランジにおける上側連結長壁17及び下側連結長壁27の弧状部から立ち上がる部分に形成されていてもよい。あるいは、各フランジにおける上側連結短壁16及び下側連結短壁26から立ち上がる部分に形成されてもよい。さらには、フランジ凹部とフランジ凸部とは、上側ヨークフランジ13における外表面、上側ティースフランジ14における外表面、下側ヨークフランジ23における外表面、及び下側ティースフランジ24における外表面に形成されてもよい。
・あるいは、各フランジの外表面に形成される場合、図10に示されるように、上側ヨークフランジ13の外縁に沿って形成された枠部Fによって囲まれた薄肉面13gから、上記厚さ方向に延びる三角柱状のフランジ凸部31が形成されてもよい。なお、薄肉面13gは、枠部Fよりも肉厚が薄く、且つ、短壁フランジ段差部13aと長壁フランジ段差部13cよりも肉厚が厚い面である。フランジ凸部31の底面は、上側ヨークフランジ13の広がる方向に延びる矩形状であり、且つ、底面に連結される2つの面によって形成される頂点の高さが、枠部Fの高さと同一である。なお、フランジ凸部31は、図10に示されるように、各フランジ凸部31の底面が相互に接してもよいし、底面と底面との間が、所定の間隔だけあけられてもよい。また、フランジ凸部31の頂点の高さは、枠部Fよりも高くてもよいし、枠部Fよりも低くてもよい。
・また、図11に示されるように、上側ヨークフランジ13における枠部Fによって囲まれた薄肉面13gから、上側ティースフランジ14から離れる方向に延びる円柱状のフランジ凸部が形成されていてもよい。この場合、フランジ凸部は、例えば、上記長さ方向において所定の間隔をあけて一列に形成されたフランジ凸部32aと、フランジ凸部32aよりも上側連結長壁17側に、同じく長さ方向に所定の間隔をあけて一列に形成されたフランジ凸部32bとから構成されてもよい。フランジ凸部32bは、図11に示されるように、上記厚さ方向においてフランジ凸部32aと隣り合わない位置に形成されてもよいし、隣り合う位置に形成されてもよい。なお、フランジ凸部32a,32bの高さは、枠部Fと同一であってもよいし、枠部Fよりも高くてもよいし、また、枠部Fよりも低くてもよい。
・また、図12に示されるように、平坦面である上側ヨークフランジ33の外表面から、上側ティースフランジ側に向かって窪んだ断面が矩形状のフランジ凹部が形成されてもよい。この場合、フランジ凹部は、例えば、上記長さ方向において所定の間隔をあけて一列に形成されたフランジ凹部33aと、フランジ凹部33aよりも上側連結長壁側に、同じく長さ方向に所定の間隔をあけて一列に形成されたフランジ凹部33bとから構成されてもよい。フランジ凹部33bは、図12に示されるように、上記厚さ方向においてフランジ凹部33aと隣り合わない位置に形成されてもよいし、隣り合う位置に形成されてもよい。
・また、図13に示されるように、平坦面である上側ヨークフランジ33の外表面から、上側ティースフランジ側に向かって窪んだ外表面と平行な方向の断面が六角形状のフランジ凹部33cが形成されてもよい。この場合、フランジ凹部33cとフランジ凹部33cとの間が、図13に示されるように、フランジ凹部33cの開口面積と比べて十分に小さい面積とされてもよいし、フランジ凹部33cの開口面積と同等、あるいはそれ以上の面積とされてもよい。なお、図13に示される変形例では、フランジ凹部33cによっていわゆるハニカム構造が形成されている。
・なお、図10から図13に示される形状のフランジ凹部は、上側ヨークフランジ13,33、上側ティースフランジ14、下側ヨークフランジ23、及び下側ティースフランジ24の外表面に限らず、各フランジの内表面に形成されてもよい。また、各フランジの外表面と内表面との両方に形成されてもよい。
・図14に示されるように、上側ヨークフランジ13の内表面13sに形成される上側フランジ凹部13eと上側フランジ凸部13fとに加えて、上側フランジ凸部13fの裏面に、上側ヨークフランジ13の外表面にて窪んだフランジ凹部13hを形成してもよい。なお、上側ヨークフランジ13だけでなく、上側ティースフランジ14、下側ヨークフランジ23、及び下側ティースフランジ24においても、フランジ凸部の裏面にて窪んだフランジ凹部を形成してもよい。
・図15に示されるように、上側ヨークフランジ13の表面としての側面13iに上記厚さ方向に延びる複数のフランジ凹部13jが、上記長さ方向において所定の間隔をあけて形成されてもよい。こうした構成によっても、フランジの表面の1つである側面にて、フランジ凹部13jと、2つのフランジ凹部13jによって挟まれる部分とによって段差部が形成されている。なお、こうしたフランジ凹部13jは、上側ヨークフランジ13だけでなく、上側ティースフランジ14、下側ヨークフランジ23、及び下側ティースフランジ24の側面に形成されてもよい。また、フランジ凹部13jは、上記幅方向の断面が矩形状の溝でなく、同方向の断面が円形や楕円形の溝であってもよい。
・フランジの表面が第一壁の延びる方向に沿って一つの方向に繰り返される段差部を含む構成であればよく、例えば、フランジの厚さが同一であって、フランジそのものが波形形状であってもよい。
・フランジの表面が第一壁の延びる方向に沿って一つの方向に繰り返される段差部を含む構成であればよく、例えば、フランジの表面に貫通孔が形成されてもよい。
・上述の実施形態、及び図10から図15等によって説明したように、各フランジの表面には、第一壁の延びる方向に沿って並ぶ複数の段差部が含まれていればよい。つまり、段差部の形状は、任意の組み合わせが可能であり、また、凹部及び凸部の形成位置についても、任意に組み合わせすることが可能である。
・フランジは、周壁におけるヨーク部側の開口及びティース側の開口の少なくとも一方に形成されていればよく、また、各開口においては、第一壁から立ち上がるフランジのみが形成されていてもよい。こうした構成であっても、フランジの表面が複数の段差部を含む構成であれば、上述した樹脂の流れを複数の方向に分かれやすくする効果を得ることができる。
・周壁を構成する上側連結短壁16、上側連結長壁17、下側連結短壁26、及び下側連結長壁27の外表面は、コイルの巻き付けが可能であれば平坦面でなくともよい。
・インシュレーター10を構成する各構成部材11,21では、中央壁に連なる連結短壁と連結長壁とにおける長さ方向の長さが同一であってもよい。また、連結短壁と連結長壁とが同一の長さである場合、一方の構成部材における連結短壁及び連結長壁の長さ方向の長さが、他方の構成部材における連結短壁及び連結長壁の長さ方向の長さよりも長い構成であってもよい。
・インシュレーター10は、1つの部材から構成されてもよい。こうした構成であっても、各フランジに対してフランジ凹部及びフランジ凸部で構成される複数の段差部が形成されている構成であれば、上側構成部材11と下側構成部材21との2つの部材から構成されるインシュレーター10と同等の効果を得ることができる。
・上側段差面11aは、上側中央壁15の内表面にのみ形成されてもよく、また、下側段差面21aは、下側中央壁25の内表面にのみ形成されてもよい。あるいは、各段差面は、中央壁の内表面を含む面であって、且つ、ヨークフランジ及びティースフランジのいずれか一方の外表面にまで達する面であってもよい。またあるいは、上側段差面11aと下側段差面21aとが割愛された構成であってもよい。
・上記繊維の含まれない樹脂であっても、例えば、高分子化合物の主鎖が一つの方向に沿う場合には、上述した収縮の度合いの差異が生じ得る。それゆえに、各構成部材11,21の形成材料は、繊維強化樹脂ではなく、繊維を含んでいない樹脂であってもよく、こうした樹脂においても上述の効果を得ることが可能である。また、いずれの樹脂であっても、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂を用いることができる。さらには、熱可塑性樹脂であれば、結晶性樹脂でも非結晶樹脂でもよい。
・ゲート痕Gは、上側ヨークフランジ13における上側中央壁15から立ち上がる部分、及び下側ヨークフランジ23における下側中央壁25から立ち上がる部分以外の部分に形成されてもよい。こうした構成であっても、各フランジに対してフランジ凹部とフランジ凸部とから構成される複数の段差部が形成されている以上、段差部によって樹脂の流れる方向が1つの方向に偏りにくくなる効果を得ることは可能である。
・上側連結短壁16の先端には上側短壁段差部16bが形成されていなくともよく、上側連結長壁17の先端には上側長壁段差部17bが形成されていなくともよい。また、下側連結短壁26の先端には下側短壁段差部26bが形成されていなくともよく、下側連結長壁27の先端には下側長壁段差部27bが形成されていなくともよい。さらには、上側短壁段差部16bと下側長壁段差部27bとの一方が形成されていない構成や、上側長壁段差部17bと下側短壁段差部26bとの一方が形成されていない構成であってもよい。
・上側長壁突条17cと下側長壁突条27cとの長さ、及び、上側短壁ガイド溝16cと下側短壁ガイド溝26cとの長さは適宜変更してもよい。また、上側長壁突条17cと下側長壁突条27cとは、長壁段差部における中央壁側の端部よりも連結長壁の先端部側を基端としてもよい。なお、上側短壁ガイド溝16cの形状は、上側長壁突条17cの形状に応じて適宜変更すればよく、また、下側短壁ガイド溝26cの形状は、下側長壁突条27cの形状に応じて適宜変更すればよい。
・上側長壁突条17cと下側長壁突条27cとは、上側長壁段差部17bと下側長壁段差部27bの幅方向における中央ではなく、幅方向の中央よりも上側ヨークフランジ13や下側ヨークフランジ23側、あるいは、上側ティースフランジ14や下側ティースフランジ24側に形成されてもよい。
・上側長壁突条17cと、下側長壁突条27cとは、短壁段差部16b,26bと長壁段差部17b,27bとの重ね合わせが可能であれば、長壁段差部17b,27bの幅方向に延びる形状であってもよい。なお、上側長壁突条17cと下側長壁突条27cとが嵌め込まれる上側短壁ガイド溝16cと下側短壁ガイド溝26cとの形状は、上側長壁突条17cと下側長壁突条27cとの形状に応じて適宜変更すればよい。
・上側短壁ガイド溝16cと下側短壁ガイド溝26cとは、連結短壁を貫通する貫通孔でなくともよく、相互に向かい合う長壁突条の嵌め込みが可能な凹部でもよい。
・長壁突条の少なくとも一方を割愛してもよい。なお、長壁突条を割愛した場合には、長壁突条が嵌め込まれる短壁ガイド溝を割愛してもよい。
・上側長壁突条17cは、上側短壁段差部16bに形成されてもよく、また、下側長壁突条27cは、下側短壁段差部26bに形成されてもよい。この場合、ガイド溝は、上側長壁段差部17bと下側長壁段差部27bとに形成されればよい。
・上側長壁突条17cは、上側長壁段差部17bの長さ方向に延びる形状でなくともよく、また、下側長壁突条27cは、下側長壁段差部27bの長さ方向に延びる形状でなくともよい。要は、これら長壁突条は、向かい合う連結短壁側に突出する突起であればよい。
・短壁フランジ段差部13a,23aの長さと、長壁フランジ段差部13c,23cの長さとは同一の長さであってもよい。
・短壁フランジ突起13b,23bと、これらが嵌め込まれる長壁フランジ溝13d,23dは割愛してもよい。
・インシュレーター10の取り付けられるステーターコアCは、ジェネレーターのステーターを構成するものであってもよい。
・インシュレーター10の取り付けられるステーターコアは、環状のヨーク部と、ヨーク部の内表面からヨーク部の中心側に向かって延びる複数のティース部とを有する一体型のステーターコアであってもよい。
10,51…インシュレーター、11…上側構成部材、11a…上側段差面、12…上側周壁部分、13…上側ヨークフランジ、13a,14a,23a,24a…短壁フランジ段差部、13b,23b…短壁フランジ突起、13c,14b,23c,24b…長壁フランジ段差部、13d,23d…長壁フランジ溝、13e,14c…上側フランジ凹部、13f,14d…上側フランジ凸部、13g…薄肉面、13h,13i…フランジ凹部、13s,14s,23s,24s…内表面、14…上側ティースフランジ、15…上側中央壁、16…上側連結短壁、16a…上側短壁弧状部、16b…上側短壁段差部、16c…上側短壁ガイド溝、17…上側連結長壁、17a…上側連結弧状部、17b…上側長壁段差部、17c…上側長壁突条、21…下側構成部材、21a…下側段差面、22…下側周壁部分、23…下側ヨークフランジ、23e,24c…下側フランジ凹部、23f,24d…下側フランジ凸部、24…下側ティースフランジ、25…下側中央壁、26…下側連結短壁、26a…下側短壁弧状部、26b…下側短壁段差部、27…下側連結長壁、27a…下側長壁弧状部、27b…下側長壁段差部、27c…下側長壁突条、31,32a,32b…フランジ凸部、33…上側ヨークフランジ、33a,33b,33c…フランジ凹部、50…ステーター、52…コイル、61…第一壁、62…第二壁、63…構成部材、63a…嵌合凹部、63b…嵌合凸部、64…ヨークフランジ、65…ティースフランジ、C…ステーターコア、C1…コア片、C2…嵌合溝、C3…嵌合突条、C4…取付溝、CT…ティース部、CY…ヨーク部、G…ゲート痕、SP…スプール。

Claims (8)

  1. ステーターコアが通される矩形筒体形状をなす周壁を備え、前記周壁の周囲にはコイルが巻かれる樹脂製のステーター用インシュレーターであって、
    前記周壁が、
    ゲート痕を含み、
    一つの方向に沿って延びる相互に対向する2つの第一壁と、前記第一壁と交差する方向に沿って延びる相互に対向する2つの第二壁とから構成され、
    前記周壁における少なくとも1つの開口に、
    前記第一壁から立ち上がるフランジ部を備え、
    前記フランジ部の表面は、
    前記第一壁の延びる方向に沿って並ぶ複数の段差部を含む
    ステーター用インシュレーター。
  2. 前記第一壁の延びる方向における前記第一壁の長さは、
    前記第二壁の延びる方向における前記第二壁の長さよりも長い
    請求項1に記載のステーター用インシュレーター。
  3. 複数の前記段差部の各々は、
    前記第一壁の延びる方向と交差する方向に延びる
    請求項1又は2に記載のステーター用インシュレーター。
  4. 複数の前記段差部の各々では、
    前記第一壁の延びる方向の長さが、前記段差部の延びる方向の長さよりも小さい
    請求項3に記載のステーター用インシュレーター。
  5. 前記周壁の外周面は平坦面であり、
    前記フランジ部の表面のうち前記平坦面に連なる部分に前記段差部が形成されている
    請求項1から4のいずれか一項に記載のステーター用インシュレーター。
  6. 前記段差部が第一段差部とされ、
    前記第二壁の内表面には、
    前記第二壁の延びる方向に沿って段差が連なる第二段差部が形成されている
    請求項1から5のいずれか一項に記載のステーター用インシュレーター。
  7. 前記周壁及び前記フランジ部の形成材料が繊維強化樹脂である
    請求項1から6のいずれか一項に記載のステーター用インシュレーター。
  8. 前記2つの第一壁の各々が、前記周壁の周方向に並ぶ一対の連結壁から構成され、
    前記一対の連結壁の各々が互いに重なる先端を備え、
    前記一対の連結壁の各々の基端が互いに異なる前記第二壁と一体に成形された2つの構成部材を備え、
    2つの構成部材を第1構成部材と第2構成部材とし、
    前記フランジ部は、前記第1構成部材と一体に成形された第1部分と、前記第2構成部材と一体に成形された第2部分とから構成される
    請求項1から7のいずれか一項に記載のステーター用インシュレーター。
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