JP4321144B2 - コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 - Google Patents
コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4321144B2 JP4321144B2 JP2003190952A JP2003190952A JP4321144B2 JP 4321144 B2 JP4321144 B2 JP 4321144B2 JP 2003190952 A JP2003190952 A JP 2003190952A JP 2003190952 A JP2003190952 A JP 2003190952A JP 4321144 B2 JP4321144 B2 JP 4321144B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- stator
- divided
- jig
- winding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は固定子鉄心を複数に分割した分割鉄心体に絶縁を施し、巻線を直巻巻装した後、前記分割鉄心体を環状に一体化する構成としたコンデンサ電動機の固定子およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のコンデンサ電動機の固定子の製造方法においては、複数に分割した分割鉄心体に各相別に巻線を巻装したのち、各相の分割鉄心体を環状に配列してなる固定子の製造方法が知られている（例えば特許文献１参照）。
【０００３】
以下、そのコンデンサ電動機の固定子の製造方法について、図７、図８を参照しながら説明する。
【０００４】
図７に示すように、絶縁材料２０２で絶縁処理された分割鉄心体２０１を各相別に極数個環状に保持し、これにＡ相巻線２０３を極数個連続的に渡り線２０４で連結して巻装し、また図８に示すようにＢ相巻線２０５を極数個連続的に渡り線２０６で連結して巻装したのち、これらを環状に合体した構成の固定子の製造方法としていた。
【０００５】
また、この種のコンデンサ電動機の固定子においては、複数に分割積層した分割鉄心体の絶縁処理として、スロット絶縁フィルムと樹脂等からなる成形品を併用する構成が示されている（例えば特許文献２参照）。
【０００６】
以下、そのコンデンサ電動機の固定子について、図９を参照しながら説明する。
【０００７】
図に示すように、複数に分割積層された分割鉄心体３０１に対し、スロットの絶縁処理には略スロット形状に成形した一対のスロット絶縁フィルム３０７を当接させ、分割鉄心体３０１の積層方向の端面は樹脂等で内壁部３０３、外壁部３０４、端面部３０５、および袴部３０６が一体に成型されてなる絶縁体３０２が装着される。絶縁体３０２は、スロット絶縁フィルム３０７が装着された分割鉄心体３０１の積層方向の上下方向から装着され、袴部３０６によってスロット絶縁フィルム３０７を挟持するものであった。これに所定の巻線巻装を行い環状に組付けることによって、コンデンサ電動機の固定子を構成していた。
【０００８】
【特許文献１】
特開２０００−３５８３４６号公報
【特許文献２】
特開平９−５６０９９号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のコンデンサ電動機の固定子の製造方法では、渡り線の管理が難しいことや、別に極数個連続的に巻線巻装した分割鉄心体２０１を組み合わせて環状に合体する作業に多くの手間がかかるという課題があり、渡り線の管理を簡単にし手間の少ない製造を可能にすることが要求されている。
【００１０】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で円柱状の芯治具に環状に配列したまま各相巻線の直巻巻装を可能にし、分割鉄心体ｂを固定したのち芯治具から離脱させ組み立てることのできるコンデンサ電動機の製造方法を提供することを目的としている。
【００１１】
また、従来のコンデンサ電動機の固定子では、スロット絶縁フィルムをスロット形状に成形した場合でもその形状安定性が低く、絶縁体の袴部と干渉し、その装着に手間取ったり、最悪はフィルムが折れ曲がったまま絶縁体が装着されてしまうという課題があり、絶縁体の装着性を容易にし品質を向上させることが要求されている。
【００１２】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、固定子鉄心とスロット絶縁フィルムと絶縁体の組付けを容易にして作業性を改善し、さらに品質の安定と向上ができるコンデンサ電動機の固定子を提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンデンサ電動機の固定子の製造方法は上記目的を達成するために、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心において、分割鉄心体ａを略円柱状の芯治具に設ける押圧部によって固定子の正規の寸法で環状に保持し、全ての巻線巻装が完了し分割鉄心体ｂを分割鉄心体ａに保持固定した後、押圧部が芯治具の径方向に移動し芯治具から固定子鉄心を離脱させ固定子を組み立てる製造方法としたものである。
【００１４】
本発明によれば、４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で円柱状の芯治具に環状に配列したまま各相巻線の直巻巻装を可能にし、分割鉄心体ｂを固定したのち芯治具から離脱させ組み立てることのできるコンデンサ電動機の固定子の製造方法が得られる。
【００１５】
また、本発明のコンデンサ電動機の固定子は上記目的を達成するために、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、４個に分割された分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁する絶縁体からなり、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部の一部に突部を形成し、この突部は、前記分割鉄心体ａの歯部と継鉄部とで形成される外周側のＲ部に対向する位置に設けてなる構成としたものである。
【００１６】
本発明によれば、固定子鉄心とスロット絶縁フィルムと絶縁体の組付けを容易にし、品質の安定と向上ができるコンデンサ電動機の固定子が得られる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体と、前記４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で環状に保持する略円柱状の芯治具とからなり、絶縁処理後分割鉄心体ａの外周側から２極のＡ相巻線およびＢ相巻線を直巻する巻装作業において、前記芯治具は分割鉄心体ａの内周側４ヶ所のスロット開口部に対向する位置で、かつ積層方向の両側から歯部両端部を挟持する押圧部を有しており、全ての巻線巻装が完了し分割鉄心体ｂを分割鉄心体ａに保持固定した後、すくなくとも積層方向の上側の前記押圧部が芯治具の径方向に移動し、押圧部の先端が芯治具外周面以下に位置したのち、芯治具から固定子鉄心を離脱させ固定子を組み立てる製造方法としたものであり、芯治具の押圧部が芯治具の径方向に移動し、固定子の離脱が容易になるという作用を有する。
【００１８】
また、前記心治具の押圧部が芯治具の径方向に移動するとともに、芯治具の軸方向に移動する構成としたものであり、固定子鉄心の積層厚みが複数種類であっても一種類の芯治具で対応が可能になるという作用を有する。
【００１９】
本発明の請求項３に記載の発明は、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体とからなり、前記絶縁体に設けた袴部の一部に、固定子鉄心の積層方向に延設する突部を形成し、この突部は、前記分割鉄心体ａの歯部と継鉄部とで形成される外周側のＲ部に対向する位置に設けてなる構成としたものであり、絶縁体の突部の先端がスロット絶縁フィルムへのガイドとなり、袴部によってスロット絶縁フィルムを確実に挟持するという作用を有する。
【００２０】
また、成形したスロット絶縁フィルムの最大距離間を最初に位置決めすることができスロット内でのフィルムの形状の安定性が向上するという作用を有する。
【００２１】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【００２２】
【実施例】
（実施例１）
図１〜図６に示すように、４個のスロット７を形成する固定子鉄心１を歯部２と継鉄部３−１の一部が一体の４個の分割鉄心体ａ４と継鉄部３−２の４個の分割鉄心体ｂ５との８個に分離分割し、分割鉄心体ａ４は回転子孔２１の内径寸法と同一寸法の外径を有する芯治具１３の外周に各−を放射状に押圧部１４で保持されており、樹脂で成型され分割鉄心体ａ２の端面を絶縁する絶縁体１５と、スロット７と分割鉄心体ｂ５の内周側面とを絶縁するスロット絶縁フィルム９により絶縁処理後、スロット絶縁フィルム９の延設部９ａをそれぞれ外径方向に変形保持した状態で分割鉄心体ａ４に対して各−２極のＡ相巻線１０またはＢ相巻線１１を直巻巻装する。ここで押圧部１４は、スロット開口部８に対向する位置にあり、分割鉄心体ａの歯部両端部２−１を上下方向より保持するよう上側押圧部１４ａ、下側押圧部１４ｂからなる。そして巻線巻装後、分割鉄心体ｂ５をスロット絶縁フィルム９の延設部９ａが相互に重なり合うように保持固定し、押圧部１４を芯治具１３の外周面以内に移動させ固定子鉄心１を芯治具１３の上方から離脱させ固定子１２を組み立てる製造方法とする。
【００２３】
上記構成において、芯治具１３によって４個の分割鉄心体ａ４は固定子１２の正規の寸法で環状に保持したままでＡ相巻線１０およびＢ相巻線１１の巻線巻装作業と分割鉄心５の保持固定作業がができ、押圧部１４を移動させることによって固定子鉄心１が離脱可能となるので、各相の巻線の渡り線（図示せず）を管理する必要もなく少ない手間と精度良い固定子１２の組立ができることになる。
【００２４】
また、同様の構成で芯治具１３に設ける押圧部１４のうち、上側押圧部１４ａを芯治具１３の軸方向にも移動可能な構成とする。
【００２５】
上記構成において、固定子鉄心１の積層厚みが複数種類であっても一種類の芯治具１３で対応が可能になり、芯治具１３の標準化が実現できる。
【００２６】
なお、実施例では上側押圧部を軸方向に移動可能な構成にしたが、下側押圧部が軸方向に移動可能にしても、その作用効果に差異はない。
【００２７】
また、同様の構成でスロット絶縁フィルム９を挟持する絶縁体１５の袴部１６に固定子鉄心１の積層方向に伸びるよう突部１７を形成してなる。
【００２８】
上記構成において、固定子鉄心１とスロット絶縁フィルム９と絶縁体１５の組付け時に、突部１７がスロット絶縁フィルム９に対してガイドとなり袴部１６によってスロット絶縁フィルム９を挟持し、絶縁体１５の装着が容易になる。
【００２９】
また、絶縁体１５の袴部１６に設ける突部１７を、固定子鉄心１の歯部２と継鉄部３−１との連続部で形成される外側Ｒ部６に対向する位置に設けてなる。
【００３０】
上記構成において、成形されたスロット絶縁フィルム９の最大距離間が突部１７によってガイドされることになり、スロット７内でのスロット絶縁フィルム９の形状の安定化が向上できる。
【００３１】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば少ない手間と寸法精度の良好な固定子の組立ができる効果のあるコンデンサ電動機の固定子の製造方法を提供できる。
【００３２】
また、固定子鉄心の複数の積層厚みに対して、芯治具の標準化が可能なコンデンサ電動機の固定子の製造方法を提供できる。
【００３３】
また、固定子鉄心へのスロット絶縁フィルムと絶縁体の装着が容易になり、作業性が向上できるコンデンサ電動機の固定子を提供できる。
【００３４】
また、スロット内でのスロット絶縁フィルムの形状が安定化し、絶縁性能等の品質の安定および向上ができるコンデンサ電動機の固定子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１の分割鉄心体ａと芯治具との組付けを示す正面図
【図２】同分割固定子鉄心を示す正面図
【図３】同分割鉄心体ｂを保持固定した固定子の正面図
【図４】同芯治具の側面図
【図５】同分割鉄心体ａと絶縁体の組付けを示す正面図
【図６】同分割鉄心体ａと絶縁体の組付けを示す斜視図
【図７】従来のコンデンサ電動機のＡ相巻線の形態を示す正面図
【図８】同Ｂ相巻線の形態を示す正面図
【図９】従来の固定子鉄心と絶縁体の組付けを示す斜視図
【符号の説明】
１ 固定子鉄心
２ 歯部
２−１ 歯部両端部
３−１、３−２ 継鉄部
４ 分割鉄心体ａ
５ 分割鉄心体ｂ
６ 外側Ｒ部
７ スロット
８ スロット開口部
９ スロット絶縁フィルム
９ａ 延設部
１０ Ａ相巻線
１１ Ｂ相巻線
１２ 固定子
１３ 芯治具
１４ 押圧部
１４ａ 上側押圧部
１４ｂ 下側押圧部
１５ 絶縁体
１６ 袴部
１７ 突部
１８ 内壁
１９ 外壁
２０ 端面部
２１ 回転子孔
【発明の属する技術分野】
本発明は固定子鉄心を複数に分割した分割鉄心体に絶縁を施し、巻線を直巻巻装した後、前記分割鉄心体を環状に一体化する構成としたコンデンサ電動機の固定子およびその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種のコンデンサ電動機の固定子の製造方法においては、複数に分割した分割鉄心体に各相別に巻線を巻装したのち、各相の分割鉄心体を環状に配列してなる固定子の製造方法が知られている（例えば特許文献１参照）。
【０００３】
以下、そのコンデンサ電動機の固定子の製造方法について、図７、図８を参照しながら説明する。
【０００４】
図７に示すように、絶縁材料２０２で絶縁処理された分割鉄心体２０１を各相別に極数個環状に保持し、これにＡ相巻線２０３を極数個連続的に渡り線２０４で連結して巻装し、また図８に示すようにＢ相巻線２０５を極数個連続的に渡り線２０６で連結して巻装したのち、これらを環状に合体した構成の固定子の製造方法としていた。
【０００５】
また、この種のコンデンサ電動機の固定子においては、複数に分割積層した分割鉄心体の絶縁処理として、スロット絶縁フィルムと樹脂等からなる成形品を併用する構成が示されている（例えば特許文献２参照）。
【０００６】
以下、そのコンデンサ電動機の固定子について、図９を参照しながら説明する。
【０００７】
図に示すように、複数に分割積層された分割鉄心体３０１に対し、スロットの絶縁処理には略スロット形状に成形した一対のスロット絶縁フィルム３０７を当接させ、分割鉄心体３０１の積層方向の端面は樹脂等で内壁部３０３、外壁部３０４、端面部３０５、および袴部３０６が一体に成型されてなる絶縁体３０２が装着される。絶縁体３０２は、スロット絶縁フィルム３０７が装着された分割鉄心体３０１の積層方向の上下方向から装着され、袴部３０６によってスロット絶縁フィルム３０７を挟持するものであった。これに所定の巻線巻装を行い環状に組付けることによって、コンデンサ電動機の固定子を構成していた。
【０００８】
【特許文献１】
特開２０００−３５８３４６号公報
【特許文献２】
特開平９−５６０９９号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のコンデンサ電動機の固定子の製造方法では、渡り線の管理が難しいことや、別に極数個連続的に巻線巻装した分割鉄心体２０１を組み合わせて環状に合体する作業に多くの手間がかかるという課題があり、渡り線の管理を簡単にし手間の少ない製造を可能にすることが要求されている。
【００１０】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で円柱状の芯治具に環状に配列したまま各相巻線の直巻巻装を可能にし、分割鉄心体ｂを固定したのち芯治具から離脱させ組み立てることのできるコンデンサ電動機の製造方法を提供することを目的としている。
【００１１】
また、従来のコンデンサ電動機の固定子では、スロット絶縁フィルムをスロット形状に成形した場合でもその形状安定性が低く、絶縁体の袴部と干渉し、その装着に手間取ったり、最悪はフィルムが折れ曲がったまま絶縁体が装着されてしまうという課題があり、絶縁体の装着性を容易にし品質を向上させることが要求されている。
【００１２】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、固定子鉄心とスロット絶縁フィルムと絶縁体の組付けを容易にして作業性を改善し、さらに品質の安定と向上ができるコンデンサ電動機の固定子を提供することを目的としている。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンデンサ電動機の固定子の製造方法は上記目的を達成するために、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心において、分割鉄心体ａを略円柱状の芯治具に設ける押圧部によって固定子の正規の寸法で環状に保持し、全ての巻線巻装が完了し分割鉄心体ｂを分割鉄心体ａに保持固定した後、押圧部が芯治具の径方向に移動し芯治具から固定子鉄心を離脱させ固定子を組み立てる製造方法としたものである。
【００１４】
本発明によれば、４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で円柱状の芯治具に環状に配列したまま各相巻線の直巻巻装を可能にし、分割鉄心体ｂを固定したのち芯治具から離脱させ組み立てることのできるコンデンサ電動機の固定子の製造方法が得られる。
【００１５】
また、本発明のコンデンサ電動機の固定子は上記目的を達成するために、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、４個に分割された分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁する絶縁体からなり、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部の一部に突部を形成し、この突部は、前記分割鉄心体ａの歯部と継鉄部とで形成される外周側のＲ部に対向する位置に設けてなる構成としたものである。
【００１６】
本発明によれば、固定子鉄心とスロット絶縁フィルムと絶縁体の組付けを容易にし、品質の安定と向上ができるコンデンサ電動機の固定子が得られる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体と、前記４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で環状に保持する略円柱状の芯治具とからなり、絶縁処理後分割鉄心体ａの外周側から２極のＡ相巻線およびＢ相巻線を直巻する巻装作業において、前記芯治具は分割鉄心体ａの内周側４ヶ所のスロット開口部に対向する位置で、かつ積層方向の両側から歯部両端部を挟持する押圧部を有しており、全ての巻線巻装が完了し分割鉄心体ｂを分割鉄心体ａに保持固定した後、すくなくとも積層方向の上側の前記押圧部が芯治具の径方向に移動し、押圧部の先端が芯治具外周面以下に位置したのち、芯治具から固定子鉄心を離脱させ固定子を組み立てる製造方法としたものであり、芯治具の押圧部が芯治具の径方向に移動し、固定子の離脱が容易になるという作用を有する。
【００１８】
また、前記心治具の押圧部が芯治具の径方向に移動するとともに、芯治具の軸方向に移動する構成としたものであり、固定子鉄心の積層厚みが複数種類であっても一種類の芯治具で対応が可能になるという作用を有する。
【００１９】
本発明の請求項３に記載の発明は、歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体とからなり、前記絶縁体に設けた袴部の一部に、固定子鉄心の積層方向に延設する突部を形成し、この突部は、前記分割鉄心体ａの歯部と継鉄部とで形成される外周側のＲ部に対向する位置に設けてなる構成としたものであり、絶縁体の突部の先端がスロット絶縁フィルムへのガイドとなり、袴部によってスロット絶縁フィルムを確実に挟持するという作用を有する。
【００２０】
また、成形したスロット絶縁フィルムの最大距離間を最初に位置決めすることができスロット内でのフィルムの形状の安定性が向上するという作用を有する。
【００２１】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【００２２】
【実施例】
（実施例１）
図１〜図６に示すように、４個のスロット７を形成する固定子鉄心１を歯部２と継鉄部３−１の一部が一体の４個の分割鉄心体ａ４と継鉄部３−２の４個の分割鉄心体ｂ５との８個に分離分割し、分割鉄心体ａ４は回転子孔２１の内径寸法と同一寸法の外径を有する芯治具１３の外周に各−を放射状に押圧部１４で保持されており、樹脂で成型され分割鉄心体ａ２の端面を絶縁する絶縁体１５と、スロット７と分割鉄心体ｂ５の内周側面とを絶縁するスロット絶縁フィルム９により絶縁処理後、スロット絶縁フィルム９の延設部９ａをそれぞれ外径方向に変形保持した状態で分割鉄心体ａ４に対して各−２極のＡ相巻線１０またはＢ相巻線１１を直巻巻装する。ここで押圧部１４は、スロット開口部８に対向する位置にあり、分割鉄心体ａの歯部両端部２−１を上下方向より保持するよう上側押圧部１４ａ、下側押圧部１４ｂからなる。そして巻線巻装後、分割鉄心体ｂ５をスロット絶縁フィルム９の延設部９ａが相互に重なり合うように保持固定し、押圧部１４を芯治具１３の外周面以内に移動させ固定子鉄心１を芯治具１３の上方から離脱させ固定子１２を組み立てる製造方法とする。
【００２３】
上記構成において、芯治具１３によって４個の分割鉄心体ａ４は固定子１２の正規の寸法で環状に保持したままでＡ相巻線１０およびＢ相巻線１１の巻線巻装作業と分割鉄心５の保持固定作業がができ、押圧部１４を移動させることによって固定子鉄心１が離脱可能となるので、各相の巻線の渡り線（図示せず）を管理する必要もなく少ない手間と精度良い固定子１２の組立ができることになる。
【００２４】
また、同様の構成で芯治具１３に設ける押圧部１４のうち、上側押圧部１４ａを芯治具１３の軸方向にも移動可能な構成とする。
【００２５】
上記構成において、固定子鉄心１の積層厚みが複数種類であっても一種類の芯治具１３で対応が可能になり、芯治具１３の標準化が実現できる。
【００２６】
なお、実施例では上側押圧部を軸方向に移動可能な構成にしたが、下側押圧部が軸方向に移動可能にしても、その作用効果に差異はない。
【００２７】
また、同様の構成でスロット絶縁フィルム９を挟持する絶縁体１５の袴部１６に固定子鉄心１の積層方向に伸びるよう突部１７を形成してなる。
【００２８】
上記構成において、固定子鉄心１とスロット絶縁フィルム９と絶縁体１５の組付け時に、突部１７がスロット絶縁フィルム９に対してガイドとなり袴部１６によってスロット絶縁フィルム９を挟持し、絶縁体１５の装着が容易になる。
【００２９】
また、絶縁体１５の袴部１６に設ける突部１７を、固定子鉄心１の歯部２と継鉄部３−１との連続部で形成される外側Ｒ部６に対向する位置に設けてなる。
【００３０】
上記構成において、成形されたスロット絶縁フィルム９の最大距離間が突部１７によってガイドされることになり、スロット７内でのスロット絶縁フィルム９の形状の安定化が向上できる。
【００３１】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば少ない手間と寸法精度の良好な固定子の組立ができる効果のあるコンデンサ電動機の固定子の製造方法を提供できる。
【００３２】
また、固定子鉄心の複数の積層厚みに対して、芯治具の標準化が可能なコンデンサ電動機の固定子の製造方法を提供できる。
【００３３】
また、固定子鉄心へのスロット絶縁フィルムと絶縁体の装着が容易になり、作業性が向上できるコンデンサ電動機の固定子を提供できる。
【００３４】
また、スロット内でのスロット絶縁フィルムの形状が安定化し、絶縁性能等の品質の安定および向上ができるコンデンサ電動機の固定子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例１の分割鉄心体ａと芯治具との組付けを示す正面図
【図２】同分割固定子鉄心を示す正面図
【図３】同分割鉄心体ｂを保持固定した固定子の正面図
【図４】同芯治具の側面図
【図５】同分割鉄心体ａと絶縁体の組付けを示す正面図
【図６】同分割鉄心体ａと絶縁体の組付けを示す斜視図
【図７】従来のコンデンサ電動機のＡ相巻線の形態を示す正面図
【図８】同Ｂ相巻線の形態を示す正面図
【図９】従来の固定子鉄心と絶縁体の組付けを示す斜視図
【符号の説明】
１ 固定子鉄心
２ 歯部
２−１ 歯部両端部
３−１、３−２ 継鉄部
４ 分割鉄心体ａ
５ 分割鉄心体ｂ
６ 外側Ｒ部
７ スロット
８ スロット開口部
９ スロット絶縁フィルム
９ａ 延設部
１０ Ａ相巻線
１１ Ｂ相巻線
１２ 固定子
１３ 芯治具
１４ 押圧部
１４ａ 上側押圧部
１４ｂ 下側押圧部
１５ 絶縁体
１６ 袴部
１７ 突部
１８ 内壁
１９ 外壁
２０ 端面部
２１ 回転子孔
Claims (3)
- 歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体と、前記４個の分割鉄心体ａを固定子の正規の寸法で環状に保持する略円柱状の芯治具とからなり、絶縁処理後分割鉄心体ａの外周側から２極のＡ相巻線およびＢ相巻線を直巻する巻装作業において、前記芯治具は分割鉄心体ａの内周側４ヶ所のスロット開口部に対向する位置で、かつ積層方向の両側から歯部両端部を挟持する押圧部を有しており、全ての巻線巻装が完了し分割鉄心体ｂを分割鉄心体ａに保持固定した後、すくなくとも積層方向の上側の前記押圧部が芯治具の径方向に移動し、押圧部の先端が芯治具外周面以下に位置したのち、芯治具から固定子鉄心を離脱させ固定子を組み立てる構成のコンデンサ電動機の固定子の製造方法。
- 前記心治具の押圧部が芯治具の径方向に移動するとともに、芯治具の軸方向に移動してなる構成の請求項１記載のコンデンサ電動機の固定子の製造方法。
- 歯部と継鉄部が一体で積層された４個の分割鉄心体ａと、この分割鉄心体ａに挟持される継鉄部が積層された４個の分割鉄心体ｂとからなる固定子鉄心と、隣接する前記分割鉄心体ａによって形成される４つスロットをそれぞれ絶縁する４枚のスロット絶縁フィルムと、このスロット絶縁フィルムを挟持する袴部を有し、前記分割鉄心体ａの積層方向の端面を絶縁し、内外壁が樹脂等で一体に成型されてなる絶縁体とからなり、前記絶縁体に設けた袴部の一部に、固定子鉄心の積層方向に延設する突部を形成し、
この突部は、前記分割鉄心体ａの歯部と継鉄部とで形成される外周側のＲ部に対向する位置に設けてなるコンデンサ電動機の固定子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003190952A JP4321144B2 (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003190952A JP4321144B2 (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005027443A JP2005027443A (ja) | 2005-01-27 |
| JP4321144B2 true JP4321144B2 (ja) | 2009-08-26 |
Family
ID=34188689
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003190952A Expired - Fee Related JP4321144B2 (ja) | 2003-07-03 | 2003-07-03 | コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4321144B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102545492A (zh) * | 2012-02-27 | 2012-07-04 | 常州市神力电机有限公司 | 一种大、中型电机定子铁芯叠压工装 |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100978782B1 (ko) | 2008-08-25 | 2010-08-30 | 아이알제너레이터(주) | 발전기 및 이를 포함하는 풍력발전시스템 |
| JP5277860B2 (ja) * | 2008-10-21 | 2013-08-28 | トヨタ自動車株式会社 | 固定子コア製造方法、及び固定子コア製造装置 |
| JP5602404B2 (ja) * | 2009-09-24 | 2014-10-08 | 株式会社ミツバ | 分割コアユニット及び分割コアの巻線方法 |
| JP5396241B2 (ja) * | 2009-11-10 | 2014-01-22 | 三菱電機株式会社 | 回転電機のステータおよびその製造方法 |
| CN103795196B (zh) * | 2014-01-14 | 2016-05-18 | 宁波海得工业控制系统有限公司 | 拼块式伺服电机定子的焊接工艺 |
| CN109804531B (zh) * | 2016-10-19 | 2021-08-03 | 三菱电机株式会社 | 旋转电机的定子及其制造方法 |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003190952A patent/JP4321144B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102545492A (zh) * | 2012-02-27 | 2012-07-04 | 常州市神力电机有限公司 | 一种大、中型电机定子铁芯叠压工装 |
| CN102545492B (zh) * | 2012-02-27 | 2013-10-23 | 常州市神力电机有限公司 | 一种大、中型电机定子铁芯叠压工装 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2005027443A (ja) | 2005-01-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP4607964B2 (ja) | 電動機の固定子及び電動機及びポンプ及び電動機の製造方法 | |
| JP4655764B2 (ja) | 回転電機 | |
| US8502432B2 (en) | Crossover module | |
| JP5738385B2 (ja) | 固定子およびその固定子を備えた回転電機 | |
| US8704420B2 (en) | Stator for electric machine | |
| WO2018131392A1 (ja) | 分割コアユニット、回転電機、分割コアユニットの製造方法及び回転電機の製造方法 | |
| JP5026872B2 (ja) | ステータ | |
| EP3687043B1 (en) | Insulator, and stator and motor comprising same | |
| WO2020174817A1 (ja) | 回転電機のステータ、回転電機、回転電機のステータの製造方法、および、回転電機の製造方法 | |
| JP4321144B2 (ja) | コンデンサ電動機の固定子およびその製造方法 | |
| JP2008104288A (ja) | コンデンサ電動機とその製造方法 | |
| JP4791387B2 (ja) | 電機子 | |
| JP5181627B2 (ja) | 回転電機および回転電機の製造方法 | |
| JP2018198515A (ja) | 回転電機の固定子の絶縁フィルム、回転電機の固定子、および固定子の製造方法 | |
| JP2009071913A (ja) | 外転型コンデンサ電動機の固定子 | |
| AU2016284404B2 (en) | Rotating electrical machine stator, rotating electrical machine, rotating electrical machine stator production method | |
| JP4411950B2 (ja) | 電動機固定子、その製造方法、およびその固定子を用いた永久磁石形電動機 | |
| JP6566896B2 (ja) | ステータの製造方法、および巻線装置 | |
| JP4166780B2 (ja) | 内転型電動機の固定子 | |
| JP2007143239A (ja) | コンデンサ電動機とその製造方法 | |
| JP4095465B2 (ja) | 回転電動機 | |
| JP3999798B2 (ja) | 内転型電動機の固定子の製造方法 | |
| JP4372130B2 (ja) | モータ | |
| WO2019235071A1 (ja) | 回転電機の固定子および回転電機 | |
| JP3977224B2 (ja) | 内転型電動機の固定子およびその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060703 |
|
| RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20060821 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090109 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090120 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090319 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090512 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090525 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612 Year of fee payment: 4 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |