JP2009071913A - 外転型コンデンサ電動機の固定子 - Google Patents
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Abstract
【課題】天井扇などの駆動用に使用される外転型コンデンサ電動機の固定子において、絶縁性能を十分に確保しながら薄型化を実現し、生産コストを低減させることを目的としている。
【解決手段】固定子鉄心2と巻線10、11の電気的絶縁を施す絶縁体12は、軸方向から重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体12が1つの第1歯部4と、ここから延設する二股の第2歯部5とを同時に絶縁するよう、周方向に分割しているもので、個々の絶縁体12の寸法を小さくでき、絶縁性能を十分に確保しながら薄型化を実現し、生産コストを低減できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
【選択図】図1
【解決手段】固定子鉄心2と巻線10、11の電気的絶縁を施す絶縁体12は、軸方向から重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体12が1つの第1歯部4と、ここから延設する二股の第2歯部5とを同時に絶縁するよう、周方向に分割しているもので、個々の絶縁体12の寸法を小さくでき、絶縁性能を十分に確保しながら薄型化を実現し、生産コストを低減できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、同心円状に内周側の巻線と外周側の巻線を有する固定子であって、この巻線と固定子鉄心との絶縁に複数に分割した絶縁体を用いる外転型コンデンサの電動機の固定子に関する。
従来、この種の外転型コンデンサ電動機の固定子においては、一体型の固定子鉄心に適当な絶縁処理を施し、同心円状に2相の巻線を巻装する固定子が知られている。(例えば特許文献1参照)。
以下、その外転型コンデンサ電動機の固定子について、図10から図13を参照しながら説明する。
図に示すように、固定子鉄心100は中心に中空軸113を保持する孔101を有し、その外周近傍に複数個の第1歯部102とここから外周方向に二股に延設する第2歯部103とからなり、この第1歯部102と第2歯部103によって、A相巻線109が巻装される第1スロット104と、B相巻線110が巻装される第2スロット105が形成されている。このA相巻線109とB相巻線110の巻装においては、予め第1スロット104と第2スロット105のそれぞれを、電気絶縁用フィルム材からなり固定子鉄心100の上下面からh寸法だけ延出するスロット絶縁フィルム108で絶縁処理が施され、第1スロット開口部106や第2スロット開口部107を介して巻装されていた。この巻線の巻装後、レーシング(図示せず)すなわち糸縛りを施すとともにワニスを含浸してなる構成の外転型コンデンサ電動機の固定子114としていた。
実開昭61−149954号公報
このような従来の外転型コンデンサ電動機の固定子では、第1スロット104および第2スロット105の内面の絶縁処理にフィルム材を折り曲げ成形していることから、固定子鉄心100の上下面と巻線109、110との絶縁距離確保、すなわち空間距離を確保するため、スロット絶縁フィルム108を固定子鉄心100の積層方向に延出させることになり、巻線109、110の高さが大きくなるという課題があり、巻線の高さを低減することで薄型化するとともに使用する巻線材料を削減することが要求されている。
これを解決するために、フィルム材の替わりに樹脂の一体型成型品で固定子鉄心の上下面とスロット内部を同時に絶縁する方法が考えられる。しかしながら、外転型コンデンサ電動機の固定子の場合は、固定子鉄心の外周側に歯部およびスロットが存在するため、中央部分には絶縁が必要ないにもかかわらず樹脂成型には比較的寸法の大きな金型が必要となり、さらに成型設備の能力も高いものが必要とされ、総費用が高くなるという課題が生じ、生産コストの削減が要求されている。
また、巻装した巻線の一部の垂れ下がりを防止するために、巻線を固着するレーシング処理やワニス含浸などの工程が必要となる課題があり、レーシング用の糸材やワニス材などの材料費やその加工工数および設備維持費などの生産コストを低減することが要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、金型、設備の費用を低減させながら巻線と固定子鉄心との絶縁性能を確保し、固定子の薄型化ができ、また使用する材料を削減することができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供することを目的としている。
本発明の外転型コンデンサ電動機の固定子は上記目的を達成するために、中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、この絶縁体は、前記第1スロットおよび第2スロット内で軸方向から重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体が1つの第1歯部と、ここから延設する2つの第2歯部とを同時に絶縁するよう、前記第1スロット部で分割して複数からなる構成としたものである。
この手段により、絶縁体を成型する金型寸法の小型化と成型設備能力の省力化ができるとともに、巻線の高さを低減できることで固定子の薄型化と使用する材料削減が可能となり生産コストの低減が可能となる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、絶縁体の上面にA相巻線の内周側に位置する内壁と、B相巻線の外周側に位置する外壁と、前記A相巻線とB相巻線を分離する位置に中間壁とを立設する構成としたものである。
この手段により、A相巻線とB相巻線の接触を回避でき、巻線品質を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、中間壁に巻線端末を絡げる金属端子の取付け部を設ける構成としたものである。
この手段により、巻線巻装作業の障害とならず巻線近傍に金属端子を取り付けることで接続の作業性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、隣り合う絶縁体の一方の絶縁体に、第1スロット部に軸方向に垂直な方向に薄肉の鍔部を延設し、他方の絶縁体に前記鍔部を係合する段部を形成する構成としたものである。
この手段により、A相巻線と固定子鉄心との絶縁距離を確保して安全性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、絶縁体の第2歯部の外側に、スロット開口絶縁部を軸方向に延設する構成としたものである。
この手段により、A相巻線の巻装作業において巻線へのダメージ緩和とB相巻線と固定子鉄心との絶縁距離を確保して安全性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、運転用コンデンサは樹脂製のケースにコンデンサ素子が封入された形態で、前記ケースの一端にターミナルベース部を形成し、他端に中空軸に対し爪状の係合部を形成する構成としたものである。
この手段により、運転用コンデンサの取付けを容易にすることができる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、中空軸に係合段部を形成し、この係合段部に運転用コンデンサのケースに設ける爪状の係合部を係合させる構成としたものである。
この手段により、運転用コンデンサの軸方向の位置決めを行い、位置ズレを防止できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、固定子鉄心の表面に係合孔を形成し、運転用コンデンサのケース底面に凸部を設け、この凸部を前記係合孔に係合させる構成としたものである。
この手段により、運転用コンデンサの周方向の位置決めを行い、位置ズレを防止できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、底面に設ける凸部を、封入しているコンデンサ素子と離れる位置に設ける構成としたものである。
この手段により、コンデンサ素子への熱伝導を抑制しコンデンサ寿命の延命化が図られる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、運転用コンデンサのケースの一端に設けるターミナルベース部は、B相巻線の直上まで延設し、上面に温度過昇防止装置取付け部、巻線端末を絡げた端子を挿通させる端子孔を設ける構成としたものである。
この手段により、接続箇所を集約でき電気的接続の作業性が改善できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、温度過昇防止装置取付け部に、巻線と温度過昇防止装置のリード線と絶縁距離が確保できる最大限の切欠きを設ける構成としたものである。
この手段により、巻線からの熱の伝播を良くし、温度過昇防止装置の動作精度向上が図られる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、前記固定子鉄心にコンデンサ収納孔を設け、前記運転用コンデンサの軸方向寸法の少なくとも一部を収納する構成としたものである。
この手段により、固定子の軸方向寸法を縮小できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
また、固定子鉄心に設けるコンデンサ収納孔と同寸法の予備孔を複数個設け、前記固定子鉄心の平面上において、前記予備孔とコンデンサ収納孔とを円周方向に等間隔に配置する構成としたものである。
この手段により、電動機の軽量化が可能になると同時に、重量バランスを均一に保たれ電動機運転時の振動を抑制できる外転型コンデンサ電動機の固定子が得られる。
本発明によれば絶縁体を成型する金型寸法の小型化と成型設備能力の省力化ができるとともに、巻線の高さを低減できることで固定子の薄型化と使用する材料削減が可能となり生産コストの低減が可能となる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、A相巻線とB相巻線の接触を回避でき、巻線品質を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、この手段により、巻線巻装作業の障害とならない巻線近傍に金属端子を取り付けることで接続の作業性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、A相巻線と固定子鉄心との絶縁距離を確保して安全性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、A相巻線の巻装作業において巻線へのダメージ緩和とB相巻線と固定子鉄心との絶縁距離を確保して安全性を向上させることができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、運転用コンデンサの取付けを容易にすることができる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、運転用コンデンサの軸方向の位置決めを行い、位置ズレを防止できる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、運転用コンデンサの周方向の位置決めを行い、位置ズレを防止できる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、コンデンサ素子への熱伝導を抑制しコンデンサ寿命の延命化が図られる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、接続箇所を集約でき電気的接続の作業性が改善できる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、巻線からの熱の伝播を良くし、温度過昇防止装置の動作精度向上が図られる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、固定子の軸方向寸法を縮小できる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
また、電動機の軽量化が可能になると同時に、重量バランスを均一に保たれ電動機運転時の振動を抑制できる外転型コンデンサ電動機の固定子を提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、この絶縁体は、前記第1スロットおよび第2スロット内で軸方向から重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体が1つの第1歯部と、ここから延設する2つの第2歯部とを同時に絶縁するよう、前記第1スロット部で分割して複数からなるものであり、それぞれの絶縁体の外形寸法が小さく構成できるとともに、固定子鉄心表面が絶縁体で覆われ巻線の軸方向の空間寸法が不要になるという作用を有する。
また、絶縁体の上面にA相巻線の内周側に位置する内壁と、B相巻線の外周側に位置する外壁と、前記A相巻線とB相巻線を分離する位置に中間壁とを立設するものであり、A相巻線は内壁と中間壁に保持され、B相巻線は中間壁と外壁に保持されるという作用を有する。
また、中間壁に巻線端末を絡げる金属端子の取付け部を設けるのものであり、内周側に巻装するA相巻線と外周側に巻装するB相巻線それぞれの始終端末線を金属端子に絡げる作業が容易になるという作用を有する。
また、隣り合う絶縁体の一方の絶縁体に、第1スロット部に軸方向に垂直な方向に薄肉の鍔部を延設し、他方の絶縁体に前記鍔部を係合する段部を形成するものであり、A相巻線の量が増大してもこのA相巻線と固定子鉄心の絶縁距離が確実に確保できるという作用を有する。
また、絶縁体の第2歯部の外側に、スロット開口絶縁部を軸方向に延設するものであり、A相巻線を巻装する際に、A相巻線が通過するスロット開口部の固定子鉄心の露出が無くなるとともに、B相巻線と固定子鉄心との絶縁距離が確実に確保できるという作用を有する。
また、運転用コンデンサは樹脂製のケースにコンデンサ素子が封入された形態で、前記ケースの一端にターミナルベース部を形成し、他端に中空軸に対し爪状の係合部を形成するものであり、別部品を使うことなく運転用コンデンサが中空軸に確実に保持固定されるという作用を有する。
また、中空軸に係合段部を形成し、この係合段部に運転用コンデンサのケースに設ける爪状の係合部を係合させるものであり、運転用コンデンサの軸方向の位置決めが確実になるという作用を有する。
また、固定子鉄心の表面に係合孔を形成し、運転用コンデンサのケース底面に凸部を設け、この凸部を前記係合孔に係合させるものであり、運転用コンデンサの周方向の位置決めが確実になるという作用を有する。
また、底面に設ける凸部を、封入しているコンデンサ素子と離れる位置に設けるものであり、巻線および固定子鉄心から発生する熱がコンデンサ素子に伝わり難くなるという作用を有する。
また、運転用コンデンサのケースの一端に設けるターミナルベース部は、B相巻線の直上まで延設し、上面に温度過昇防止装置取付け部、巻線端末を絡げた端子を挿通させる端子孔を設けるものであり、このターミナルベース部の上面に必要な電気的接続部品が全て配置できるという作用を有する。
また、温度過昇防止装置取付け部に、巻線と温度過昇防止装置のリード線と絶縁距離が確保できる最大限の切欠きを設けるものであり、この切欠きを介して巻線から発生する熱が直接温度過昇防止装置に伝わるという作用を有する。
また、中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、前記固定子鉄心にコンデンサ収納孔を設け、前記運転用コンデンサの軸方向寸法の少なくとも一部を収納するものであり、固定子鉄心上面に突出する運転用コンデンサの高さを抑制できるという作用を有する。
また、固定子鉄心に設けるコンデンサ収納孔と同寸法の予備孔を設け、前記固定子鉄心の平面上において、前記予備孔とコンデンサ収納孔とを円周方向に等間隔に配置するものであり、コンデンサ収納孔と予備孔を形成する分の軽量化と重量バランスの均一化ができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1から図7に示すように、固定子鉄心2はその中心部に中空軸23を圧入保持する中心孔3を有し、この中心孔3の外周側に等間隔で放射状に位置してA相巻線10を巻装する第1歯部4と、この第1歯部4からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線11を巻装する第2歯部5とを形成してなる。また、隣り合う第1歯部4によって、第1スロット6が形成され、二股に延設した第2歯部5の間に第2スロット7が形成されている。固定子鉄心2とそれぞれの巻線の絶縁には樹脂成型品からなる絶縁体12を介しており、巻線巻装後に中心孔3と第1歯部との間に運転用コンデンサ25を配し、固定子1を構成している。
図1から図7に示すように、固定子鉄心2はその中心部に中空軸23を圧入保持する中心孔3を有し、この中心孔3の外周側に等間隔で放射状に位置してA相巻線10を巻装する第1歯部4と、この第1歯部4からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線11を巻装する第2歯部5とを形成してなる。また、隣り合う第1歯部4によって、第1スロット6が形成され、二股に延設した第2歯部5の間に第2スロット7が形成されている。固定子鉄心2とそれぞれの巻線の絶縁には樹脂成型品からなる絶縁体12を介しており、巻線巻装後に中心孔3と第1歯部との間に運転用コンデンサ25を配し、固定子1を構成している。
ここで、絶縁体12は軸方向から第1スロット絶縁部16と第2スロット絶縁部17とを重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体12が1つの第1歯部4と、ここから延設する二股の第2歯部5とを同時に絶縁する歯部絶縁部18を有する、つまり軸方向に重なり合う絶縁体A12Aと絶縁体B12B、そして絶縁体A12Aと円周方向に隣り合う絶縁体C12Cとなるよう第1スロット6で円周方向に分割されている。
また、絶縁体12の反固定子鉄心側で、A相巻線10の内周側に内壁13と、B相巻線の外周側に外壁15と、それぞれの巻線の間に中間壁14を立設している。
また、中間壁14に、A相巻線巻き始め10s、A相巻線巻き終り10e、B相巻線巻き始め11s、B相巻線巻き終り11eを絡げる金属性の端子32の設置が可能な端子取付け部22を形成している。
また、絶縁体C12Cの第1スロット絶縁部16に、軸方向に垂直な方向、すなわち隣り合う絶縁体A12Aの方向に薄肉の鍔部20を形成し、かつ絶縁体A12Aにはこの鍔部20と係合するよう段部21を形成している。
また、絶縁体12の歯部絶縁部18の両側に、第2歯部5の側面を覆うように第1スロット開口部8の長手方向に沿ってスロット開口絶縁部19を軸方向に延設するもので、この軸方向の長さは巻装されるB相巻線11と第2歯部5との絶縁距離が確保できる最小限のH寸法を有している。
また、運転用コンデンサ25は樹脂製のケース26にコンデンサ素子27を封入した形態となっており、このケース26の一方の面に平面状のターミナルベース部29を延設形成するとともに、もう一方の面に中空軸23を挟み係合できる爪状の係合部28を形成している。
また、中空軸23に一条の凹状の係合段部30を形成して、運転用コンデンサ25の係合部28が係合できる構成としている。
また、運転用コンデンサ25が位置する固定子鉄心2の表面に、少なくとも1箇所の係合孔24を設けるとともに、運転用コンデンサ25のケース26の底面に凸部31を設け、この凸部31が係合部28に係合する構成としている。
また、運転用コンデンサ25のケース26の底面に設ける凸部31は、ケース26内部のコンデンサ素子27からできるだけ離れるよう片隅に設ける構成としている。
また、ケース26の一方の面に形成するターミナルベース部29は少なくともB相巻線11の直上近傍まで延設しており、その上面に温度過昇防止装置33を配置できる温度過昇防止装置取付け部34を少なくとも1箇所設けるとともに、端子32を挿通する端子孔35を複数設ける構成としている。
また、温度過昇防止装置取付け部34の直下に、B相巻線11と温度過昇防止装置33両端のリード線33aとの絶縁距離が確保できる最大限の切欠き36を形成している。
上記構成において、絶縁体12を1つの第1歯部4と、ここから延設する二股の第2歯部5とを同時に絶縁するよう、軸方向および円周方向に複数に分割しているので、個々の絶縁体12の寸法が小さくなり、この絶縁体12を成型する金型寸法の小型化と成型設備能力の省力化ができる。また、固定子鉄心2の表面を絶縁体12で覆うことで、A相巻線10、B相巻線11の高さを低減でき、固定子1の薄型化と使用する材料削減が可能となり生産コストの低減が可能となる。
また、絶縁体12に内壁13、外壁15および中間壁14を設けたので、A相巻線10とB相巻線11相互の接触が回避できるとともに保持が可能となり、それぞれの巻線を固着する必要がなくなる。
また、中間壁14に端子取付け部22を形成することから、A相巻線10、B相巻線11の巻装作業の障害とならず、それぞれの巻線端末であるA相巻線巻き始め10s、A相巻線巻き終り10e、B相巻線巻き始め11s、B相巻線巻き終り11eの接続作業が容易にできる。
また、隣り合う絶縁体C12Cと絶縁体A12Aの第1スロット絶縁部16に鍔部20と段部21をそれぞれ形成することから、A相巻線10の巻装量が増加した場合でも、第1スロット6におけるA相巻線10と固定子鉄心2との絶縁距離を確保することができる。
また、絶縁体12にスロット開口絶縁部19を軸方向に延設することから、第1スロット開口部8を介して巻装するA相巻線10へのダメージが緩和できるとともに、B相巻線11と固定子鉄心2との絶縁距離が確保できる。
また、運転用コンデンサ25のケース26の一方の面に爪状の係合部28を形成したので、中空軸23を挟み込むことができ、別部品を用いることなく容易に運転用コンデンサ25を取り付けることができる。
また、中空軸23に凹状の係合段部30を形成することから、爪状の係合部28が係合段部30に嵌まり込み、運転用コンデンサ25の軸方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、固定子鉄心2の表面に係合孔24を設け、運転用コンデンサ25のケース26の底面に凸部31を設けることから、この凸部31が係合部28に係合することになり、運転用コンデンサ25の円周方向の位置決めを確実に行うことができる。
また、凸部31をケース26内部のコンデンサ素子27からできるだけ離れるよう片隅に設けることから、コンデンサ素子27への熱伝導を抑制しコンデンサ寿命の延命化が図られる。
また、ターミナルベース部29に、温度過昇防止装置取付け部34と端子孔35を複数設けることから、接続箇所が集約することになり、電気的接続の作業性が改善できる。
また、温度過昇防止装置取付け部34の直下に、切欠き36を形成することから、B相巻線11からの熱の伝播を良くし、温度過昇防止装置33の動作精度を向上することができる。
(実施の形態2)
図8、図9に示すように、固定子鉄心2の中心孔3とA相巻線10が巻装される第1スロット6との間に、コンデンサ収納孔37を設け、運転用コンデンサ25はコンデンサ素子27が封入されたケース26の上面近傍の一方にターミナルベース部29を延設し、もう一方に中空軸23との係合部28を形成する。
図8、図9に示すように、固定子鉄心2の中心孔3とA相巻線10が巻装される第1スロット6との間に、コンデンサ収納孔37を設け、運転用コンデンサ25はコンデンサ素子27が封入されたケース26の上面近傍の一方にターミナルベース部29を延設し、もう一方に中空軸23との係合部28を形成する。
また、固定子鉄心2に設けるコンデンサ収納孔37と同じ寸法の複数の予備孔38を、中心孔3の周囲に等間隔に配する構成。
上記構成により、運転用コンデンサ25のケース26は、コンデンサ収納孔37に軸方向に埋設されることになり、固定子1の軸方向寸法が縮小できる。
また、コンデンサ収納孔37と複数の予備孔38を等間隔に配することで、固定子1の軽量化が可能になると同時に、重量バランスを均一に保たれ電動機運転時の振動を抑制できる。
なお、ここではコンデンサ収納孔37、予備孔38の平面形状をケース26の形状に合わせた長方形を図面指示しているが、加工上コーナー取りを施してもよく、またそれぞれの孔を合計3箇所を図面指示しているが、2箇所以上の孔を設ければよく、その作用効果に差異は無い。
本発明にかかる外転型コンデンサ電動機の固定子は、金型、設備の費用を低減させながら巻線と固定子鉄心との絶縁性能を確保し、固定子の薄型化ができ、また使用する材料を削減することができる高品質、低コストの電動機が提供できることになり、たとえば天井扇などの駆動用電動機の用途に展開できる。
1 固定子
2 固定子鉄心
3 中心孔
4 第1歯部
5 第2歯部
6 第1スロット
7 第2スロット
8 第1スロット開口部
9 第2スロット開口部
10 A相巻線
10s A相巻線巻き始め
10e A相巻線巻き終り
11 B相巻線
11s B相巻線巻き始め
11e B相巻線巻き終り
12 絶縁体
12A 絶縁体A
12B 絶縁体B
12C 絶縁体C
13 内壁
14 中間壁
15 外壁
16 第1スロット絶縁部
17 第2スロット絶縁部
18 歯部絶縁部
19 スロット開口絶縁部
20 鍔部
21 段部
22 端子取付け部
23 中空軸
24 係合孔
25 運転用コンデンサ
26 ケース
27 コンデンサ素子
28 係合部
29 ターミナルベース部
30 係合段部
31 凸部
32 端子
33 温度過昇防止装置
33a リード線
34 温度過昇防止装置取付け部
35 端子孔
36 切欠き
37 コンデンサ収納孔
38 予備孔
2 固定子鉄心
3 中心孔
4 第1歯部
5 第2歯部
6 第1スロット
7 第2スロット
8 第1スロット開口部
9 第2スロット開口部
10 A相巻線
10s A相巻線巻き始め
10e A相巻線巻き終り
11 B相巻線
11s B相巻線巻き始め
11e B相巻線巻き終り
12 絶縁体
12A 絶縁体A
12B 絶縁体B
12C 絶縁体C
13 内壁
14 中間壁
15 外壁
16 第1スロット絶縁部
17 第2スロット絶縁部
18 歯部絶縁部
19 スロット開口絶縁部
20 鍔部
21 段部
22 端子取付け部
23 中空軸
24 係合孔
25 運転用コンデンサ
26 ケース
27 コンデンサ素子
28 係合部
29 ターミナルベース部
30 係合段部
31 凸部
32 端子
33 温度過昇防止装置
33a リード線
34 温度過昇防止装置取付け部
35 端子孔
36 切欠き
37 コンデンサ収納孔
38 予備孔
Claims (13)
- 中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、この絶縁体は、前記第1スロットおよび第2スロット内で軸方向から重ね合わせる分割構造であるとともに、1つの絶縁体が1つの第1歯部と、ここから延設する2つの第2歯部とを同時に絶縁するよう、前記第1スロット部で分割して複数からなる構成の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 絶縁体の上面にA相巻線の内周側に位置する内壁と、B相巻線の外周側に位置する外壁と、前記A相巻線とB相巻線を分離する位置に中間壁とを立設する構成の請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 中間壁に巻線端末を絡げる金属端子の取付け部を設ける請求項2記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 隣り合う絶縁体の一方の絶縁体に、第1スロット部に軸方向に垂直な方向に薄肉の鍔部を延設し、他方の絶縁体に前記鍔部を係合する段部を形成する請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 絶縁体の第2歯部の外側に、スロット開口絶縁部を軸方向に延設する請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 運転用コンデンサは樹脂製のケースにコンデンサ素子が封入された形態で、前記ケースの一端にターミナルベース部を形成し、他端に中空軸に対し爪状の係合部を形成してなる請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 中空軸に係合段部を形成し、この係合段部に運転用コンデンサのケースに設ける爪状の係合部を係合させる請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 固定子鉄心の表面に係合孔を形成し、運転用コンデンサのケース底面に凸部を設け、この凸部を前記係合孔に係合させる請求項1記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 底面に設ける凸部を、封入しているコンデンサ素子と離れる位置に設ける請求項8記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 運転用コンデンサのケースの一端に設けるターミナルベース部は、B相巻線の直上まで延設し、上面に温度過昇防止装置取付け部、巻線端末を絡げた端子を挿通させる端子孔を設ける請求項6記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 温度過昇防止装置取付け部に、巻線と温度過昇防止装置のリード線と絶縁距離が確保できる最大限の切欠きを設ける請求項10記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 中心に中空軸を保持する中心孔を有し、この中心孔の外周にA相巻線を巻装する第1歯部によって形成される第1スロットを放射状に配し、この第1歯部からさらに外周方向に二股に延設してB相巻線を巻装する第2歯部によって形成される第2スロットを有する固定子鉄心と、前記中心孔と前記第1歯部との間に配する運転用コンデンサと、前記第1歯部と第2歯部を絶縁する樹脂成型品からなる絶縁体とからなり、前記固定子鉄心にコンデンサ収納孔を設け、前記運転用コンデンサの軸方向寸法の少なくとも一部を収納する構成の外転型コンデンサ電動機の固定子。
- 固定子鉄心に設けるコンデンサ収納孔と同寸法の予備孔を複数個設け、前記固定子鉄心の平面上において、前記予備孔とコンデンサ収納孔とを円周方向に等間隔に配置する請求項12記載の外転型コンデンサ電動機の固定子。
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