JP5892859B2 - 電機子の製造方法 - Google Patents
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Description
このため、同一のインシュレータで、異なる線径のコイルに対応でき、コイルを整列巻回してコイルの位置ズレを防止することができる。これにより電機子へのコイル巻回を精度よく行え、電機子の性能向上を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態1における電機子の構成について説明する。図1は、電機子の構成を示す分解斜視図、図2は電機子のインシュレータの構成を示す拡大斜視図である。
電機子1は、電磁鋼板を積層して構成され、コアバック部3とコアバック部3から突出して設けられる磁極ティース部4とを備えた電機子コア2と、電機子コア2の磁極ティース部4の周囲を覆うように装着されるインシュレータ5と、インシュレータ5を介して磁極ティース部4に巻回されるコイル6(図示せず)とを備えている。
図4は、凹凸部70の配設ピッチP、凹凸部70の深さL、コイル6の線径Dとの関係を説明するための模式図であり、コイル6をXY座標系に置いている。ここでは、仮に凹凸部70の凹部の中央位置にコイル6が配置される場合を想定し、コイル6の中心座標Oを(0,D/2)とする。また、コイル6が配置される凹部の側壁となる凸部の頂部(図3の凸部でいえば71の位置とする。)の座標Qを(P/2,L)とする。
D/2>Lの時、
P<D かつ (P/2)2+(D/2−L)2<(D/2)2 ・・・式(1)
従って、配線ピッチPは、
D>2Lの時、 P<D, P2<4L(D−L)・・・式(2)
となる。
以上より、凹凸部70の配設ピッチPとコイル6の線径Dとの関係は常にP<Dである。
なお、凹凸部70の配設ピッチP、深さLを、磁極ティース部4に巻回される可能性のある最小コイルの線径に基づき設定しておけば、その線径より大きい全てのコイルに対応することができる。
そして、コイルの線径に合わせて凹凸部70が圧潰されるため、インシュレータ5は、異なる線径のコイルに対応することができ、線径の異なるコイルであっても位置ズレを防止して整列巻回することができる。
これにより、電機子1へのコイル6の巻回を精度よく行え、電機子1の性能向上を図ることができる。また、コイル6の線径に合わせてインシュレータ5を作り替える必要がなく、高性能の電機子1を安価で容易に生産することができる。
図6は、この発明の実施の形態2における電機子1のインシュレータ5Aの構成を示す斜視図である。上記実施の形態1では、インシュレータ5の第1巻回部50から第2巻回部51にかけての角領域にのみ細溝7を設けて凹凸部70を形成していたが、本実施の形態2のインシュレータ5Aは、角領域に加え、第1巻回部50全体に細溝7Aを設けることで、角領域および第1巻回部50全体に凹凸部70Aを形成している。なお、本実施の形態2において、細溝7Aの配設領域を広げたこと以外については上記実施の形態1と同様であり、同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
また、例えば第1巻回部50のみに細溝を設ける構成や、第2巻回部51のみに細溝を設ける構成であってもよく、コイル6の巻回時に細溝の圧潰によりコイル6の巻回位置を規制するガイドを設けることができれば、コイル6の位置ズレ防止の効果を得ることができる。
図7は、この発明の実施の形態3における電機子のインシュレータの構成を説明するための模式図であり、上記実施の形態1の図3に対応する図面である。上記実施の形態1では、インシュレータ5の角領域に細溝7を設けることで、インシュレータ5の表面に複数の連続した凹凸部70を形成していたが、本実施の形態3では、インシュレータ5Bの角領域に多数の細突起9を設けることで、上記実施の形態1と同様、インシュレータ5Bの表面に複数の連続した凹凸部70Bを形成している。なお、細溝の代わりに細突起9を設けたこと以外の構成については上記実施の形態1と同様であり説明を省略する。
5,5A,5B インシュレータ、6,6a〜6c コイル、7,7A 細溝、
9 細突起、50 第1巻回部、51 第2巻回部、52 第1巻壁部、
53 第2巻壁部、60 コイル、70,70A,70B 凹凸部。
Claims (5)
- 電機子コアと、上記電機子コアの磁極ティース部を覆うように装着されるインシュレータと、上記インシュレータを介して上記磁極ティース部に巻回されるコイルとを備えた電機子の製造方法であって、
上記インシュレータは、上記磁極ティース部のコイルエンド側端面を覆う第1巻回部と、上記磁極ティース部の側面を覆う第2巻回部と、少なくとも上記第1巻回部または上記第2巻回部に設けられ、上記磁極ティース部に巻回される上記コイルの軸線方向に伸びる複数の連続した凹凸部とを備え、
上記複数の凹凸部は、上記コイルの線径より小さいピッチで配設され、上記コイル巻回時に上記コイルと接触する部分は圧潰されるとともに、上記コイルと接触しない部分は圧潰されずに残ることにより上記コイルの巻回位置を規制するようにして上記コイルを巻回することを特徴とする電機子の製造方法。 - 上記凹凸部の配設ピッチをP、上記凹凸部の深さをL、上記コイルの線径をDとすると、上記配設ピッチP、上記深さLおよび上記線径Dの関係は、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電機子の製造方法。
D>2L, P<D, P2<4L(D−L) - 上記複数の凹凸部は、上記第1巻回部から上記第2巻回部にかけての角領域に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電機子の製造方法。
- 上記複数の凹凸部は、上記コイルの軸線方向に伸びる複数の細溝により形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
- 上記複数の凹凸部は、上記コイルの軸線方向に伸びる複数の細突起により形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電機子の製造方法。
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