本発明に係る撮像ユニットの一実施例としての撮像ユニット13およびそれを用いる撮像装置の一実施例としてのデジタルカメラ10の概略的な構成を、図1から図8を用いて説明する。以下の説明では、デジタルカメラ10を基準として、後述する筐体11に設けられた撮像ユニット13の撮影光学系12の光軸(図1(b)の撮影光軸OA参照)方向をZ軸方向(被写体側を正側(前側))とする。また、撮影光学系12の光軸(撮影光軸OA(Z軸方向))に垂直な方向をX軸方向(図1を正面視して右側を正側)とする。さらに、X軸方向およびZ軸方向に直交する方向をY軸方向(図1を正面視して上側を正側)とする。
まず、本発明に係る撮像装置(電子機器)の一例としてのデジタルカメラ10を、図1および図2を用いて説明する。本実施例のデジタルカメラ10は、撮像素子(後述する撮像素子22)を後述する撮影光軸OA方向に垂直な面内で移動させて手ぶれを補正する手ぶれ補正機能(後述する手ぶれ補正機構40)を有している。デジタルカメラ10は、図1に示すように、全体に直方体形状を呈する筐体11を有し、その筐体11の前面(図1(a)を正面視して手前側(Z軸方向正側)の面)側に撮影光学系12(図1(b)参照)を有する撮像ユニット13が設けられている。この撮影光学系12は、最も被写体側に配置される対物レンズ12a(図1(b)参照)や、固定レンズ(図示せず)、フォーカスレンズ12b(図5参照)、シャッタユニットおよび絞りユニット(図示せず)等の複数の光学部材を備える。撮影光学系12としての各光学部材は、撮像ユニット13により撮影光学系12の光軸方向(図1(b)の矢印OA参照)に移動可能に保持される。この明細書では、撮影光学系12における光学的な軸線、すなわち撮影状態とされた光学素子群の中心軸位置となる回転対称軸を撮影光軸OAとする。
その撮像ユニット13は、撮影光学系12の光軸(撮影光軸OA)に沿って、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))との間で進退移動(繰り出しおよび繰り入れ)可能とされている。撮像ユニット13では、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(図1(b)参照)とで移行することにより、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく移動させる。
筐体11では、上面(図1を正面視して上側の面)に、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16が設けられている。電源ボタン14は、デジタルカメラ10を起動するための操作(起動操作)と、デジタルカメラ10を停止するための操作(停止操作)と、をするものである。シャッターボタン15は、被写体の撮影動作を実行するために、上下方向の下方へと押し下げる操作をするものである。モード切替ダイアル16は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。
また、筐体11では、背面(図1を正面視して裏側(Z軸方向負側)の面)にその他の操作スイッチ17や表示部18(図2参照)が設けられている。この操作スイッチ17は、各メニュー等の設定のための方向指示用スイッチや各種スイッチである。また、表示部18は、取得(撮像)された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する。
このデジタルカメラ10は、図2に示すように、制御部21と、撮像素子22と、レンズ鏡胴駆動ユニット23と、位置検出機構24と、ぶれ検出機構25と、手ぶれ補正機構40と、を有する。制御部21は、操作部としての電源ボタン14、シャッターボタン15、モード切替ダイアル16および操作スイッチ17に為された操作に基づく駆動処理や、撮像素子22からの信号に基づく画像データの生成処理や、表示部18、レンズ鏡胴駆動ユニット23および手ぶれ補正機構40の駆動等の制御を、記憶部21aに格納されたプログラムにより統括的に行う。制御部21は、撮影光学系12を経て撮像素子22で画像を取得し、その画像を筐体11の背面に設けられた表示部18に適宜表示させる。その制御部21には、位置検出機構24やぶれ検出機構25から検出信号が入力される。また、制御部21は、図示を略す挿入箇所に装填された記録媒体19への情報(画像データ等)の格納および情報の抽出を行うことが可能とされている。
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されている。この撮像素子22は、後述する手ぶれ補正機構40を介して、撮影光学系12の像面側であって撮影光軸OA上で撮像ユニット13に設けられている(図10参照)。撮像素子22は、撮影光学系12を通して受光面22a(図6参照)上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して出力する。その出力された電気信号(画像データ)は、制御部21へと伝送される。
レンズ鏡胴駆動ユニット23は、撮像ユニット13を収納位置(図1(a)参照)と繰出位置(図1(b)参照)とで移行すべく、撮影光学系12の各光学部材を各々支持する光学部材保持枠(図示せず)を移動させる。
位置検出機構24は、後述する鏡胴ベース33に対する作動ステージ41(図3等参照)の位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されて、作動ステージ41に設けられている(図7等の符号45および符号47参照)。
ぶれ検出機構25は、デジタルカメラ10自体(その筐体11)に生じたぶれすなわち空間での移動を検出するぶれ検出機構であり、本実施例では、図示は略すが、ジャイロセンサで構成されて筐体11に設けられている。なお、このぶれ検出機構25は、加速度センサを用いて構成することもできる。
デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に1段階の押下操作が為されると、制御部21がレンズ鏡胴駆動ユニット23を制御してピント調節の動作を実行する。また、デジタルカメラ10では、シャッターボタン15に2段階の押下操作が為されると、制御部21が撮影光学系12を通して撮像素子22の受光面22a(図6参照)で受光した被写体像の画像データを生成し、その画像データを適宜記録媒体19へと格納する。さらに、デジタルカメラ10では、制御部21の制御下で、生成した画像データに基づく画像や記録媒体19から抽出した画像データに基づく画像を表示部18に適宜表示させることができる。
(撮像ユニット13の構成)
デジタルカメラ10では、明確な図示は略すが筐体11の内方に撮像ユニット13が設けられている。その撮像ユニット13は、図3から図5に示すように、固定枠31と可動鏡筒32(図1および図10等参照)と鏡胴ベース33とを備える。その固定枠31は、後述するように手ぶれ補正機構40が設けられる鏡胴ベース33のZ軸方向正側(被写体側)に一体的に形成されており、内方に円筒形状の固定筒部31aを有する。この固定筒部31aは、鏡胴ベース33の前面側(Z軸方向正側)に固定されている。その鏡胴ベース33には、撮像素子22を撮影光軸OAに直交する面内で移動させて手ぶれを補正する手ぶれ補正機構40が設けられている。この手ぶれ補正機構40の構成については後述する。固定筒部31aの内周面には、図示は略すが、軸方向(Z軸方向)に沿う直進溝や、軸方向に対して傾斜するカム溝が形成されている。
その固定筒部31aの内方に可動鏡筒32(図1および図10等参照)が設けられる。その可動鏡筒32は、撮影光学系12の複数の光学部材を撮影光軸OA方向に移動させるべく、固定筒部31aに対して撮影光軸OA方向に移動可能とされている。可動鏡筒32は、明確な図示は略すが、固定筒部31a内において、撮影光軸OAを回転中心として回転しつつ当該撮影光軸OA方向へと移動する回転筒や、回転することなく撮影光軸OA方向へと移動するライナーや、撮影光学系12の各光学部材を各々保持する光学部材保持枠等を有する。この可動鏡筒32では、図示は略すが、その回転筒およびライナーに設けられたキー部やカムフォロワが、固定筒部31aの直進溝およびカム溝に挿入されることにより、上述した固定筒部31aに対する移動が可能とされている。
可動鏡筒32では、図示は略すが、回転筒の外周面にギア溝が設けられており、そのギア溝にレンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)を構成するモータの出力軸に設けられたギアが噛み合わされている。その回転筒やライナーの内周面には、図示は略すが、内方に設けられる各光学部材収容枠(光学部材保持枠や回転筒やライナー等)のキー突起部やヘリコイド等が挿入される直進溝やヘリコイド等が設けられている。このような構成により、可動鏡筒32では、ギア溝に噛み合わされたレンズ鏡胴駆動ユニット23のギアを介してそのモータ(図示せず)の駆動力が適宜ギア伝達されると、固定筒部31a内において回転筒(図示せず)が撮影光軸OAを回転中心として回転し、回転筒やライナーや光学部材保持枠が固定筒部31aに対して撮影光軸OA方向へと適宜移動する。
これにより、撮像ユニット13では、所定の収納位置(図1(a)参照)と所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照))とで移行(進退移動(繰り出しおよび繰り入れ))し、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく撮影光軸OA方向に移動させる。このため、固定筒部31aは、図示を略す回転筒やライナーや光学部材保持枠等とともに、撮影光学系12(図1(b)参照)の各光学部材(図示せず)を収容する光学部材収容枠として機能する。また、レンズ鏡胴駆動ユニット23は、図示を略すモータで可動鏡筒32(その回転筒)を適宜回転させることにより、光学部材収容枠を適宜駆動する収容枠駆動手段として機能する。
また、撮像ユニット13では、図示は略すが、所定の収納位置(図1(a)参照)とされると、レンズ鏡胴駆動ユニット23により、フォーカスレンズ12b(図5参照)が撮影光軸OA(撮影光路)上に配置されるとともに所定のごとく合焦動作される。
この撮像ユニット13の鏡胴ベース33は、全体にX−Y平面に平行な板状を呈し、固定枠31すなわち固定筒部31aに移動可能に保持された可動鏡筒32(撮影光学系12)のZ軸方向負側に設けられている(図10参照)。鏡胴ベース33では、撮影光軸OAを含む位置関係でその撮影光軸OA方向(Z軸方向)に貫通する窓穴33aが設けられている。この窓穴33aに手ぶれ補正機構40により移動可能とされて撮像素子22が設けられる(図10等参照)。
(手ぶれ補正機構40の構成)
手ぶれ補正機構40は、撮像素子22が設けられた作動ステージ41を、鏡胴ベース33に対して撮影光軸OA方向(Z軸方向)に垂直な面(X−Y平面)内で移動させて手ぶれを補正する。その作動ステージ41は、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられ、図6および図7に示すように、可動枠部42と回転規制部43とを有する。その可動枠部42は、全体にX−Y平面に平行な平板状を呈し、Z軸方向正側(被写体側)の表面(図6を正面視した手前側)に撮像素子22が設けられて(保持して)いる。この手ぶれ補正機構40では、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた撮像素子22の裏面にフレキシブル基板22b(図7参照)が取り付けられる。このフレキシブル基板22bは、撮像素子22および手ぶれ補正機構40と、制御部21(図2参照)と、を電気的に接続する。
また、可動枠部42には、撮像素子22から見て、Y軸方向正側に垂直駆動コイル44と垂直位置検出センサ45(図7参照)とが設けられているとともに、X軸方向正側に水平駆動コイル46と水平位置検出センサ47(図7参照)とが設けられている。垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46は、明確な図示は略すが、電線が巻かれて構成されたコイル部材であり、後述するように作動ステージ41(可動枠部42)を鏡胴ベース33に対してX−Y平面と平行に移動させる駆動力を生成する。
垂直位置検出センサ45は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)との協働により、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41のY軸方向での位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されている。また、水平位置検出センサ47は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)との協働により、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41のX軸方向での位置を検出するものであり、本実施例では、ホール素子で構成されている。この垂直位置検出センサ45および水平位置検出センサ47は、鏡胴ベース33に設けられたマグネット(図示せず)と協働して、上述した位置検出機構24(図2参照)を構成する。このため、撮影光軸OA(Z軸方向)を水平方向としかつY軸方向を鉛直方向とした状態をデジタルカメラ10(筐体11)の基本姿勢(正姿勢)(図1参照)として、その基本姿勢において、垂直位置検出センサ45がマグネット(図示せず)との協働により垂直方向(鉛直方向)での作動ステージ41すなわち撮像素子22の位置を検出し、水平位置検出センサ47がマグネット(図示せず)との協働により水平方向での作動ステージ41すなわち撮像素子22の位置を検出する。なお、本実施例のデジタルカメラ10では、明確な図示は略すが、基本姿勢(正姿勢(図1参照))とされると、撮像素子22で取得した被写体像の画像データが、被写体における鉛直方向を縦方向としかつ被写体における水平方向を横方向とする設定とされている。
さらに、可動枠部42には、3つのボール受部48が設けられている。各ボール受部48は、可動枠部42の表面がZ軸方向負側へ向けて凹まされて形成されており、Z軸方向正側が矩形状に開放されている。この各ボール受部48は、後述するように、可動支持球62(図5および図8等参照)の可動枠部42に対する移動範囲を制限する箇所となる。各ボール受部48には、底面(ボール受部48の内方におけるZ軸方向負側の面)に磁性体材料からなるボール受板49が設けられている(図8等参照)。各ボール受板49は、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされている。
この可動枠部42は、図6に示すように、規制軸51を介して回転規制部43に取り付けられている。その規制軸51は、X軸方向に伸びる棒状を呈し、回転規制部43に固定されている。可動枠部42は、その規制軸51をX軸方向に移動自在に支持している。このため、可動枠部42は、規制軸51を介することにより、回転規制部43に対してX軸方向に移動可能とされている。この回転規制部43には、2つの軸受スリット52が設けられている。2つの軸受スリット52は、Y軸方向に延びつつ回転規制部43の表面(Z軸方向正側の面)がZ軸方向負側へ向けて凹まされて形成されており、鏡胴ベース33の後述する規制ピン53(図5参照)をZ軸方向に移動可能に受け入れることが可能とされている。
この作動ステージ41が設けられる鏡胴ベース33には、図5に示すように、規制ピン53と垂直駆動磁石54と水平駆動磁石55とが設けられている。その規制ピン53は、鏡胴ベース33から窓穴33aの内方へ向けてY軸方向と平行に突出する棒状を呈し、窓穴33aのY軸方向正側の縁部とY軸方向負側の縁部とに設けられている。この両規制ピン53は、作動ステージ41の回転規制部43に設けられた2つの軸受スリット52(図6参照)と対応する位置関係とされている。
垂直駆動磁石54は、Y軸方向に分極して着磁された永久磁石であり、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44(図6および図7等参照)とZ軸方向で対向する位置関係とされている。水平駆動磁石55は、X軸方向に分極して着磁された永久磁石であり、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた水平駆動コイル46(図6および図7等参照)とZ軸方向で対向する位置関係とされている。この垂直駆動磁石54および水平駆動磁石55には、図示は略すが、Z軸方向正側(可動鏡筒32側)に磁性体材料からなる板状部材(ヨーク)が一体的に設けられている。その垂直駆動磁石54のZ軸方向負側に垂直側ヨーク56が取り付けられるとともに、水平駆動磁石55のZ軸方向負側に水平側ヨーク57が取り付けられる(図3および図4参照)。
その垂直側ヨーク56は、垂直駆動磁石54と異極同士がZ軸方向で対向する永久磁石(図示せず)と一体に形成された磁性体材料からなる板状部材である。この垂直側ヨーク56は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44を介在させて、垂直駆動磁石54とZ軸方向で対向する位置関係とされている(図4、図5および図7参照)。垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)は、作動ステージ41の垂直駆動コイル44と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)と協働して、いわゆるボイスコイルモータを構成する。
水平側ヨーク57は、水平駆動磁石55と異極同士がZ軸方向で対向する永久磁石(図示せず)と一体に形成された磁性体材料からなる板状部材である。この水平側ヨーク57は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた水平駆動コイル46を介在させて、水平駆動磁石55とZ軸方向で対向する位置関係とされている(図4、図5および図7参照)。水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)は、作動ステージ41の水平駆動コイル46と水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)と協働して、いわゆるボイスコイルモータを構成する。
このため、垂直駆動コイル44では、適宜電流が流れることにより、Z軸方向で対向された垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)および垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)に対して、Y軸方向への力(以下、垂直駆動力ともいう)が作用する。また、水平駆動コイル46では、適宜電流が流れることにより、Z軸方向で対向された水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)および水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)に対して、X軸方向への力(以下、水平駆動力ともいう)が作用する。これにより、手ぶれ補正機構40では、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46へと適宜電流を流すことにより、作動ステージ41(その可動枠部42)に、鏡胴ベース33に対してX−Y平面と平行な方向に(X−Y平面に沿って)移動させる垂直駆動力および水平駆動力を適宜作用させることができる。その垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46へと流す電流値は、制御部21により制御される。
また、鏡胴ベース33には、3箇所に設置凹所58が設けられている。各設置凹所58は、鏡胴ベース33の裏面(Z軸方向負側の面)がZ軸方向正側へ向けて凹まされて形成されており、Z軸方向負側が矩形状に開放されているとともに、鏡胴ベース33の窓穴33aの内方へ向けて開放されている。この各設置凹所58は、後述するように、可動枠部42の各ボール受部48を受け入れるとともに、可動支持球62(図5および図8等参照)の鏡胴ベース33に対する移動範囲を制限する箇所となる。このため、各設置凹所58は、作動ステージ41(その可動枠部42)に設けられた3つのボール受部48のうちの対応するものと、Z軸方向で対向する位置関係とされている(図8参照)。
各設置凹所58には、ボール支持板59およびボール支持マグネット61が設けられている。各ボール支持板59は、Z軸方向から見て矩形状の平板部材であり、各設置凹所58の底面(設置凹所58の内方におけるZ軸方向正側の面)に配されている。各ボール支持板59は、各設置凹所58の底面に連続する同一平面を形成しており(図8参照)、撮影光軸OA方向(Z軸方向)で見た位置が互いに等しくされている。各ボール支持マグネット61は、永久磁石で形成されており、各ボール支持板59の裏側すなわち各ボール支持板59のZ軸方向正側において、各設置凹所58の底面に埋め込まれるように固定されて設けられている(図8および図10参照)。
この各設置凹所58の内方でボール支持板59の上に、図5および図8に示すように、可動支持球62が設けられている。各可動支持球62は、磁性体材料からなる球体であり、互いに等しい大きさ寸法とされている。この各可動支持球62は、作動ステージ41(その可動枠部42)の各ボール受部48の内方の大きさ寸法、および各設置凹所58(各ボール支持板59)の大きさ寸法よりも小さな直径寸法(大きさ寸法)とされている。各可動支持球62は、それぞれが対応するボール支持板59上(Z軸方向負側)に配される。すると、各可動支持球62は、ボール支持板59を介してボール支持マグネット61とZ軸方向で対向するので、ボール支持板59すなわち鏡胴ベース33(その裏面)に磁力で吸着されて支持される。このとき、各可動支持球62では、ボール支持マグネット61による吸着であるとともに、平板状のボール支持板59の上に配されていることから、吸着により支持された状態を維持したままボール支持板59上を転がりつつ移動することが可能とされている。
このような構成の鏡胴ベース33に作動ステージ41が設けられて、手ぶれ補正機構40が構成されている。すなわち、鏡胴ベース33の各規制ピン53を作動ステージ41の回転規制部43の各軸受スリット52に挿入するとともに、鏡胴ベース33の各設置凹所58(可動支持球62)に作動ステージ41(可動枠部42)の対応するボール受部48を配する位置関係として、鏡胴ベース33の裏面側から作動ステージ41を宛がう(図3および図4参照)。これにより、図8に示すように、鏡胴ベース33の各設置凹所58のボール支持板59上に設けられた可動支持球62が、作動ステージ41の可動枠部42の各ボール受部48とZ軸方向(撮影光軸OA方向)で接することとなる。すると、作動ステージ41の可動枠部42の各ボール受部48内には、磁性体材料からなるボール受板49が設けられていることから、そのボール受板49が可動支持球62およびボール支持板59を介してボール支持マグネット61とZ軸方向で対向することにより、可動枠部42すなわち作動ステージ41が各ボール支持板59すなわち鏡胴ベース33(その裏面)に磁力で吸着されて支持される。
このとき、各ボール受板49は、平板状であるとともにボール支持マグネット61の磁力で吸着されていることから、磁力により作動ステージ41が鏡胴ベース33に支持された状態を維持したまま可動支持球62が相対的に転がりつつ移動することを可能としている。また、上述したように、各ボール受板49が互いに等しい大きさ寸法であるとともに、各ボール受板49が作動ステージ41(可動枠部42)においてZ軸方向で互いに等しい位置とされ、かつ各ボール支持板59が鏡胴ベース33(その裏面)においてZ軸方向で互いに等しい位置とされている。このため、作動ステージ41(可動枠部42)は、鏡胴ベース33との間に設けられた3つの可動支持球62により、鏡胴ベース33に対して撮影光軸OA方向(Z軸方向)に垂直な面(X−Y平面)に沿って円滑に安定して移動可能に支持されているとともに、撮影光軸OA方向(Z軸方向)での鏡胴ベース33に対する位置が適切に規定されている。この作動ステージ41は、鏡胴ベース33の窓穴33a内に配されていることから、X−Y平面に沿う(X−Y平面と平行な方向で見た)鏡胴ベース33に対する移動可能な範囲(後述する移動領域MA(図13参照))が、その窓穴33a(その内周面)および作動ステージ41(その外周面)により制限される。
このとき、可動枠部42は、規制軸51を介することにより回転規制部43に対してX軸方向に移動可能とされているとともに、その回転規制部43が各軸受スリット52で鏡胴ベース33の各規制ピン53をY軸方向に移動可能に受け入れていることから、作動ステージ41のX−Y平面に沿う移動(X−Y平面と平行な方向への移動)の際に鏡胴ベース33に対してZ軸方向を中心として回転することが防止されている。これにより、作動ステージ41に保持された撮像素子22は、鏡胴ベース33すなわち撮像ユニット13の撮影光学系12(その撮影光軸OA)に対して、所定の範囲内でX−Y平面に沿って(X−Y平面と平行な方向に)移動可能とされている。
また、この状態では、上述したように、鏡胴ベース33に設けられた垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)との間に、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた垂直駆動コイル44が存在されるとともに、鏡胴ベース33に設けられた水平側ヨーク57(そこと一体に形成された永久磁石)と水平駆動磁石55(そこと一体に形成された板状部材)との間に、作動ステージ41の可動枠部42に設けられた水平駆動コイル46が存在される(図4、図5および図7参照)。このため、鏡胴ベース33すなわち撮像ユニット13の撮影光学系12(その撮影光軸OA)に対して、所定の範囲(後述する移動領域MA(図13参照))内でX−Y平面に沿って移動可能とされた作動ステージ41(可動枠部42)に、垂直駆動力および水平駆動力を適宜作用させることができるので、手ぶれ補正機構40では、制御部21の制御下で、作動ステージ41すなわちその可動枠部42に保持された撮像素子22をX−Y平面に沿って移動(X−Y平面と平行な方向へ移動)させることができる。なお、このように、X−Y平面に平行な方向での作動ステージ41の位置が制御部21の制御下で管理されている状態を、以下では保持状態という。また、このように両ボイスコイルモータを用いることにより所定の範囲(後述する移動領域MA(図13参照))におけるX−Y平面に平行な方向での作動ステージ41(可動枠部42)の位置が制御されている状態、すなわち垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流の制御により作動ステージ41(可動枠部42)が所定の範囲(後述する移動領域MA(図13参照))における任意の位置とされている状態を、以下では電気的保持という。
このため、本実施例の撮像ユニット13では、鏡胴ベース33が、撮影光軸OAに対する位置が固定されて筐体11に設けられた固定部材として機能する。また、作動ステージ41(可動枠部42)は、その鏡胴ベース33に対してX−Y平面に沿って移動自在とされて撮像素子22が設けられた可動部材として機能する。さらに、作動ステージ41(可動枠部42)に設けられた垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46は、固定部材に対して可動部材を相対的に移動させる駆動力を生成すべく可動部材に設けられた可動側駆動機構部として機能し、鏡胴ベース33に設けられた垂直駆動磁石54、水平駆動磁石55、垂直側ヨーク56および水平側ヨーク57は、固定部材に対して可動部材を相対的に移動させる駆動力を生成するために、可動側駆動機構部に対して撮影光軸OA方向で見た両側に存在すべく対を為して固定部材に設けられた固定側駆動機構部として機能する。
次に、本願発明に係る撮像ユニットの一例としての撮像ユニット13(それを搭載するデジタルカメラ10)の特徴部分について、図9から図15を用いて説明する。図9は、上述した撮像ユニット13を図4と同様にZ軸方向負側から見た様子を、簡略化しつつ模式的に示す説明図である。この図9では、撮像ユニット13の特徴部分の構成を理解容易とするために、作動ステージ41(可動枠部42および回転規制部43)を単一の略正方形状の板部材として示すとともに、鏡胴ベース33および窓穴33aを略正方形状の枠部材として示している。また、図9では、可動枠部42(作動ステージ41)の各ボール受部48をボール受板49で示すとともに略正方形状とした作動ステージ41における2つの隅位置とY軸方向負側の辺の中間位置とに配したものとし、鏡胴ベース33の各設置凹所58をボール支持板59およびボール支持マグネット61で示すとともに各ボール受板49の位置に対応させて窓穴33aの内方へと突出させたものとしている。さらに、図9では、略正方形状とした作動ステージ41において、垂直駆動コイル44と垂直位置検出センサ45とをY軸方向正側の辺の中間位置でX軸方向に並列させて示すとともに、水平駆動コイル46と水平位置検出センサ47とをX軸方向正側の辺の中間位置でY軸方向に並列させて示している。ついで、図9では、可動枠部42(作動ステージ41)の規制軸51、回転規制部43(作動ステージ41)の両軸受スリット52、および鏡胴ベース33の規制ピン53と垂直駆動磁石54と水平駆動磁石55と垂直側ヨーク56と水平側ヨーク57と、を省略している。
図10は、図9に示すII−II線に沿って得られた断面で示す模式的な説明図である。図11は、図9における、作動ステージ41の被押当部64と、鏡胴ベース33の受入凹所65および板ばね66と、の周辺を拡大して示す説明図である。図12は、被押当部64と板ばね66とが押当状態となった様子を示す図11と同様の説明図である。図13は、鏡胴ベース33の窓穴33a内に規定される移動領域MAと、そこに設定される作動領域MA1および非作動領域MA2と、を説明するための説明図である。図14は、作動ステージ41の移動に伴い被押当部64と鏡胴ベース33の板ばね66とが押当状態とその解除状態とで移行する様子を説明するための説明図であり、(a)は被押当部64のY軸方向負側への移動により板ばね66の先端部がX軸方向負側に変位された様子を示し、(b)は被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んで押当状態となった様子を示し、(c)は被押当部64のY軸方向正側への移動により板ばね66の先端部がX軸方向負側に変位された様子を示し、(d)は被押当部64と板ばね66が解除状態とされた様子を示す。図15は、電気的保持状態と機械的保持状態とで移行させるべく鏡胴ベース33の窓穴33a内(移動領域MA)で作動ステージ41がX−Y平面に沿って移動された様子を示す説明図であり、(a)は作動ステージ41が原点位置とされた様子を示し、(b)は作動ステージ41がX軸方向では正側の端部とされるとともにY軸方向では原点位置とされた様子を示し、(c)は作動ステージ41がX軸方向で正側の端部とされるとともにY軸方向で負側の端部とされた様子を示す。なお、図15では、理解容易とするために、図9からさらに作動ステージ41の各ボール受板49と、鏡胴ベース33の各ボール支持板59および各ボール支持マグネット61と、を省略して示している。
図9および図10に示すように、撮像ユニット13(手ぶれ補正機構40)では、上述したように、作動ステージ41(可動枠部42)が鏡胴ベース33に磁力で吸着されて支持されている。その撮像ユニット13(手ぶれ補正機構40)では、鏡胴ベース33の各ボール支持板59上に設けられた可動支持球62が、当該ボール支持板59上を転がりつつ移動するとともに、可動枠部42の各ボール受部48内でボール受板49上を転がりつつ移動することにより、鏡胴ベース33の窓穴33aの内方において、作動ステージ41(可動枠部42(そこに保持された撮像素子22))が、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対してX−Y平面と平行な方向(X−Y平面に沿って)に移動可能とされている。
その作動ステージ41では、X−Y平面と平行な方向で見て鏡胴ベース33(その窓穴33a(その内周面)に対向する箇所(外周面)に複数の緩衝部63が設けられている。この各緩衝部63は、弾性部材で形成されており、作動ステージ41(その外周面)が鏡胴ベース33の窓穴33a(その内周面)に当たる際の衝撃を吸収する。緩衝部63は、図示の例では、略正方形状の作動ステージ41の4つの外周面において2つずつ対を為して設けられており、作動ステージ41のいずれかの外周面が窓穴33aの対応する内周面に押し当てられる際に偏りが生じることが防止されている。
この作動ステージ41には、図9および図11に示すように、被押当部64が設けられている。この被押当部64は、作動ステージ41のY軸方向負側の外周面であってX軸方向正側の端部から、X−Y平面と平行な方向へとY軸方向負側に突出して設けられている。被押当部64は、本実施例では、明確な図示は略すが全体にZ軸方向にも厚みを有する柱状を呈し、突出端部(Y軸方向負側の端部)におけるX軸方向負側の面に第1壁面64aと第2壁面64bとが設けられている(図11参照)。
その第1壁面64aと第2壁面64bとは、図11に示すように、Y軸方向で対向されており、第1壁面64aのY軸方向正側の端部と第2壁面64bのY軸方向負側の端部とが連続されている。第1壁面64aは、第2壁面64bと連続されたY軸方向正側の端部から、X軸方向負側に向かうにつれてY軸方向負側へと向かう傾斜面とされている。また、第2壁面64bは、第1壁面64aと連続されたY軸方向負側の端部から、X軸方向負側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かう傾斜面とされている。本実施例では、第1壁面64aと第2壁面64bとは、X−Z平面に平行な面に関して面対称となる構成とされている。このため、被押当部64では、第1壁面64aと第2壁面64bとにより、突出端部におけるX軸方向負側の面において、X−Y平面と平行な断面形状で見てX軸方向正側へとV字状に凹む凹部が形成されている。
作動ステージ41が配される窓穴33aすなわち鏡胴ベース33には、受入凹所65と板ばね66とが設けられている。その受入凹所65は、鏡胴ベース33の窓穴33aにおけるY軸方向負側の内周面であってX軸方向正側の端部をY軸方向負側へ向けて凹ませて形成されている。受入凹所65は、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対してX−Y平面に沿って移動される作動ステージ41の位置に拘らず、そこに設けられた被押当部64と干渉することなく当該被押当部64を受け入れることが可能とされている(図15(c)等参照)。換言すると、受入凹所65は、Y軸方向負側の外周面からY軸方向負側へと突出させた被押当部64を作動ステージ41に設けたことにより、その作動ステージ41のX−Y平面と平行な方向で見た移動可能な範囲(後述する移動領域MA(図13参照))での移動が阻害されることを防止する。この受入凹所65に板ばね66が設けられている。
その板ばね66は、弾性変形可能な部材が薄板状とされて形成されており、取付基部(Y軸方向負側の端部)が受入凹所65におけるY軸方向負側の端部に固定されている。すなわち、板ばね66は、本実施例では、受入凹所65すなわち鏡胴ベース33と別体で構成されている。板ばね66は、受入凹所65すなわち鏡胴ベース33(その窓穴33aの内方)において、受入凹所65に固定された取付基部からY−Z平面と平行にY軸方向正側へ向けて伸びて設けられている。この板ばね66は、受入凹所65の内方において、Y軸方向正側の端部となる先端部(符号66aおよび66b参照)をX軸方向へと変位させるように弾性変形させることが可能とされている。板ばね66は、先端部をX軸方向へと変位させる動作に抗する弾性力を発揮する。このことから、本実施例では、板ばね66は、撮影光軸OAに垂直な面(X−Y平面)と平行な方向へと弾性力を発揮する弾性部材として機能する。この板ばね66における力量の設定については後述する。
板ばね66では、その先端部に第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとが設けられている。その第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとは、板ばね66の先端部が2回屈曲されることで形成されており、Y軸方向で対向されている。第1傾斜部66aは、板ばね66における取付基部からY軸方向正側へ向けて伸びた箇所がX軸方向正側へ屈曲されており、X軸方向正側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かって伸びるものとされている。また、第2傾斜部66bは、第1傾斜部66aのY軸方向正側の端部がX軸方向負側へ屈曲されており、X軸方向負側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かって伸びるものとされている。この第2傾斜部66bは、第1傾斜部66aに対する角度が、被押当部64における第1壁面64aと第2壁面64bとが為す角度と等しく設定されている(図12等参照)。本実施例では、第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとは、X−Z平面に平行な面に関して面対称となる構成とされている。このため、板ばね66では、第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとにより、先端部におけるX軸方向正側の面において、X−Y平面に沿う断面形状で見てX軸方向正側へとV字状に突出する凸部が形成されている。
このことから、板ばね66は、図12に示すように、凸部となる第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとを、X軸方向負側から被押当部64における第1壁面64aと第2壁面64bとで形成された凹部に嵌め入れることが可能とされている。この板ばね66は、本実施例では、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して鏡胴ベース33の窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられるとともに、作動ステージ41のY軸方向負側の外周面が一対の緩衝部63を介して鏡胴ベース33の窓穴33aのY軸方向負側の内周面に押し当てられると(図15(c)参照)、凸部(第1傾斜部66aおよび第2傾斜部66b)が被押当部64の凹部(第1壁面64aおよび第2壁面64b)に嵌まる位置関係とされている。また、板ばね66は、本実施例では、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して鏡胴ベース33の窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられた状態において、第2傾斜部66bの先端(Y軸方向正側の端部)が、鏡胴ベース33の被押当部64の第1壁面64aの突出端(Y軸方向負側の端部)よりも、X軸方向で見て負側に存在されている(図15(b)参照)。
加えて、撮像ユニット13では、作動ステージ41に被押当部64を設けるとともに、鏡胴ベース33に板ばね66を設けることに伴い、手ぶれ補正機構40(制御部21)により手ぶれ補正を行うための領域(後述する作動領域MA1(図13参照))を設定している。詳細には、撮像ユニット13では、鏡胴ベース33の窓穴33aの内方において、作動ステージ41が鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対してX−Y平面と平行な方向に移動可能とされていることから、その窓穴33aの内周面に作動ステージ41の外周面(各緩衝部63)が当たる(干渉する)位置により、鏡胴ベース33に対する移動可能な範囲すなわち移動領域MA(図13参照)が規定される。この移動領域MAは、本実施例では、図13に示すように、大略X軸方向に伸びる2つの直線とY軸方向に伸びる2つの直線とで形成される矩形状に設定されている。移動領域MAでは、鏡胴ベース33に対して作動ステージ41がX−Y平面と平行な方向に移動可能とされるとともに(図15参照)、その作動ステージ41に設けた被押当部64と鏡胴ベース33に設けた板ばね66とを干渉させることが可能とされている(図15(c)参照)。手ぶれ補正機構40(制御部21)では、移動領域MAの内方に、手ぶれ補正を実行するための作動領域MA1を設定している。
その作動領域MA1は、作動ステージ41に設けた被押当部64と鏡胴ベース33に設けた板ばね66とを干渉させることなく、作動ステージ41を鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対してX−Y平面に沿って移動させることが可能とされている。このため、作動領域MA1は、被押当部64と板ばね66とを干渉させることなく、撮影光軸OAに対する撮像素子22の位置を変化させる第1領域として機能する。作動領域MA1は、本実施例では、被押当部64が作動ステージ41からY軸方向負側に突出されているとともに、板ばね66が鏡胴ベース33(その窓穴33a)のY軸方向負側に設けられていることから、移動領域MAにおけるY軸方向正側に設定されており、大略X軸方向に平行な2辺およびY軸方向に平行な2辺を含む矩形状とされている。この作動領域MA1は、本実施例では、X軸方向およびY軸方向で見て、全周に渡って移動領域MAよりも少し小さな設定とされている。これは、略正方形状の作動ステージ41の各外周面において弾性部材から為る一対の緩衝部63が設けられていることから、より高精度に手ぶれ補正を行うべく各緩衝部63を鏡胴ベース33の窓穴33a(その内周面)に干渉させることのない範囲に作動領域MA1を設定していることによる。
手ぶれ補正機構40(制御部21)では、この作動領域MA1において、略正方形状とされた作動ステージ41における中心位置に対するX−Y平面上での原点位置を設定している。この原点位置は、本実施例では、上記した作動領域MA1における中心位置と一致されているとともに、撮影光軸OA上に位置されている。原点位置(そのデータ)は、制御部21に設けられた記憶部21a(図2参照)に格納され、その制御部21により適宜取得可能とされている。また、手ぶれ補正機構40では、制御部21(図2参照)の制御下で、ぶれ検出機構25(図2参照)からのぶれ検出情報に基づいて、作動領域MA1において作動ステージ41の中心位置を基準とする移動目標位置を設定するとともに、原点位置から移動目標位置への移動方向および移動量を算出し、その移動方向へと移動量だけ作動ステージ41を移動させるべく、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御する。
この制御により、水平駆動力および垂直駆動力を適宜作用させて、作動ステージ41すなわち撮像素子22を撮影光軸OA(鏡胴ベース33)に対して作動領域MA1におけるX−Y平面上での所定の位置へと移動させることができる。このとき、制御部21(図2参照)は、作動ステージ41を設定した移動目標位置へと適切に移動させるべく、位置検出機構24(図2参照)すなわち垂直位置検出センサ45および水平位置検出センサ47(図7参照)からの作動ステージ41の位置検出情報をフィードバック情報として用いてサーボ制御を行う。このため、デジタルカメラ10すなわち手ぶれ補正機構40では、制御部21が垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、手ぶれを打ち消すように作動領域MA1におけるX−Y平面上で作動ステージ41を移動させて、手ぶれによる被写体の像の移動に作動ステージ41に設けられた撮像素子22を追従移動させて手ぶれ補正を行うことができる。また、デジタルカメラ10すなわち手ぶれ補正機構40では、記憶部21a(図2参照)に格納された原点位置のデータに基づいて、制御部21が垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、作動ステージ41すなわち撮像素子22を撮影光軸OA上に設定された原点位置へと移動させることができるとともに、その原点位置に在ることを維持することができる。
このことから、移動領域MAにおける作動領域MA1を除く箇所は、鏡胴ベース33に対して作動ステージ41(そこに保持された撮像素子22)が移動することのできる範囲内であって、手ぶれ補正を実行する際には用いることのない範囲である非作動領域MA2として設定されている。この非作動領域MA2では、移動領域MAを構成するものであることから、制御部21が垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、作動ステージ41のX−Y平面に沿う移動が可能とされている。また、非作動領域MA2は、作動ステージ41に設けた被押当部64と鏡胴ベース33に設けた板ばね66とを干渉させることが可能とされた移動領域MAにおける作動領域MA1を除く箇所であることから、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対して作動ステージ41を適宜移動させることにより、被押当部64と板ばね66とを干渉させることが可能とされている(図15(c)参照)。
さらに、非作動領域MA2は、板ばね66の凸部と被押当部64の凹部とが移動領域MAでの鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対する作動ステージ41の移動により互いに嵌まり合わせることが可能とされている(図15(c)参照)。加えて、非作動領域MA2は、作動領域MA1が移動領域MAにおけるY軸方向正側で板ばね66と被押当部64とを干渉させることのない範囲とされていることから、実質的に作動領域MA1のY軸方向負側であって、その作動領域MA1とY軸方向で並列されて設定されている。なお、正確には、本実施例では、作動領域MA1が移動領域MAにおけるY軸方向正側で板ばね66と被押当部64とを干渉させることのない範囲とされていることから、非作動領域MA2は、作動領域MA1のY軸方向正側の外方と作動領域MA1のX軸方向両側の外方とにも僅かではあるが設けられている。
なお、図13に示す例では、移動領域MA(作動領域MA1と非作動領域MA2との双方)において、Y軸方向負側であってX軸方向正側の端部にY軸方向負側へと突出する箇所(符号MA1´および符号MA2´参照)が設けられているが、当該箇所は作動ステージ41の移動に伴って被押当部64が移動する領域であり、作動ステージ41自体が移動される領域は矩形状となる。これは、被押当部64が作動ステージ41からY軸方向負側に突出されているとともに、板ばね66が窓穴33aのY軸方向負側の内周面がさらにY軸方向負側に凹む受入凹所65に設けられていることによる。
手ぶれ補正機構40(制御部21)では、この非作動領域MA2を用いて、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制すべく、鏡胴ベース33の板ばね66を作動ステージ41の被押当部64に押し当てた押当状態とする。すなわち、手ぶれ補正機構40(制御部21)では、作動ステージ41を作動領域MA1から非作動領域MA2へと移動させることにより、そこに設けた被押当部64に鏡胴ベース33に設けた板ばね66が押し当たる押当状態として、その板ばね66の弾性力を利用して作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動を規制する。また、手ぶれ補正機構40(制御部21)では、作動ステージ41を非作動領域MA2での押圧状態から作動領域MA1へと移動させることにより、被押当部64に板ばね66が押し当たる押当状態を解除して(解除状態へと移行させて)、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動が規制された状態を解除する。
詳細には、手ぶれ補正機構40(制御部21)は、本実施例では、移動領域MAにおいて、その作動領域MA1に存在する作動ステージ41をX軸方向正側の端部まで移動させて(図15(a)から(b)参照)、その後作動ステージ41をY軸方向負側の端部まで移動させる(図15(b)から(c)参照)。これにより、作動ステージ41は、移動領域MAにおいて、作動領域MA1から非作動領域MA2へと移動される。すると、作動ステージ41に設けられた被押当部64が、鏡胴ベース33の窓穴33aのY軸方向負側の内周面に設けられた受入凹所65に進入して、そこに設けられた板ばね66との干渉が可能となる(図15(c)参照)。なお、本実施例では、作動ステージ41の各外周面に各緩衝部63が設けられていることにより、作動領域MA1がZ軸方向を中心とする全周に渡って移動領域MAよりも少し小さな設定とされていることから、正確には、移動領域MAにおいて作動ステージ41をX軸方向正側の端部まで移動させた時点で作動領域MA1から非作動領域MA2へと移行していることとなるが、非作動領域MA2が実質的に作動領域MA1のY軸方向負側に存在する箇所で構成されていることから、ここでは理解容易のために作動ステージ41のY軸方向負側への移動により非作動領域MA2に移行したものとしている。
すると、図14(a)に二点鎖線で示すように、作動ステージ41に設けられた被押当部64の突出端(Y軸方向負側の端部)すなわち第1壁面64aの先端が、鏡胴ベース33の窓穴33aに設けられた板ばね66の先端部(Y軸方向正側の端部)すなわち第2傾斜部66bの先端とY軸方向で当たる。この状態において、作動ステージ41にY軸方向負側へ向けて押す力Fが作用すると、図14(a)に実線で示すように、被押当部64(第1壁面64a)がY軸方向負側へと移動することにより、その第1壁面64aの先端が板ばね66の第2傾斜部66bにX軸方向負側へと押す力(以下では、押す力F1ともいう)を作用させる。これは、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられた状態(図15(b)参照)において、板ばね66の第2傾斜部66bの先端が鏡胴ベース33の被押当部64の第1壁面64aの先端よりもX軸方向で見て負側に存在されており、かつその第2傾斜部66bがX軸方向負側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かって伸びるものとされているとともに、板ばね66が受入凹所65(窓穴33a)に固定された取付基部(Y軸方向負側の端部)に対して先端部をX軸方向へと変位させるべく弾性変形させることが可能とされていることによる。ここで、板ばね66では、X軸方向へと変位させる動作に抗する弾性力を発揮することから、押す力F1と反対方向(X軸方向正側)へ向けた反力(矢印R参照)が作用する。このため、被押当部64(第1壁面64a)のY軸方向負側への移動により、その第1壁面64a(その先端)が、板ばね66における凸部(第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとの連続箇所)を乗り越える、すなわちY軸方向で見て当該凸部よりも負側へと移動するには、被押当部64の第1壁面64aの先端よりも板ばね66の凸部をX軸方向負側へと移動させる必要がある。このことから、板ばね66の先端部(第2傾斜部66b)をX軸方向負側へと変位させる際に板ばね66が発揮する最も大きな弾性力を反力Rとして、その反力Rと押す力F1とが次式(1)を満たすものとする。
F1>R ・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、押す力F1は、作動ステージ41へのY軸方向負側へ向けた駆動力(押す力F)と、作動ステージ41の移動方向(Y軸方向)に対する第2傾斜部66bの角度と、により決まる(実際には第1壁面64aと第2傾斜部66bとの摩擦等も影響する)とともに、反力Rは、第2傾斜部66bの角度と、板ばね66における力量の設定と、により決定する。また、押す力Fは、デジタルカメラ10(筐体11)におけるY軸方向負側に作用することから、作動ステージ41の質量をMとして当該作動ステージ41の重量Mg(gは重力加速度)を考慮しつつ、Y軸方向への駆動力となる作動ステージ41の垂直駆動コイル44と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)と垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)とにより構成されたボイスコイルモータで生成する力により決定する。このため、板ばね66の力量を、作動ステージ41の重量を勘案しつつ、当該ボイスコイルモータで生成する最も大きな力すなわち垂直駆動コイル44に流す最も大きな電流値とともに上記した式(1)を満たす設定とすることにより、作動ステージ41をY軸方向負側へと移動させることで第1壁面64a(その先端部)が板ばね66の凸部を乗り越えることが可能となる。
ここで、第1壁面64a(被押当部64(作動ステージ41))が、板ばね66の凸部を乗り越えてさらにY軸方向負側へと移動すると、被押当部64の凹部(第1壁面64aおよび第2壁面64b)に板ばね66の凸部(第1傾斜部66aおよび第2傾斜部66b)が嵌り込む(図15(c)参照)。すると、板ばね66は、図12および図14(b)に示すように、X軸方向正側へ向けて被押当部64に押し当てられることとなり、その被押当部64を介して作動ステージ41をX軸方向正側へと押して、その作動ステージ41をX軸方向正側の端部に押し当てる。これにより、板ばね66は、X軸方向正側の外周面(一対の緩衝部63)が鏡胴ベース33の窓穴33a(その内周面)に押し当てられた作動ステージ41を、その窓穴33a(そのX軸方向正側の内周面)との間で挟み込むことができる(図15(c)参照)。
この状態では、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面(一対の緩衝部63)と鏡胴ベース33の窓穴33a(そのX軸方向正側の内周面)とが当たることにより、作動ステージ41のX軸方向正側への移動が防止されている。また、被押当部64のX軸方向負側の面(凹部)に板ばね66(その凸部)が当てられていることから、上述した反力Rが次式(2)を満たすものとすることにより、作動ステージ41の自重によりこの被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態が解除されることを防止することができる。
R>Mg ・・・・・・・・・・・・(2)
これにより、図12に示すように、被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態となると、被押当部64の第1壁面64aが板ばね66の第1傾斜部66aと面で当てられていることにより、作動ステージ41のY軸方向正側への移動が防止される。また、被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態となると、被押当部64の第2壁面64bが板ばね66の第2傾斜部66bと面で当てられていることにより、作動ステージ41のY軸方向負側への移動が防止されている。そして、被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態となると、被押当部64のX軸方向負側に板ばね66が当てられていることにより、作動ステージ41のX軸方向負側への移動が防止されている。これにより、この被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態となると、板ばね66は、鏡胴ベース33の窓穴33a(そのX軸方向正側の内周面)との間で作動ステージ41を押さえ込んで、鏡胴ベース33に対する移動を規制することができる。すなわち、デジタルカメラ10では、手ぶれ補正機構40(制御部21)により、作動ステージ41が作動領域MA1から非作動領域MA2へと上述したように移行されると、板ばね66の被押当部64への押し当てにより、撮影光軸OA(Z軸)に直交する方向への作動ステージ41の移動(X−Y平面に沿う移動)が機械的に規制される。このように、板ばね66の被押当部64への押し当てにより、保持状態(X−Y平面に沿う方向で見た作動ステージ41の位置が制御部21の制御下で管理(この場合は固定)されている状態)とされることを、以下では機械的保持という。このことから、被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態が、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動を規制すべく、板ばね66が被押当部64に押し当たる押当状態となる。このため、非作動領域MA2は、被押当部64と板ばね66とを押当状態とすべく、被押当部64と板ばね66との干渉が可能な第2領域として機能する。
さらに、手ぶれ補正機構40(制御部21)は、板ばね66と被押当部64とが押当状態とされた作動ステージ41をY軸方向正側へと移動させることにより、その押当状態を解除する(図15における(c)から(b)参照)。ここで、押当状態とされている場合、板ばね66と被押当部64とでは、上述したように、被押当部64の第1壁面64aが板ばね66の第1傾斜部66aと面で当てられている(図14(b)および図14(c)に二点鎖線で示す被押当部64および板ばね66参照)。このため、作動ステージ41にY軸方向正側へ向けて押す力Fが作用することにより、被押当部64がY軸方向正側へと移動すると、その第1壁面64aが板ばね66の第1傾斜部66aにX軸方向負側へと押す力(以下では、押す力F2ともいう(図14(c)参照))を作用させる。これは、作動ステージ41の被押当部64の第1壁面64aがX軸方向負側に向かうにつれてY軸方向負側へと向かう傾斜面とされており、かつ鏡胴ベース33の板ばね66の第1傾斜部66aがX軸方向正側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かって伸びるものとされているとともに、板ばね66が受入凹所65(窓穴33a)に固定された取付基部(Y軸方向負側の端部)に対して先端部をX軸方向へと変位させるべく弾性変形させることが可能とされていることによる。このため、被押当部64(第1壁面64a)のY軸方向正側への移動により、その第1壁面64a(その先端)が、板ばね66における凸部(第1傾斜部66aと第2傾斜部66bとの連続箇所)を乗り越える、すなわちY軸方向で見て当該凸部よりも正側へと移動するには、被押当部64の第1壁面64aの先端よりも板ばね66の凸部をX軸方向負側へと移動させる必要がある。このことから、板ばね66の上述した反力Rと押す力F2とが次式(3)を満たすものとする。
F2>R ・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、押す力F2は、作動ステージ41へのY軸方向正側へ向けた駆動力(押す力F)と、作動ステージ41の移動方向(Y軸方向)に対する第1壁面64aおよび第1傾斜部66aの角度と、により決まる(実際には第1壁面64aと第1傾斜部66aとの摩擦等も影響する)。反力Rと押す力Fとは、上述した通りである。このため、板ばね66の力量を、作動ステージ41の重量を勘案しつつ、作動ステージ41の垂直駆動コイル44と垂直駆動磁石54(そこと一体に形成された板状部材)と垂直側ヨーク56(そこと一体に形成された永久磁石)とにより構成されたボイスコイルモータで生成する最も大きな力すなわち垂直駆動コイル44に流す最も大きな電流値とともに上記した式(3)を満たす設定とすることにより、押当状態から作動ステージ41をY軸方向正側へと移動させることで第1壁面64a(その先端部)が板ばね66の凸部を乗り越えることが可能となる。
ここで、第1壁面64a(被押当部64)が、板ばね66の凸部を乗り越えてさらにY軸方向正側へと移動すると(図14の(c)から(d)参照)、被押当部64と板ばね66とが干渉することが無くなる。このため、被押当部64と板ばね66との押当状態が解除され、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動が規制された状態が解除される。このことから、作動ステージ41がY軸方向正側へと移動することにより(図15の(c)から(b)参照)、第1壁面64a(被押当部64)が、板ばね66の凸部を乗り越えてさらにY軸方向正側へと移動してその板ばね66と干渉することが無くなった状態(図14(d)および図15(b)参照)が、被押当部64と板ばね66との押当状態が解除された解除状態となる。このことから、本実施例の撮像ユニット13(デジタルカメラ10)では、被押当部64と板ばね66とにおける押当状態と解除状態との移行のための相対的な移動方向を、基本姿勢とされたデジタルカメラ10における鉛直方向(Y軸方向)と一致させて設定している。
次に、本実施例の撮像ユニット13(デジタルカメラ10)における機械的保持状態への移行動作について説明する。図16は、デジタルカメラ10(撮像ユニット13)の動作を統括的に制御する制御部21における機械的保持状態への移行動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。以下、この機械的保持状態への移行動作の際の制御部21における制御処理の一例である図16のフローチャートの各ステップについて説明する。この図16のフローチャートは、機械的保持状態への移行動作を行うものであることから、デジタルカメラ10(撮像ユニット13)が起動されている状態であって、電気的保持状態とされている状態で行われる。
ステップS1では、機械的保持への移行を実行する必要があるか否かを判断し、Yesの場合はステップS2へ進み、Noの場合はステップS1へ戻る。このステップS1では、デジタルカメラ10において実行される動作を勘案して、手ぶれ補正を実行する必要がなくなることに伴って、機械的保持への移行を実行する必要があるか否かを判断する。本実施例では、デジタルカメラ10の電源ボタン14に停止するための操作(停止操作)が為されたこと、操作スイッチ17に撮影画像再生モードを実行するための操作(停止操作)が為されたこと、およびシャッターボタン15に撮影動作を実行するための操作が為されたこと、を認識すると、機械的保持への移行を実行する必要があるものと判断する。ここで、シャッターボタン15に撮影動作を実行するための操作が為されたことの認識を、機械的保持への移行を実行する必要があるとの判断基準に含ませているのは、撮像素子22からの信号(画像データ)の転送を実行することによる。なお、この機械的保持への移行を実行する必要の有無の判断は、手ぶれ補正を実行する必要の有無を前提として、電力消費量を低減する観点や、ボイスコイルモータの動作に伴う他の箇所への影響の観点や、使用者がより快適にデジタルカメラ10(その各種機能)を利用する観点から適宜設定すればよく、本実施例に限定されるものではない。
ステップS2では、ステップS1での機械的保持への移行を実行する必要があるとの判断に続き、作動ステージ41を原点位置で電気的に保持する制御を開始して、ステップS3へ進む。このステップS2では、手ぶれ補正機構40による電気的保持(垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への電流の印加)の状態において、作動ステージ41を撮影光軸OA上に設定された原点位置へと移動させるとともに当該原点位置に在ることを維持する制御を開始する。すなわち、ステップS2では、記憶部21aに格納された原点位置のデータに基づいて、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への電流の印加により、作動ステージ41をX軸方向で見た原点位置とする(センタリングする)とともにY軸方向で見た原点位置とする(センタリングする)サーボ制御を行う。これにより、作動ステージ41は、作動領域MA1における中心位置に存在される(図15(a)参照)。
ステップS3では、ステップS2での作動ステージ41を原点位置で電気的に保持する制御の実行に続き、作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向正側の端部まで移動させる制御を実行して、ステップS4へ進む。このステップS3では、手ぶれ補正機構40による電気的保持の状態において、原点位置に存在する作動ステージ41を、Y軸方向で原点位置に在ることを維持しつつ移動領域MAのX軸方向で正側の端部まで移動させる制御を行う。すなわち、ステップS3では、垂直駆動コイル44への電流の印加によりY軸方向で原点位置を維持させるサーボ制御を行うとともに、水平駆動コイル46への電流の印加により作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向正側へと移動させる制御を行う。これにより、作動ステージ41は、移動領域MA(作動領域MA1)においてX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられる(図15(a)から(b)参照)。なお、本実施例では、正確には、移動領域MAにおいて作動ステージ41をX軸方向正側の端部まで移動されることにより、作動領域MA1から非作動領域MA2へと移行していることとなる。
ステップS4では、ステップS3での作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向正側の端部まで移動させる制御の実行に続き、作動ステージ41を移動領域MAのY軸方向負側の端部まで移動させる制御を実行して、ステップS5へ進む。このステップS4では、手ぶれ補正機構40による電気的保持の状態において、作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向で正側の端部に在ることを維持しつつ移動領域MAのY軸方向で負側の端部まで移動させる制御を行う。すなわち、ステップS4では、垂直駆動コイル44への電流の印加により作動ステージ41をY軸方向負側へと移動させる制御を行うとともに、水平駆動コイル46への電流の印加により作動ステージ41をX軸方向正側へと移動させる制御を継続する。これにより、作動ステージ41は、移動領域MAにおけるY軸方向負側へと移動して非作動領域MA2に至り(図15(c)参照)、Y軸方向負側へと突出された被押当部64が鏡胴ベース33の窓穴33aの受入凹所65に進入するとともに、その被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んで押当状態となる(図14(b)および図15(c)参照)。このとき、作動ステージ41は、非作動領域MA2においてY軸方向負側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのY軸方向負側の内周面に押し当てられている(図15(c)参照)。
ステップS5では、ステップS4での作動ステージ41を移動領域MAのY軸方向負側の端部まで移動させる制御の実行に続き、作動ステージ41の電気的保持を停止し、このフローチャートを終了する。このステップS5では、手ぶれ補正機構40による電気的保持を停止、すなわち垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への電流の印加を停止する。このとき、ステップS4において作動ステージ41の被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66とが押当状態とされて、作動ステージ41が機械的保持状態とされていることから、作動ステージ41が意図せずに移動することはない。
これにより、デジタルカメラ10では、作動ステージ41(撮像素子22)が手ぶれ補正機構40による電気的保持の状態から、作動ステージ41の被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66とによる機械的保持の状態へと移行する。
なお、上記した図16のフローチャートでは、ステップS2において作動ステージ41を原点位置で電気的に保持する制御を実行した後にステップS3に進むものとしていたが、電気的保持状態における作動ステージ41を一度原点位置としなくても適切に押当状態へと導くことができる場合には、ステップS2(原点位置での電気的保持)をなくしてもよく、上記した例に限定されるものではない。これは、本実施例では作動領域MA1のY軸方向負側に隣接させて非作動領域MA2を設定していることから、作動領域MA1のいずれの位置であっても作動ステージ41をX軸方向正側へと移動(ステップS3参照)した後に、Y軸方向負側へと移動させる(ステップS4参照)ことで押当状態とすることができることによる。
次に、本実施例の撮像ユニット13(デジタルカメラ10)における機械的保持状態から電気的保持状態への移行動作について説明する。図17は、デジタルカメラ10(撮像ユニット13)の動作を統括的に制御する制御部21における電気的保持状態への移行動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。以下、この電気的保持状態への移行動作の際の制御部21における制御処理の一例である図17のフローチャートの各ステップについて説明する。この図17のフローチャートは、電気的保持状態への移行動作を行うものであることから、デジタルカメラ10(撮像ユニット13)が起動されているか否かに拘らず、機械的保持状態とされている状態で行われる。
ステップS11では、電気的保持への移行を実行する必要があるか否かを判断し、Yesの場合はステップS12へ進み、Noの場合はステップS11へ戻る。このステップS11では、デジタルカメラ10において実行される動作を勘案して、電気的保持への移行を実行する必要があるか否かを判断する。本実施例では、デジタルカメラ10の電源ボタン14に起動するための操作(起動操作)が為されたこと、操作スイッチ17等に撮影画像再生モードを終了するための操作(停止操作)が為されたこと、および撮像素子22からの信号(画像データ)の転送が終了したこと、を認識すると、電気的保持への移行を実行する必要があるものと判断する。なお、この電気的保持への移行を実行する必要の有無の判断は、手ぶれ補正の実行の有無に拘らず撮像素子22を原点位置とする必要があるか否かで判断すればよく、本実施例に限定されるものではない。
ステップS12では、ステップS11での電気的保持への移行を実行する必要があるとの判断に続き、作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向正側の端部まで移動させる制御を実行して、ステップS13へ進む。このステップS12では、機械的保持状態とされた作動ステージ41を、Y軸方向での位置の制御を行うことなく、移動領域MAのX軸方向の正側の端部まで移動させる制御を行う。すなわち、ステップS12では、垂直駆動コイル44へと電流を印加することなく、水平駆動コイル46への電流の印加により作動ステージ41をX軸方向正側へと移動させる制御を行う。これにより、作動ステージ41は、移動領域MA(非作動領域MA2)においてX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられる(図15(c)参照)。ここで、作動ステージ41は、機械的保持状態であっても、移動領域MA(非作動領域MA2)においてX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられている(図15(c)参照)ことに加えて、ステップS12ではY軸方向での位置の制御が行われていないことから、このステップS12では実質的に移動することはない。
ステップS13では、ステップS12での作動ステージ41を移動領域MAのX軸方向正側の端部まで移動させる制御の実行に続き、作動ステージ41をY軸方向正側へと解除状態まで移動させる制御を実行して、ステップS14へ進む。このステップS13では、手ぶれ補正機構40による電気的保持の状態において、作動ステージ41を、X軸方向で正側の端部に在ることを維持しつつY軸方向の正側へと解除状態まで移動させる制御を行う。すなわち、ステップS13では、水平駆動コイル46への電流の印加により作動ステージ41をX軸方向正側の端部へと移動させる制御を継続しつつ、垂直駆動コイル44への電流の印加により作動ステージ41をY軸方向正側へと所定量移動させて作動領域MA1へと至らせる制御を行う(図15(c)から(b)参照)。これにより、被押当部64の凹部から板ばね66の凸部が相対的に抜け出すとともに、その被押当部64が鏡胴ベース33の窓穴33aの受入凹所65から退出して被押当部64と板ばね66とが干渉することが無くなり、被押当部64と板ばね66との押当状態が解除された解除状態となる(図14(c)から(d)参照)。これにより、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動が規制された状態が解除される(図15(b)参照)。なお、本実施例では、正確には、作動ステージ41が移動領域MAのX軸方向正側の端部に存在されている場合、非作動領域MA2に存在されており、作動領域MA1へと移行されてはいない。
ステップS14では、ステップS13での作動ステージ41をY軸方向正側へと解除状態まで移動させる制御の実行に続き、作動ステージ41を原点位置で電気的に保持する制御を開始し、このフローチャートを終了する。このステップS14では、手ぶれ補正機構40による電気的保持の状態において、作動ステージ41(撮像素子22)を撮影光軸OA上に設定された原点位置へと移動させるとともに当該原点位置に在ることを維持する制御を開始する。すなわち、ステップS14では、記憶部21aに格納された原点位置のデータに基づいて、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流を制御することにより、作動ステージ41を電気的に原点位置で保持する。なお、本実施例では、正確には、作動ステージ41が移動領域MAのX軸方向正側の端部から原点位置へと移動されることにより、非作動領域MA2から作動領域MA1へと移行される。
これにより、デジタルカメラ10では、作動ステージ41が被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66とにより機械的保持された状態から、作動ステージ41(撮像素子22)が手ぶれ補正機構40により電気的保持された状態へと移行する。このため、デジタルカメラ10では、手ぶれ補正機構40による手ぶれ補正の実行が可能となる。
ここで、本実施例では、デジタルカメラ10では、明確な図示は略すが、ステップS11で電気的保持への移行を実行する必要があると判断して機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行することに伴って、レンズ鏡胴駆動ユニット23により撮像ユニット13を撮影待機状態(繰出位置)へと移行させる。このため、デジタルカメラ10では、機械的保持の状態から電気的保持の状態に移行されると、撮影可能な状態となる。このとき、デジタルカメラ10では、制御部21の制御下で、表示部18(図2参照)に取得した画像を表示させてライブビュー状態(モニタリング状態)とし、手ぶれ補正機構40による手ぶれ補正を実行する。なお、デジタルカメラ10では、図示は略すが、手ぶれ補正の実行の有無を選択する手ぶれ補正スイッチを設けて、上述したライブビュー状態において、当該手ぶれ補正スイッチがOFFの場合には手ぶれ補正機構40による手ぶれ補正を実行せず、当該手ぶれ補正スイッチがONとされると直ちに手ぶれ補正機構40による手ぶれ補正を実行する構成としてもよい。
この撮像ユニット13(デジタルカメラ10)では、手ぶれ補正機構40による作動ステージ41の電気的保持を行っている状態において、図16のフローチャートのステップS1で機械的保持への移行を実行する必要があると判断されると、ステップS2→ステップS3へと進むことにより作動ステージ41をX軸方向正側の端部まで移動させ(図15(a)から(b)参照)、ステップS4へと進むことにより作動ステージ41をY軸方向正側の端部まで移動させる(図15(b)から(c)参照)。これにより、作動ステージ41を作動領域MA1から非作動領域MA2へと移行させ、その作動ステージ41に設けられた被押当部64の凹部に、鏡胴ベース33の窓穴33aの受入凹所65に設けられた板ばね66の凸部を嵌り込ませて押当状態とし(および図12および図14(b)参照)、作動ステージ41のX−Y平面上での位置(鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対する位置)を固定した機械的保持状態とする(図15(c)参照)。その後、ステップS5へと進むことにより、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への電流の印加を停止し、手ぶれ補正機構40による電気的保持を停止する。
また、撮像ユニット13(デジタルカメラ10)では、板ばね66を被押当部64に押し当てて作動ステージ41の機械的保持を行っている状態において、図17のフローチャートのステップS11で電気的保持への移行を実行する必要があると判断されると、ステップS12→ステップS13へと進むことにより、作動ステージ41をX軸方向正側の端部に存在することを維持したままY軸方向正側へと移動して、作動ステージ41を非作動領域MA2から作動領域MA1へと移行させる(図15(c)から(b)参照)。これにより、作動ステージ41の被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66とを解除状態として(図14(c)から(d)参照)、板ばね66の被押当部64への押し当てによる機械的保持状態を解除する(図15(b)参照)。その後、ステップS15へと進むことにより、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流の制御により作動ステージ41を移動領域MAにおけるX−Y平面と平行な方向で見た(X−Y平面上の)任意の位置とする、手ぶれ補正機構40による電気的保持状態として、手ぶれ補正の実行が可能となる(図15(a)参照)。
このため、本発明に係る実施例の撮像ユニット13では、撮影光軸OAと垂直な方向(X−Y平面と平行な方向)への弾性力を発揮する弾性部材としての板ばね66を、撮像素子22を有する作動ステージ41(可動枠部42)に設けられた被押当部64に押し当てることにより、作動ステージ41のX−Y平面上での位置(鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対する位置)を固定した機械的保持状態とすることができるので、機械的保持状態において作動ステージ41に撮影光軸OA方向への押圧力が作用することを防止することができる。
また、撮像ユニット13では、撮像素子22が設けられた作動ステージ41(可動枠部42)を、撮影光軸OAと垂直なX−Y平面と平行な方向に移動させることにより、その作動ステージ41に設けられた被押当部64に鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66が押し当てられる押当状態として機械的保持状態とすることができるので、機械的保持状態とする際に作動ステージ41に撮影光軸OA方向への押圧力が作用することを防止することができる。
さらに、撮像ユニット13では、撮像素子22が設けられた作動ステージ41(可動枠部42)を、撮影光軸OAと垂直なX−Y平面と平行な方向に移動させることにより、その作動ステージ41に設けられた被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)の板ばね66とを押当状態から解除状態へと移行させることができるので、機械的保持状態を解除する際に作動ステージ41に撮影光軸OA方向への押圧力が作用することを防止することができる。
撮像ユニット13では、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられた板ばね66を、作動ステージ41に設けられた被押当部64に押し当てることにより、作動ステージ41を機械的保持状態とすることができるので、電力を消費することなく作動ステージ41のX−Y平面上での位置(鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対する位置)を固定することができる。
撮像ユニット13では、手ぶれ補正機構40を用いて移動領域MA内で作動ステージ41をX−Y平面と平行な方向に移動させることにより、電気的保持状態から機械的保持状態へと移行させることができるとともに、機械的保持状態から電気的保持状態へと移行させることができることから、電気的保持状態と機械的保持状態との移行のためだけに新たな駆動機構を設ける必要がないので、簡易な構成とすることができるとともにコストの増加を防止することができる。
撮像ユニット13では、手ぶれ補正機構40を用いて移動領域MA内で作動ステージ41をX−Y平面と平行な方向に移動させることにより、電気的保持状態から機械的保持状態へと移行させることから、第5レンズ群を撮影光軸方向に変位させるための構成に係止部材を設けるとともにその係止部材に設けた針状部の受け入れを可能とする貫通穴を可動部材に設ける従来の構成とは異なり、撮影光学系12の撮影光軸OA方向で見た位置(撮像ユニット13の所定の収納位置と所定の繰出位置との間での変位)に拘らず、いつでも作動ステージ41を鏡胴ベース33に対する移動を規制する機械的保持状態とすることができる。
撮像ユニット13では、撮影光学系12の撮影光軸OA方向で見た位置(撮像ユニット13の所定の収納位置と所定の繰出位置との間での変位)に拘らず、作動ステージ41を鏡胴ベース33に対する移動を規制する機械的保持状態とすることができるので、撮影光学系12が所定の繰出位置(撮影待機状態(図1(b)参照)とされている際に、操作スイッチ17に撮影画像再生モードを実行するための操作(停止操作)が為されたときや、シャッターボタン15に撮影動作を実行するための操作が為されたときであっても、撮影光学系12を動作させることなく機械的保持状態とすることができる。
撮像ユニット13では、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けた板ばね66を作動ステージ41に設けた被押当部64にX−Y平面と平行な方向で押し当てる押当状態とすることにより、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動を規制する機械的保持状態とするものであることから、撮影光学系12(その各光学部材)に撮影光軸OA方向への押圧力やX−Y平面と平行な方向への押圧力が作用することを防止することができる。これは、第5レンズ群を撮影光軸方向に変位させるための構成に係止部材を設けるとともに係止部材に設けた針状部の受け入れを可能とする貫通穴を可動部材に設ける従来の構成では、針状部と貫通穴とのX−Y平面で見た互いの中心位置を極めて高い精度で一致させないと、可動部材の移動規制状態への移行の際に針状部(その周面)と貫通穴(その内周壁面)とが干渉することとなり、針状部が設けられた係止部材を介して当該係止部材と共に支持された第5レンズ群保持枠に、撮影光軸方向への押圧力を作用させたり、X−Y平面と平行な方向への押圧力を作用させたり、する虞があることによる。
撮像ユニット13では、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対して作動ステージ41が移動可能とされた範囲である移動領域MAにおいて、被押当部64と板ばね66とを干渉させることなく作動ステージ41をX−Y平面に沿って(X−Y平面と平行な方向に)移動させることのできる作動領域MA1と、被押当部64と板ばね66とを押当状態とすることのできる非作動領域MA2と、を設定していることから、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41をX−Y平面と平行な方向に移動させることで電気的保持状態と機械的保持状態とで移行させることができる。
撮像ユニット13では、移動領域MAにおいて作動領域MA1と非作動領域MA2とを隣接させて設定しているとともに、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41を作動領域MA1から非作動領域MA2へと移動させることで被押当部64と板ばね66とを押当状態とし、かつ非作動領域MA2から作動領域MA1へと移動させることで被押当部64と板ばね66とを解除状態とするものであることから、電気的保持状態と機械的保持状態との移行を迅速に行うことができる。
撮像ユニット13では、被押当部64と板ばね66とを干渉させることなく作動ステージ41をX−Y平面と平行な方向に移動させることのできる作動領域MA1において、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41をX−Y平面に沿って(平行な方向に)移動させることで手ぶれ補正を行うものであることから、X−Y平面に沿う方向での互いの押し当てを可能とすべく、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に板ばね66を設けるとともに作動ステージ41に被押当部64を設けることによる影響を受けることなく、換言すると、被押当部64と板ばね66とにより鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対する作動ステージ41のX−Y平面に沿う移動が制限されることなく、手ぶれ補正を行うことができる。
撮像ユニット13では、移動領域MAにおいて、被押当部64と板ばね66とを干渉させることなく作動ステージ41をX−Y平面に沿って(X−Y平面と平行な方向に)移動させることのできる作動領域MA1と、被押当部64と板ばね66とを押当状態とすることのできる非作動領域MA2と、を設定するものであることから、手ぶれ補正を実行すべく鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対して移動可能とされた移動領域MAにおける作動ステージ41の位置を制御する手ぶれ補正機構40が設けられている撮像ユニット(撮像装置)であれば、その手ぶれ補正機構40を利用することにより容易に適用することができる。
撮像ユニット13では、板ばね66が、鏡胴ベース33の窓穴33a(そのX軸方向正側の内周面)との間で作動ステージ41を押さえ込むことにより、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制する機械的保持状態とするものであることから、簡易な構成で、撮影光軸OAに直交するX−Y平面に沿う弾性力を発揮する板ばね66により作動ステージ41の移動を防止する(機械的保持状態とする)ことができる。
撮像ユニット13では、撮影光軸OAに直交する方向(X−Y平面と平行な方向)への弾性力を発揮する板ばね66が、鏡胴ベース33の窓穴33a(そのX軸方向正側の内周面)との間で作動ステージ41を押さえ込むことにより、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制する機械的保持状態とするものであることから、簡易な構成としつつ、作動ステージ41をX−Y平面に沿って移動させることで電気的保持状態と機械的保持状態とで移行させることができる。
撮像ユニット13では、被押当部64の突出端部に凹部が設けられるとともに板ばね66の先端部に凸部が設けられ、その凹部に凸部が嵌り込むことで被押当部64と板ばね66とを押当状態とするものであることから、押当状態とした際に作動ステージ41がX−Y平面に沿って移動することをより確実に防止することができる。
撮像ユニット13では、被押当部64の突出端部に凹部が設けられるとともに板ばね66の先端部に凸部が設けられ、その凹部に凸部が嵌り込むことで被押当部64と板ばね66とを押当状態とするものであることから、板ばね66における力量を小さなものとしつつ押当状態とした際に作動ステージ41がX−Y平面に沿って移動することをより確実に防止することができる。
撮像ユニット13では、板ばね66の先端部にX軸方向負側に向かうにつれてY軸方向正側へと向かって伸びる第2傾斜部66bが設けられていることから、その第2傾斜部66bのY軸方向に対する傾斜により、被押当部64のY軸方向負側へと移動する力を、板ばね66の先端部をX軸方向負側へと弾性変形させる力として当該板ばね66に作用させることができるので、Y軸方向負側へと移動する被押当部64を第2傾斜部66bに当てることで、板ばね66をX−Y平面と平行な方向に弾性変形させることができる。
撮像ユニット13では、被押当部64の突出端の凹部に撮影光軸OAに直交する方向(X−Y平面と平行な方向)への弾性力を発揮する板ばね66の先端部の凸部が嵌り込むことで、被押当部64と板ばね66とを押当状態とするものであることから、被押当部64をY軸方向負側へと移動させることで、被押当部64で板ばね66を弾性変形させるとともにその板ばね66の凸部を乗り越えさせて被押当部64と板ばね66とを押当状態することができ、かつ被押当部64をY軸方向正側へと移動させることで、被押当部64で板ばね66を弾性変形させるとともにその板ばね66の凸部を乗り越えさせて被押当部64と板ばね66とを解除状態することができる。
撮像ユニット13では、板ばね66における力量(反力R)と手ぶれ補正機構40における駆動力(押す力F(それに伴う押す力F1))とを、式(1)を満たす設定としていることから、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41をX−Y平面に沿って移動させることにより、被押当部64で板ばね66を弾性変形させて、その被押当部64を板ばね66の凸部を乗り越えさせて押当状態とすることができる。
撮像ユニット13では、板ばね66における力量(反力R)を、式(2)を満たす設定としていることから、被押当部64の凹部に板ばね66の凸部が嵌り込んだ状態(押当状態)が作動ステージ41の自重により解除されることを防止することができる。
撮像ユニット13では、板ばね66における力量(反力R)と手ぶれ補正機構40における駆動力(押す力F(それに伴う押す力F2))とを、式(3)を満たす設定としていることから、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41をX−Y平面に沿って移動させることにより、被押当部64で板ばね66を弾性変形させて、その被押当部64を板ばね66の凸部を乗り越えさせて押当状態からその解除状態とすることができる。
撮像ユニット13では、被押当部64と板ばね66とにおける押当状態と解除状態との移行のための相対的な移動方向を、基本姿勢とされたデジタルカメラ10における鉛直方向(Y軸方向)と一致させていることから、最も使用頻度が高いものと考えられる基本姿勢においてデジタルカメラ10に不測の衝撃が生じた場合であっても被押当部64と板ばね66との押当状態が解除されることをより効果的に防止することができる。
撮像ユニット13では、板ばね66を、鏡胴ベース33の窓穴33aのY軸方向負側の内周面をY軸方向負側へ向けて凹ませる受入凹所65に設けるとともに、被押当部64を、作動ステージ41のY軸方向負側の外周面からX−Y平面に沿いつつY軸方向負側に突出させて設けていることから、従来の手ぶれ補正機構40の構成からの変更を極めて少ないものとしつつ簡易な構成で実現することができるとともに、撮影光軸OA方向での大きさ寸法の増大を防止することができる。
撮像ユニット13では、制御部21による垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46への印加電流の制御により、鏡胴ベース33(その窓穴33a)に対して作動ステージ41が移動可能とされた範囲である移動領域MAを作動領域MA1と非作動領域MA2とで使い分けている、すなわち手ぶれ補正を行う際には制御部21が作動ステージ41を作動領域MA1内で移動させるとともに機械的保持とする際には制御部21が作動ステージ41を非作動領域MA2へと移動させることから、簡易な構成で作動領域MA1および非作動領域MA2を適切に設定することができる。
撮像ユニット13では、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面が窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられた状態となると、その作動ステージ41に設けられた被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられた板ばね66とを押当状態とすることを可能とする構成とされているので、手ぶれ補正機構40を用いて迅速かつ適切に被押当部64と板ばね66とを押当状態とすることができる。これは、手ぶれ補正機構40は、ボイスコイルモータからの駆動力を用いるものであることから、作動ステージ41を瞬時に任意の位置で固定することが困難であるが、作動ステージ41(その外周面)を窓穴33a(その内周面)に押し当てることで、作動ステージ41の位置を瞬時に固定することができることによる。特に、本実施例では、作動ステージ41の外周面には各緩衝部63が設けられていることから、作動ステージ41(その外周面)を窓穴33a(その内周面)に押し当てた際の作動ステージ41の位置の固定をより迅速に行うことができる。
撮像ユニット13では、撮影光軸OAに直交するX−Y平面に平行な方向への弾性力を発揮する板ばね66が、一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられた作動ステージ41を押さえ込むことにより、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制する機械的保持状態とするものであることから、板ばね66の弾性力に加えて一対の緩衝部63の弾性力も利用することができるので、より適切に作動ステージ41を機械的保持状態とすることができる。
撮像ユニット13では、撮影光軸OAに直交するX−Y平面に沿う弾性力を発揮する板ばね66が、一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられるとともに一対の緩衝部63を介して窓穴33aのY軸方向負側の内周面に押し当てられた作動ステージ41を押さえ込むことにより、鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制する機械的保持状態とするものであることから、板ばね66の弾性力に加えて各緩衝部63の弾性力も利用することができるので、より適切に作動ステージ41を機械的保持状態とすることができる。
撮像ユニット13では、電源ボタン14に停止するための操作(停止操作)が為されると、機械的保持への移行を実行することから、全体の動作を停止させることに伴って垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46へと電流を印加することを停止しても、鏡胴ベース33の窓穴33a内(移動領域MA)で作動ステージ41が移動することを防止することができる。
撮像ユニット13では、機械的保持への移行を実行する際、先ず作動ステージ41を原点位置で電気的に保持する制御を実行することから、電気的保持状態とされた作動ステージ41の位置および状態の差異による影響を受けることなく、作動ステージ41に設けられた被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられた板ばね66とを適切に押当状態へと導くことができる。
撮像ユニット13では、機械的保持への移行を実行する際、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面を窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てる制御を実行することから、電気的保持状態とされた作動ステージ41の位置および状態の差異による影響を受けることなく、作動ステージ41に設けられた被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられた板ばね66とを適切に押当状態へと導くことができる。
撮像ユニット13では、撮像素子22から信号(画像データ)の転送を実行する場面においても、機械的保持への移行を実行する必要があると判断して鏡胴ベース33に対する作動ステージ41の移動を規制する機械的保持状態とすることから、垂直駆動コイル44および水平駆動コイル46が形成する磁界が画像データにおけるノイズとして作用することを防止することができる。
撮像ユニット13では、電気的保持への移行を実行する際、先ず作動ステージ41のX軸方向正側の外周面を窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てる制御を実行することから、その後に作動ステージ41をY軸方向正側へと移動させることで、デジタルカメラ10(筐体11)の鉛直方向に対する姿勢の差異に拘らず、すなわち作動ステージ41に作用する重力の方向に拘らず、その作動ステージ41に設けられた被押当部64と鏡胴ベース33(その窓穴33a)に設けられた板ばね66とを押当状態からその解除状態へと適切に導くことができる。
撮像ユニット13では、電気的保持への移行を実行すべく作動ステージ41のX軸方向正側の外周面を窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てる制御を実行する際、Y軸方向での位置の制御を行わない、すなわち垂直駆動コイル44へと電流を印加しないことから、より消費電力を抑制することができる。
撮像ユニット13では、被押当部64と板ばね66とを押当状態からその解除状態へと移行させるべく作動ステージ41をY軸方向正側へと移動させる際、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面を窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てる制御を実行していることから、被押当部64と板ばね66とが解除状態とされた際に作動ステージ41がX−Y平面に沿う意図せぬ方向へと移動することを防止することができる。これは、例えば、デジタルカメラ10におけるX軸方向負側が鉛直方向下方側に向けられている場合には、被押当部64と板ばね66とが解除状態とされると作動ステージ41がX軸方向負側へと移動してしまうことが考えられることによる。
撮像ユニット13では、手ぶれ補正機構40を用いて作動ステージ41をX−Y平面に沿って移動させることで、被押当部64と板ばね66との押当状態とその解除状態との移行を行うものであることから、機械的保持と電気的保持との双方が解除された状態が生じることを防止することができる。このことから、作動ステージ41がX−Y平面に沿う意図せぬ方向へと移動することを確実に防止することができる。
撮像ユニット13を搭載するデジタルカメラ10(撮像装置)では、上述した各効果を得ることができるので、より長時間に渡って使用を継続することができるとともに、より適切な画像を取得することができる。
したがって、本発明に係る撮像ユニット13では、消費電力を抑制しつつ撮像素子22への撮影光軸OA方向の押圧力の発生を防止することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係る撮像ユニットの一例としての撮像ユニット13について説明したが、撮影光学系により形成される被写体像を撮像素子で取得する撮像ユニットであって、撮影光軸に直交する方向で見て撮影光軸に対する位置が固定されて筐体に設けられる固定部材と、前記撮像素子が設けられ、前記固定部材に対して撮影光軸に垂直な面に沿って移動可能に該固定部材に支持される可動部材と、前記固定部材に対して前記可動部材を移動させる駆動力を生成する駆動機構と、を備え、前記固定部材と前記可動部材とのいずれか一方には、撮影光軸に垂直な面と平行な方向へと弾性力を発揮する弾性部材が設けられ、前記固定部材と前記可動部材とのいずれか他方には、前記弾性部材が押し当てられる押当状態となることで前記可動部材の前記固定部材に対する移動を規制する被押当部が設けられ、該被押当部と前記弾性部材とは、前記駆動機構からの駆動力で前記固定部材に対して前記可動部材が移動することにより前記押当状態へ移行するとともに、前記駆動機構からの駆動力で前記固定部材に対して前記可動部材が移動することにより前記押当状態が解除された解除状態へ移行する撮像ユニットであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、可動部材としての作動ステージ41に被押当部64が設けられるとともに、固定部材としての鏡胴ベース33に板ばね66が設けられていたが、可動部材(作動ステージ41)に板ばね(66)を設けるとともに固定部材(鏡胴ベース33)に被押当部(64)を設ける構成であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、板ばね66が、受入凹所65すなわち鏡胴ベース33と別体で構成されていたが、上述したように手ぶれ補正機構40を用いた作動ステージ41のX−Y平面に沿う移動によりその作動ステージ41に設けられた被押当部64へと押し当てられた押当状態となることにより、作動ステージ41の鏡胴ベース33に対する移動を規制する機械的保持状態とすることができるものであれば、受入凹所65(鏡胴ベース33)と一体的に構成する(例えば、鏡胴ベース33の一部をモールドバネとして構成する)ものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。このように一体的な構成とすると、部品点数をさらに削減することができ、より組立作業を容易なものとすることができる。
上記した実施例では、手ぶれ補正機構40により撮像素子22が設けられた作動ステージ41が鏡胴ベース33に対して撮影光軸OAに直交するX−Y平面に沿って所定の範囲内で移動可能に保持されていたが、撮影光軸OAに対する位置が固定された固定部材に対して、撮像素子(撮像素子22)が設けられた可動部材が、撮影光軸OAに直交するX−Y平面に沿って移動可能に保持されているものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、作動ステージ41と鏡胴ベース33とが、作動ステージ41のX軸方向正側の外周面が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのX軸方向正側の内周面に押し当てられるとともに、作動ステージ41のY軸方向負側の外周面(そこに設けられた一対の緩衝部63)が一対の緩衝部63を介して窓穴33aのY軸方向負側の内周面に押し当てられる状態となると、板ばね66の凸部(第1傾斜部66aおよび第2傾斜部66b)が被押当部64の凹部(第1壁面64aおよび第2壁面64b)に嵌まる位置関係とされていたが、固定部材(鏡胴ベース33)に設けられた板ばね66を可動部材(作動ステージ41)に設けられた被押当部64に押し当てることにより、可動部材(作動ステージ41)の固定部材(鏡胴ベース33)に対する移動を規制する押当状態となるものであれば、例えば、作動ステージ41のY軸方向負側の外周面(そこに設けられた一対の緩衝部63)が窓穴33aのY軸方向負側の内周面と互いに接触することなく近接する状態となると、板ばね66の凸部が被押当部64の凹部に嵌まる位置関係とされていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、板ばね66の凸部を被押当部64の凹部に嵌め入れることにより、板ばね66と被押当部64とが押当状態となる構成とされていたが、固定部材(鏡胴ベース33)に設けられた板ばね66を可動部材(作動ステージ41)に設けられた被押当部64に押し当てることにより、可動部材(作動ステージ41)の固定部材(鏡胴ベース33)に対する移動を規制する押当状態となるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、弾性部材として鏡胴ベース33の窓穴33aに板ばね66が設けられていたが、撮影光軸OAに垂直な面(X−Y平面)と平行な方向へと弾性力を発揮することにより、被押当部64に押し当てられることで可動部材(作動ステージ41)の固定部材(鏡胴ベース33)に対する移動を規制すべく押当状態となるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、第1領域としての作動領域MA1が全体に矩形状とされているとともに、第2領域としての非作動領域MA2が矩形状とされて作動領域MA1のY軸方向負側に隣接されていたが、第1領域(作動領域MA1)と第2領域(非作動領域MA2)とは、固定部材(鏡胴ベース33)に対して可動部材(作動ステージ41)が移動可能とされた範囲(移動領域MA)の内方に設けられており、かつ第1領域(作動領域MA1)が被押当部(64)と弾性部材(66)とを干渉させることなく撮影光軸OAに対する撮像素子22の位置を変化させることができるものであり、ついで第2領域(非作動領域MA2)が被押当部(64)と弾性部材(66)とを押当状態とすべく被押当部(64)と弾性部材(66)との干渉を可能とするものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、撮像ユニット13を搭載するデジタルカメラ10について説明しているが、撮像素子が設けられた可動部材が固定部材に対して移動可能に支持されているものであり、その可動部材が駆動機構からの駆動力により移動されるものであれば、いわゆるPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置としての電子機器や画像入力装置としての電子機器であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。これは、上述した電子機器では、カメラ機能を組み込んだものが近年登場しており、そのような電子機器も外観は若干異にするもののデジタルカメラ10と実質的に全く同様の機能・構成を含んでいるものが多いことによる。
以上、本発明の撮影装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。