JP2013231694A - シリカの反応活性基量を求める方法及びその方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

シリカの反応活性基量を求める方法及びその方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】定量性に優れ、測定時間も比較的短いシリカの反応活性基量を求める方法及びその方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】固体高分解能29Si−NMRの測定モードDD/MASにおいて、UDEFT(uniform driven equilibrium Fourier transform)法で測定したシリカのスペクトルから、シリカの反応活性基量を求める方法に関する。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリカの反応活性基量を求める方法及びその方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、ゴム組成物の低発熱化や耐摩耗性改良などの目的でゴム組成物にシリカを配合することが知られており、シリカの分散性を向上するためにシランカップリング剤を配合することが行われている(例えば、特許文献1)。
シリカには、中性酸素4原子と結合したケイ素(Q4構造)、中性酸素3原子と水酸基1つに結合したケイ素(Q3構造)、中性酸素2原子と水酸基2つに結合したケイ素(Q2構造)、中性酸素1原子と水酸基3つに結合したケイ素(Q1構造)が存在する。これらの構造を解析する方法として、従来から、固体高分解能29Si−NMRが使用されている。
固体高分解能29Si−NMRは、一般的に、T緩和時間が長いため遅延時間(積算をするために待たなければいけない時間)を長く設定する必要があり、積算効率が悪いことが知られている。
固体高分解能29Si−NMRの測定方法(モード)としては、CP(Cross Polarization)/MAS(Magic Angle Spinning)法、DD(Dipolar Decoupling)/MAS(Magic Angle Spinning)法がよく知られている。
CP/MAS法は、プロトンの磁化をケイ素核(29Si)に移して測定するために、プロトンが近傍にないケイ素及び自由に運動できる構造のケイ素は測定されにくいという特徴があるが、一般に積算効率が良好である(遅延時間は10secでよい)。しかし、ピーク強度は、Hから29Siへの磁化移動に依存するため、分子運動、H−29Siの距離、コンタクトタイムなどの測定条件に大きく左右され、測定時間は短いものの定量性に問題がある。
これに対し、DD/MAS法は、ケイ素の化学構造により緩和時間(短い時間での繰り返しの積算では感度の相違として現れる)が大きく異なる一方、すべてのケイ素が測定されるという特徴があり、定量性に優れる。しかし、DD/MAS法のパルス列では、シリカの29SiT緩和時間が約60secなので遅延時間(Tの5倍必要)は約300secとなり、測定時間が非常に長いという問題がある。
特開2008−255212号公報
本発明は、前記課題を解決し、定量性に優れ、測定時間も比較的短いシリカの反応活性基量を求める方法及びその方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、固体高分解能29Si−NMRの測定モードDD/MASにおいて、UDEFT(uniform driven equilibrium Fourier transform)法で測定したシリカのスペクトルから、シリカの反応活性基量を求める方法に関する。
上記固体高分解能29Si−NMRの測定条件が、さらに90°パルス幅が3〜8μs、遅延時間が5〜60secであることが好ましい。
上記スペクトルの帰属から、−85〜−95ppm付近にピークをもつQ2構造、−96〜−103ppm付近にピークをもつQ3構造及び−104〜−123ppm付近にピークをもつQ4構造のピーク面積を、それぞれ、SQ2、SQ3及びSQ4とし、式(I):
反応活性基量=(SQ2+SQ3)/(SQ2+SQ3+SQ4)×100
により、シリカの反応活性基量を求めることが好ましい。
本発明はまた、シリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物において、上記方法を用いて、シリカ原料の反応活性基量及び該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量を求め、式(II):
シリカの反応量=シリカ原料の反応活性基量−該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量
により算出したシリカの反応量が6以上であるゴム組成物に関する。
上記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜120質量部、シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を1〜15質量部含むことが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した部材を有する空気入りタイヤに関する。
上記部材がトレッドであることが好ましい。
本発明によれば、固体高分解能29Si−NMRの測定モードDD/MASにおいて、UDEFT(uniform driven equilibrium Fourier transform)法で測定したシリカのスペクトルから、シリカの反応活性基量を求める方法であるので、比較的短い測定時間で、シリカの反応活性基量を定量性よく求めることができる。
そして、この方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物は、低燃費性に非常に優れ、該ゴム組成物をタイヤに用いることにより、低燃費性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
シリカ粒子を模式的に示した図である。 実施例1の固体高分解能29Si−NMRのスペクトルを示す図である。 実施例1の固体高分解能29Si−NMRのスペクトルを示す図である。 比較例1の固体高分解能29Si−NMRのスペクトルを示す図である。 比較例2の固体高分解能29Si−NMRのスペクトルを示す図である。 実施例2におけるシリカの反応量と、tanδの関係を示す図である。
本発明のシリカの反応活性基量を求める方法は、固体高分解能29Si−NMRの測定モードDD/MASにおいて、UDEFT(uniform driven equilibrium Fourier transform)法で測定したシリカのスペクトルから、シリカの反応活性基量を求める方法である。なお、本発明の方法により、シリカそのもの(原料シリカ)を分析してもよく、シリカを含むゴム組成物、すなわち、ゴム組成物中のシリカを分析してもよい。
上述のように、シリカには、中性酸素4原子と結合したケイ素(Q4構造)、中性酸素3原子と水酸基1つに結合したケイ素(Q3構造)、中性酸素2原子と水酸基2つに結合したケイ素(Q2構造)、中性酸素1原子と水酸基3つに結合したケイ素(Q1構造)が存在する。本発明において、シリカの反応活性基とは、水酸基が結合したケイ素を意味し、具体的には、Q1構造、Q2構造、及びQ3構造のケイ素を意味する。また、本発明において、反応活性基量とは、全ケイ素原子のうち、水酸基が結合したケイ素原子の割合を意味し、具体的には、全ケイ素原子のうち、Q1構造、Q2構造、及びQ3構造のケイ素原子の割合(合計割合)を意味する。なお、通常、シリカには、図1のように、Q1構造はほとんど存在しないため、実質的に、反応活性基量は、Q2構造、Q3構造、及びQ4構造の全ケイ素原子のうち、Q2構造及びQ3構造のケイ素原子の割合(合計割合)を意味する。
本発明では、固体高分解能29Si−NMRの測定モードがDD/MASで、パルス列がUDEFT法の測定条件でシリカを測定するため、遅延時間が例えば30sec(通常のDD/MAS法の10倍の積算効率、すなわち、短い測定時間)であっても、シリカの反応活性基量を定量性よく求めることができる。
固体高分解能29Si−NMRの測定条件は、例えば、以下のように設定できる。
(固体高分解能29Si−NMR測定条件)
装置 Bruker社製Avance 400
使用プローブ Bruker社製7mm MAS BB WB WVTプローブ
29Si共鳴周波数 79.491MHz
MAS回転速度 5kHz(±1Hz)
測定モード DD/MAS
パルス列 UDEFT
90°パルス幅 6μs
遅延時間 30sec
観測温度 300K(室温)
外部基準物質 シリコーンゴム(化学シフト値は−22.3ppm)
ここで、UDEFT法について説明する。UDEFT法は、シングルパルスで原子核の磁荷を倒した後、T緩和により、磁荷が元に戻るのを待たず、フリップバックパルスを用いて、磁荷を強制的に元に戻す手法である。ケイ素核(29Si)のようなT緩和が長い核の測定の待ち時間を短くでき、積算効率を向上できる。また、定量性も信頼できる手法である。
なお、UDEFT法についての詳細は、Piotto,M.Magn.Reson.Chem.2006,44,943.に記載されている。
また、90°パルス幅は、全化学シフト領域を均一に励起するという理由から、3〜8μsが好ましく、4〜6μsがより好ましい。
また、遅延時間は、RF磁場の不均一性やパルス幅の不完全性という理由から、5〜60secが好ましく、10〜30secがより好ましい。
上述のように、シリカには、中性酸素4原子と結合したケイ素(Q4構造)、中性酸素3原子と水酸基1つに結合したケイ素(Q3構造)、中性酸素2原子と水酸基2つに結合したケイ素(Q2構造)、中性酸素1原子と水酸基3つに結合したケイ素(Q1構造)が存在する。
上記測定条件で、固体高分解能29Si−NMRによりシリカを分析すると、典型的には図2に示すようなスペクトルが得られる。図2に示すスペクトルにおいて、Q2構造は−85〜−95ppm付近にピークを有し、Q3構造は−96〜−103ppm付近にピークを有し、Q4構造は−104〜−123ppm付近にピーク有する。また、Q1構造は、ほとんど存在しないために、図2に示すスペクトルではQ1構造のピークが検出されていないが、Q1構造は−70〜−84ppm付近にピークを有する。
なお、固体高分解能29Si−NMRにより、シリカではなく、シリカを含むゴム組成物、すなわち、ゴム組成物中のシリカを分析した場合も、図2と同様のスペクトルが得られる。なお、シリカを含むゴム組成物を測定する場合には、未加硫ゴム組成物を測定しても、加硫ゴム組成物を測定してもよい。
本発明では、上記測定条件で、固体高分解能29Si−NMRによりシリカを分析し、得られたスペクトルに現れた各構造のピークを波形処理によって分離(例えば、図3のように分離)し、各ピークの積分面積(積分強度値)を算出する。Q2構造、Q3構造及びQ4構造のピーク面積を、それぞれ、SQ2、SQ3及びSQ4とすると、シリカの反応活性基量は、
式(I):反応活性基量=(SQ2+SQ3)/(SQ2+SQ3+SQ4)×100
により求めることができる。
各ピークの積分面積に基づいて上記式(I)により反応活性基量を求めることにより、シリカの反応活性基量をより定量性よく求めることができる。
なお、上述の説明では、Q1構造はほとんど存在しないために、Q1構造のピーク面積SQ1を考慮しなかったが、Q1構造を比較的多く含むシリカを分析する場合には、上述の式(I)を、
式(I):反応活性基量=(SQ1+SQ2+SQ3)/(SQ1+SQ2+SQ3+SQ4)×100
とすればよい。
また、上述の説明では、スペクトル上に現れた各構造のピークを波形分離によって分離し、各ピークの積分面積を算出して反応活性基量を求める場合について説明したが、本発明では、スペクトルを解析する方法は特に限定されず、例えば、各構造のピークの高さを算出し、各構造のピークの高さに基づいて反応活性基量を求めることとしてもよい。
本発明では、上述の方法により、比較的短い測定時間で、シリカの反応活性基量を定量性よく求めることができる。
そして、上述の方法により、シリカ原料の反応活性基量及び該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量を求め、式(II):
シリカの反応量=シリカ原料の反応活性基量−該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量
によりシリカの反応量を算出できる。この算出したシリカの反応量に基づいて、シリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物の配合、混練方法、加硫方法の最適条件を決定することができ、本発明のシリカの反応活性基量を求める方法は、有効な分析手法となる。
そして、この方法を用いてシリカの反応量を規定したゴム組成物は、低燃費性に非常に優れる。
具体的には、本発明のゴム組成物は、シリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物において、上述の方法を用いて、シリカ原料の反応活性基量及び該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量を求め、式(II):
シリカの反応量=シリカ原料の反応活性基量−該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量
により算出したシリカの反応量が6以上である。
上述の方法により、シリカ原料の反応活性基量及び該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量を求め、その差である(式(II)により算出した値である)シリカの反応量を6以上、好ましくは6.5以上、より好ましくは6.8以上とすることにより、低燃費性に非常に優れたゴム組成物が得られる。
本発明において、使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴム(イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)など)が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。シリカの含有量は、特に限定されないが、低燃費性に優れたゴム組成物が得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5〜120質量部、より好ましくは30〜90質量部である。
本発明では、補強用充填剤として、シリカ以外にも、カーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ等を使用してもよい。補強用充填剤の合計含有量は、特に限定されないが、低燃費性に優れたゴム組成物が得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは30〜90質量部である。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。シランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、低燃費性に優れたゴム組成物が得られるという理由から、シリカ100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは3〜12質量部である。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォールなどに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材(特に、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、下記の条件で、固体高分解能29Si−NMRによりシリカ(シリカ原料)(エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3)を分析した。得られたスペクトルを図3に示した。Q1構造のピークは、検出限界以下の強度しかないため観測できなかった。得られたスペクトルに現れた各構造のピークを波形処理によって分離し、各ピークの積分面積を算出した。Q2構造、Q3構造及びQ4構造のピーク面積を、それぞれ、SQ2、SQ3及びSQ4とし、
式(I):反応活性基量=(SQ2+SQ3)/(SQ2+SQ3+SQ4)×100
により、シリカの反応活性基量を求めた。
Q2構造、Q3構造、及びQ4構造の全ケイ素原子数を100としたときの、各構造(Q2構造、Q3構造、Q4構造)のケイ素原子の数と共に、シリカの反応活性基量を表1に示した。
(固体高分解能29Si−NMR測定条件(UDEFT法))
装置 Bruker社製Avance 400
使用プローブ Bruker社製7mm MAS BB WB WVTプローブ
29Si共鳴周波数 79.491MHz
MAS回転速度 5kHz(±1Hz)
測定モード DD/MAS
パルス列 UDEFT
90°パルス幅 6μs
遅延時間 30sec
観測温度 300K(室温)
外部基準物質 シリコーンゴム(化学シフト値は−22.3ppm)
(比較例1)
従来から行われている通常のDD/MAS法(測定条件は、以下に示す)で、固体高分解能29Si−NMRによりシリカ(シリカ原料)(エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3)を分析した。得られたスペクトルを図4に示した。Q1構造のピークは、検出限界以下の強度しかないため観測できなかった。そして、実施例1と同様の方法により、シリカの反応活性基量を求め、Q2構造、Q3構造、及びQ4構造の全ケイ素原子数を100としたときの、各構造(Q2構造、Q3構造、Q4構造)のケイ素原子の数と共に、シリカの反応活性基量を表1に示した。
(固体高分解能29Si−NMR測定条件(通常のDD/MAS法))
装置 Bruker社製Avance 400
使用プローブ Bruker社製7mm MAS BB WB WVTプローブ
29Si共鳴周波数 79.491MHz
MAS回転速度 5kHz(±1Hz)
測定モード DD/MAS
パルス列 ハイパワーデカップル付シングルパルス
パルス幅 6μs
遅延時間 300sec
観測温度 300K(室温)
外部基準物質 シリコーンゴム(化学シフト値は−22.3ppm)
(比較例2)
従来から行われているCP/MAS法(測定条件は、以下に示す)で、固体高分解能29Si−NMRによりシリカ(シリカ原料)(エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3)を分析した。得られたスペクトルを図5に示した。Q1構造のピークは、検出限界以下の強度しかないため観測できなかった。そして、実施例1と同様の方法により、シリカの反応活性基量を求め、Q2構造、Q3構造、及びQ4構造の全ケイ素原子数を100としたときの、各構造(Q2構造、Q3構造、Q4構造)のケイ素原子の数と共に、シリカの反応活性基量を表1に示した。
(固体高分解能29Si−NMR測定条件(CP/MAS法))
装置 Bruker社製Avance 400
使用プローブ Bruker社製7mm MAS BB WB WVTプローブ
29Si共鳴周波数 79.491MHz
MAS回転速度 5kHz(±1Hz)
測定モード CP/MAS
パルス列 ハイパワーデカップル付交差分極(CP)パルス
パルス幅 6μs
遅延時間 10sec
観測温度 300K(室温)
外部基準物質 シリコーンゴム(化学シフト値は−22.3ppm)
Figure 2013231694
表1より、本発明のシリカの反応活性基量を求める方法(UDEFT法)によりシリカを分析した結果は、従来から定量に用いられている通常のDD/MAS法によりシリカを分析した結果とほぼ同一の結果が得られた。このことから、本発明のシリカの反応活性基量を求める方法は、定量性に問題がないことが裏付けられた。また、本発明のシリカの反応活性基量を求める方法では、通常のDD/MAS法よりも測定時間を飛躍的に短縮できた。一方、CP/MAS法では、測定時間は短いものの定量性に問題がある結果となった。このように、本発明のシリカの反応活性基量を求める方法(UDEFT法)では、通常のDD/MAS法よりも測定時間を飛躍的に短縮しても、シリカの反応活性基量を定量性よく求めることができた。
以下、実施例2で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR150B
SBR:日本ゼオン(株)製のNS116(N−メチルピロヒドリンで末端が変性された溶液重合SBR、スチレン含量:21質量%。Tg:−25℃)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
オイル:出光興産(株)製のPS−32
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
(実施例2)
ゴム成分(NR25質量部、BR30質量部、SBR45質量部)100質量部に対して、シリカ50質量部、シランカップリング剤6質量部、ステアリン酸2.2質量部、酸化亜鉛3.35質量部、オイル28量部、老化防止剤2質量部、及びワックス2.5質量部を混練り配合し、混練物を得た(ベース練り工程)。次に、この混練物に、硫黄1.5質量部及び加硫促進剤1.5質量部を混練り配合し、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム組成物を得た。
なお、ベース練り工程において、X練、Y練、Z練の3段階の練り工程により混練を行い、シリカの反応量が異なる加硫ゴム組成物を得るために、酸化亜鉛とシランカップリング剤を投入するタイミングを変えると共に、硫黄を投入するタイミングも変えて、4種類の加硫ゴム組成物1〜4を得た。4種類の加硫ゴム組成物の酸化亜鉛、シランカップリング剤、硫黄を投入するタイミングを表2にまとめた。なお、酸化亜鉛、シランカップリング剤以外のベース練り工程で混練される薬品は全てX練から混練した。
Figure 2013231694
加硫ゴム組成物1〜4を、実施例1と同様の条件で、固体高分解能29Si−NMRにより分析を行い、加硫ゴム組成物1〜4中のシリカの反応活性基量を測定した。
そして、実施例1で測定したシリカ原料の反応活性基量、実施例2で測定した加硫ゴム組成物1〜4中のシリカの反応活性基量に基づいて、
式(II):シリカの反応量=シリカ原料の反応活性基量−該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量
により、シリカの反応量を算出した。
算出したシリカの反応量、シリカ原料の反応活性基量、加硫ゴム組成物1〜4中のシリカの反応活性基量を表3にまとめた。
また、加硫ゴム組成物1〜4について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度60℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、tanδを測定した。tanδが小さいほど、低燃費性に優れることを示す。結果を表3に示した。
Figure 2013231694
シリカ原料と比較して、全ての加硫ゴム組成物において、シリカの反応活性基量が減少していた。これにより、シリカが反応したことがわかる。シリカの反応量と、tanδの関係を分かりやすくするために、実施例2におけるシリカの反応量と、tanδの関係を図6に示した。図6より、シリカの反応量が大きいほど、tanδが小さくなる傾向が見られた。シリカの反応量が6未満であると、tanδが急激に大きくなり、低燃費性が悪化する傾向が見られた。

Claims (7)

  1. 固体高分解能29Si−NMRの測定モードDD/MASにおいて、UDEFT(uniform driven equilibrium Fourier transform)法で測定したシリカのスペクトルから、シリカの反応活性基量を求める方法。
  2. 前記固体高分解能29Si−NMRの測定条件が、さらに90°パルス幅が3〜8μs、遅延時間が5〜60secである請求項1記載のシリカの反応活性基量を求める方法。
  3. 前記スペクトルの帰属から、−85〜−95ppm付近にピークをもつQ2構造、−96〜−103ppm付近にピークをもつQ3構造及び−104〜−123ppm付近にピークをもつQ4構造のピーク面積を、それぞれ、SQ2、SQ3及びSQ4とし、式(I):
    反応活性基量=(SQ2+SQ3)/(SQ2+SQ3+SQ4)×100
    により、シリカの反応活性基量を求める請求項1又は2記載のシリカの反応活性基量を求める方法。
  4. シリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物において、請求項1〜3のいずれかに記載の方法を用いて、シリカ原料の反応活性基量及び該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量を求め、式(II):
    シリカの反応量=シリカ原料の反応活性基量−該シリカを配合したゴム組成物中のシリカの反応活性基量
    により算出したシリカの反応量が6以上であるゴム組成物。
  5. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜120質量部、シリカ100質量部に対して、シランカップリング剤を1〜15質量部含む請求項4記載のゴム組成物。
  6. 請求項4又は5記載のゴム組成物を用いて作製した部材を有する空気入りタイヤ。
  7. 前記部材がトレッドである請求項6記載の空気入りタイヤ。
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