JP2016150955A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】2種類以上のゴムを含むゴム成分100質量部に対して、補強剤を40〜100質量部含有するゴム組成物の製造方法であって、前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の前記補強剤を混練するベース練り工程1と、前記ベース練り工程1により得られた混練物、前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの前記補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、前記最もムーニー粘度が高いゴムと、前記最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差が5以上であり、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、前記ゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)が−20〜20質量%であるゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】2種類以上のゴムを含むゴム成分100質量部に対して、補強剤を40〜100質量部含有するゴム組成物の製造方法であって、前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の前記補強剤を混練するベース練り工程1と、前記ベース練り工程1により得られた混練物、前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの前記補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、前記最もムーニー粘度が高いゴムと、前記最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差が5以上であり、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、前記ゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)が−20〜20質量%であるゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物の製造方法に関する。
タイヤ用トレッド配合の原料ゴムとして、従来は天然ゴム等の単一のゴムが用いられてきたが、耐摩耗性やウェットグリップ性能等のタイヤ要求性能を満たすために、2種類以上のゴムがブレンドして用いられるようになった。
しかし、2種類以上のゴムをブレンドして用いた場合、加工性が悪化するという問題があった。また同時に、タイヤ性能(特に耐摩耗性)が悪化するという問題も生じていた。
本発明は、上記課題を解決し、加工性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特に粘度差がある2種類以上の原料ゴムをブレンドして混練する場合、低粘度側の原料ゴムが混練時の温度上昇により、高粘度側原料ゴムよりも先に流動化を開始して、カーボンブラックやシリカ等の補強剤を優先的に吸着するため、上記問題が生じることを見出した。更に、本発明者は、高粘度側の原料ゴムと、一部の補強剤との混練物を先に作成した後に、その混練物と、低粘度側の原料ゴムと、残りの補強剤とを添加することで、各々の原料ゴム中に配合される補強剤の偏在を防止でき、加工性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を製造できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2種類以上のゴムを含むゴム成分100質量部に対して、補強剤を40〜100質量部含有するゴム組成物の製造方法であって、上記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の上記補強剤を混練するベース練り工程1と、上記ベース練り工程1により得られた混練物、上記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの上記補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、上記最もムーニー粘度が高いゴムと、上記最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差が5以上であり、上記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、上記ゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)が−20〜20質量%であるゴム組成物の製造方法に関する。
すなわち、本発明は、2種類以上のゴムを含むゴム成分100質量部に対して、補強剤を40〜100質量部含有するゴム組成物の製造方法であって、上記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の上記補強剤を混練するベース練り工程1と、上記ベース練り工程1により得られた混練物、上記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの上記補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、上記最もムーニー粘度が高いゴムと、上記最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差が5以上であり、上記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、上記ゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)が−20〜20質量%であるゴム組成物の製造方法に関する。
上記補強剤が、平均粒径10〜35nmのカーボンブラック、及び/又は、窒素吸着比表面積(N2SA)40〜240m2/gのシリカであることが好ましい。
上記製造方法が、タイヤ用トレッドゴム組成物の製造方法であることが好ましい。
本発明は、2種類以上のゴムを含むゴム成分と、所定量の補強剤とを含有するゴム組成物の製造方法であって、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の補強剤を混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、工程1で混練されるゴム量と補強剤量の差が特定の範囲であるゴム組成物の製造方法であるので、加工性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を製造できる。
本発明は、2種類以上のゴムを含むゴム成分と、所定量の補強剤とを含有するゴム組成物の製造方法であって、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の補強剤を混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、工程1で混練されるゴム量と補強剤量の差が特定の範囲である。
すなわち、本発明では、最もムーニー粘度が高いゴムと、補強剤の少なくとも一部との混練物を先に作成した後に、その混練物と、最もムーニー粘度が低いゴムと、残りの補強剤とを添加、混合することで、各々の原料ゴム中に配合される補強剤の偏在を防止でき、加工性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物を製造できる。更に、本発明の製造方法により最終的に得られるゴム組成物(以下においては、単に最終的に得られるゴム組成物ともいう)に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、最終的に得られるゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)を特定の範囲内とすることにより、各々の原料ゴム中に配合される補強剤の偏在を更に防止でき、加工性及び耐摩耗性に非常に優れたゴム組成物を製造できる。
なお、本発明におけるムーニー粘度とは、特に他の記載が無い限り、JIS K 6300に準拠して100℃で測定したムーニー粘度(ML1+4、100℃)である。
<ベース練り工程1>
ベース練り工程1では、2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の補強剤が混練される。
ベース練り工程1の混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの公知の混練機を用いて混合すればよい。なお、以下に述べる練り工程でも同様の混練方法を使用できる。また、混練温度、混練時間としては特に限定されず、適宜設定すればよい。
ベース練り工程1では、2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の補強剤が混練される。
ベース練り工程1の混練方法としては特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの公知の混練機を用いて混合すればよい。なお、以下に述べる練り工程でも同様の混練方法を使用できる。また、混練温度、混練時間としては特に限定されず、適宜設定すればよい。
本発明では、最終的に得られるゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、最終的に得られるゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)は−20〜20質量%である。また、差(b−a)は、−10〜10質量%が好ましく、−5〜5質量%がより好ましい。−20質量%未満であると、低粘度側のゴムへの補強剤の偏在が生じ、加工性、耐摩耗性が低下する。一方、20質量%を超えると、配合物の粘度が上昇するため、混練及び押出を含む次工程における加工性が悪化する。また、補強剤に対するゴム量が少ないため補強剤が凝集してゲル状となり、次の練工程での補強剤のゴム成分への分散が悪化して耐摩耗性が低下する。
最終的に得られるゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)は、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜80質量%である。該ゴム量(a)を上記範囲内とすることにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ベース練り工程1では、最終的に得られるゴム組成物に含まれるゴム成分のうち、最もムーニー粘度が高いゴムを混練するが、その他のゴムを共に混練してもよい。ただし、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、ベース練り工程1で混練されるゴム量(a)100質量%中、最もムーニー粘度が高いゴムの割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
最終的に得られるゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)は、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは55〜80質量%、更に好ましくは60〜75質量%である。該補強剤量(b)を上記範囲内とすることにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ベース練り工程1では、上記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル等の軟化剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックスなどが必要に応じて適宜添加、混練されてもよい。
<ベース練り工程2>
ベース練り工程2では、ベース練り工程1により得られた混練物、2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの補強剤が混練される。
ベース練り工程2では、ベース練り工程1により得られた混練物、2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの補強剤が混練される。
残りの補強剤とは、最終的に得られるゴム組成物に配合される全補強剤のうち、ベース練り工程1で配合した補強剤を除いた補強剤を意味する。
ベース練り工程2における混練温度、混練時間は特に限定されず、適宜設定すればよい。
最終的に得られるゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程2で混練されるゴム量(c)は、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%である。該ゴム量(c)を上記範囲内とすることにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ベース練り工程2では、最終的に得られるゴム組成物に含まれるゴム成分のうち、最もムーニー粘度が低いゴムを混練するが、その他のゴムを共に混練してもよい。ただし、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、ベース練り工程2で混練されるゴム量(c)100質量%中、最もムーニー粘度が低いゴムの割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
最終的に得られるゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程2で混練される補強剤量(d)は、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%、更に好ましくは25〜40質量%である。該補強剤量(d)を上記範囲内とすることにより、本発明の効果がより好適に得られる。
ベース練り工程2では、上記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル等の軟化剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、各種老化防止剤、オゾン劣化防止剤、ワックスなどが必要に応じて適宜添加、混練されてもよい。
次に、ベース練り工程1、2で用いられる各成分の説明を行う。
本発明では、最終的に得られるゴム組成物に含まれる2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴムと、最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差は、5以上であり、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。ムーニー粘度の差が大きい方が、補強材の偏在が起こりやすいため、本発明の効果がより好適に発揮される。また、ムーニー粘度の差の上限は、特に限定されないが、120以下であってもよい。
最もムーニー粘度が高いゴムのムーニー粘度は、特に限定されないが、好ましくは55以上、より好ましくは60以上であり、150以下であってもよい。
また、最もムーニー粘度が低いゴムのムーニー粘度は、特に限定されないが、好ましくは55未満、より好ましくは50未満、更に好ましくは45未満であり、20以上であってもよい。
上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
また、最もムーニー粘度が低いゴムのムーニー粘度は、特に限定されないが、好ましくは55未満、より好ましくは50未満、更に好ましくは45未満であり、20以上であってもよい。
上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
上記ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。なかでも、トレッドに用いられ、耐摩耗性に優れるという理由から、SBR、BRが好ましく、SBR及びBRを併用することがより好ましい。特に、最もムーニー粘度が高いゴムとして、SBRを使用し、最もムーニー粘度が低いゴムとして、BRを使用することが好適である。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
また、SBRとしては、シリカやカーボンブラック等の補強剤と結合でき、加工性、耐摩耗性を改善できるという理由から、特開2010−111753号公報に記載されている下記式(I)で表される化合物で変性されたものを好適に使用できる。
R11、R12及びR13としては、少なくとも1つが炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましく、R14及びR15としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。これにより、優れた加工性、耐摩耗性が得られる。
上記式(I)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(I)で表される化合物(変性剤)によるスチレンブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報、特表2003−514078号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を使用できる。例えば、スチレンブタジエンゴムと変性剤とを接触させることで変性でき、具体的には、アニオン重合によるスチレンブタジエンゴムの調製後、該ゴム溶液中に変性剤を所定量添加し、スチレンブタジエンゴムの重合末端(活性末端)と変性剤とを反応させる方法などが挙げられる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満であると、ウェットグリップ性能、加工性が悪化するおそれがある。また、該スチレン含有量は、好ましくは45質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。45質量部を超えると、低温特製、耐摩耗性が悪化してしまう傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H1−NMR測定により算出される。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H1−NMR測定により算出される。
BRとしては、特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
上記補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができるが、なかでも、カーボンブラック及び/又はシリカが好ましく、カーボンブラック及びシリカを併用することがより好ましい。
カーボンブラックの平均粒径は、好ましくは10nm〜35nm、より好ましくは13nm〜30nmである。35nmを超えると、カーボンブラックの補強効果が不充分となり、良好な耐摩耗性が得られないおそれがある。10nm未満ではカーボンブラックの分散性が低下し、ゴム組成物の加工性、発熱性が増大してしまう傾向がある。
なお、本発明において平均粒径は数平均粒径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
なお、本発明において平均粒径は数平均粒径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は30m2/g以上が好ましく、50m2/g以上がより好ましく、70m2/g以上が更に好ましい。30m2/g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。該N2SAは、150m2/g以下が好ましく、120m2/g以下がより好ましく、100m2/g以下が更に好ましい。150m2/gを超えると、分散性が悪く、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましく、100ml/100g以上が更に好ましい。50ml/100g未満では、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、170ml/100g以下がより好ましく、140ml/100g以下が更に好ましい。200ml/100gを超えると、分散性が悪く、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
シリカとしては、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水ケイ酸)、湿式法により調製されたシリカ(含水ケイ酸)などを用いることができる。表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカを用いることが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは40m2/g以上、より好ましくは100m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上である。シリカのN2SAが40m2/g未満では、シリカの補強効果が不充分となるおそれがある。シリカのN2SAは、好ましくは240m2/g以下、より好ましくは220m2/g以下である。シリカのN2SAが240m2/gを超えると、シリカの分散性が低下し、ゴム組成物の発熱性が増大してしまう傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
<仕上げ練り工程>
本発明では、さらに、ベース練り工程2により得られた混練物、加硫剤及び加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程を行い、その後加硫工程を行うこと、等により、加硫ゴム組成物を得ることができる。仕上げ練り工程は、混練機を用いて、ベース練り工程2により得られた混練物、加硫剤及び加硫促進剤などを混練りする方法等で実施でき、加硫工程は、仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物に公知の加硫手段を適用することで実施できる。
本発明では、さらに、ベース練り工程2により得られた混練物、加硫剤及び加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程を行い、その後加硫工程を行うこと、等により、加硫ゴム組成物を得ることができる。仕上げ練り工程は、混練機を用いて、ベース練り工程2により得られた混練物、加硫剤及び加硫促進剤などを混練りする方法等で実施でき、加硫工程は、仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物に公知の加硫手段を適用することで実施できる。
以下において、上記製法により得られるゴム組成物について説明する。
上記製法により得られるゴム組成物は、ゴム成分100質量%中の最もムーニー粘度が高いゴム(好ましくはSBR)の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。また、最もムーニー粘度が高いゴム(好ましくはSBR)の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、より良好な加工性及び耐摩耗性が得られる。
上記製法により得られるゴム組成物は、ゴム成分100質量%中の最もムーニー粘度が高いゴム(好ましくはSBR)の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。また、最もムーニー粘度が高いゴム(好ましくはSBR)の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、より良好な加工性及び耐摩耗性が得られる。
ゴム成分100質量%中の最もムーニー粘度が低いゴム(好ましくはBR)の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、最もムーニー粘度が低いゴム(好ましくはBR)の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%を超えると、ゴム強度が低下し、本発明のゴム組成物をトレッドに用いた場合に、チップカットが発生するおそれがある。
ゴム成分100質量部に対して、補強剤の含有量は、40質量部以上であり、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましい。40質量部未満であると、充分な補強性が得られず、耐摩耗性が低下する傾向にある。
また、該含有量は、100質量部以下であり、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。100質量部を超えると、加工性が悪化する傾向にある。
また、該含有量は、100質量部以下であり、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましい。100質量部を超えると、加工性が悪化する傾向にある。
ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックの含有量は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましい。また、該含有量は、20質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
ゴム成分100質量部に対して、シリカの含有量は、10質量部以上が好ましい。また、該含有量は、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
以上の製法により得られるゴム組成物は、トレッド、サイドウォール、クリンチエイペックス等のタイヤの各部材、その他ゴムクローラ、ゴム防舷材等に好適に使用でき、なかでも、タイヤのトレッドにより好適に使用できる。
上記ゴム組成物を用いて、空気入りタイヤを通常の方法で製造できる。すなわち、上記成分を配合して得られた未加硫ゴム組成物をタイヤ部材(特に、トレッド)の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成できる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得ることができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
ゴムA(ムーニー粘度65):JSR(株)製の変性SBR(変性S−SBR(式(I)で表される化合物(R11=メトキシ基、R12=メトキシ基、R13=メトキシ基、R14=エチル基、R15=エチル基、n=3)により末端が変性されたS−SBR、スチレン含量:25質量%)
ゴムB(ムーニー粘度40):宇部興産(株)製のBR150B(BR)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックI(N339、N2SA:88m2/g、DBP:121ml/100g、平均粒径:25nm)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニップシールAQ(N2SA:190m2/g)
オイル:H&R社製のVIVATEC500
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
ゴムA(ムーニー粘度65):JSR(株)製の変性SBR(変性S−SBR(式(I)で表される化合物(R11=メトキシ基、R12=メトキシ基、R13=メトキシ基、R14=エチル基、R15=エチル基、n=3)により末端が変性されたS−SBR、スチレン含量:25質量%)
ゴムB(ムーニー粘度40):宇部興産(株)製のBR150B(BR)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックI(N339、N2SA:88m2/g、DBP:121ml/100g、平均粒径:25nm)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニップシールAQ(N2SA:190m2/g)
オイル:H&R社製のVIVATEC500
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、各薬品を(株)神戸製鋼製の密閉型ミキサーBB270型に充填し、混練した(ベース練り工程1)。得られた混練物に、表1に示す配合処方に従って各薬品を充填し、混練した(ベース練り工程2)。次いで、得られた混練物に対して、オープンロールを用いて硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
表1に示す配合内容に従い、各薬品を(株)神戸製鋼製の密閉型ミキサーBB270型に充填し、混練した(ベース練り工程1)。得られた混練物に、表1に示す配合処方に従って各薬品を充填し、混練した(ベース練り工程2)。次いで、得られた混練物に対して、オープンロールを用いて硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られたゴム組成物について下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(ムーニー粘度指数)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠したムーニー粘度を130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K 6300に準拠したムーニー粘度を130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
(耐摩耗性指数(ピコ摩耗試験法))
トレッド用ゴム組成物を加硫成形して、トップハット型で研磨面が直径31.75mmの円盤状の試料を作製した。グラインダーおよび回転テーブルを備えた試験機に試料を取り付けて摩耗試験を行い、耐摩耗性指数を求めた。比較例1の値を100とした場合の指数で算出した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
トレッド用ゴム組成物を加硫成形して、トップハット型で研磨面が直径31.75mmの円盤状の試料を作製した。グラインダーおよび回転テーブルを備えた試験機に試料を取り付けて摩耗試験を行い、耐摩耗性指数を求めた。比較例1の値を100とした場合の指数で算出した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
表1より、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の補強剤を混練するベース練り工程1と、ベース練り工程1により得られた混練物、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、工程1で混練されるゴム量と補強剤量の差が特定の範囲である製造方法により得られた実施例のゴム組成物は、加工性(ムーニー粘度指数)や耐摩耗性に優れることがわかった。一方、ベース練り工程1で補強剤を混練しない比較例1や、多量の補強剤を配合し、工程1で混練されるゴム量と補強剤量の差が特定の範囲外である比較例2のゴム組成物は、性能が劣ることがわかった。
Claims (3)
- 2種類以上のゴムを含むゴム成分100質量部に対して、補強剤を40〜100質量部含有するゴム組成物の製造方法であって、
前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が高いゴム、及び一部の前記補強剤を混練するベース練り工程1と、
前記ベース練り工程1により得られた混練物、前記2種類以上のゴムのうち、最もムーニー粘度が低いゴム、及び残りの前記補強剤を混練するベース練り工程2とを含み、
前記最もムーニー粘度が高いゴムと、前記最もムーニー粘度が低いゴムとのムーニー粘度の差が5以上であり、
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%に占めるベース練り工程1で混練されるゴム量(a)と、前記ゴム組成物に含まれる全補強剤100質量%に占めるベース練り工程1で混練される補強剤量(b)との差(b−a)が−20〜20質量%であるゴム組成物の製造方法。 - 前記補強剤が、平均粒径10〜35nmのカーボンブラック、及び/又は、窒素吸着比表面積(N2SA)40〜240m2/gのシリカである請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
- タイヤ用トレッドゴム組成物の製造方法である請求項1又は2記載のゴム組成物の製造方法。
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JP2020002205A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物の製造方法 |
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2015
- 2015-02-16 JP JP2015027723A patent/JP2016150955A/ja active Pending
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JP7119639B2 (ja) | 2018-06-26 | 2022-08-17 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物の製造方法 |
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