JP2013231153A - 光重合性組成物及びこれを重合した光制御フィルム - Google Patents

光重合性組成物及びこれを重合した光制御フィルム Download PDF

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【課題】
フィルムを形成した際に高い光学特性を有し、且つ、組成物として取扱いに優れる光重合性組成物を提供すること。
【解決手段】
(イ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマー100質量部に対して、(ロ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマー:1〜85質量部、(ハ)バインダー:1〜100質量部、及び(ニ)光重合性開始剤を含み、
且つ、バインダーが分子内に反応性炭素−炭素二重結合を有するマクロモノマーである、
光重合性組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、光制御フィルムを製造するための光重合性組成物及び当該組成物を重合させて得た光制御フィルムに関する。
高分子材料は、選択できる材料の種類が豊富であり、かつ高分子材料によって製造した成形体に多様な機能を付与することができる。このため、近年、高分子材料を使用して製造されたフィルム状の成形体が、光制御フィルムとして光学用途で盛んに使用されている。
例えば、高分子材料で形成され内部に一次元あるいは二次元の微細構造を有するフィルム状の成形体を、光制御フィルムとして利用することが提案されている。このような成形体として、透明な高分子マトリックス中に、当該マトリックスと屈折率が異なる複数の柱状あるいは板状の構造体が形成されたフィルム状の成形体(図1)が知られている(特許文献1〜3参照)。
これらの光制御フィルムでは、複数の構造体が、フィルム状の成形体内で特定の方向に配向されており、構造体の配向方向に平行に入射した光が最も強く散乱され、配向方向に対する入射角が大きくなるにつれ散乱強度が低下する。すなわち、散乱強度が入射角依存性を有する光学的特性を備えている。
このような散乱強度に入射角依存性を有する特徴を生かして、光制御フィルムをプロジェクションスクリーン等に適用することが特許文献4で提案されている。当該文献には、このような光制御フィルムを得るために、それぞれ分子内に重合性の炭素―炭素二重結合を有し、互いに屈折率の異なる少なくとも2種類の化合物を含有する光重合性組成物を原料として用い、この組成物に所定の方向から光を照射して重合させる方法が開示されている。上記化合物としては、各種オリゴマーないしモノマーが用いられる。
さらに、光制御フィルムとしての光学性能を高めるため、また粘度を調整して取り扱い性を高めるために、前記光重合性組成物の組成に様々な改良がなされている。例えば特許文献5では、光重合性組成物の1成分として、分子内に重合性の炭素―炭素二重結合を有する数平均分子量20000〜100000のモノマー又はオリゴマーを配合することにより、光学性能に優れた光制御フィルムを提供できることが提案されている。特許文献6では、分子内に重合性炭素―炭素二重結合を有する化合物と、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有しない化合物とを組み合わせることにより、目的の光学性能を有する光制御フィルムを提供できることが提案されている。
特開平1−77001号公報 特開2005−265915号公報 特開2005−242340号公報 特開2009−157250号公報 特開2008−247946号公報 特開1991−107902号公報
しかしながら、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有しない化合物としてポリメチル(メタ)アクリレート等のポリマーを用いると、当該化合物を含む組成物を光重合した際に、相分離して光制御フィルムが白化してしまうという問題点がある。
従って、本発明は、フィルムを形成した際に高い光学特性を有し、且つ、組成物として取扱い性に優れる光重合性組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の成分で組成物を調製することにより上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(イ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマー100質量部に対して、(ロ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマー:1〜85質量部、(ハ)バインダー:1〜100質量部、及び(ニ)光重合性開始剤を含み、且つ、バインダーが分子内に反応性炭素―炭素二重結合を有するマクロモノマーである、光重合性組成物に関する。
本発明によれば、組成物として取扱い性に優れる光重合性組成物を提供することができる。本発明によればまた、当該光重合性組成物を重合させて成形体を形成した際に、高い光学特性を有する光制御フィルムを得ることができる。
図1は、本発明で得られる光制御フィルムの内部構造を透視した模式的な斜視図である。 図2は、光制御フィルムの製造方法の一例を模式的に示した図面である。 図3は、光制御フィルムの製造方法の一例を模式的に示した図面である。
本発明の光重合性組成物は、(イ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマー、(ロ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマー、(ハ)バインダー、及び(ニ)光重合性開始剤を含む。
(イ)単官能モノマー
本発明において使用する単官能モノマーは、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマーである。このような単官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリレート化合物、ビニル基を有するビニル化合物、アリル基を有するアリル化合物等が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。ビニル化合物としては、スチレン、p−クロロスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等を挙げることができる。アリル化合物としては、エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(ロ)多官能モノマー
本発明において使用する多官能モノマーは、分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマーである。このような多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリレート化合物、ビニル基を有するビニル化合物、アリル基を有するアリル化合物等より好ましい。
多官能モノマーとしては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
多官能モノマーは架橋構造を有するため、重合させたときに重合度の違いにより空隙(空間)が形成されやすく、単官能モノマーと混合することにより、図1に模式的に例示するようなマトリックスと構造体を形成することができる。
また、多官能モノマーと単官能モノマーは、それぞれを単独で重合体を形成したときの屈折率の差がより大きいものを組み合わせて使用することにより、マトリックスと構造体により大きな屈折率差をつけることができる。本明細書では屈折率とはモノマーを重合体とした際の屈折率をいう。
本発明の光制御フィルムにおけるマトリックスと構造体の屈折率差を大きくすることにより、光を高効率で制御(回折・偏向・拡散など)することができる。すなわち、屈折率差は大きければ大きいほど光学性能を向上させることができる。従って、単官能モノマーと多官能モノマーの組み合わせは、単官能モノマーと多官能モノマーの屈折率差が0.01以上となるように選択することが好ましい。当該屈折率差が0.02以上となるように単官能モノマーと多官能モノマーを選択することがより好ましい。その際、単官能モノマーと多官能モノマーのどちらの屈折率が大きくてもよい。
また、本発明の組成物を重合する過程において、単官能モノマー及び多官能モノマーがそれぞれ拡散することにより分布が形成され、屈折率差が大きくなるので、拡散定数の差が大きくなるように単官能モノマーと多官能モノマーを選択することも可能である。
上述した条件を満たすためには、単官能モノマーは(メタ)アクリレート化合物を使用するのが好ましく、その中でもベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を含有する化合物がより好ましい。また、単官能モノマーは成形体に柔軟性を付与することができるので、その含有量は多官能モノマーよりも多くすることが好ましい。
多官能モノマーは、ジ(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、その中でもポリエチレングリコール(メタ)ジアクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマーがより好ましい。
本発明の光重合性組成物中の多官能モノマーの含有量は、単官能モノマー100質量部に対し、1〜85質量部が好ましく、20〜85質量部がより好ましく、40〜80質量部が更に好ましい。
多官能モノマーの含有量を1質量部以上とすることにより、単官能モノマーとの屈折率差をつけやすくなる。多官能モノマーの含有量を85質量部以下とすることにより、単官能モノマーとの相溶性の低下を防ぐことができる。
(ハ)バインダー
本発明の光重合性組成物において使用するバインダーは、分子内に1つ以上の反応性炭素−炭素二重結合を有する高分子量のマクロモノマーである。マクロモノマーとは片末端に重合可能な官能基を有する高分子量の直鎖状モノマーであり、当該バインダーを使用することにより、本発明の組成物を重合する際に単官能モノマーと共重合することにより相分離を抑え、光制御フィルムが白化することを防止することができる。
本発明で使用するマクロモノマーの種類は特に限定されるものではないが、例えば、CH=CHRで示されるアクリル系化合物が好ましい。これらの中でも、RがCOOR(Rは飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐鎖を有するアルキル基を示す。)、CN又はCで示される化合物がより好ましい。当該マクロモノマーの分子量は、数平均分子量(Mw)で5000〜10000が好ましく、6500〜13500がより好ましく、8000〜12000が更に好ましい。このようなマクロモノマーとしては、エルバサイト(ELVACITE、Lucite International)シリーズを好適に使用することができる。当該マクロモノマーは、本発明の組成物を重合する際に単官能モノマーと共重合することにより相分離を抑え、光制御フィルムが白化することを防止することができる。
バインダーの使用量は、単官能モノマー100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、20〜95質量部がより好ましく、50〜90質量部が更に好ましい。バインダーの含有量を1質量部以上とすることにより、光重合性組成物としての取り扱い性を良好にするとともに、重合した際に透明性の高い光制御フィルムを作製することができる。バインダーの含有量を100質量部以下とすることにより、単官能モノマーとの相溶性の低下を防ぐことができる。
また、単官能モノマー、多官能モノマー、バインダーの組成物中の含有量は上述した通りであるが、質量比で単官能モノマー≧バインダー>多官能モノマーの順とすることがより好ましい。単官能モノマー≧バインダーとすることにより、分子量の大きいバインダーが比較的低分子量である単官能モノマーに対して十分な溶解性を示すことができる。また、バインダー>多官能モノマーとすることにより、光重合性組成物の相溶性を良好にすることができる。
(ニ)光重合開始剤
本発明の光重合性組成物に使用する光重合開始剤は、当該組成物を紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行うことができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾスベロン等を挙げることができる。
光重合開始剤の使用量は、単官能モノマー、多官能モノマー及びバインダーの合計量に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜8質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が更に好ましい。光重合開始剤の使用量を0.001質量%以上とすることにより、効率良く重合を行うことができる。光重合開始剤の使用量を10質量%以下とすることにより、得られる光制御フィルムの透明性を維持することができる。
(ホ)光重合性組成物の重合(光制御フィルムの形成)
本発明において、組成物の調製方法は限定されない。単にそれぞれの構成成分を混合すればよく、混合する順序は限定されない。必要に応じて攪拌下に混合することができる。
本発明の組成物は紫外線を照射することによって重合させることができる。照射する紫外線の強度、照射時間等の条件は、組成物の種類や量等に応じて適宜選択することができる。照射する形態も限定されず、光制御フィルムが形成されれば良い。以下に、本発明の光制御フィルムを製造する方法について、図2及び3を用いて説明する。
本発明では、組成物に平行光を照射して重合させるのが好ましい。平行光を照射することにより、薄板状のマトリックスと、当該マトリックス中に配設された当該マトリックスと屈折率が異なる多数の透明な柱状構造体とを備えた光制御フィルムを得ることができるからである。
例えば、本発明の光重合性組成物を薄板状に配置し、そこに平行光を照射して光重合硬化させることにより、光制御フィルムを得ることができる。光重合性組成物を薄板状に配置する方法としては、光重合性組成物を基材上に塗布する方法(図2)、光重合性組成物を基材間に液密に封入する方法(図3)等が挙げられる。
基材上に塗布する方法は、光重合性組成物を基材の一方の面に、好ましくは均一な厚さで塗布することができれば限定されない。例えば、バーコーター、スリットダイコーター、スピンコーター、円コーター、グラビアコーター、CAPコーター等の公知の方法を使用することができる。
また、基材間に液密に封入する方法では、例えば図3に示すように、下方基材と上方基材に挟まれた空間の周囲にスペーサを配置して液密空間を形成し、この液密空間内に液体状の光重合性組成物を充填することができる。
上方基材は、平行光が照射される側であるので、光重合性組成物を光重合させるときに使用される光を吸収しない(光を透過する)材料で構成される必要がある。このような材料として、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、フッ素化(メタ)アクリル樹脂、光学グレードのPET等の透明プラスチック材料等を使用することができる。
基材上に塗布あるいは液密空間内に充填される光重合性組成物の厚さは、20〜1000μmが好ましく、20〜300μmがより好ましい。光重合性組成物の厚さを20μm以上とすることにより、十分に構造体(フィルム又は薄板)を形成させることができる。光重合性組成物の厚さを1000μm以下とすることにより、効率良く上述した柱状構造体を厚さ方向に成長させることできる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1)
単官能モノマーとしてベンジルアクリレート(大阪有機化学社製、屈折率1.51)を、多官能モノマーとして数平均分子量が800のポリブチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン社製、屈折率1.47)を用いた。バインダーであるマクロモノマーとして、エルバサイト1020(Mw:10000、ELVACITE、Lucite International社製)を用いた。重合開始剤としては、Irgacure 369(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を用いた。また、照射波長はバンドパスフィルタを使用して365nmにピークを持つ波長を用いた。
ベンジルアクリレート(単官能モノマー)とポリブチレングリコールジメタクリレート(多官能モノマー)とエルバサイト1020(バインダー)を、質量比で100:63:88になるように、それぞれ4.0g、2.5g、3.5gずつ混合した混合物に対し、開始剤を0.1g(1質量%)加え、光重合性組成物を得た。
スライドガラスとカバーガラスの間に0.2mmのシリコン製スペーサを配置し、前記光重合性組成物をスペーサ内部に封入し、カバーガラスの上部にバンドパスフィルタを設置した。続いて、水銀キセノンランプからの平行光をカバーガラス側から照射し、光重合性組成物を重合させて光制御フィルムを得た。平行光の強度は30mW/cm、照射時間は100sとした。
得られた光制御フィルムの全光線透過率及びヘイズは、ヘーズメーターHM−150((株)村上色彩技術研究所社製)を用いて測定し、得られた測定結果を表1に示す。実施例1で得られた光制御フィルムは、全光線透過率及びヘイズに優れていた。また、得られた光制御フィルムは、その内部に互いに略平行に延びるように配置された柱状構造体が形成されていた。これは、フィルム断面を光学顕微鏡で観察することにより確認することができた。
表1で示す「相溶性」とは、バインダーの単官能モノマー又は多官能モノマーへの相溶性のことを意味する。本発明の光重合性組成物を10分間攪拌した後、10分間静置した際に、層分離を生じなかった場合を「○」、層分離を生じた場合を「×」で示す。
(実施例2〜4)
ベンジルアクリレート(単官能モノマー)、ポリブチレングリコールジメタクリレート(多官能モノマー)、エルバサイト1020(バインダー)の組成比を質量比で表1の通りに混合した以外は、実施例1と同様にして光制御フィルムを得た。得られた光制御フィルムの測定結果は、表1に合わせて示す。実施例2〜4で得られた光制御フィルムは、全光線透過率及びヘイズに優れていた。また、実施例1と同様に得られた光制御フィルムは、その内部に互いに略平行に延びるように配置された柱状構造体が形成されていた。これは、フィルム断面を光学顕微鏡にて観察することで確認できた。
(比較例1〜4)
ベンジルアクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、エルバサイト1020の組成比を質量比で表1の通りに混合した。しかし、比較例1〜4の組成比では相溶性が悪く、バインダーが分離沈殿してしまい、光重合性組成物を得ることができなかった。
(比較例5)
バインダーとして、ポリメチルメタクリレート(Mw:15000、三菱レイヨン社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光制御フィルムを得た。得られた光制御フィルムの測定結果は、表1に合わせて示す。当該フィルムは白化していた。

Claims (4)

  1. (イ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマー100質量部に対して、
    (ロ)分子内に重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能モノマー:1〜85質量部、
    (ハ)バインダー:1〜100質量部、及び
    (ニ)光重合性開始剤
    を含み、且つ、
    バインダーが分子内に反応性炭素−炭素二重結合を有するマクロモノマーである、
    光重合性組成物。
  2. 単官能モノマーの屈折率と多官能モノマーの屈折率との差が0.01以上である、請求項1記載の光重合性組成物。
  3. 単官能モノマーが(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリル系モノマーであり、多官能モノマーが(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリル系モノマーである、請求項1又は2記載の光重合性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光重合性組成物に光照射することにより得られる、
    マトリックスと、該マトリックス中に配向された該マトリックスと屈折率が異なる複数の構造体とを備えた、光制御フィルム。
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