JP2013229183A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期信頼性の向上した燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池装置は、燃料ガスと酸素含有ガスとを反応させて起電力を発生する燃料電池セルを備える燃料電池モジュール2と、燃料電池モジュール2に、酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給部21と、一端部が燃料電池モジュール2と接続され、かつ他端部が酸素含有ガス供給部21と接続された、酸素含有ガス供給部21から燃料電池モジュール2へ酸素含有ガスを供給するための流路形成部8とを備え、流路形成部8は、燃料電池モジュール2に供給された酸素含有ガスが、酸素含有ガス供給部21に流れることを抑制するための酸素含有ガス逆流抑制部29を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(空気)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個配列してなるセルスタックが知られている。また、セルスタックを収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールや、燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなる燃料電池装置が種々提案されている。
このような燃料電池装置においては、燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールに酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給部とが、酸素含有ガス供給流路を介してそれぞれ接続されている。ここで、酸素含有ガス供給流路は、燃料電池モジュールに向かって上方に傾斜する傾斜部を有し、これにより、燃料電池モジュールに凝縮した水が逆流することを抑えた燃料電池装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000− 90954号公報
しかしながら、燃料電池装置を緊急停止させた場合等において、燃料電池モジュール内の空気が、酸素含有ガス供給流路に逆流して冷却されることにより、逆流した酸素含有ガスに含有される水分が結露し、この結露水が酸素含有ガス供給部に供給され、酸素含有ガス供給部が故障や破損等をおこす不具合が生じる場合がある。
それゆえ、本発明は、結露水が酸素含有ガス供給部に逆流することを抑制し、長期信頼性の向上した燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池装置は、燃料ガスと酸素含有ガスとを反応させて起電力を発生する燃料電池セルを備える燃料電池モジュールと、該燃料電池モジュールに、酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給部と、一端部が前記燃料電池モジュールと接続され、かつ他端部が前記酸素含有ガス供給部と接続された、前記酸素含有ガス供給部から前記燃料電池モジュールへ酸素含有ガスを供給するための流路形成部とを備え、該流路形成部は、前記燃料電池モジュールに供給された前記酸素含有ガスが、前記酸素含有ガス供給部に流れることを抑制するための酸素含有ガス逆流抑制部を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池装置においては、燃料電池モジュールと酸素含有ガス供給部とを接続する流路形成部に、燃料電池モジュールに供給された酸素含有ガスが、酸素含有ガス供給部に流れることを抑制するための酸素含有ガス逆流抑制部を備えることから、燃料電池モジュールに供給された酸素含有ガスに含有される水分が酸素含有ガス供給部に供給されることを抑えることができ、それにより酸素含有ガス供給部が故障等することを抑制できることから、長期信頼性の向上した燃料電池装置とすることができる。
本実施形態の燃料電池装置1の一例を示すブロック図である。 図1に示す燃料電池装置1の一部を拡大して示す拡大断面図である。 図3(a)は他の実施形態に係る燃料電池装置1の一部を拡大して示す拡大断面図であり、図3(b)は図3(a)の変形例である燃料電池装置1の一部を拡大して示す拡大断面図である。 図4(a)はさらに他の実施形態に係る燃料電池装置1の一部を拡大して示す拡大断面図であり、図4(b)は図4(a)の変形例である燃料電池装置1の一部を拡大して示す拡大断面図である。
本実施形態である燃料電池装置1について図1、図2を用いて説明する。
燃料電池装置1は、収納容器内に、燃料ガスと酸素含有ガスとを用いて発電する燃料電池セルを複数個配列してなるセルスタック7と、燃料電池セルに供給する燃料ガスを生成する改質器6とを収納してなる燃料電池モジュール2(以下、「モジュール2」と略す場合がある。)と、改質器6に原燃料を供給するための原燃料供給部とを備えている。
なお、図1に示す燃料電池装置1においては、改質器6にて水蒸気改質を行なう場合を示しており、改質器6にて水蒸気改質を行なうために必要な構成については以下に詳述する。
燃料電池セルの発電に用いられなかった燃料ガスは、同じく燃料電池セルの発電に用いられなかった酸素含有ガスを用いて、セルスタック7の上方にて燃焼され、その燃焼後の排ガスが、モジュール2から排出される。なお、必ずしも燃焼させる必要はなく、燃料電池セルの発電に用いられなかった燃料ガスや酸素含有ガスが、そのまま排出されてもよい。
モジュール2より排出された排ガスは、続いて熱交換器9に供給される。熱交換器9では、モジュール2より排出された燃焼ガスと、冷媒ラインL5により供給される水とで熱交換され、熱交換により生成されたお湯が貯湯タンク12に貯湯される。なお冷媒ラインL5においては、水を循環させるための循環ポンプ13を備えている。なお、水以外の冷媒を用いることも可能である。
また、モジュール2より排出された排ガスは、熱交換器9での熱交換により、温度が低下することに伴い、排ガス中に含まれる水分が凝縮して凝縮水が生成される。この凝縮水は、凝縮水ラインL3に供給され、凝縮水タンク5に貯水される。
凝縮水ラインL3は、熱交換器9により生成された凝縮水を改質器6に供給するための供給ラインであり、凝縮水タンク5と、凝縮水に含まれる不純物を除去し、純水を精製するための凝縮水処理部10と、凝縮水ポンプ11とを備えている。
改質器6においては、凝縮水ポンプ11より供給される水と、原燃料供給部から供給される原燃料とで水蒸気改質を行ない、燃料電池セルに供給する燃料ガスが生成される。なお、水蒸気改質は吸熱反応であることから、例えばセルスタック7の上方にて、発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼させる場合には、改質器6はその燃焼熱を利用することが好ましく、図1においては、セルスタック7の上方に改質器6を配置した例を示している。
原燃料ラインL1は、原燃料供給源3と、原燃料ポンプ14とを有している。原燃料としては、都市ガス等の炭化水素系ガスや、石油等の液体燃料を用いることができる。原燃料供給部とは、原燃料供給源3と、原燃料ポンプ14とを含む原燃料を改質器6に供給するための部位である。
原燃料として液体燃料を用いる場合、改質器6に液体の状態で原燃料が供給されると後述する改質触媒に悪影響を与えることがあるため、原燃料を気化させるための気化部を、改質器6よりも上流側に設けることが好ましい。それにより、改質器6に気体状態の原燃料(以下、「原燃料ガス」と称する場合がある)を供給することができる。また、原燃料として、都市ガス等の炭化水素系ガスを用いる場合においても、気化部にて温度の上昇した原燃料ガスとすることができ、改質器6にて効率のよい改質反応を生じさせることができる。さらに、凝縮水ラインL3から供給される凝縮水を改質器6に供給する必要があるが、凝縮水も気化部にて水蒸気に気化させて改質器6に供給してもよい。
改質器6は、前述の気化部に隣接して、改質触媒を有する改質部を備えている。改質触媒としては、水蒸気改質するために一般的に用いられている改質触媒を用いることができる。例えば、PtやRb等の金属を担持した粒状や粉状の多孔質なセラミック等を用いることができる。これらの改質触媒の活性化温度範囲は、300〜450℃付近で原燃料ガスと水蒸気とが反応し、燃料ガスを生成することができる。
酸素含有ガスラインL2は、酸素含有ガス供給源4と、酸素含有ガスポンプ15と、流路形成部8と、酸素含有ガス供給部21を有している。なお、酸素含有ガスポンプ15と酸素含有ガス供給部21とを共用することもでき、図1,2においてはそれぞれ酸素含有ガスポンプ15と酸素含有ガス供給部21とを共用する例を示している。なお、酸素含有ガスとしては、酸素や空気を用いることができ、酸素を用いる場合には酸素含有ガス供給源4としてガスボンベを用いることができる。また、空気を用いる場合には酸素含有ガス供給源4として外気を用いることができる。
排ガスラインL4には、排ガス中に含まれる場合がある有害成分を処理するための排ガス処理部16を有している。
モジュール2より排出される排ガスは、発電に使用されなかった燃料ガスやそれを燃焼させる際の不完全燃焼により生じた一酸化炭素等の有害成分を含んでいる場合がある。それゆえ、このような排ガスを無害化した後、外部に放出することが好ましい。
ここで、排ガスラインL4に排ガス処理部16を設けることで、有害な排ガスが外部に放出されることを抑制できる。なお、排ガス処理部としては、例えば燃焼触媒を有していればよく、このような燃焼触媒としては、一般的に知られているものを使用することができ、例えば、上述した改質触媒と同様のものを用いることができる。また、排ガス処理部16は、排ガスラインL4に設ければよく、例えばモジュール2の出口部分に設けることができる。
また、燃料電池装置1としては、発電効率のよい固体酸化物形燃料電池装置を用いることができる。固体酸化物形燃料電池装置は、通常600〜800℃程度の高温下で発電することから、モジュール2より排出される排ガスを有効利用することができ、総合効率の向上した燃料電池装置1とすることができる。
以下、図2を用いて、本実施形態の流路形成部8について説明する。
図2に示すように、流路形成部8は、一端部が酸素含有ガス送出口17を介してモジュール2と接続され、他端部が酸素含有ガス供給口18を介して酸素含有ガス供給部21と接続されている。それにより、酸素含有ガス供給部21とモジュール2とが連通することとなり、モジュール2内に酸素含有ガスを供給することができる。
図2に示す流路形成部8は、酸素含有ガス供給部21より上方に延びる酸素含有ガス流路部20と、該酸素含有ガス流路部20と接続され下方に向かって傾斜する下降流路部29と、該下降流路部29と接続され、上方に向けて延びるとともにモジュール2と接続されるモジュール流路部19とを有している。
それにより、酸素含有ガス供給部21から送出された酸素含有ガスは、酸素含有ガス供給口18を通過した後、酸素含有ガス流路部20を上方へ向けて流れた後、下降流路部29を下方に向けて流れ、続いてモジュール流路部19を上方へ向けて流れて、モジュール2に供給される。以下この流れ方向を、酸素含有ガスの供給方向と言い、酸素含有ガス供給部21側を上流側、モジュール2側を下流側という。
酸素含有ガス供給部21は、酸素含有ガスをモジュール2に供給するための装置を意味し、例えば酸素含有ガスを送出するためのポンプ(酸素含有ガスポンプ15等)を例示することができる。
ここで、燃料電池装置1の運転中に、地震や火事などの災害により燃料電池装置1が緊急停止し、燃料電池装置1を作動させるための酸素含有ガスポンプ15を含む補機等が停止した場合に、モジュール2の内部の水蒸気を含む高温な空気が、流路形成部8を逆流する場合がある。
流路形成部8へ水蒸気を含む高温な空気が供給されると、流路形成部8を逆流する間に高温な空気が冷やされることにより空気中の水蒸気に結露が生じ、流路形成部8の内部に結露水ができる場合がある。それにより、結露水が流路形成部8を構成する内壁を伝わり、酸素含有ガス供給部21へ結露水が供給され、酸素含有ガス供給部21を構成する酸素含有ガスポンプ15等が故障や破損する場合がある。
ここで本実施形態の燃料電池装置1は、流路形成部8が、酸素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かって下方に延びる下降流路部29を備えており、本実施形態においては、下降流路部29が、モジュール2に供給された酸素含有ガスが、酸素含有ガス供給部21に流れることを抑制するための酸素含有ガス逆流抑制部となる。このような燃料電池装置では、下降流路部29により酸素含有ガスの逆流を抑制することができることから、モジュール2に供給された酸素含有ガスに含有される水分が酸素含有ガス供給部21に供給されることを抑えることができ、それにより酸素含有ガス供給部32が故障等することを抑制できる。
また、モジュール2に供給された酸素含有ガスが流路形成部8を逆流し、酸素含有ガスに含有される水分が結露水として生じた場合であっても、下降流路部29で生じた結露水は、下降流路部29を下方に向けて流れることとなるほか、モジュール流路部19で生じた結露水が、酸素含有ガス供給部21側に流れることを抑制できる。それにより、酸素含有ガス供給部21に結露水が流れることを抑えることができ、酸素含有ガス供給部21の故障や破損を抑えることができることから、酸素含有ガス供給部21の寿命を長寿命化することができる。
なお、下降流路部29は、酸素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かって下方に延びていればよいが、例えば、酸素含有ガス流路部20との接続部を起点として、3〜20°で傾斜していることが好ましい。それにより流路形成部8を複雑な構成とすることなく、酸素含有ガス供給部21に結露水が流れることを有効に抑制することができる。
なお、上述の例においては、酸素含有ガス供給部21として、酸素含有ガスポンプ15を用いる例を示したが、例えば、酸素含有ガス供給部21を流量計とする場合にも同様に、流量計の内部に結露水が存在すると、燃料電池装置1の再起動時に、流量計が流量を測定できず流量異常のエラーを生じ、燃料電池装置が再び緊急停止する場合があるが、燃料電池装置1は、流量計に結露水が流入することを抑えることができ、燃料電池装置1の誤作動を抑えることができる。
このような流路形成部8は、金属や樹脂等により作製された管により形成することができる。一本の管により形成する場合は、適宜折り曲げて作製すればよい。結露水が流路形成部8内に生成するのを抑える点と製造コストの点から、熱硬化性樹脂、熱軟化性樹脂または光硬化性樹脂等の樹脂により作製することが好ましい。
図2に示す例においては、流路形成部8を構成する酸素含有ガス流路部20と、下降流路部29と、モジュール流路部19とを一体化した例を示しているが、それぞれ別部材により形成してもよい。モジュール流路部19、下降流路部29および酸素含有ガス流路部20のそれぞれの接合部は、ガラスや樹脂により内部を流れる酸素含有ガスが流出しないように、それぞれの接合部を封止することが好ましい。
なお、酸素含有ガス流路部20と下降流路部29との接続部は、下降流路部29の下端よりも高い位置に配置されていればよく、酸素含有ガス流路部20の上方に限定されるものではない。
図3を用いて、本実施形態の他の一例について説明する。
図3(a)に示す燃料電池装置1は、モジュール流路部23の下端部と間隔をあけた側方にて下降流路部29とモジュール流路部23とが接続されている。そのため、下降流路部29に隣接する、モジュール流路部23の下降流路部29との接続部より下方に位置する部位は、結露水を貯留可能な窪み部22として機能することとなる。
それにより、モジュール流路部23および下降流路部29に結露した結露水が生成した場合に、モジュール流路部23や下降流路部29で生じた結露水は、窪み部22に向けて流れることとなる。そのため、酸素含有ガス供給部21に結露水が流入することを抑えることができる。
一方、窪み部22に貯水された結露水は、燃料電池装置1が停止している場合に、時間の経過とともに気化することとなるほか、燃料電池装置1が稼働している場合に窪み部22に結露水が貯留された場合であっても、酸素含有ガス供給源4から供給される酸素含有ガスに曝されることにより、気化されて減少していく。それにより、窪み部22に長期間にわたって結露水が溜められないこととなり、窪み部22の劣化を抑えることができる。
なお、上述したように窪み部22は結露水に曝されることとなるため、窪み部22は、耐水性を有することが好ましく、金属製の管を用いる場合には、耐水性のコーティングを施すことが好ましい。また、モジュール流路部23を樹脂により作製することで窪み部22の耐水性を向上させることができる。
図3(b)は、モジュール流路部23´および下降流路部29´の一部を1つの部材により作製し、酸素含有ガス流路部20´および下降流路部29´の一部を1つの部材により作製して、これらを接続して流路形成部8´を形成した例を示している。つまり、流路形成部8´が、2つの部材により作製されている。そのため、流路形成部8を3つの部材により作製される場合に比べ、接合箇所を減らすことができ、燃料電池装置1を容易に作製することができる。
図3(b)において、酸素含有ガス流路部20´を形成する部材はモジュール流路部23´を形成する部材との接合部にフランジが設けられており、モジュール流路部23´を形成する部材により包み込むように接続されている。そのため、酸素含有ガス流路部20´側の径に比べて、モジュール流路部23´側の径が大きくなっている。
ここで、モジュール流路部23´の接続部において、酸素含有ガス流路部20´の接続部の径に比べて大きい段差部27を有してもよい。酸素含有ガス流路部20´側の下降流路部29´の下面に結露した結露水は、傾斜に沿って下方に向けて流れていくこととなるが、この段差部27が、下降流路部29´の内部に結露した結露水を溜める窪み部として機能する。また、酸素含有ガス流路部20´側の下降流路部29´の上面に結露した結露水は重力の作用を受け、傾斜に沿って下方に向けて流れていくこととなるが、酸素含有ガス流路部20´の接続部の端部において、下方に落下して段差部27にて貯水されることとなる。
ここで、流路形成部8´において、段差部27と窪み部22の2箇所が結露水を貯水する機能を有することから、流路形成部8´における貯水可能量を増加させることができるとともに、結露水にて流路形成部8´が閉塞されることを抑制することができる。
なお、流路形成部8´を構成する各流路部は、熱硬化性樹脂、熱軟化性樹脂または光硬化性樹脂等により形成することで、複雑な形状の部材を容易に作製することができるとともに、段差部27や窪み部22を耐水性のある樹脂により作製することで、長寿命化することができる。
また、酸素含有ガス流路部20´側とモジュール流路部23´側との接合部は、流路形成部8´の中央部付近に配置されることが好ましい。それにより、燃料電池装置1の組み立てが容易となる。なお、上述の例において、段差部27を酸素含有ガス流路部20´側とモジュール流路部23´側との接合部におけるモジュール流路部23´側に設けた例を示したが、下降流路部29´の任意の部位に設けることができる。ただし、これら各流路部20´,23´,29´の脱着を考慮して、段差部27はモジュール流路部23´側に設けることが好ましい。
図4(a),(b)を用いて、本実施形態の他の一例について説明する。
図4(a)に示す燃料電池装置1は、下降流路部29´の酸素含有ガス供給口18側に防水部24が設けられている。その他の点は図3(b)の形態と同様である。
下降流路部29´に防水部24が設けられていることから、防水部24よりも酸素含有ガス供給口18側に位置する流路形成部8´に、結露水が流れることをさらに抑えることができる。
防水部24は、結露水を通さないように防水性を有する必要があるとともに、燃料電池装置1の運転時においては、酸素含有ガスを通す通気性を有する必要がある。そのため、種々の焼結金属により形成される金属フィルタや、多孔質体に樹脂によるフッ素コートを施したもの、例えば、市販されているμコートフィルター等を用いることができる。
図4(b)に示す流路形成部8´は、モジュール2と一体化されたモジュール2側のモジュール流路部25aと、モジュール流路部25および下降流路部29´の一部を構成するモジュール流路部25bと、下降流路部29´の一部および酸素含有ガス流路部26を構成する酸素含有ガス流路部26bと、酸素含有ガス供給部21と一体的に接続された、酸素含有ガス供給部21側の酸素含有ガス流路部26aとをそれぞれ接続して構成されている。そして、流路形成部8´の他端部である酸素含有ガス供給口18に防水部24が設けられている。
防水部24は、燃料電池装置1の運転時において、酸素含有ガスの流通に対して抵抗が小さくなるように配置することが好ましく、特には、酸素含有ガスの流れ方向に垂直な面にわたって設けられることが好ましい。あわせて、酸素含有ガスの流れ方向に垂直な流路形成部8´の断面全体に設けられることが好ましい。それにより、酸素含有ガス供給部21に結露水が流れることを抑制しつつ、酸素含有ガスの流通を十分に行なうことができる。なお、防水部24の構造や大きさは燃料電池装置1の実施の形態に合わせて適宜決定すればよい。
また、流路形成部8´を構成する各部材の接合部は、それぞれ図4(b)に示すようにフランジが設けられており、互いの部材を嵌め合わせて封止することにより、容易に流路形成部8´を作製することができる。
また、モジュール流路部25aおよび酸素含有ガス流路部26aは、モジュール2および酸素含有ガス供給部21と一体化されているため、モジュール流路部25bおよび酸素含有ガス流路部26bをそれぞれ嵌め合わすことで容易に流路形成部8´を作製することができる。また、モジュール流路部25bおよび酸素含有ガス流路部26bを交換することで容易に流路形成部8´のメンテナンスを行なうことができる。
モジュール流路部25aおよび酸素含有ガス流路部26aは、金属または樹脂により作製することができるが、モジュール2または酸素含有ガス供給部21と一体化させる点や、別部材を接合する場合は接合強度の点から金属製の部材により作製することができ、製造コストの点からは、上述した樹脂により作製することができる。
また、モジュール流路部25bおよび酸素含有ガス流路部26bについても同様に、金属または樹脂により作製することができるが、製造コストの点で、上述した樹脂により作製することが好ましい。それにより、モジュール流路部25および酸素含有ガス流路部26をそれぞれの接合部に容易に嵌め込むことができるとともに、燃料電池装置1の製造コストを抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、凝縮水ラインL3を設けずに改質器6に供給する水として、水道水を用いることもできる。その場合においても、酸素含有ガス供給口18が、酸素含有ガス送出口17よりも上方に配置されていることから、流路形成部内に結露水が生成された場合においても、酸素含有ガス供給部21に結露水が流れることを抑えることができる。
また、上述の例においては、下降流路部29が、酸素含有ガス供給口18側から酸素含有ガス送出口17側へ向けて直線的に傾斜している例を示したが、モジュール2の構造にあわせて適宜変更することができる。例えば、下降流路部29は、上下に湾曲した形状としてもよい。
また、上述の例においては、モジュール2の下方に酸素含有ガス供給部21を配置した例を示したが、酸素含有ガス送出口17が酸素含有ガス供給口18よりも上方に配置されていれば、酸素含有ガス供給部21をモジュール2の側方に配置してもよく、モジュール2の上方に配置してもよい。その場合においても、結露水が酸素含有ガス供給部21に供給されることを抑えることができる。
また、上述の例においては、酸素含有ガス逆流抑制部として、下降流路部29を例示したが、例えば流路形成部8に、酸素含有ガス逆流抑制部として、酸素含有ガス供給部21側からの酸素含有ガスのみを流通させるためのダンパーを設けてもよい。その場合においても、酸素含有ガスの逆流を抑制でき、結露水が酸素含有ガス供給部21に供給されることを抑えることができる。
1:燃料電池装置
8,8´:流路形成部
15:酸素含有ガスポンプ
17:酸素含有ガス送出口
18:酸素含有ガス供給口
19,23,23´,25:モジュール流路部
20,20´,26:酸素含有ガス流路部
29:下降流路部

Claims (7)

  1. 燃料ガスと酸素含有ガスとを反応させて起電力を発生する燃料電池セルを備える燃料電池モジュールと、
    該燃料電池モジュールに、酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給部と、
    一端部が前記燃料電池モジュールと接続され、かつ他端部が前記酸素含有ガス供給部と接続された、前記酸素含有ガス供給部から前記燃料電池モジュールへ酸素含有ガスを供給するための流路形成部とを備え、
    該流路形成部は、前記燃料電池モジュールに供給された前記酸素含有ガスが、前記酸素含有ガス供給部に流れることを抑制するための酸素含有ガス逆流抑制部を備えることを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記流路形成部は、前記一端部が前記他端部よりも上方に配置されているとともに、酸素含有ガスの供給方向の上流側から下流側に向かって下方に延びる流路を形成する下降流路部を有し、該下降流路部が前記酸素含有ガス逆流抑制部とされていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記流路形成部は、前記下降流路部における酸素含有ガスの供給方向の下流側の端部に隣接して、結露水を貯留可能な窪み部を有することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池装置。
  4. 前記下降流路部は、前記供給方向の上流側から下流側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池装置。
  5. 前記下降流路部は、結露水を貯留可能な窪み部を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池装置。
  6. 前記流路形成部は、酸素含有ガスの通過を許容し、かつ結露水の通過を阻止する防水部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
  7. 前記防水部が、前記流路形成部の他端部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池装置。
JP2012100342A 2012-04-25 2012-04-25 燃料電池装置 Active JP5905768B2 (ja)

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