JP2013228143A - 加湿フィルタ - Google Patents

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Yoshikazu Koba
義和 木場
Toshikazu Kawahara
利和 河原
Noriaki Tobita
徳明 飛田
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Abstract

【課題】内部洗浄が簡単で、かつ、水の保持力が高く極微細なミストを発生できる加湿フィルタを提供する。
【解決手段】多数のループ部3が突出するパイル状織物シート体1を有し、パイル状織物シート体1が、多数のループ部3の表面及びループ部3相互間に水を保持するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、加湿フィルタに関する。
従来、水を気化させて加湿を行う加湿フィルタが知られている(特許文献1参照)。
特開2009−156479号公報
しかし、特許文献1記載の加湿フィルタは、表て側の生地と裏側の生地を複数の連結糸で連結した三次元立体構造体であったため、表裏の生地の隙間から連結糸の間に入り込んだ塵埃や小さなゴミ、及び、汚れ(スケール)を洗浄するのが難しいという欠点があった。また、従来の加湿フィルタは、連結糸の間に比較的大きな隙間をもって構成されており、水の保持力が弱かった。さらに、水が大きな塊(水滴)として保持されるため、空気中に飛散するミストの径が大きくなり、人の身体に吸収されにくく、しかも、部屋の壁紙や障子紙が湿けてしまうという欠点があった。
そこで、本発明は、内部洗浄が簡単で、かつ、水の保持力が高く極微細なミストを発生できる加湿フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る加湿フィルタは、多数のループ部が突出するパイル状織物シート体を有し、該パイル状織物シート体が、多数の上記ループ部の表面及び該ループ部相互間に水を保持するように構成されたものである。
また、複数枚の上記パイル状織物シート体を重ね合わせて積層しているものである。
また、多数のマルチフィラメントループ部が突出するように合成樹脂製のマルチフィラメント糸をもって構成したマルチフィラメント織物シート体を形成し、さらに、該マルチフィラメント織物シート体の多数の上記マルチフィラメントループ部を切断して多数の極細繊維(フィラメント)が立毛状に突設された毛羽立て状シート体を形成し、該毛羽立て状シート体は、上記極細繊維の先端部を互いに分散分離状として、多数の上記極細繊維の表面及び該極細繊維相互間の微小間隙に水を保持するように構成されたものである。
また、複数枚の上記毛羽立て状シート体を重ね合わせて積層しているものである。
また、多数のループ部が突出するパイル状織物シート体を有し、かつ、多数の極細繊維が立毛状に突設された毛羽立て状シート体を有し、上記パイル状織物シート体と上記毛羽立て状シート体を重ね合わせて積層したものである。
本発明の加湿フィルタによれば、簡単に洗浄でき、かつ、水の保持力が改善できる。また、空気中に飛散するミスト(クラスター)を極微細化できる。
本発明の第1実施形態を示した拡大正面図である。 本発明の第2実施形態を示した拡大正面図である。 本発明の第3実施形態を示した拡大正面図である。 マルチフィラメント織物シート体から毛羽立て状シート体を形成する製造工程を示した拡大正面図である。 他の毛羽立て状シート体を示した拡大正面図である。 本発明の使用例を示した斜視図である。 本発明の使用例を示した斜視図である。 使用状態を示した斜視図である。 他の使用状態を示した斜視図である。
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明の加湿フィルタは、加湿器や加湿機能付の空気清浄機、又は、エアコン等に内蔵させて、水を気化させて加湿を行うものである。
図1は、本発明の第1実施形態を示した拡大正面図である。
本発明の加湿フィルタは、多数のループ部3が突出するパイル状織物シート体1を有している。パイル状織物シート体1が、多数のループ部3の表面及びループ部3相互間に水を保持するように構成されている。
パイル状織物シート体1は、合成樹脂製のマルチフィラメント又はモノフィラメントから成る糸部材2をもってパイル生地状に編んで形成され、平面視で菱形乃至六角形状の網目を有する基布7の片面(又は両面)にループ部3を突設している。
図1に於て、複数枚のパイル状織物シート体1,1を重ね合わせて積層している。
パイル状織物シート体1,1は、ループ部3,3の先端部3A,3Aが対面するように相互に内向きに積層されている。
本発明の加湿フィルタは、2枚のパイル状織物シート体1,1でもって、三次元立体構造を有する(従来の)加湿フィルタよりも表面積が増大している。従って、本発明の加湿フィルタは、(従来と比較して)多くの水を保持することができるように構成されている。
なお、図示省略するが、2枚のパイル状織物シート体1,1を、一方のパイル状織物シート体1のループ部3の先端部3Aが他方のパイル状織物シート体1の他面側に当接するように積層しても良い。また、2枚のパイル状織物シート体1,1を、ループ部3,3の先端部3A,3Aが反対方向に向くように相互に外向きに積層しても良い。あるいは、3枚以上のパイル状織物シート体1,1,1…を積層しても良い。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図4に示すように、多数のマルチフィラメントループ部13が突出するように合成樹脂製のマルチフィラメント糸12をもって構成したマルチフィラメント織物シート体11を形成し、さらに、マルチフィラメント織物シート体11の多数のマルチフィラメントループ部13を切断して多数の極細繊維(フィラメント)15が立毛状に突設された毛羽立て状シート体10を形成している。図2に於て、複数枚の毛羽立て状シート体10,10を重ね合わせて積層している。
毛羽立て状シート体10は、極細繊維15の先端部15Aを互いに分散分離状として、多数の極細繊維15の表面及び極細繊維15相互間の微小間隙18に水を保持するように構成されている。
マルチフィラメント糸12は、その材料として、ポリエステル、ナイロン等を用いるのが好ましく、10本〜20本の極めて細い繊維が1本に集束されている。より好ましくは、1本のマルチフィラメント糸12は、13本〜17本の極細繊維が集束されている。マルチフィラメント糸12は、10デニール〜80デニールの繊維をもって構成するのが好ましい。この繊維の単糸繊度が、10デニール未満であると、マルチフィラメント糸12が柔らかすぎて、加湿フィルタとしての剛性が保てなくなる。また、80デニールを越えると、生産が難しくなりコストが高くなる。
図2では、毛羽立て状シート体10,10を、極細繊維15,15の先端部15A,15Aが対面するように相互に内向きに積層している。毛羽立て状シート体10,10は、三次元立体構造を有する(従来の)加湿フィルタよりも表面積が増大しており、(従来と比較して)多くの水を保持することができるように構成されている。
なお、図5に示すように、毛羽立て状シート体10は、網目を有する基布17の両面に極細繊維15,15が立毛状に突設されているも好ましい。また、図示省略するが、毛羽立て状シート体10,10を、一方の毛羽立て状シート体10の極細繊維15の先端部15Aが他方の毛羽立て状シート体10の他面側に当接するように積層しても良い。また、毛羽立て状シート体10,10を、極細繊維15,15の先端部15A,15Aが反対方向に向くように相互に外向きに積層しても良い。あるいは、3枚以上の毛羽立て状シート体10,10,10…を積層しても良い。
図3に示す本発明の第3実施形態に於て、多数のループ部3が突出するパイル状織物シート体1を有し、かつ、多数の極細繊維15が立毛状に突設された毛羽立て状シート体10を有し、パイル状織物シート体1と毛羽立て状シート体10を重ね合わせて積層している。
パイル状織物シート体1と毛羽立て状シート体10は、既に述べた構成と同様であるため説明を省略する。
上述した本発明の加湿フィルタの使用方法(作用)について説明する。
図6に示すように、円盤形状に形成した複数枚(2枚〜3枚)の毛羽立て状シート体10,10(パイル状織物シート体1,1)を積層し、外周端縁を相互に融着、又は、接着、又は縫製して袋状に形成する。なお、本発明の加湿フィルタは、1枚の毛羽立て状シート体10(パイル状織物シート体1)をもって構成しても良く、その外周端縁を融着又は接着又は縫製により形成する。次に、図7に示すように、毛羽立て状シート体10,10をプラスチック製の枠部材25に取付けて固定する。
次に、図8に示すように、枠部材25及び毛羽立て状シート体10を、加湿器又は加湿機能付空気清浄機等に取付ける。毛羽立て状シート体10の下部の一部をトレー24に溜めた水に浸漬した状態とし、さらに、枠部材25及び毛羽立て状シート体10を回転させることにより、毛羽立て状シート体10全体にたっぷりと水を保持させて湿潤状態とする。なお、図示省略するが、毛羽立て状シート体10を直接浸漬せずに、共廻りするプラスチック製の枠部材25によって水を汲み上げ、毛羽立て状シート体10全体に水を掛けても良い。この毛羽立て状シート体10に、送風装置により発生させた風Wを軸心方向から通過させて、加湿空気を得る。この際、毛羽立て状シート体10は、極細繊維15に保持する水を細かなミストとして飛散させ、小径の水クラスターを供給する。この水クラスターは、空気中の細菌・雑菌を不活性化し、カゼ等の予防に寄与する。また、小径の水クラスターは、人の肌に吸収され易く、皮膚や髪の毛を潤すと共に、喉の気管にも良い影響を与える。なお、水クラスターの径を小さくすることにより、壁紙や障子紙等にシワが寄りにくくなるともいわれている。
図9は、他の使用状態を示している。
図9に於て、単数乃至複数枚の毛羽立て状シート体10,10(パイル状織物シート体1,1)を円筒形状に形成して、毛羽立て状シート体10の一部をトレー24に溜めた水に浸漬する。円筒形状の毛羽立て状シート体10,10を軸心廻りに回転させて、毛羽立て状シート体10,10全体に水を保持させて湿潤状態とする。なお、図示省略するが、毛羽立て状シート体10を直接浸漬せずに、トレー24から水を汲み上げて毛羽立て状シート体10全体に水を掛けて湿潤状態としても良い。この円筒形状の毛羽立て状シート体10,10に、軸心方向から風Wを送風装置により送り込み、内側から外側に向けて風Wを通過させて、加湿空気を得る。
なお、本発明は、設計変更が可能であり、図4に於て、マルチフィラメント織物シート体11の多数のマルチフィラメントループ部13の先端部を切り離して毛羽立て状シート体10を形成しているが、この実施形態に限定されるものではなく、例えば、マルチフィラメントループ部13を中間高さ位置で切り落としても良い。
以上のように、本発明に係る加湿フィルタは、多数のループ部3が突出するパイル状織物シート体1を有し、パイル状織物シート体1が、多数のループ部3の表面及びループ部3相互間に水を保持するように構成されたので、簡単に洗浄でき、かつ、水の保持力が改善できる。
また、複数枚のパイル状織物シート体1,1を重ね合わせて積層しているので、より多くの水を保持することができ、効率よく加湿を行うことができる。
また、多数のマルチフィラメントループ部13が突出するように合成樹脂製のマルチフィラメント糸12をもって構成したマルチフィラメント織物シート体11を形成し、さらに、マルチフィラメント織物シート体11の多数のマルチフィラメントループ部13を切断して多数の極細繊維15が立毛状に突設された毛羽立て状シート体10を形成し、毛羽立て状シート体10は、極細繊維15の先端部15Aを互いに分散分離状として、多数の極細繊維15の表面及び極細繊維15相互間の微小間隙18に水を保持するように構成されたので、簡単に洗浄でき、かつ、水の保持力が改善できる。また、空気中に飛散するミスト(クラスター)を極微細化できる。
また、複数枚の毛羽立て状シート体10,10を重ね合わせて積層しているので、より多くの水を保持することができ、効率よく加湿を行うことができる。
また、多数のループ部3が突出するパイル状織物シート体1を有し、かつ、多数の極細繊維15が立毛状に突設された毛羽立て状シート体10を有し、パイル状織物シート体1と毛羽立て状シート体10を重ね合わせて積層したので、簡単に洗浄でき、かつ、水の保持力が改善できる。また、空気中に飛散するミスト(クラスター)を極微細化できる。さらに、圧力損失を低減でき、加湿能力を向上できる。
1 パイル状織物シート体
3 ループ部
10 毛羽立て状シート体
11 マルチフィラメント織物シート体
12 マルチフィラメント糸
13 マルチフィラメントループ部
15 極細繊維
15A 先端部
18 微小間隙

Claims (5)

  1. 多数のループ部(3)が突出するパイル状織物シート体(1)を有し、
    該パイル状織物シート体(1)が、多数の上記ループ部(3)の表面及び該ループ部(3)相互間に水を保持するように構成されたことを特徴とする加湿フィルタ。
  2. 複数枚の上記パイル状織物シート体(1)(1)を重ね合わせて積層している請求項1記載の加湿フィルタ。
  3. 多数のマルチフィラメントループ部(13)が突出するように合成樹脂製のマルチフィラメント糸(12)をもって構成したマルチフィラメント織物シート体(11)を形成し、さらに、該マルチフィラメント織物シート体(11)の多数の上記マルチフィラメントループ部(13)を切断して多数の極細繊維(15)が立毛状に突設された毛羽立て状シート体(10)を形成し、
    該毛羽立て状シート体(10)は、上記極細繊維(15)の先端部(15A)を互いに分散分離状として、多数の上記極細繊維(15)の表面及び該極細繊維(15)相互間の微小間隙(18)に水を保持するように構成されたことを特徴とする加湿フィルタ。
  4. 複数枚の上記毛羽立て状シート体(10)(10)を重ね合わせて積層している請求項3記載の加湿フィルタ。
  5. 多数のループ部(3)が突出するパイル状織物シート体(1)を有し、かつ、多数の極細繊維(15)が立毛状に突設された毛羽立て状シート体(10)を有し、
    上記パイル状織物シート体(1)と上記毛羽立て状シート体(10)を重ね合わせて積層したことを特徴とする加湿フィルタ。
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