JP2013227399A - アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法 - Google Patents
アクリル系樹脂組成物、アクリル系粘着剤、粘着シート、両面粘着シート、透明電極用粘着剤、タッチパネル及び画像表示装置、並びに粘着剤層含有積層体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 アクリル系樹脂(A)、有機溶媒(B)、及びエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)を含有し、アクリル系樹脂(A)とエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の含有割合(重量比)が、(A):(C)=10:90〜90:10であるアクリル系樹脂組成物であり、
[I]有機溶媒(B)の引火点(℃)をBf.p.、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の引火点(℃)をCf.p.としたとき、Cf.p.がBf.p.よりも高く、かつ、Cf.p.とBf.p.の差が50℃以上であり、
[II]アクリル系樹脂(A)が、2−エチルヘキシルアクリレート(a1)を50重量%以上含有するモノマー成分を重合してなるアクリル系樹脂である
ことを特徴とするアクリル系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
しかしながら、保護層と空気層との界面、および、空気層と液晶ディスプレイとの界面において、反射が生じて視認性の低下を引き起こすという問題がある。そこで、耐衝撃性を確保しつつも、視認性の向上、さらには、プラスチックシート(モバイル機器)の薄型化を目的として、空気層の代わりに上記の衝撃吸収粘着剤層が用いられており、耐衝撃吸収性能を向上させるために粘着剤層の厚みを厚くすることが提案されている。
更に、(ii)の方法で製造する場合においても、一旦製造した溶媒(溶剤や水)を含むアクリル系樹脂から溶剤や水を取り除くために大きなエネルギーと時間が必要となり、生産効率が悪いものであった。特に、一定量の溶剤が抜け高粘度となったアクリル系樹脂から、残りの溶剤を完全に取り除くのはとても困難であり、残溶剤等が粘着剤の物性に悪影響を与える可能性もあった。また、粘着剤として主に使用されるガラス転移温度の低いアクリル系樹脂においては、ドライアップした際に、アクリル系樹脂が凝集して不定形の難溶性ゲルになってしまい、取り扱いにくいうえに、再度モノマーに溶かすのは難しく時間がかかるものであった。
例えば、タッチパネルと各種表示装置や光学部材(保護板等)の貼付に透明な両面粘着シートが使用されているが、上記タッチパネル等の中には、印刷段差等の段差を有する部材を含むものが増えてきており、かかる用途においては、粘着シートには、部材を貼付固定する性能と同時に印刷段差を埋める性能、即ち、優れた段差追従性が要求されている。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
かかる2−エチルヘキシルアクリレート(a1)の含有量が少なすぎると、相溶性が低下しヘイズが上昇したり、段差追従性に劣るものとなる。
かかる水酸基含有モノマー(a2)の含有量が少なすぎると、耐湿熱白化性が低下する傾向があり、多すぎると粘着特性が低下する傾向がある。
これら官能基含有モノマー(a2)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
かかる溶液重合では、例えば、有機溶媒中に、モノマー成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜98℃で0.1〜20時間重合すればよい。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
かかる有機溶剤(B)とエチレン性不飽和化合物(C)は、乾燥適正に関する本発明の効果を発揮するために、それらの引火点に関して、有機溶媒(B)の引火点(℃)をBf.p、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の引火点(℃)をCf.pとしたとき、
(1)Cf.p.がBf.p.よりも高く、かつ、(2)Cf.p.とBf.p.の差が50℃以上
であることが必要である。
なお、条件(1)および(2)を満たさない有機溶剤(B’)やエチレン性不飽和化合物(C’)も、本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。
(a) タグ密閉式引火点試験器により引火点を測定する。
(b)(a)において、引火点が80℃以下の温度で測定されない場合にあっては、クリーブランド開放式引火点試験器により引火点を測定する。
(c)(a)において、引火点が0℃以上80℃以下の温度で測定され、かつ、当該引火点における試験物品の動粘度が10cSt以上である場合にあっては、セタ密閉式引火点測定器により引火点を測定する。
なお、上記沸点は、常圧(1気圧)で測定したときの沸点とし、測定はJIS K5601−2−3に従い行なえばよい。
有機溶剤(B)の含有量が多すぎると塗工粘度が下がり過ぎることにより厚塗り塗工が困難になる傾向があり、少なすぎると溶液重合でアクリル系樹脂(A)を製造する際に、製造の安全性や自由度が低下する傾向がある。
なお、エチレン性不飽和化合物の中には、上記測定限界350℃を超えても引火しないものも存在するが、かかるエチレン性不飽和化合物は安定性が非常に高く、本発明の揮発しにくいという効果を発揮することができるものであるため、エチレン性不飽和化合物(C)として扱うこととする。
かかる分子量が大きすぎると、粘着物性が低下する傾向があり、小さすぎると乾燥工程で揮発しやすくなる傾向がある。
・長鎖脂肪族(メタ)アクリレート(c1);イソミリスチルアクリレート(引火点:129℃)、トリデシルアクリレート(引火点:154℃)、n−ステアリルアクリレート(引火点:181℃)、イソステアリルアクリレート(引火点:154℃)
・脂環式(メタ)アクリレート(c2);イソボルニルアクリレート(113℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(132℃)、ジシクロペンテニルアクリレート(131℃)
・芳香族(メタ)アクリレート(c3):ベンジルアクリレート(108℃)
・(c1)のオキシアルキレン構造変性化合物(c4−1);2−エチルヘキシルジエチレングリコールアクリレート(151℃)、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(143℃)、エトキシジエチレングリコールアクリレート(113℃)、メトキシジプロピレングリコールアクリレート(102℃)
・(c2)のオキシアルキレン構造変性化合物(c4−2);ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(166℃)
・(c3)のオキシアルキレン(アルキル)構造変性化合物(c4−3);フェノキシエチルアクリレート(141℃)、フェニルジエチレングリコールアクリレート(173℃)、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(繰り返し4)アクリレート(223℃)、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(繰り返し8)アクリレート(304℃)
これらの中でも、アルキルアクリレートとの相溶性に優れる点で4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
かかるエチレン性不飽和化合物(C)としては、例えば、ブチルアクリレート(引火点:40℃)や2−エチルヘキシルアクリレート(引火点:88℃)等が挙げられる。
かかるガラス転移温度としては、特に好ましくは−80〜20℃、更に好ましくは−60〜−10℃、殊に好ましくは−45〜−15℃であり、ガラス転移温度が高すぎると段差追従性が低下する傾向があり、低すぎると凝集力が不足する傾向がある。
なお、ガラス転移温度は上述したFoxの式より算出されるものである。
アクリル系樹脂(A)に対するエチレン性不飽和化合物(C)の含有量が少なすぎると、厚塗り塗工が難しくなり本発明の効果を十分に発揮しにくい傾向があり、多すぎると粘度が下がりすぎて厚塗り塗工が難しくなる傾向がある。
かかる(A)〜(C)成分全体に対するアクリル系樹脂(A)とエチレン性不飽和化合物(C)の合計量の割合が低すぎると、厚塗り塗工が困難になり厚膜の粘着剤層が得られにくい傾向がある。
かかる粘度が高すぎると、塗工筋が出やすくなったりする等により、塗工が困難になる傾向がある。
かかる硬化では、エチレン性不飽和化合物(C)、および多官能性不飽和化合物(D)が活性エネルギー線および/または熱により重合(ポリマー化)され、硬化される。
かかる粘着剤層の厚みが薄すぎると衝撃吸収性に不足する傾向があり、厚すぎると光学部材全体の厚みが増しすぎてしまう傾向がある。
また、特に衝撃吸収や空気層等の空隙を埋めるための用途に用いる場合には、乾燥後の粘着剤層の膜厚が100μm以上であることが好ましく、特に好ましくは120μm以上であり、上限としては通常2000μmである。
ここで、かかる色差b値は、JIS K7105に準拠して測定したものであり、測定は、色差計(Σ90:日本電色工業社製)を用いて、透過条件で行なった。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(a1)70部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)30部及び酢酸エチル80部仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(重量平均分子量75万、分散度3.8、ガラス転移温度−56℃、固形分50%、粘度15,000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(a1)80部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)20部及び酢酸エチル80部仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−2)溶液(重量平均分子量64万、分散度4.0、ガラス転移温度−61℃、固形分50%、粘度11,000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(a1)99部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)1部及び酢酸エチル60部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−3)溶液(重量平均分子量60万、分散度5.2、ガラス転移温度−70℃、固形分50%、粘度8500mPa・s(25℃))を得た。
得られたアクリル系樹脂(A−1)溶液100部(樹脂分)に、ジブチルヒドロキシトルエン0.1部及び2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート0.1部を仕込み、50℃で30時間反応させた。側鎖にエチレン性不飽和基をヒドロキシエチルアクリレートに対して0.24モル%付加したアクリル系樹脂(A−4)溶液(重量平均分子量75万、分散度3.8、ガラス転移温度−56℃、固形分50%、粘度15000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに
、酢酸エチル100部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.05部を加え、攪拌しながら昇温し、還流温度で、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)30部、ブチルアクリレート(a2)70部混合物を2時間にわたって滴下した。重合途中に酢酸エチル10部にAIBN0.05部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら、酢酸エチル還流温度で3.5時間重合させた後、希釈してアクリル系樹脂(A’−1)溶液(重量平均分子量(Mw)85万、分散度(Mw/Mn)4.5、ガラス転移温度−43℃、固形分35%、粘度7,000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(a3)59部、メチルアクリレート(a3)40部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)1部及び酢酸エチル120部仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’−2)溶液(重量平均分子量55万、分散度4.3、ガラス転移温度−34℃、固形分38%、粘度8000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(a3)99部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)1部及び酢酸エチル100部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1部、酢酸エチル20部を加え、更に4時間反応し、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂溶液(重量平均分子量60万、分散度4.9、ガラス転移温度−54℃、固形分38%、粘度5000mPa・s(25℃))を得た。
上記で得られたアクリル系樹脂溶液を乾燥後の厚みが10〜20μmになるように離型シートに塗布して、100℃×5分の乾燥を行い、残ったアクリルポリマーを回収し、無溶剤のアクリル系樹脂(A’−3)とした。
有機溶剤(B)として、以下のものを用意した。
・B−1:酢酸エチル(引火点:−3℃)
・B−2:酢酸メチルセルソルブ(引火点:51℃)
※1 アクリル系樹脂(A−4)はアクリル系樹脂(A−1)にエチレン性不飽和基を導入したものである。
(注)2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
MA:メチルアクリレート
・(C−1):イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業製「ISTA」);引火点154℃;分子量324
・(C−2):ブトキシメチルアクリルアミド(笠野興産製「NBM−2」);引火点112℃;分子量157
・(C−3):トリデシルアクリレート(サートマー製「SR489D」);引火点154℃;分子量254
・(C−4):2−エチルヘキシルアクリレート;引火点86℃;分子量184
・(C−5):ブチルアクリレート;引火点40℃;分子量128
D−1:トリメチロールプロパントリアクリレート
E−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンの1:1の混合物(チバジャパン社製、「イルガキュア500」)
F−1:トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)
上記のようにして調製,準備した各配合成分を、下記の表2〜4に示す割合で配合することによりアクリル系樹脂組成物溶液を調製した。
表4に示す組成で、乾燥を行なわなかった以外は実施例1と同様の方法で粘着剤組成物層を形成させ、塗工適正を評価した。
表4に示す組成で、乾燥温度を70℃、3分間に変更した以外は実施例1と同様の方法で粘着剤組成物層を形成させ、塗工適正を評価した。
上記乾燥条件により粘着剤組成物層を形成させた際の、粘着剤組成物層の外観を目視で評価した。
○:きれいな粘着剤組成物層が得られた
△:気泡が確認される、または、塗膜に凹凸が確認される。
×:大量の気泡を噛み込んでいることが確認される、または、塗膜に凹凸がとてもひどい。
前記基材レス両面粘着シートの粘着剤層から一方の面の離型シートを剥がし、100μmPETフィルムに押圧し、粘着剤層付きPETフィルムを得た。
上記粘着剤層付きPETフィルムを40mm×40mmに裁断した後、離型シートを剥がし、粘着剤層側を50mm×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率(%)の測定を行なった。
上記粘着剤層付きPETフィルムについて、幅25mm×長さ100mmに裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側をソーダガラスに23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、同雰囲気下で30分放置した後、常温で剥離速度300mm/minで180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
上記粘着剤層付きPETフィルムを、25mm×25mmになるよう裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側を研磨SUS板に貼着し、80℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じてズレを評価した。評価基準は下記の通りである。
(評価)
○・・・1440分経過後でズレを生じない
△・・・1440分経過後でズレを生じる
×・・・1440分経過するまでに落下する
ソーダガラス上に、それぞれ8μmのPETフィルム、16μmのPETフィルムをセロハンテープで固定し、段差付きのガラスを作製した。上記粘着剤層付きPETフィルムを、離型シートを剥離してから、その段差付きガラスに対し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で2kgゴムローラー2往復で加圧貼付し、オートクレーブで50℃・0.5MPa×20分の加圧加熱処理を行い、23℃×50%R.H.の条件下で30分放置した後、段差への追従性を目視で評価した。評価結果は以下のとおりである。
(評価)
○・・・段差部に空気の噛みこみが確認できない。
△・・・段差部に空気の噛みこみがわずかに確認できる。
×・・・段差部に空気が噛みこみ粘着剤層が大きく浮いている。
上記基材レス両面粘着シートを25mm×25mmになるよう裁断し、一方の離型シートを剥離して、粘着剤層側をスライドガラス(コーニング社製、コーニング1737)に貼り合わせた後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、もう一方の離型シートを剥がし、「スライドガラス/粘着剤層」の構成を有する試験片を作製し、以下の方法でヘイズを測定した。
なお、ヘイズ値は、拡散透過率及び全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定し、得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、ヘイズを算出した。なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。
ヘイズ値(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
(評価)
○・・・ヘイズが0.5未満以下
△・・・ヘイズが0.5以上6〜1未満
×・・・ヘイズが1以上
また、実施例1〜6は、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするモノマー成分からなるアクリル系樹脂(A)を使用しているため、ヘイズが低く光学的に透明であり、更にはエチレン性不飽和化合物(C)の種類を選択することによりにより粘着力をコントロールしたり、優れた保持力および段差追従性能を発揮することが可能であることがわかる。
また、比較例2においても、若干ヘイズが上昇しており、更に保持力が落下していることから、粘着剤の凝集力が低下していることが分かる。これは、相溶性が若干劣るためと推測している。
また、比較例6では乾燥温度が低く、有機溶剤(B)、エチレン性不飽和化合物(C)共に乾燥されなかったために、乾燥中の粘度上昇は起こらず、塗工適正には優れるものの、粘着剤組成物層に(B)成分が残存することにより、保持力の粘着物性が悪化して実用に供せなかった。
Claims (10)
- アクリル系樹脂(A)、
有機溶媒(B)、及び
エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)
を含有し、アクリル系樹脂(A)とエチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の含有割合(重量比)が、(A):(C)=10:90〜90:10であるアクリル系樹脂組成物であり、
[I]有機溶媒(B)の引火点(℃)をBf.p.、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の引火点(℃)をCf.p.としたとき、Cf.p.がBf.p.よりも高く、かつ、Cf.p.とBf.p.の差が50℃以上であり、
[II]アクリル系樹脂(A)が、2−エチルヘキシルアクリレート(a1)を50重量%以上含有するモノマー成分を重合してなるアクリル系樹脂である
ことを特徴とするアクリル系樹脂組成物。 - アクリル系樹脂(A)が、水酸基含有モノマー(a2)を1〜50重量%含有するモノマー成分を重合してなることを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
- 請求項1または2記載のアクリル系樹脂組成物から得られることを特徴とするアクリル系粘着剤。
- 請求項3記載のアクリル系粘着剤を含む粘着剤層を含有することを特徴とする粘着シート。
- 請求項3記載のアクリル系粘着剤を含む粘着剤層を含有することを特徴とする両面粘着シート。
- 請求項3記載のアクリル粘着剤を用いてなることを特徴とする透明電極用粘着剤。
- 請求項6記載の透明電極用粘着剤を含む粘着剤層を含有することを特徴とするタッチパネル。
- 請求項3記載のアクリル系粘着剤を含む粘着剤層を含有することを特徴とする画像表示装置。
- 請求項1または2記載のアクリル系樹脂組成物を、基材シート、離型シート、または光学部材に塗工し、乾燥させることを特徴とする粘着剤層含有積層体の製造方法。
- 乾燥後の粘着剤層中におけるアクリル系樹脂(A)の残存率が90重量%以上、有機溶媒(B)の残存率が5重量%以下、エチレン性不飽和基を一つ含有するエチレン性不飽和化合物(C)の残存率が50重量%以上であることを特徴とする請求項9記載の粘着剤層含有積層体の製造方法。
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