JP2013227283A - 睫用化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、睫を濃くみせるボリューム効果、睫同士が束付きしないセパレート効果、さらに睫のカールを持続させるカールキープ効果に優れた睫用化粧料を提供するものである。
【解決手段】
(A)デキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体、及び(B)アクリル酸・アルキル共重合体エマルションを配合する睫用化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、睫用化粧料に関し、デキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体とアクリル酸・アルキル共重合体エマルションを含有することで、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れた睫用化粧料に関するものである。
睫用化粧料は、睫を濃く際立たせるボリューム効果、睫を上向きにカールさせるカールキープ効果で目元を際立たせる化粧効果を付与するものである。近年では、ボリュームを付与するだけではなく、さらに睫同士が束付きせずに、自然な睫を演出するセパレート効果のあるものが求めらるようになってきた。従来、睫用化粧料はワックス等の固形状油分、粉体、皮膜形成剤、水溶性高分子等を中心に構成されており、使用性、使用感、及び機能性を向上させるため、水中油型、油中水型、油性タイプ、水性タイプなど種々の剤型や配合原料の検討が行われてきた。
例えば、エイコセン・ビニルピロリドン共重合体とデキストリン脂肪酸エステルを配合してカールアップとボリュームアップに優れた油中水型睫用化粧料の技術(特許文献1参照)、や、揮発性シリコーンに重合体が分散された非水系ポリマーディスパージョンと中空粉体とを配合してボリューム感とカールの持続性を付与する技術があった(特許文献2参照)。また、ロジンとモノ−、ジ−、トリのいずれかのグリセリンとのエステルであって、該ロジンが不均化及び/又は水添されているロジンエステル化合物と特定の油溶性樹脂と揮発性油剤とトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランで表面処理した粉体とを配合することにより、耐水性、耐皮脂性、カールキープ効果などの化粧持続性を向上させる技術があった。(特許文献3参照)
特開2005−170847号公報 特開2004−315420号公報 特開2009−227592号広報
油溶性樹脂の塗膜強度及び付着性はカールキープ効果や、睫を濃くみせるボリューム効果を発揮することができる。しかしながら、油溶性樹脂の付着性は睫同士の束付きを起こしやすいが、油溶性樹脂の配合量を減じると、カール効果が得られず、ボリューム効果も十分ではない傾向があった。そのため、カールキープ効果、ボリューム効果に優れ、さらに睫同士が束付きしないセパレート効果をも持つ睫用化粧料が望まれている。
本発明者らは、アクリル酸・アルキル共重合体エマルションとデキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体を配合した睫用化粧料が、セパレート効果、カールキープ効果、ボリューム効果に優れていることを見出し、本発明を完成した。従来、デキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体が、付着性に優れていることは知られていたが、睫用化粧料においてカールキープ効果を有することは知られていなかった。
すなわち、本発明は、
次の成分(A)及び(B):
(A)デキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体
(B)アクリル酸・アルキル共重合体エマルション
を配合することを特徴とする睫用化粧料である。
本発明は、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れる睫用化粧料に関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の睫用化粧料に使用される成分(A)はデキストリン脂肪酸エステルで粉体の表面を被覆処理した粉体である。表面処理に使用されるデキストリン脂肪酸エステルは、化粧料で一般に使用されるものであれば特に制限されず、デキストリンに、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸、ベヘニン酸等の炭素数8〜24の直鎖飽和脂肪酸、イソステアリン酸等の炭素数8〜24の分岐脂肪酸、並びにオレイン酸等の炭素数8〜24の不飽和脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等の天然由来の脂肪酸よりなる群から選択された少なくとも1種の脂肪酸が結合したデキストリン脂肪酸エステルが挙げられ、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン等がある。これらのデキストリン脂肪酸エステルは市販品「レオパールKL」「レオパールKE」「レオパールTT」「レオパールTL」(以上、千葉製粉社製)等を使用することができる。
本発明の成分(A)のデキストリン脂肪酸エステル表面処理に用いられる粉体としては通常化粧料に用いられるものであればいずれのものでもよく、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、シリカ、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン処理ガラス末、酸化鉄酸化チタン処理ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン、ポリアクリル酸アルキル、シリコーン樹脂粉体等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等のフィルム末が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良い。上記粉体の中でも、黒酸化鉄やタルクをデキストリン脂肪酸エステルで被覆したものが効果発揮しやすく、さらには不定形型タルクであると、油性睫用化粧料に配合した際、その不定形な形状に由来する凝着力から、睫上に塗布する際に上滑りすることなく、付着力を向上し、高いボリューム効果を付与することができる。ここでいう不定形とは、種々の形状が混在し、形状が限定できないものを指す。顔料に被覆した場合も、顔料の睫に対する付着性が高まることで、より色味を感じ、ボリューム効果が高く感じさせることができる。
また、本発明の成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体として、繊維を表面処理したものを使用することもできる。繊維としては、化粧料に一般に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維、またはこれらを複合した繊維が挙げられる。これらの繊維を配合することで、睫を長くみせるロングラッシュ効果を付与することができる。
成分(A)の被覆処理方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で実施することができる。具体的には、直接粉体と混合する方法(乾式処理法)、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法(湿式法)、気相法(空気、窒素ガスなどの気体中で表面処理を行う方法)、メカノケミカル法(ボールミル、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリタイザー(奈良機械製作所製)などの機器を用いてメカノケミカル的に表面処理を行う方法)等が例として挙げられる。好ましくは、デキストリン脂肪酸エステルをヘキサンまたはイソパラフィン等の揮発性炭化水素油に溶解し、粉体基材と混合し、乾燥して前記溶媒を除去後、粉砕することにより、より均質で使用感に優れる粉体化粧料を製造することができる。粉砕方法も特に限定されるものではない。
特に好ましい手段としては、まず、ヘンシェルミキサー等のミキサーやロールミルに、アルカン類、イソパラフィン類等の溶媒とデキストリン脂肪酸エステルを加え溶解した後、粉体を加え均一分散させる。次に、70℃程度に加熱し、減圧下で溶媒を留去し、室温まで冷却後、パルベライザー等の粉砕処理機で粉砕して、表面を被覆した粉体を得る方法が挙げられる。また、本発明の表面処理粉体は、化粧料基材への品質を向上する目的で、シリコーン化合物、フッ素化合物、油脂、リン脂質、アミノ酸、高級アルコール、ワックス、高分子、樹脂等の通常公知の表面処理剤を併用しても良い。
上記のようにして得られる本発明の表面処理粉体は、粉体表面がデキストリン脂肪酸エステルで被覆されたものであり、その被覆量は、特に限定されないが、粉体100質量部に対して、デキストリン脂肪酸エステルを0.01〜15質量部表面被覆処理することが好ましく、更に0.05〜10質量部表面処理することが好ましい。被覆量がこの範囲内であれば、分散性や付着性に優れる表面処理粉体を得ることができる。
本発明の成分(A)の配合量は、特に限定されないが1〜30質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましく3〜20%が特に好ましく、ボリューム効果に優れた睫用化粧料を得ることができる。
本発明における成分(B)のアクリル酸アルキル共重合体エマルションは、通常マスカラ等の化粧料に用いられるポリマーエマルションであり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエステルの内、二種以上を用いた共重合体の水性エマルションであり、例えば、アクリル酸アルキル重合体、メタアクリル酸アルキル重合体、アクリル酸アルキル共重合体、メタアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル等が挙げられる。このうち、アクリル酸アルキルやメタクリル酸アルキルのアルキル基については、炭素数1〜12の1種でも、また2種以上のアルキル基を含有するものであっても良い。市販品としては、YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製、固形分45%)、ヨドゾールGH810F(アクゾノーベル社製、固形分46%)、ヨドゾールGH256F(アクゾノーベル社製、固形分29%)、ダイトゾール5000AD(大東化成工業社製、固形分50%)等が挙げられる。
本発明の成分(B)アクリル酸アルキル共重合体エマルションの配合量は特に限定されないが、エマルションとして1〜30%が好ましく3〜20%が特に好ましい。この範囲であれば、にじみにくさ、カールキープ効果に優れた睫用化粧料を得ることができる。
本発明の睫用化粧料には、発明の効果を妨げない限り、油溶性樹脂を配合することができる。化粧料に通常使用されるものであれば、特に制限されず必要に応じ1種又は2種以上を用いることができる。例えば、キャンデリラレジン、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、水添アビエチン酸グリセリル等のテルペン系樹脂、トリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、アクリル−シリコーングラフト共重合体、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリイソブチレン等が挙げられる。これらの油溶性樹脂の配合量は特に限定されないが、4%以下、さらには2%以下であると、セパーレート効果の点において好ましい。
本発明の睫用化粧料は、上記の成分(A)及び(B)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば基材やエモリエント成分としての油性成分、特に油性型や油中水型睫用化粧料に汎用される揮発性油剤、そして、成分(A)以外の粉体、繊維、粉体分散や感触調整としての界面活性剤、保湿としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、水添マイクロクリスタリン、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
上記油性成分以外に、特に油性型や油中水型睫用化粧料に汎用される成分である揮発性油剤は、1気圧、25℃において揮発性のものをいう。化粧料に使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられ、これらを必要に応じて1種又は2種以上用いることができる。揮発性油剤であれば、いずれのものも使用することができるが、中でも軽質流動イソパラフィン、環状シリコーンが、油性睫用化粧料の乾燥を高め、揮発により強固な化粧膜を形成する効果に優れ、好ましい。市販品としては、例えば、IPソルベント(出光石油化学社製)、シェルソル(シェル化学社製)、シリコンKF−994、KF−995、KF−96A(5CS)(信越化学工業社製)等が挙げられる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、グリコール類等が挙げられる。
本発明の睫用化粧料は、マスカラ、マスカラ下地、マスカラトップコートなどに適用できる。また油性、水性、水中油型、油中水型等のいずれの剤型にも適用できるが、中でも油中水型に好ましく適用できる。形状は、クリーム状、ゲル状、液状等が挙げられるが、中でもゲル状が好ましく、外観は、透明、半透明、不透明それぞれの化粧料として使用することができる。
[製造例1:パルミチン酸デキストリン3%処理黒酸化鉄]
ヘキサン15質量部にパルミチン酸デキストリンを3質量部を溶解し、ヘンシェルミキサーにて黒酸化鉄97質量部と攪拌混合した後、ヘキサンを除去して乾燥させ、パルベライザーで各々粉砕処理して、パルミチン酸デキストリン脂肪酸エステル3%処理黒酸化鉄を得た。
[製造例2:ミリスチン酸デキストリン3%処理黒酸化鉄]
ヘキサン15質量部にミリスチン酸デキストリンを3質量部を溶解し、ヘンシェルミキサーにて黒酸化鉄97質量部と攪拌混合した後、ヘキサンを除去して乾燥させ、パルベライザーで各々粉砕処理して、パルミチン酸デキストリン脂肪酸エステル3%処理黒酸化鉄を得た。
実施例1〜7及び比較例1〜5:油中水型睫用化粧料(ゲル状)
表1に示す処方の油中水型睫用化粧料を調製し、a.ボリューム効果、b.セパレート効果、c.カールキープ効果を下記の評価方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
※1:レオパールKL(千葉製粉社製)
※2:エステルガムHP(荒川化学工業社製)
※3:IPソルベント1620MU(出光興産社製)
※4:BENTONE 38V BC(エレメンティス社製)
※5:AEROSIL 380S(日本アエロジル社製)
※6:ジメチルポリシロキサン3%処理
※7:YODOSOL GH800F(アクゾノーベル社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を約110℃に加熱し、均一に混合する。
B.成分(8)〜(14)をAに添加し、均一に混合する。
C.成分(15)〜(18)をBに添加し、均一に混合する。
D.Cを容器に充填して油中水型睫用化粧料を得た。
(評価方法)
a〜cの項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。各試料を使用し、a.ボリューム効果、b.セパレート効果は塗布直後の睫のボリューム感と睫が束付きしていないかどうか、c.カールキープ効果は塗布後、6時間後も睫のカール効果が維持されているかを、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し、評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。結果を表1に示す。
<評価項目>
a.ボリューム効果
b.セパレート効果
c.カールキープ効果
<7段階絶対評価>
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超え5点以下 :良好
△ :1点を超え3.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜7の油中水型マスカラは、比較例1〜5の油中水型マスカラに比べ、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果の全てにおいて優れたものであった。
これに対して、成分(B)のみを配合して成分(A)を配合していない比較例1では、付着性や塗膜強度が低いために、ボリューム効果やカールキープ効果が著しく低下するとともに、乾きが遅いために、セパレート効果の点でも満足のいくものが得られなかった。
成分(A)のみを配合して成分(B)を配合していない比較例2では、塗膜強度が低いためにカールキープ効果が著しく低下するとともに、付着性や乾きの速さが低いために、ボリューム効果及びセパレート効果の点でも満足のいくものが得られなかった。
また、成分(A)、(B)両方とも配合していない比較例3では、付着性や塗膜強度そして、乾きが遅いために、ボリューム効果、カールキープ効果、そしてセパレート効果が著しく低下した。
さらに、成分(B)の代わりに、ロジン酸ペンタエリスリチルを配合した比較例4では、付着性は高いが、乾きが遅く、塗膜強度が低いことから、セパレート効果やカールキープ効果が著しく低下した。
成分(A)の代わりに、ジメチコン2%処理の黒酸化鉄を配合した比較例5では、付着性が低いために、ボリューム効果が著しく低下するとともに、塗膜強度や乾きが遅いために、カールキープ効果及びセパレート効果の点でも満足のいくものが得られなかった。
実施例8:油中水型睫用化粧料(ゲル状)
(成分) (%)
(1)ミツロウ 5
(2)カルナウバワックス 5
(3)キャンデリラワックス 5
(4)ポリエチレンワックス 5
(5)パルミチン酸デキストリン ※8 2
(6)軽質流動イソパラフィン※3 残量
(7)有機変性ベントナイト 3
(8)パルミチン酸デキストリン3%処理タルク※9 0.5
(9)パルミチン酸デキストリン3%処理雲母チタン※9 10
(10)パルミチン酸デキストリン3%処理セリサイト※9 10
(11)アクリル酸アルキル共重合体エマルション※7 5
(12)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(13)フェノキシエタノール 0.1
(14)香料 0.2
(15)精製水 1
※8:レオパール TL(千葉製粉社製)
※9:製造例1の製造方法に従い、パルミチン酸デキストリンを3%処理
(製造方法)
A.成分(1)〜(6)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(7)〜(10)をAに添加し、均一に混合する。
C. 成分(11)〜(15)をBに添加し、均一に混合する。
D.Cを容器に充填し、油中水型睫用化粧料を得た。
以上のようにして得られた油中水型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れるものであった。
実施例9:油性型睫用化粧料(ロングラッシュタイプ、ゲル状)
(成分) (%)
(1)不均化ロジングリセリンエステル ※10 2
(2)ポリエチレンワックス 3
(3)カルナウバワックス 5
(4)ミツロウ 2
(5)パルミチン酸デキストリン ※1 1.5
(6)軽質流動イソパラフィン ※3 残量
(7)有機変性ベントナイト 3
(8)ミリスチン酸デキストリン2%処理黒酸化鉄※11 10
(9)ミリスチン酸デキストリン5%処理タルク※12 5
(10)パルミチン酸デキストリン 3%処理ナイロン繊維※9 2
(11)着色干渉繊維 ※13 1
(12)ナイロン繊維 1
(13)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(14)1,3−ブチレングリコール 0.2
(15)香料 0.1
(16)アクリル酸アルキル共重合体エマルション*14 20
(17)フェノキシエタノール 0.1
(18)精製水 3
※10:スーパーエステルA−75(荒川化学工業社製)
※11:製造例1の製造方法に従い、ミリスチン酸デキストリンを2%処理
※12:製造例1の製造方法に従い、ミリスチン酸デキストリンを5%処理
※13:ポリエチレンテレフタレート、ナイロンを特開平11−1829に従い、51層に積層したもの、5デニール、1mm、赤色102号0.1%で染着したもの
※14:YODOSOL GH810F(固形分46%)(アクゾノーベル社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(6)を約110℃で加熱混合し均一にする。
B.成分(7)〜(15)をAに添加し、均一に混合する。
C. 成分(16)〜(18)をBに添加し、均一に混合する。
D.Cを容器に充填し、油性型睫用化粧料を得た。
以上のようにして得られた油性型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れるものであった。
実施例10:油中水型睫用下地化粧料(ゲル状)
(成分) (%)
(1)不均化ロジングリセリンエステル※10 1
(2)トリメチルシロキシケイ酸 3
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 残量
(4)ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.1
(5)(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリン3%処理タルク※15
30
(6)(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリン3%処理酸化チタン※15
0.5
(7)炭酸カルシウム 1
(8)アクリル酸アルキル共重合体エマルション※14 15
(9)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(10)エタノール 1
(11)香料 0.2
(12)精製水 5
※15:製造例1の製造方法に従い、(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)デキストリンを3%処理
(製造方法)
A.成分(1)〜(7)を約100℃で均一に混合する。
B.成分(8)〜(12)をAに添加し、均一に混合する。
C.Bを容器に充填し、油中水型睫用下地化粧料を得た。
以上のようにして得られた油中水型睫用下地化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れるものであった。
実施例11:油中水型マスカラオーバーコート(液状)
(成分) (%)
(1)水素添加エステルガム 0.5
(2)不均化ロジングリセリンエステル※10 0.5
(3)ミツロウ 5
(4)軽質流動イソパラフィン※3 残量
(5)(パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸)酸デキストリン※16 5
(6)パルミチン酸デキストリン2%処理酸化チタン被覆ガラス末※17
20
(7)水添ポリデセン 1
(8)酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.2
(10)香料 0.1
(11)ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末

(12)ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末

(13)アクリル酸アルキル共重合体エマルション※14 15
(14)パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.1
(15)エタノール 1
(16)香料 0.2
(17)精製水 5
※16:レオパールTT(千葉製粉社製)
※17:製造例1の製造方法に従い、パルミチン酸デキストリンを2%処理
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を約110℃で均一に混合する。
B.成分(6)〜(12)を均一に混合する。
C. 成分(13)〜(17)をBに添加し、均一に混合する。
D.Cを容器に充填し、油中水型マスカラオーバーコートを得た。
以上のようにして得られた油中水型マスカラオーバーコートは、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れるものであった。
実施例12:水中油型睫用化粧料
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)カルナウバワックス 1
(3)ミツロウ 1
(4)パラフィンワックス 1
(5)α−オレフィン・ポリビニルピロリドン共重合体※18 20
(6)α−オレフィン・ポリビニルピロリドン共重合体※19 2
(7)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(8)ショ糖脂肪酸エステル 2
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.3
(10)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(11)製造例1のパルミチン酸デキストリン3%処理黒酸化鉄 8
(12)無水ケイ酸 ※5 0.1
(13)トリエタノールアミン 1.2
(14)1,3−ブチレングリコール 8
(15)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(16)アクリル酸アルキル共重合体エマルション 10
(17)ポリ酢酸ビニルエマルション 0.5
(18)シャクヤクエキス 0.03
(19)精製水 残量
*18:ANTARON V−220(ISP社製)
*19:ANTARON WP−660(ISP社製)
(製法)
A.成分(1)〜(10)を加熱溶解し、成分(11)を加え、均一に混合する。
B.成分(12)〜(19)を加温し、均一に混合する。
C.AにBを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油型睫用化粧料は、ボリューム効果、セパレート効果、カールキープ効果に優れるものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)及び(B)を配合することを特徴とする睫用化粧料。
    (A)デキストリン脂肪酸エステルで表面処理した粉体
    (B)アクリル酸・アルキル共重合体エマルション
  2. 前記成分(A)の配合量が1〜30質量%、成分(B)の配合量が1〜30質量%である記載の睫用化粧料。
  3. 油中水型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の睫用化粧料。

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