JP2013227115A - エレベータ - Google Patents

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Abstract

【課題】限界張力比の変化を予測できるエレベータを提供する。
【解決手段】シーブ6および主索4間のずれ量をずれ量算出装置13にて検出する。主索4の両端に掛かる張力比を張力比算出装置14にて算出する。算出したずれ量および張力比に基づき主索4の限界張力比を限界張力比予測装置15にて演算する。算出したずれ量、張力比および限界張力比を記憶装置16に記憶させる。記憶装置16に記憶した限界張力比の差と、かご移動距離測定装置10にて測定したかご3の総移動距離とに基づいて、限界張力比の変化予測を限界張力比予測装置15にて演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸および主索の間のずれ量を算出するずれ量算出部を備えたエレベータに関する。
一般に、この種のエレベータの従来技術としては、下記特許文献1に示されているものがある。この特許文献1に記載された従来技術においては、主ロープの駆動シーブに接触している一側端のロープ張力を検出する第1の張力検出器と、他側端のロープ張力を検出する第2の張力検出器とを備えている。そして、この二つのロープ張力の比を演算して、主ロープのスリップ量を測定している。さらに、このスリップ量が予め設定されたロープ張力比基準設定値を超えた場合に、駆動シーブの駆動装置を加減速する構成とされている。
すなわち、この特許文献1においては、主ロープの両端の張力を測定して張力比を演算する機能を有している。そして、この張力比から主ロープのスリップ要件の変化を検出し、この検出した値がまえもって設定した基準値を超えた場合に、駆動装置の速度指令を変えて駆動装置を加減速させている。
特開昭62−205973号公報
前記特許文献1には、主ロープの両端の張力を測定して張力比を演算し、この張力比から主ロープのスリップ要件の変化を検出し、この検出した値がまえもって設定した基準値を超えた場合に駆動装置を加減速させている。このため、本従来技術においては、測定時点でのエレベータの安全性を確認できるものの、将来的にいつまで使用可能であるか、または交換時期がいつ頃になるか等の予測ができない。
また、限界張力比は、エレベータの積載量やシーブ溝の形状の他、かごの運転速度や頻度、運転時の積載量によって変化するため、各エレベータ毎によって大きく異なる。したがって、上述した特許文献1に記載された従来技術による対応では、エレベータの設計段階で実際にシーブを摩耗させ、エレベータの仕様毎の基準を設ける必要がある。また同時に、少なくとも施工時に対象のエレベータの限界張力比を確認する必要があるため、この限界張力比等の点検に多大な時間が掛かってしまうおそれがある。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、限界張力比の変化を予測できるエレベータを提供する。例えば、限界張力比がエレベータの仕様値を下回る時期を予測することができるエレベータを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明は、巻上機にて回転駆動される回転軸、およびこの回転軸に巻回された主索の間のずれ量を算出するずれ量算出部と、前記回転軸を介した前記主索の両端に掛かる張力比を算出する張力比算出部と、前記ずれ量算出部にて算出したずれ量と、前記張力比算出部にて算出した張力比とに基づいて、前記張力比の許容限界である限界張力比を演算する限界張力比演算部と、この限界張力比予測部にて演算された限界張力比を記憶する記憶部と、を備え、前記限界張力比演算部は、前記記憶部に記憶された前記限界張力比の差に基づいて、前記限界張力比の変化予測を演算することを特徴としている。
本発明によれば、限界張力比の変化を予測できるエレベータを提供することができる。また、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1のエレベータの概略図である。 上記エレベータの処理を示すフローチャートである。 上記エレベータの診断結果を示すグラフである。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
本実施例では、限界張力比の変化を予測できるエレベータの例を説明する。図1は、本実施例1のエレベータの概略図である。
図1に示すように、エレベータ1は、いわゆるトラクション方式のエレベータであって、上下方向に長手方向を有する昇降路2を備えている。この昇降路2内には、かご3が上下方向に昇降可能に収容されている。そして、このかご3は、昇降路2内において主ロープとしての主索4を介して釣り合いおもり5に接続されている。また、かご3は、主索4が巻き付けられた回転軸としてのシーブ6と、このシーブ6を駆動させる巻上機7によって、昇降路2内を上下方向に走行する構成とされている。ここで、これらシーブ6および巻上機7は、昇降路2内の上面部に取り付けられている。そして、この巻上機7には、この巻上機7の回転量および回転方向を検出する巻上機検出部としての巻上機エンコーダ8が取り付けられている。なお、この巻上機エンコーダ8のほか、かご3の走行に係る各種機器(図示せず)が昇降路2内に収容されており、これら各種機器は、制御盤としての制御装置9にて制御される構成とされている。
さらに、かご3には、このかご3の移動距離を測定する移動距離測定部としてのかご移動距離測定装置10と、このかご3内の質量を測定するかご内質量測定部としてのかご内質量測定装置11とを備えている。そして、かご移動距離測定装置10は、巻上機エンコーダ8とは異なるもので、昇降路2内の上部および下部のそれぞれに取り付けられた滑車10aのうちの下側の滑車10aに取り付けられている。なお、これら滑車10aには、ワイヤ10bが巻回されており、このワイヤ10bの一部がかご3に固定されている。
さらに、かご3には、巻上機3のシーブ6および主索4の間のトラクション診断を行うためのトラクション診断装置12が設けられている。このトラクション診断装置12は、主索4とシーブ6との間のずれ量を測定するずれ量測定部としてのずれ量算出装置13を備えている。このずれ量算出装置13は、巻上機エンコーダ8からの巻上機7、すなわちシーブ6の回転数および回転方向に関する出力と、かご移動距離測定装置10からの出力とに基づいて、ずれ量を測定する構成とされている。また、ずれ量算出装置13は、シーブ6の回転量を計測する回転計測部である。
さらに、トラクション診断装置12は、測定時のエレベータ1の主索4の張力比を算出する張力比算出装置14を備えている。具体的に、この張力比算出装置14は、かご3の質量と、釣り合いおもり5の質量と、かご内質量測定装置11にて測定したかご3内の質量とに基づいて、主索4の張力比を算出する。
また、トラクション診断装置12は、限界張力比演算部としての限界張力比予測装置15を備えている。この限界張力比予測装置15は、ずれ量算出装置13にて測定した主索4とシーブ6との間のずれ量と、張力比算出装置14にて算出した張力比とを用いて、測定時のエレベータ1の張力比予測線20や限界張力比を算出する。
さらに、この限界張力比予測装置15は、張力比算出装置14にて算出した張力比と、ずれ量算出装置13にて測定したずれ量とに基づき、その測定時における張力比の予測線である張力比予測線20を算出する。また、この限界張力比予測装置15は、主索4とシーブ6との間の溝係数に基づいて限界張力比を算出する。ここで、この限界張力比は、測定時の溝係数(f)と、主索4のシーブ6への巻付け角(θ)とから、T/T=efθ(ただしT≧T)の式で算出される。さらに、主索4とシーブ6との間の溝係数は、これら主索4とシーブ6との間の摩擦係数および溝形状から決まる係数である。具体的に、この主索4とシーブ6との間の溝係数は、主索4およびシーブ6間のずれ量、主索4の左右にかかる張力、主索4の荷重に対する伸び係数、シーブ6の径、およびかご3の移動量等を用いた所定の式から算出される。
また、トラクション診断装置12は、記憶部としての記憶装置16を備えている。この記憶装置16には、限界張力比予測装置15にて算出された限界張力比と、この限界張力比の算出に用いられたずれ量および張力比とが保存される。また、この記憶装置16には、かご移動距離測定装置10にて測定されたかご3の移動距離が保存される。
さらに、限界張力比予測装置15は、今後の限界張力比の変化を示す変化予測値を、限界張力比の変化予測としての変化予測線図である限界張力比予測線22として作成する機能を有している。具体的に、この限界張力比予測線22は、前回測定した際の限界張力比および今回測定した際の限界張力比の変化と、かご移動距離測定装置10にて測定され制御装置9から取得した過去の測定時からの運転距離、各運転時の積載量、かご3の移動距離の合計値である総移動距離等の運転状況に基づいて作成される。
また、この限界張力比予測装置15は、限界張力比がエレベータ1の仕様値を下回る時期、すなわちシーブ6等の部品の交換が必要と予測される交換時期24および現在からの猶予期間25を予測する。具体的に、これら交換時期24および猶予期間25は、作成した限界張力比予測線22と、制御装置9から取得した運転状況、例えばかご3の総移動距離等とに基づいて算出される。そして、記憶装置16には、限界張力比予測装置15にて作成された限界張力比予測線22とともに、予測された交換時期24および猶予期間25が保存される。
さらに、トラクション診断装置12は、トラクション診断結果を作成するための診断結果作成部としての診断結果出力装置17を備えている。この診断結果出力装置17は、記憶装置16に保存された限界張力比予測線22、交換時期24および猶予期間25を、常時または任意に、エレベータ1の保全を行う保守会社や顧客に提供する際に利用される。そして、この診断結果出力装置17は、記憶装置16に保存された限界張力比予測線22、交換時期24および猶予期間25が記載された診断書を、データまたは印刷物などとして作成する機能を備えている。
また、トラクション診断装置12は、警報装置18を備えている。この警報装置18は、限界張力比予測装置15にて運転時に算出された限界張力比が、エレベータ1の最大積載時の張力比以下の場合に、保守会社に連絡し、このエレベータ1の運転、すなわちサービスを停止するよう制御装置9に指示する。そして、この制御装置9は、運転時に算出した限界張力比がエレベータ1の最大積載時の張力比以下の場合に、エレベータ1のかご3を最も近い停止階に停止させ、乗客へかご3から降りるよう案内する。さらに、この制御装置9は、かご内質量測定装置11の測定結果に基づいて乗客全員がかご3から降りて積載量が無いことを確認でき次第、かご3のドアを閉め、以降運転を休止させ禁止する運転休止部としての運転休止機構を有している。ここで、警報装置18は、エレベータ1に備えさせても良い。
図2は、エレベータの処理を示すフローチャートである。
まず、エレベータ1のトラクション診断を行う場合においては、管理センタ(図示せず)からの遠隔操作や、作業員による手動操作等によってトラクション診断装置12を起動させる。すると、巻上機エンコーダ8の回転量と、かご移動距離測定装置10にて測定されたかご3の実際の移動距離情報とが、制御装置9からずれ量算出装置13へ送られる。そして、このずれ量算出装置13にて運転時の主索4とシーブ6との間のずれ量が測定される。また同時に、かご内質量測定装置11にて測定したかご3の積載量情報が制御装置9を介して張力比算出装置14へ送られる。そして、この張力比算出装置14にて、かご3の質量や釣り合いおもり5の質量等のエレベータ1の仕様に基づき運転時の張力比が算出される(ステップS1)。
この後、ステップS1にて測定されたずれ量と、算出された張力比とに基づき、限界張力予測装置15にて測定時の張力比予測線20が算出されるとともに、この測定時の限界張力比が算出される(ステップS2)。さらに、このステップS3にて算出された限界張力比が、エレベータ1の仕様範囲における最大張力比と比較される(ステップS3)。
そして、この限界張力比が最大張力比以下となる場合においては、限界張力比予測装置15にて警報装置18を介して保守会社に警報が発信されるとともに、かご3が停止され、制御装置9にて最も近い停止階にかごが停止される(ステップS4)。さらに、このステップ5の後には、かご3内の乗客へかご3から降りるよう案内される。さらに、かご内質量測定装置11の測定結果により乗客全員がかご3から降りてかご3の積載量が無いことが確認され次第、かご3のドアを閉め、それ以降の運転が禁止されるように制御装置9に指示して運転休止させる(ステップS5)。
一方、ステップS2にて算出された限界張力比が、最大張力比を上回った場合においては、このステップS2にて算出された限界張力比と、このステップS2での算出に用いたずれ量および張力比が、記憶装置16に記憶されて保存される(ステップS6)。この後、この記憶装置16に記憶されている過去の測定時の限界張力比と、過去の測定時からの運転距離および各運転時の積載量などの運転状況に基づいて、図3に示すように、エレベータ1の限界張力比予測線22が限界張力比予測装置15にて作成される(ステップS7)。
さらに、このステップS7にて限界張力比予測装置15が作成した限界張力比予測線22と、エレベータ1の運転状況とに基づいて、限界張力比がエレベータ1の仕様範囲における最大張力比以下となると想定される時期、すなわち交換時期24と、現在からの猶予期間25とが限界張力比予測装置15にて算出される。そして、これら交換時期24および猶予期間25のそれぞれが記憶装置16に記憶されて保存される(ステップS8)。
図3は、エレベータの診断結果を示すグラフである。
この図3は、X軸方向が張力比、Y方向がずれ量とされた二次元図とされている。さらに、この図3には、エレベータ1の運転時に、張力比算出装置14にて算出した張力比に対する、ずれ量算出装置13にて測定したずれ量が測定結果19として図上にプロットされて表示される。なお、これら測定結果19は、図上に1点だけ表示させても良いが、図3に示すように、複数の点を同時に表示させてもよい。
さらに、図3においては、張力比算出装置14にて算出した張力比と、ずれ量算出装置13にて測定したずれ量とに基づいて、限界張力比予測装置15にて算出された張力比予測線20が線図上に表示されている。ここで、各測定結果19は、この張力比予測線20上にプロットされる。次いで、記憶装置16に記憶されている測定日時21以前に算出した限界張力比およびずれ量に基づいて、限界張力比予測装置15にて変化予測線としての限界張力比予測線22が算出される。そして、この限界張力比予測線22が、図上に表示される。
また、限界張力比予測線22と、エレベータ1の仕様から決まる張力比の許容値を示す仕様最大値23との交差点が、この仕様最大値23に到達する予測時期とみなして交換時期24とされる。そして、現在から交換時期24までの猶予が猶予期間25とされ、これら交換時期24および猶予期間25のそれぞれが図上に表示される。さらに、図3に示す線図は、診断結果出力装置17にて診断書としてデータまたは印刷物等とされて出力される。
上述したように本実施例におけるエレベータ1においては、巻上機エンコーダ8の回転量と、かご移動距離測定装置10にて測定されたかご3の実際の移動距離情報とに基づいて、ずれ量算出装置13にて運転時の主索4とシーブ6との間のずれ量を測定する。さらに、かご内質量測定装置11にて測定したかご3の積載量情報に基づいて、張力比算出装置14にて、かご3の質量や釣り合いおもり5の質量等のエレベータ1の仕様に基づく運転時の張力比を算出させる。そして、これらずれ量と張力比とに基づいて、限界張力予測装置15にて測定時の限界張力比を算出させた。したがって、この限界張力比を確認することにより、測定時での限界張力比を予測できるとともに、この限界張力比がエレベータ1の仕様値、すなわち最大張力比を下回る時期を予測できる。
すなわち、この限界張力予測装置15にて算出された限界張力比が、エレベータ1の最大積載時の張力比以下の場合には、このエレベータ1のかご3が最大積載の状態となっている。よって、設計時には意図していない、シーブ6の摩耗等によって運転時に主索4とシーブ6と間の摩擦力が低下しており、これら主索4およびシーブ6間の相対的なすべりが発生している状態となっている。そこで、この限界張力比予測装置15にて算出される限界張力比が、エレベータ1の仕様値を下回ることがないよう制御しなければならない。よって、この限界張力比を、エレベータ1の仕様範囲における最大張力比と比較し、この限界張力比が最大張力比以下の場合に、警報装置18を介して警報を発信させつつ、かご3の運転を制御装置9の運転休止機構にて休止させる。
これに対し、限界張力予測装置15にて算出された限界張力比が最大張力比を上回った場合には、運転時に主索4とシーブ6と間に相対的なすべりが発生しておらず交換時期に至っていない。そこで、この限界張力比とともに、算出されたずれ量および張力比を記憶装置16に保存させる。
さらに、エレベータ1の主索4とシーブ6との間の溝係数は、このシーブ6が摩耗することによる溝の形状変化に伴って変化する。また、このシーブ6の摩耗速度は、エレベータ1の運転距離や運転時の積載量によって大きく変化する。そこで、前回測定した際の限界張力比および今回測定した際の限界張力比の変化と、制御装置9から取得した過去の測定時からの運転距離および各運転時の積載量などの運転状況とに基づいて、今後の限界張力比の予測線である限界張力比予測線22を限界張力比予測装置15にて作成させる。
この結果、限界張力比予測装置15にて作成された限界張力比予測線22と、エレベータ1の仕様最大値23との交点を確認することにより、このエレベータ1のシーブ6等の部品の交換時期24および、現在からの猶予期間25を未然に知ることができる。よって、この猶予期間25に基づいて、エレベータ1のメンテナンス時期を設定し、シーブ6等の交換が必要な部品や作業者のスケジュール等を予め調整できるので、エレベータ1のメンテナンス作業およびスケジュールを大幅に軽減できる。したがって、エレベータ1の保守管理作業を、タイムスケジュールベースからコンディションベースにできる。さらに、エレベータ1のシーブ6の摩擦や、このシーブ6および主索4間の摩擦係数が減少した場合においても、安全性を損なわせることなくエレベータ1を運転することができる。
さらに、限界張力比予測装置15にて作成された限界張力予測線22と、エレベータ1の運転状況とに基づいて、シーブ6等の交換時期24および現在からの猶予期間25とを限界張力比予測装置15にて算出させる。そして、これら交換時期24および猶予期間25を記憶装置16に保存させつつ、これら限界張力予測線22、交換時期24および猶予期間25が記載された診断書を診断結果出力装置17にてデータや印刷物等で出力させる構成とした。
この結果、この診断結果出力装置17から出力されるデータや印刷物等を確認することにより、限界張力比がエレベータ1の最大積載時の張力比を上回る時期、すなわち、このエレベータ1のシーブ6等の交換時期を明確かつ確実に知ることができる。よって、限界張力比予測装置15にて作成された限界張力比予測線22に基づいて、保守作業者が交換時期24をその都度算出する場合に比べ、エレベータ1の保守に必要な作業時間を短くできるとともに、保守回数を少なくできるから、保守作業者の負担を軽減できる。
さらに、限界張力比予測装置15にて算出された限界張力比が最大張力比以下となった場合に、限界張力比予測装置15にて警報装置18を介して保守会社に警報を発信する。そして、制御装置9にて最も近い停止階にかごを停止させつつ、このかご内の乗客へかご3から降りるよう案内する。さらに、かご内質量測定装置11の測定結果により乗客全員がかご3から降りてかご3の積載量が無いことを確認し次第、かご3のドアを閉め、それ以降の運転を制御装置にて禁止させるようにした。
この結果、限界張力比予測装置15にて算出された限界張力比が最大張力比以下となったことを自動的に保守会社に通知できるとともに、乗客の安全を適切に確保した後に、故障のおそれのあるエレベータ1の運転を禁止できる。したがって、保守会社の保守作業を簡略化できるとともに、乗客に対する負担を最小限にできる。
なお、上記実施例1においては、複数の異なる測定結果19を得る目的から、主索4とシーブ6のずれ量や張力比の測定を、エレベータ1の通常運転時に積載がある状態で常時または任意に行うものである。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施例としては、エレベータ1の使用予定がない深夜や空き時間等のサービス時間外に、自動的に積載無しの状態で、本発明のトラクション診断運転をさせることもできる。この場合には、かご3に錘(図示せず)を積み込む等し、複数の異なる測定結果19を得るようにし、張力比予測線20の精度を向上させることもできる。
また、通常運転時に積載がある状態で診断運転させる場合においては、運転毎に乗客の人数や質量が異なるため、異なる積載量に基づくずれ量を測定することができるが、他の実施例としては、例えばサービス時間外の診断運転の際に、かご3の加減速度を変更させたり、かご内に質量の異なる錘(図示せず)等を積載させたり、別途シーブ6を振動させる等して張力比を変更させてずれ量を測定し、複数の異なる測定結果19を得るようにし、張力比予測線20の精度を向上させても良い。ここで、この張力比予測線20の精度を向上させる目的としては、エレベータ1の運転時間内と運転時間外とでずれ量をそれぞれ測定することによって、異なる積載量に基づくずれ量を容易に測定することができる。
さらに、限界張力比予測装置15にて算出された張力比予測線20を、図上に1本だけ表示させたり、図3に示すように複数本表示させたりしてもよい。さらに、この張力比予測線20を複数表示する場合においては、この張力比予測線20が表示された図を確認する保守員や顧客が分かりやすいようにすることを目的として、張力比予測線20毎に測定日時21を表示してもよい。また、この測定日時21は、図3に示すように張力比予測線20に掛かるまたは重なるように表示したり、一か所に時系列順に並べて表示したりしてもよい。また任意に、これら測定日時21の表示の要否を切り替え可能にしてもよい。
そして、限界張力比予測線22と比較するエレベータ1の仕様から決まる張力比の許容値を示す仕様最大値23については、算出される実際の値よりも、このエレベータ1の各部品の製造時や組立時の許容誤差等から定まる、予め設定された許容誤差分ほど大きい値にして表示させてもよい。この結果、交換時期24および猶予期間25がより短くなるものの、各部品の製造時や組立時の許容誤差を考慮して交換時期24および猶予期間25を算出できるため、より適切な保守管理を行うことができる。さらに、これら交換時期24または猶予期間25を、予め設定された許容誤差分だけ早くまたは短く表示することによっても同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係るトラクション診断装置12を、既存のエレベータ1の制御装置9に接続等することによって、このエレベータ1をトラクション診断できる構成とすることもできる。さらに、このトラクション診断装置12が予め取り付けられたエレベータ1においては、所定のメンテナンスプログラムを導入等しておくことによって、エレベータ1の非運転時等に自動的にトラクション診断させる構成とすることもできる。また、所定の通信装置(図示せず)を接続等することによって遠隔診断や遠隔メンテナンスを行う構成とすることもできる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分りやすく表示するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 エレベータ
3 かご
4 主索
6 シーブ
7 巻上機
8 巻上機エンコーダ
9 制御装置
10 かご移動距離測定装置
11 かご内質量測定装置
13 ずれ量算出装置
14 張力比算出装置
15 限界張力比予測装置
16 記憶装置
17 診断結果出力装置
22 限界張力比予測線
24 交換時期
25 猶予期間

Claims (6)

  1. 巻上機にて回転駆動される回転軸、およびこの回転軸に巻回された主索の間のずれ量を算出するずれ量算出部と、
    前記回転軸を介した前記主索の両端に掛かる張力比を算出する張力比算出部と、
    前記ずれ量算出部にて算出したずれ量と、前記張力比算出部にて算出した張力比とに基づいて、前記張力比の許容限界である限界張力比を演算する限界張力比演算部と、
    この限界張力比予測部にて演算された限界張力比を記憶する記憶部と、を備え、
    前記限界張力比演算部は、前記記憶部に記憶された前記限界張力比の差に基づいて、前記限界張力比の変化予測を演算する
    ことを特徴とするエレベータ。
  2. 請求項1記載のエレベータにおいて、
    前記かごの移動距離を測定する移動距離測定部を備え、
    前記限界張力比演算部は、前記移動距離測定部にて測定した前記かごの移動距離と前記変化予測とに基づいて、前記限界張力比が予め定めた所定値に達する交換時期、または前記所定値に達するまでの猶予期間を演算する
    ことを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1または2記載のエレベータにおいて、
    前記限界張力比が前記かごの最大積載量から定まる所定値に達した場合に、前記かごを最寄階に停止させてドアを開いた後に運転を休止させる制御部を備えた
    ことを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1または2記載のエレベータにおいて、
    前記限界張力比の変化予測値と、前記交換時期または前記猶予期間とを図示した診断結果を作成する診断結果作成部を備えた
    ことを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項1記載のエレベータにおいて、
    前記回転軸の回転量を検出する巻上機検出部と、
    前記かごの移動距離を測定する移動距離測定部とを備え、
    前記すれ量算出部は、前記巻上機検出部にて検出された前記回転軸の回転量と、前記移動距離測定部にて測定された前記かごの移動距離に基づいて、前記回転軸と前記主索との間のずれ量を算出する
    ことを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項1、2および5のいずれか一項に記載のエレベータにおいて、
    前記かご内の質量を測定する質量測定部を備え、
    前記張力比算出部は、前記質量算出部にて算出された前記かご内の質量に基づいて、前記主索の両端に掛かる張力比を算出する
    ことを特徴とするエレベータ。
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