本発明は、孔開け装置として、加工刃を支持するとともに回転駆動する主軸部と、この主軸部に対して相対回転可能に外嵌された状態で設けられ、加工刃によって切り取られた切片を保持する保持爪部が設けられる外周支持部とを備える構成において、主軸部と外周支持部との相対的な回転を利用し、主軸部と外周支持部との主軸部の軸方向の相対的な移動等を行うことにより、動力源を減らし、装置のコンパクト化・軽量化を図ろうとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
[孔開け装置の構成]
本実施形態に係る孔開け装置1は、例えば、自動車に用いられる樹脂製の燃料タンク等の中空状の部材を、孔開け加工の対象物(ワーク)とする。孔開け装置1は、ワークが有する孔部(以下「ワーク孔部」とする。)101を用いて、ワークに孔を開ける。つまり、孔開け装置1は、ワーク孔部101を有するワークに対してワーク孔部101の周囲を切り取ることで燃料タンクに孔を開ける。したがって、ワークにおいては、孔開け装置1により、ワーク孔部101を含む部分が切片102として切り取られる。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る孔開け装置1は、主軸部2と、加工刃3と、外周支持部4と、保持爪部5とを備える。
主軸部2は、孔開け装置1においてスピンドルを構成する部分であり、動力源による回転動力を受けて回転する。主軸部2は、軸部分2aを基体部分とし、その軸部分2aの軸中心(図2、軸中心線A1参照)を回転軸として回転する。本実施形態の孔開け装置1においては、主軸部2は、モータ(スピンドルモータ)を動力源として回転する。
主軸部2は、軸部分2aの軸方向(軸中心線A1に沿う方向、以下「主軸方向」という。)の一端側に、スピンドルモータの回転駆動力が伝達されて回転する部分に連結される連結部(図示略)を有する。孔開け装置1は、主軸部2の連結部の部分を、スピンドルモータを含む駆動装置に対して連動連結させる。つまり、スピンドルモータの回転駆動力が、減速機等を介して主軸部2の連結部に伝達され、主軸部2が回転する。
このように、孔開け装置1は、所定の駆動装置に対して連結される孔開けツール(孔開けユニット)として構成される。そして、主軸部2において軸部分2aの一端側に設けられる連結部は、いわゆるオートツールチェンジャにおける着脱部となる。以下の説明では、孔開け装置1において、主軸方向のうち、連結部が設けられる側(図2において上側)を上側とし、その反対側(同図において下側)を下側として上下方向を規定する。
主軸部2は、軸部分2aの中途部分に、回転ベース23を有する。回転ベース23は、略矩形厚板状の外形を有するブロック部分であり、その両方の板面が上下を向くように、かつ中心の位置が軸中心線A1に一致するように設けられる。回転ベース23は、主軸部2の軸部分2aを貫通させた態様で設けられる。
加工刃3は、主軸部2と一体的に設けられる。加工刃3は、主軸部2の軸中心線A1に対して略平行に延びるように設けられ、下端部に刃面を形成する部分を有する。具体的には、加工刃3は、主軸部2に対して、主軸部2に固定される刃ベース31と、刃ベース31に固定される取付アーム32を介して設けられる。
刃ベース31は、略矩形板状の外形を有する部材であり、その両方の板面が上下を向くように設けられる。刃ベース31は、主軸部2に固定される側の部分である基部31aと、基部31aから延設される支持部31bとを有する。刃ベース31においては、その略矩形板状の外形における長手方向の一側(図3における右側)の部分が基部31aとなり、同じく長手方向の他側(同図における左側)の部分が支持部31bとなる。
刃ベース31は、基部31aの部分を回転ベース23上に位置させた状態で、例えばネジ等の固定部材により、主軸部2に対して固定される。刃ベース31の支持部31bは、基部31aから、軸中心線A1に垂直な面に沿って水平方向に突出する部分であり、この支持部31bの下側に、取付アーム32が設けられる。
取付アーム32は、刃ベース31の支持部31bから下側に向けて延設され、上下方向を長手方向とする幅狭の略板状の部材である。取付アーム32の下端部に、加工刃3が固定される。
加工刃3は、全体として矩形板状の部材であり、長手方向の一側に、比較的板厚が厚い固定部3aを有し、長手方向の他側に、固定部3aよりも板厚が薄い部分であって刃面を形成する刃部3bを有する。加工刃3は、固定部3aの部分が取付アーム32の内側面(軸中心線A1側の面)32dの下端位置に形成された嵌合溝32eに嵌合した状態で、固定プレート33によって固定される。
固定プレート33は、嵌合溝32eに嵌合した状態の加工刃3の固定部3aを覆うように、取付アーム32の内側面32dに対してボルト等の固定具によって固定される。このように、加工刃3は、取付アーム32の下端部における内側面32d側において、取付アーム32と固定プレート33とによって固定部3aの部分が挟まれ、取付アーム32の下端から刃部3bを下方に向けて突出させた状態で固定される。
以上のように刃ベース31および取付アーム32を介して主軸部2と一体的に設けられる加工刃3は、主軸部2の回転にともなって主軸部2の軸中心回りの円周に沿って移動する。すなわち、加工刃3は、その刃先により、主軸部2の回転にともない、主軸方向についての加工刃3の刃先の位置における軸中心線A1に垂直な平面において、軸中心線A1の位置を中心として、その中心の位置から加工刃3の刃先の位置までの寸法(図2、符号B1参照)を半径とする円周を描くように移動する。つまり、加工刃3の刃先は、軸中心線A1の位置を支点としてコンパスのような態様で円周に沿う軌跡を描く。したがって、加工刃3による切断線は、軸中心線A1の位置を中心とする円周形状となる。
また、加工刃3は、例えば、軸中心線A1を中心とする円周形状の径方向(以下「主軸径方向」という。)の位置が調整可能に設けられる。加工刃3の主軸径方向の位置調整のためには、例えば、加工刃3を支持する取付アーム32を刃ベース31に対して主軸径方向について位置調整可能に設ける構造が採用される。この構造においては、加工刃3の主軸径方向の位置は、取付アーム32の刃ベース31に対する主軸径方向の位置により調整される。
一方、主軸部2においては、加工刃3を支持する刃ベース31および取付アーム32に対するバランスウエイト37が設けられている。バランスウエイト37は、主軸部2において、主軸径方向について、加工刃3が設けられる側と反対側、つまり主軸部2から刃ベース31の支持部31bが突出する側と反対側に設けられる。本実施形態では、バランスウエイト37は、直方体状のブロック体であり、図示せぬボルト等の固定具によって刃ベース31に固定される。
図1〜図6を用いて、外周支持部4および保持爪部5について説明する。外周支持部4は、円筒状に構成されるホルダ部41と、ホルダ部41の下側に設けられる円板状の拡径プレート部42とを有する。これらのホルダ部41および拡径プレート部42は、それぞれ主軸部2に対して同軸心上に設けられるとともに、回転ベース23の下側において、主軸部2の軸部分2aを貫通させた状態で設けられる。つまり、ホルダ部41は、円筒状の外形において筒軸方向に沿う中心軸が軸中心線A1に一致するように設けられ、拡径プレート部42は、円板状の外形において板面に垂直な方向に沿う中心軸が軸中心線A1に一致するように設けられる。
ホルダ部41は、その中心軸部分に、主軸部2の軸部分2aを貫通させる挿通孔41aを有する(図5参照)。ホルダ部41は、主軸部2の軸部分2aに対して、主軸方向に沿って摺動するように、かつ相対回転するように設けられる。つまり、ホルダ部41は、挿通孔41aを形成する内周面の少なくとも一部を、主軸部2の軸部分2aの外周面に接触させた状態で、軸部分2aを貫通させる。また、拡径プレート部42は、その中心軸部分に、主軸部2の軸部分2aを貫通させる貫通孔部42aを有する(図5参照)。
拡径プレート部42は、外周支持部4において、ホルダ部41に対する拡径部分である。このため、拡径プレート部42の上面の周縁部は、ホルダ部41に対する段差面42bとして、ホルダ部41の周囲において円環状に露出する(図1、図5参照)。拡径プレート部42は、ホルダ部41の下側において、ホルダ部41に固定された状態で設けられる。ホルダ部41と拡径プレート部42とは、ボルト43によって互いに固定される。
ボルト43は、ホルダ部41の上下方向における中途部に設けられる鍔状のフランジ部41bを貫通して、拡径プレート部42の上面の周縁部である段差面42bに開口するネジ穴にねじ込まれる。つまり、ボルト43は、ホルダ部41の周囲において、フランジ部41bと拡径プレート部42との間に上下方向に架設された態様で設けられる。本実施形態では、ホルダ部41の円周方向について等間隔に配置される4本のボルト43により、ホルダ部41と拡径プレート部42とが固定されている。
このような構成により、外周支持部4を構成するホルダ部41と拡径プレート部42とは、ボルト43によって互いに固定され、主軸部2の軸部分2aに対して一体的に主軸方向に相対移動し、また、主軸部2の軸部分2aに対して一体的に軸中心線A1回りに相対回転する。このように、外周支持部4は、主軸部2の軸部分2aを挿通させた状態で設けられ、主軸部2と相対回転する。
保持爪部5は、外周支持部4に設けられ、ワーク孔部101に係止される係止爪51を有し、加工刃3により切り取られたワークの切片102を保持するための構成である。保持爪部5は、外周支持部4の下側に設けられ、外周支持部4に対して介装プレート52を介して設けられる爪支持部53と、爪支持部53に支持された状態で設けられた係止爪51としての複数の爪54とを有する。
介装プレート52は、円板状の部材であり、主軸部2に対して同心配置される。つまり、介装プレート52は、円板状の外形において板面に垂直な方向に沿う中心軸が軸中心線A1に一致するように設けられる。介装プレート52は、その中心軸部分に、主軸部2の軸部分2aを貫通させるための孔部52aを有する(図5参照)。
介装プレート52は、外周支持部4を構成する拡径プレート部42に対して、拡径プレート部42の下面側に、図示せぬボルト等の固定具によって固定される。介装プレート52は、拡径プレート部42に対して小さい外径を有する。具体的には、介装プレート52は、拡径プレート部42の上側に位置するホルダ部41の拡径プレート部42に固定される部分と略同じ外径を有する。したがって、拡径プレート部42の下面においては、拡径プレート部42の上面と同様に、介装プレート52の周囲において円環状に露出する、介装プレート52に対する段差面42dが存在する(図5参照)。
爪支持部53は、比較的外径が大きい基部53aと、基部53aに対して外径が小さい縮径部53bとを有する。基部53aは、略円筒状の外形を有し、主軸部2に対して同軸心上に設けられる。基部53aは、その中心軸部分に、主軸部2の軸部分2aを貫通させる挿通孔53cを有する(図5参照)。基部53aは、介装プレート52と略同じ外径を有する。基部53aは、爪支持部53において、介装プレート52に固定される部分である。爪支持部53は、ボルト55により、介装プレート52に固定される。ボルト55は、介装プレート52を貫通して、基部53aの上面に開口するネジ穴53dにねじ込まれる(図5参照)。
縮径部53bは、略円筒状の外形を有し、主軸部2に対して同軸心上に設けられる。縮径部53bは、その中心軸部分に、主軸部2の軸部分2aを挿入させる挿入孔53eを有する(図5参照)。縮径部53bには、挿入孔53eを外部に開口させる爪用開口53fが形成されている。爪用開口53fは、略円筒状の外形を有する縮径部53bの外周部において、筒軸方向(主軸方向)に沿って縮径部53bの略全体にわたってスリット状に形成される。このように縮径部53bが有する挿入孔53eおよび爪用開口53fに、保持爪部5が有する爪54の大部分が収容される。
爪54は、全体として略棒状ないし略柱状の外形を有し、その大部分を構成する直線状の基部54aと、基部54aの一端側に設けられる係止部54bと、基部54aの他端側に設けられる支持部54cとを有する。係止部54bは、直線状の基部54aに対して略直角に折れ曲った形状をなす部分である。つまり、係止部54bは、基部54aとともに略L字状の形状をなす。
支持部54cは、爪54において係止部54bが設けられる側と反対側の端部において、直線状の基部54aに対して係止部54bと同じ側に鈍角をなすように折れ曲った形状部分である。爪54は、支持部54cにおいて、支持軸部54dにより、回転可能に軸支される(図5参照)。支持軸部54dは、基部54aに対する係止部54bおよび支持部54cの屈曲形状が表れる側面に対して垂直な方向を軸方向とする。
爪54は、係止部54bが下側となるように、つまり支持部54cが上側となるように、かつ、基部54aに対して係止部54bおよび支持部54cが折れ曲る側が主軸径方向の外側を向くように、爪支持部53に対して支持される。また、爪54は、支持部54cにおける支持軸部54dの軸方向を、軸中心線A1の位置を中心とする円周形状の接線方向に沿わせた向きに支持される。したがって、爪54が支持軸部54dを支点として回転することで、爪54の下端側(係止部54b側)が、軸中心線A1の位置に対して近接・離間することになる。
爪54は、爪支持部53において、基部53aおよび縮径部53bの外形の範囲内に収まる態様で収容される。詳細には次のとおりである。爪54のうち、支持軸部54dにより支持される上端側の支持部54cの部分は、爪支持部53の基部53aの下端部において、縮径部53bの爪用開口53fに対して上側に連続する支持凹部53g内に位置する。また、爪54のうち、基部54aおよび係止部54bの部分は、爪用開口53fから外側に臨んだ状態で、縮径部53bの挿入孔53eおよび爪用開口53fに位置する。爪54は、爪支持部53に収容された状態において、直線状の基部54aが下側にかけて軸中心線A1に近付くように傾斜するとともに、係止部54bの先端が縮径部53bの外周面から突出することなく外周面の位置と略一致するような姿勢となる。以下の説明では、このように爪54が爪支持部53に収容された状態を、爪54について「収容状態」とする。
爪54の収容状態は、爪支持部53に設けられる押圧バネ56の付勢力により保持される(図5参照)。押圧バネ56は、爪54における支持軸部54dによる軸支位置よりも主軸径方向の外側の位置を、上側から下方に向けて押圧付勢するように設けられる。したがって、爪54は、押圧バネ56からの付勢力を受けることで、下端側(係止部54b側)が軸中心線A1に近付く方向に付勢される。
押圧バネ56は、巻きバネであり、爪支持部53の基部53aにおいて、伸縮方向が上下方向となるように、爪支持部53の基部53a内に形成されるバネ孔53h内に収容される(図5、図6参照)。バネ孔53hは、上記のとおり爪54の支持部54cが位置する支持凹部53gに下端側を開口させるように、上下方向に形成される。
押圧バネ56の下端部は、爪54の上面側において押圧バネ56から押圧される位置にて突出する係止突起54eに外嵌されることで、爪54に対して係止される。一方、押圧バネ56の上端部は、係止突起54eに対して上下方向に対向するように下向きに突出する係止ピン57に外嵌した状態で支持される(図5参照)。
係止ピン57は、爪支持部53の基部53aの上端部に設けられる嵌合凹部53jに嵌合するブロック体58の下端面からバネ孔53h内に突出するように設けられる(図5、図6参照)。すなわち、バネ孔53hの上端側は、嵌合凹部53jに開口し、係止ピン57は、ブロック体58の下端面において、ブロック体58が嵌合凹部53jに嵌合した状態でバネ孔53hに対応する位置に設けられる。ブロック体58は、爪支持部53の嵌合凹部53jに嵌合した状態で、図示せぬボルト等の固定具によって固定され、爪支持部53の一部を構成する。
本実施形態の孔開け装置1においては、保持爪部5は、軸中心線A1を中心とする円周に対して等角度間隔で(120°間隔で)配置される3本の爪54を有する。各爪54が支持軸部54dを中心として係止部54b側が軸中心線A1から遠ざかるように回動することで、3本の爪54は、下端側から軸中心線A1を中心として放射状に開く態様となる。
3本の爪54が開くように各爪54が回動することで、各爪54は、その係止部54bを、爪用開口53fを介して縮径部53bの外周面から突出させた状態となる。一方、各爪54が上述したように押圧バネ56の付勢力によって回動することで、3本の爪54は閉じた状態となる。なお、3本の爪54が閉じた状態においては、3本の爪54の下端部が軸中心線A1の位置で互いに背中合わせの態様で接触する。
以上のように、本実施形態の保持爪部5は、係止爪51として、主軸部2の軸中心(軸中心線A1)回りに沿って所定の間隔を隔てて配置され、主軸部2の軸中心から放射状に開く3本の爪54を有する。3本の爪54は、互いに同じ高さ位置にて支持される。なお、孔開け装置1が係止爪51として備える構成は、本実施形態に限定されない。係止爪51としては、2本以下あるいは4本以上の爪を有する構成であってもよく、また、爪の形状や回動の方向や動作態様等についても特に限定されず、ワークの切片102を保持するためにワーク孔部101に係止される構成であればよい。
保持爪部5が有する爪54に関し、3本の爪54が開く動作は、主軸部2が有するテーパ形状による押出し作用により行われる。このため、主軸部2は、その先端部に、テーパ面25aを形成するピン25を有する。
ピン25は、円柱状の外形を有する部材であり、その中心軸が軸中心線A1に一致するように設けられ、軸部分2aと同心配置される。ピン25は、その下側部分に、テーパ面25aを形成するテーパ部2bを有する。テーパ部2bは、下側を頂点側とする略円錐状の外形を有する。つまり、テーパ部2bによって形成されるテーパ面25aは、略円錐面に沿う形状である。
ピン25は、主軸部2の軸部分2aの下側において、軸部分2aに対して軸受部26を介して設けられる。ピン25は、軸部分2aとの間に軸受部26を介装することにより、軸部分2aに対して相対回転するように設けられる。
ピン25は、保持爪部5に対して相対的に下側に移動することで、テーパ面25aによって3本の爪54を押すことで、3本の爪54を開いた状態とする。詳細には次のとおりである。上述したように、爪54の収容状態においては、直線状の基部54aは、下側にかけて軸中心線A1に近付くように傾斜する。これに対し、主軸部2のテーパ面25aは、収容状態の爪54の基部54aと略同じ傾斜角度をなす。
本実施形態の孔開け装置1においては、通常、ピン25は、テーパ部2bのテーパ面25aを、収容状態の3本の爪54の内側面である背面54fに略接触させる位置状態にある(図5参照)。ここで、ピン25の保持爪部5に対する相対的な高さ位置は、保持爪部5と主軸部2との主軸方向の相対的な位置関係により定まる。
上記のとおり主軸部2のテーパ面25aが収容状態の3本の爪54の背面54fに略接触した状態から、主軸部2が外周支持部4に対して相対的に下側に移動することで、ピン25がテーパ面25aを爪54の背面54fに接触させた状態で摺動し、爪54が徐々に支持軸部54dを中心として外側に回動する。つまり、テーパ面25aの爪54に対する下方への相対移動により、縮径部53b内において爪54のうち爪用開口53fから内側に突出する部分が、爪用開口53fの位置まで外側に押し出される。
そして、ピン25の爪54に対する下方への相対移動が進み、ピン25におけるテーパ部2bよりも上側における円柱状の最大外径部分が、爪54の基部54aに達することで、3本の爪54が開いた状態となる。3本の爪54が開いた状態においては、爪54の係止部54bの部分が、縮径部53bの外周面から主軸径方向の外側に突出した状態となる(図4参照)。このように主軸部2のテーパ部2bによって3本の爪54が開いた状態が、保持爪部5がワーク孔部101に係止した状態となる。
以上のように、本実施形態の孔開け装置1が備える主軸部2は、外周支持部4に対する主軸方向の相対的な移動により、3本の爪54を開くテーパ部2bを有する。本実施形態では、主軸部2が有するテーパ部2bは、主軸部2の下端部を構成するピン25の下側部分である。以下の説明では、上述したように3本の爪54が開いた状態を爪54について「開状態」とする。
以上のような構成を備える本実施形態の孔開け装置1においては、主軸部2と、主軸部2の軸部分2aに外嵌される外周支持部4とがネジ係合しており、主軸部2と外周支持部4との相対回転により、主軸部2と外周支持部4との主軸方向についての相対的な位置が変化する。このため、主軸部2および外周支持部4は、互いの相対的な回転により、主軸部2と外周支持部4との主軸方向の相対的な位置を変化させるネジ部を有する。
主軸部2は、回転ベース23よりも下側の軸部分2aにおいて、外周面にネジ面が形成されたネジ部27を有する。ネジ部27は、主軸部2の軸部分2aにおいて、主軸方向について、主軸部2に対する外周支持部4の可動範囲に応じて所定の範囲に設けられる。
一方、主軸部2の軸部分2aを貫通させる外周支持部4側においては、拡径プレート部42の内周部に、主軸部2のネジ部27に対してネジ係合するナット部47を有する。つまり、ナット部47の内周面には、雄ネジであるネジ部27に対する雌ネジとなるネジ面が形成されている。上述したように拡径プレート部42において主軸部2の軸部分2aを貫通させる貫通孔部42a(図5)は、ナット部47により雌ネジ部として構成される。
本実施形態では、主軸部2のネジ部27と外周支持部4のナット部47とは、ボールネジを構成する。すなわち、ネジ部27における外周面のネジ溝と、ナット部47における内周面のネジ溝との間には、所定の経路を循環する多数の転動体(ボール)が内装される。これにより、主軸部2と外周支持部4との相対的な回転にともなう主軸方向の直線移動が円滑に行われる。
なお、主軸部2のネジ部27と外周支持部4のナット部47とは、ボールネジのほか、例えば台形ネジ等であってもよく、また、拡径プレート部42の内周面に直接的にネジ面が形成されてもよい。つまりは、主軸部2と外周支持部4とは、互いの相対的な回転動作が相対的な主軸方向の直線動作に変換される状態で互いに係合されればよい。
以上のように、孔開け装置1においては、加工刃3が設けられた主軸部2と、保持爪部5が設けられた外周支持部4とが、軸中心線A1を回転軸方向として相対回転する。孔開け装置1によるワークに対する実際の孔開け動作においては、静止した状態の外周支持部4および保持爪部5に対して、主軸部2および加工刃3が一体的に回転する。つまり、主軸部2および加工刃3が回転部分となるのに対し、外周支持部4および保持爪部5が無回転部分となる。
また、本実施形態の孔開け装置1においては、外周支持部4は、ワークの切片102となる部分の表面に圧接される押圧体としての押圧プレート45を有する。押圧プレート45は、外周支持部4において拡径プレート部42の下側に設けられ、爪支持部53を貫通させる円環状の板状部材である。
押圧プレート45は、円環板状の外形において板面に垂直な方向に沿う中心軸が軸中心線A1に一致するように設けられる。押圧プレート45は、拡径プレート部42と略同じ外径を有し、円環状の上面45aを、上述したように拡径プレート部42の下面において円環状に露出する段差面42dに対向させる。押圧プレート45は、水平方向に沿う姿勢を保った状態で、上下方向を伸縮方向とするバネ46により、下方に向けて付勢された状態で設けられる。
バネ46は、巻きバネであり、拡径プレート部42と押圧プレート45との間に設けられる棒状の支持ピン48に外嵌された状態で設けられる。支持ピン48は、拡径プレート部42の下面側の段差面42dと、押圧プレート45の上面45aとの間に上下方向に架設された態様で設けられる。
支持ピン48は、拡径プレート部42を上下方向に貫通し、拡径プレート部42の下面側から下方に突出する。支持ピン48の下端部は、拡径プレート部42の下側に位置する押圧プレート45に固定される。支持ピン48は、拡径プレート部42に形成された貫通孔(図示略)に挿通される。この貫通孔の孔径は、支持ピン48が拡径プレート部42に対して相対移動できる程度に、支持ピン48の外径と略同じ大きさである。
支持ピン48は、その上端部に、拡径プレート部42に対する支持ピン48の下方向への移動を所定の位置で規制する係止部48aを有する。係止部48aは、支持ピン48において板状に拡径された鍔状の部分であり、拡径プレート部42の上側の段差面42bに接触することで、支持ピン48が拡径プレート部42から脱落することを規制する。
バネ46は、支持ピン48に外嵌された状態で、拡径プレート部42の段差面42dと押圧プレート45の上面45aとの間に挟まれた状態で、拡径プレート部42と押圧プレート45とが離れる方向に付勢力を作用させる。つまり、バネ46は、拡径プレート部42に対して押圧プレート45を押し下げるように付勢する。これに対し、支持ピン48の係止部48aが拡径プレート部42の上側の段差面42bに係止されることで、拡径プレート部42と押圧プレート45とが離間することが規制される。
このように、押圧プレート45は、拡径プレート部42に対して下向きに付勢された状態で支持される。本実施形態では、拡径プレート部42に対して押圧プレート45を付勢支持するバネ46および支持ピン48が、軸中心線A1を中心とする円周に対して等角度間隔で(90°間隔で)4箇所に配置されている。
このようにバネ46および支持ピン48によって拡径プレート部42に対して付勢支持される押圧プレート45を有する構成において、押圧プレート45の下面45bが押圧面となり、押圧プレート45がワークの表面に圧接される。押圧プレート45がワークに圧接された状態においては、押圧プレート45がバネ46による付勢力に抗して拡径プレート部42に近付き、押圧プレート45が拡径プレート部42に近付いた分、支持ピン48の上端部が拡径プレート部42の上側の段差面42bから突出し、係止部48aが段差面42b(図5)から浮き上がった状態となる(図4参照)。
このように下向きに付勢支持される押圧プレート45を有する外周支持部4は、加工刃3により切り取られた切片102を、保持爪部5の係止爪51(爪54)と押圧プレート45とにより挟んだ状態で保持する。
詳細には、切片102は、ワークの表面に接触する押圧プレート45の下面45bと、ワーク孔部101の下側の開口端面に接触する3本の爪54の係止部54bの上側の面となる係止面54gとより上下方向に挟まれた状態で保持される。ここで、切片102を保持する保持力、つまり切片102を上下方向から挟む挟持力は、上述したように互いにネジ係合する主軸部2と外周支持部4との相対的な回転にともなう、主軸部2に対する外周支持部4の上昇移動の動作によって得られる。
[孔開け装置による孔開け動作]
以上のような構成を備える本実施形態の孔開け装置1による孔開け動作について、図7を用いて説明する。なお、図7においては、本実施形態の孔開け装置1の構成を適宜省略して模式的に表している。また、孔開け動作の説明においては、孔開け装置1における上下方向をワークにおける上下方向とする。
図7(a)に示すように、本実施形態では、ワーク孔部101は、中空状の部材であるワークの表面103に対して凹部を形成する部分であり、凹部の底面を形成する底板部101aを有する。ワーク孔部101においては、底板部101aをその板面に垂直な方向に貫通するように、孔101bが形成されている。このようなワーク孔部101を有するワークに対し、以下のようにして孔開け装置1による孔開け動作が行われる。なお、孔開け装置1は、孔開け動作において、スピンドルモータを有する駆動装置に連結された状態で、所定の移動装置によって移動させられる。
まず、図7(a)に示すように、孔開け装置1が、ワーク孔部101に対して、軸中心線A1の位置をワークの孔101bの中心位置に一致させた状態で下降する(矢印X1参照)。ここで、孔開け装置1は、押圧プレート45の下面45bをワークの表面103に押圧接触させるとともに、保持爪部5を構成する爪支持部53の縮径部53bをワークの孔101bに挿入させる。このように孔開け装置1がワークに近付く過程においては、爪54は収容状態となっており、また、ピン25は爪54に対してテーパ部2bを略接触させた状態となっている。
図7(a)に示すように爪支持部53の縮径部53bがワークの孔101bに挿入された状態から、同図(b)に示すように、孔開け装置1は、スピンドルモータによる回転駆動力を受け、主軸部2を、軸中心線A1を回転軸線として高速回転させる(矢印X2参照)。こうした孔開け装置1の回転動作においては、主軸部2および加工刃3が回転部分となり、外周支持部4および保持爪部5が無回転部分となる。
ここで、主軸部2が回転することによる外周支持部4および保持爪部5の共回りは、押圧プレート45のワークの表面103に対する押圧作用によって得られる下面45bと表面103間の摩擦力によって規制される。そして、押圧プレート45がワークの表面103に圧接した状態においては、拡径プレート部42がバネ46による付勢力に抗して押圧プレート45に近付き、支持ピン48の係止部48aが拡径プレート部42の段差面42bから浮き上がった状態となる。
主軸部2が回転することにともない、加工刃3は、その刃先が軸中心線A1の位置を中心とする円周を描くように移動する。また、主軸部2が外周支持部4に対して回転することで、ネジ部27とナット部47とのネジ係合作用によって、主軸部2および加工刃3が軸中心線A1回りに回転しながら、ワークの表面103に下面45bを接触させて無回転状態の外周支持部4および保持爪部5に対して下方に移動する。
このように主軸部2および加工刃3が下方に移動する過程において、ピン25が保持爪部5に対して下方に移動することで、各爪54がテーパ部2bによって押されることで支持軸部54dを起点に回動し(矢印X3参照)、3本の爪54が開状態となる。なお、3本の爪54を開かせるピン25は、上述したように主軸部2の軸部分2aに対して相対回転するように設けられることから、爪54に接触した状態で無回転部分となる。
3本の爪54が開状態となることで、縮径部53bの外周面から突出する爪54の係止部54bが、ワーク孔部101に対して係止した状態となる。かかる状態においては、係止部54bの係止面54g(図5参照)が、ワーク孔部101における底板部101aの下端面、つまり孔101bの下側の開口端面101c(図7(a))に接触した状態となる。
このように主軸部2および加工刃3が外周支持部4および保持爪部5に対して下方に移動し、3本の爪54がワーク孔部101に対して係止した状態となるまでの過程において、円周に沿って移動する加工刃3がワークに作用し、ワーク孔部101の周囲が切断される。すなわち、上記のようなネジ係合作用による主軸部2および加工刃3の下降動作にともない、円周に沿って移動している状態の加工刃3がワークの表面103に押し付けられながら刃先によって軸中心線A1を中心とする円周を繰り返しなぞることで、その刃先の軌跡に沿ってワークが切断される。
図7(b)に示すように、加工刃3により切り取られた切片102は、保持爪部5によって保持された状態となる。つまり、切片102は、ワークの表面103に接触する押圧プレート45の下面45bと、ワーク孔部101の下側の開口端面101cに接触する3本の爪54の係止部54bの係止面54gとより上下方向に挟まれた状態で保持される。ここで、保持爪部5によって保持される切片102は、外周支持部4および保持爪部5に対する主軸部2の主軸方向の相対移動により、上方に引き上げられる作用を受ける。
そして、図7(c)に示すように、切片102を保持した状態の孔開け装置1がワークに対して上昇することで(矢印X4参照)、ワークから切片102が取り除かれる。これにより、ワークの表面部において開口する孔104が形成される。孔104は、加工刃3による円周に沿う切断面となる内周面104aにより形成される。孔104の孔径は、軸中心線A1の位置から加工刃3の刃先の位置までの寸法(図2、符号B1参照)の2倍となる。
切片102を保持した状態の孔開け装置1は、移動装置によって所定の場所に移動される。そして、孔開け装置1に保持された状態の切片102は、例えば、主軸部2が孔開け動作の回転に対して逆回転させられることで、保持状態から解放され、所定の場所にて回収される。本実施形態では、ワークから切り取られた切片102は、逆ハット状の形状となる。
以上のような本実施形態の孔開け装置1によれば、次のような効果が得られる。孔開け装置1においては、ワークから切り取られた切片102が押圧プレート45と爪54とによって上下に挟持された状態で保持されることから、孔開けにより生じた切片102の脱落を防止することができる。したがって、例えばワークが燃料タンクの場合、孔開けにより生じた切片102がタンク内に落下することを防止することができる。
また、本実施形態の孔開け装置1においては、ワーク孔部101に爪54を係止させるための動作に、互いのネジ部によってネジ係合する主軸部2と外周支持部4との相対的な回転が利用される。すなわち、本実施形態の孔開け装置1においては、スピンドルモータによって回転駆動させられる主軸部2の外周支持部4に対する相対回転動作により、主軸部2と外周支持部4との主軸方向の相対的な移動、3本の爪54の開動作、切片102の引上げといった、孔開けを行うための各部の動作が行われる。
この点、従来の孔開け装置は、例えば、スピンドルを回転させるための動力源、ワーク孔部に係止される爪を支持する部分を昇降させるための動力源、爪をワーク孔部に係止させるに際して複数の爪を広げるための動力源等の複数の複数の動力源を必要とする。このため、従来の孔開け装置によれば、装置が大がかりなものとなり、装置の小型化や軽量化を図ることが難しい。これに対し、本実施形態の孔開け装置1によれば、スピンドルモータ等の、主軸部2を回転駆動するための動力源のみにより、孔開けを行うための各部の動作が行われる。このため、本実施形態の孔開け装置1は、装置の小型化や軽量化の面で有利である。
以上のように、本実施形態の孔開け装置1によれば、加工刃3により切り取った切片102を保持する構成を備えながら、構成の簡素化を図ることができ、コンパクトで軽量な構成を実現することができる。
また、本実施形態の孔開け装置1は、ワークを係止するための構成として、外周支持部4に対する主軸部2の主軸方向の相対的な移動にともないピン25のテーパ部2bによって軸中心線A1から放射状に開く3本の爪54を有する。このような構成を採用することにより、ワークから切り取られた切片102を確実に保持することができ、爪54の係止動作についてスムーズな動作を簡単な構造によって容易に実現することができる。
また、本実施形態の孔開け装置1は、外周支持部4においてワークの切片102となる部分の表面に圧接される押圧体としての押圧プレート45を有し、切片102を、3本の爪54と押圧プレート45とにより挟んだ状態で保持する構成を採用する。これにより、ワークから切り取られた切片102をより確実に保持することができ、孔開けにより生じた切片102の脱落を確実に防止することができる。
以下では、本実施形態に係る孔開け装置1の適用例について説明する。この適用例では、孔開け装置1によって孔開け加工を受けるワークが自動車に用いられる樹脂製の燃料タンクである場合について説明する。
この適用例では、孔開け装置1は、燃料タンクの製造ラインにおいて、移動装置としてのロボットアームに支持された状態で、ロボットアームの動作によって移動させられる。ロボットアームは、様々な位置および角度に姿勢制御されるフレキシブルな多関節ロボットとして構成される。孔開け装置1は、ロボットアームの動作によってロボットアームの可動範囲において三次元方向に移動可能に設けられる。
孔開け装置1は、ロボットアームの先端に設けられる駆動装置に対して連結される孔開けツールとして用いられる。この駆動装置は、孔開け装置1の主軸部2に対して回転駆動力を与えるためのスピンドルモータを有する。駆動装置は、孔開け装置1が連結されるツール連結部において孔開け装置1を支持する。
スピンドルモータの回転駆動力は、減速機等を介して、ツール連結部に連結された孔開け装置1に伝達される。ツール連結部においては、上述したように孔開け装置1においてオートツールチェンジャにおける着脱部となる連結部の部分が連結される。また、駆動装置は、スピンドルモータに対する電気系統の配線等が収容される配線ボックス等を有する。
燃料タンクは、燃料が収容される空間を形成する表面部に、ワーク孔部101を有する。ワーク孔部101は、燃料タンクにおいて複数箇所(例えば3箇所)に設けられる。ワーク孔部101は、燃料タンクの製造工程において、金型内で溶融樹脂にエアを吹き込んで膨らませるブロー成形の際に用いられるエアの吸排気を行うための孔を有する。
所定の位置に搬送された燃料タンクに対して、ロボットアームに支持された孔開け装置1により、孔開け加工が行われる。燃料タンクが3箇所にワーク孔部101を有する場合、3箇所のワーク孔部101に対して、孔開け装置1がロボットアームによって各ワーク孔部101に対応する位置に移動させられることで、予め設定された所定の順序で孔開け加工が行われる。
各ワーク孔部101においては、ワーク孔部101が有する孔(図7(a)、孔101b参照)が用いられ、上述したような孔開け動作により、ワーク孔部101の周囲が加工刃3によって円周に沿って切断され、円形の孔が開けられる。燃料タンクに開けられた孔(図7(c)、孔104参照)は、例えば、ゲージやセンサ等の各種部品を燃料タンクに装着するために用いられる。孔が開けられた燃料タンクは、所定の経路によって次の工程へと搬送される。
この適用例においては、例えば、燃料タンクに開ける孔の大きさに応じて、孔開けツールとしての孔開け装置1が複数準備される。そして、所定の場所にセットされた複数の孔開け装置1に対して、ロボットアームの動作とオートツールチェンジャによって孔開け装置1が自動的に交換され、ワーク孔部101ごとに対応する孔開け装置1が用いられて孔開け加工が行われる。
以上のような適用例のように、本実施形態の孔開け装置1を用いることで、装置のコンパクト化・軽量化が図れることから、孔開け装置1をロボットアームに支持させることができる。これにより、例えばワークに対して複数の孔を開ける場合も、1体のロボットアームで対応することができることから、孔開け加工現場においてスペース面での制約が小さくなり、省スペース化を図ることができ、また、高い汎用性が得られる。
従来、燃料タンクの孔開け加工現場においては、孔開け装置が、燃料タンクの各孔に対して個別に、しかも定置式の設備として設けられる状況があった。かかる状況は、スペース面で大きな制約を受け、また、汎用性に乏しい。これに対し、本実施形態の孔開け装置1によれば、上記のとおりロボットアームを用いることができることから、孔開け装置の設置スペースや汎用性の面で高い改善効果を得ることができる。事実、本実施形態の孔開け装置1によれば、従来の孔開け装置との比較において、1ユニットサイズ(全体の外形サイズ)を60%程度縮小することができるという効果が実証されている。