JP2013226130A - 新規マゴジャクシ菌株及びその人工栽培方法 - Google Patents

新規マゴジャクシ菌株及びその人工栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、子実体の形成率が高く、ビン栽培で高い収量を示すマゴジャクシ菌株、及び該菌株を用いたマゴジャクシ栽培方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、口径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件で、子実体の形成率が70%以上であるマゴジャクシ菌株を取得し、これを人工栽培に使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、子実体形成率が高く、人工栽培に適した担子菌マゴジャクシ株、及びその人工栽培方法に関する。
マゴジャクシ(Ganoderma neojaponicum Imazekiは)、生物分類学上、ヒダナシタケ目(Aphyllophorales)マンネンタケ科(Ganodermataceae)、マンネンタケ属(Ganoderma)に属するキノコである。日本では、マンネンタケ科に分類されるキノコはいくつか報告されており、例えば、マンネンタケ(G. lucidum)、マゴジャクシ(G. neojaponicum)、などが報告されている。本種は、1939年に今関六也により新種記載がなされ、日本の他、中国、韓国などの東アジアにも分布することが知られている。近年、世界でマンネンタケ(Ganoderma lucidum (Leyss.:Fr.) Karst.)と分類されてきたキノコは、Ganodermaに属する複数のキノコであることが分子系統解析の結果により示されているが、形態的特徴、生態的特徴からマゴジャクシは、マンネンタケとは異なる種のキノコであるとされている。マゴジャクシは木材腐朽性のキノコであるが、マンネンタケが広葉樹に発生するのに対し、本種は、アカマツなどの針葉樹から発生することが知られている。また発生時期は、6〜10月の梅雨から夏季に発生するが、晩秋まで発生が確認されることがある。一般に霊芝として機能性食品や漢方などに古くから珍重されてきたものは、マンネンタケ科に属するキノコを指しており、例えば、マンネンタケやコフキサルノコシカケなどのキノコであり、マゴジャクシにおいても古くから食経験を有し伝統的に利用されてきた(非特許文献1〜5参照)。また近年、マゴジャクシについて、様々な機能性が報告され新規機能を有する食薬用きのこの一つとして注目されている(非特許文献7〜8及び特許文献1〜2参照)。
マゴジャクシと同属のマンネンタケの栽培に関しては、原木栽培をはじめ菌床によるビン・袋・トロ箱栽培などが報告されてすでに国内外で商業的に量産化されており、ビン栽培についても検討されている(非特許文献12)。しかしながら、マゴジャクシについては、栽培の報告は少なく(非特許文献9〜13及び特許文献3参照)、ビン栽培による商業的な量産化の実現には種々の検討、試行錯誤が必要とされているのが現状である。
既に、マゴジャクシの人工栽培方法として、野外における露地栽培によって実施された技術が報告されている(例えば、非特許文献9参照)。この技術は、原木を用いた栽培技術であり、培養のための施設設備の投資を必要としないため、投資する資本は少なくて済み、農閑期を利用したきのこ生産者の副業的な生産技術として優れている。しかしながら、栽培に用いる原木を玉切って利用するため、栽培には原木の入手が容易な場所でなければならず、場所としての制約がある。更に、子実体の発生処理として野外での露地栽培を行っているため、多くの土地面積を必要とし、更に気象条件の影響を受けやすいというデメリットがある。また、毎年同じ場所で栽培すると特定の雑菌が繁殖し、いわゆる「いや地化」すること等の問題点が挙げられ、工業的な生産技術とは言い難い。
そのため、近年大幅に拡大する「新規きのこ」の需要と供給を考慮すると、マゴジャクシの商業的な量産化は、一般的な食用きのこと同じような(例えば、エノキタケ、ブナシメジ、エリンギ等)菌床人工栽培方法(ビン栽培)を確立することが求められている。菌床人工栽培方法(ビン栽培)は、初期の設備投資に一定のコストを必要とするが、栽培期間が露地栽培と比較し短く、施設の回転数を増やせば周年生産が可能で、気象条件での影響を受けないため、栽培技術の確立によっては計画的な生産を図ることが可能である。更に、菌床人工栽培方法(ビン栽培)は、栽培に必要となる土地面積も前記の栽培方法と比較し、単位面積当たりの生産量を向上させ、栽培に必要な原木の供給による場所の制約を受けることがない等のメリットある。
しかしながら、マゴジャクシ菌株を用いた、工業的なビン栽培に関してこれまで報告されていない。そのため、マゴジャクシの商業的な量産化技術を確立する上で、ビン栽培によって子実体の形成率が高い良菌株の単離が急務となっている。
このような従来技術を背景として、様々な機能性が報告され新規機能を有する食薬用きのこの一つとして注目されているマゴジャクシを周年的に量産できる新しい菌株を単離し、商業的に生産する新しい技術の開発が切望されている。
Imazeki、 (1939)Studies on Ganoderma of Nippon. Bull. Tokyo Sci. Mus.(1)29-52. Hattori, T.; Ryvarden, L. (1994) Type studies in the Polyporaceae 25 Species described from Japan by R. Imazeki and A. Yasuda.Larix leptolepis Mycotaxon(50)27-46 今関六也・本郷次雄編(1989)原色日本新菌類図鑑 (II) No. 834. p.176 保育社. 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄編(1988)山渓カラー名鑑 日本のきのこ p.485. 山と渓谷社. 池田良幸. (2005) 北陸のきのこ図鑑 No. 1183. 橋本確文堂. Wu Xingliang & Dai Yucheng (2005) 中国霊芝図鑑 科学出版社 田中浩ら(2003)和漢医薬学雑誌(20) 143. マゴジャクシの紫外線によるエストロゲンレセプター傷害抑制作用 田中浩ら (1992 ) 和漢医薬学会誌 9(3)209-213マゴジャクシ及び霊芝の培養線維芽細胞における細胞外マトリックス生成に及ぼす影響 「野生きのこの栽培に関する研究−薬用きのこ栽培技術−」、福島県林業研究センター研究報告 35号、2002 年4 月、熊田淳、青野茂著、福島県林業研究センター発行、56−73 頁 「野生きのこの栽培に関する研究 (1)-1.薬用きのこ類栽培技術(マゴジャクシ栽培試験)」、福島県林業試験場報告 30 号、1998 年10 月、青野茂、熊田淳著、福島県林業試験場発行、100−101 頁 「野生きのこの栽培に関する研究 (1)-1.薬用きのこ類栽培技術(マゴジャクシ栽培試験)」、福島県林業試験場報告 31 号、1999 年9 月、青野茂、熊田淳著、福島県林業試験場発行、126−127 頁 金子周平 , 石川景子(2008)マンネンタケ(霊芝)の栽培技術開発と育種:福岡県森林林業技術センター研究報告 (9)1-7
特開2006−1837号公報 特開2010−163458号公報 特開平8−126432号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、有用な機能性食品の原料きのこであるマゴジャクシを季節に関係することなく、周年栽培で施設において工業的に製造するための技術を提供することである。具体的には、本発明は、子実体の形成率が高く、ビン栽培で高い収量を示すマゴジャクシ菌株、及び該菌株を用いたマゴジャクシ栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、全国各地から多数のマゴジャクシを収集し鋭意検討を行った。その結果、林野で針葉樹腐朽木に発生していた子実体から分離培養し、その後純粋培養した後、作出というスクリーニングの工程を得て得られた特定の菌株(UFC−119、UFC−417、及びUFC−0906)は、現在国内外において入手可能なマゴジャクシ菌株と比較して、ビン栽培における子実体形成能が格段に優ており、カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、内径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件で、子実体の形成率が70%以上にも及ぶことを見出した。更に、前記マゴジャクシ菌株は、菌床人工栽培による収量も高く、菌床人工栽培に好適な特性を備えていることも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。なお、前記菌株において付与されているUFC−及び番号は、発明者らが収集した培養菌株に個々の識別のために与えた通し番号であり、アルファベット・数字に対し特別な意味は有していない。
即ち、本発明は、下記に掲げるマゴジャクシ菌株、及びマゴジャクシ人工栽培方法を提供する。
項1. カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、口径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件で、子実体の形成率が70%以上であることを特徴とする、マゴジャクシ菌株。
項2. 前記栽培条件において、総栽培日数80日における子実体の平均収量が培養ビン1個当たり30g以上である、項1に記載のマゴジャクシ菌株。
項3. 前記栽培条件において、子実体の形成率が70%以上であり、且つ総栽培日数80日における子実体の平均収量が培養ビン1個当たり30g以上である、項1又は2に記載のマゴジャクシ菌株。
項4. アカマツの腐朽木を分離源として単離される、項1〜3のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株。
項5. UFC−119株(FERM P−22188)、UFC−417株(NITE AP−1561)、UFC−0906株(NITE AP−1560)、又はこれらの変異株である、項1〜4のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株。
項6. 項1〜5のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株を栽培して子実体を収穫することを特徴とする、マゴジャクシの人工栽培方法。
項7. 前記栽培が菌床栽培である、項6に記載のマゴジャクシの人工栽培方法。
本発明のマゴジャクシ菌株は、カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、内径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件で、子実体の形成率が70%以上にも達し、菌床人工栽培による収量も多く、商業的な製造に好適な特性を備えている。そのため、本発明のマゴジャクシ菌株を使用して菌床人工栽培を行うことにより、季節の影響を受けず、周年栽培でマゴジャクシを安定的に量産化することが可能になる。
1.マゴジャクシ菌株
本発明のマゴジャクシ菌株は、カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、内径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件下で、子実体の形成率が70%以上であることを特徴とする。以下、本発明のマゴジャクシ菌株について詳述する。
<子実体形成率>
本発明において、マゴジャクシ菌株の子実体形成率は、鋸屑培地を用いて照度500ルクス、温度25℃、湿度90%の栽培条件で測定される。該栽培条件は、より具体的には、以下の通りである。
大鋸屑培地は、カラマツ鋸屑、コーンコブミール、米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調整して湿潤状態にしたものを使用する。該大鋸屑培地470gを850mlの培養ビンに圧詰して、圧詰した大鋸屑培地の中央に直径1cmの穴を穿孔させ、打栓後殺菌して、固形培養基にする。
マゴジャクシ菌株の種菌は、PDA(ポテトデキストロース寒天)培地(pH5.5に調整、寒天の厚さ約2.5mm)を用いて、遮光条件下23℃±1で菌糸が蔓延するまで培養したものを使用する。
前記固形培養基が収容された容器1個当たり、15gの種菌をクリーンベンチ内で植菌し、暗黒下23℃、湿度55%条件化で培養基に見かけ上菌糸体が蔓延するまで培養し、更に10日間培養を続け熟成させる。次に、菌掻きをして培養基の上部から約1cmの菌糸体層を除き、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の条件下で栽培を続ける。なお、本明細書において、「湿度」とは相対湿度を示す。
上記栽培条件で総栽培日数150日以内に子実体を形成する場合には「子実体の形成有り」と判断し、総栽培日数150日を経過しても子実体が形成されない場合を「子実体の形成無し」と判断する。同一菌株について上記条件にて培養ビンを用い32本栽培し、全栽培数に対して「子実体の形成有り」と判断されたものの割合(%)を、「子実体の形成率」として算出する。また、本明細書において、総栽培日数とは、種菌を接種した日から収穫するまでの経過日数を示す。収穫時期(収穫適期)は、子実体の傘の周辺部が、子実体の生長時にはベージュから赤褐色を呈しているが、その色が完全に無くなり茶色〜赤黒褐色に変色した時点で子実体の生長が停止したと判断し収穫適期とした。
本発明のマゴジャクシ菌株は、上記栽培条件下で子実体の形成率が70%以上であればよいが、該形成率として、好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上、最も好ましくは95%以上が挙げられる。
<収量>
本発明のマゴジャクシ菌株の好ましい特性として、栽培後の子実体収量が多いことが挙げられる。具体的には、前記栽培条件で総栽培日数が80日に達した時点で、培養ビン1個当たりのマゴジャクシの子実体の平均収量が、通常30g以上、好ましくは35〜60g、更に好ましくは38〜55gが挙げられる。ここで、「子実体の平均収量」とは、子実体が形成された培養ビンから、培養ビン1個当たりに形成された子実体重量の平均を示し、熱風乾燥や凍結乾燥等の処理をせず収穫時の生重量を測定したものを示す。
<形態学的特性>
本発明マゴジャクシ菌株により形成される子実体、菌糸、及び胞子の諸特性については、特に制限されるものではないが、好適な例として下記特徴が挙げられる。
子実体の諸特性
(i)子実体は、馬蹄型〜傘型を呈し、全体が赤紫色〜黒褐色、傘周辺部の生育中の部位はクリーム色〜黄褐色を呈し、湾曲し放射状の隆起を有する。ここで、「馬蹄型」とは、Julie Flood, Paul Dennis Bridge and Mark Holderness(2001) Ganoderma Diseases of Perennial Crops :CABI; p.10 Fig.1.2に記載のGanoderma lusidum(ATCC64251)の子実体と同一又は類似する形状を示し、「傘型」とは、(ATCC64470)の子実体と同一又は類似する形状を示す。
(ii)形成される傘は、新鮮時は、光沢が無い場合もあるが成熟に伴い、光沢を有する。柄は、傘と同様の色を有し、有柄側生〜中心生を示す。
(iii)肉質は、コルク質で、新鮮時は多汁である。
(iv)傘の断面の肉質の色は、サーモンピンク〜茶褐色を呈する。
胞子の諸特性
(A)成熟した個体にココア状の胞子が傘上に堆積する。
(B)マンネンタケ型(Ganodermoid)で二重壁構造の卵型を呈する。
(C)胞子の大きさは、9.5〜13.0μm×7〜8.5μm程度である。
(D)胞子紋は、茶褐色〜茶色を呈する。
菌糸の諸特性
(1)三菌糸型を示す。
(2)PDA(ポテトデキストロース寒天)培地又はSMY培地(ショ糖1%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%、寒天2%)において15〜30℃において、菌糸体が生育する。
(3)PDA培地、SMY培地では、約23℃で最も生育が良好になる。
(4)PDA培地又はSMY培地において、菌糸体伸長は放射状である。
<本発明のマゴジャクシ菌株の取得方法>
本発明のマゴジャクシ菌株は、マゴジャクシの公知の分離源から、前記特性を備える菌株をスクリーニングすることにより得ることができる。特に、本発明のマゴジャクシ菌株の分離源として、好ましくは針葉樹腐朽木、特に好ましくはマツ科(PINACEAE)、マツ属(Pinus)に属するアカマツ(Pinus densiflora Sieb. et Zucc.)の腐朽木が挙げられる。特に、アカマツの腐朽木を分離源として選択することにより、前記特性を備えるマゴジャクシ菌株を効率的に単離することが可能になる。
本発明のマゴジャクシ菌株のスクリーニングは、具体的には、以下の(1)〜(4)の工程を経ることにより実施できる。(1)野外で発生していた子実体を採取し、子実体の組織の一部もしくは胞子を無菌的に取り出し、前述のPDA培地に置床して23℃程度で分離培養を行ことにより菌糸体を形成させる。(2)生長したマゴジャクシの菌糸体を前述のPDA培地を用いて純粋培養することにより種菌を得る。(3)この種菌を使用して、前述の条件でビン栽培を行うことにより子実体の形成を形成させる。(4)子実体の形成率を測定し、本発明で規定する子実体形成率を示すマゴジャクシ菌株を選択する。
また、本発明のマゴジャクシ菌株としては、前述するスクリーニング方法により得ることができるが、子実体の形成率及び平均収量が顕著に高く、商業的な量産に適したマゴジャクシ菌株として、本発明者らが見出したUFC−119株、UFC−417株、UFC−0906株が挙げられ、これらの保存菌株を使用することもできる。UFC−119株は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号に所在する独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにて、平成23年11月8日付けで受託番号FERM P−22188として受託されている。また、UFC−417株及びUFC−0906株については、茨城県つくば市東1−1−1つくばセンター中央第6に所在する独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センターにて、平成25年3月6日付けで、それぞれNITE AP−1561及びNITE AP−1560として受領されている。
<単離菌株>
本発明のマゴジャクシ菌株の内、子実体の形成率及び平均収量が顕著に高く、商業的な量産に適した菌株として、UFC−119株(FERM P−22188)、UFC−417株(NITE AP−1561)、UFC−0906株(NITE AP−1560)、及びこれらの変異菌株が挙げられる。これらの単離菌の菌学的特徴について以下に説明する。
〔UFC−119株(FERM P−22188)〕
本マゴジャクシ菌株は、マツ科(PINACEAE)、マツ属(Pinus)に属するアカマツ(Pinus densiflora Sieb. et Zucc.)の腐朽木から単離された菌株である。本マゴジャクシ菌株は、前記栽培条件において、子実体の形成率は95%であり、総栽培日数75日での平均収量は52.3gを示す。
本マゴジャクシ菌株により形成される子実体は、前記(i)〜(iv)に示す諸特性を示す。また、本マゴジャクシ菌株の胞子は、前記(A)〜(D)に示す諸特性を示す。
また、本マゴジャクシ菌株の菌糸体は、三菌糸型を示し、その生育特性は、以下の示す通りである。なお、以下に示す諸形質は、90mmシャーレに20mlの寒天培地を用いて観察し、試験枚数は、n=5とし、3回同様に試験を行った平均値を示す。
SMY(サッカロース1%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%)寒天培地(23℃)における生育状態:7日目でコロニー径は28mm、白色で密な菌糸体、気中菌糸体は少ない。14日目でコロニー直径は35mm、21日目でコロニー直径はほぼ90mmシャーレに蔓延する。菌糸体は、白色で密であり気中菌糸体は少なく、成熟に伴い黄変する。菌糸体伸長は放射状であり、裏面の中心部がやや乳白色に着色する。
PDA培地(23℃)おける生育状態:7日目でコロニー径は20mm、白色で密な菌糸体、気菌糸体を少ない。14日目でコロニー直径は28mm、21日目でコロニー直径は45mmとなり、菌糸体白色で密な菌糸体。気中菌糸体は少なく、菌糸体伸長は放射状である。PDA培地上での幼子実体原基の形成は確認できなかった。
オートミール寒天培地(23℃)における生育状態:10日目でコロニー直径は15mm、菌糸体は薄く放射状に伸びる。15日目でコロニー径は20mm、20日目でコロニー径は30mmとなり、菌糸体は白色で密であり放射状に伸長する。気中菌糸体は麦芽エキス寒天培地と比較し多いがSMY培地、PDA培地と比較し、コロニー周辺部が均一に生長せず、菌膜が薄く、菌叢は著しく悪い。
Lフェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加PDA培地〕(23℃)おける生育状態:7日目では発菌したに過ぎず菌糸体生長なほとんどしない。14日目ではコロニー直径は25mmであった。
最適生育温度:PDA培地に接種し、各温度(5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃)でそれぞれ培養して、14日後に各コロニー直径を測定したところ、生育温度は15〜30℃であった。最適温度は、25℃であった。また、5℃では菌糸体が発菌するがほとんど生育せず、40℃では生育が著しく悪かった。
最適生育pH:SMY液体培地(ショ糖1%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%)40mlを殺菌後、1規定塩酸又は1規定水酸化ナトリウム溶液で無菌的にpH3.0〜10.0の範囲で0.5毎に調整、直径5mmの種菌を接種し、14日間静置後、各乾燥重量を測定したところ、最適生育pHは5.5付近で生育範囲はpH3.0〜7.5の範囲であった。
〔UFC−417株(NITE AP−1561)〕
本マゴジャクシ菌株は、マツ科(PINACEAE)、マツ属(Pinus)に属するアカマツ(Pinus densiflora Sieb. et Zucc.)の腐朽木から単離された菌株である。本マゴジャクシ菌株は、前記栽培条件において、子実体の形成率は80%であり、総栽培日数85日での平均収量は32.5gを示す。
本マゴジャクシ菌株により形成される子実体は、前記(i)〜(iv)に示す諸特性を示す。また、本マゴジャクシ菌株の胞子は、前記(A)〜(D)に示す諸特性を示す。
また、本マゴジャクシ菌株の菌糸体は、三菌糸型を示し、その生育特性は、以下の示す通りである。なお、以下に示す諸形質は、90mmシャーレに20mlの寒天培地を用いて観察し、試験枚数は、n=5とし、3回同様に試験を行った平均値を示す。
SMY培地(23℃)における生育状態:7日目でコロニー直径は30mm、白色で密な菌糸体、気中菌糸体は少ない。14日目でコロニー径は38mm、21日目でコロニー径は65mm。菌糸体は、白色で密であり気中菌糸体は少ない。菌糸体伸長は放射状であり、裏面の中心部がやや黄変する。
PDA培地(23℃)おける生育状態:7日目でコロニー直径は25mm、14日目でコロニー直径は34mm、21日目でコロニー直径は51mmとなり、菌糸体白色で密な菌糸体。気中菌糸体は少なく、菌糸体伸長は放射状である。PDA培地上での幼子実体原基の形成は確認できなかった。
オートミール寒天培地(23℃)における生育状態:7日目でコロニー直径は5mm、菌糸体は薄い。14日目でコロニー直径は10mm、21日目でコロニー直径は12mmとなり、コロニーは放射状であるが、コロニーの菌叢が、PDA培地・SMY培地と同様に放射状に生育せず、不均一になる。
Lフェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加PDA培地〕(23℃)おける生育状態:7日目では発菌した。14日目ではコロニー直径は39mmであった。
最適生育温度:PDA培地に接種し、生育温度は15〜30℃であった。最適温度は、25℃であった。また、5℃では菌糸体が発菌するがほとんど生育せず、40℃では生育が著しく悪かった。
最適生育pH:SMY液体培地(ショ糖1%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%)40mlを殺菌後、1規定塩酸又は1規定水酸化ナトリウム溶液で無菌的にpH3.0〜10.0の範囲で0.5毎に調整、直径5mmの種菌を接種し、14日間静置後、各乾燥重量を測定したところ、最適生育pHは5.5付近で生育範囲はpH3.0〜7.5の範囲であった。
〔UFC−0906株(NITE AP−1560)〕
本マゴジャクシ菌株は、マツ科(PINACEAE)、マツ属(Pinus)に属するアカマツ(Pinus densiflora Sieb. et Zucc.)の腐朽木から単離された菌株である。本マゴジャクシ菌株は、前記栽培条件において、子実体の形成率は75%であり、総栽培日数95日での平均収量は30.4gを示す。
本マゴジャクシ菌株により形成される子実体は、前記(i)〜(iv)に示す諸特性を示す。また、本マゴジャクシ菌株の胞子は、前記(A)〜(D)に示す諸特性を示す。
また、本マゴジャクシ菌株の菌糸体は、三菌糸型を示し、その生育特性は、以下の示す通りである。なお、以下に示す諸形質は、90mmシャーレに20mlの寒天培地を用いて観察し、試験枚数は、n=5とし、3回同様に試験を行った平均値を示す。
SMY培地(23℃)における生育状態:7日目でコロニー直径は27mm、白色で密な菌糸体、気中菌糸体は少ない。14日目でコロニー直径は38mm、21日目でコロニー直径は58mm。菌糸体は、白色で密であり気中菌糸体は少ない。菌糸体伸長は放射状であり、裏面の中心部が黄褐色から茶色に褐変する。
PDA培地(23℃)おける生育状態:7日目でコロニー直径は26mm、14日目でコロニー直径は30mm、21日目でコロニー直径は52mmとなり、菌糸体白色で密な菌糸体。気中菌糸体は多く、菌糸体伸長は放射状である。PDA培地上での幼子実体原基の形成は確認できなかった。
オートミール寒天培地(23℃)における生育状態:7日目でコロニー直径は12mm、菌糸体は薄い。14日目でコロニー直径は19mm、21日目でコロニー直径は22mmとなり、コロニーは放射状であるが、菌叢はSMY培地、PDA培地と比較し薄い。
Lフェノールオキシダーゼ検定用培地〔0.1%没食子酸添加PDA培地〕(23℃)おける生育状態:7日目では12mm。14日目ではコロニー直径は28mmであった。
最適生育温度:PDA培地に接種し、生育温度は15〜30℃であった。最適温度は、25℃であった。また、5℃では菌糸体が発菌するがほとんど生育せず、40℃では生育が著しく悪かった。
最適生育pH:SMY液体培地(ショ糖1%、麦芽エキス1%、酵母エキス0.4%)40mlを殺菌後、1規定塩酸又は1規定水酸化ナトリウム溶液で無菌的にpH3.0〜10.0の範囲で0.5毎に調整、直径5mmの種菌を接種し、14日間静置後、各乾燥重量を測定したところ、最適生育pHは5.5付近で生育範囲はpH3.0〜7.5の範囲であった。
マゴジャクシの人工栽培方法
本発明のマゴジャクシの人工栽培方法は、上記マゴジャクシ菌株を培地に接種して子実体を形成させることを特徴とするものである。
本発明の人工栽培方法は、菌床栽培又は原木栽培のいずれであってもよいが、菌床栽培は、季節の影響を受けず、周年栽培でマゴジャクシを安定的に量産化することできるので、本発明の人工栽培方法において好適である。
本発明の人工栽培方法を原木栽培によって行う場合、通常のキノコの原木栽培で用いられる方法を採用すればよい。
また、本発明の人工栽培方法を菌床栽培によって行う場合、エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジなどのキノコの人工菌床栽培に用いられている方法であればよく、具体的にはビン栽培、袋栽培、トロ箱栽培などが挙げられる。
本発明の人工栽培方法を菌床栽培によって行う場合、使用される培地としては、前記マゴジャクシ菌株が生育し、子実体を形成可能であることを限度として特に制限されないが、鋸屑を培地基材として含んでいることが好ましい。
培地基材として使用される鋸屑は、針葉樹でも広葉樹由来のものでもよいが、好ましくは、植物分類学上、針葉樹であるイチョウ科(GINKGOACEAE)マツ科(PINACEAE)、スギ科 (TAXODIACEAE)、広葉樹では、ヤマモモ科(MYRICACEAE)、クルミ科(JUGLANDACEAE)、クワ科(MORACEAE)、ヤマグルマ科(TROCHODENDRACEAE)、フサザクラ科(EUPTELEACEAE)、カツラ科(CERCIDIPHYLLACEAE)アケビ科(LARDIZABALACEAE)、メギ科(BERBERIDACEAE)、モクレン科(モクレン科)、クスノキ科(LAURACEAE)、ユキノシタ科(SAXIFRAGACEAE)、トベラ科(PITTOSPORACEAE)、マンサク科(HAMAMELIDACEAE)、スズカケノキ科(PLATANACEAE)、バラ科(ROSACEAE)、マメ科(FABACEAE)、ミカン科(RUTACEAE)、センダン科 (MELIACEAE)、トウダイグサ科(EUPHORBIACEAE)、ツゲ科(BUXACEAE)、モチノキ科(AQUIFOLIACEAE)、ニシキギ科(CELASTRACEAE)、トチノキ科(HIPPOCASTANACEAE)、アワブキ科(SABIACEAE)、クロウメモドキ科 (RHAMNACEAE)、ブドウ科(VITACEAE)、アオイ科(MALVACEAE)、マタタビ科(ACTINIDIACEAE)、ツバキ科(THEACEAE)、イイギリ科(FLACOUTIACEAE)、キブシ科(STACHYURACEAE)、グミ科(ELAEGNACEAE)、ミソハギ科(LYTHRACEAE)、ザクロ科(PUNICACEAE)、ウコギ科(ARALIACEAE)、ミズキ科(CORNACEAE)、リョウブ科 (CLETHRACEAE)、ツツジ科(ERICACEAE)、ヤブコウジ科(MYRSINACEAE)、カキノキ科(EBENACEAE)、ハイノキ科(SYMPLOCACEAE)、エゴノキ科(STYRACACEAE)、モクセイ科(OLEACEAE)、キョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、クマツヅラ科(VERBENACEAE)、ノウゼンカズラ科(BIGNONIACEAE)、アカネ科(RUBIACEAE)、スイカズラ科(CAPRIFOLIACEAE)、イネ科(POACEAE)より好ましくは、ヤナギ科(SALICACEAE)、ブナ科(FRAGACEAE)、シナノキ科 (TILIACEAE)、カエデ科(ACERACEAE)、カバノキ科(BETULACEAE)、ニレ科(ULMACEAE)に分類される植物由来の鋸屑が挙げられる。これらの鋸屑の中でも、好ましくは、マツ科に属するカラマツ、アカマツが挙げられる。また、これらの鋸屑は、植物分類学上単一の植物由来のものを使用してもよく、また植物分類学上2以上の植物由来のもの混合して使用してもよい。また、きのこの菌床用鋸屑製造業者によって市販されている、複数の樹種が混在(例えば、広葉樹チップ、ザラメチップ等の商品名で販売)されているものであってもよい。さらには、培地基材として使用する鋸屑は、伐採後ただちに処理をした新鮮物でもよいが、注水や微生物による発酵の工程を行った堆積物であってもよい。培地基材として使用される鋸屑の粒径については、特に制限されないが、例えば1.0〜10mm、好ましくは1.2〜8.0mm、更に好ましくは1.5〜7.0mmが挙げられる。また、基材培地として使用する鋸屑の含水率についても、特に制限されないが、例えば、5.0〜40.0重量%、好ましくは6.0〜35.0重量%、更に好ましくは7.0〜30.0重量%が挙げられる。培地中の鋸屑の含有量としては、例えば5.0〜40.0重量%、好ましくは6.0〜35.0重量%、更に好ましくは7.0〜30.0重量%が挙げられる。
また、前記培地は、前記鋸屑以外に、マゴジャクシ菌株の生育や子実体の形成を促進するために、必要に応じて他の栄養源が含まれていることが好ましい。このような栄養源としては、米糠、トウモロコシ、コーンコブミール、コーンジャム、コーンマッシュ、コーンフラワー、ビートパルプ、バガス、フスマ、専管フスマ、豆殻、ジャガイモパルプ、玉葱皮、小麦粉、穀類粉砕物等のデンプン源を主体とする栄養源;綿実殻、綿実かす、籾殻、落花生殻、芝生、針葉樹や広葉樹の剪定材等の植物性腐食物、植物性残渣等が挙げられる。培地に添加されるこれら栄養源の含水率については、特に制限されないが、例えば、5.0〜50.0重量%、好ましくは5.5〜40.0重量%、更に好ましくは6.0〜35.5重量%が好適に使用できる。培地中のこれらの栄養源の含有量としては、例えば1重量%以上、好ましくは1.0〜30.0重量%、好ましくは2.0〜25.0重量%、更に好ましくは3.0〜15.0重量%が挙げられる。
前記培地の好適な一例として、鋸屑、綿実殻、コーンコブミール、及び米糠を含む培地;鋸屑、米糠、及び小麦粉を含む培地;鋸屑、コーンコブミール、及び米糠を含む培地が挙げられる。
前記培地の含水率については、前記マゴジャクシ菌株が生育し子実体の形成が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば50〜80重量%、好ましくは55〜70重量%、更に好ましくは60〜65重量%が挙げられる。
以下に、本発明の人工栽培方法をビン栽培による菌床栽培を行う方法を例に挙げて、各工程について説明する。ビン栽培による菌床栽培では、通常、「培地調製」、「ビン詰め」、「殺菌」、「接種」、「培養」、「芽だし」、「生育」及び「収穫」の各工程を含む。
「培地調製」とは、前述する培地を調製する工程であり、鋸屑、他の栄養源、水等の各成分を所定の割合で混合することにより行われる。
「ビン詰め」とは、前記培地を培養ビンに収容し、当該培地に穴を穿孔し、打栓する工程をいう。培地に穿孔する穴の大きさ及び位置については、特に制限されないが、例えば培地の中央に直径1cm程度の穴を穿孔すればよい。ビン栽培に使用される培養ビンの容積及びその内径については、特に制限されないが、例えば、容積が800〜1000ml、好ましくは850ml、口径が5〜8.5cm、好ましくは5.8cmが挙げられる。また、培地容器の素材については、特に制限されず、プラスチェック製又はガラス製の別を問わないが、好ましくはプラスティック製、更に好ましくはポリプロピレン製が挙げられる。また、培養ビンに収容する培地の量についても、特に制限されないが、例えば、培養ビンの容量1ml当たり、培地が0.47〜0.90g、好ましくは0.53〜0.89g、更に好ましくは0.54〜0.71gとなるように圧詰すればよい。より具体的には、容積850ml且つ口径が5.8cmの培養ビンを使用する場合であれば、培地が400〜750g、好ましくは450〜750g、更に好ましくは460〜600gとなるように圧詰すればよい。
「殺菌」とは、培地中の微生物を死滅させる工程である。殺菌は、菌床栽培の培地の殺菌に使用されている一般的な方法で行うことができ、例えば、105℃、4〜5時間の常圧殺菌、110〜115℃、30〜90分間の高圧殺菌が挙げられる。
「接種」とは、培地に種菌を植えつける工程である。種菌は、菌床栽培用の培地やPDA培地等を用いて菌糸体を蔓延させたもの用いることがでる。種菌の接種量については、特に制限されないが、培養ビン1個当り、種菌を15〜20g程度が挙げられる。
「培養」とは、培地に菌糸体を蔓延させ、更に熟成させる工程である。培養の条件については、特に制限されないが、例えば、好気的条件下で温度20〜23℃、相対湿度40〜70%で、25〜80日間、好ましくは30〜70日間、より好ましくは35〜60日間が挙げられる。
「菌かき」とは、種菌部分と培養基表面をかき取り、原基形成を促す工程である。
「芽だし」とは、子実体原基を形成させる工程である。芽だしの条件については、マゴジャクシの原基を形成できる条件であることを限度として、特に制限されないが、例えば、照度500ルクスで、温度10〜30℃、好ましくは25℃前後、相対湿度85%以上、好ましくは90〜95%で、30〜60日間、好ましくは35〜55日間が挙げられる。
「生育」とは、子実体原基から成熟子実体を形成させる工程である。育成の条件については、特に制限されないが、例えば、照度50ルクス以上、好ましくは500−800ルクスで、温度10〜30℃、好ましくは18〜27℃、更に好ましくは20〜25℃、相対湿度80%以上、好ましくは85〜95%で、20〜30日間が挙げられる。斯して育成を行うことにより、マゴジャクシの成熟子実体を得ることができ、「収穫」を行って栽培の全工程は終了する。
以上、ビン栽培方法について説明したが、本発明はビン栽培に限定されるものではなく、本発明の栽培方法は、袋栽培、トロ箱栽培においても同様の方法で実施することができ、一般的に流通し生産がなされているエノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジ等のきのこ栽培工場を用い、マゴジャクシを工業的且つ安定的に量産化することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
実施例1:UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−906株の単離・同定
全国各地からマゴジャクシを採集し、各々のマゴジャクシについて、金子周平 , 石川景子(2008)マンネンタケ(霊芝)の栽培技術開発と育種:福岡県森林林業技術センター研究報告(9)1-7を参考として、子実体収量、子実体形成率、子実体の形状、総栽培日数を測定した。具体的な試験方法は以下の通りである。
各々のマゴジャクシの傘上に堆積している胞子を回収した。回収した胞子をPDA培地(ポテトデキストロース((株)ニッスイ)を39g/1Lを添加後、高圧蒸気滅菌し滅菌後pH5.5に調整)に接種し、暗黒下23℃±1で培養し、培地上に菌糸体を蔓延させ、種菌を調製した。斯して得られた種菌を用いて、850ccポリプロピレン製の培養ビン(千曲化成(株))(通称:ヒラタケ瓶)にて、以下の条件で栽培を行った。カラマツ鋸屑(有限会社新井商店)とコーンコブミール(オリエントジェネライズ株式会社)と米ぬか(水鳥食糧株式会社)を重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように、水道水で調整し、湿潤状態にして培地を調製した。この培地470gを培養ビンに収容して圧詰し、中央に直径1cmの穴を穿孔させ、打栓後121℃、60分間殺菌し、固形培養基を調製した。これに上記の寒天培地で培養した種菌2g(15mm角)を接種し、暗黒下23℃、湿度55%条件化で培養基に見かけ上菌糸体が蔓延するまで培養し、さらに10日間培養を続け熟成させた。次に菌掻きをして培養基の上部から約1cmの菌糸体層を除いてから、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の条件化で子実体原基が形成されるまで培養を続け、マゴジャクシの各菌株における子実体収量、総栽培日数、子実体形状について調べた。収穫時期は、子実体の傘の周縁が、生長時の乳白色もしくは黄褐色の状態から茶褐色になった時点を収穫適期と判断した。なお、マゴジャクシの公知の菌株としてMAFF−430224、ATCC−76539、ATCC−76540を入手し、同様に栽培を行った。試験は、1菌株当たり32本の培養ビンを用いて行った。
その結果を表1に示す。なお、表1の子実体平均収量、子実体形成率、子実体の形状、総栽培日数は、32本の平均を示すものである。なお、表1中、菌株名に、UFCという表記を付しているものは、本発明者らによって単離されたマゴジャクシ菌株である。
表1の評価方法について説明する。表1中の「分類」において、不可とは総栽培日数が150日を経過してもn=32すべてのロットにおいて子実体が形成されない場合を示し、◎は子実体の形が優れたもの、○は子実体の形が良いもの、×は子実体の形が劣るものを示す。なお、子実体の形の判定は、具体的には、以下のように判断した。◎は、傘の直径が5cm以上の馬蹄形もしくは傘型の形状を示したもの;○は、傘直径が5cm以下で馬蹄形もしくは傘型の形状を示したもの;×は、傘直径が3cm以下若しくは鹿角状を示したものである。
子実体の具体的な形状は、Julie Flood, Paul Dennis Bridge and Mark Holderness(2001)Ganoderma Diseases of Perennial Crops :CABI; p.10 Fig.1.2.に記載のGanoderma属の形態を参考とした。馬蹄形は、G.lusidum(ATCC64251)の形状、傘型は、G.meredithae(ATCC64470)を示し、不整形は、G.lucidum(AS17024)を参考とした。また、鹿角状は、本書のp.11 Fig.1.3.の右下に(2−a)と記載されている形状を示す。
この結果から、UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株は、従来のマゴジャクシ菌株に比して、子実体の形成率及び収量が格段に高いことが確認された。
また、UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株について、子実体、菌糸体、胞子、及び生育特性等について観察したところ、前記「発明を実施するための形態」に示す諸特性が確認された。
次に、UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株と、他のマゴジャクシ菌株との異同を調べるため、以下のようにして対峙培養を行なった。供試したマゴジャクシ菌株は、表1に示した菌株すべてであり、MAFF番号、ATCC番号の付与されているマゴジャクシ菌株についても同様に試験した。供試菌株の二核菌糸体をPDA培地より5mm×5mm×5mmのブロックとして切り出し、それぞれをPDA培地の中央部に対峙して接種し(2cm間隔)、23℃、20日間暗黒条件下において培養後、両コロニー境界部に帯線が生じるか否かを判定した。結果を表2に示す。なお、帯線を生じた場合は+、帯線を生じない場合は−と表記した。なお、ここで、帯線には着色していない拮抗状態のものも含む。また、表2では、UFC−119株、UFC−417株、UFC−0906株、MAFF−430224、ATCC−76539、及びATCC−76540の対峙培養について示し、さらに保有する全てのマゴジャクシ菌株(表1記載のUFC−No.)において対峙培養を実施したところ、すべての菌株において帯線を形成した。表2に示したように、マゴジャクシUFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株は、一般に入手可能な公知菌株及び、発明者保有のすべての供試菌株帯線を形成し、同じ菌株間において対峙線の形成が見られなかったことから、生物学上、本菌株が新菌株であることが明らかになった。
実施例2:ビン栽培(1)
UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株をそれぞれPDA培地に接種して、23℃で15日間培養し種菌とした。次に、スギ鋸屑(有限会社一栄)、綿実殻(オリエントジェネライズ株式会社)、コーンコブミール(オリエントジェネライズ株式会社)、及び米ぬか(水鳥食糧株式会社)を重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように、水道水で調整し、湿潤状態にして培地を調製した。この培地470gを培養ビンに収容して圧詰し、中央に直径1cmの穴を穿孔させ、打栓後121℃、60分間殺菌し、固形培養基を調製した。これにPDA培地を用いて調製した種菌2g(15mm角)を接種し、暗黒下23℃、湿度55%条件化で培養基に見かけ上菌糸体が蔓延するまで培養し、さらに10日間培養を続け熟成させた。次に菌掻きをして培養基の上部から約1cmの菌糸体層を除いてから、照度500ルクス、温度25℃、湿度90%の条件化で子実体原基が形成されるまで培養を続け、各菌株における子実体収量、及び総栽培日数について調べた。収穫時期は、子実体の傘の周縁が、生長時の乳白色もしくは黄褐色の状態から茶褐色になった時点を収穫適期と判断した。試験は、1菌株当たり、128個の培養ビンを用いて行い、子実体収量及び総栽培日数はその平均値を算出した。
UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株は、それぞれ、子実体収量が1ビン当り50.1g、54.2g、及び58.3gであり、総栽培日数が71日、73日、71日であった。
実施例3:ビン栽培(2)
カラマツ鋸屑(あぶくま開発有限会社)と米ぬか(水鳥食糧株式会社)と小麦粉(日清製粉株式会社)を重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように、水道水で調整し、湿潤状態にして培地を調製した。この培地を使用すること以外は、上記実施例3と同条件でUFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株の栽培を行い、各菌株における子実体収量、及び総栽培日数について調べた。試験は、1菌株当たり、128個の培養ビンを用いて行い、子実体収量及び総栽培日数はその平均値を算出した。
UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株は、それぞれ、子実体収量が1ビン当り52.1g、57.2g、53.50gであり、総栽培日数が77日、80日、75日であった。
実施例4:ビン栽培(3)
ブナ鋸屑(有限会社新井商店)とコーンコブミール(オリエントジェネライズ株式会社)と米ぬか(水鳥食糧株式会社)を重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように、水道水で調整し、湿潤状態にして培地を調製した。この培地を使用すること以外は、上記実施例3と同条件でUFC−119株の栽培を行い、各菌株における子実体収量、及び総栽培日数について調べた。試験は、1菌株当たり、128個の培養ビンを用いて行い、子実体収量及び総栽培日数はその平均値を算出した。
UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株は、それぞれ、子実体収量が1ビン当り53.2g、52.3g、55.0gであり、総栽培日数が75日、78日、71日であった。
実施例5:ビン栽培(4)
スギ鋸屑(有限会社一栄)と綿実殻(オリエントジェネライズ株式会社)、コーンコブミール(オリエントジェネライズ株式会社)、米ぬか(水鳥食糧株式会社)を重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように、水道水で調整し、湿潤状態にして培地を調製した。この培地を使用すること以外は、上記実施例3と同条件でUFC−119株、UFC−417株、及びUFC−0906株の栽培を行い、各菌株における子実体収量、及び総栽培日数について調べた。試験は、1菌株当たり、128個の培養ビンを用いて行い、子実体収量及び総栽培日数はその平均値を算出した。
UFC−119株、UFC−417株、及びUFC−906株は、それぞれ、子実体収量が1ビン当り56.2g、59.1g、50.2gであり、総栽培日数が72日、72日、74日であった。
FERM P−22188
NITE AP−1561
NITE AP−1560

Claims (7)

  1. カラマツ鋸屑、コーンコブミール、及び米ぬかを重量比3:1:1で混合し、含水率を62±3%になるように調製した培地470gを収容した培養ビン(容積850ml、口径5.8cm)を用いて、照度500ルクス、温度23℃、湿度90%の栽培条件で、子実体の形成率が70%以上であることを特徴とする、マゴジャクシ菌株。
  2. 前記栽培条件において、総栽培日数80日における子実体の平均収量が培養ビン1個当たり30g以上である、請求項1に記載のマゴジャクシ菌株。
  3. 前記栽培条件において、子実体の形成率が70%以上であり、且つ総栽培日数80日における子実体の平均収量が培養ビン1個当たり30g以上である、請求項1又は2に記載のマゴジャクシ菌株。
  4. アカマツの腐朽木を分離源として単離される、請求項1〜3のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株。
  5. UFC−119株(FERM P−22188)、UFC−417株(NITE AP−1561)、UFC−0906株(NITE AP−1560)、又はこれらの変異株である、請求項1〜4のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のマゴジャクシ菌株を栽培して子実体を収穫することを特徴とする、マゴジャクシの人工栽培方法。
  7. 前記栽培が菌床栽培である、請求項6に記載のマゴジャクシの人工栽培方法。
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