JP2013226070A - 細胞遊走試験用装置および細胞遊走試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、細胞遊走試験用装置10であって、その表面に線状導電性領域bを有する基材cを備え、線状導電性領域bは、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域11であり、第1の細胞接着阻害性領域11の間が第1の細胞接着性領域13であり、線状導電性領域bの周囲が第2の細胞接着阻害性領域12であり、線状導電性領域bは薬剤供給部14に接触しており、薬剤供給部14は、線状導電性領域bの両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、第1の細胞接着阻害性領域14は、線状導電性領域bへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である、上記装置に関する。
【選択図】図1
Description
(1)細胞遊走試験用装置であって、
その表面に線状導電性領域を有する基材を備え、
線状導電性領域は、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域であり、第1の細胞接着阻害性領域の間が第1の細胞接着性領域であり、線状導電性領域の周囲が第2の細胞接着阻害性領域であり、
線状導電性領域は薬剤供給部に接触しており、
薬剤供給部は、線状導電性領域の両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の細胞接着阻害性領域は、線状導電性領域への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である、上記装置。
線状導電性領域が、第1の薬剤供給部および第2の薬剤供給部に接触しており、
第1の薬剤供給部と第2の薬剤供給部が、線状導電性領域上の第1の細胞接着性領域を挟んで対向して配置されている、上記(1)に記載の装置。
(3)複数の線状導電性領域が、各線状導電性領域に接続する基部とともに櫛形である、上記(1)または(2)に記載の装置。
(a)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の細胞遊走試験用装置の基材上に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(b)線状導電性領域に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、
(c)薬剤供給部に薬剤を供給して、基材表面に薬剤の濃度勾配を形成する工程、および
(d)第1の細胞接着性領域に接着した細胞の第2の細胞接着性領域における遊走を観察する工程
を含む、上記方法。
(5)一定時間経過後、第2の細胞接着性領域における細胞の遊走距離を測定する工程をさらに含む、上記(4)に記載の方法。
線状導電性領域bは、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域11であり、第1の細胞接着阻害性領域11の間が第1の細胞接着性領域13であり、線状導電性領域bの周囲が第2の細胞接着阻害性領域12であり、
線状導電性領域bは薬剤供給部14に接触しており、
薬剤供給部14は、線状導電性領域bの両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の細胞接着阻害性領域11は、線状導電性領域bへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である形態である。
線状導電性領域bは、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域21であり、第1の細胞接着阻害性領域21の間が第1の細胞接着性領域23であり、線状導電性領域bの周囲が第2の細胞接着阻害性領域22であり、
線状導電性領域bは第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’に接触しており、
第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’は、線状導電性領域bの両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’は、線状導電性領域b上の第1の細胞接着性領域23を挟んで対向して配置されており、
第1の細胞接着阻害性領域21は、線状導電性領域bへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である形態である。
本発明において、第1の細胞接着性領域と第2の細胞接着性領域を単に細胞接着性領域と称する場合がある。
本発明の装置は導電性領域をその表面に形成させるための基材を含む。
本発明の装置に用いられる基材としては、導電性領域を形成可能な材料で形成されたものであれば特に制限されない。基材は絶縁性材料を含むものであることが好ましい。具体的には、ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラス、セラミック、シリコン、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。基材は透明性の材料を含むものであることが好ましい。その形状も限定されず、例えば、平板、平膜、フィルム、多孔質膜等の平坦な形状、ならびに表面に凹凸が形成された形状が挙げられる。フィルムを使用する場合、その厚さは特に制限されないが、通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは10〜200μmである。
細胞接着阻害性領域は、好ましくは、炭素酸素結合を有する有機化合物により形成される親水性膜により形成される。当該親水性膜は、水溶性や水膨潤性を有する、炭素酸素結合を有する有機化合物を主原料とする薄膜であり、酸化される前は細胞接着阻害性を有し、酸化および/または分解された後は細胞接着性を有しているものであれば特に限定されない。また、細胞接着阻害性領域は、細胞非接着性あり、かつ表面に親水性膜が形成されないレジスト部により形成されていてもよい。このようなレジスト部の材料としては、例えばSU−8(MicroChem)を挙げることができる。レジスト部の形成方法は、特に制限されないが、例えば、スピンコートや各種印刷技術による塗布成膜により形成することができる。また、レジスト部の厚さは特に制限されないが、1〜100μmであることが好ましい。
本発明では、第1の細胞接着性領域は、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜に酸化処理および/または分解処理を施して細胞接着性とした領域により形成される。
細胞接着性領域(結合層が存在する場合には結合層も含む)の炭素量は、細胞接着阻害性領域(結合層が存在する場合には結合層も含む)の炭素量と比較して低いことが好ましい。具体的には、細胞接着性領域の炭素量が、細胞接着阻害性領域の炭素量に対して20〜99%であることが好ましい。この範囲内に該当することは、親水性膜の厚さ(結合層が存在する場合には結合層の厚さと親水性膜の厚さの合計)が10μm以下の場合に特に好適である。「炭素量(atomic concentration、%)」は下記に定義する通りである。
本発明の親水性薄膜(結合層が存在する場合には結合層も含む)の評価手法としては、接触角測定、エリプソメトリー、原子間力顕微鏡観察、電子顕微鏡観察、オージェ電子分光測定、X線光電子分光測定、各種質量分析法等を用いることができる。これらの手法の中で、最も定量性に優れているのはX線光電子分光測定(XPS/ESCA)である。この測定方法で求められるのは相対的定量値であり、一般的に元素濃度(atomic concentration、%)で算出される。以下、本発明におけるX線光電子分光分析方法を詳細に説明する。
本発明の装置は、例えば、基材表面に線状導電性領域を形成する工程、基材表面に炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜を形成する工程、および線状導電性領域上に第1の細胞接着性領域が形成されるように、親水性膜を酸化処理および/または分解処理して細胞接着性に改変させる工程を含む方法により製造できる。
本発明では、第2の細胞接着性領域は、導電性領域に電圧を印加して細胞接着阻害性領域に形成された親水性膜を分解し、剥離して細胞接着性とすることにより形成される。ここで、分解とは有機化合物の結合が切断されて1種の有機化合物から2種以上の有機化合物が生じる変化を指す。本発明では、導電性領域に電圧を印加することにより、例えば結合層に存在する結合部分(リンカー)が切断され、親水性膜を構成する有機化合物の少なくとも一部が分解または除去されるものと考えられる。
本発明の装置が備える基材は、その表面に線状導電性領域とを有し、線状導電性領域には、その両端を含む領域に第1の細胞接着阻害性領域が形成されており、第1の細胞接着阻害性領域の間に第1の細胞接着性領域が形成され、線状導電性領域の周囲には第2の細胞接着阻害性領域が形成されている。そして、線状導電性領域は薬剤供給部に接触しており、該薬剤供給部は、線状導電性領域の両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であるように配置されている。ここで、線状導電性領域が薬剤供給部に接触するとは、電圧印加後に線状導電性領域上に形成される細胞遊走路に薬剤供給部の薬剤が拡散可能であることを意味する。上記のようなパターン形状および薬剤供給部を設けることにより、薬剤の一部が第1の細胞接着性領域に接着した細胞に到達するように薬剤の濃度勾配が基材表面に形成され、第1の細胞接着阻害性領域に接着された細胞は、薬剤の濃度勾配を感知して細胞遊走路(第2の細胞接着性領域)上を正負のいずれの方向にも遊走することが可能となる。具体的には、図3に示すような第1の細胞接着性領域32に接着した細胞Aの薬剤供給部31に供給された薬剤に対する正の走化性、すなわち薬剤の濃度が高くなる方向への遊走と、図4に示すような第1の細胞接着性領域42に接着した細胞Aの薬剤供給部41に供給された薬剤に対する負の走化性、すなわち薬剤の濃度が低くなる方向への遊走との両方について試験することが可能となる。また、図5に示すように、第1の薬剤供給部51と第2の薬剤供給部51’が存在する場合には、第1の薬剤供給部51と第2の薬剤供給部51’の一方に高濃度の薬剤を導入し、他方に低濃度の薬剤または水を供給して基材表面に濃度勾配を形成させて、正負の走化性について試験を行うことができる。細胞遊走路全体で濃度勾配を形成させることにより、予期することができない、細胞の逆方向への遊走を防ぐことができるようになるため、再現性および定量性の向上が期待できる。また、第1の薬剤供給部51と第2の薬剤供給部51’に異なる薬剤を導入することにより、薬剤の促進剤または阻害剤としての強弱を判断することができる。
本発明の装置に播種する細胞としては、血球系細胞やリンパ系細胞などの浮遊細胞でもよいし接着性細胞でもよいが、本発明は、接着性を有する細胞に対して好適に使用される。また遊走する性質を有する細胞に対して好適に使用される。そのような細胞としては、例えば、肝がん細胞、グリオーマ細胞、結腸癌細胞、腎がん細胞、膵がん細胞、前立腺がん細胞、大腸がん細胞、乳癌細胞、肺がん細胞、卵巣がん細胞などのがん細胞、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞などの内皮細胞、繊維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞などの表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、角膜上皮細胞などの上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞などの神経細胞、軟骨細胞、骨細胞などが挙げられる。これらの細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、あるいは、それらを何代か継代させたものでもよい。さらにこれら細胞は、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞などの多能性幹細胞、単分化能を有する血管内皮前駆細胞などの単能性幹細胞、分化が終了した細胞の何れであってもよい。また、細胞は単一種を培養してもよいし二種以上の細胞を共培養してもよい。
本発明の細胞遊走試験用装置を用いて、様々な薬剤に対する細胞の遊走を解析することができる。本発明において試験の対象となる薬剤は特に制限されず、例えば、天然または人為的に合成された各種ペプチド、タンパク質(酵素又は抗体を含む)、核酸(ポリヌクレオチド(DNA若しくはRNA)、オリゴヌクレオチド(siRNA、shRNAまたはデコイオリゴなど)、またはペプチド核酸(PNA)など)、有機化合物、無機化合物、低分子化合物、およびその他の高分子化合物などが挙げられる。具体的には、ウシ胎児血清(FBS)、上皮細胞増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、Latrunculin B、サイトカラシンなどが挙げられる。
本発明の細胞遊走試験方法は、
(a)本発明の装置の基材上に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(b)線状導電性領域に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、
(c)薬剤供給部に薬剤を供給して、基材表面に薬剤の濃度勾配を形成する工程、および
(d)第1の細胞接着性領域に接着した細胞の第2の細胞接着性領域における遊走を観察する工程
を含む。
以下、本発明の実施形態について、図を参照することにより説明する。
図1に本発明の装置の第一の実施形態が示されている。
線状導電性領域bは、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域11であり、第1の細胞接着阻害性領域11の間が第1の細胞接着性領域13であり、線状導電性領域bの周囲が第2の細胞接着阻害性領域12であり、
線状導電性領域bは薬剤供給部14に接触しており、
薬剤供給部14は、線状導電性領域bの両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の細胞接着阻害性領域11は、線状導電性領域bへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である。
細胞遊走空間16の形状は、直方体、正方形等が挙げられる。
線状導電性領域bは、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域21であり、第1の細胞接着阻害性領域21の間が第1の細胞接着性領域23であり、線状導電性領域bの周囲が第2の細胞接着阻害性領域22であり、
線状導電性領域bは第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’に接触しており、
第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’は、線状導電性領域bの両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の薬剤供給部24および第2の薬剤供給部24’は、線状導電性領域b上の第1の第1の細胞接着性領域23を挟んで対向して配置されており、
第1の細胞接着阻害性領域21は、線状導電性領域bへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
ガラス基板(コーニング社製)を用意し、スパッタリングによりガラス基材上に1500Åの厚さにITO(酸化インジウム錫)を成膜した。フォトリソグラフィにより、幅10μm、長さ5mmの遊走路がピッチ30μmで90本並ぶようにパターニングした。
パターニングされたITO成膜ガラス基材上にあらかじめ加水分解されたエポキシシラン(GE東芝シリコーン製)をスピンコーティングで塗布した後、80℃で15分加熱し、純水で洗浄することによりシラン化合物を成膜した。このとき、ITO成膜ガラス基材の接触角は、40〜55°であった。同基材上に触媒量の硫酸を添加したポリエチレングリコール(PEG)としてPEG400(シグマ・アルドリッチ)を浸漬法にて塗布し、100℃で1時間加熱し、純水で洗浄することによりPEGをコーティングした。この基材の接触角は27〜35°程度であった。
PEGがコーティングされた基材上に、幅1000μmのライン状の開口部を有するパターンが形成されているフォトマスクを、ライン状の開口部が遊走路と直行するように配置し、プロキシミティ露光によりVUV(波長172nm)を照射してライン状の開口部にあたるPEGを分解した。
上記のように作製した基材と、底面に18mmφの穴が空いている35mmφのポリスチレン製ディッシュとを接着剤にて接合させ、1日以上放置することで出ガスを抜き、ディッシュ化した。以上のようにしてディッシュを5つ作製した。
作製されたディッシュそれぞれに2.0×105細胞/cm2となるようにマウス線維芽細胞を播種し、DMEM 10%FBS溶液中で24時間培養した。
細胞がライン状のパターンに接着していることを確認した後、導電性領域を正極、それに対向する側の導電性領域を負極につなぎ、2.0Vで1分間電圧を印加し、PEGを脱離した。
電圧印加後、各ディッシュの培地を取り除き、薬剤としてFBSの濃度が培地中0%、0.1%、1%、10%、20%のものを調整し、ディッシュごとに各濃度の培地に交換した。
CCDカメラにて5分間に一度細胞を撮影し、遊走路上における細胞の遊走方向の観察及び進行距離の定量化をした。電圧印加24時間後に撮影した。
b:線状導電性領域
b’導電性基部
c:基材
d:蓋部材
e:対向電極
10、20:細胞遊走試験用装置
11、21:第1の細胞接着阻害性領域
12、22:第2の細胞接着阻害性領域
13、23:第1の細胞接着性領域
14:薬剤供給部
15、25:細胞導入部
16、26:細胞遊走空間
24:第1の薬剤供給部
24’:第2の薬剤供給部
31、41:薬剤供給部
32、42、52:細胞接着性領域
51:第1の薬剤供給部
51’:第2の薬剤供給部
A:細胞
Claims (5)
- 細胞遊走試験用装置であって、
その表面に線状導電性領域を有する基材を備え、
線状導電性領域は、その両端を含む領域が第1の細胞接着阻害性領域であり、第1の細胞接着阻害性領域の間が第1の細胞接着性領域であり、線状導電性領域の周囲が第2の細胞接着阻害性領域であり、
線状導電性領域は薬剤供給部に接触しており、
薬剤供給部は、線状導電性領域の両端において濃度が異なるように基材表面に薬剤の濃度勾配を提供することが可能であり、
第1の細胞接着阻害性領域は、線状導電性領域への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である、上記装置。 - 薬剤供給部が第1の薬剤供給部と第2の薬剤供給部とを備え、
線状導電性領域が、第1の薬剤供給部および第2の薬剤供給部に接触しており、
第1の薬剤供給部と第2の薬剤供給部が、線状導電性領域上の第1の細胞接着性領域を挟んで対向して配置されている、請求項1に記載の装置。 - 複数の線状導電性領域が、各線状導電性領域に接続する基部とともに櫛形である、請求項1または2に記載の装置。
- 細胞遊走試験方法であって、
(a)請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞遊走試験用装置の基材上に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(b)線状導電性領域に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、
(c)薬剤供給部に薬剤を供給して、基材表面に薬剤の濃度勾配を形成する工程、および
(d)第1の細胞接着性領域に接着した細胞の第2の細胞接着性領域における遊走を観察する工程
を含む、上記方法。 - 一定時間経過後、第2の細胞接着性領域における細胞の遊走距離を測定する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
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JP6349840B2 (ja) | 細胞培養システム及び細胞培養方法 |
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