JP2005261285A - 細胞観察チップおよび細胞観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
透明性部材により形成しながらも、走化性観察に必要となる十分な反射光を得ることができる細胞観察チップ及び細胞観察装置を提供すること
【解決手段】
本発明にかかる走化性観察用チップ1は、透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と、当該観察面と反対側の非観察面とを有する走化性観察用チップであって、前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面10を設けたものである。反射面10は、パッキン4と固定治具3との間に設けてもよい。
【選択図】 図1
透明性部材により形成しながらも、走化性観察に必要となる十分な反射光を得ることができる細胞観察チップ及び細胞観察装置を提供すること
【解決手段】
本発明にかかる走化性観察用チップ1は、透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と、当該観察面と反対側の非観察面とを有する走化性観察用チップであって、前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面10を設けたものである。反射面10は、パッキン4と固定治具3との間に設けてもよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、いわゆる細胞走化性を観察するための細胞観察チップおよび細胞観察装置に関する。
走化性とは、走化性因子と呼ばれる化学物質の濃度勾配に応じて細胞が移動する性質のことである。この細胞の走化性を利用して治療薬の開発に応用しようとする動きがある。特に、この走化性を利用することによって、各種の炎症やアレルギー、ガンに対する治療薬の開発に新しいアプローチが見出せるのではないかと考えられており、走化性研究の重要性は増している。この走化性を観察するために、細胞観察チップを用いて走化性因子の挙動を観察することが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
この走化性を観察するための細胞観察チップ(以下、走化性観察用チップ)は、走化性因子を充填する第1のウエルと、走化性を有する細胞等を充填する第2のウエルを有する。そして、これらのウエル間は流路によって連通されており、当該流路内には障壁によって隔てられた微細な通路を多数設けている。
図8(a)は、従来の走化性観察用チップの構成を説明するため図である。図8(a)は断面図及び下面図、図8(b)は一部拡大下面図である。図において、1は走化性観察用チップ、5Aおよび5Bは細胞又は走化性因子を充填する領域であるウエル、6はウエル間を連通する流路、7は流路に設けられた障壁、8A乃至8Dは細胞あるいは走化性因子等の試料を注入・採取するための貫通穴である。
図8(b)は、図8(a)に示した下面図中における流路6周辺を拡大した図である。ここで9は障壁7によって隔てられた微細な通路である。通路9の大きさは細胞の通常の大きさより多少小さく作れられており、走化性因子の濃度勾配ができると細胞は通路9を通って濃度の高い方へ移動するため、走化性の観察ができる。
従来の走化性観察用チップは、主にシリコンウエハ(単結晶シリコン)を異方性ドライエッチング等のマイクロマシニング技術を用いて加工する方法(例えば特許文献2を参照)や、シリコンゴムの一種であるPDMS(Polydimethylsiloxane :ポリジメチルシロキサン)を成形する方法によって製作されていた。これらの方法では、走化性観察用チップの加工コストが高価となることや、加工に要する工程数が多いために製造に時間がかり量産に適さないといった課題があった。
特開2002−159287号公報
特開2003−215210号公報
日経バイオビジネス2001年11月号、p.48−50
そこで、走化性観察用チップの安価な生産及び量産化に適した製作方法として、透明性を有する樹脂(以下、単に透明性樹脂とする)によって走化性観察用チップを形成することが考えられる。
しかし、透明性樹脂によって構成した走化性観察用チップを用いて走化性観察を行うと、観察面側から照明光を当てても反射光による十分な明るさが得られずに流路部分が暗くなってしまうため、観察面側から流路内を移動する細胞の像が見え難い。この原因は、走化性観察用チップを構成する透明性樹脂と流路内の等張液の主成分である水との屈折率が近いために、入射した照明光が走化性観察用チップ壁面と充填された等張液等との境界面で反射されずに、走化性観察用チップ壁面を透過してしまう点にある。
本発明は透明性部材によって構成した細胞観察チップを使用する際の上記の問題を解決するためになされたものであり、透明性部材により形成しながらも、走化性観察に必要となる十分な反射光を得ることができる細胞観察チップ、及び、細胞観察チップを備えた細胞観察装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる細胞観察チップは、透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と、当該観察面と反対側の非観察面とを有する細胞観察チップであって、前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面を設けたものである。これにより、透明性部材で形成した細胞観察チップでも反射光による充分な明るさが得られるため、流路内の細胞の像をはっきりと観察することができる。
特に、反射面は、非観察面上に設けられていることが望ましい。これにより、反射面を容易に製造することができる。
反射面を細胞観察チップの内部に設けるようにしてもよい。これにより、反射面の損傷を防止できる。
また、反射面は、前記流路の非観察面側に設けられ、流路以外の領域の非観察面側には反射面を形成しない領域を有するようにしてもよい。これにより、反射面の面積を減少させることができ、コスト削減をもたらすことができる。
本発明にかかる細胞観察装置は、透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と当該観察面と反対側の非観察面とを有する細胞観察チップと、前記細胞観察チップの観察面と接する透明性基板と、前記細胞観察チップと前記透明性基板とを固定する固定手段とを備えた細胞観察装置であって、前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面を設けたものである。これにより、透明性部材で形成した細胞観察チップでも反射光による充分な明るさが得られるため、流路内の細胞の像をはっきりと観察することができる。
ここで、前記固定手段は、固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられたパッキンにより構成され、前記反射面は、前記細胞観察チップと前記パッキンとの間に設けるようにしてもよい。これにより、反射面は細胞観察チップと、比較的柔らかいパッキンとの間に介持されることになるから、反射面の損傷を防止できる。
また、前記固定手段は、固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられた透明性を有するパッキンにより構成され、前記反射面は、前記固定治具と前記パッキンの間に設けるようにしてもよい。このような構成によっても、透明性部材で形成した細胞観察チップでも反射光による充分な明るさが得られるため、流路内の細胞の像をはっきりと観察することができる。
また、前記固定手段は、反射性を有する固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられた透明性を有するパッキンにより構成され、前記反射面は、前記固定治具の面によって構成するようにしてもよい。これにより、部品点数が少なくすることができ、製造コストを低減できる。
本発明により、透明性部材で構成しながらも、走化性の観察に必要となる十分な反射光を得て流路内の細胞の像をはっきりと観察することができる細胞観察チップ及び細胞観察装置を提供することができる。
発明の実施の形態1.
以下では、本発明にかかる細胞走化性の観察に使用する細胞観察チップ(以下、走化性観察用チップ)について説明する。発明の実施の形態1として、流路等の微細構造を有した観察面側の表面とは反対の走化性観察用チップ表面に反射面を形成した形態を示す。図1に発明の実施の形態1に係る走化性観察用チップの構成を示す。
以下では、本発明にかかる細胞走化性の観察に使用する細胞観察チップ(以下、走化性観察用チップ)について説明する。発明の実施の形態1として、流路等の微細構造を有した観察面側の表面とは反対の走化性観察用チップ表面に反射面を形成した形態を示す。図1に発明の実施の形態1に係る走化性観察用チップの構成を示す。
走化性観察用チップ1は、略透明なポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー等のエラストマー系材料により構成されることが好ましい。これらの材料を用いて、例えば射出成形により製作すれば、流路部分の微細な加工も可能である。樹脂の射出成形による製法は、金型を製作すれば安価に大量生産することができるため、従来のシリコンウエハをマイクロマシニング技術によって加工する製法やPDMSを成形する製法に比べて、低コストかつ短時間で製作でき、量産に適している。
走化性観察用チップ1には、ウエル5A、5Bが設けられている。この例では、ウエル5A、5Bは、走化性観察用チップ1の観察面上の窪みとして形成されている。ウエル5A、5Bは、当該走化性観察用チップ1と透明性基板(図示せず)とが密着された状態において、それぞれ2つの空間を形成し、当該空間に細胞又は走化性因子が充填される。この例にかかるウエル5A、5Bは、走化性観察用チップ1の一方の面から約100μm窪んで形成されている。尚、ウエル5A、5Bの容積に特別な制限は無く、細胞、走化性因子等の試料を充填する際の必要最小限の容積を持てば良い。例えば、深さは100μm程度、幅・奥行きはそれぞれ1〜2.5mm程度で良い。
ウエル5Aとウエル5Bとの間には、両者を連通する流路6が設けられている。この流路6は、ウエル5A、5Bよりも浅く形成されている。この例にかかる流路6は、走化性観察用チップ1の一方の面より約5μm窪んで形成されている。
流路6には複数の障壁7が設けられている。障壁7の高さ及び障壁7に挟まれた流路6の幅は、測定対象とする細胞の大きさに合わせて高さや幅を決定する。障壁7の高さや流路6の幅は、測定対象である細胞の通常の大きさより若干小さくする必要があり、通常は、障壁の高さ5μm程度、流路の幅2〜10μm程度である。
ウエル5A、5Bの底部には、走化性観察用チップ1の観察面と反対側の面である非観察面とを貫通する貫通穴8A、8B、8C、8Dが設けられている。これらの貫通穴8A乃至8Dは細胞あるいは走化性因子等の試料を注入・採取するための穴として用いられる。図に示す例では、4つの貫通穴8A乃至8Dが設けられているが、2以上の任意の数の貫通穴であればよい。貫通穴8A乃至8Dの断面形状・大きさは特に限定されるものではない。例えば、直径0.5mmのマイクロシリンジを用いて試料の注入が可能であれば良い。このため、貫通穴8A乃至8Dの断面形状が円形であれば直径1mm程度、正方形であれば一辺の長さは1mm程度が典型的である。
図1(b)は、図1(a)に示した下面図中における流路6周辺を拡大した図である。図に示されるように、障壁7によって隔てられた微細な通路9が形成されている。通路9の大きさは細胞の通常の大きさより多少小さく作れられており、走化性因子の濃度勾配ができると細胞は通路9を通って濃度の高い方へ移動するため、走化性の観察ができる。
本発明の実施の形態1においては、図1(a)に示されるように、流路等の微細構造を有した観察面側の表面とは反対のチップ表面に反射面10が形成されている。反射面10の厚さは、入射した照明光を反射するために十分な厚さ以上であれば良い。
反射面10の材質は、反射性に優れた材料であれば良く、アルミニウム、プラチナ、銀等の金属が適している。チップ表面への反射面10の形成は、例えば、アルミニウム箔等の金属箔をチップ表面に貼り付けることにより行うことができる。さらには、金属箔や金属薄膜等を走化性観察用チップ1の表面に密着させても良いし、走化性観察用チップ表面にプラチナ等の金属蒸着膜を形成する、走化性観察用チップ表面に金属粉体塗装を施す等の方法によって形成しても良い。また、金属以外の反射率の高い物質からなるフィルム材等を走化性観察用チップ表面に密着あるいは貼り付けて形成しても良い。
なお、走化性観察用チップ1の表面に蒸着膜を形成する方法の場合は、走化性観察用チップ1の材料である樹脂と金属蒸着膜の線膨張係数が異なるため、走化性観察用チップ1を後述するパッキンや固定治具で固定してパッケージする際に蒸着膜の剥がれやひび割れが生じやすい。剥がれやひび割れが生じると照明光が透過してしまうために観察し難くなる。これに対して、金属箔や金属薄膜等を走化性観察用チップ1の表面に密着させる方法であれば、線膨張係数の違いによる剥がれ、ひび割れは原理的に発生せず、剥がれやひび割れによる観察上の不具合は生じない。
次に本発明の実施の形態1にかかる走化性観察用チップを備えた細胞観察装置(以下、走化性観察用装置)の構成について図2を用いて説明する。図2に示されるように、透明性基板2上に走化性観察用チップ1がその流路6等の微細構造を持つ面が接するようにして載置される。透明性基板2は、通常厚さ1mm程度のガラス板が用いられるが、ガラスに替えてPMMA(ポリメチルメタクリレート)等の合成樹脂による略透明な基板、即ち透明性を有する基板を使用しても良い。
走化性観察用チップ1の反射面10を設けた側には、パッキン4を介して固定治具3が設けられている。このパッキン4は走化性観察用チップ1が透明性基板2に対して均一の圧力により接するために設けられている。固定治具3は、例えば、合成樹脂やSUS(アルミニウム鋼材)等の金属により構成される。パッキン4は、例えばPDMS等の合成樹脂により構成される。尚、本発明の実施の形態においては、固定治具3、パッキン4の材質に透明性は必要ない。貫通穴8A乃至8Dは、細胞あるいは走化性因子等の試料を注入・採取できるよう、固定治具3およびパッキン4にも設けられている。
続いて、走化性観察用装置を用いて細胞の走化性を観察する手順を説明する。あらかじめ水または水を主成分とする等張液等を走化性観察用チップ1と透明性基板2によって挟まれたウエル5A、ウエル5B及び流路6内に充填しておく。次いで、ウエル5A及びウエル5Bのいずれか一方に細胞を充填し、他方に走化性因子を注入する。細胞および走化性因子の注入は貫通穴8A乃至8Dを通じて行われる。走化性因子の濃度勾配が発生すると、走化性を有する細胞は流路6を通って走化性因子が充填されたウエル側へ移動する。
この流路6内を移動する細胞の像を、透明性基板2を介して外側の観察面から検出することにより、走化性の観察が可能となる。具体的には、観察面に設置した顕微鏡やビデオカメラ等の検出器11によって移動する細胞を検出することになるが、この際には、細胞の像が十分に確認できる程度の明るさが必要となる。このため、図2に示すように観察面側に光源を設置して照明光を流路6付近に照射している。
ここで、本発明の原理について図3を用いて詳しく説明する。図3(a)および(b)は、走化性観察用チップ1と透明性基板2に挟まれた通路9の部分を示している。図中の実線矢印は、照明光の経路を概念的に現したものである。
図3(a)は反射面10を設けていない従来の走化性観測用チップ1における光の挙動を示す。図3(a)に示すように、通路9内が水または水を主成分とする等張液等で満たされている場合、観察面側に設置した光源からの照明光は、透明性基板2及び通路9内を通過した後に、走化性観察用チップ1との境界面においてもほとんど反射されることなくチップ内へ透過してしまう。これは、水と走化性観察用チップを構成する樹脂との屈折率が近いことに起因する。このため、走化性を観察するのに十分な明るさが得られない。
図3(b)は本発明の実施の形態にかかる走化性観測用チップ1における光の挙動を示すものであり、この走化性観察用チップ1の裏面には反射面10が設けられている。この場合、観察面から入射した照明光は、通路9から走化性観察用チップ1に透過した後に反射面10によって十分に反射され、再び走化性観察用チップ1、通路9、透明性基板2を通って観察面側へ透過していく。この結果、反射面10での反射光によって通路9内を照らし出すことができ、観察面側から走化性の観察を行うことが可能となる。
尚、上述の例では、反射面10を走化性観察用チップ1に設けるものとして説明したが、パッキン4の表面にプラチナ等の金属蒸着膜を形成する、パッキン4の表面に塗装を施す等の方法によって形成しても良い。
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態1では、走化性観察用チップ1の表面に反射面10を設ける形態について説明したが、本発明の効果を得るためには反射面10を走化性観察用チップのウエル、流路等の微細構造を有する表面より上方部に設けてあればよい。
発明の実施の形態1では、走化性観察用チップ1の表面に反射面10を設ける形態について説明したが、本発明の効果を得るためには反射面10を走化性観察用チップのウエル、流路等の微細構造を有する表面より上方部に設けてあればよい。
本発明の実施の形態2では、走化性観察用チップ1の内部に反射面10を設けている。図4に本発明の実施の形態2にかかる走化性観察用チップ1の断面図を示す。この例では、反射面10は、貫通穴8A乃至8Dよりも内側の領域、即ち流路6の上方部のみに設けられている。このような構成によっても、反射面10での反射光によって流路6内を照らし出すことができ、観察面側から走化性の観察を行うことが可能となる。
また、本発明の実施の形態2にかかる走化性観察用チップ1の構成によれば、反射面10が走化性観察用チップ1の内部に設けられているため、パッキン4や固定治具3等の他の部材との接触による破損の可能性が低い。特に、走化性観察用チップ1単独で取引される場合には、この効果は大きい。
尚、図4に示す例では、反射面10は、貫通穴8A乃至8Dよりも内側の領域のみに設けられているが、これに限らず、全体に亘って設けられていてもよい。
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態1では、走化性観察用チップ1の表面全体に反射面10を形成したが、本発明の実施の形態3では貫通穴8A乃至8Dよりも内側の領域、即ち流路6の上方部のみに反射面10を形成している。図5に本発明の実施の形態3にかかる走化性観察用チップ1の断面図を示す。このような構成によっても、反射面10での反射光によって流路6内を照らし出すことができ、観察面側から走化性の観察を行うことが可能となる。
発明の実施の形態1では、走化性観察用チップ1の表面全体に反射面10を形成したが、本発明の実施の形態3では貫通穴8A乃至8Dよりも内側の領域、即ち流路6の上方部のみに反射面10を形成している。図5に本発明の実施の形態3にかかる走化性観察用チップ1の断面図を示す。このような構成によっても、反射面10での反射光によって流路6内を照らし出すことができ、観察面側から走化性の観察を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態3によれば、特に反射面10の面積が少なくて済むため、コスト低減を図ることができる。
発明の実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかる走化性観察用装置の構成について図6に示す。本発明の実施の形態では、パッキン4と固定治具3の間に反射面10を形成している。
本発明の実施の形態4にかかる走化性観察用装置の構成について図6に示す。本発明の実施の形態では、パッキン4と固定治具3の間に反射面10を形成している。
本発明の実施の形態でのパッキン4には光を透過する性質が必要であるため、例えばPDMSにより構成される。反射面10の材質は、発明の実施の形態1および発明の実施の形態2と同様に反射性に優れた材料であれば良く、アルミニウム、プラチナ、銀等の金属が適している。反射面10は、例えば、アルミニウム箔等の金属箔、金属薄膜等をパッキンと固定治具の間に挟み込むことによって形成できる。金属以外の反射率の高い物質からなるフィルム材等をパッキン4と固定治具3の間に挟み込んで形成しても良い。その他に、パッキン4の表面あるいは固定治具3の表面にプラチナ等の金属蒸着膜を形成する、塗装を施す等の方法によって形成しても良い。その他の装置各部の材質及び構造は、発明の実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
本発明の実施の形態にかかる走化性観察用装置100を走化性観察に使用する際は、走化性観察用チップ1を透明性基板2に密着させた上にパッキン4を載置し、パッキン4と固定治具3の間に反射面となる金属箔等を挟み込んでから固定治具3で固定する。
本発明の実施の形態4では、観察面から透明性基板2を通じて入射した照明光が走化性観察用チップ1を透過するものの、パッキン4まで透過した後にパッキン4上部に設けた反射面10で反射されて再び観察面側まで透過して戻ることにより、流路6内が反射光によって十分に照らし出されて流路6内の細胞の動きを観察することができる。
発明の実施の形態5.
発明の実施の形態5.
本発明の実施の形態5にかかる走化性観察用装置の構成について図7に示す。本発明の実施の形態では、図のように固定治具3と反射面10を一体化して形成している。
固定治具3と反射面10の一体化は、固定治具3の材質として反射性に優れた材料を用いることによって実現できる。即ち、固定治具3は反射体である。例えば、固定治具3の材質としてアルミニウム等の反射率の高い金属材料を用いればよい。本発明の実施の形態でのパッキン4には光を透過する性質が必要とされ、例えばPDMSにより構成される。その他の装置各部の材質及び構造は、発明の実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
本発明の実施の形態5にかかる走化性観察用装置を走化性観察に使用する際は、走化性観察用チップ1を透明性基板2に密着させた上にパッキン4を載置し、反射面と一体化した固定治具3で固定する。
本発明の実施の形態5では、透明性基板2から入射した光が、走化性観察用チップ1を透過するものの、パッキン4まで透過した後に固定治具3の表面で反射されて再び観察面側まで透過して戻る。これにより、流路6内が反射光によって十分に照らし出されて流路6内の細胞の動きを観察することができる。
本発明の実施の形態5においては、反射面10を形成する独立部材が不要であるため、部品点数を減らすことができ、作業工程の簡略化や材料費の低減により製造コストを低減することが可能となる。
その他の実施の形態.
本発明の効果を得ることができる実施の形態は、上述した実施の形態に限られず、様々な変更が可能である。例えば、走化性観察用装置100では、パッキン4を省略して直接固定治具3で固定する構成をとることもできる。この場合には、発明の実施の形態1あるいは発明の実施の形態4に示す構成を変更して、走化性観察用チップ1と固定治具3の間に反射面を設ければよいし、発明の実施の形態5に示す構成を変更して、反射性に優れた材質で構成した固定治具3を用いて直接走化性観察用チップ1を固定すれば良い。このような形態でも本発明の効果を奏することは明らかである。
本発明の効果を得ることができる実施の形態は、上述した実施の形態に限られず、様々な変更が可能である。例えば、走化性観察用装置100では、パッキン4を省略して直接固定治具3で固定する構成をとることもできる。この場合には、発明の実施の形態1あるいは発明の実施の形態4に示す構成を変更して、走化性観察用チップ1と固定治具3の間に反射面を設ければよいし、発明の実施の形態5に示す構成を変更して、反射性に優れた材質で構成した固定治具3を用いて直接走化性観察用チップ1を固定すれば良い。このような形態でも本発明の効果を奏することは明らかである。
さらに、上述した実施の形態で説明した走化性観察用チップにおけるウエルと流路の構造は例として挙げたものであり、これら以外にも様々な工夫による変形が考えられるが、本発明による効果は特定のウエルおよび流路の構造に限定されるものでないことは言うまでもない。
また、1対のウエルとこれらの間を連通する流路、および貫通穴によって走化性観察用チップの1ユニットが構成されるが、走化性観察の効率向上等のため、複数個のユニットを集積して1つの走化性観察用チップとしても良く、このような走化性観察用チップに対しても本発明は有効である。
1 走化性観察用チップ
2 透明性基板
3 固定治具
4 パッキン
6 流路
10 反射面
2 透明性基板
3 固定治具
4 パッキン
6 流路
10 反射面
Claims (8)
- 透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と、当該観察面と反対側の非観察面とを有する細胞観察チップであって、
前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面を設けた細胞観察チップ。 - 前記反射面は、前記非観察面上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の細胞観察チップ。
- 前記反射面は、前記細胞観察チップの内部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の細胞観察チップ。
- 前記反射面は、前記流路の非観察面側に設けられ、流路以外の領域の非観察面側には反射面を形成しない領域を有することを特徴とする請求項1に記載の細胞観察チップ。
- 透明性部材により形成され、少なくとも細胞が通過する流路が形成された観察面と当該観察面と反対側の非観察面とを有する細胞観察チップと、前記細胞観察チップの観察面と接する透明性基板と、前記細胞観察チップと前記透明性基板とを固定する固定手段とを備えた細胞観察装置であって、
前記観察面よりも前記非観察面側に、前記観察面側から入射する光を反射する反射面を設けた細胞観察装置。 - 前記固定手段は、固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられたパッキンにより構成され、
前記反射面は、前記細胞観察チップと前記パッキンとの間に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の細胞観察装置。 - 前記固定手段は、固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられた透明性を有するパッキンにより構成され、
前記反射面は、前記固定治具と前記パッキンの間に設けられたことを特徴とする請求項5に記載の細胞観察装置。 - 前記固定手段は、反射性を有する固定治具と、当該細胞観察チップと固定治具との間に設けられた透明性を有するパッキンにより構成され、
前記反射面は、前記固定治具の面によって構成されていることを特徴とする請求項5に記載の細胞観察装置。
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KR100975611B1 (ko) | 2008-11-28 | 2010-08-17 | 한국생산기술연구원 | 세포 주화성 검사용 마이크로 플루이딕 칩 및 제조방법 |
JP2013226070A (ja) * | 2012-04-25 | 2013-11-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 細胞遊走試験用装置および細胞遊走試験方法 |
JP2015136318A (ja) * | 2014-01-22 | 2015-07-30 | 国立大学法人 筑波大学 | 細胞培養用デバイス |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004077861A patent/JP2005261285A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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