JP5927999B2 - 細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 - Google Patents
細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5927999B2 JP5927999B2 JP2012047132A JP2012047132A JP5927999B2 JP 5927999 B2 JP5927999 B2 JP 5927999B2 JP 2012047132 A JP2012047132 A JP 2012047132A JP 2012047132 A JP2012047132 A JP 2012047132A JP 5927999 B2 JP5927999 B2 JP 5927999B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- region
- cell
- cell adhesion
- cells
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Description
(1)細胞遊走解析用基材であって、その表面に、
それぞれが、第1の細胞接着性領域と、該第1の細胞接着性領域と接する第1の細胞接着阻害性領域とを含む、1以上の試験領域と、
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域と
が形成されており、
該基材の、該第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は導電部であり、
該第1の細胞接着阻害性領域は、導電部への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である、
前記細胞遊走解析用基材。
(2)第1の細胞接着性領域が第1の細胞接着性領域に包囲されている、上記(1)に記載の細胞遊走解析用基材。
(3)第1の細胞接着性領域が、1個の細胞のみが接着可能な面積を有する、上記(1)または(2)に記載の細胞遊走解析用基材。
(4)複数の試験領域が、基材表面に、4〜4×104個/cm2の密度で存在する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の細胞遊走解析用基材。
(5)基材の、第2の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は絶縁部である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の細胞遊走解析用基材。
(6)表面に複数の試験領域が形成されており、
複数の試験領域のそれぞれに対応する、第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成されている複数の導電部が、それぞれ、少なくとも1つの他の導電部と、導電性の橋状部を介して電気的に連結されている、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の細胞遊走解析用基材。
(7)細胞遊走解析方法であって、
(i)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の細胞遊走解析用基材に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(ii)導電部に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、および
(iii)第1の細胞接着性領域に接着させた細胞の第2の細胞接着性領域における移動を観察する工程
を含む、上記方法。
それぞれが、第1の細胞接着性領域と、該第1の細胞接着性領域と接する第1の細胞接着阻害性領域とを含む、複数の試験領域と
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域と
が形成されており、
該基材の、該第2の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は絶縁部であり、
該基材の、該試験領域および該絶縁部が表面に形成された部分は導電部であり、
該第1の細胞接着阻害性領域は、導電部への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である形態である。
それぞれが、第1の細胞接着性領域と、該第1の細胞接着性領域と接する第1の細胞接着阻害性領域とを含む、複数の試験領域と、
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域と
が形成されており、
該基材の、該第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は導電部であり、
複数の試験領域のそれぞれに対応する、第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成されている複数の導電部が、それぞれ、少なくとも1つの他の導電部と、導電性の橋状部を介して電気的に連結されており、
該第1の細胞接着阻害性領域は、導電部への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能である形態である。
本発明の基材は導電部をその表面に形成させるための基体を含んでいてもよい。
本発明の基材に用いられる基体としては、導電部を形成可能な材料で形成されたものであれば特に制限されない。基体は絶縁性材料を含むものであることが好ましい。本明細書において、絶縁性材料を含む基体を絶縁部ともいう。具体的には、ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラス、セラミック、シリコン、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。基体は透明性の材料を含むものであることが好ましい。その形状も限定されず、例えば、平板、平膜、フィルム、多孔質膜等の平坦な形状、シリンダ、スタンプ、マルチウェルプレート、マイクロ流路等の立体的な形状、ならびに表面に凹凸が形成された形状が挙げられる。フィルムを使用する場合、その厚さは特に制限されないが、通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは10〜200μmである。
上記のような導電部のパターニングは、具体的には、成膜した金属膜または金属酸化物膜に、レジスト塗布、フォトマスクを介した露光、現像およびエッチングを行って実施することができる。
本発明の基材は導電部上に絶縁部を含んでいてもよい。
本発明の基材に用いられる絶縁部としては、導電部上に形成可能な材料で形成されたものであれば特に制限されない。絶縁部は、その表面に炭素酸素結合を有する有機化合物の被膜を形成することが可能な材料で形成されたものであることが好ましい。具体的には、ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラス、セラミック、シリコン、エラストマー、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)で代表される有機材料を挙げることができる。絶縁部はSiO2等の透明性の材料を含むものであることが好ましい。その形状も限定されず、例えば、平板、平膜、フィルム、多孔質膜等の平坦な形状、シリンダ、スタンプ、マルチウェルプレート、マイクロ流路等の立体的な形状、ならびに表面に凹凸が形成された形状が挙げられる。フィルムを使用する場合、その厚さは特に制限されないが、通常0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは10〜200μmである。
本発明において、第1の細胞接着性領域と第2の細胞接着性領域を単に細胞接着性領域と称する場合がある。また、本発明において、第1の細胞接着阻害性領域と第2の細胞接着阻害性領域を単に細胞接着阻害性領域と称する場合がある。
細胞接着阻害性領域は、好ましくは、炭素酸素結合を有する有機化合物により形成される親水性膜により形成される。当該親水性膜は、水溶性や水膨潤性を有する、炭素酸素結合を有する有機化合物を主原料とする薄膜であり、酸化される前は細胞接着阻害性を有し、酸化および/または分解された後は細胞接着性を有しているものであれば特に限定されない。また、第2の細胞接着阻害性領域に関しては、細胞非接着性あり、かつ表面に親水性膜が形成されないレジスト部により形成されていてもよい。このようなレジスト部の材料としては、例えばSU−8(MicroChem)を挙げることができる。レジスト部の形成方法は、特に制限されないが、例えば、スピンコートや各種印刷技術による塗布成膜により形成することができる。また、レジスト部の厚さは特に制限されないが、1〜100μmであることが好ましい。
親水性膜の平均厚さは、0.8nm〜500μmが好ましく、0.8nm〜100μmがより好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、1.5nm〜1μmが最も好ましい。平均厚さが0.8nm以上であれば、細胞の接着において、基材の表面の親水性薄膜で覆われていない領域の影響を受けにくいため好ましい。また、平均厚さが500μm以下であればコーティングが比較的容易である。
本発明では、第1の細胞接着性領域は、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜に酸化処理および/または分解処理を施して細胞接着性とした領域により形成される。
細胞接着性領域(結合層が存在する場合には結合層も含む)の炭素量は、細胞接着阻害性領域(結合層が存在する場合には結合層も含む)の炭素量と比較して低いことが好ましい。具体的には、細胞接着性領域の炭素量が、細胞接着阻害性領域の炭素量に対して20〜99%であることが好ましい。この範囲内に該当することは、親水性膜の厚さ(結合層が存在する場合には結合層の厚さと親水性膜の厚さの合計)が10μm以下の場合に特に好適である。「炭素量(atomic concentration、%)」は下記に定義する通りである。
本発明の親水性薄膜(結合層が存在する場合には結合層も含む)の評価手法としては、接触角測定、エリプソメトリー、原子間力顕微鏡観察、電子顕微鏡観察、オージェ電子分光測定、X線光電子分光測定、各種質量分析法などを用いることができる。これらの手法の中で、最も定量性に優れているのはX線光電子分光測定(XPS/ESCA)である。この測定方法で求められるのは相対的定量値であり、一般的に元素濃度(atomic concentration、%)で算出される。以下、本発明におけるX線光電子分光分析方法を詳細に説明する。
本発明の基材は、基材の全面に、炭素酸素結合を有する有機化合物を含む細胞接着阻害性の親水性膜を形成する工程、および導電部上に第1の細胞阻害性領域が形成されるように、親水性膜を酸化処理および/または分解処理して細胞接着性に改変させる工程を含む方法により製造できる。
本発明の基材に播種する細胞としては、血球系細胞やリンパ系細胞などの浮遊細胞でもよいし接着性細胞でもよいが、本発明は、接着性を有する細胞に対して好適に使用される。また遊走する性質を有する細胞に対して好適に使用される。そのような細胞としては、例えば、肝がん細胞、グリオーマ細胞、結腸癌細胞、腎がん細胞、膵がん細胞、前立腺がん細胞、大腸がん細胞、乳癌細胞、肺がん細胞、卵巣がん細胞などのがん細胞、肝臓の実質細胞である肝細胞、クッパー細胞、血管内皮細胞や角膜内皮細胞などの内皮細胞、繊維芽細胞、骨芽細胞、砕骨細胞、歯根膜由来細胞、表皮角化細胞などの表皮細胞、気管上皮細胞、消化管上皮細胞、子宮頸部上皮細胞、角膜上皮細胞などの上皮細胞、乳腺細胞、ペリサイト、平滑筋細胞や心筋細胞などの筋細胞、腎細胞、膵ランゲルハンス島細胞、末梢神経細胞や視神経細胞などの神経細胞、軟骨細胞、骨細胞などが挙げられる。これらの細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、あるいは、それらを何代か継代させたものでもよい。さらにこれら細胞は、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞などの多能性幹細胞、単分化能を有する血管内皮前駆細胞などの単能性幹細胞、分化が終了した細胞の何れであってもよい。また、細胞は単一種を培養してもよいし二種以上の細胞を共培養してもよい。
本発明では、第2の細胞接着性領域は、導電部に電圧を印加して第1の細胞接着阻害性領域に形成された親水性膜を分解し、剥離して細胞接着性とすることにより形成される。ここで、分解とは有機化合物の結合が切断されて1種の有機化合物から2種以上の有機化合物が生じる変化を指す。本発明では、導電部に電圧を印加することにより、例えば結合層に存在する結合部分(リンカー)が切断され、親水性膜を構成する有機化合物の少なくとも一部が分解または除去されるものと考えられる。
上記のように、本発明の基材上に細胞を播種して第1の細胞接着性領域に細胞を接着させた後、導電部に電圧を印加して、導電部上の第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変させ、その後の細胞の移動を観察することにより、細胞遊走を解析することができる。
(i)本発明の基材に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(ii)導電部に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、および
(iii)第1の細胞接着性領域に接着させた細胞の第2の細胞接着性領域における移動を観察する工程
を含む。
(i)の工程においては、細胞を播種した後、細胞培養を行い、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させることが好ましく、さらに本発明の基材を洗浄することにより、接着していない細胞を洗い流し、第1の細胞接着性領域にのみ細胞を接着させることが好ましい。
(ii)の工程において、導電部に印加する電圧は、正電圧であることが好ましい。正電圧を印加することにより、第1の細胞接着阻害性領域を効果的に第2の細胞接着性領域に改変できるとともに、特に導電部がITO膜からなる場合に黒変するのを防止することができ、細胞遊走の観察を良好に実施できる。
第一の実施形態
図1に本発明の基材の第一の実施形態が示されている。
それぞれが、第1の細胞接着性領域13と、該第1の細胞接着性領域13と接する第1の細胞接着阻害性領域11とを含む、複数の試験領域と
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域12と
が形成されており、
該基材10の、該第2の細胞接着阻害性領域12が表面に形成された部分は絶縁部bであり、
該基材10の、該試験領域および該絶縁部bが表面に形成された部分は導電部cであり、
該第1の細胞接着阻害性領域11は、導電部cへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域14に変化することが可能である。
第一の実施形態に係る基材10において、第1の細胞接着阻害性領域11が第1の細胞接着性領域13と接するように配置され、第1の細胞接着性領域13と一体となって試験領域を形成している。第1の細胞接着阻害性領域11は、電圧印加後に第2の細胞接着性領域14に変化した際に、第1の細胞接着性領域13から第2の細胞接着性領域14へ細胞が移動することができるように、第1の細胞接着性領域13と接していればよい。好ましくは、第1の細胞接着阻害性領域11は第1の細胞接着性領域13を包囲するように配置される。また、第1の細胞接着性領域13は第1の細胞接着阻害性領域11の中央または中心に位置することが好ましい。
図2に本発明の基材の第二の実施形態が示されている。この実施形態における、基材の形状等の諸条件は、この節において特に規定していない限り、第一の実施形態について述べた諸条件と同様である。
それぞれが、第1の細胞接着性領域23と、該第1の細胞接着性領域23と接する第1の細胞接着阻害性領域21とを含む、複数の試験領域と、
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域22と
が形成されており、
該基材20の、該第1の細胞接着阻害性領域21が表面に形成された部分は導電部cであり、
複数の試験領域のそれぞれに対応する、第1の細胞接着阻害性領域21が表面に形成されている複数の導電部cが、それぞれ、少なくとも1つの他の導電部cと、導電性の橋状部eを介して電気的に連結されており、
該第1の細胞接着阻害性領域21は、導電部cへの電圧印加によって、第2の細胞接着性領域26に変化することが可能である。
第二の実施形態に係る基材20において、第1の細胞接着阻害性領域21が第1の細胞接着性領域23と接するように配置され、第1の細胞接着性領域23と一体となって試験領域を形成している。そして、第2の細胞接着阻害性領域22が試験領域を包囲するように配置されている。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
1.細胞遊走解析用基材の作製
(導電部および絶縁部の形成)
長さ×幅が125mm×85mmの無アルカリガラス基板上に透明電極(ITO)を膜厚150nmで全面にスパッタ成膜した。ついで、絶縁性材料としてSiO2を膜厚300nmで全面にスパッタ成膜し、フォトリソグラフィーによって、試験領域以外および外部配線用のコンタクトパッド部以外を残すようにパターニングした。試験領域は200μm角の四角パターンとし、ピッチ300μmで試験領域が正方状にならぶよう、幅100μmのグリッド状に絶縁部を形成した。
トルエン39.0gおよびエポキシシランTSL8350(GE東芝シリコーン製)750μLの混合液を攪拌しながら触媒量のトリエチルアミンを加え、さらに室温で数分間攪拌した。UV洗浄した基板を、上記のエポキシシラン溶液に浸漬し、19時間室温で振盪した。その後、下地処理された基板をエタノールで洗浄し、次いで水洗し、乾燥した。
表面全域に酸化チタン系光触媒を塗布したフォトマスクを作製した。フォトマスクは、10μm角の開口部が300μmピッチで形成された四角パターンのものを用いた。あらかじめ露光機の照度を350nmの波長で計測し、露光時間の設定の目安とした。照度は25mW/cm2であった。親水性薄膜が形成された基板と上記触媒付き石英板を、親水性薄膜とフォトマスクの光触媒層が対向するように設置し、フォトマスクの裏面側から光が照射されるよう露光機内に設置した。絶縁部により形成された試験領域の中央にフォトマスクの開口部が位置するようアライメントを合わせて、120秒間露光し、酸化処理を行った。
得られた基板を25mm角に切断し、中央部に穴のあいた35mmディッシュの裏面側から接着剤で接合することにより細胞遊走解析用基材を作成した。
細胞遊走解析用基材をエチレンオキサイドガスで滅菌した。各ウェルの中に5×104個のウシ血管内皮細胞を播種した。10%血清を含むDMEM培地を用いて、37℃、5%CO2濃度のインキュベータ内で24時間培養した。位相差顕微鏡で観察したところ、細胞が細胞接着性領域に1細胞ずつ接着している箇所を確認できた。さらに、接着していない細胞を取り除くため、培養液を交換して遊走試験の準備を行った。
培養液中へ対向電極を差し入れ、対向電極とITO電極間に、ITO電極側が正となるよう2Vの電圧を2分間印加した。
電圧印加後、顕微鏡付きのインキュベータ内で5時間培養しながら、観察を行った。その結果、1細胞ずつ接着していた細胞が、他の細胞と接着することなく、試験領域内を遊走している様子を観察することができた。
長さ×幅が125mm×85mmの無アルカリガラス基板上に透明電極(ITO)を膜厚150nmで全面にスパッタ成膜した。ついで、フォトリソグラフィーによって、試験領域、橋状部、外部配線用のコンタクトパッド部のみ残すようにITOをパターニングした。試験領域は200μm角の四角パターンとし、ピッチ300μmで試験領域が正方状にならぶように形成した。また、幅10μm、長さ100μmの長方形状の橋状部によって試験領域の端部同士を連結した。
11:第1の細胞接着阻害性領域
12、12’:第2の細胞接着阻害性領域
13、13’:第1の細胞接着性領域
14:第2の細胞接着性領域
20、20’:基材
21:第1の細胞接着阻害性領域
22、22’:第2の細胞接着阻害性領域
23、23’:第1の細胞接着性領域
24:A領域
25:B領域
26:第2の細胞接着性領域
a:親水性膜
b:絶縁部
c:導電部
d:基体
e:橋状部
Claims (5)
- 細胞遊走解析用基材であって、その表面に、
それぞれが、第1の細胞接着性領域と、該第1の細胞接着性領域と接する第1の細胞接着阻害性領域とを含む、1以上の試験領域と、
各試験領域を包囲する第2の細胞接着阻害性領域と
が形成されており、
該基材の、該第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は導電部であり、
該基材の、該第1の細胞接着性領域が表面に形成された部分は導電部であり、
該基材の、該第2の細胞接着阻害性領域が表面に形成された部分は絶縁部であり、
該第1の細胞接着阻害性領域は、導電部への電圧印加によって、第2の細胞接着性領域に変化することが可能であり、
該第1の細胞接着性領域が第1の細胞接着阻害性領域に包囲されている、
前記細胞遊走解析用基材。 - 第1の細胞接着性領域が、1個の細胞のみが接着可能な面積を有する、請求項1に記載の細胞遊走解析用基材。
- 複数の試験領域が、基材表面に、4〜4×104個/cm2の密度で存在する、請求項1または2に記載の細胞遊走解析用基材。
- 表面に複数の試験領域が形成されており、
複数の試験領域のそれぞれに対応する、第1の細胞接着阻害性領域が表面に形成されている複数の導電部が、それぞれ、少なくとも1つの他の導電部と、導電性の橋状部を介して電気的に連結されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞遊走解析用基材。 - 細胞遊走解析方法であって、
(i)請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞遊走解析用基材に細胞を播種して、第1の細胞接着性領域に細胞を接着させる工程、
(ii)導電部に電圧を印加することによって第1の細胞接着阻害性領域を第2の細胞接着性領域に改変する工程、および
(iii)第1の細胞接着性領域に接着させた細胞の第2の細胞接着性領域における移動を観察する工程
を含む、上記方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012047132A JP5927999B2 (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | 細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012047132A JP5927999B2 (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | 細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013179912A JP2013179912A (ja) | 2013-09-12 |
JP5927999B2 true JP5927999B2 (ja) | 2016-06-01 |
Family
ID=49271022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012047132A Active JP5927999B2 (ja) | 2012-03-02 | 2012-03-02 | 細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5927999B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5910282B2 (ja) * | 2012-04-20 | 2016-04-27 | 大日本印刷株式会社 | 細胞遊走解析方法および細胞培養物作成方法 |
WO2015068759A1 (ja) * | 2013-11-06 | 2015-05-14 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 動物細胞の運動方向の制御基材、当該基材を用いた細胞の識別方法及び細胞の分離方法 |
CN112945671A (zh) * | 2021-02-07 | 2021-06-11 | 南昌大学附属口腔医院(江西省口腔医院) | 一种粘附载玻片及其制备方法和应用 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5278400B2 (ja) * | 2009-10-16 | 2013-09-04 | 大日本印刷株式会社 | 細胞遊走測定用基板および細胞遊走試験法 |
-
2012
- 2012-03-02 JP JP2012047132A patent/JP5927999B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013179912A (ja) | 2013-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5278400B2 (ja) | 細胞遊走測定用基板および細胞遊走試験法 | |
JP5338609B2 (ja) | 細胞培養方法 | |
Lenigk et al. | Surface characterization of a silicon-chip-based DNA microarray | |
Qi et al. | Cell adhesion and spreading behavior on vertically aligned silicon nanowire arrays | |
JP5927999B2 (ja) | 細胞遊走解析用基材および細胞遊走解析方法 | |
JP2007312736A (ja) | 細胞培養用基板 | |
Qiu et al. | Recent advances in surface manipulation using micro-contact printing for biomedical applications | |
KR20060096035A (ko) | 인공 세포 조직의 작성 방법 및 그를 위한 기재 | |
JP5862008B2 (ja) | 細胞培養基材 | |
JP5477423B2 (ja) | 細胞培養用基板 | |
US20110250679A1 (en) | Methods and Compositions for High-Resolution Micropatterning for Cell Culture | |
US20110091974A1 (en) | Conductive Substrate and Method for Introducing Nucleic Acid | |
JP5760410B2 (ja) | 細胞試験用容器及びそれを用いた細胞試験方法 | |
Babaei et al. | Selective biofunctionalization of 3D cell-imprinted PDMS with collagen immobilization for targeted cell attachment | |
JP5648454B2 (ja) | 細胞試験用容器及びそれを用いた細胞試験方法 | |
JP2013192523A (ja) | 細胞試験用基板及びそれを用いた細胞試験方法 | |
JP5910282B2 (ja) | 細胞遊走解析方法および細胞培養物作成方法 | |
Regan et al. | Differential patterning of neuronal, glial and neural progenitor cells on phosphorus-doped and UV irradiated diamond-like carbon | |
JP5928100B2 (ja) | 細胞遊走試験用装置および細胞遊走試験方法 | |
JP6035844B2 (ja) | 細胞遊走試験用装置および細胞遊走試験方法 | |
JP5648453B2 (ja) | 補助電極付き細胞試験用基板 | |
JP6379562B2 (ja) | 細胞培養用電極及びその製造方法 | |
WO2012049784A1 (ja) | 細胞遊走測定用基板および細胞遊走試験法 | |
US8759100B2 (en) | Method of cell culture | |
JP6451103B2 (ja) | 細胞培養容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151020 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160411 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5927999 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |