JP2013222713A - 圧電素子ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】焦電効果に起因する特性劣化の抑制を確実に実現することができ、しかも、圧電体層の薄層化が容易で生産性に優れた圧電素子ユニットを提供する。
【解決手段】圧電素子ユニット30は、圧電体層12と、圧電体層12を挟んで互いに略平行に積層された第1内部電極13及び第2内部電極14と、第1内部電極13に対して電気的に接続された第1外部電極15と、第2内部電極14に対して電気的に接続された第2外部電極16と、を有する積層型圧電素子10と、積層型圧電素子10の積層方向における少なくとも一方の端面10a,10bに接続される接続部材40,42の取付面40a,42aとを連結する樹脂部18,19と、を有し、樹脂部18,19は、導電性粒子を含んでおり、圧電体層12より電気抵抗値が低く、第1外部電極15及び第2外部電極16に接触するように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電素子ユニットに関する。さらに詳しくは、焦電効果に起因する特性劣化を防止し得る圧電素子ユニットに関する。
圧電素子は、圧電効果および逆圧電効果を利用し、機械的な変位と電気的な変位とを相互に変換する素子である。このような圧電素子は、例えば、圧電セラミックスを成形・焼成して素子本体を得た後、これに電極を形成し、さらに分極処理を施すことによって製造される。
圧電素子により得られる機械的変位は比較的微小であるため、圧電素子は、たとえば精密かつ正確な制御が要求されるアクチュエータとして好適に利用される。より具体的には、レンズ駆動用、HDDのヘッド駆動用、インクジェットプリンタのヘッド駆動用、燃料噴射弁駆動用等の用途が挙げられる。
例えば、圧電素子を用いた圧電アクチュエータとしては、圧電素子の両端部に、それぞれガイド部材と錘を接着した構造を有するものが開示されている(特許文献1等参照)。
一方、圧電素子が温度変化に曝されることが想定される場合、圧電素子には、焦電効果による分極度の劣化という問題が発生する。特に温度が低下する過程において、圧電素子には、焦電効果による電荷によって分極処理時とは逆方向の電圧が印加されるため、その電圧が大きすぎる場合には、圧電素子の分極度を低下させてしまうおそれがある。このようにして低下した分極度は、温度が再度上昇する過程で回復することはほとんど望めないために、温度変化が繰り返されるたびに分極度が徐々に低下し、最終的には所望の変位が得られなくなるというような、圧電素子の特性劣化を引き起こしてしまう問題があった。
このような問題に対処するため、特許文献2には、積層型圧電素子において、その側面に露出している内部電極をマイグレーション防止用外装材で覆い、さらに該外装材に導電性粒子を分散させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、導電性粒子を分散させた外装材により、焦電効果による分極度の低下を抑制できることが記載されている。
特開2007−282372号 国際公開第2007/052599号
しかしながら、内部電極の露出面を外装材で覆う従来技術では、素子本体を形成した後に、別途その表面に外装材を形成する工程が必要となるため、分極度の低下を防ぐ構造を得るために、製造工程が長くなり生産効率が低下するという問題を有する。また、焼成後に圧電素子の集合体を切断する際に、内部電極が切断刃の進入方向に沿って延びてしまう場合があるため、導電粒子を含む外装材によって切断面を覆う従来技術では、外装材を介して形成される経路の抵抗値に、大きな製造バラツキを生じるおそれがある。
また、導電粒子を含有する従来技術の外装材には、導電性粒子の凝集などにより局所的に抵抗値の低い部分が形成され、該部分を通じて内部電極間に短絡を生じる恐れがあるという問題があった。特に、内部電極間の距離(圧電体層の厚み)が小さくなるほど、この問題が顕著になってしまう。
さらに、マイグレーションの防止と分極度低下の抑制を1つの外装材によって達成しようとする従来技術では、外装材が前記した両方の機能を果たすことを求められるために、その構成材料の選択や配合比の調整等が難しく、また外装材の抵抗値の調整が困難であるという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、焦電効果に起因する特性劣化の抑制を確実に実現することができ、しかも、圧電体層の薄層化が容易で生産性に優れた圧電素子ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電素子ユニットは、圧電体層と、前記圧電体層を挟んで互いに略平行に積層された第1内部電極及び第2内部電極と、前記第1内部電極に対して電気的に接続された第1外部電極と、前記第2内部電極に対して電気的に接続された第2外部電極と、を有する積層型圧電素子と、
前記積層型圧電素子の積層方向における少なくとも一方の端面と当該一方の端面に接続される接続部材の取付面とを連結する樹脂部と、を有し、
前記樹脂部は、導電性粒子を含んでおり、前記圧電体層より電気抵抗値が低く、前記第1外部電極及び前記第2外部電極に接触するように形成されていることを特徴とする。
本発明に係る圧電素子ユニットは、積層型圧電素子の一方の端面と接続部材の取付面とを連結する樹脂部を有し、当該樹脂部は、第1外部電極と第2外部電極の両方に接触するように形成されている。ここで、樹脂部は、導電性粒子を含んでおり、圧電体層より電気抵抗値が低いために、焦電効果に伴い発生した電荷は樹脂部を介して移動し、圧電体層に過剰な電圧が印加されることを防止できる。その結果、本発明に係る圧電素子ユニットは、焦電効果によって引き起こされる特性劣化を、抑制することができる。
また、樹脂部は、圧電素子ユニットと接続部材とを連結するという機能を有しており、焦電効果を解消するためだけに設けられたものではない。すなわち、本発明に係る樹脂部は、積層型圧電素子と接続部材を連結するという別の機能を有する樹脂に、導電性粒子を含有させ、電気抵抗値を圧電体層より低くすることによって、焦電効果による圧電素子の分極度低下防止という新たな機能を付加した。したがって、本発明に係る圧電素子ユニットは、樹脂部の構成材料に導電性粒子を分散させるという変更を加えただけで、焦電効果によって引き起こされる特性劣化の抑制を達成しており、外装材を追加して特性劣化の抑制を試みる従来技術に比べて、簡便な工程によって製造することができ、生産性に優れている。
また、樹脂部は、第1外部電極及び第2外部電極に接触することによって両者を電気的に接続するため、樹脂部によって形成される経路の電気抵抗値は、製造バラツキが少ない。したがって、本発明に係る圧電素子ユニットは、樹脂部の電気抵抗値を好適にコントロールすることが可能であり、電圧印加に伴う機械的変位のような基本特性を好適に確保しつつ、焦電効果による特性劣化を防止することが可能である。
さらに、本発明に係る圧電素子ユニットでは、たとえ樹脂部において電気的性質の不均一が生じたとしても、それによって内部電極間が短絡するというような致命的な問題は発生しないため、安定した性能を有しており、製造が容易である。また、樹脂部は、その内部における電気的特性の偏りを、比較的広く許容することができるため、構成材料の選択や配合比等の製造条件も、比較的自由に決定できる。また、さらに、本発明に係る圧電素子ユニットは、圧電体層を薄くしても、樹脂部が内部電極間を短絡させる危険性は生じないため、圧電体層の薄型化に対して有利である。
また、例えば、前記積層型圧電素子は、前記第1内部電極及び前記第2内部電極が露出している表面の少なくとも一部を覆う絶縁層を、さらに有しても良い。
このような圧電素子ユニットは、絶縁層によりマイグレーションを防止し、樹脂部により分極度の低下を抑制することができるため、特に良好な信頼性を有する。また、この場合における絶縁層は、焦電効果によって発生する電荷を逃がす機能を持つ必要がなく、絶縁性の高い材料によって構成すれば良いので、信頼性が高く製造が容易である。また、絶縁層は、第1内部電極及び第2内部電極の露出部分を被覆することにより、当該露出部分に樹脂部が直接接触することを防止する効果を奏する。
また、例えば、前記樹脂部は、前記導電性粒子を含む熱硬化型接着剤が硬化して形成された熱硬化性接着剤硬化部であっても良い。
樹脂部が熱硬化型接着剤硬化部である圧電素子ユニットは、積層型圧電素子と接続部材とを熱硬化型接着剤で接着する工程を経ることにより、特に他の工程を追加することなく、焦電効果によって発生する電荷を逃がす経路が形成されるため、製造が容易であり、生産性に優れている。また、このような樹脂部は、熱硬化型接着剤を硬化させた直後の冷却過程において、既に焦電効果による電荷を逃がす経路として機能できるため、製造プロセスの観点からも合理的である。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電素子ユニットを利用した圧電アクチュエータ及びその周辺部材を示す概念図である。 図2は、図1における圧電素子ユニットの周辺を拡大した拡大断面図である。 図3は、図2に示す圧電ユニットを、III−III線に沿って切断した拡大断面図である。 図4は、圧電体層及び樹脂部の電気抵抗値を説明した概念的な回路図である。 図5は、圧電素子ユニットの製造工程の一例を表すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電素子ユニット30を利用した圧電アクチュエータユニット50及びその周辺部材を示す概念図である。圧電アクチュエータユニット50は、圧電素子ユニット30、シャフト40及び錘42を有する。シャフト40は圧電素子ユニット30の一方の端部に、錘42は圧電素子ユニット30の他方の端部にそれぞれ連結されており、圧電素子ユニット30で発生した駆動力が伝えられる。
シャフト40の先端部分には、移動部材70がシャフト40に対して移動自在に係合されている。図示は省略しているが、移動部材70は光学系等を保持しており、移動部材70及びこれに保持される光学系は、圧電アクチュエータユニット50の駆動力により、矢印80で示すようにシャフト40に沿って変位することができる。
圧電素子ユニット30は、駆動回路60によって電圧を印加されて変形し、圧電素子ユニット30の一方の端部に連結されているシャフト40は、圧電素子ユニット30の変形に伴って変位する。圧電素子ユニット30の他方の端部に連結されている錘42は、シャフト40に変位を与えるための慣性体として機能するが、錘42は、さらに別の部材に連結されていても良い。
駆動回路60は、圧電素子ユニット30の第1外部電極15及び第2外部電極16(図2参照)に対して電気的に接続されており、第1外部電極15及び第2外部電極16を介して圧電体層12(図2参照)に電圧を印加する。駆動回路60が出力する電圧波形は特に限定されないが、駆動回路60は、たとえばノコギリ波形の電圧波形を出力することにより、圧電素子ユニット30の変形量及びこれに伴うシャフト40の変位量を越える変位を、移動部材70に発生させることができる。
図2に示すように、本実施形態に係る圧電素子ユニット30は、積層型圧電素子10と、樹脂部18,19を有する。積層型圧電素子10は、略直方体形状であり、樹脂部18,19は積層型圧電素子10の両端面に設けられている。
積層型圧電素子10は、素子本体11と、第1外部電極15と、第2外部電極16とを有する。素子本体11は、積層型圧電素子10より若干小さい略直方体形状を有しており、素子本体11の第1側面11aと第2側面11bには、それぞれ第1外部電極15と第2外部電極16が形成されている。なお、図3に示すように、積層型圧電素子10は、素子本体11の第3側面11c及び第4側面11dに形成された絶縁層17を、さらに有する。
図2及び図3に示すように、素子本体11は、圧電体層12と、第1内部電極13と、第2内部電極14が、積層方向Zに沿って積層された内部構造を有する。素子本体11における両端部には、第1内部電極13及び第2内部電極14が存在しない蓋部があるが、両端部を除く素子本体11の中央部分では、第1内部電極13と第2内部電極14とが、圧電体層12を挟んで交互に積層されている。
第1内部電極13と第2内部電極14とは、積層方向に垂直な方向に沿って、互いに略平行に延在しているが、図2に示すように、第1内部電極13は素子本体11の第2側面11bの手前で途切れており、第2内部電極14は第2側面11bとは反対方向を向く第1側面11aの手前で途切れている。
図2に示すように、第2内部電極14が露出せず、第1内部電極13のみが露出している第1側面11aには、第1外部電極15が形成されている。第1外部電極15と第1内部電極13は、電気的かつ物理的に接続されており、第1外部電極15と第1内部電極13は、共に導電材料で構成されているため、常に略同電位となる。
これに対して、第1内部電極13が露出せず、第2内部電極14のみが露出している第2側面11bには、第2外部電極16が形成されている。第2外部電極16と第2内部電極14は、電気的かつ物理的に接続されており、第2外部電極16と第2内部電極14は、共に導電材料で構成されているため、常に略同電位となる。
第1内部電極13及び第2内部電極14を構成する導電材としては、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt等の貴金属およびこれらの合金(Ag−Pdなど)、あるいはCu、Ni等の卑金属およびこれらの合金などが挙げられるが、特に限定されない。第1外部電極15及び第2外部電極16を構成する導電材料も特に限定されず、内部電極を構成する導電材と同様の材料を用いることができる。なお、さらに、第1外部電極15及び第2外部電極16の外側には、上記各種金属のメッキ層やスパッタ層が形成してあってもよい。
図2に示すように、素子本体11の中央部における圧電体層12は、第1内部電極13と第2内部電極14に挟まれた圧電活性部12aを有している。圧電活性部12aは、互いに極性の異なる第1内部電極13と第2内部電極14を介して電圧を印加され、機械的な変位を生じる部分である。
圧電体層12の厚みは、特に制限されないが、本実施形態では、好ましくは5〜50μm程度である。また、圧電体層12の材質は、圧電効果あるいは逆圧電効果を示す材料であれば、特に制限されず、たとえば、PbZrTi1−x、BaTiOなどが挙げられる。また、特性向上等のための成分が含有されていてもよく、その含有量は、所望の特性に応じて適宜決定すればよい。
前述したように、積層方向Zに沿って延在する素子本体11の側面のうち、第1側面11aには第1内部電極13のみが露出しており、第2側面11bには第2内部電極14のみが露出しているが、第1側面11aと第2側面11bとを接続する第3側面11c及び第4側面11dには、第1内部電極13と第2内部電極14の両方が露出している(図3参照)。
図3に示すように、素子本体11の第3側面11cと第4側面11dには、絶縁層17が形成されている。本実施形態に係る絶縁層17は、第3側面11c及び第4側面11dの全体を覆っている。ただし、絶縁層17は、第3側面11c及び第4側面11dの表面のうち、図2に示す圧電活性部12aに面する第1内部電極13及び第2内部電極14が露出している部分を被覆することが特に重要であり、その他の部分は被覆しない構成としても良い。
絶縁層17の材質は、絶縁性が高く、水分の浸入を防止し、内部電極間のマイグレーションを防止できる材料であれば特に制限されない。具体的な材料としては、樹脂、ガラスなどが挙げられる。また、絶縁層17の電気抵抗値は、絶縁性を確保できれば特に制限されないが、本実施形態では、10Ω以上であることが好ましい。絶縁層17の厚みは特に制限されないが、たとえば1〜20μm程度である。
図2に示すように、樹脂部18は、積層型圧電素子10の積層方向Zにおける一方の端面10aと、当該一方の端面10aに接続されるシャフト40の取付面40aとを連結している。図2及び図3に示すように、樹脂部18は、一方の端面10aの外周部分まで広がっており、当該外周部分に配置される第1外部電極15及び第2外部電極16に接触している。
また、樹脂部19は、積層型圧電素子10の積層方向Zにおける他方の端面10bと、当該他方の端面10bに接続される錘42の取付面42aとを連結している。図2及び図3に示すように、樹脂部19は、樹脂部18と同様に他方の端面10bの外周部分まで広がっており、当該外周部分に配置される第1外部電極15及び第2外部電極16に接触している。なお、図2及び図3に示すように、樹脂部18,19の一部は、積層型圧電素子10の側面まで広がっていても良い。
樹脂部18,19は、樹脂と当該樹脂中に分散された導電性粒子を有する。樹脂部18,19に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。樹脂部18,19に含まれる導電性粒子の材質も、樹脂部18,19に分散して樹脂部18,19の抵抗率を低下させられるものであれば特に限定されず、カーボン粒子、金属粒子、金属酸化物の粒子等が挙げられる。
また、樹脂部18,19は、後述する製造方法で述べるように、積層型圧電素子10とシャフト40又は錘42とを接着する接着剤が硬化して形成された接着剤硬化部であることが好ましい。積層型圧電素子10とシャフト40及び錘42との連結は、接着によるのが簡便であり、圧電素子ユニット30ないし圧電アクチュエータユニット50の生産性向上に資する。樹脂部18,19の形成に用いることができる接着剤としては、例えば熱硬化型接剤や、紫外線硬化型接着剤や、湿気硬化型接着剤等が挙げられるが、特に限定されない。
さらに、樹脂部18,19は、圧電体層12より電気抵抗値が低い。図4に示すように、積層型圧電素子10の2つの極性の電極は、電気的には、圧電体層12によって構成される抵抗R1と、樹脂部18,19によって構成される抵抗R2とによって、並列に接続されていると考えることができる。樹脂部18,19に対応する抵抗R2の電気抵抗値は、圧電体層12に対応する抵抗R1の電気抵抗値より低く、例えば、圧電体層12(抵抗R1)の電気抵抗値(Ω)が10オーダーである場合、樹脂部18,19(抵抗R2)の電気抵抗値(Ω)は、10〜10オーダーとすることができる。
樹脂部18,19の電気抵抗値は、圧電体層12(抵抗R1)に応じて適宜設定すれば良いが、焦電効果によって生じる電荷を適切に移動させるために、例えば圧電体層12(抵抗R1)の電気抵抗値の100分の1程度以下とすることが好ましい。また、樹脂部18,19の電気抵抗値の下限値は、特に限定されないが、圧電活性部12aが所望の機械的変位を発生するように、少なくとも10Ω程度とすることが好ましい。ここで、樹脂部18,19の電気抵抗値は、樹脂部18,19に含まれる導電性粒子の材質及び含有量、樹脂部18,19の厚み又は樹脂部18,19の数(実施形態では2つ)等によって調整することができる。
以下に、図5等を用いて、圧電素子ユニット30の製造方法の一例を説明する。
図5は、圧電素子ユニット30の製造工程を表すフローチャートである。圧電素子ユニット30の製造方法では、まず、積層型圧電素子10を準備する(ステップS001)。ステップS001では、まず、焼成後に第1内部電極13および第2内部電極14となる所定パターンの内部電極ペースト膜が形成されたグリーンシートと、内部電極ペースト膜を持たないグリーンシートとを、用意する。
グリーンシートは、例えば以下のような方法で作製される。まず、圧電体層12を構成する材料の原料を湿式混合等の手段によって均一に混合した後、乾燥させる。次に、適切に選定された焼成条件で仮焼成し、仮焼粉を湿式粉砕する。そして、粉砕された仮焼粉末にバインダを加えてスラリー化する。次に、スラリーをドクターブレード法またはスクリーン印刷法等の手段によってシート化し、その後に乾燥させて、内部電極ペースト膜を持たないグリーンシートを得る。さらに、上述した導電材を含む内部電極ペーストを、印刷法等の手段により、グリーンシートの上に塗布することで、所定パターンの内部電極ペースト膜が形成されたグリーンシートが得られる。なお、圧電体層12を構成する材料の原料には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
各グリーンシートを準備した後、準備したグリーンシートを重ね合わせ、圧力を加えて圧着し、乾燥工程等の必要な工程を経た後、切断し、グリーンの素子本体の集合体を得る。
次に、得られた積層体を所定条件で焼成して焼結体を得た後、ダイシングソー等を用いて該焼結体を短冊状に切断する。さらに、焼結体における第1側面11a及び第2側面11bに相当する部分に第1外部電極15および第2外部電極16を形成し、この電極に直流電圧を印加して圧電体層12の分極処理を行う。その後、分極処理後の短冊状焼結体を個々の素子本体に切断し、第1側面11a及び第2側面11bに外部電極15,16が形成されており、第3側面11c及び第4側面11dが露出した状態の素子本体11が得られる(図1参照)。なお、得られた素子本体11にバレル研磨を行って、素子本体11の角部および稜線部をR面加工しておくことも好ましい。
最後に、素子本体11の第3側面11c及び第4側面11dに、図3に示すような絶縁層17を形成し、第1内部電極13及び第2内部電極14が露出している側面11c,11dを覆う。本実施形態では、絶縁性樹脂を塗布して絶縁層17を形成する。このような工程を経て、積層型圧電素子10が製造される。
図5に示すステップS002では、積層型圧電素子10とシャフト40及び錘42とを接着するための接着剤を、接着面に塗布する。接着剤を塗布する面は、シャフト40及び錘42の取付面40a,42aであっても良く、積層型圧電素子10の端面10a,10bであっても良く、また、両方の面であっても良い。ただし、いずれの場合であっても、接着剤が硬化した後に形成される樹脂部18,19が、第1外部電極15と第2外部電極16の両方に接触するように、接着剤を塗布する。
ステップS002で塗布される接着剤としては、上述した樹脂部18,19に含まれる導電性粒子を混ぜたものを用いる。なお、ステップS002で使用する接着剤のタイプは特に限定されないが、当該製造方法の説明では、熱硬化型接着剤を塗布したものとして説明をおこなう。
図5に示すステップS003では、接着剤を介して、接着面同士を接合する。より具体的には、図2に示すシャフト40の取付面40aと積層型圧電素子10の一方の端面10aを接合し、錘42の取付面42aと積層型圧電素子10の他方の端面10bを接合する。また、積層型圧電素子10、シャフト40及び錘42を、接着剤を介して接合した後、必要に応じて治具等でこれらの部材を保持する。
図5に示すステップS004では、ステップS002で塗布した接着剤を硬化させ、樹脂部18,19を形成する。ステップS002で塗布した接着剤が熱硬化型接着剤である場合は、ステップS004において接着剤を加熱することにより、樹脂部18,19を形成する。
このように、ステップS001〜S004で示される製造工程によって、図2及び図3に示す圧電素子ユニット30を製造することができる。
本実施形態に係る圧電素子ユニット30は、積層型圧電素子10の端面10a,10bとシャフト40及び錘42の取付面40a,42aとを連結する樹脂部18,19を有し、当該樹脂部18,19は、第1外部電極15と第2外部電極16の両方に接触するように形成されている。上述したように、樹脂部18,19は、導電性粒子を含んでおり、圧電体層12より電気抵抗値が低いために、焦電効果に伴い発生した電荷は樹脂部18,19を介して移動し、圧電体層12に過剰な電圧が印加され続けることを防止できる。その結果、圧電素子ユニット30は、焦電効果によって引き起こされる特性劣化を、抑制することができる。
樹脂部18,19は、圧電素子ユニット30とシャフト40及び錘42とを連結するという機能を有しており、焦電効果を解消するためだけに設けられたものではない。すなわち、樹脂部18,19は、積層型圧電素子10とシャフト40及び錘42とを連結するという別の機能を有する樹脂に、導電性粒子を含有させ、電気抵抗値を圧電体層12より低くすること等によって、焦電効果による圧電素子の分極度低下防止という新たな機能を付加したものである。したがって、圧電素子ユニット30は、製造工程に僅かな変更を加えるだけで焦電効果によって引き起こされる特性劣化の防止を達成しており、生産性に優れている。
また、圧電素子ユニット30は、樹脂部18,19の形状や数を調整することにより、その電気抵抗値を好適にコントロールすることが可能であり、電圧印加に伴う機械的変位のような基本特性を好適に確保しつつ、焦電効果による特性劣化を防止することが可能である。なお、導電性粒子を含む樹脂部18,19は、一方の端面10a又は他方の端面10bのいずれか一方のみに形成されても良く、この場合、他方には導電性粒子を含まない樹脂を形成することができる。
さらに、圧電素子ユニット30は、圧電体層12を薄くしても、樹脂部18,19が内部電極間を短絡させる危険性は生じないため、圧電体層12の薄型化に対して有利であり、小型化に適している。また、圧電素子ユニット30は、絶縁層17によりマイグレーションを防止し、樹脂部18,19により分極度の低下を抑制することができるため、特に良好な信頼性を有する。
熱硬化型接着剤は、接着強度等の観点から、積層型圧電素子10とシャフト40及び錘42とを連結する接着剤として好適であるが、接着剤を硬化させた後に圧電素子ユニット30が冷却されるため、圧電体層12に対する焦電効果の影響が懸念される。しかし、圧電素子ユニット30の樹脂部18,19は、熱硬化型接着剤を硬化させた直後の冷却過程において、既に焦電効果による電荷を逃がす経路として機能できるため、製造工程における焦電効果対策としても有効である。
その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
たとえば、素子本体の形状は直方体に限定されず、多角柱形状であっても、円柱形状であってもよい。また、第1及び第2外部電極は、対応する第1及び第2内部電極と電気的に接続されていれば、形成される場所は特に制限されず、素子本体の各面において、隣り合う面に形成されていてもよい。さらに、同一面上に極性が同じ外部電極が複数形成されていてもよいし、極性が異なる外部電極が複数形成されていてもよい。
また、圧電素子ユニットを適用する対象は、圧電アクチュエータに限られず、温度センサ等その他の装置に適用されても良い。
10…積層型圧電素子
10a…一方の端面
10b…他方の端面
11…素子本体
11a…第1側面
11b…第2側面
11c…第3側面
11d…第4側面
12…圧電体層
12a…圧電活性部
13…第1内部電極
14…第2内部電極
15…第1外部電極
16…第2外部電極
17…絶縁層
18,19…樹脂部
R1,R2…抵抗
30…圧電素子ユニット
40…シャフト
42…錘
40a,42a…取付面
50…圧電アクチュエータユニット
60…駆動回路
70…移動部材

Claims (3)

  1. 圧電体層と、前記圧電体層を挟んで互いに略平行に積層された第1内部電極及び第2内部電極と、前記第1内部電極に対して電気的に接続された第1外部電極と、前記第2内部電極に対して電気的に接続された第2外部電極と、を有する積層型圧電素子と、
    前記積層型圧電素子の積層方向における少なくとも一方の端面と当該一方の端面に接続される接続部材の取付面とを連結する樹脂部と、を有し、
    前記樹脂部は、導電性粒子を含んでおり、前記圧電体層より電気抵抗値が低く、前記第1外部電極及び前記第2外部電極に接触するように形成されていることを特徴とする圧電素子ユニット。
  2. 前記積層型圧電素子は、前記第1内部電極及び前記第2内部電極が露出している表面の少なくとも一部を覆う絶縁層を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子ユニット。
  3. 前記樹脂部は、前記導電性粒子を含む熱硬化型接着剤が硬化して形成された熱硬化型接着剤硬化部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電素子ユニット。
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