JP2013222581A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性を向上させると同時に出力低下を抑制しうる蓄電素子を提供することを課題とする。
【解決手段】 上記課題を解決するために、電気絶縁性を有する多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一面側に設けられ、板状無機粒子と球状無機粒子とを含む無機材層とを備え、前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から厚みの1/3までの範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層の範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P2とが、前記比率P1が0.01以上10以下であって、且つ、P1のP2に対する比率P1/P2が1.1以上50以下を満たすような関係であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池等の蓄電素子に関する。
近年、非水電解質電池等の電池、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ、等の蓄電素子は、種々の用途に多用されている。特に、リチウムイオン電池に代表される非水電解質電池は、小型軽量化が進むパーソナルコンピュータ、携帯電話等の通信機器、等の電子機器の電源、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、電気自動車(EV)、等の自動車の電源、等の民生用途向けの電池として多用されている。
このような蓄電素子には、正極及び負極を、微多孔性の多孔質基材などのような多数の細孔を有する絶縁材料からなるセパレータを挟んで積層し、巻回した電極体が広く用いられている。
前記セパレータは、正極負極間の間隔を確保すると共に、電解液を保有するという役割を果たしているが、その他に、何らかの原因で電池内部の温度が上昇した場合にはセパレータが溶融することで、セパレータの細孔を塞いで電池内部抵抗を上昇させて、短絡を防止する、いわゆるシャットダウン機能をも持たせることが行われている。このような機能を持たせたセパレータの材料としては前記シャットダウンをさせる温度付近で溶融する有機材料が用いられる。
しかし、有機材料によっては、前記シャットダウン機能を発揮する温度で細孔を閉塞する前に、熱によってセパレータが収縮するおそれがあり、セパレータが熱収縮することで、正極負極間で短絡が起きるおそれがある。
このため、シャットダウン機能が発揮される温度までは熱収縮が生じないようにセパレータの耐熱性を向上させることが行われている。
耐熱性を向上させたセパレータとしては、例えば、前記多孔質基材に、耐熱性の高い無機粒子等を含む無機材層を備えたセパレータがある。
かかる無機材層を設けたセパレータは、多孔質基材との界面において、無機粒子が多孔質基材に接触して存在することで、多孔質基材の熱収縮を抑制することができる。特に、無機粒子として板状の無機粒子を用いた場合には、多孔質基材との接触面積及び無機粒子同士の面内方向の接触面積が球形の無機粒子に比して大きくなるため、より熱収縮を抑制できるとともに、無機粒子の平板面がセパレータの面に略平行となるように配向させることで、短絡を抑制できるという利点がある。
一方、前記のような板状の無機粒子を用いた場合には、熱収縮抑制効果は向上するが、前記多孔質基材との接触面積が大きいことから、無機粒子が多孔質基材の空隙を完全に塞いでしまい、電解液の浸透を阻害するおそれがあり、かかるセパレータを用いた電池の出力が低下するおそれがある。
そこで、形状の異なる無機粒子を混合することで、無機材層において、適度に多孔質基材との接触面積を維持しつつ、無機材層と多孔質基材との界面において空隙をある程度確保することが考えられる。
例えば、特許文献1には、無機粒子としてアスペクト比30以上の鱗片状粒子と、球形に近い無機粒子とを含む耐熱層を、多孔質基材としての不織布に塗布したセパレータが記載されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる基材層と、板状無機粒子と板状以外の形状の無機粒子とが含まれる多孔質層とが備えられたセパレータが記載されている。
しかしながら、形状の異なる無機粒子を単に混在させた無機材層では、前記熱収縮の抑制と出力低下の抑制効果とのバランスをとることが困難であった。
特開2008−66094号公報 特開2010−135313号公報
そこで、本発明は、熱収縮性と蓄電素子の出力低下とを適切に抑制しうる蓄電素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、
電気絶縁性を有する多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一面側に設けられ、板状無機粒子と球状無機粒子とを含む無機材層とを備え、
前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から厚みの1/3までの範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層の範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P2とが、
前記比率P1が0.01以上10以下であって、且つ、P1のP2に対する比率P1/P2が1.1以上50以下を満たすような関係であるセパレータを備えた蓄電素子を提供する。
前記本発明によれば、セパレータが、電気絶縁性を有する多孔質基材の少なくとも一面側に、板状無機粒子と球状無機粒子とを含む無機材層を備えているため、蓄電素子内の温度が上昇した場合でも前記無機材層によって前記多孔質基材が収縮することを抑制しうる。また、前記無機材層中に板状無機粒子と球状無機粒子とが含まれており且つ前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から1/3までの位置における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の前記無機材層の位置における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P2とが、前記関係を満たすことにより、前記無機材層の前記多孔質基材との界面付近において前記板状無機粒子が過剰に接触して、前記基材と前記無機材層との界面における細孔を塞ぐことを抑制しうる。よって、かかるセパレータを備えた蓄電素子は熱収縮の抑制と出力低下を適切に抑制しうる。
尚、本発明における「板状無機粒子」とは、平均アスペクト比が3以上50以下であって粒子径が、0.1μm以上5.0μm以下である粒子をいう。
また、本発明における「球状無機粒子」とは、平均アスペクト比が1以上5以下であって粒子径が、0.01μm以上3.00μm以下である粒子をいう。
尚、本発明において前記粒子径および平均アスペクト比とは以下の方法で測定した値を意味する。
(粒子径/平均アスペクト比の測定方法)
セパレータを、イオンミリング法等により厚み方向の断面が見える試料を作製し、これを走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面写真を撮影し、各無機粒子について、エッジ部強調処理を行い、外接長方形を求める。
前記平均アスペクト比は、この外接長方形の縦横比である。
前記粒子径は、この外接長方形の長辺の長さである。
尚、測定する無機粒子のサンプル数は、JIS Z8900−1−2008に記載の方法に準じる(500個以上)。
また、本発明において、前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から厚みの1/3までの範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層の範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積との比率P2とは、以下の方法で測定及び算出される。
まず、無機材層の任意の箇所において、厚みが表れるような厚み方向断面を得るようにイオンビーム装置などを用いて切断し、該切断断面を走査型電子顕微鏡(SEM)による画像を撮影する。
前記撮影画像を、視野範囲10μm×10μmにおいて、横方向に平行な線を均等間隔で引いて10等分し、前記横方向に平行な線と直交する縦方向(厚み方向)に平行な線を均等間隔で引いて20等分する。
これらの線の各交点として得られる格子点のうち前記無機材層上にない格子点を除外する。
次に、前記縦方向に平行な線のうち、ある線上の前記無機材層上にある格子点を全てカウントし、さらにカウントした前記格子点のうち、前記多孔質基材に近い側1/3に存在する格子点について前記板状無機粒子上にある格子点の数Na1と、前記球状無機粒子上にある格子点の数Nb1とをカウントする。
さらに、前記線上の格子点のうちの、前記多孔質基材に近い側1/3に存在する格子点以外の格子点についても前記板状無機粒子上にある格子点の数Na2と、前記球状無機粒子上にある格子点の数Nb2とをカウントする。
前記縦方向の19本の線すべてについて同様にカウントしそれぞれについて前記Nb1/Nb1、前記Nb2/Nb2を算出し、平均したものをP1及びP2とする。
前記測定及び算出を無機材層の任意の5箇所について行いP1及びP2の平均を算出する。
本発明の一態様として、前記板状無機粒子のタップ密度Daに対する前記球状無機粒子のタップ密度Dbの比率Db/Daが、1以上3以下であってもよい。
尚、本発明におけるタップ密度は、JIS Z2512に定める方法で測定したタップ密度をいう。
本発明の他の一態様として、LiaNibM1cM2dxNbyZrz2(但し、式中、a、b、c、d、x、y、zは、0≦a≦1.2、0≦b≦1、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦z≦0.1、b+c+d=1を満たし、M1、M2はMn、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、M1≠M2)で表される化合物を含む正極活物質層を有する正極を備えていてもよい。
前記正極活物質を有する正極を備えていることにより、蓄電素子の出力がより向上する。
本発明の他の一態様として、難黒鉛化炭素を含む負極活物質層を有する負極を備えていてもよい。
この場合、前記負極活物質層が、粒子径が2.0μm以上8.0μm以下の難黒鉛化炭素を含む負極活物質層を有する負極をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、熱収縮性と蓄電素子の出力低下とを適切に抑制しうる蓄電素子を提供できる。
図1は本発明の蓄電素子におけるセパレータの断面図を示す概略図である。
以下、本実施形態の蓄電素子について具体的に説明する。
[蓄電素子用のセパレータ]
本実施形態の蓄電素子に用いるセパレータ(以下、単にセパレータともいう。)は、電気絶縁性を有する多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一面側に設けられ、板状無機粒子と球状無機粒子とを含む無機材層とを備え、前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から厚みの1/3までの範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層の範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P2とが、前記比率P1が0.01以上10以下であって、且つ、P1のP2に対する比率P1/P2が1.1以上50以下を満たすような関係であるセパレータである。
(多孔質基材)
前記多孔質基材としては、微多孔性膜や不織布等のように細孔を有する絶縁性材料の中から適宜選択して用いることができる。
前記多孔質基材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素含有樹脂等を挙げることができる。
尚、これらの材料は、単独で、または複数を組み合わせて用いることができる。
前記多孔質基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を主成分とする微多孔性膜であることが好ましい。
前記多孔質基材を構成する材料は、溶融温度が100℃〜160℃、好ましくは120℃〜140℃であることが好ましい。かかる溶融温度の範囲であれば、蓄電素子内の温度が上昇した場合に、多孔質基材が溶融して細孔を塞ぐことで、正負極間の抵抗を高めるいわゆるシャットダウン機能が得られる。
前記多孔質基材の厚みは、3μm以上、好ましくは5μm以上であって、50μm以下、好ましくは30μm以下であることが好ましい。
セパレータの厚みを前記範囲にすることで、電池のエネルギー密度を向上させることができると同時に、短絡防止効果が高くなり、また、強度が十分なものになるので取り扱いが容易となる。
(無機材層)
前記無機材層は、前記板状無機粒子と前記球状無機粒子とを備えており、必要に応じてバインダ等を配合してもよい。
《板状無機粒子》
前記板状無機粒子は、平均アスペクト比が3以上50以下、好ましくは5以上20以下の粒子である。
また、前記板状無機粒子の粒子径は0.1μm以上5.0μm以下、好ましくは0.3μm以上2.0μm以下、である。
平均アスペクト比及び粒子径が前記範囲である場合には、前記多孔質基材との界面において、多孔質基材と接触する接触面積が適度になるため好ましい。
また、前記板状無機粒子のタップ密度は、0.5〜3.0g/ml、好ましくは0.8〜1.5g/mlであることが好ましい。
前記板状無機粒子を構成する材料としては、耐熱性のある無機材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄、バリウムチタン酸化物、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性イオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ベーマイト、アパタイト、ムライト、スピネル、オリビン等、または、これらを含む化合物等が挙げられる。
また、前記板状無機粒子は、SnO2、スズ−インジウム酸化物(ITO)等の酸化物、カーボンブラック、グラファイト等の炭素質材料等の導電性粒子の表面を、前記化合物等の電気絶縁性を有する材料で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。
前記板状無機粒子としては、アルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ複合酸化物等であることが好ましい。
尚、板状無機粒子は、前記化合物を単独で用いたり、複数種類を混合して用いたり、あるいは前記各化合物の複合化合物を用いてもよい。
《球状無機粒子》
前記球状無機粒子は、平均アスペクト比が1以上5以下、好ましくは1以上3以下の粒子である。
また、前記球状無機粒子の粒子径は0.01μm以上3.00μm以下、好ましくは0.1μm以上1.0μm以下、である。
平均アスペクト比及び粒子径が前記範囲である場合には、前記多孔質基材との界面において、前記板状無機粒子の間に存在することによって、前記板状無機粒子と多孔質基材と接触する接触面積を適度な面積に調整できるため好ましい。
前記球状無機粒子のタップ密度は、0.8〜4.0g/ml、好ましくは1.0〜3.0g/mlであることが好ましい。
本実施形態において、前記球状無機粒子のタップ密度(Db)の、前記板状無機粒子のタップ密度(Da)に対する比率、Db/Daは、1以上3以下、好ましくは、1以上2以下であることが好ましい。
前記球状無機粒子のタップ密度(Db)の、前記板状無機粒子のタップ密度(Da)に対する比率が前記範囲である場合には、耐熱性を向上させうると同時に出力低下を抑制しうる。
前記球状無機粒子を構成する材料としては、耐熱性のある無機材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄、バリウムチタン酸化物、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性イオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレイ、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ベーマイト、アパタイト、ムライト、スピネル、オリビン等、または、これらを含む化合物等が挙げられる。
また、前記球状無機粒子は、SnO2、スズ−インジウム酸化物(ITO)等の酸化物、カーボンブラック、グラファイト等の炭素質材料等の導電性粒子の表面を、前記化合物等の電気絶縁性を有する材料で表面処理することで、電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。
前記球状無機粒子としては、アルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ複合酸化物等であることが好ましい。
尚、板状無機粒子は、前記化合物を単独で用いたり、複数種類を混合して用いたり、あるいは前記各化合物の複合化合物を用いてもよい。
尚、本実施形態において、前記平均アスペクト比および粒子径は、以下のように測定する。
前記セパレータを、イオンミリング法等により厚み方向の断面が見える試料を作製し、これを走査型電子顕微鏡(SEM:JSM−6700F、日本電子社製))にて断面写真を撮影し、各無機粒子について、エッジ部強調処理を行い、外接長方形を求める。
前記平均アスペクト比は、この外接長方形の縦横比である。
前記無機粒子の粒子径は、この外接長方形の長辺の長さである。
尚、測定する無機粒子のサンプル数は、JIS Z8900−1−2008に記載の方法に準じる(500個以上)。また、測定範囲としては、セパレータの幅方向(厚み方向に垂直な方向)の幅が50μmの範囲を測定する。
前記板状無機粒子と球状無機粒子との配合割合は、例えば、質量比でいうと99.999:0.001〜50:50、好ましくは、99:1〜90:10程度であることが好ましい。
《バインダ》
本実施形態の無機材層には、必要に応じて、さらにバインダを配合できる。前記バインダは、前記板状無機粒子と前記球状無機粒子とを前記多孔質基材に結着するものである。
前記バインダを構成する材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素化物;アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及びその水素化物;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体及びその水素化物;メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の合成ゴム;カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、及びカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩などのセルロース誘導体等のセルロース系樹脂;ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド及びその前駆体(ポリアミック酸等)等のポリイミド樹脂;エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリル酸共重合体;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル等が挙げられる。
前記バインダとしては、前記材料を単独で用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。
《その他の成分》
本実施形態の無機材層には、前記板状無機粒子、球状無機粒子、バインダの他に、分散剤としての溶媒、粘度を調節するための増粘剤等が含まれていても良い。
前記増粘度剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ、無機材層中に0.01質量%〜1.0質量%程度配合することが好ましい。前記溶媒としては、例えば、水等が挙げられる。
前記無機材層は、前記多孔質基材の一面側、あるいは、両面に積層されている。
前記無機材層の厚みは、具体的には、0.1μm〜30μm、好ましくは3μm〜10μmであることが好ましい。
前記厚みの範囲であれば、前記多孔質基材の熱収縮を十分に抑制できる。
前記のような本実施形態のセパレータは、前記無機材層の厚み方向断面において、前記板状無機粒子と前記球状無機粒子とが、以下のような分布している。
図1に、本実施形態のセパレータ10の厚み方向断面を示す概略図を示す。
本実施形態の前記無機材層1において、前記多孔質基材2との界面Xから厚みの1/3までの範囲A1における前記板状無機粒子3が占める面積に対する前記球状無機粒子4が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層1の範囲A2における前記板状無機粒子3が占める面積に対する前記球状無機粒子4が占める面積との比率P2とが、P1=0.01以上10以下であって、且つP1/P2=1.1以上50以下になるように、前記板状無機粒子と前記球状無機粒子とが分布している。
前記分布によって、前記無機材層1の前記多孔質基材2に近い前記範囲A1では、それ以外の範囲A2よりも多くの球状無機粒子が存在することになり、それ以外の範囲A2では前記板状無機粒子と前記球状無機粒子とが無機材層として必要な無機粒子の量が存在するようにバランスよく分布している。
このような分布により、前記無機材層1中の界面Xにおいて、前記多孔質基材2には前記球状無機粒子4が点で接触する面積と、前記板状無機粒子3が面で接触する面積が適切な割合に調節でき、前記多孔質基材2の細孔が過剰に覆われることがない。
よって、蓄電素子用セパレータとして使用した場合に、正極負極間でイオンの移動を阻止することがなく、また、電解液の保持性を抑制するおそれがない。
また、前記無機材層1の前記それ以外の範囲A2においては、適切な量の前記板状無機粒子3と前記球状無機粒子4とが存在するため、前記多孔質基材が熱収縮することを十分に抑制できる。
[セパレータの製造方法]
次に、前記のようなセパレータ10を製造する方法について説明する。
前記板状無機粒子、球状無機粒子及び必要に応じて、バインダ、分散剤等の前記無機材層の材料を混合した混合物を得る。かかる混合物を、前記多孔質基材の一面、あるいは両面に所定の厚みになるように均一に塗布する。
前記混合物は、例えば、前記板状無機粒子80質量%〜98質量%、前記球状無機機粒子0.01質量%〜3.0質量%、バインダ2質量%〜10質量%含まれるように配合されたものを用いることができる。
前記混合物の塗布時の塗布厚みは、目的とする無機材層の厚みにもよるが、例えば3μm〜10μm程度であることが好ましい。
かかる混合物の塗布は、例えば、グラビアコータ、ロールコータ、ブレードコータ等の公知の塗布装置等を用いることで正確に所定の塗布厚みに塗布することができる。
前記のように多孔質基材上に混合物を塗布した後に、前記混合物を乾燥する。
前記乾燥する方法としては、例えば、上下に空気送出ノズルを備えた乾燥機にて60℃〜80℃、風量1m/秒〜20m/秒の熱風を、前記混合物中の溶媒が完全に蒸発するまで、前記無機材層側及び前記多孔質基材側から吹き付けることで行うことが好ましい。
尚、前記無機材層側及び前記多孔質基材側の両側から、熱風を吹きつけることによって、混合物中の無機粒子とバインダとが分離することを阻止できる。
この場合、前記多孔質基材側から吹き付ける熱風を、無機材層側から吹きつける熱風よりも高温にしておくことが、下記のような理由により好ましい。
水分等の液体成分が気化する場合に部分的に温度差がある状態では温度の高い部分から気化するため、前記多孔質基材側から高温の熱風を吹き付けた場合、前記無機材層となる混合物中の水分等の溶媒は前記多孔質基材を通過して温度の高い前記多孔質基材表面から気化する。前記混合物中の水分等の前記多孔質基材側への移動に伴い、前記混合物中に分散していた板状無機粒子及び球状無機粒子も多孔質基材側に移動する。この時、前記球状無機粒子は、前記板状無機粒子よりもより移動しやすいため、より、多孔質基材との界面付近に多く存在することになる。
[非水電解質電池]
次に、前記製造方法で得られたセパレータ10を用いた蓄電素子としての非水電解質電池について説明する。
本実施形態の非水電解質電池は、正極と負極とを前記のようなセパレータを介して対向させて、必要に応じて巻回したものを、電解液とともにケース内に収納することで構成されている。
本実施形態で用いる前記正極は、正極活物質を含む正極活物質層を正極用の集電体の一面側あるいは両面側に設けることで形成される。
前記正極活物質としては、例えば、リチウムイオン電池の電極体として使用する場合には、リチウムを吸蔵・放出可能な化合物が使用でき、例えば、LiaNibM1cM2dxNbyZrz2(但し、式中、a、b、c、d、x、y、zは、0≦a≦1.2、0≦b≦1、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦z≦0.1、b+c+d=1を満たし、M1、M2はMn、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、M1≠M2)で表される化合物を含む粉末からなることが好ましい。
本実施形態の前記化合物の具体例としては、例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiCoO2等が挙げられる。
本実施形態の正極活物質層は、前記正極活物質の他に、バインダ及び必要に応じてその他の添加剤を、N−メチルピロリドン、トルエン等の有機溶媒または水などに混合させた後、得られた負極層用の混合液を正極用集電体の上に塗布し、乾燥し、さらにロールプレス機などの加圧手段で混合物をプレスして、正極活物質層として形成する。
正極用集電体としては、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル等を用いることができる。その他に、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウム等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。
正極用集電体の厚みとしては、任意に設定可能であるが、例えば5〜30μm、好ましくは10〜15μmであることが好ましい。
前記負極は、負極活物質を含む負極活物質層を負極用の集電体の一面側あるいは両面側に設けることで形成される。
前記負極活物質としては、電気化学的に金属イオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質層としては、黒鉛や、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素等の炭素質材料、SnOやSiO等の金属酸化物、チタン酸リチウム等のリチウム複合酸化物、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
好ましくは、前記炭素質材料、特に、難黒鉛化炭素を用いることが安全性の観点から好ましい。
前記負極活物質として難黒鉛化炭素を用いた場合には、前記と同様に測定した粒子径が2.0μm以上8.0μm以下、好ましくは2.0μm以上6.0μm以下であることが好ましい。
前記負極活物質としての難黒鉛化炭素の粒子径が前記範囲である場合には、入出力性能及び製造容易性が向上するので好ましい。
粒子径は小さくなると、活物質の入出力性能が向上するが、あまりに小さくすると、活物質ペーストの塗工性が悪くなり、電池の耐久性も低下するので、粒子径を上記の範囲とすることが好ましい。
本実施形態の負極活物質層は、前記負極活物質の他に、バインダ及び必要に応じてその他の添加剤を、N−メチルピロリドン、トルエン等の有機溶媒または水などに混合させた後、得られた負極層用の混合液を負極用集電体の上に塗布し、乾燥し、さらにロールプレス機などの加圧手段で混合物をプレスして、負極活物質層として形成する。
前記負極用の集電体としては、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン等を用いることができる。さらに、これらの材質からなる集電体表面を、接着性、導電性、耐還元性の目的で、カーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理してもよい。
前記負極用集電体の好ましい厚みは任意に設定可能であるが、例えば4〜20μm、好ましくは6〜10μmであることが好ましい。
前記のように得られた正極及び負極は、本実施形態のセパレータを介して前記負極活物質層と、正極活物質層とが対向するように積層され、さらに巻回されて電極体が得られる。
前記電解液としては、電解質塩が非水溶媒に溶解された非水電解質が用いられる。
非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体等を単独、またはそれら2種以上の混合物等が挙げられる。
電解質塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiN(SO2CF3)(SO249)、LiSCN、LiBr、LiI、Li2SO4、Li210Cl10、NaClO4、NaI、NaSCN、NaBr、KClO4、KSCN等のイオン性化合物が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、又はそれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
前記のような電解質と前記電極体を電池ケースに収納することで、前記非水電解質電池(例えば、リチウムイオン電池)が製造される。
本実施形態にかかる蓄電素子は以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1−1〜1−29、比較例1−1〜1−4》
(セパレータの作製)
多孔質基材として、ポリオレフィン製微多孔膜(膜厚20μm、透気度300秒/100cc)を用いた。
前記板状無機粒子及び前記球状無機粒子として、表1に示すような粒子径、平均アスペクト比、タップ密度のアルミナ粒子を使用した。
バインダとしてのスチレンーブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び分散剤としての水を前記板状無機粒子及び前記球状無機粒子にそれぞれ表1に示す配合で添加して混合物を得た。
前記混合物の固形重量比(重量%)は、前記板状無機粒子及び前記球状無機粒子の合計97%、バインダ2.9%、増粘剤0.1%であった。
前記混合物を、表面をプラズマ処理した前記多孔質基材の一面側に、グラビアコート法によって、塗布し、乾燥させた。
尚、乾燥条件として、風量、温度を表1に記載のように変化させることで、表1に示す実施例1−1〜1−29、及び比較例1−1〜1−4の33種類のセパレータを作製した。
(正極の作製)
実施例1−1〜1−29、及び比較例1−1〜1−4の正極は以下のように作製した。
材料としては、以下のものを用いた。
集電体:正極用集電体:材質:アルミニウム箔、厚み20μm
合剤 :正極活物質LiCoO2 90重量%、
バインダ:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 5重量%、
導電助剤:アセチレンブラック 5重量%
前記合剤材料を混合した混合物を、前記正極用集電体の一面側に塗布した。
塗布後、乾燥させて、ロールプレス装置でプレスして、正極を作製した。
(負極の作製)
実施例1−1〜1−29、及び比較例1−1〜1−4の負極は以下のように作製した。
材料としては、以下のものを用いた。
集電体:負極用集電体:材質:銅箔、厚み15μm
合剤 :負極活物質 グラファイト(粒子径 20μm) 95重量%、
バインダ:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 5重量%、
前記合剤材料を混合し、さらにNMP(N−メチルピロリドン)を添加した混合物を、前記負極用集電体の一面側に塗布した。塗布後、乾燥させて、ロールプレス装置でプレスして、負極を作製した。
(電池の作製)
前記正極及び負極を、前記各セパレータを介して各活物質層が対向するように積層し、巻回し、電極体を作製した。電極体をアルミニウム製ケース内に電解液とともに封入し、エージング処理を施して、実施例1−1〜1−29、及び比較例1−4の電池を作製した。
尚、電解液としては、プロピレンカーボネート(PC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:2:5(体積比)の混合溶媒に、LiPF6を1モル/lとなるように溶解させた液を用いた。
《実施例2−1、比較例2−1〜2−4》
実施例2−1は、セパレータとして前記実施例1−1と同じものを用い、比較例2−1〜2−4はそれぞれ比較例1−1〜1−4と同じものを用いた。
正極としては、正極材料として以下のものを用いて前記と同様に作製したものを用いた。
集電体:正極用集電体:材質:アルミニウム箔、厚み20μm
合剤 :正極活物質LiNi1/3Mn1/3Co1/32 90重量%、
バインダ:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 5重量%、
導電助剤:アセチレンブラック 5重量%
前記以外は、前記実施例1−1と同じものを用いて実施例2−1、及び比較例2−1〜2−4の電池を作製した。
《実施例3−1、比較例3−1〜3−4》
実施例3−1は、セパレータとして前記実施例1−1と同じものを用い、比較例3−1〜3−4はそれぞれ比較例1−1〜1−4と同じものを用いた。
正極としては、前記実施例2−1と同じものを用いた。
負極としては、負極材料として以下のものを用いて前記と同様に作製したものを用いた。
集電体:負極用集電体:材質:銅箔、厚み15μm
合剤 :負極活物質 ハードカーボン(粒子径 10μm) 95重量%、
バインダ:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 5重量%
前記以外は、前記実施例1−1と同様にして実施例3−1、及び比較例3−1〜3−4の電池を作製した。
《実施例4−1、比較例4−1〜4−4》
実施例4−1は、セパレータとして前記実施例1−1と同じものを用い、比較例4−1〜4−4はそれぞれ比較例1−1〜1−4と同じものを用いた。
正極としては、前記実施例2−1と同じものを用いた。
負極としては、負極材料として以下のものを用いて前記と同様に作製したものを用いた。
集電体:負極用集電体:材質:銅箔、厚み15μm
合剤 :負極活物質 ハードカーボン(粒子径 6μm) 95重量%、
バインダ:PVDF(ポリフッ化ビニリデン) 5重量%
前記以外は、前記実施例1−1と同様にして実施例4−1、及び比較例4−1〜4−4の電池を作製した。
(P1及びP1/P2の測定)
各実施例、比較例の電池を解体してセパレータを取り出し、ジメチルカーボネートで洗浄した後、室温にて2時間減圧乾燥させて、イオンビーム装置(装置名:クロスセクションポリッシャー、日立製作所製)で厚み方向断面が見える試料を作製し、各試料の断面を走査型電子顕微鏡(SEM:装置名:JSM−6700F、日本電子社製)で観察した。
前記SEM画像において、10μm×10μmの視野範囲であって、前記無機材層の全厚みが認識できる範囲を、試料の長さ方向及び幅方向の中央付近から選び、前記厚み方向(横方向)に平行な線を均等間隔で引き10等分する。さらに、前記厚み方向と直交する方向(縦方向)に平行な線を均等間隔で引き前記範囲を20等分する。
これらの線の各交点として得られる格子点(162点)のうち前記無機材層上にない格子点を除外する。
次に、前記縦方向に平行な線のうち、ある線上の前記無機材層上にある格子点を全てカウントし、さらにカウントした前記格子点のうち、前記多孔質基材に近い側1/3に存在する格子点について前記板状無機粒子上にある格子点の数Na1と、前記球状無機粒子上にある格子点の数Nb1とをカウントする。
さらに、前記格子点のうちの、前記多孔質基材に近い側1/3に存在する格子点以外の格子点についても前記板状無機粒子上にある格子点の数Na2と、前記球状無機粒子上にある格子点の数Nb2とをカウントする。
前記縦方向の19本の線すべてについて同様にカウントしそれぞれについて前記Nb1/Nb1、前記Nb2/Nb2を算出し、平均したものをP1及びP2とする。
かかる、測定方法で得られたP1、及びP1/P2を表1及び表2に記載する。
(電池出力試験)
まず、各実施例、比較例の電池について、SOC(充電状態:State of Charge)を50%の状態で、サイクル試験及び出力試験を行った。
尚、SOC50%調整は、25℃、4A、上限電圧4.1V,下限電圧2.4Vにて放電試験を行った電流容量を1Cとして、25℃、0.5C、1時間でサイクル試験直前に調整した。
サイクル試験は、25℃、電流値:10C、SOC20%〜80%で、サイクル数2000行った。
さらに、前記サイクル試験後、2時間以内に電流値20Cで放電する。
この時の抵抗を下記式で算出する。

抵抗=(20C放電から10秒目の電圧と放電前電圧との差)÷電流(20C)

前記抵抗から、下記式で出力を計算する。

出力=(通電前電圧−下限電圧)÷ 抵抗 × 下限電圧

前記出力を、各実施例及び比較例の電池につき3個づつ測定した平均をとった。
表1及び表2に実施例1−1のサイクル試験前出力、サイクル試験後出力をそれぞれ100%とした時の各実施例、比較例の電池の出力の%を示す。
また、サイクル試験前出力に対する、サイクル試験後出力の%を表1および表2に示した
(オーブン試験)
各実施例、比較例の電池を、直前に25℃、4A(上限電圧4.1V,下限電圧2.4V9にて放電試験を行い、該放電した電流容量を1Cとして、25℃、0.5C、1.6時間にてSOC80%に調整し、5℃/分にて外気温度を130℃まで昇温させて、その後2時間その状態を保持した。
各電池毎に3個ずつオーブン試験を行い、各電池のうち3つとも全て電池外表面の温度が135℃以上になっていないものは○、1つでも135℃以上になった場合には×とした。結果を表1および表2に示す。
Figure 2013222581
Figure 2013222581
表1の結果から、各実施例の電池は比較例に比べて、外気温度が上昇しても、電池温度の上昇を抑制でき、且つ、出力の低下も抑制されていた。
また、各実施例は、例えば、比較例1−1、2、4、比較例2−1、2、4、比較例3−1、2、4、比較例4−1、2、4などに比べていずれもサイクル試験前後の出力変化が少なかった。
サイクル試験前後の出力変化が大きいと、特にHEV(ハイブリッド自動車)用の電池として適していないが、各実施例は、いずれも、サイクル試験前後の出力変化が少なくHEV用の電池としても適している。
1:無機材層
2:多孔質基材層
3:板状無機粒子
4:球状無機粒子
10:セパレータ

Claims (5)

  1. 電気絶縁性を有する多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一面側に設けられ、板状無機粒子と球状無機粒子とを含む無機材層とを備え、
    前記無機材層の厚み方向断面において、前記多孔質基材との界面から厚みの1/3までの範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P1と、それ以外の無機材層の範囲における前記板状無機粒子が占める面積に対する前記球状無機粒子が占める面積の比率P2とが、
    前記比率P1が0.01以上10以下であって、且つ、P1のP2に対する比率P1/P2が1.1以上50以下を満たすような関係であるセパレータを備えた蓄電素子。
  2. 前記板状無機粒子のタップ密度Daに対する前記球状無機粒子のタップ密度Dbの比率Db/Daが、1以上3以下である請求項1に記載の蓄電素子。
  3. LiaNibM1cM2dxNbyZrz2(但し、式中、a、b、c、d、x、y、zは、0≦a≦1.2、0≦b≦1、0≦c≦0.5、0≦d≦0.5、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦z≦0.1、b+c+d=1を満たし、M1、M2はMn、Ti、Cr、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ge、Sn、Mg、及びZrからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、M1≠M2)で表される化合物を含む正極活物質層を有する正極を備えた請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 難黒鉛化炭素を含む負極活物質層を有する負極を備えた請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  5. 前記負極活物質層が、粒子径が2.0μm以上8.0μm以下の難黒鉛化炭素を含む請求項4に記載の蓄電素子。
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