JP2013222487A - 磁気ディスク装置に用いるスペーサーおよび磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置に用いるスペーサーおよび磁気ディスク装置 Download PDF

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【課題】複数枚の磁気ディスクをそれら磁気ディスク間にスペーサーを挿入してスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーで押圧して保持する磁気ディスク装置において、磁気ディスク内周部の歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化、高速化、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加に対応できるようにする。
【解決手段】表面硬度のバラツキが平均値を中心として上下4%以内で、結晶粒度番号が5.0〜9.0で、残留圧縮応力が80MPa以下のフェライト系ステンレス鋼の圧延板材Dを打ち抜き加工によりリング状に加工してスペーサー9を制作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報の読み取り、書き込みに用いられる磁気ディスク装置に関し、特に、複数枚の磁気ディスクを有する磁気ディスク装置の磁気ディスク間に挿入するスペーサーおよびそのスペーサーを用いた磁気ディスク装置に関するものである。
情報の読み取り、書き込みに用いられる磁気ディスク装置(ハードディスク)は、磁気ディスク装置の機構部分を固定し大気中の粉塵から保護するための密閉ケース状のシュラウド内でスピンドルモーターにより磁気ディスクを回転させ、先端に磁気ヘッドを装着し板バネよりなるフレクシャにより磁気ディスク表面に軽く押し付けられたスライダーを、磁気ディスクの回転によって磁気ディスク表面に生じる圧力で磁気ディスク表面から浮上させつつ、ボイスコイルモーターによりスイングアームを左右に回転させて磁気ヘッドを磁気ディスク上の任意のトラックに移動させ、情報の読み取り、書き込みを行うようにしたものであって、近年OA機器の小型化に伴い、小型、薄型化、大容量化が進んでいる。そして、特に、大容量の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを複数枚持つものが普通で、その場合、複数枚の磁気ディスクをそれら磁気ディスク間にスペーサーを挿入してスピンドルモーターの回転ハブに装着し、回転ハブの上端部に円盤状のクランパーをネジで締結して、クランバーの弾性変形により磁気ディスクの内周部を押圧して磁気ディスクとスペーサーを回転ハブ底部の大径部分とクランパーとの間に保持するようになっている。
しかし、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化により磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加がますます必要になってきた。そして、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が進むに従い、また磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進むに従い、データの記録・再生が不正確となったり、磁気ヘッドの目的トラックへの位置決めやデータの書き込み、読み取りが正確に行われなくなったり、あるいは浮上量の低下から磁気ディスクとのコンタクト等の故障が発生するといった問題が発生するようになった。その原因は、磁気ディスクの円周方向での不均一な力の加わりにより、磁気ディスクに歪やうねりが発生すること、そして、この歪やうねりが原因となって瞬間的に磁気ヘッドと磁気ディスクとの浮上隙間の変動が発生することであると考えられる。図4は従来の磁気ディスク装置における磁気ディスクの歪の状態を示している。図4において、3は磁気ディスク、10は回転ハブ、11はクランパー、12はクランパー11と回転ハブ10を締結するネジである。従来の磁気ディスク装置における磁気ディスクの内周部には、クランパー11がネジ12の軸力集中による不均一な弾性変形を生じることに起因して、図4に細線で示すような歪やうねりが発生する。
そこで、磁気ディスクに歪やうねりが発生する原因が、磁気ディスクとスペーサーを回転ハブ底部の大径部分との間にクランバーの弾性変形により押圧して保持するようクランパーを締結するネジの軸力集中により、磁気ディスクに不均一な弾性変形を生じてしまうことにあるとして、回転ハブの磁気ディスク並びにスペーサーを装着する円筒部の上端とハブ最上部の円筒状突出部に設けた突起部との間にクランパーの内径部を圧入することで、ネジを用いずに磁気ディスクとスペーサーを押圧保持でき、そのため、磁気ディスクを押圧するクランバーとハブ上面とをネジ締結する場合に発生する磁気ディスク内周部の歪、うねり等の変形を防止することができ、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定な状態とし、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上が可能となるとする提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−60513号公報
しかし、近年ますます磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化、さらには高速化(ディスクの回転数アップ)が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進む中、上記提案のように回転ハブにクランパーを圧入することでネジを用いずに磁気ディスクとスペーサーを押圧保持するだけでは、磁気ディスクの歪、うねり等の変形を十分に防止することができないことが解ってきた。
従来のスペーサーは、ステンレス等の引き抜き棒鋼や熱間圧延棒鋼をピーリングした棒鋼をそのまま用いたもので、図5に示すように、例えば冷間引き抜き加工により製造された棒鋼Aを切削加工し中穴を空けてパイプ状の材料Bとし、これを輪切りにしてリングCを作り、これをそのままスペーサーとしているため、歪がある上、外周部分の表面硬度が高く、内側(内周部分)にいくに従って硬度が低くなる傾向があって、表面硬度のバラツキが非常に大きく、さらに結晶粒度や残留歪みのバラツキも非常に大きい。そのため、複数枚の磁気ディスクとスペーサーをスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーをネジで締結したときに、クランパーの弾性変形による押圧でスペーサーの歪みが大きくなり、それが磁気ディスクの歪、うねり等の変形の要因となっている。また、ネジを使用しないで回転ハブにクランパーを圧入する場合も、クランパーの弾性変形による押圧を受けてやはりスペーサーに歪みが生じ、それが磁気ディスクの歪、うねり等の変形の要因となっている。
丸棒を寸断し穴を空けて製作する従来のスペーサーも、熱処理を施すことで表面硬度のバラツキを小さくし、結晶粒度や残留歪みのバラツキを小さくすることが可能であるが、そのような熱処理を施したのでは製造コストが極めて高いものとなってしまう。
本発明は、複数枚の磁気ディスクをそれら磁気ディスク間にスペーサーを挿入してスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーで押圧して保持する磁気ディスク装置において、磁気ディスク内周部の歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化、高速化、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加に対応できるようにすることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために磁気ディスク装置のあらゆる部材の材質や機能に検討を加えた。その結果、複数の磁気ディスクを回転ハブに装着する際に用いるスペーサーの材質、そしてその機械的、物理的、電気的な特性が、磁気ディスクの歪、うねり等の変形に大きく関係することを突きとめ、本発明をなすに至った。
請求項1に係る発明は、磁気ディスク装置に用いるスペーサー、特に、複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、表面硬度のバラツキが平均値を中心として上下4%以内であることを特徴とする。
この請求項1に係る発明のスペーサーは、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、圧延板材の状態で均一な硬度、結晶粒度、残留応力などを所要の精度に作り込んでおくことにより、その後の工程においてもその精度が維持され、表面硬度のバラツキが小さく、結晶粒度や残留歪みのバラツキも小さいものとなる。特に、表面硬度のバラツキが非常に小さい。そのため、複数枚の磁気ディスクとスペーサーをスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーをネジで締結したときのスペーサーの歪みが小さくなり、磁気ディスクの歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定した状態に保持することができて、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることができる。また、圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、精度が向上する上にコストが非常に有利であり、また、加工工程も短縮されるため生産性も向上する。
また、請求項2に係る発明は、磁気ディスク装置に用いるスペーサー、特に、複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、結晶粒度が、1mm2当たりの平均結晶粒数mを用いてm=8×2Gの式で計算されるGの値の5.0〜9.0に相当することを特徴とする。
この請求項2に係る発明のスペーサーは、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、圧延板材の状態で均一な硬度、結晶粒度、残留応力などを所要の精度に作り込んでおくことにより、その後の工程においてもその精度が維持され、表面硬度のバラツキが小さく、結晶粒度や残留歪みのバラツキも小さいものとなる。特に、結晶粒度が非常に小さい。そのため、複数枚の磁気ディスクとスペーサーをスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーをネジで締結したときのスペーサーの歪みが小さくなり、磁気ディスクの歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定した状態に保持することができて、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることができる。また、圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、精度が向上する上にコストが非常に有利であり、また、加工工程も短縮されるため生産性も向上する。また、特に、フェライト結晶粒度が微細であるため、熱の発生が少なく、残留磁気が少なく磁気抵抗が少なくて、熱を保ちにくく、そのため、歪が少なくて、高速化(ディスクの回転速度アップ)しても熱により精度が落ちることはなく、熱による故障も大きく減少する。
請求項3に係る発明は、磁気ディスク装置に用いるスペーサー、特に、複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、残留圧縮応力が80MPa以下であることを特徴とする。
この請求項3に係る発明のスペーサーは、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、圧延板材の状態で均一な硬度、結晶粒度、残留応力などを所要の精度に作り込んでおくことにより、その後の工程においてもその精度が維持され、表面硬度のバラツキが小さく、結晶粒度や残留歪みのバラツキも小さいものとなる。特に、残留応力が非常に小さい。そのため、複数枚の磁気ディスクとスペーサーをスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーをネジで締結したときのスペーサーの歪みが小さくなり、磁気ディスクの歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定した状態に保持することができて、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることができる。また、圧延板材を打ち抜き加工して製作するので、精度が向上する上にコストが非常に有利であり、また、加工工程も短縮されるため生産性も向上する。また、特に、残留応力が非常に小さいことにより、歪が少なく、位置決め精度、データの書き込み精度、データの読み取り精度が向上し、故障率も減少し、回転数も上げることが可能である。
請求項4に係る発明は、磁気ディスク装置であって、複数枚の磁気ディスクをそれら磁気ディスク間に請求項1、2または3に係る発明のスペーサーを挿入してスピンドルモーターの回転ハブに取り付けたことを特徴とする。
この請求項4に係る発明の磁気ディスク装置は、スペーサーの表面硬度のバラツキが小さく、結晶粒度や残留歪みのバラツキも小さいもので、そのため、複数枚の磁気ディスクとスペーサーをスピンドルモーターの回転ハブに装着しクランパーをネジで締結したときのスペーサーの歪みが小さくて、磁気ディスクの歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定した状態に保持することができて、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることが可能であり、また、圧延板材を打ち抜き加工してスペーサーを製作するので、スペーサーの加工精度が向上する上にコストが非常に有利になり、また、加工工程も短縮されて生産性が向上する。
本発明によれば、磁気ディスクを押圧するクランバーとハブ上面とのネジの締結やクランバーなどの弾性変形から受けた磁気ディスク内周部の歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、そのため、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク内周部で磁気ヘッドの浮上を変動のない安定した状態に保持することができ、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態の一例に係る磁気ディスク装置の断面図である。 本発明の実施形態の一例に係るスペーサーの製造方法の説明図である。 スペーサーの硬度測定個所を示す平面図である。 従来の磁気ディスク装置における磁気ディスクの歪の状態を示す説明図である。 従来のスペーサーの製造方法の説明図である。
図1は本発明の実施形態の一例に係る磁気ディスク装置(ハードディスク)の構造を示している。この磁気ディスク装置は、磁気ディスク装置の機構部分を固定し大気中の粉塵から保護するための密閉ケース状のシュラウド1内でスピンドルモーター2により磁気ディスク3を回転させ、先端に磁気ヘッド4を装着し板バネよりなるフレクシャ5により磁気ディスク3表面に軽く押し付けられたスライダー6を、磁気ディスク3の回転によって磁気ディスク3表面に生じる気流の圧力で磁気ディスク3表面から浮上させつつ、ボイスコイルモーター7によりスイングアーム8を左右に回転させて磁気ヘッド4を磁気ディスク3上の任意のトラックに移動させ、情報の読み取り、書き込みを行うようにしたものである。
磁気ディスク3は複数枚(図示の例は3枚であるが、これに限定されない。)で、それら複数枚の磁気ディスク3を磁気ディスク3間にスペーサー9を挿入してスピンドルモーター2の回転ハブ10に装着し、回転ハブ10の上端部に円盤状のクランパー11をネジ12で締結して、クランバー11の弾性変形により磁気ディスク3の内周部を押圧して磁気ディスク3とスペーサー9を回転ハブ10底部の大径部分とクランパー11との間に保持している。
図示の例では磁気ディスク3は3枚、スペーサー9は2枚で、最下段の磁気ディスク3は下面内周部が回転ハブ10底部の大径部分により支持されるとともに上面内周部が下側のスペーサー9の下面より押圧され、中段の磁気ディスク3は下面内周部が下側のスペーサー9の上面により支持されるとともに上側のスペーサー9の下面により押圧され、最上段の磁気ディスク3は下面内周部が上側のスペーサー9の上面により支持されるとともに上面内周部がクランバー11により押圧される。
図1において、13はシュラウド1内に固定されたスピンドルモーター基盤、14はスピンドルモーター基盤13により保持されている軸受である。回転ハブ10はスピンドルモーター2の回転軸と一体化構成され軸受14を介してスピンドルモーター基盤13に回転可能に支持されている。また、15はスピンドルモーター基盤13に装着した固定子鉄心、16は固定子鉄心15に巻回した固定子巻線、17は回転ハブ10に固定子鉄心15に対抗して取り付けた永久磁石である。そして、19はスイングアーム8の回転軸、20はボイスコイルモーター7のコイル、21は上側磁石、22は下側磁石、23は信号処理回路を実装した回路基板、24はシュラウド1と回路基板23を一体化し他機器へ固定するためのフレームである。
そして、この実施形態の磁気ディスク装置において、磁気ディスク3間に挿入するスペーサー9は、図2に示すように、フェライト系ステンレス鋼の圧延板材Dを打ち抜き加工によりリング状に加工して制作したものである。
フェライト系ステンレス鋼の圧延板材Dは、表面硬度のバラツキが平均値を中心として上下4%以内で小さく、結晶粒度が、JIS規格のG0551に規定された結晶粒度番号(1mm2当たりの平均結晶粒数mを用いてm=8×2Gの式で計算されるGの値)の5.0〜9.0に相当する微細なもので、残留圧縮応力が80MPa以下と小さくなるよう熱処理が施されたものであり、打ち抜き加工後もその精度は維持され、製作されたスペーサー9は、表面硬度のバラツキが小さく、結晶粒度や残留歪みのバラツキも小さいものとなる。
この実施形態の磁気ディスク装置は、スペーサー9の表面硬度のバラツキが非常に小さいことにより、また、結晶粒度が非常に小さいことにより、また、残留応力が非常に小さいことにより、また、それらの相乗作用によって、複数枚の磁気ディスク3とスペーサー9をスピンドルモーター2の回転ハブ10に装着しクランパー11をネジ12で締結したときのスペーサー9の歪みが小さくなり、その結果、磁気ディスク3の歪、うねり等の変形を十分に防止することができ、磁気ディスク装置の小型薄型・大容量化が加速し、磁気ディスク3面上のデータ領域の拡大や記録密度の増加が進んでも、磁気ディスク装置の動作中に磁気ディスク3内周部で磁気ヘッド4の浮上を変動のない安定した状態に保持することができて、磁気ヘッド出力の均一化による位置決め精度の向上、データの書き込み、読み取り精度の向上、磁気ディスク装置の信頼性の向上を図ることができる。また、圧延板材Dを打ち抜き加工して製作するので、精度が向上する上にコストが非常に有利であり、また、加工工程も短縮されるため生産性も向上する。そして、特に、フェライト結晶粒度が微細であるため、熱の発生が少なく、残留磁気が少なく磁気抵抗が少なくて、熱を保ちにくく、そのため、歪が少なくて、高速化(ディスクの回転速度アップ)しても熱により精度が落ちることはなく、熱による故障も大きく減少する。また、特に、残留応力が非常に小さくて、歪が少ないため、位置決め精度、データの書き込み精度、データの読み取り精度が向上し、故障率も減少し、回転数も上げることが可能である。また、加工工程も短縮されるため生産性も1.5〜2倍に向上する。
なお、この実施形態では、磁気ディスク3とスペーサー9を押圧保持するようクランパー11を回転ハブ10にネジ12で取り付けているが、クランパー11を取り付ける構造はこれに限定されるものではなく、他の、例えば、回転ハブ10の最上部のクランパー11を装着する円筒状突出部の周面に突起部を設けて、磁気ディスク3並びにスペーサー9を装着する円筒部の上端と突起部との間にクランパーの内径部を圧入するなど、ネジ12を使用しない構造のものであってもよい。
フェライト系ステンレス鋼(430)の圧延板材を打ち抜き加工してリング状にして、外径23.8mm、内径20.0mm、厚み1.685mmのスペーサーを、実施例1、実施例2、実施例3として3種類作製し、また、フェライト系ステンレス鋼(430)を冷間引き抜き加工して製造した棒鋼(丸棒)に切削加工で中穴を空けてパイプ状にし、それを輪切りして製作した同寸(外径23.8mm、内径20.0mm、厚み1.685mm)のスペーサーを、従来例1、従来例2、従来例3として3種類作成した。
実施例1と実施例2と実施例3は、結晶粒度が異なるように精錬、製鋼工程の処理条件を変えて製作したものであり、従来例1、従来例2、従来例3もまた、結晶粒度が異なるように精錬、製鋼工程の処理条件を変えて製作したものである。
そして、これら実施例1〜3と従来例1〜3の表面硬度(HRV)を測定した。この測定にはミツトヨHM211を用い、荷重100gで、測定箇所は、図3に示す周方向4箇所の各径方向6箇所(0.5mmピッチ)である。表1に実施例1と従来例2の測定結果を示す。
Figure 2013222487
表1から解るように、実施例1では表面硬度は平均値を中心にして上下3.7%以内で、硬度のバラツキが非常に小さく安定しているが、従来例1では上下7%以上で、外周は硬度が高いが内周に来るに従って顕著に低くなっている。ここでは実施例と従来例を一例ずつ示したが、他の例の場合でも同様な結果であった。
また、上記実施例1〜3と従来例1〜3の結晶粒度(フェライト結晶粒度)を測定した。この結晶粒度の測定は、JIS G0551に規定された測定方法によるもので、結晶粒度番号すなわち1mm2当たりの平均結晶粒数mを用いてm=8×2Gの式で計算されるGの値で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
Figure 2013222487
表2から解るように、実施例1〜3の結晶粒度は従来例1〜3に対して各段に微細である。
また、上記実施例1〜3と従来例1〜3の残留応力を測定した。この測定には、PANalytical製のX´PERT PRO MPDを用い、ヤング率:211.160Gpa、ポアソン比:0.28820 でX線回折測定した。その結果は表3に示すとおりであった。
Figure 2013222487
表3から解るように、実施例1〜3の結晶粒度は従来例1〜3に対して各段に小さい。
残留応力とは、金属の組成変形の結果として、内部に生じた応力のことである。冷間加工や熱処理などによる急激な変化、不均一な変化により起こるものである。圧縮応力と引張応力があり、圧縮応力はマイナスで、引張応力はプラスで表示する。一度発生しても、その後の熱処理などにより除去することもできる。
これら実施例1〜3のスペーサー、従来例1〜3のスペーサーを用いてそれぞれ磁気ディスク装置(図1に示すもの)を組み立て、稼動テストを行った。その際、効果を確認しやすくするため、磁気ディスクの回転速度を従来よりも速くして(15%回転数を上げて)動作確認を行った。その結果、実施例1のスペーサーを用いて磁気ディスク装置では、従来例1のスペーサーを用いて磁気ディスク装置に対して、位置決め精度、データの書き込み精度、データの読み取り精度が向上したことが確認できた。具体的には、位置決め精度、データの書き込み精度、データの読み取り精度がそれぞれ約5%程度向上した。また、磁気ディスク及び磁気ヘッドのコンタクト等の故障も約大きく減少した。硬度のバラツキが非常に小さくて安定していることが、この効果に大きく寄与していると考えられる。また、実施例1〜3のものは、フェライト結晶粒度が微細であることが、熱の発生が非常に少なく、回転速度を1.5倍にしても精度が落ちることはなく、熱による故障も大きく減少する要因であると考えられる。結晶粒度が小さいと、残留磁気が少なく磁気抵抗が少ないため、熱を保ちにくい。また、実施例1〜3のものは、残留応力が小さいことが、位置決め精度、データの書き込み精度、データの読み取り精度の向上に寄与しており、故障率の減少(2割減少)、許容回転数の上昇(1割以上)を可能にしていると考えられる。
2 スピンドルモーター
3 磁気ディスク
9 スペーサー
10 回転ハブ
11 クランパー
D 圧延板材

Claims (4)

  1. 複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、
    フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、表面硬度のバラツキが平均値を中心として上下4%以内であることを特徴とする磁気ディスク装置に用いるスペーサー。
  2. 複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、
    フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、結晶粒度が、1mm2当たりの平均結晶粒数mを用いてm=8×2Gの式で計算されるGの値の5.0〜9.0に相当することを特徴とする磁気ディスク装置に用いるスペーサー。
  3. 複数枚の磁気ディスクをスピンドルモーターの回転ハブに取り付ける磁気ディスク装置の前記磁気ディスク間に挿入するスペーサーであって、
    フェライト系ステンレス鋼の圧延板材を打ち抜き加工によりリング状に加工して制作され、残留圧縮応力が80MPa以下であることを特徴とする磁気ディスク装置に用いるスペーサー。
  4. 複数枚の磁気ディスクをそれら磁気ディスク間に請求項1、2または3記載のスペーサーを挿入してスピンドルモーターの回転ハブに取り付けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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