JP2013221331A - 耐震補強構造体及び耐震補強工法 - Google Patents

耐震補強構造体及び耐震補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉄筋コンクリート造の柱梁構造で構成される既存建物架構を耐震補強する。
【解決手段】 既存建物の耐震補強工法において、既存建物の柱110及び梁120で区画された開口部において、柱110及び梁120の内周面に複数のアンカー孔を穿孔する工程と、複数のアンカー孔のそれぞれに、アンカー筋130の一部を挿入し固着させる工程と、開口部に配筋するとともにコンクリートを打設して増設耐震壁140を構築する工程とを備える。このとき、アンカー筋130の残りの一部は、増設耐震壁140のコンクリートに定着させ、アンカー孔に挿入、固着させるアンカー筋130の直径は6〜10mmとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐震補強構造体及び耐震補強工法に係り、特に鉄筋コンクリートあるいは鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁構造で構成される架構を耐震補強するための耐震補強構造体及び耐震補強工法に関する。
鉄筋コンクリートあるいは鉄骨鉄筋コンクリート造の柱梁構造で構成される架構を有する既存の建物を耐震改修するための工法の1つとして、増設耐震壁や鋼製の枠付ブレースを、柱及び梁で区画された開口部に設ける工法がある。図4は、従来の耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図4(a)中の矢視b−bから見た断面図である。図4に示すように、後施工アンカーである複数のアンカー筋330が、開口部360を区画する柱310及び梁320の内周面に沿って施工されており、柱310及び梁320から突出した部分のアンカー筋330は、鉄筋コンクリート造の増設耐震壁340内に定着している。なお、一般的に、梁320と床スラブ325は一体で施工されるため、本明細書においては、一体化した梁320及び床スラブ325をあわせて梁320と記載する。柱310及び梁320で区画された開口部360に設置された増設耐震壁340には、縦横に壁筋341が配筋されており、また、柱310及び梁320との接合部に沿って、らせん状の割裂防止筋350が配筋されている。
特許文献1には、鋼製の枠付ブレースを設置した既存建築物の補強構造体が開示されている。この補強構造体は、開口部を区画する柱及び梁に施工された後施工アンカーと、頭付きスタッドが溶接付けされた枠付ブレースと、柱及び梁と枠付ブレースとの間に施工されたコンクリートとを有している。コンクリートには、後施工アンカーと枠付ブレースに溶接付けされた頭付きスタッドとが定着している。このコンクリートに高引張強度のコンクリートを用いることにより、コンクリートの割裂を生じにくくさせて、割裂防止筋を省略した補強構造体を実現している。
また、特許文献2は、柱及び梁により区画された開口部に設置された耐震鉄骨枠組あるいは耐震コンクリート壁を開示している。特許文献2に記載の技術は、柱及び梁と耐震鉄骨枠組あるいは耐震コンクリート壁との接合部にメッシュ筋を配筋することで、コンクリートに発生するひび割れを防止している。
特開平9−317198号公報 特開平7−18877号公報
図4に示した増設耐震壁340において、一般的に柱310及び梁320に施工されるアンカー筋330は、壁筋341よりも太い径の16〜19mm程度の異形鉄筋が用いられる。そのため、それぞれのアンカー筋330が増設耐震壁340に伝達する引張力とせん断力は大きく、地震により水平力が作用する際に発生するコンクリートの割裂を防止するために、増設耐震壁340の接合部に沿って割裂防止筋350を配筋していた。また、径が16〜19mm程度のアンカー筋330を施工するための穿孔径は、20〜25mm程度必要となる。この程度の大きさの孔を穿孔するためには、振動ドリルあるいは静音コアドリルが必要であるが、前者は騒音と振動が大きく、後者は穿孔する際に水が必要であり1本あたりの作業時間がかかるという問題がある。また、振動ドリルあるいは静音ドリルは駆動力が大きく、アンカー孔を穿孔する際に鉄筋を切断する恐れがある。
また、特許文献1に記載の補強構造体では、割裂防止筋を省略することができる反面、接合部のコンクリートに炭素繊維やアラミド繊維を混入させる必要があり、コストがかかるという問題がある。また、上述した柱及び梁に穿孔する際の種々の問題点を解決することはできない。
また、特許文献2に記載の増設耐震壁では、接合部に沿ってメッシュ筋を配筋する必要があり、手間とコストがかかるという問題がある。また、特許文献1と同様、上述した柱及び梁に穿孔する際の種々の問題点を解決することはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、手間と施工コストを抑制できるとともに、アンカー孔を穿孔する際に既存の鉄筋を傷つけることがない耐震補強構造体及び耐震補強工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る耐震補強構造体は、既存建物の柱及び梁で区画された開口部に設けられる耐震補強構造体であって、前記開口部を区画する前記柱及び前記梁に一部が埋設され、残りの一部が前記柱及び前記梁から突出した複数のアンカー筋と、前記開口部に設けられた鉄筋コンクリート造の増設耐震壁と、を備え、前記複数のアンカー筋の前記柱及び前記梁から突出した部分は、前記増設耐震壁に定着しており、前記複数のアンカー筋の直径が6〜10mmであることを特徴とする。
前記アンカー筋の直径は、前記増設耐震壁の鉄筋の直径よりも小さくしてもよい。
前記増設耐震壁には、前記柱及び前記梁と該増設耐震壁との接合部に沿う割裂防止筋が存在しなくてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る耐震補強構造体は、既存建物の柱及び梁で区画された開口部に設けられる耐震補強構造体であって、前記開口部を区画する前記柱及び前記梁に一部が埋設され、残りの一部が前記柱及び前記梁から突出した複数のアンカー筋と、鋼製の枠体と、前記枠体の形状を保持するブレース材とを有する、前記開口部に設けられた枠付ブレースと、前記柱及び前記梁と、前記枠付ブレースとの間に充填されたコンクリートまたはモルタルと、を備え、前記複数のアンカー筋の前記柱及び前記梁から突出した部分は、前記コンクリートまたはモルタルに定着しており、前記複数のアンカー筋の直径が6〜10mmであることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る耐震補強工法は、既存建物の柱及び梁で区画された開口部において、該柱及び該梁の内周面に複数のアンカー孔を穿孔する工程と、前記複数のアンカー孔のそれぞれに、アンカー筋の一部を挿入し固着させる工程と、前記開口部に配筋するとともにコンクリートを打設して増設耐震壁を構築する工程と、を備え、前記アンカー筋の残りの一部は、前記増設耐震壁の前記コンクリートに定着させ、前記アンカー孔に挿入、固着させる前記アンカー筋の直径は、6〜10mmであることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係る耐震補強工法は、既存建物の柱及び梁で区画された開口部において、該柱及び該梁の内周面に複数のアンカー孔を穿孔する工程と、前記複数のアンカー孔のそれぞれに、アンカー筋の一部を挿入し固着させる工程と、前記開口部に、鋼製の枠体と、前記枠体の形状を保持するブレース材とを有する枠付ブレースを設置する工程と、前記枠付きブレースと、前記開口部を区画する前記柱及び前記梁との隙間にコンクリートまたはモルタルを充填する工程と、を備え、前記アンカー筋の残りの一部は、前記コンクリートまたはモルタルに定着させ、前記アンカー孔に挿入、固着させる前記アンカー筋の直径は、6〜10mmであることを特徴とする。
本発明によれば、アンカー孔の穿孔における処理粉塵量の低減、穿孔時の騒音・振動の抑制、穿孔による既存の鉄筋の損傷の防止、穿孔体積が減少することによる充填樹脂等の材料使用量の低減によるコストダウン等を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図1(a)中の矢視b−bから見た断面図。 本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体の一部を施工順((a)〜(c))に示した拡大斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図3(a)中の矢視b−bから見た断面図。 従来の耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図4(a)中の矢視b−bから見た断面図。
以下、本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体及び耐震補強工法を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図1(a)中の矢視b−bから見た断面図、図2は、本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体の一部を施工順((a)〜(c))に示した拡大斜視図である。
図1(a),(b)に示すように、本発明の実施形態に係る耐震補強構造体100は、既存建物の柱110及び梁120で区画された開口部160に設けられている。開口部160を区画する柱110及び梁120の内周面には、後施工アンカーである複数のアンカー筋130の一部が埋め込まれている。
アンカー筋130は、直径が6〜10mm程度の全ねじあるいは異形鉄筋から構成されている。図1(a),(b)に示すように、アンカー筋130は、柱110及び梁120の幅方向に2本(2列)配置され、また、開口部160の周方向に沿って所定の間隔で配置されており、その間隔は、後述する増設耐震壁140の壁筋141の配筋間隔と同程度である。アンカー筋130の柱110及び梁120に対する埋込長は、一般的な後施工アンカーと同様、アンカー筋130の直径の8倍以上が確保されている。アンカー筋130は、後施工アンカーの種々の施工方法を採用することができる。しかしながら、本実施形態で説明する直径が10mm以下の後施工アンカーは、材料の手に入れやすさから、孔底に樹脂を注入してアンカー筋130を定着させる、カートリッジ式による施工が好適である。なお、本実施例ではカートリッジ式後施工アンカーを用いたが、このタイプ以外にカプセル型打込み式の後施工アンカー等、各種の後施工アンカーを採用することができることはいうまでもない。
また、本発明の実施形態に係る耐震補強構造体100は、開口部160に配された増設耐震壁140を備えている。増設耐震壁140は鉄筋コンクリート造で、図1(a),(b)に示すように、縦横に所定の間隔で壁筋141が配筋されている。壁筋141は、直径が10〜13mm程度の異形鉄筋であり、アンカー筋130よりもその直径は大きい。柱110及び梁120から突出した部分のアンカー筋130は、増設耐震壁140のコンクリート部に定着している。これにより、柱110及び梁120と増設耐震壁140とが一体化されている。
次に、本発明の第1の実施形態に係る耐震補強構造体100を用いることによる効果について説明する。
上述したように、開口部160を区画する柱110及び梁120の内周面に施工されたアンカー筋130の直径は6〜10mm程度であり、従来の耐震補強構造体に用いられてきたアンカー筋よりも小径のものを用いている。このようなアンカー筋130を施工するために必要なアンカー孔の直径は9〜12mm程度である。この程度の大きさのアンカー孔を穿孔するのには、軽量で低出力の電動ドリルで十分である。そのため、穿孔作業を容易に実施することができる。また、このような電動ドリルは、消費電力が小さく、節電効果に優れている。また、穿孔中にドリルが鉄筋に当たるとそれ以上進まなくなるため、柱110及び梁120の鉄筋を切断することがなく建物の柱110及び梁120への損傷を最小限にすることができる。また、電動ドリルが鉄筋に当たった場合には、その近傍に別の孔を設けることができる。そのため、柱110及び梁120の鉄筋探査の作業を省略することもでき、作業を効率よく実施することが可能となる。
また、上述したように、後施工アンカーは、アンカー筋130の直径の8倍以上の穿孔長さを確保する必要がある。すなわち、施工するアンカー筋130の直径が小さくなるほど、柱110及び梁120にあける孔の穿孔長を短くすることができる。本実施形態で用いるアンカー筋130は径が6〜10mm程度と、従来のものよりも小径としているため、アンカー孔の穿孔長を短くできる。そのため、アンカー孔を穿孔する際に、ドリル孔が柱110及び梁120の鉄筋と干渉しないようにできる。
また、本実施形態に係る耐震補強構造体においては、従来の耐震補強構造体と比べ、小径のアンカー筋130を数多く配置するため、1本当たりのアンカー筋130が伝達する力は、従来の耐震補強構造体におけるアンカー筋よりも小さい。したがって、増設耐震壁140のコンクリートに局所的に作用する応力を低減することができ、増設耐震壁140のコンクリートにおけるひび割れが防止される。そのため、本実施形態に係る耐震補強構造体100においては、図4に示した耐震補強構造体300で用いていたコンクリートの割裂を防止する割裂防止筋350を省略することができ、施工コストを抑制することが可能となる。
次に、図1に示した本実施形態に係る耐震補強構造体100と図4に示した従来の耐震補強構造体300とで用いられるアンカー筋の量及びアンカー孔の穿孔量(体積)について比較する。後施工アンカーの役割は、アンカー筋により引張力とせん断力を伝達することである。したがって、配置するアンカー筋の総断面積が同じであれば、同じ力を伝達することが可能である。ここで、直径が16mmのアンカー筋330を用いた従来の耐震補強構造体300と、直径が6mmあるいは10mmのアンカー筋130を用いた本実施形態に係る耐震補強構造体100とについて、用いられるアンカー筋の量及びアンカー孔の穿孔量について比較する。
直径16mmの異形鉄筋(以下、単にD16と記載する。他の直径の異形鉄筋も同様に記載する)の公称断面積は199mm2である。1本のD16の鉄筋と同じ力を伝達するためには、D10(公称断面積71.3mm2)では2.8本、D6(公称断面積32mm2)では6.2本を用いることで鉄筋の総断面積を同じにすることができる。
また、後施工アンカーは鉄筋径の8倍の長さの定着長を確保する必要がある。したがって、柱及び梁に穿孔するアンカー孔は、D16では128mm、D10では80mm、D6では48mmの穿孔長が必要となる。この穿孔長に異形鉄筋の公称断面積と上述の鉄筋本数とを乗じたものが、D16/本と同等の性能を有するのに必要な柱及び梁の穿孔体積となる。
D16:128× 199×1 =25,472mm3
D10: 80×71.3×2.8=15,971mm3
D6 : 48× 32×6.2= 9,523mm3
これらの結果から、鉄筋径が小さいアンカー筋を用いると、同じ力を伝達するために配置すべきアンカー筋の本数は多くなるものの、柱及び梁に穿孔する穿孔量は少なくなる。穿孔量が少なくなるということは、言い換えれば、穿孔の際に発生する粉塵が抑制され、また、作業時間が短くなるとともに、ドリルによる穿孔作業に起因する騒音の継続時間を短くすることができる。また、ドリルの定格出力が小さくなることで騒音・振動のレベルが低くなることが期待できる。さらに、使用材料の観点からは、アンカー筋の直径を小さくすることにより、アンカー筋の施工本数は増加するが、使用するアンカー筋の総量、充填樹脂の総量が少なくなる。これらから、本実施形態に係る耐震補強構造体100を用いることにより、施工コストを抑えた耐震補強構造体100を実現できるとともに、施工時に周囲への騒音にも配慮することができる。
次に、本実施形態に係る耐震補強構造体の施工方法について説明する。
まず、電動ドリルを用いて、図2(a)に示すように、柱110及び梁120に2列のアンカー孔131を所定の間隔をあけて複数穿孔する。穿孔するアンカー孔131は、使用するアンカー筋130の直径に2、3mmの余裕を持たせた孔とする。例えば、径が6mmのアンカー筋130を使用する場合、穿孔するアンカー孔131の直径を9mm程度とする。また、直径が10mmのアンカー筋130を使用する場合、穿孔するアンカー孔131の直径を12mm程度とする。また、アンカー孔の穿孔長は、上述のように、使用するアンカー筋130の直径の8倍以上とする。柱110及び梁120にアンカー孔131を穿孔した後、孔内に溜まった粉塵をブラシで落とすとともに吸引またはブロワーして孔内を清掃する。
次に、アンカー孔131にアンカー筋130を固着するための樹脂を注入し、アンカー筋130を回転させながらアンカー孔131に挿入する。そして樹脂を硬化させて、図2(b)に示すようにアンカー筋130を柱110及び梁120に定着させる。
続いて、増設耐震壁140の鉄筋を配筋する。そして、型枠を設置して、コンクリートを打設することで、図2(c)に示すように、増設耐震壁140を施工する。この時、柱110及び梁120から突出したアンカー筋130の部分は、増設耐震壁のコンクリートに定着される。以上の施工順により、本実施形態に係る耐震補強構造体100を構築することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る耐震補強構造体及び耐震補強工法を図面を参照して説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る耐震補強構造体を示した図であり、(a)は正面から見た断面図、(b)は図3(a)中の矢視b−bから見た断面図である。上述の第1の実施形態に係る耐震補強構造体100は、鉄筋コンクリート造の増設耐震壁140を柱110及び梁120で区画された開口部160に配置したが、本実施形態に係る耐震補強構造体200では、開口部260に鋼製の枠付きブレース250を配置している点が異なっている。以下、上述の耐震補強構造体と異なる点を中心に説明する。
図3(a),(b)に示すように、本実施形態の第2の実施形態に係る耐震補強構造体200は、既存建物の柱210及び梁220で区画された開口部260に設けられている。開口部260を区画する柱210及び梁220の内周面には、後施工アンカーである複数のアンカー筋230が施工されている。なお、アンカー筋230の直径や配置、柱210及び梁220への定着方法は、上記実施形態と同様である。
また、本発明の実施形態に係る耐震補強構造体は、開口部260に配された枠付ブレース250を備えている。枠付きブレース250は、形鋼等が矩形状に組み立てられた枠体251と、枠体251にガセットプレート253を介して取り付けられ、枠体251の形状を保持するV字状に配されたブレース254とを備えている。ブレース254は、枠体251と同様に型枠等から構成されている。例えば本実施形態では、枠体251は角形鋼管、ブレース254はL形鋼から構成されている。
枠体251の外周面には、複数の異形鉄筋252がスタッド溶接されている。この異形鉄筋252は、柱210及び梁220に後施工されたアンカー筋230と同様、その直径は6〜10mm程度であり、その配置態様もアンカー筋230の配置態様とほぼ同様である。すなわち、図3(b)に示すように、枠体251の幅方向に2本(2列)の異形鉄筋252が溶接されており、また、枠体251の周方向に沿ってアンカー筋230とほぼ同様の間隔で異形鉄筋が溶接されている。
また、図3(a),(b)に示すように、開口部260を区画する柱210及び梁220の内周面と、枠付ブレース250の枠体251の外周面との間には、コンクリートまたはモルタル270が充填されている。柱210及び梁220から突出したアンカー筋230の部分及び枠体251にスタッド溶接された異形鉄筋252は、開口部260を区画する柱210及び梁220の内周面と、枠体251の外周面との間に充填されたコンクリートまたはモルタル270に定着している。
本実施形態に係る耐震補強構造体200においても、上述した第1の実施形態と同様に、柱210及び梁220に施工されたアンカー筋230の直径を6〜10mm程度としている。そのため、第1の実施形態に係る耐震補強構造体100と同様の効果を奏することができる。また、枠体251の外周面にスタッド溶接した異形鉄筋252の直径も6〜10mm程度としている。そのため、充填されたコンクリート270内に過度な応力集中を発生させることがないため、コンクリート270の割裂を抑制することができる。そのため、従来の耐震補強構造体に用いられてきた割裂防止筋350(図4)を省略することができる。
なお、本実施形態に係る耐震補強構造体200の施工方法については、図2(b)で示したアンカー筋130の施工までは、上述の実施形態と同様である。そして、予め工場等で製作した枠付きブレース250を、柱210及び梁220で区画された開口部260に固定し、型枠を配置してコンクリート270を打設する。これにより、本実施形態に係る耐震補強構造体200が構築される。
本発明は上記実施形態に限定されず、様々な変形や改良が可能である。上述の実施形態では、柱及び梁のラーメン架構に、鉄筋コンクリート造の増設耐震壁140や鋼製の枠付ブレース250を配置したが、他の補強構造体を用いる場合にも本発明の効果を享受することが可能である。
また、上述の第2の実施形態で説明した枠体251に取り付けられる部材は必ずしも異形鉄筋252である必要はなく、地震により作用する水平力を枠体251及びブレース材254に伝達可能な金属製の部材であればよく、例えば頭付きスタッド等を溶接してもよい。
100,200,300 耐震補強構造体
110,210,310 柱
120,220,320 梁
125,225,325 スラブ
130,230,330 アンカー筋
131 アンカー孔
140,340 増設耐震壁
141,341 壁筋
250 枠付ブレース
251 枠体
252 異形鉄筋
253 ガセットプレート
254 ブレース
270 コンクリート
350 割裂防止筋

Claims (6)

  1. 既存建物の柱及び梁で区画された開口部に設けられる耐震補強構造体であって、
    前記開口部を区画する前記柱及び前記梁に一部が埋設され、残りの一部が前記柱及び前記梁から突出した複数のアンカー筋と、
    前記開口部に設けられた鉄筋コンクリート造の増設耐震壁と、を備え、
    前記複数のアンカー筋の前記柱及び前記梁からの突出部分は、前記増設耐震壁に定着され、前記複数のアンカー筋の直径を6〜10mmとしたことを特徴とする耐震補強構造体。
  2. 前記アンカー筋の直径は、前記増設耐震壁の鉄筋の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の耐震補強構造体。
  3. 前記増設耐震壁は、前記柱及び前記梁と該増設耐震壁との接合部に沿う割裂防止筋を設けないことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震補強構造体。
  4. 既存建物の柱及び梁で区画された開口部に設けられる耐震補強構造体であって、
    前記開口部を区画する前記柱及び前記梁に一部が埋設され、残りの一部が前記柱及び前記梁から突出した複数のアンカー筋と、
    鋼製の枠体と、前記枠体の形状を保持するブレース材とを有する、前記開口部に設けられた枠付ブレースと、
    前記柱及び前記梁と、前記枠付ブレースとの間に充填されたコンクリートまたはモルタルと、を備え、
    前記複数のアンカー筋の前記柱及び前記梁から突出した部分は、前記コンクリートまたはモルタルに定着しており、
    前記複数のアンカー筋の直径が6〜10mmであることを特徴とする耐震補強構造体。
  5. 既存建物の柱及び梁で区画された開口部において、該柱及び該梁の内周面に複数のアンカー孔を穿孔する工程と、
    前記複数のアンカー孔のそれぞれに、アンカー筋の一部を挿入し固着させる工程と、
    前記開口部に配筋するとともにコンクリートを打設して増設耐震壁を構築する工程と、を備え、
    前記アンカー筋の残りの一部は、前記増設耐震壁の前記コンクリートに定着させ、
    前記アンカー孔に挿入、固着させる前記アンカー筋の直径は、6〜10mmであることを特徴とする耐震補強工法。
  6. 既存建物の柱及び梁で区画された開口部において、該柱及び該梁の内周面に複数のアンカー孔を穿孔する工程と、
    前記複数のアンカー孔のそれぞれに、アンカー筋の一部を挿入し固着させる工程と、
    前記開口部に、鋼製の枠体と、前記枠体の形状を保持するブレース材とを有する枠付ブレースを設置する工程と、
    前記枠付きブレースと、前記開口部を区画する前記柱及び前記梁との隙間にコンクリートまたはモルタルを充填する工程と、を備え、
    前記アンカー筋の残りの一部は、前記コンクリートまたはモルタルに定着させ、
    前記アンカー孔に挿入、固着させる前記アンカー筋の直径は、6〜10mmであることを特徴とする耐震補強工法。
JP2012093772A 2012-04-17 2012-04-17 耐震補強構造体及び耐震補強工法 Active JP6018783B2 (ja)

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