JP2013220936A - 後処理装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置本体から排出された用紙Pの幅方向一端側を排出方向に離れた2つの位置でそれぞれ把持できるように形成された2つの把持部71a、71bと、2つの把持部71a、71bを排出方向に沿った方向に移動させる移動手段と、が設けられている。そして、移動手段による把持部71a、71bの移動によって排出方向の間隔が広げられた状態で2つの把持部71a、71bによって把持された用紙Pに対して、幅方向一端側であって2つの把持部71a、71bの間の位置に、パンチ処理部32によって穿孔処理が施される。
【選択図】図6
Description
このような後処理装置では、画像形成装置本体から排出された用紙に対して、排出方向の先端側(又は、後端側)にパンチ処理部による穿孔処理や、ステイプル処理部によるステイプル処理がおこなわれることになる。
このような問題を解決するために、画像形成装置本体から排出される用紙に対して排出方向に直交する幅方向の一端側にパンチ処理部等を設置して、用紙の幅方向一端側に穿孔処理等の後処理を施すように構成する方策が考えられる。しかし、画像形成装置本体から排出される用紙は、装置本体において定着工程時に受ける熱や搬送時に受ける負荷によって排出方向に波打った状態になってしまうことがあり、そのように排出方向に波打った状態の用紙に対して幅方向一端側にそのまま穿孔処理を施してしまうと、歪なパンチ穴が形成されてしまったりパンチ穴が狙いの位置からずれてしまったりしまうことになる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
また、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム11、帯電部、現像部(現像装置)、クリーニングが一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、画像読取部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、画像読取部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、画像読取部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、像担持体としての中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11表面は、除電部の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部9の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部9に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
詳しくは、用紙Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された用紙Pが、搬送経路K1を経由して、レジストローラ19(タイミングローラ)に導かれる。レジストローラ19に達した用紙Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の用紙Pは、排紙ローラ29等が設置された搬送経路K2を通過して、装置本体1外の排紙部に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。そして、排紙部に排出された用紙Pは、後処理装置30によって穿孔処理(パンチ処理)や綴じ処理(ステイプル処理)が施されることになる。
図2は、後処理装置30における用紙Pの動作を示す概略上面図であって、図1の上方から後処理装置30をみた図である。図3は、図1のX−X断面からみた後処理装置30を示す概略図である。図4は、図3の後処理装置30を示す概略上面図である。図5は、クランプユニット70(2つの把持部からなるクランプ群71、72が2組設けられている。)の動作を示す側面図であって、図3の一部を拡大して示した図である。図6は、2つのクランプ71a、71b(把持部)の動作を示す上面図である。また、図7(A)は波打ち状態にある用紙Pに対してパンチピン32aによる穿孔処理が施される状態を示す概略図であり、図7(B)はそのときに形成されるパンチ穴Aを示す概略図である(いずれも従来の装置の不具合を示すものである。)。
このように、本実施の形態における後処理装置30は、画像形成装置本体1から排出される用紙Pに対して幅方向(排出方向に直交する方向であって、図1の紙面垂直方向である。)の一端側に穿孔処理や綴じ処理を施すためのものである。したがって、長手方向を排出方向として排紙部に排紙される用紙Pの短手方向一端側に穿孔処理や綴じ処理を施すことができる。
図2及び図4を参照して、シフトローラ31(搬送手段)は、入口ローラ63の下流側に設置されていて、排紙部に排出される用紙Pを排出方向に搬送しながら幅方向(排出方向に対して直交する方向であって、図2の上下方向、図3及び図4の左右方向である。)の一端側に向けて移動させるものである。具体的に、シフトローラ31は、回転するローラ対によって用紙Pを挟持・搬送しながら、不図示のシフト移動機構によって幅方向(図3の両矢印方向)にシフト移動できるように構成されていて、排紙部に排出される用紙Pをパンチ処理部32(及び、クランプユニット70)に向けて搬送する。
また、本実施の形態における後処理装置30は、装置本体1から排紙される用紙Pの幅方向一端側に後処理を施すため、装置30の幅方向一端側にパンチ処理部32やステイプル処理部49を設けている。したがって、シフトローラ31より下流側では、用紙Pの搬送方向が画像形成装置本体1における搬送方向に対して直交する方向に切り替えられることになる。
具体的に、シフトローラ31によって、用紙Pの幅方向一端側の所望の位置がパンチ穿孔位置となるように、用紙Pが、パンチ処理部32に向けて幅方向一端側にオフセットされながら搬送される。パンチ処理部32に達した用紙Pは、幅方向一端側がパンチ処理部32に支えられ、幅方向他端側が不図示の補助トレイ部に支えられた状態(図3の状態である。)で、第1フェンス対33によって用紙Pの排出方向両端部(先後端)が整合される。そして、用紙Pは、その幅方向一端側が、第1クランプ群71(又は、第2クランプ群72)に把持された状態で、パンチ処理部32におけるパンチピン32aの位置によって穿孔される。
なお、このときの第1クランプ群71(又は、第2クランプ群72)の動作によって、用紙Pに生じた「波打ち(バウンディング)」が矯正された状態で穿孔処理が施されることになるが、これについては後で図5等を用いて詳しく説明する。
また、第1フェンス対33は、不図示のシフト移動機構によって、用紙Pのサイズに応じてそのフェンス間の距離を可変できるように構成されている。この第1フェンス対33によって、パンチ処理部32で穿孔処理される直前の用紙Pの排出方向の両端部を挟み込んで用紙Pの排出方向の位置が整合されることになる。
その後、図5(C)に示すように、パンチピン32aが上方の退避位置に移動して、穿孔処理がされた用紙Pを把持した状態の第1クランプ群71がガイド73に沿って移動する(ステイプル処理部49に向けての反時計回りの移動である。)。このとき、ステイプル処理部49にあった第2クランプ群72は、用紙Pを把持することなく、第1クランプ群71と入れ替わるようにガイド73に沿って移動する(パンチ処理部32に向けての反時計回りの移動である。)。
そして、図5(D)に示すように、ガイド73に沿って移動した第1クランプ群71は、把持している用紙Pの幅方向一端側が突当部41に突き当たって位置決めされると、用紙Pの把持状態を解除して、ステイプル処理部49の位置に待機する。こうして、ステイプル処理部49に搬送された用紙Pは、突当部41に突き当たって位置決めされた状態で、トレイ部38上に積載された他の用紙Pの上に載置されることになる。他方、第2クランプ群72は、パンチ処理部32の位置に達して、その位置に搬送される用紙Pに対する穿孔処理工程に備えることになる。
その後は、第2クランプ群72が上述した第1クランプ群71のように動作し、第1クランプ群71が上述した第2クランプ群72のように動作することになる。そして、このような第1クランプ群71と第2クランプ群72との循環動作が必要な回数だけ繰り返されて、トレイ部38上に所望の枚数の用紙P(用紙束)が積載されると、それらの用紙束に対してステイプラ50による綴じ処理がおこなわれることになる。
なお、ステイプラ50(ステイプル処理部49)は、公知のものを用いることができ、クリンチ部とドライバ部とで構成されている。
詳しくは、揺動機構39は、不図示の移動機構によって図3の上下方向と左右方向とにそれぞれ移動可能に構成されたアームの先端部に、揺動ローラ39a(コロ)が正逆方向に回転駆動できるように設置されている。このように構成された揺動機構39は、揺動ローラ39aが排紙ローラ59とともに用紙Pを挟持する位置に移動して、挟持した用紙Pをトレイ部38上で図3の左方向(幅方向他端側)に向けて搬送することもできるし、揺動ローラ39aが幅方向一端側に移動するようにアームを移動させて、トレイ部38との間で挟持した用紙Pを幅方向一端側に向けて移動させることもできる。
そして、上述した循環移動機構によってトレイ部38上に載置された用紙Pは、上述した揺動機構39の動作によって、ステイプラ50に対する幅方向の位置が精度良く定められることになる。
トレイ部38に積載された用紙Pは、幅方向一端側が突当部41に突き当たった状態で、第2フェンス対40による用紙Pの排出方向の整合処理がおこなわれる。そして、このような処理が複数枚の用紙Pに対しておこなわれて、トレイ部38上に幅方向及び排出方向が整合された状態の複数の用紙P(ステイプル処理をおこなう用紙束である。)が積載された状態になる。そして、不図示の移動機構によって上下方向に移動可能に構成された押圧部材が、綴じ処理が開始される直前に、複数の用紙P(用紙束)の幅方向一端側を押圧して固定する。そして、押圧部材によって固定された状態の用紙束に対して、ステイプラ50におけるクランチ部が下降してドライバ部との間に挟みこむようにしてステイプル処理がおこなわれることになる。
なお、ステイプル処理部49は、用紙Pに対する綴じ位置を可変できるように、不図示の移動機構によって、図4の上下方向に移動可能に構成されている。
ここで、積載トレイ部52に向けて用紙束が排紙されるときに、ソレノイド54がオン状態になり用紙押え53が解除され、さらに昇降トレイ部52aが一定量下降される。そして、用紙束の後端が排紙ローラ59の位置を通過するタイミングで、ソレノイド54をオフ状態にして用紙押え53による用紙束の押さえをおこなう。さらに同じタイミングで、揺動機構39を上昇させて、次の用紙Pの受入れに備える。
こうして、積載トレイ部52上には、揃え品質(スタック性)が安定した用紙束(綴じ処理された複数の用紙P)が積載されることになる。
なお、図示は省略するが、用紙押え53には、積載トレイ部52上に積載された用紙Pを検知する紙面センサが配置されている。そして、用紙押え53が用紙Pを押えている状態で紙面センサがオフ状態であるときに昇降トレイ部52aを紙面センサがオン状態になるまで上昇させて、紙面センサがオン状態であれば一旦紙面センサがオフ状態になるまで昇降トレイ部52aを下降させて、再度オン状態になるまで昇降トレイ部52aを上昇させることによって、用紙Pが積載された積載トレイ部52の高さを一定に保っている。
詳しくは、この移動手段は、画像形成装置本体1から排出された用紙Pの幅方向一端側を2つのクランプ71a、71b(把持部)で把持した状態で、2つのクランプ71a、71bを互いに排出方向に沿った方向(図6(C)の黒矢印方向である。)に離間するように移動させるものである。具体的に、第1クランプ71aは図6の右方に移動して、第2クランプ71bは図6の左方に移動する。また、図示は省略するが、この移動手段(移動機構)は、2つのクランプ71a、71bにそれぞれ一体的に形成されたラックギア(排出方向に延在するように形成されている。)や、それらのラックギアに噛合するピニオンギアや、制御部の制御によってピニオンギアを回転駆動するステッピングモータ、等で構成されている。
2つのクランプ71a、71b(把持部)は、先に図5等を用いて説明したように、画像形成装置本体1から排出される用紙Pの幅方向(排出方向に対して直交する方向であって、図6の上下方向である。)の一端側に設置されていて、画像形成装置本体1から排出された用紙Pの幅方向一端側を排出方向に離れた2つの位置でそれぞれ把持できるように形成されている。
これにより、装置本体1において定着工程時に受ける熱や搬送時に受ける負荷によって装置本体1から排出された用紙Pが排出方向に波打った状態であっても、その状態の用紙Pが2つのクランプ71a、71bによって把持された状態で2つのクランプ71a、71bが互い離間する方向に移動することによって、2つのクランプ71a、71bに挟まれた用紙Pの部分が引っ張られて波打ちが矯正(補正)されて平面(又は平面に近い状態)になる。そして、その状態でパンチ処理部32による穿孔処理が施されるため、歪なパンチ穴Aが形成されてしまったりパンチ穴Aが狙いの位置からずれてしまったりしまう不具合が防止されることになる。
これに対して、本実施の形態では、波打ちが生じた用紙Pを2つのクランプ71a、71bの移動によって平面状に矯正した状態で、パンチピン32aを降下させて穿孔処理を施すので、そのような不具合を確実に軽減することができる。
なお、ここでは、第1クランプ群72がパンチ処理部32に位置したときの第1クランプ群71における2つのクランプ71a、71bの動作について説明するが、第2クランプ群72がパンチ処理部32に位置したときの2つのクランプ72a、72bの動作も同様であるため、その説明を省略する。
そして、図6(B)に示すように、不図示のシフト移動機構によって、2つのクランプ71a、71bを用紙Pに突き当てるように白矢印方向に移動させるとともに、2つのクランプ71a、71bによって用紙Pの幅方向一端側を把持する。このときの2つのクランプ71a、71bの間隔(図の左右方向の間隔である。)は、基準値に設定されている。
その後、図6(C)に示すように、2つのクランプ71a、71bが用紙Pを把持した状態のまま互いに黒矢印方向に所定距離Mだけ移動する。これにより、用紙Pは波打ちが矯正された状態になる。
ここで、クランプ71a、71bが用紙Pを把持する把持力(保持力)は、用紙Pの反発力よりも小さくなるように設定されている。これにより、クランプ71a、71bが、用紙Pの波打ちが充分に矯正される距離よりも大きな距離移動してしまっても、クランプ71a、71bと用紙Pとの間でスリップが生じることになるため、用紙Pに破断が生じるのを防止することができる。用紙Pに接触するクランプ71a、71bの部分の材質や形状は、こうしたクランプ71a、71bの機能を満足するものを選定することが好ましい。
その後、図6(D)に示すように、シフトローラ31による用紙Pの挟持状態が解除され、さらに波打ちが矯正された状態で用紙Pを把持した2つのクランプ71a、71bがパンチ処理部32の位置に向けて白矢印方向に移動して、用紙Pの幅方向一端側にパンチ処理部32による穿孔処理が施される。
なお、シフトローラ31は、不図示の接離機構によって上下に設けられたローラが相対的に接離されることで、用紙Pに対する挟持状態とその解除とが切り替えられるように構成されている。
具体的に、紙厚の薄い用紙P(例えば、連量が55K以下の薄紙である。)が搬送される場合には、通常の紙厚の用紙P(例えば、連量が55〜90Kの普通紙である。)が搬送される場合に比べて、クランプ71a、71bの移動量Mを大きく設定する。また、紙厚の厚い用紙P(例えば、連量が90K以上の厚紙である。)が搬送される場合には、通常の紙厚の用紙P(例えば、連量が55〜90Kの普通紙である。)が搬送される場合に比べて、クランプ71a、71bの移動量Mを小さく設定する。
これは、用紙Pの厚さが小さい場合には波打ちが生じやすく(波打ちの程度が大きく)、用紙Pの厚さが大きい場合には波打ちが生じにくい(波打ちの程度が小さい)ためである。このような制御をおこなうことで、波打ちによる不具合の生じない穿孔処理を効率的におこなうことができる。
なお、用紙Pの厚さを検知する検知手段としては、装置本体1又は後処理装置30における用紙搬送経路に紙厚センサを設置してその紙厚センサで直接的に検知した情報に基くように構成したものであってもよいし、装置本体1又は後処理装置30に設置された操作パネルにユーザーによって入力された用紙Pの情報に基いて間接的に検知するように構成したものであってもよい。
これに対して、図8を参照して、画像形成装置本体1から排出された用紙Pの幅方向一端側を2つのクランプ71a、71bで把持した状態で、2つのクランプ71a、71bのうち排出方向先端側に位置する第1クランプ71a(一方の把持部)のみを第2クランプ71b(他方の把持部)から排出方向に沿った方向に離間するように移動させるように、移動手段(移動機構)を構成することもできる。
図8(A)〜(D)は、それぞれ、図6(A)〜(D)に対応するものであって、ここでは図8(C)に示した動作が図6のものと大きく異なることになる。詳しくは、図6(A)、(B)と同様の動作が図8(A)、(B)でおこなわれた後に、図8(C)に示すように、2つのクランプ71a、71bで用紙Pを把持した状態で、第1クランプ71aが黒矢印方向に所定距離Mだけ移動する(第2クランプ71bは移動しない)。これにより、用紙Pは波打ちが矯正された状態になる。その後、図6(D)と同様の動作が図8(D)でおこなわれて穿孔処理が終了する。
ここで、第1クランプ71aの用紙Pに対する把持力が、第2クランプ71bの用紙Pに対する把持力に比べて、小さくなるように設定することが好ましい。これにより、第1クランプ71aが、用紙Pの波打ちが充分に矯正される距離よりも大きな距離移動してしまっても、第1クランプ71aと用紙Pとの間でスリップが生じることになるため、第2クランプ71bの位置を基準としつつ、用紙Pに破断が生じるのを防止することができる。用紙Pに接触するクランプ71a、71bの部分の材質や形状は、こうしたクランプ71a、71bの機能を満足するものを選定することが好ましい。
図9(A)〜(D)は、それぞれ、図6(A)〜(D)に対応するものであって、ここでは図9(B)、(C)に示した動作が図6のものと大きく異なることになる。詳しくは、図6(A)と同様の動作が図9(A)でおこなわれた後に、図9(B)に示すように、2つのクランプ71a、71bが用紙Pに向けて移動するが、図6(B)の動作とは異なり、第1クランプ71aのみが用紙Pを把持した状態になる(第2クランプ71bは用紙Pを把持しない)。このとき、用紙Pはシフトローラ31と第1クランプ71aとによって把持された状態になっている。そして、図9(C)に示すように、シフトローラ31と第1クランプ71aとで用紙Pを把持した状態で、第1クランプ71aが黒矢印方向に所定距離Mだけ移動する。これにより、用紙Pは波打ちが矯正された状態になる。その後、第2クランプ71bによる用紙Pの把持をおこない、図9(D)に示すように、波打ちが矯正された用紙Pを把持した2つのクランプ71a、71bが白矢印方向に移動してパンチ処理部32による穿孔処理がおこなわれる。なお、図9(D)の動作前に、シフトローラ31による用紙Pの挟持(把持)が解除される。
このような制御をおこなう場合には、図9(C)を参照して、シフトローラ31の位置を基準として、第1クランプ71aが距離N1から距離N2だけ移動することになり、用紙Pの後端からパンチ穴までの距離が狙いの位置に対してズレにくくなる。
4 画像読取部、
30 後処理装置、
31 シフトローラ(搬送手段)、
32 パンチ処理部、
32a パンチピン、
33 第1フェンス対、
38 トレイ部、
39 揺動機構、
39a 揺動ローラ、
40 第2フェンス対(ジョガーフェンス)、
41 突当部、
49 ステイプル処理部、
50 ステイプラ、
52 積載トレイ部、
52a 昇降トレイ部、
70 クランプユニット、
71 第1クランプ群、
72 第2クランプ群、
71a、72a 第1クランプ(一方の把持部)、
71b、72b 第2クランプ(他方の把持部)、
73 ガイド(循環移動機構)、
P 用紙(記録媒体)。
Claims (9)
- 画像形成装置本体から排出された用紙に後処理を施す後処理装置であって、
前記画像形成装置本体から排出される用紙の排出方向に対して直交する幅方向の一端側に設置されるとともに、前記画像形成装置本体から排出された用紙の幅方向一端側を排出方向に離れた2つの位置でそれぞれ把持できるように形成された2つの把持部と、
排出方向に離れた位置で把持された状態の用紙に対してその把持された排出方向の間隔を広げるように、前記2つの把持部のうち少なくとも一方の把持部を、排出方向に沿った方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記把持部の移動によって前記排出方向の間隔が広げられた状態で前記2つの把持部によって把持された用紙に対して、幅方向一端側であって前記2つの把持部の間の位置に穿孔処理を施すパンチ処理部と、
を備えたことを特徴とする後処理装置。 - 前記移動手段は、前記画像形成装置本体から排出された用紙の幅方向一端側を前記2つの把持部で把持した状態で、前記2つの把持部を互いに排出方向に沿った方向に離間するように移動させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
- 前記移動手段は、前記画像形成装置本体から排出された用紙の幅方向一端側を前記2つの把持部で把持した状態で、前記2つの把持部のうち排出方向先端側に位置する一方の把持部のみを他方の把持部から排出方向に沿った方向に離間するように移動させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
- 前記一方の把持部は、用紙に対する把持力が、前記他方の把持部の用紙に対する把持力に比べて小さくなるように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の後処理装置。
- 前記画像形成装置本体から排出された用紙を挟持して排出方向に搬送しながら幅方向一端側に向けて移動させるとともに、用紙の挟持を解除できるように形成されたシフトローラを備え、
前記移動手段は、前記画像形成装置本体から排出された用紙の幅方向一端側を、前記シフトローラと、前記2つの把持部のうち排出方向先端側に位置する一方の把持部と、で把持した状態で、前記一方の把持部を前記シフトローラから排出方向に沿った方向に離間するように移動させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。 - 用紙の厚さを直接的又は間接的に検知する検知手段を備え、
前記移動手段は、前記検知手段の検知結果に基いて前記把持部の移動量を可変することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の後処理装置。 - 前記パンチ処理部の下方の位置に、複数の用紙に綴じ処理を施すステイプル処理部を備え、
複数組の前記2つの把持部を、前記パンチ処理部と前記ステイプル処理部との間で循環して移動させる循環移動機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の後処理装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の後処理装置が前記画像形成装置本体の排紙部に設置されたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記排紙部の上方の位置に前記後処理装置を挟むように、画像情報を読み取る画像読取部が設置されたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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