JP2013220720A - ゴムクローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の車輪に巻き掛けられる無端状のゴムベルト12と、ゴムベルト12にクローラ周方向に間をあけて複数設けられ、ゴムベルト12の内周側に突出し、車輪と当接して該車輪のクローラ幅方向への移動を制限するゴム突起14と、ゴムベルト12の内周面の一部を構成し、互いに隣り合うゴム突起14間に配置され、ゴム突起14よりも低硬度のゴムにより形成された低硬度ゴム部24と、をゴムクローラ10が有すること。
【選択図】図3
Description
ここで、特許文献1のゴムクローラでは、駆動輪からの駆動力の入力を考慮してゴム突起の硬度を高くしていることから、ゴム突起間に対応する部位の内周面ゴムの硬度も高くなっている。このため、逆曲げの状態(曲げ角度)によっては、ゴム突起間に対応する部位の内周面ゴムに過度な引張応力(曲げ応力)が作用する虞がある。
このため、上記ゴムクローラが、例えば、逆曲げ状態となって、ゴム体のゴム突起間に対応する部位のゴム体内周側に引張応力(曲げ応力)が作用しても、ゴム突起よりも硬度の低い上記内周面を形成するゴムが弾性変形する(伸びる)ため、この内周面を形成するゴムに過度な応力(引張応力)が作用するのを抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るゴムクローラについて図1〜図6を用いて説明する。
なお、駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104は、それぞれ本発明の車輪の一例である。
また、本実施形態では、駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104に巻き掛けて環状となったゴムクローラ10の内周側(図5、図6の矢印IN方向側)を「クローラ内周側」と記載し、上記ゴムクローラ10の外周側(図5、図6の矢印OUT方向側)を「クローラ外周側」と記載する。なお、図5、図6の矢印IN方向(環状の内側方向)、矢印OUT方向(環状の外側方向)は、巻き掛け状態のゴムクローラ10の内外方向を示している。
また、本実施形態では、ゴムクローラ10を駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、駆動輪100、遊動輪102、及び複数の転輪104の配置によっては、駆動輪100及び遊動輪102に加えて、一つまたは複数の転輪104にゴムクローラ10が巻き掛かる構成としてもよい。
なお、本明細書中に記載されている「硬度」は、JIS K6253(タイプAデュロメーター)で規定される硬度である。
なお、本実施形態では、引っ張り強度に優れるスチールコードを上記メインコードとして用いているが、本発明はこの構成に限定されず、十分な引張り強度を有していれば、有機繊維(例えば、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維など)で構成した有機繊維コードをメインコードとして用いてもよい。
なお、本実施形態では、低硬度ゴム部24よりも外側ゴム部26の硬度を低くする構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、低硬度ゴム部24と外側ゴム部26とが同じ硬度、または、低硬度ゴム部24よりも外側ゴム部26の硬度が高い構成としてもよい。また、低硬度ゴム部24を形成するゴムと外側ゴム部26を形成するゴムを同じ硬度にしつつ、求められる性能に応じてゴム質を異ならせてもよいことはもちろんである。
また、本実施形態では、外側ゴム部26上に車輪転動面16を形成している。
ノボラック型フェノール樹脂の具体例としては、ストレート型フェノール、アルキル置換フェノール及びオイル変性フェノール等が挙げられる。
また、ノボラック型フェノール樹脂の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、5〜20質量部に設定することが好ましい。配合量が20質量部を超えると、ゴムの剛性が高くなりすぎて、柔軟性に乏しいものとなるため、耐疲労性の悪化を招くおそれがあり、5質量部未満になると十分な剛性向上効果が得られないおそれがある。
硬化剤の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、5〜20質量部に設定することが好ましい。配合量が20質量部を超えると、耐疲労性が低下するおそれがあり、5質量部未満になると硬化が十分に進行せず、必要とされる剛性を達成できないおそれがある。
ゴムクローラ10では、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間に対応する部位の内周面をゴム突起14よりも低硬度のゴム(低硬度ゴム部24)で形成していることから、ゴム突起14間に対応する部位が曲げ変形(弾性変形)しやすい。
このため、ゴムクローラ10が、例えば、地面上の石や突起物を踏んで逆曲げ状態となってゴムベルト12のゴム突起14間に対応する部位のメインコード層20よりもクローラ内周側に引張応力(曲げ応力)が作用しても、ゴム突起14よりも硬度の低い上記内周面を形成する低硬度のゴム(低硬度ゴム部24)が弾性変形する(伸びる)ため、この内周面を形成するゴムに過度な引張応力が作用するのを抑制することができる。
なお、ここでいう、「逆曲げ」とは、ゴムクローラ10が駆動輪100や遊動輪102に巻き掛かったときの曲げ方向に対して逆方向の曲げを指している。
このようにゴムクローラ10の巻き掛け抵抗が低減されると、クローラ車側のエネルギーロスが減少し、燃費が向上する。また、駆動輪100のピン部とゴムクローラ10のゴム突起14との係合性(噛み合い)が向上する。
次に、本発明に係る第2実施形態のゴムクローラについて図7を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
なお、低硬度ゴム部34は、第1実施形態の低硬度ゴム部24と同じゴムによって形成され、外側ゴム部36は、第1実施形態の外側ゴム部26と同じゴムによって形成されている。
なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果については、その説明を適宜省略する。
次に、本発明に係る第3実施形態のゴムクローラについて図8を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果については、その説明を適宜省略する。
本発明の効果を確かめるために、本発明に含まれる実施例のゴムクローラと、本発明に含まれない比較例のゴムクローラとを以下のように試験した。試験には、同じサイズの供試クローラを用いた。
・実施例:第1実施形態と同じ構造のゴムクローラである。
・比較例:第1実施形態のゴムクローラと同じ構造であるが、ゴム突起を形成するゴムと、ゴム突起間を形成するゴムとが同じ硬度であり、且つゴム突起間を形成するゴムにノボラック型フェノール樹脂及びヘキサメチレンテトラミンが含有されていない。
供試ゴムクローラを実験装置の駆動輪及び従動輪に巻き掛け、所定の張力を付与し、駆動輪と従動輪との間の部分に従動回転するローラを押し付けて逆曲げを再現した状態でゴム突起間のゴムに亀裂が生じるまで、供試ゴムクローラを駆動輪及び従動輪の間で循環させた。試験結果については、表1に示す。なお、表1中の亀裂発生までの走行距離(回転数)については、比較例を100とした指数表示とし、数値が大きいほど良好な結果を表す。また、表1中のノボラック型フェノール樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対する値であり、ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対する値である。
12、32、42 ゴムベルト(無端状のゴム体)
14 ゴム突起(突起)
24、34、44 低硬度ゴム部
26、36、46 外側ゴム部
100 駆動輪(車輪)
102 遊動輪(車輪)
104 転輪(車輪)
CL 中央線
S クローラ周方向(ゴム体周方向)
W クローラ幅方向(ゴム体幅方向)
IN クローラ内周側(ゴム体の内周側)
OUT クローラ外周側(ゴム体の外周側)
Claims (5)
- 複数の車輪に巻き掛けられる無端状のゴム体と、
前記ゴム体に該ゴム体周方向に間をあけて複数設けられ、前記ゴム体の内周側に突出し、前記車輪と当接して該車輪の前記ゴム体幅方向への移動を制限するゴム突起と、
前記ゴム体の内周面の一部を構成し、互いに隣り合う前記ゴム突起間に配置され、前記ゴム突起よりも低硬度のゴムにより形成された低硬度ゴム部と、
を有するゴムクローラ。 - 前記低硬度ゴム部は、前記ゴム体周方向に連続して延び、
前記ゴム突起は、前記低硬度ゴム部上に設けられている請求項1に記載のゴムクローラ。 - 前記ゴム体は、前記低硬度ゴム部の前記ゴム体幅方向外側の部位が前記低硬度ゴム部よりも低硬度のゴムにより形成されている、請求項1または請求項2に記載のゴムクローラ。
- 前記低硬度ゴム部を形成するゴムには、ノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤が含有されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤は、ヘキサメチレンテトラミンである、請求項4に記載のゴムクローラ。
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