JP2013217449A - 転がり案内装置 - Google Patents

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Takuya Horie
拓也 堀江
Koshin Wada
光真 和田
Ayako Miyajima
綾子 宮島
Shinya Saito
慎也 斎藤
Teruaki Ooka
輝明 大岡
Marie Horikawa
真理恵 堀川
Hiroyuki Kimura
裕之 木村
Takeshi Shimamura
武志 島村
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Abstract

【課題】
無負荷通路内に隙間なく転動体を配列している場合であっても、転動体が大きな摩擦抵抗を受けて当該通路内における詰まり現象を発生させることがなく、転動体の円滑な循環を確保し、もって軌道部材に対する移動部材の円滑な運動を達成することが可能な転がり案内装置を提供する。
【解決手段】
軌道部材と、多数の転動体を介して前記軌道部材に組み付けられると共に、前記転動体の戻し通路及び方向転換路を含んだ無限循環路を有する移動部材とを備え、前記移動部材は前記戻し通路及び前記方向転換路を有する無負荷通路部材を含み、前記無負荷通路部材の内部には前記転動体からの押圧によって変形する弾性変形領域が前記戻し通路及び/又は前記方向転換路の内壁の一部をなすと共にその長手方向に沿って設けられている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ボールやローラといった多数の転動体を介して移動部材と軌道部材とが移動自在に組付けられた転がり案内装置に係り、特に、前記移動部材が転動体の無限循環路を備えた転がり案内装置に関する。
この種の転がり案内装置は、機械装置の固定部に敷設される軌道部材と、転動体としての多数の転動体を介して前記軌道部材に組み付けられる移動部材とから構成されている。前記軌道部材はその長手方向に沿って転動体の転走面を有する一方、前記移動部材は転動体の無限循環路を有しており、軌道部材を転走した転動体が移動部材の無限循環路内を循環することにより、前記移動部材が軌道部材に沿って移動できるように構成されている。また、無限循環路内で前後する転動体同士の相互摩擦を低減するため、転動体と摺接する凹面座を備えた樹脂性のスペーサが無限循環路内に転動体と交互に配列された構成も知られている。
前記移動部材に備えられた転動体の無限循環路は、前記転動体が軌道部材と移動部材との間で荷重を負荷しながら転走する負荷通路と、この負荷通路と平行に設けられた転動体の戻し通路と、前記負荷通路と前記戻し通路の端部同士を連結する一対の方向転換路とから構成されており、各方向転換路は転動体の転走方向を180°変更するために略半円状に形成されている。また、前記戻し通路及び前記方向転換路は転動体が荷重から解放された状態で転走する無負荷通路として構成されており、これら通路の幅は転動体の直径よりも大きく形成されている。
このため、軌道部材に沿って移動部材が移動すると、前記負荷通路内の転動体は当該負荷通路内を自転しながら移動するが、かかる転動体は負荷通路から方向転換路に排出されると、自ら自転して移動することはなく、負荷通路から続けて排出される後続の転動体に押されながら方向転換路及び戻し通路の内部を進行することになる。すなわち、前記戻し通路とその両端に位置する一対の方向転換路から構成される無負荷通路内において、転動体は循環方向に沿って隙間なく配列された状態にある。
このとき、負荷通路から無負荷通路への転動体の排出と、無負荷通路から負荷通路への転動体の進入は完全には同期していないので、無負荷通路内における転動体列の長さは微小変化を周期的に繰り返している。転動体の間に前記スペーサを配列している場合には、かかるスペーサが弾性変形することで、この周期的な長さ変化を吸収することが可能であるが、スペーサを使用せず、無負荷通路内に隙間なく転動体を配列している場合には、転動体が大きな摩擦抵抗を受けて当該通路内における詰まり現象を発生させ、転動体の円滑な循環が阻害される懸念があった。
特開平9−72335号公報に開示される転がり案内装置では、前述の無負荷通路内における転動体の詰まり現象を回避するため、前記移動部材に形成した貫通孔にパイプ体を挿入して戻し通路を構成している。具体的には、前記パイプ体の外周面と前記貫通孔の内周面との間に当該パイプ体の弾性変形を許容する隙間を設ける一方、前記パイプ体には転動体の転走方向に沿って延びるスリットを形成し、前述の詰まり現象が発生しそうになると、パイプ体そのものが弾性変形して戻し通路が部分的に拡張され、転動体に作用する摩擦抵抗が減じられるようになっている。
特開平9−72335号公報
しかし、前述の転がり案内装置では、転動体の戻し通路が前記パイプ体に形成されたスリットを介して外部に開放されてしまうことから、前記戻し通路に対して外部から異物が侵入するおそれがあり、かかる異物によって転動体そのものや、前記軌道部材又は移動部材に形成された当該転動体の転走面を傷つけてしまう懸念があった。
また、転動体に作用する摩擦抵抗が高まってきた際に、前記パイプ体の外周面と前記貫通孔の内周面との隙間以上に当該パイプ体が変形してしまう可能性があり、ローラが貫通穴の内周面に強く押し付けられ、当該転動体又はパイプ体が傷ついてしまうおそれがあった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、無負荷通路内に隙間なく転動体を配列している場合であっても、転動体が大きな摩擦抵抗を受けて当該通路内における詰まり現象を発生させることがなく、転動体の円滑な循環を確保し、もって軌道部材に対する移動部材の円滑な運動を達成することが可能な転がり案内装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、軌道部材と、多数の転動体を介して前記軌道部材に組み付けられると共に、前記転動体の戻し通路及び方向転換路を含んだ無限循環路を有する移動部材とを備えた転がり案内装置であり、前記移動部材が前記戻し通路及び前記方向転換路を有する無負荷通路部材を含んでいる。そして、前記無負荷通路部材の内部には前記転動体からの押圧によって変形する弾性変形領域が前記戻し通路及び/又は前記方向転換路の内壁の一部をなすと共にその長手方向に沿って設けられている。
前記移動部材の一部をなす無負荷通路部材には弾性変形領域が設けられており、この弾性変形領域は転動体の戻し通路及び/又は方向転換路の内壁の一部をなすと共にその長手方向に沿って設けられているので、当該無負荷通路部材に具備された前記戻し通路又は方向転換路で転動体同士の摩擦抵抗が高まってくると、転動体が前記弾性変形領域を押圧することで転動体の循環路が部分的に拡張される。これにより、転動体に作用する摩擦抵抗が減じられて、当該転動体の詰まり現象の発生が防止される。
また、前記弾性変形領域は無負荷通路部材の内部に設けられており、当該無負荷通路部材に設けられた転動体の戻し通路及び方向転換路は外部に開放されていないので、転動体の無限循環路に対して外部から異物が侵入することはなく、また、無負荷状態で循環する転動体を前記無負荷通路部材によって確実に保護することができるので、かかる転動体の円滑な循環、ひいては軌道部材に対する移動部材の円滑な運動を達成することが可能となる。
本発明が適用される転がり案内装置の実施形態の一例を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 実施形態に係る転がり案内装置の本体部材を示す斜視図である。 実施形態に係る転がり案内装置の無負荷通路部材を示す斜視図である。 図4に示す無負荷通路部材を別の角度から観察した斜視図である。 本体部材に対して無負荷通路部材を装着した状態を示す斜視図である。 実施形態に係る転がり案内装置の蓋体を示す斜視図である。 図5のVIII−VIII線断面図である。 図8のIX−IX線断面図である。 戻し通路パイプ内における弾性変形領域の作用を説明する概略図である。 弾性変形領域の第二実施形態を示す図である。 弾性変形領域の第三実施形態を示す断面図である。 図12のXIII−XIII線断面図である。
以下、添付図面を用いながら本発明の転がり案内装置を詳細に説明する。
図1及び図2は本発明を適用した転がり案内装置の実施形態の一例を示すものである。この転がり案内装置は、長手方向に沿って転動体としてのローラ1の転走面20が形成された軌道部材2と、多数のローラ1を介して前記軌道部材2に組み付けられると共に前記ローラ1の無限循環路を内蔵した移動部材3とから構成されている。前記ローラ1が前記無限循環路内を循環しながら軌道部材2の転走面20を転走することで、前記移動部材3が当該軌道部材2の長手方向に沿って自在に移動することが可能となっている。尚、本発明の転がり案内装置は前記転動体としてボールを使用することも可能である。
前記軌道部材2は断面長方形状に形成されており、その両側面には前記ローラ1の転走面20が2条ずつ形成されており、軌道部材2全体では4条の転走面20が形成されている。また、かかる軌道部材2には長手方向に沿って所定の間隔で固定ボルトの取付け孔22が形成されており、当該軌道部材2を機械装置などに敷設する際に利用される。尚、前記軌道部材2に対する転走面20の配置、傾斜角度及びその条数は、前記移動部材3に必要とされる負荷能力に応じて適宜変更して差し支えない。
一方、前記移動部材3は、前記軌道部材2の一部を収容する案内溝を有する本体部材4と、この本体部材4の移動方向の前後に装着される一対の蓋体5と、前記本体部材4に装着されると共に前記蓋体5によって外部から覆われた無負荷通路部材6とを備えている。尚、前記無負荷通路部材6の詳細については後述する。
前記本体部材4は、機械装置などの取付け面41が形成された水平部4a、及びこの水平部4aと直交する一対の脚部4bを備え、軌道部材2に対してこれに跨がるようにして配置されている。前記水平部4aには前記取付け面41が形成される一方、各脚部4bの内側には前記ローラ1が転走する負荷転走面42が2条ずつ形成されている。前記軌道部材2の転走面20と前記本体部材4の負荷転走面42は互いに対向し、ローラ1が本体部材4と軌道部材2との間で荷重を負荷しながら転走する負荷通路43を構成する。各脚部4bには各負荷転走面42に対応したローラ1の戻し通路44が前記負荷通路43と平行に形成されている。この戻し通路44は前記無負荷通路部材6に具備されており、前記本体部材4に形成した貫通孔45に対して前記無負荷通路部材6の一部を挿入することで、かかる本体部材4に対して戻し通路44が具備されるようになっている。
また、前記無負荷通路部材6は前記蓋体5と相まって前記負荷通路43と戻し通路44とを接続する方向転換路60を構成している。前述した各負荷通路43の両端とこれに対応する戻し通路44の両端を一対の方向転換路60が接続することにより、前記移動部材3の内部にローラ1の無限循環路が構築されている。図2中に破線で示すように、各負荷通路43は前記方向転換路60によって斜め下方又は斜め上方に位置する戻し通路44と接続されており、前記本体部材4の各脚部4bに構築された2回路の無限循環路では前記方向転換路60が互いに交差している。
図3は前記移動部材3から前記蓋体5及び前記無負荷通路部材6を取り外した状態を示す図であり、前記本体部材4を前記水平部4aで半分に切断し、一方の脚部4bのみを示している。この図から把握されるように、前記本体部材4の脚部4bの内側面には上側負荷転走面42a及び下側負荷転走面42bが形成されている。また、前記脚部4bには、前記上側負荷転走面42aに対応する下側貫通孔45b、及び前記下側負荷転走面42bに対応した上側貫通孔45aが形成されており、これら上側貫通孔45a及び下側貫通孔45bに対しては前記無負荷通路部材6の一部が挿入されて、前記戻し通路44が構築されるようになっている。
また、前記蓋体5が装着される前記本体部材4の端面には、前記蓋体5を貫通する固定ボルトを締結するための雌ねじ孔46が形成されている。また、前記脚部4bの内側面には前記上側負荷転走面42aと下側負荷転走面42bの中間の位置に断面V字状の係止溝48が設けられており、前記負荷通路43において前記転動体1を案内する中央保持部材9(図2参照)が前記係止溝48を利用して前記上側負荷転走面42a及び下側負荷転走面42bに対して位置決めされるようになっている。
図4及び図5は前記無負荷通路部材6を示す斜視図である。この無負荷通路部材6は前記本体部材4の貫通孔45a又は45bに挿入されると共に内部に前記戻し通路44が形成された戻し通路パイプ7と、前記方向転換路60を構築する方向転換パイプ8とから構成され、これら戻し通路パイプ7及び方向転換パイプ8が合成樹脂の射出成形で一体化されている。前記戻し通路パイプ7の全長は前記本体部材4に形成された貫通穴45a,45bの長さよりも僅かに長く形成されている。尚、前記戻し通路パイプ7及び方向転換パイプ8は必ずしも一体である必要はなく、別々に形成した後、前記本体部材4への装着時に組み立てるようにしても差し支えない。
前記方向転換パイプ8はその内部に略U字状に湾曲した内側方向転換路60−1を内蔵しており、この内側方向転換路60−1は前記戻し通路パイプ7に形成された戻し通路44と連続している。また、図4に示されるように、前記方向転換パイプ8の外側面には外側方向転換路60−2の内周側案内面60aがアーチ状に形成されている。この外側方向転換路60−2は前記内側方向転換路60−1と交差する方向へローラ1を導くように設けられており、前記内周側案内面60aは前記方向転換パイプ8の外壁部を跨ぐように、当該内側方向転換路60−1と交差している。更に、図5に示されるように、前記方向転換パイプ8の内側面には他の無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7の先端面が当接する突き当て凹部64が形成されており、前記内周側案内面60aの一端はこの突き当て凹部64に開放されている。
この無負荷通路部材6は第一循環半体6A及び第二循環半体6Bに分割されており、その分割面は前記戻し通路44及び内側方向転換路60−1の中心線を含んでいる。前記第一循環半体6A及び第二循環半体6Bの夫々には互いに嵌合する突起と穴が形成されており、これらを嵌合させることで前記第一循環半体6Aに対して第二循環半体6Bが正確に組み合わされ、前記戻し通路44及び内側方向転換路60−1を備えた前記無負荷通路部材6が完成する。また、前記無負荷通路部材6を前記本体部材4に対して位置決めするため、図5に示すように、前記第一循環半体6Aには位置決め突起66が設けられている。この位置決め突起66は前記本体部材4の脚部4bに形成された位置基準穴47(図3参照)に嵌合する。
図6は前記無負荷通路部材6を前記本体部材4の脚部4bに装着した様子を示す斜視図であり、前記無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7を前記脚部4bの上側貫通穴45aに挿入した状態を示している。前記戻し通路パイプ7は前記本体部材4の移動方向(前記軌道部材の長手方向)の長さよりも僅かに長尺に形成されており、前記方向転換パイプ8が脚部4bに接するまで前記戻し通路パイプ7を前記貫通穴45aに挿入すると、図6には描かれていないが、当該戻し通路パイプ7の先端が脚部4bの反対側の面から僅かに突出するようになっている。この状態で前記方向転換パイプ8に内蔵された内側方向転換路60−1は前記本体部材4に形成された下側負荷転走面42bに接続されており、方向転換パイプ8に形成された外側方向転換路60−2の内周側案内面60aは前記本体部材4の上側負荷転走面42aに接続されている。図6は前記無負荷通路部材が装着された前記脚部4bの一方の端面を示すものであるが、当該脚部4bの反対側の端面においては、前記脚部の下側貫通孔45bに対して前記無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7が挿入される。これにより、前記脚部4bを挟んで一対の無負荷通路部材6が組み合わされ、また、前記本体部材4は一対の脚部を具備していることから、当該本体部材4に対しては4基の無負荷通路部材6が装着されることになる。
図7は、前記無負荷通路部材6の方向転換パイプ8を覆って前記本体部材4に装着される蓋体5を示す斜視図であり、かかる蓋体5を前記本体部材4側から観察したものである。この蓋体5は合成樹脂の射出成形で製作されており、前記本体部材4の水平部4aに対応した取付部5aを有すると共に、前記本体部材4の脚部4bに対応した一対の脚部5b,5cを備えている。前記本体部材4と当接する前記脚部5b,5cの内側面には前記無負荷通路部材6の方向転換パイプ8を収容する収容溝50,51が夫々形成されている。
また、前記脚部5b,5cの内側面には前記無負荷通路部材6の内周側案内面60aに対応する外周側案内面60b,60cが凹曲面状に形成されており、当該外周側案内面60b,60cは前記収容溝50,51と各脚部5b,5cにおいて交差するように設けられている。また、前記蓋体5の各脚部5b,5cには前記無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7の先端面が当接する位置決め凹部52が夫々形成されており、前記外周側案内面60b,60cの一端はこれら位置決め凹部52に開放されている。尚、図7中の符号54は前記蓋体5を前記本体部材4に締結するための固定ボルトの貫通孔である。
前記方向転換パイプ8を蓋体5の収容溝50に収容すると、前記蓋体5の外周側案内面60bと前記方向転換パイプ8の内周側案内面60aが互いに対向し、前記外側方向転換路60−2が完成する。また、前記方向転換パイプ8を蓋体5の収容溝50に収容すると、当該方向転換パイプ8に形成された突き当て凹部64と蓋体5に形成された位置決め凹部52とが組み合わさって、略円形状のパイプ収容穴が形成される。このパイプ収容穴に対しては、本体部材4の脚部4bに形成された貫通穴45から突き出た他の無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7の先端が嵌合する。
そして、このように前記本体部材4に対して同一形状の4個の無負荷通路部材6及び同一形状の2個の蓋体5を組み合わせることによって前記移動部材3が完成し、前記本体部材4の各脚部4bに対してローラ1の無限循環路が2回路ずつ形成される。
図8及び図9は、前記無負荷通路部材6の戻し通路パイプ7の内部構造を示すものである。前記戻し通路パイプ7の内部には前述の如くローラ1の戻し通路44が設けられているが、当該戻し通路パイプ7の内部には弾性変形領域70が設けられている。この弾性変形領域70は、前記戻し通路44の長手方向、すなわちローラ1の転走方向に沿って設けられた長尺な梁部71と、前記梁部71の裏側、すなわち当該梁部71を挟んで前記戻し通路44と対向する位置に設けられた空間72とから構成されている。この梁部71は前記戻し通路44内を転走するローラ1の周面と対向する位置に薄板状に設けられ、前記戻し通路44の内壁の一部をなしている。図9に示すように、前記梁部71はその長手方向の両端が前記戻し通路パイプとの接続部となっており、当該梁部71は前記無負荷通路部材6と一体に成形されている。図8に示されるように前記戻し通路パイプ7をその長手方向に対して垂直な断面で観察した場合、前記梁部71の幅方向の両側には前記戻し通路44と前記空間72を連通するスリット71bが設けられており、当該梁部71は前記戻し通路パイプ7から分離されている。また、これらスリット71bと梁部71はローラの周面と対向する位置に存在している。前記空間72は前記戻し通路パイプ7の外部には開放されておらず、前記戻し通路44とのみ連通している。換言すれば、前記戻し通路44は戻し通路パイプの外部には開放されていない。前記無負荷通路部材6はローラの転走方向に沿って第一循環半体6A及び第二循環半体6Bに分割されていることから、このような梁部71の構造は容易に成形することが可能である。
ローラ1が前記無限循環路内を循環する際、前記内側方向転換路60−1、戻し通路44及び外側方向転換路60−2から構成されるローラ1の無負荷通路では、ローラ1自らが自転して移動することはなく、負荷通路43から続けて排出される後続のローラ1に押されながら転走している。このため、ローラ1が無限循環路内でスペーサを挟むことなく連なって配列されている場合、無負荷通路内ではローラ1同士が押し合って千鳥状に配列された状態となってしまい、ローラ1の詰まり現象が発生する可能性がある。
この点に関し、前記梁部71はその長手方向の両端のみが支持されており、当該梁部71を挟んで前記戻し通路44と対向する位置には前記空間72が存在することから、前記梁部71はその長手方向の中央部付近において容易に変形し易く、変形した際には当該変形量に応じて前記戻し通路44の通路幅が拡張される。このため、図10に示すように、前記戻し通路44内を転走するローラ1同士が互いに強く押し合い、これらローラ1が戻し通路44内で千鳥状に配列された状態になると、当該ローラ1が前記梁部71に対して押圧力を及ぼし、その結果として前記梁部71が弾性変形する。これにより、前記戻し通路44の通路幅が拡張され、ローラ1同士の摩擦抵抗を緩和して、前記戻し通路44内におけるローラ1の詰まり現象の発生を防止することが可能となる。
また、前記弾性変形領域70を構成する前記梁部71及び空間72は前記戻し通路パイプ7の内部に設けられて、ローラ1が転走する戻し通路44の内壁の一部を構成していることから、当該戻し通路44は前記戻し通路パイプ7の外部には開放されていない。このため、ローラ1の無限循環路に対して外部から異物が侵入することはなく、前記方向転換路60や戻し通路44を転走するローラ1を前記無負荷通路部材6によって確実に保護することができるので、ローラ1の円滑な無限循環、ひいては軌道部材2に対する移動部材3の円滑な運動を達成することが可能となる。
図9に示したように、前記梁部71は戻し通路パイプ7と一体に成形することができるが、図11に示すように、前記戻し通路パイプ7とは別に製作した板部材73を当該戻し通路パイプ7に対して組み付け、この板部材73を前記梁部材71に置き換えても良い。前記板部材73はその材質や厚さを任意に設定することができるので、前記ローラ1の大きさや前記無限循環路内におけるローラ1の循環速度に応じて板部材73を設計すれば、前記戻り通路44内におけるローラ1の詰まり現象の発生を効果的に防止することが可能となる。
更に、図12及び図13は前記戻し通路44の内壁の一部を弾性体74で構成し、この弾性体74を前記弾性変形領域70とした例を示すものである。この弾性体74は前記戻し通路パイプ7よりも軟質な材料で成形されており、前記戻し通路44の内壁の一部をなし、当該戻し通路44の長手方向に沿って設けられている。また、この弾性体74は前記戻し通路44内を転走するローラ1の周面と対向する位置に設けられており、前記戻し通路44内においてローラ1が千鳥状に配列することを許容できるよう、ローラ1の軸方向長さ以上の幅で設けられている。
前記弾性体74は前記戻し通路パイプ7とは別個に成形し、前記無負荷通路部材6を組み立てる際に当該弾性体74を前記戻し通路パイプ7に対して組みつけても良い。また、前記戻し通路パイプ7を含む無負荷通路部材6を成形する樹脂材料と、前記弾性体74を成形する樹脂材料とを用いた二色射出成形によって、前記戻し通路パイプ7と前記弾性体74の成形及び組み付けを同時に行うこともできる。
前記弾性体74は前記戻し通路パイプ7よりも軟質な材料で成形されていることから、前記戻し通路44内を転走するローラ1の押圧によって容易に変形し易く、変形した際には当該変形量に応じて前記戻し通路44の通路幅が拡張される。すなわち、ローラ1同士が戻し通路44内で互いに強く押し合って千鳥状に配列された状態になると、図10に示した梁部71の例と同様に、前記弾性体74自らが弾性変形することで前記戻し通路44の通路幅が拡張し、ローラ1の詰まり現象の発生が防止される。
すなわち、前記梁部材71、前記板部材73又は弾性体74は、ローラ1同士が前記戻し通路44内で互いに強く押し合った際に、自らが弾性変形することで前記戻し通路44の通路幅を拡張し、それによってローラ1の詰まり現象の発生を防止している。
前記弾性変形領域70は無負荷通路内を転走するローラ1の詰まり現象を防止する機能を発揮するので、当該弾性変形領域70は前記戻し通路44に面してのみ設ける必要はなく、前記方向転換パイプ8の内部で前記方向転換路60に面して設けても良い。また、前記戻し通路パイプ7及び方向転換パイプ8が一体となった図4及び図5に示すような無負荷通路部材6を製作するのであれば、前記弾性変形領域70は前記方向転換路60から戻し通路44にかけて連続して存在するようにしても良い。
また、前記弾性変形領域70は無負荷通路部材6の内部に設けられて、ローラ1が転走する無負荷通路の内壁の一部を構成しているので、前記方向転換路60や戻し通路44を転走するローラ1を前記無負荷通路部材6によって確実に保護することができ、ローラ1の円滑な無限循環、ひいては軌道部材2に対する移動部材3の円滑な運動を達成することが可能となる。
更に、前述の如く前記無負荷通路部材6はローラの転走方向に沿って第一循環半体6A及び第二循環半体6Bに分割されているが、その分割面は前記弾性変形領域70をその長手方向に沿って二分する位置に設けるのが好ましい。それにより、これら第一循環半体6A及び第二循環半体6Bを組み合わせる際に、前記梁部材71、前記板部材73又は弾性体74を無負荷通路部材6に対して容易に内蔵させることが可能である。
1…ローラ(転動体)、2…軌道部材、3…移動部材、4…本体部材、5…蓋体、6…無負荷通路部材、7…戻し通路パイプ、8…方向転換パイプ、47…位置基準穴、60−1…内側方向転換路、60−2…外側方向転換路、70…弾性変形領域、71…梁部、73…板部材、74…弾性体

Claims (5)

  1. 軌道部材と、多数の転動体を介して前記軌道部材に組み付けられると共に、前記転動体の戻し通路及び方向転換路を含んだ無限循環路を有する移動部材とを備え、
    前記移動部材は前記戻し通路及び前記方向転換路を有する無負荷通路部材を含み、
    前記無負荷通路部材の内部には前記転動体からの押圧によって変形する弾性変形領域が前記戻し通路及び/又は前記方向転換路の内壁の一部をなすと共にその長手方向に沿って設けられていることを特徴とする転がり案内装置。
  2. 前記弾性変形領域は前記戻し通路及び/又は前記方向転換路の内壁に対して前記転動体の回転軸長さ以上の幅で設けられていることを特徴とする請求項1記載の転がり案内装置。
  3. 前記無負荷通路部材は前記転動体の転走方向に沿って二分割され、その分割面は前記弾性変形領域をその長手方向に沿って二分する位置に設けられていることを特徴とする請求項2記載の転がり案内装置。
  4. 前記弾性変形領域は、前記転動体の転走方向に沿って長尺に設けられると共に長手方向の両端のみが支持された梁部と、この梁部を挟んで前記戻し通路又は前記方向転換路と対向する位置に設けられた空間とを備えたことを特徴とする請求項3記載の転がり案内装置。
  5. 前記弾性変形領域は前記無負荷通路部材に固定されると共に、当該無負荷通路部材よりも軟質な材料からなる弾性体であることを特徴とする請求項3記載の転がり案内装置。


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