JP2013213525A - 電磁弁構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動コアの当接音を抑制すること。
【解決手段】電磁弁の可動コア246は、従来のような長溝が形成されていない円筒面からなる外周面247を有し、且つ、固定コア240に当接する一端面248aとは反対側の他端面248bにスリット250が設けられ、スリット250は、一端面248a側に窪む底面252を有し、可動コア246の他端面248aの稜線254がハウジング241の内壁241aと当接したとき、スリット250の底面252とハウジング241の内壁241aとの間にクリアランスが設けられる。
【選択図】図8

Description

本発明は、電磁弁と、前記電磁弁を駆動する電磁コイルとを有する電磁弁構造体に関する。
例えば、特許文献1には、ブレーキ制御を実行する複数の電磁弁構造体を備えた車両用ブレーキ装置が開示されている。この電磁弁構造体は、電磁弁と、電磁弁を駆動するための電磁コイルとを有する。電磁弁は、固定コアと、固定コア側に吸着されるプランジャ(可動コア)と、プランジャを収容するハウジングとを備える。
特開2007−99058号公報
特許文献1に開示された電磁弁構造体を含む従来の常開型の電磁弁構造体では、電磁コイルに対する通電が遮断されたときにプランジャが原位置に復帰するが、プランジャが原位置に復帰すると、プランジャの端面がハウジングの内壁と当接する。この場合、ハウジングの内壁がプランジャの変位側の端面によって密封(封止)されることで、ハウジングの内壁とプランジャの変位側の端面との間に残存する流体によって液溜まりが発生する。
このため、従来の電磁弁構造体では、プランジャの外周面に軸方向に沿って延在する長溝(軸方向の油路)を複数形成し、前記長溝を介してプランジャの一端部側と他端部側とを連通させることで、前記の液溜まりを解消するようにしていた。
しかしながら、従来の電磁弁構造では、プランジャが軸方向に沿って迅速に動作すると、ハウジング側に変位したときにハウジングの内壁と当接して当接音(打音)が発生するという問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、プランジャの当接音を抑制することが可能な電磁弁構造体を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために創案された本発明は、電磁弁と、前記電磁弁を駆動する電磁コイルとを備える電磁弁構造体であって、前記電磁弁は、通電された前記電磁コイルの磁力により固定コア側に向かって変位するプランジャを有し、前記プランジャは、軸方向と直交する断面が真円形状の円筒面からなる外周面で形成され、且つ、前記固定コアに当接する一端面とは反対側の他端面に凹部が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、従来のプランジャに設けられていた軸方向の長溝をなくしてプランジャの外周面を円筒面とし、プランジャを収容するハウジングの内壁とプランジャの外周面との間の空間が小さくなる。従って、このような狭小な空間を流れる流体の流速が減速しプランジャの摺動抵抗を増大させることで、従来と比較してプランジャの動作速度を低下させ、この結果、プランジャの当接音を抑制(低減)することができる。
また、本発明によれば、プランジャの他端面側に存在する流体は、凹部内に流入すると共に、前記流入した流体を凹部によって固定コア側に逃がすことができるので、プランジャの他端面側の内圧が高まることを抑制することができる。
さらに、凹部は、一端面側に窪む底面を有し、プランジャの他端部の外縁がハウジングの内壁と当接したとき、凹部の底面とハウジングの内壁との間にクリアランスが設けられるようにしてもよい。このようにすると、ハウジングの内壁とプランジャの他端面との間に残存する流体を、凹部の底面とハウジングの内壁との間のクリアランスを介して、固定コア側に流出させることができる。また、プランジャの他端面から凹部の底面までの深さを適宜設定することによって、凹部内に充填可能な所定量の流体を確保することができる。この結果、プランジャの他端面全体を平坦面とした場合と比較して、プランジャがハウジングの内壁側に変位したときにハウジングの内壁とプランジャの他端面との間で封止される流体の容量の変化率を小さくすることができる。
さらに、凹部は、プランジャの中心軸と直交する方向に延在する直線状のスリットであってもよい。このようにすると、ハウジングの内壁とプランジャの他端面との間に残存する流体を、前記スリットに沿って固定コア側に容易に流出させることができる。
さらにまた、電磁弁構造体は、マスタシリンダ装置の基体に設けられ、マスタシリンダで発生したブレーキ液圧を車輪側のホイールシリンダに伝達することを阻止するマスタカットバルブであってもよい。このようにすると、例えば、車両に搭載されるマスタカットバルブの作動音が抑制され、車室内への作動音の伝達を回避して静穏性を向上させることができる。
本発明によれば、プランジャの当接音を抑制することが可能な電磁弁構造体を得ることができる。
本発明の実施形態に係る電磁弁構造体が組み込まれた車両用ブレーキシステムの概略構成図である。 (a)は、図1の車両用ブレーキシステムを構成するマスタシリンダ装置の分解斜視図、(b)は、(a)のB部の拡大正面図である。 図2のマスタシリンダ装置において、2つの常開型遮断弁が配設された部位の縦断面図である。 図3の常開型遮断弁の斜視図である。 (a)は、図4の常開型遮断弁を構成する電磁コイルの平面図、(b)は、電磁コイルの一部切欠斜視図である。 電磁弁構造体を構成するヨークケースとヨークトップとの位置決め及び嵌合関係を示す分解斜視図である。 電磁弁構造体を構成する電磁弁の軸方向に沿った縦断面図である。 図7の電磁弁を構成する可動コアの斜視図である。 (a)、(b)は、図8のIXA−IXA線に沿った縦断面で可動コアが固定コアから離間する方向に変位する状態を示す説明図、(c)は、図8のIXC−IXC線に沿った縦断面でクリアランスを通じてブレーキフルードが流出する状態を示す説明図である。 (a)は、ヨークケースの上面周縁部に対してヨークトップを組み付ける状態を示す斜視図、(b)は、ヨークトップが組み付けられた後、一対の加締め用突起を加締めた状態を示す斜視図である。 基体に対する電磁弁構造体の組立工程を示したものであり、(a)は、基体の電磁弁用取付孔部に予め装着された電磁弁に対して電磁コイルを挿入した状態を示す断面図、(b)は、電磁弁に対して組み付けられた電磁コイルの上面に板ばねを載置した状態を示す断面図、(c)は、電磁弁構造体を収容するハウジングを基体に取り付けた状態を示す断面図である。
図1に示す車両用ブレーキシステムAは、原動機(エンジンやモータ等)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、非常時や原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものであり、ブレーキペダル(ブレーキ操作子)Pの踏力によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ装置A1と、電動モータ(図示略)を利用してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置A2と、車両挙動の安定化を支援する液圧制御装置A3とを備えている。マスタシリンダ装置A1、モータシリンダ装置A2および液圧制御装置A3は、別ユニットとして構成されており、外部配管を介して連通している。
車両用ブレーキシステムAは、エンジン(内燃機関)のみを動力源とする自動車のほか、モータを併用するハイブリッド自動車やモータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車などにも搭載することができる。
マスタシリンダ装置A1は、タンデム式のマスタシリンダ1と、ストロークシミュレータ2と、リザーバ3と、常開型遮断弁4、5と、常閉型遮断弁6と、圧力センサ7、8と、メイン液圧路9a、9bと、連絡液圧路9c、9dと、分岐液圧路9eとを備えている。なお、この常開型遮断弁4、5及び常閉型遮断弁6は、本発明の実施形態に係る電磁弁構造体として機能するものである。
マスタシリンダ1は、ブレーキペダルPの踏力をブレーキ液圧に変換するものであり、シリンダ穴の底壁側に配置された第一ピストン1aと、プッシュロッドに接続された第二ピストン1bと、第一ピストン1aとシリンダ穴の底壁との間に配置された第一リターンスプリング1cと両ピストン1a、1bの間に配置された第二リターンスプリング1dとを備えている。第二ピストン1bは、プッシュロッドを介してブレーキペダルPに連結されている。両ピストン1a、1bは、ブレーキペダルPの踏力を受けて摺動し、圧力室1e、1f内のブレーキ液を加圧する。圧力室1e、1fは、メイン液圧路9a、9bに通じている。
ストロークシミュレータ2は、擬似的な操作反力を発生させるものであり、シリンダ内を摺動するピストン2aと、ピストン2aを付勢する大小二つのリターンスプリング2b、2cとを備えている。ストロークシミュレータ2は、メイン液圧路9a及び分岐液圧路9eを介して圧力室1eに通じており、圧力室1eで発生したブレーキ液圧によって作動する。
リザーバ3は、ブレーキ液を貯溜する容器であり、マスタシリンダ1に接続される給油口3a、3bと、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される管接続口3cとを備えている。
常開型遮断弁4、5は、メイン液圧路9a、9bを開閉するものであり、いずれもノーマルオープンタイプの電磁弁構造体によって構成されている。一方の常開型遮断弁4は、メイン液圧路9aと分岐液圧路9eとの交差点からメイン液圧路9aと連絡液圧路9cとの交差点に至る区間においてメイン液圧路9aを開閉する。他方の常開型遮断弁5は、メイン液圧路9bと連絡液圧路9dとの交差点よりも上流側においてメイン液圧路9bを開閉する。この常開型遮断弁4、5は、それぞれ閉弁状態に切り換わることにより、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)がホイールシリンダWに伝達されることを阻止(遮断)するマスタカットバルブとして機能するものである。
常閉型電磁弁6は、分岐液圧路9eを開閉するものであり、ノーマルクローズタイプの電磁弁構造体によって構成されている。この常閉型電磁弁6は、一方のメイン液圧路9aから分岐してストロークシミュレータ2に至る分岐液圧路9eを開閉する開閉弁として機能するものである。なお、これらの電磁弁構造体の具体的な構成ついては、後記で詳細に説明する。
圧力センサ7、8は、ブレーキ液圧の大きさを検知するものであり、メイン液圧路9a、9bに通じるセンサ装着穴(図示略)に装着されている。一方の圧力センサ7は、常開型遮断弁4よりも下流側に配置されており、常開型遮断弁4が閉じられた状態(=メイン液圧路9aが遮断された状態)にあるときに、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧を検知する。他方の圧力センサ8は、常開型遮断弁5よりも上流側に配置されており、常開型遮断弁5が閉じられた状態(=メイン液圧路9bが遮断された状態)にあるときに、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧を検知する。圧力センサ7、8で取得された情報は、図示せぬ電子制御ユニット(ECU)に出力される。
メイン液圧路9a、9bは、マスタシリンダ1を起点とする液圧路である。メイン液圧路9a、9bの終点である出力ポート15a、15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha、Hbが接続されている。
連絡液圧路9c、9dは、入力ポート15c、15dからメイン液圧路9a、9bに至る液圧路である。入力ポート15c、15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc、Hdが接続されている。
分岐液圧路9eは、一方のメイン液圧路9aから分岐し、ストロークシミュレータ2に至る液圧路である。
マスタシリンダ装置A1は、管材Ha、Hbを介して液圧制御装置A3に連通しており、常開型遮断弁4、5が共に開弁状態にあるときにマスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、メイン液圧路9a、9b及び管材Ha、Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。
モータシリンダ装置A2は、図示は省略するが、スレーブシリンダ内を摺動するスレーブピストンと、電動モータおよび駆動力伝達部を有するアクチュエータ機構と、スレーブシリンダ内にブレーキ液を貯溜するリザーバとを備えている。電動モータは、図示せぬ電子制御ユニットからの信号に基づいて作動する。駆動力伝達部は、電動モータの回転駆動力を進退運動に変換したうえでスレーブピストンに伝達する。スレーブピストンは、電動モータの駆動力を受けてスレーブシリンダ内を摺動し、スレーブシリンダ内のブレーキ液を加圧する。モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、管材Hc、Hdを介してマスタシリンダ装置A1に一旦、入力され、連絡液圧路9c、9d及び管材Ha、Hbを介して液圧制御装置A3に対して出力される。リザーバには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。
液圧制御装置A3は、車輪のスリップを抑制するアンチロックブレーキ制御(ABS制御)、車両の挙動を安定化させる横滑り制御やトラクション制御などを実行し得るような構成を具備しており、管材を介してホイールシリンダW、W、…に接続されている。なお、図示は省略するが、液圧制御装置A3は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための電子制御ユニットなどを備えている。
次に車両用ブレーキシステムAの動作について概略説明する。
車両用ブレーキシステムAが正常に機能する正常時には、常開型遮断弁4、5が閉弁状態となり、常閉型遮断弁6が開弁状態となる。かかる状態でブレーキペダルPを操作すると、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずにストロークシミュレータ2に伝達され、ピストン2aが変位することにより、ブレーキペダルPのストロークが許容されると共に、擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
また、図示しないストロークセンサ等によってブレーキペダルPの踏み込み量が検知されると、モータシリンダ装置A2の電動モータが駆動され、スレーブピストンが変位することによりスレーブシリンダ内のブレーキ液が加圧される。図示せぬ電子制御ユニットは、モータシリンダ装置A2から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ7で検知されたブレーキ液圧)とマスタシリンダ1から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ8で検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいて電動モータの回転速度等を制御する。
モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、液圧制御装置A3を介してホイールシリンダW、W、…に伝達され、各ホイールシリンダWが作動することにより各車輪に制動力が付与される。
なお、モータシリンダ装置A2が作動しない状況(例えば、電力が得られない場合や非常時など)においては、常開型遮断弁4、5がいずれも開弁状態となり、常閉型遮断弁6が閉弁状態となるので、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)は、ホィールシリンダW、W、…に伝達されるようになる。
次に、マスタシリンダ装置A1の具体的な構造を説明する。
本実施形態のマスタシリンダ装置A1は、前記の各種部品を図2(a)の基体10の内部あるいは外部に組み付けるとともに、電気によって作動する部品(常開型遮断弁4、5、常閉型遮断弁6及び圧力センサ7、8)をハウジング20で覆うことによって形成されている。
基体10は、アルミニウム合金製の鋳造品であり、シリンダ部11と、車体固定部12と、リザーバ取付部13と、ハウジング取付部14と、配管接続部15とを備えている。また、基体10の内部には、メイン液圧路9a、9bや分岐液圧路9eとなる孔(図示略)などが形成されている。
シリンダ部11には、マスタシリンダ用の第一シリンダ穴(図示略)と、ストロークシミュレータ用の第二シリンダ穴(図示略)とが形成されている。両シリンダ穴は、いずれも有底円筒状であり、車体固定部12に開口するとともに、配管接続部15に向けて延在している。第一シリンダ穴には、マスタシリンダ1(図1参照)を構成する部品(第一ピストン1a、第二ピストン1b、第一リターンスプリング1c及び第二リターンスプリング1d)が挿入され、第二シリンダ穴には、ストロークシミュレータ2を構成する部品(ピストン2a及びリターンスプリング2b、2c)が挿入される。
車体固定部12は、トーボードなどの車体構成要素に固定される部位であり、基体10の後面部に形成されている。車体固定部12は、フランジ状を呈している。車体固定部11の周縁部(シリンダ部11から張り出した部分)には、ボルト挿通孔12a、12a、…が形成されている。
リザーバ取付部13は、リザーバ3の取付座となる部位であり、基体10の上面部に形成されている。
図2(a)に示されるように、ハウジング取付部14は、基体10の軸線と略直交する一側面に設けられ、ハウジング20が装着される平坦な装着面24を有する。
装着面24は、側面視して略矩形状に形成され、その四隅角部には、ハウジングを取り付けるための4つの取付用孔部26が形成される。また、装着面24には、後記する電磁弁132(図3、図7参照)が取り付けられる3つの電磁弁取付用孔部28と、圧力センサPp、Pmが取り付けられる2つのセンサ取付用孔部30と、基体10の内部に液圧路を形成するために設けられた流路孔32と、3つの電磁弁取付用孔部28にそれぞれ近接して配置され後記する電磁コイル130の周り止めをする3つの回り止め用凹部(基体側回動規制部)34とが形成される。なお、回り止め用凹部34の配置関係については、後記する電磁弁構造体のところで詳細に説明する。
3つの電磁弁取付用孔部28のうち、常開型遮断弁4と、常閉型遮断弁6とが配置される2つの電磁弁取付用孔部28には、装着面24から基体10の内部側に向かって窪む環状凹部36が形成される。2つの電磁弁取付用孔部28、2つの流路孔32、及び、2つの周り止め用孔部34は、この環状凹部36の底面に形成される。
電磁弁取付用孔部28及びセンサ取付用孔部30は、ブレーキ液を流通させるメイン液圧路9a、9bと連通する。なお、装着面24に開口する流路孔32には、開口を封止するための球体が圧入されるが、図2(a)及び図2(b)中では、球体の図示を省略している。
配管接続部15は、管取付座となる部位であり、基体10の前面部に形成されている。配管接続部15には、二つの出力ポート15a、15bと、二つの入力ポート15c、15dが形成されている。出力ポート15a、15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha、Hb(図1参照)が接続され、入力ポート15c、15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc、Hd(図1参照)が接続される。
次に、基体10のハウジング取付部14に取り付けられるハウジング20について説明する。
ハウジング20は、ハウジング取付部14に組み付けられた部品(常開型遮断弁4、5、常閉型遮断弁6及び圧力センサ7、8)を気密(密封)に覆うハウジング本体20aと、ハウジング本体20aの周囲に形成されたフランジ部20bと、ハウジング本体20aに突設された二つのコネクタ20c、20dと、ハウジング本体20aの内部に設けられた中間壁20eとを備えている。
ハウジング本体20aの内部(中間壁20eを含む)には、電磁コイル130及び圧力センサ7、8と電気的に接続されるバスバー(図示略)が収容されている。なお、バスバーのターミナル114は、中間壁20eから露出して電磁コイル130のターミナル112と電気的に接続される(図3参照)。
フランジ部20bは、ハウジング取付部14に圧着される部位である。フランジ部20bには、ハウジング取付部14の雌ネジに合わせてネジ挿通孔21が形成されている。
コネクタ20c、20dは、いずれも筒状であり、ハウジング本体21の前面に突設されている。コネクタ20c、20dには、電磁コイルに通じるケーブルと、圧力センサ7、8に通じるケーブルとが接続される。
次に、電磁弁構造体について説明する。
電磁弁構造体は、図4に示されるように、電磁弁132と、この電磁弁132を駆動する電磁コイル130とから構成される。電磁弁132は、略円筒状に形成された電磁コイル130の中心孔130aに沿って貫通して挿入される。電磁コイル130は、図5(b)に示されるように、巻線が巻回された樹脂製のボビン133と、前記ボビン133を囲繞し磁路を形成するヨーク134とを備える。
ボビン133は、ヨーク134の内部に収容されるボビン本体133aと、ボビン本体133aの上面に突設されたターミナル保持部133bと、ボビン本体133aの下面に突設され後記するヨークケース134a内でボビン本体133aを位置決めする位置決め用突起133cとを備える。
図6に示されるように、ヨーク134は、有底円筒状のヨークケース134aと、このヨークケース134aの上面に装着される欠円状のヨークトップ134bとから構成される。
ヨーク134には、ヨークケース134aとヨークトップ134bとを所定位置に位置決めする3つの位置決め部136a〜136cが同一平面上に設けられる。この3つの位置決め部136a〜136cは、ヨークケース134aに形成された3つの位置決め用凹部138a〜138cと、ヨークトップ134bに形成され位置決め用凹部138a〜138cに係合する3つの位置決め用凸部140a〜140cとから構成される。なお、本実施形態において、位置決め用凹部138a〜138cは、段部をも含んで構成されている。
この3つの位置決め部136a〜136cのうちの2つの位置決め部136a、136bは、ヨークトップ134bの後記する円弧部144の両端部に対向して設けられる。また、2つの位置決め部136a、136bを除いた他の1つの位置決め部136cは、ヨークトップ134bの円弧部144で2つの位置決め部136a、136bの中間位置に配置される。他の1つの位置決め部136cは、図5(a)に示されるように、相互に対向する一方の位置決め用凸部140aとの間での周方向に沿った離間距離と、他方の位置決め用凸部140bとの間での周方向に沿った離間距離とが等しいセンタ位置に設けられる。また、他の1つの位置決め部136cは、相互に対向する一方の加締め用突起148aとの間での周方向に沿った離間距離と、他方の加締め用突起148bとの間での周方向に沿った離間距離が等しいセンタ位置に設けられている。なお、他の1つの位置決め部136cは、一対の位置決め用凸部140a、140b間、及び、一対の加締め用突起148a、148b間のセンタ位置に限定されるものではない。
また、本実施形態では、位置決め用凹部138a〜138cをヨークケース134a側に形成し、位置決め用凸部140a〜140cをヨークトップ134b側に形成しているが、これに限定されるものではなく、前記とは逆に位置決め用凸部をヨークケース134a側に形成し、位置決め用凹部をヨークトップ134b側に形成してもよい。
ヨークケース134aは、略有底円筒状の金属部材からなる。開口部146の開口縁である上面周縁部147には、周方向に沿って離間する3つの位置決め用凹部138a〜138cが設けられる。また、ヨークケース134aの上面周縁部147には、ヨークトップ134bを係止する一対の加締め用突起(加締め部)148a、148bが設けられる。
一対の加締め用突起148a、148bは、電磁コイル130の中心Oを挟んで対向する位置に配置される(図5(a)参照)。さらに、ヨークケース134aの底面部には、下方側(ヨークケース134aの外側)に向かって突出する回り止め用凸部150が設けられる(図5(b)参照)。回り止め用凸部150は、ヨークケース134aの底部を内側から打ち抜くことで形成される。また、回り止め用凸部150には、ボビン本体133aを位置決めする位置決め用突起133cが挿入される。なお、開口部146から露出するボビン本体133aの上端面は、3つの位置決め用凹部138a〜138cの底面と略面一に形成される。
ヨークトップ134bは、欠円状(弓形)の金属製板材からなり、ヨークケース134aの上面周縁部147に対向する円弧部144と、円弧部144の両端部を結ぶ直線部142とを備えている。ヨークトップ134bの円弧部144には、ヨークケース134aの3つの位置決め用凹部138a〜138cに対応し半径外方向に突出する3つの位置決め用凸部140a〜140cが形成されている。
ヨークケース134aとヨークトップ134bとを結合する場合には、先ず、ヨークケース134aにヨークトップ134bを組み付け、ヨークトップ134bの位置決め用凸部140a〜140cを位置決め用凹部138a〜138cの底面に載置する。ヨークトップ134bの3つの位置決め用凸部140a〜140cをヨークケース134aの3つの位置決め用凹部138a〜138cにそれぞれ係合することで、ヨークトップ134bが所定位置に位置決めされると共に、ヨークケース134aの上面周縁部147に対して座りがよく安定して仮装着される(図10(a)参照)。次に、ヨークケース134aの上面周縁部147の所定位置にヨークトップ134bが位置決めされた状態を保持しながら、図示しないプレス成形手段で一対の加締め用突起148a、148bを内側に折り曲げて加締めることでヨークケース134aにヨークトップ134bが係止される(図10(b)参照)。
図5(a)に示されるように、直線部142に近接する一方の位置決め用凸部140a(円弧部144の一端に位置する位置決め用凸部140a)と一方の加締め用突起148aとの周方向に沿った離間距離S1は、直線部142に近接する他方の位置決め用凸部140b(円弧部144の他端に位置する位置決め用凸部140b)と他方の加締め用突起148bとの周方向に沿った離間距離S2と等しく設定される(S1=S2)。
図5(b)に示されるように、ヨークケース134aの底面部には、下方側に向かって所定長だけ突出した円筒状の回り止め用凸部(コイル側回動規制部)150が形成される。この回り止め用凸部150は、基体10の装着面24(環状凹部36の底面を含む)に形成され電磁弁取付用孔部28に近接する回り止め用凹部(基体側回動規制部)34と係合して、電磁コイル130を基体10に組み付けるときに回り止め機能が発揮される。
すなわち、電磁コイル130側の回り止め用凸部150と基体10側の回り止め用凹部34とが凹凸嵌合することによって、電磁コイル130側及びハウジング20側のターミナル112、114同士の溶接作業時における電磁コイル130の回動動作が規制される(後記する図11(c)参照)。
なお、本実施形態では、基体10側に回り止め用凹部34を形成し、電磁コイル130側に回り止め用凸部150を形成しているが、これに限定されるものではなく、凹凸を逆転させて基体10側に回り止め用凸部を形成し、電磁コイル130側に回り止め用凹部を形成してもよい。
基体10側の回り止め用凹部34は、電磁弁132が装着される基体10の装着面24に開口する流路孔32(図示しない球体によって閉塞される流路孔32)と異なる位置に配置される。具体的には、図2(b)に示されるように、電磁弁取付用孔部28の中心O1を中心とする小径の円C1上に回り止め用凹部34が配置され、流路孔32は、回り止め用凹部34よりも大径な円C2上に配置される。このように流路孔32と回り止め用凹部34とを異径の円C1、C2上に配置することで、回り止め用凸部150が誤って流路孔32に係止されることを防止できると共に、装着面24上におけるレイアウトの自由度が向上する。なお、円C1上に流路孔32を配置し、円C2上に回り止め用凹部34を配置するようにしてもよい。
また、電磁コイル130側の回り止め用凸部150は、図5(a)に示されるように、平面視して、一対のターミナル112の中間位置と電磁コイル130の中心Oとを結ぶ仮想線T上に配置される。電磁コイル134の一対のターミナル112と反対側の位置に回り止め用凸部34を配置することで一対のターミナル112が概略の目印となり、ヨークケース134aの底面部に設けられた回り止め用凸部150を視認できなくても回り止め用凹部34への挿入が容易となる。
さらに、図5(b)に示されるように、電磁コイル130側の回り止め用凸部150は、電磁コイル130の内径部152と外径部154との間の中間位置(内径部152と外径部154との間の中点)よりも径方向で外径部154側にオフセットした位置に配置される。中間位置よりも外径部154側に配置することで磁束の影響を受け難くすることができる。
ヨークケース134aの底面部には、さらに、下方側に向かって所定長だけ突出し電磁弁132の外周面を囲繞する環状鍔部156が設けられる。この環状鍔部156を設けることで、電磁コイル130と電磁弁132との間における磁束の受け渡しが良好となる。
ヨークケース134aの上部には、上方に向かって突出する一対のターミナル(電磁コイルのターミナル)112が設けられる。ターミナル112は、ターミナル保持部133bの上端から上方に向かって突出している。ターミナル112は、ヨークケース134a内の巻線と電気的に接続されると共に、ハウジング20の内部に被覆されたバスバーのターミナル114(図2参照)と溶接される。
なお、電磁弁132と同様に、圧力センサPp、Pmにもターミナル139が設けられる(図2参照)。前記圧力センサPp、Pmのターミナル139は、バスバーのターミナル114と溶接されて電気的に接続される。
図7に示されるように、電磁弁132は、アウトレットポート240a及びインレットポート240bが形成された円筒状の固定コア240と、開放端が固定コア240の外周面に加締められて結合されると共に、開放端の反対側に封止された有底の閉塞端を有するパイプ状のハウジング241と、固定コア240の基端側の内部に装着され弁座242aを有する弁座部材242とを含む。
さらに、電磁弁132は、固定コア240の先端側の内部に摺動自在に装着された弁体243と、弁体243の爪部によって挟持され弁体243と共に一体的に変位するボール状の弁部材244と、弁体243と弁座部材242との間に介装され弁部材244を弁座242aから離間する方向に付勢するばね部材245と、電磁コイル132の励磁作用によって弁体243及び弁部材244を弁座部材242側に向かって押圧する可動コア(プランジャ)246とを備える。
可動コア246は、図8に示されるように、従来のような長溝(軸方向に沿った縦溝)が形成されていない略円柱体で構成される。略円柱体は、均一の外径寸法が軸方向に連続して形成され、軸方向と直交する断面が真円形状の円筒面からなる外周面247を有する。固定コア240と対向する可動コア246の一端面248aは、平坦面によって形成される(図7参照)。一端面248aと反対側の可動コア246の他端面248bには、断面視して略U字状を呈するスリット250が形成される(図7参照)。このスリット250は、可動コア246の中心軸Aと略直交する方向に直線状に連続して形成された凹部であり、一端面248a側に窪む平坦な底面252を有する(図8参照)。なお、スリット250は、径方向に延在する1本の直線によって形成されているが、これに限定されるものではなく、径方向に延在する複数のスリットを中心軸Aで交差するように形成し、又は、スリット250と平行な他の複数のスリットを形成してもよい。
また、可動コア246の他端面248bの外縁(稜線254)は、ハウジング241の内壁241aと当接する。稜線254は、直線状のスリット250によって二つの稜線254a、254bに分断されている。可動コア246の軸方向に沿った方向を上下方向としたとき、スリット250の底面252は、稜線254よりも下方に位置する(図8、図9(c)参照)。
さらに、可動コア246の他端面248bとハウジング241の内壁241aとの間には、空間部256(図7参照)が形成され、この空間部256には、所定量のブレーキフルードが充填されている。後記するように可動コア246が固定コア240から離間する方向に変位して可動コア246の稜線254がハウジング241の内壁241aと当接したとき、スリット250の底面252とハウジング241の内壁241aとの間には、クリアランス258が形成される(図9(c)参照)。
稜線254の下方には、図8に示されるように、稜線254a、254bから中心軸Aの下方に向かって徐々に拡径する部分テーパ面260が形成されている。部分テーパ面260と外周面247との間には、油溜まり部として機能する環状窪み部262が周回して形成されている。
以上のような構成の電磁弁構造体において、電磁弁132を外嵌する電磁コイル130に電流が流されて電磁コイル130が励磁されると、可動コア246が固定コア240側に向かって吸引されて変位し、これに伴って弁体243及び弁部材244が弁座部材242側に変位して弁座242aの開口部を閉塞する。
また、電磁コイル130に対する電流の供給を停止して電磁コイル130を消磁すると、可動コア246が固定コア240から離間し、これに伴って弁体244が可動コア246側に変位して弁座242aの開口部を開放する。
可動コア246が固定コア240から離間する方向に変位する際、ハウジング241の内壁241aと可動コア246の他端面248bとの間に残存するブレーキフルードが内壁241aと外周面247との間隙を通じて固定コア240側に流出する(図9(a)参照)。なお、図9(a)〜図9(c)では、ブレーキフルードを網点で示し、ブレーキフルードの流れを矢印で示している。
さらに可動コア246が固定コア240から離間する方向に変位すると、可動コア246の稜線254がハウジング241の内壁241aに当接する(図9(b)参照)。稜線254が内壁241に近接すると、固定コア240側へのブレーキフルードの流出が阻止あるいは阻害されるが、可動コア246の他端面248bに形成されたスリット250及び前記スリット250の底面252とハウジング241の内壁241aとの間のクリアランス258によってブレーキフルードを固定コア240側に流出させることができる(図9(c)参照)。
このように本実施形態に係る電磁弁構造体では、従来の可動コア(プランジャ)に設けられていた軸方向の長溝をなくして可動コア246の外周面247を円筒面としているので、ハウジング241の内壁241aと可動コア246の外周面247との間の間隙が狭小となる。このような狭小な間隙を流れるブレーキフルードの流速が減速し可動コア246の摺動抵抗が増大する結果、従来と比較して可動コア246の動作速度を低下させることができる。この結果、可動コア246の当接音を抑制(低減)することができる。
また、本実施形態では、可動コア246の稜線254がハウジング241の内壁241aに当接している範囲においては、ブレーキフルードが固定コア240側へ流出することが阻止されるが、前記流出が阻止されたブレーキフルードをスリット250を介して固定コア240側へ流出させることができる。
すなわち、本実施形態では、ハウジング241の内壁241aと可動コア246の他端面248bとの間に残存するブレーキフルードを、スリット250に沿って固定コア240側に容易に流出させることができるので、空間部256の内圧が高まることがない。
また、スリット250の底面252とハウジング241の内壁241aとの間に形成されたクリアランス258(図9(c)参照)を介して、ブレーキフルードを固定コア240側に円滑に流出させることができるため、空間部256内に液溜まりが発生することを回避することができる。
さらにまた、本実施形態では、可動コア246の他端面248bからスリット250の底面252までの深さを適宜設定することによって、スリット250内に充填可能な所定量のブレーキフルードを確保することができる。この結果、可動コア246の他端面248b全体を平坦面とした場合(スリット250が無い場合)と比較して、可動コア246がハウジング241の内壁241a側に変位したときに空間部256内で封止(密封)されるブレーキフルードの容量の変化率を小さくすることができる。
さらにまた、本実施形態では、図示しない車両に搭載されるマスタカットバルブ(常開型遮断弁4、5)の作動音が抑制され、車室内への作動音の伝達を回避して静穏性を向上させることができる。なお、本実施形態において、常開型のマスタカットバルブを用いて説明しているが、常閉型のマスタカットバルブを用いてもよい。
図3に示されるように、ハウジング20の中間壁20eと電磁コイル130との間には、電磁コイル130を中間壁20eから離間する方向に向かって付勢する板ばね220が設けられる。
この板ばね220は、図3に示されるように、ハウジング20(中間壁20e)に取り付けられる基部220aと、基部220aから延設されて電磁コイル130を押圧する弾性部220bとを有する。なお、基部220aと弾性部220bとは、側面視して略V字状に形成される。
次に、基体10に対する電磁弁構造体の組立工程を図11に基づいて説明する。
先ず、電磁弁132を基体10の電磁弁用取付孔部28内に装着する。この基体10に装着された電磁弁132を電磁コイル130の中心孔130aに沿って挿入し、電磁コイル130の底面部を基体10の装着面24と当接させる(図11(a)参照)。このとき、電磁コイル130の底面部の回り止め用凸部150が基体10側の回り止め用凹部34に挿入されて凹凸嵌合する。
続いて、電磁コイル130(ヨークトップ134b)の上面に板ばね220を載置する(図11(b)参照)。さらに、板ばね220を押圧しながら電磁弁構造体を収容するハウジング20を基体10に取り付け、電磁コイル130が基体10に対して回り止めされた状態を保持しながら、ターミナル112、114同士を図示しない溶接手段を介して溶接する(図11(c)参照)。この結果、電磁コイル130の回動動作が阻止された状態を保持しながら、ターミナル112、114同士の位置ずれを発生させることがなく、安定した溶接作業を短時間で行うことができる。
上記の組立工程では、板ばね220を電磁コイル130の上面に載置した場合を例示しているが、これに代替して板ばね220をハウジング20側に予め係止しておき、ハウジング20と板ばね220とを一体的に基体10に対して取り付けるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、自動四輪車に好適に用いられる車両用ブレーキシステムAを例示しているが、前記した技術的特徴を自動二輪車に用いられるブレーキ制御システムに適用しても差し支えない。また、前記した技術的特徴を、例えば、挙動安定化制御やアンチロックブレーキ制御を実行可能な図示しない液圧制御ユニットに適用してもよい。
1 マスタシリンダ
4、5 常開型遮断弁(電磁弁構造体、マスタカットバルブ)
10 車両用ブレーキシステム(ブレーキシステム)
130 電磁コイル
132 電磁弁
240 固定コア
241 ハウジング
241a 内壁
246 可動コア(プランジャ)
248a、248b 端面
250 スリット(凹部)
252 底面
254、254a、254b 稜線
256 空間部
258 クリアランス
W ホイールシリンダ
このような課題を解決するために創案された本発明は、電磁弁と、前記電磁弁を駆動する電磁コイルとを備える電磁弁構造体であって、前記電磁弁は、有底の閉塞端を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、通電された前記電磁コイルの磁力により固定コア側に向かって変位するプランジャを有し、前記プランジャは、軸方向と直交する断面が真円形状の円筒面からなる外周面で形成され、且つ、前記固定コアに当接する一端面とは反対側の他端面にスリット形状の凹部が設けられることを特徴とする。
また、本発明によれば、プランジャの他端面側に存在する流体は、スリット形状の凹部内に流入すると共に、前記流入した流体をスリット形状の凹部によって固定コア側に逃がすことができるので、プランジャの他端面側の内圧が高まることを抑制することができる。
さらに、凹部は、一端面側に窪む底面を有し、プランジャの他端部の外縁がハウジングの閉塞端側の内壁と当接したとき、凹部の底面とハウジングの閉塞端側の内壁との間にクリアランスが設けられるようにしてもよい。このようにすると、ハウジングの閉塞端側の内壁とプランジャの他端面との間に残存する流体を、凹部の底面とハウジングの閉塞端側の内壁との間のクリアランスを介して、固定コア側に流出させることができる。また、プランジャの他端面から凹部の底面までの深さを適宜設定することによって、凹部内に充填可能な所定量の流体を確保することができる。この結果、プランジャの他端面全体を平坦面とした場合と比較して、プランジャがハウジングの内壁側に変位したときにハウジングの閉塞端側の内壁とプランジャの他端面との間で封止される流体の容量の変化率を小さくすることができる。
可動コア246は、図8に示されるように、従来のような長溝(軸方向に沿った縦溝)が形成されていない略円柱体で構成される。略円柱体は、均一の外径寸法が軸方向に連続して形成され、軸方向と直交する断面が真円形状の円筒面からなる外周面247を有する。固定コア240と対向する可動コア246の一端面248aは、平坦面によって形成される(図7参照)。一端面248aと反対側の可動コア246の他端面248bには、断面視して略U字状を呈するスリット250が形成される(図7参照)。このスリット250は、可動コア246の中心軸Aと略直交する方向に直線状に連続して形成された本発明におけるスリット形状の凹部であり、一端面248a側に窪む平坦な底面252を有する(図8参照)。なお、スリット250は、径方向に延在する1本の直線によって形成されているが、これに限定されるものではなく、径方向に延在する複数のスリットを中心軸Aで交差するように形成し、又は、スリット250と平行な他の複数のスリットを形成してもよい。

Claims (4)

  1. 電磁弁と、前記電磁弁を駆動する電磁コイルとを備える電磁弁構造体であって、
    前記電磁弁は、通電された前記電磁コイルの磁力により固定コア側に向かって変位するプランジャを有し、
    前記プランジャは、軸方向と直交する断面が真円形状の円筒面からなる外周面で形成され、且つ、前記固定コアに当接する一端面とは反対側の他端面に凹部が設けられることを特徴とする電磁弁構造体。
  2. 請求項1記載の電磁弁構造体において、
    前記凹部は、前記一端面側に窪む底面を有し、
    前記プランジャの他端面の外縁が前記ハウジングの内壁と当接したとき、前記凹部の底面と前記ハウジングの内壁との間にクリアランスが設けられることを特徴とする電磁弁構造体。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電磁弁構造体において、
    前記凹部は、前記プランジャの中心軸と直交する方向に延在する直線状のスリットであることを特徴とする電磁弁構造体。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の電磁弁構造体において、
    マスタシリンダと基体とを有するマスタシリンダ装置を備え、
    前記電磁弁構造体は、前記マスタシリンダ装置の前記基体に設けられ、前記マスタシリンダで発生したブレーキ液圧を車輪側のホイールシリンダに伝達することを阻止するマスタカットバルブであることを特徴とする電磁弁構造体。
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