JP2013211831A - 両面接着スペーサ、並びに、アンテナモジュール及びその製造方法 - Google Patents

両面接着スペーサ、並びに、アンテナモジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触通信システムにおいて、薄型のアンテナモジュールを提供するとともに、その実用的かつ効率的な製造方法を提供することである
【解決手段】本発明のアンテナモジュールは、第一面状絶縁体と積層した焼結磁性体シートを屈曲させて得た麟片状の焼結磁性体小片を多数個、前記第一面状絶縁体上に突き合わせて面状に集合させた集合体の上に、渦巻状のアンテナ導線を載置して当接させるとともに、前記アンテナ導線の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなる両面接着スペーサに前記アンテナ導線を相対的に埋め込んで、それらの上に保護層を被せることにより、保護層と前記集合体との間に前記アンテナ導線を介装したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波により情報を送受信する非接触型アンテナモジュール及びそれに使用する両面接着スペーサ、並びにアンテナモジュールの製造方法に関する。
近年、おサイフケータイやICカードのようなRFID(Radio Frequency IDentification)システムに用いられる非接触型の情報通信手段が普及してきている。このような非接触通信手段に使用されているモジュールには、絶縁基材、磁性体、アンテナコイル、ICチップといった電子部品が不可欠である。RFIDは、磁界を利用してリーダー、ライターとの情報通信を行うので、付近に金属等の導電体が存在すると、磁界がその金属面を通過するときに渦電流が発生し、交信磁界と逆向きの反磁界を発生させて通信が困難になるという不具合が発生してしまう。そこで、金属面とICタグ等との間に磁性体を配置して、磁界が金属面を貫通しないようにしているのである。
そして、RFIDシステムに用いられる磁性体は、前述した効果を得るために大きな透磁率が要求される。磁性体厚みを大きくするほど通信特性を向上させることができるが、一方、RFIDシステムに必要な絶縁基材、磁性体、アンテナコイルなどの電子部品は、層状に重ねて配置する必要があるため、モジュール全体の厚みを薄くすることも同時に要求されることとなるのである。さらに、このようなモジュールは、平面上だけではなく、曲面上に配置する場合もあるため、これらの電子部品は、可撓性を有することも要求されるのである。
上記のような要求を満たすアンテナモジュールとして、例えば、特許文献1(特開2006−174223号公報)が、多数個の磁性体であるフェライトの小片が1枚のシート基材の上に敷き置きした集合体の上に渦巻状の面状アンテナを設置する構造のアンテナモジュールを開示している。
この特許文献1の技術は、(1)衝撃を受けたとき破壊し易いフェライトを衝撃に耐える最小形状の小片の多数を以って1枚のフェライトシート(面状集合体)にしている点、及び(2)面状アンテナと面状集合体とを直接接触させ、すなわち、集合体の上に渦巻状の面状アンテナを直置きする構造を採用してアンテナ特性を向上させている点において相応の効果を発揮している。
しかしながら、この技術を実際に具現化しようとすると、次の問題に遭遇する。第一に、前記小片を製造する過程で、フェライトのグリーンシートから形成した小片を焼成していること、又は焼成フェライトから小片を切り出していること等の理由で複数の小片そのものの立体形状の不揃いを避けることができないため、その不揃いの複数個の小片を1枚のシート基材の上に敷き置きした場合、必然的に各小片の上面高さが面一(段差のない平坦面)にならない。このため、特許文献1では、焼結磁性体の上部に他のシート部材を重ねて平坦面を形成し、当該平坦面上に面状アンテナを配置している。すなわち、追加したシート部材の厚み分、全体厚みが増加するため、アンテナモジュールの小型化の点で不利である。その上、1本の導電線からできた渦巻き状の面状アンテナにおいて、前記集合体との間に隙間から磁束が漏れて、その結果、アンテナ特性の損失を免れない。
第二に、集合体の上に渦巻状の面状アンテナを配置する場合、焼結磁性体の隣接する小片間に隙間を設けてその隙間を通じて前記シート基材と面状アンテナとを接着媒体で接合する必要がある。すなわち、特許文献1では、面状アンテナを焼結磁性体上に配置する前段階で、焼結磁性体の各小片を離隔させてシート基材上に敷き置きして接着固定を行い、面状アンテナを敷設するための平坦面を形成すべく、その上部に他のシート部材(接着媒体)を重ねる工程を必要とした。このため、必然的な隙間によるアンテナ特性損失の問題だけでなく、アンテナモジュールの全体厚が増し、さらに製造工程が煩雑になるという問題が存在している。
特開2006−174223号公報
したがって、本発明の目的は、アンテナ特性が最大限に発揮できるアンテナモジュールの実用的かつ効率的な組み立て構造を提供することにある。非接触通信システムにおいて、その通信特性を損なうことなく、従来よりも薄型のアンテナモジュールを提供することにある。特には、焼結磁性体の上にアンテナを実質的に直置可能にしたアンテナモジュール及びその製造方法を提供し、また、磁性体シート及びその製造方法、及び、両面接着スペーサを提供する。
そこで本発明者は、この問題を解決するために鋭意研究したところ、面状のアンテナを構成する導体の上面と側面に対して、シート基材と分離した2つの新しい要素部材(保護層及び両面接着スペーサ)を使用すればよい、という知見を得た。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下のような実施形態及び製造方法を採用すれば、良好な通信特性を有する薄型のアンテナモジュールの製造を、実用的かつ効率的に、そして高精度に実施し得るものであることを見出した。
本発明の一実施形態のアンテナモジュール(又はアンテナ装置)は、磁束を集束するための磁性体シートと、当該磁性体シート上に堆積され、所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、アンテナ導体を保護するための保護層とを備えることを特徴とする。保護層がアンテナ導体層を挟み込むように磁性体シートに直接的又は間接的に結合される。すなわち、保護層がアンテナ導体を磁性体シートに対して実質的に押さえつける、又は、磁性体シートと保護層とがアンテナ導体を挟み込むことによって、アンテナ導体と磁性体シートとを実質的に接触させてアンテナ特性を向上させるとともにアンテナモジュール全体の薄型化を図る。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シート及び保護層の間に配置されていると共に磁性体シートと保護層とを接着するための両面接着スペーサをさらに備え、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、平面視におけるアンテナ導体と両面接着スペーサとの関係において、アンテナ導体(導線及び給電パッド)が存在しない空間の少なくとも一部に、両面接着スペーサの肉部が配置される。換言すると、両面接着スペーサの肉部間(すなわち切欠き内)にアンテナ導体が内挿され、あるいは、アンテナ導体の(導線が存在しない)内方領域に両面接着スペーサの肉部が内挿される。したがって、両面接着スペーサを使用したことによりアンテナ導線と磁性体との間の所定厚の接着層を追加しなくても位置ズレ等の不具合を生じることなく容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、アンテナ導体と両面接着スペーサとの間に配置され、アンテナ導体を被覆する保護膜をさらに備えることを特徴とする。アンテナ導体を保護層と保護膜とで密封したことによって、アンテナ導体の酸化等による経時劣化を軽減させることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シートは、下部保護層と、当該下部保護層の上面に接着した焼結磁性体層とを備え、当該焼結磁性体層は、実質的に隙間なく並列した複数の焼結磁性体小片の集合体であり、当該焼結磁性体小片の集合体が段差のない平坦面を形成していることを特徴とする。すなわち、焼結磁性体層の表面及び裏面を面一にしたことによって、アンテナ導線と焼結磁性体小片との間に隙間が生じることを抑制してアンテナ特性を向上させる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、アンテナ導体と両面接着スペーサとの間に、10〜800μmの隙間を設けたことを特徴とする。これにより、組み立て時にアンテナ導線と両面接着スペーサとが重なってしまうことを回避する。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シートとアンテナ導体と保護層との厚み合計が30〜515μmの範囲である薄型のアンテナモジュールである。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、下部保護層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート及び、ポリイミドから選択されるいずれか1種の合成樹脂フィルムからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、保護層は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイドから選択されるいずれか1種の合成樹脂フィルムからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、金属シールドは、銅、黄銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレスのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、アンテナ導線は、銅、銀又はアルミニウムから選択される金属であることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、焼結磁性体小片は、Mn−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Ni系、Mg−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Ba系、Li系から選択されるいずれか1種の軟磁性体からなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、両面接着スペーサは、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂から選択されるいずれか1種の合成樹脂からなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法は、磁束を集束するための磁性体シートを準備するステップと、アンテナ導体を磁性体シート上に堆積するステップと、磁性体シート上にアンテナ導体を介して当該アンテナ導体を保護するための保護層を堆積するステップと、を含むことを特徴とする。保護層がアンテナ導体層を挟み込むように磁性体シートに直接的又は間接的に結合される。すなわち、保護層がアンテナ導体を磁性体シートに対して実質的に押さえつける、又は、磁性体シートと保護層とがアンテナ導体を挟み込む構造となり、アンテナ導体を磁性体シートに実質的に接触させてアンテナ特性を向上させるとともにアンテナモジュール全体の薄型化を図ることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法は、磁性体シート及び保護層の間に両面接着スペーサを配置して、磁性体シートと保護層とを接着するステップをさらに含み、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、両面接着スペーサを使用したことによりアンテナ導線と磁性体との間の所定厚の接着層を追加しなくても、位置ズレ等の不具合を生じることなく容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法では、アンテナ導体と保護層とが一体形成されており、保護層と共にアンテナ導体を磁性体シート上に配置することを特徴とする。すなわち、アンテナ導線と保護層とが相互に固定されているため、組み立て時の位置ズレを防止することができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法では、磁性体シートを準備するステップは、所定のサイズの磁性体グリーンシートを準備するステップと、磁性体グリーンシートに複数の分割溝を形成するステップと、複数の分割溝を形成した磁性体グリーンシートを焼成して焼結磁性体基板を形成するステップと、焼結磁性体基板の少なくとも一面にフレキシブルシートを貼着するステップと、フレキシブルシートを貼着した焼結磁性体基板を複数の分割溝に沿って屈曲させて、焼結磁性体基板を複数の小片に分割するステップと、を含むことを特徴とする。つまり、表面に分割溝を有する磁性体のクリーンシートを焼成した後、その少なくとも一方の面に、フレキシブルシートを得た面状の焼結磁性体を屈曲させることにより、生成した複数個の鱗片状の焼結磁性体小片を、面状の焼結磁性体から切り出すことなく、相隣接させて突き合わせた構造を簡単に形成することができる。
本発明の一実施形態の磁性体シートは、アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートであって、少なくとも一面に複数の分割溝が形成された焼結磁性体層と、焼結磁性体層に接着するための第1の粘着層が一方の面に形成された下部保護層と、を備えることを特徴とする。すなわち、磁性体シートを分割溝に沿って屈曲することで、簡単に複数の小片に分割可能であり、用途に応じて簡単にフレキシブルシートを形成することができる。このとき、焼結磁性体の複数の小片が下部保護層の粘着層に保持されているため、焼結磁性体層の分割時及びアンテナモジュールの使用時に各小片が移動して隙間を形成することを防ぎ、当該磁性体シートを備えたアンテナモジュールのアンテナ特性を向上させる。さらに、焼結磁性体層を分割した際、複数の小片が実質的に隙間なく並列し、複数の小片の集合体が実質的に段差のない平坦面を形成する。すなわち、焼結磁性体層の表面及び裏面を面一にしたことによって、アンテナ導体と焼結磁性体小片との間に隙間が生じることを抑制してアンテナ特性を向上させる。
本発明の一実施形態の両面接着スペーサは、アンテナモジュールの磁性体シートと保護層とをその両面に接着し、且つ、アンテナ導体と共に磁性体シートと保護層との間に中間層を形成するための両面接着スペーサであって、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、この両面接着スペーサを使用することによりアンテナ導線と磁性体との間に所定厚の接着層を追加しなくても、位置ズレ等の不具合を生じることなくアンテナモジュールを容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態の両面接着スペーサは、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂からなる群の合成樹脂から選択されるいずれか1種からなる。
本発明によると、通信特性を向上させるとともにアンテナモジュールの厚みを小さくすることが可能となるため、おサイフケータイやICカードなどのようなRFIDシステムを、ますます薄型化することが可能となる。
本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの分解斜視図。 本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの斜視図。 図2のA−A断面図。 図1のアンテナ導体を両面接着スペーサに嵌め込んだ斜視図。 図4のB−B断面図。 アンテナ導線厚a>両面接着スペーサ厚bのときのアンテナモジュールの断面模式図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造工程フローを示した図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールの磁性体シートを作成する工程を示す模式図であって、(a)磁性体グリーンシートの斜視図、(b)分割溝を形成した状態の斜視図、(c)焼結磁性体小片に分割する前の保護層を貼着した状態の斜視図、(d)磁性体シートの斜視図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールにおけるアンテナ付保護層の斜視図。 図2のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)図9のアンテナ付保護層のC−C断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に面状接着体を貼着した断面図、(c)アンテナ構造体の断面図。 図2のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)図9のアンテナ付保護層のC−C断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に、絶縁膜を形成した断面図、(c)さらにその上に面状接着体を形成した断面図、(d)アンテナ構造体の断面図。 本発明の別実施形態による保護膜を備えるアンテナモジュールの断面図。 図12のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)アンテナ付保護層に保護膜を設置したときの断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に面状接着体を貼着した断面図、(c)アンテナ構造体の断面図。 アンテナ導線厚a<両面接着スペーサ厚bのときの図12のアンテナモジュールの断面図。 本発明の別実施形態のアンテナモジュールの分解斜視図。
以下、本発明のアンテナモジュール(アンテナ装置)の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
図1は、当該アンテナモジュール100の分解斜視図であり、図2は当該アンテナモジュール100の斜視図であり、且つ、図3は、当該アンテナモジュール100の断面図(及びその部分拡大図)である。本発明の一実施形態のアンテナモジュール100の構造について詳細に説明する。
図1〜3に示すとおり、アンテナモジュール100は、磁束を集束するための平面状の磁性体シート110と、当該磁性体シート110上に堆積され、所定パターンで形成された平面状のアンテナ導体130と、当該アンテナ導体130上に堆積され、前記アンテナ導体130を保護するための平面状の保護層140(一般的にはアンテナ基材と呼ばれる)と、を備える。
磁性体シート110は、下部保護層(又はフレキシブルシート)111と、当該下部保護層111上に接着された焼結磁性体層112とからなる。焼結磁性体層112は、縦横に並列した複数の小片113からなる。これら隣接する小片113の間には、実質的に隙間が存在していない。そして、焼結磁性体層112(又は磁性体シート110)は、その上面及び下面において、実質的に段差がない平坦面を有している。これら小片の幅は、好ましくは、約0.3〜3.0mm(本実施形態では2.0mm)で形成され、これにより、アンテナモジュールを変形させたときにより滑らかな表面形状を得ることができる。なお、実施形態によっては、焼結磁性体層を複数の小片に分割する代わりに、焼結磁性体層の一面又は両面に、後述するような分割溝を設けてもよい。この場合、分割溝間の距離が小片の幅に対応している。あるいは、実施形態によっては、焼結磁性体層は、(後述する分割溝を形成せずに形成された)不規則な形状で並んだ小片からなってもよい。
そして、当該アンテナモジュール100には、磁性体シート110と保護層140とをその両面に接着するように平面状の両面接着スペーサ120が磁性体シート110及び保護層140の間に配置されている。当該両面接着スペーサ120は、シート状の肉部121と、平面視渦巻き状のアンテナ導体130を内挿可能な形状で当該肉部121に貫通形成された切欠き122と、当該肉部121両面に形成された接着面123と、を備える。そして、図1に示すように、アンテナ導体130全体が切欠き122内に配置される。
図3に示すとおり、アンテナ導体130の厚みaと両面接着スペーサ120の厚みbとはほぼ同じ厚みであり、これらの表裏面は面一(段差のない平坦面)となっているため、その一方の面に焼結磁性体層112を、他方の面に保護層140を被せて貼着することができる。このときアンテナ導体130と焼結磁性体層112との間には所定厚の追加の接着層が存在していないため、磁性体シート110と保護層140とがアンテナ導体130を挟み込んでおり、保護層140がアンテナ導体130を押さえつけている構造となる。このようにして、保護層140と焼結磁性体層112との間にアンテナ導体130が介装されている。
図4は、アンテナ導体130を両面接着スペーサ120の切欠き122に嵌め込んだ状態を示す模式図である。アンテナ導体130は、その平面視で渦巻き状に延びるアンテナ導線131と、その両端に設けられた幅広の給電パッド132とからなる。そして、アンテナ導体130の最内周の巻き線に包囲される内方領域133を有する。図4に示すように、両面接着スペーサ120に形成された切欠き122とアンテナ導体130とは、平面視において略同一形状であるため、このようにアンテナ導体130が切欠き122に完全に埋設された構造となる。すなわち、両面接着スペーサ120の肉部121の平面視形状は、アンテナ導体130の投影面に対して所謂「補集合の関係」となっているので、アンテナ導体130を、切欠き122に嵌め込むことが可能なのである。そして、両面接着スペーサ120及びアンテナ導体130が組み合わさって、上面及び下面に実質的に突起を有さない略平坦面からなる(磁性体シート110と保護層140との間に配置される)中間層を形成している。
本実施形態では、この両面接着スペーサ120(肉部121)は、アンテナ導体130の投影面に対してほぼ全部が所謂「補集合の関係」にある平面形状を有している。この「全部」とは、切欠き122の形状とアンテナ導体130の形状とが略同一形状であることを意味しているが、図3及び図5(図4のB−B断面図)に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間にわずかな隙間124があってもよい。すなわち、切欠き122の形状が、アンテナ導体130の形状よりも大きく、このような形状によってアンテナ導体130を切欠き122に嵌め込むことが可能である。しかし、逆に、切欠き122をアンテナ導体130の形状よりも小さくすると、両面接着スペーサ120にアンテナ導体130を嵌め込むことができず、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とが厚み方向に積み重なってしまい、アンテナモジュールの厚みを薄くするという本発明の課題の薄型化を達成できなくなる。
図5には、切欠き122にアンテナ導体130を嵌め込んだ状態の断面図を示したが、前述のとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とは、相互にほぼ同じ厚みであるので、その表裏面ともに実質的に面一となっているのである
そして、図3及び図5に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とのすべての境界領域において10~800μmの隙間124を設けておくと、組み立て工程において位置ズレによってアンテナ導体130と両面接着スペーサ120とが重なってしまう不具合を抑制することができる。ただし、アンテナ導体130を渦巻状に形成すると、アンテナ導線131同士の間隔が狭くなって隙間124を設けることが困難になるときがあるが、この場合は、渦巻状のアンテナ導体130の内側と外側の両方ではなく、どちらか一方にのみ隙間を形成しておいてもよい。
また、上述したように、焼結磁性体層112とアンテナ導体130との間にはなんらの追加の接着層も存在していないので、焼結磁性体層112の上に直接アンテナ導体130が載置されて当接している構造となっている。このように焼結磁性体層112とアンテナ導体130との距離がなくなったことによって、通信特性をさらに向上させることができるのである。また、保護層140と焼結磁性体層112とアンテナ導体130とを結合させているのは、両面接着スペーサ120だけであり、このような接着方法を採用したことによって、従来技術のように、磁性体とアンテナ導体との間に粘着層を設けてこれらを固定する必要がなくなるため、アンテナモジュール全体の厚みをさらに薄くすることも可能となったのである。
ここで、アンテナ特性を得るために不可欠な要素である磁性体シート110とアンテナ導体130以外のあらゆる不要な厚み要素を排除したことが、本発明の本質であるため、例えば、図6に示すようにアンテナ導体130の厚みaは、両面接着スペーサ120の厚みbよりも大きくなっていてもよい。このように、アンテナ導体130の厚みaが両面接着スペーサ120の厚みbよりも大きい場合は、保護層140がこれらの厚みの差を埋めるように曲がって被さることとなる。なお、アンテナ導体130の厚みaと両面接着スペーサ120の厚みbとを同じ厚みにすると、アンテナモジュール全体の厚みがフラットになって望ましい。他方、アンテナ導体130の厚みaが両面接着スペーサ120の厚みbよりも小さくても、全体厚が若干厚くなってしまうが、本発明の範囲に含まれることは云うまでもない。
上述したとおり、薄型のアンテナモジュール100は、前述した厚みの各部品を堆積して製造され、全体として30〜215μmの厚みを有する。また、本実施形態のアンテナモジュール100は、縦横55mm×40mmに形成された。しかしながら、本発明のアンテナモジュールの寸法は、用途に応じて任意に設計可能である。
本発明のアンテナモジュールは、公知の材料を使用することができる。
本実施形態では、磁性体シート110は、下部保護層111と、当該下部保護層111に(第1の)粘着層を介して接着された焼結磁性体層112とからなる。焼結磁性体層112は、単に磁性体焼結基板であってもよいが、多数の鱗片状の磁性体小片(分割片)からなる集合体を採用すればフレキシブルなアンテナモジュールが得られるので望ましい。
下部保護層111の一方の面に塗布された第1の粘着層は、例えば、アクリル系、シリコン系などの粘着剤からなる。下部保護層111としては、例えば、ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリイミドなどのフィルムからなる面状絶縁体や、銅、黄銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレスなどの金属をスパッタリング、電界めっき、無電解めっき、転写、スクリーン印刷、粘着剤付金属箔などによって形成した金属シールドや、あるいは、これらの積層体を使用することができる。下部保護層111の厚みは、焼結磁性体層112の集合体を保持するのに最低限必要な厚みである5〜20μm程度とするのが好ましい。
また、アンテナモジュールは、実装する端末の金属環境により通信特性が大きく変化してしまう。そのため、あらかじめアンテナモジュールの磁性体の下部保護層111部に金属シールド層を設けて、Q値とL値を所望の値に安定化させることによって、その後端末の電池パックやシールドケースなどの金属に貼り付けた後のアンテナ特性の変化を最小限にすることができるようになる。そこで、下部保護層111として、金属シールドを使用したもの、絶縁体と金属シールドとを積層したもの、又は、両面粘着材と金属シールドを積層したものを用いることができる。金属シールドの厚みは、絶縁体と同様に、焼結磁性体層112の集合体を保持するのに最低限必要な厚みがあればよいが、Q値とL値を所望の値に安定化するために5〜35μm程度とすることが好ましい。
アンテナモジュールを電池パックや回路基板のシールドケースなどの金属部に貼り付ける場合、下部保護層111の下面(第1の粘着層の反対側の面)に、第2の粘着層(図示せず)を形成するとさらに好ましい。また、アンテナモジュールは、主に携帯電話に使用された場合、その電池パックに貼着されるか、あるいは、リヤカバーに貼着されることが多い。そして、貼り付ける箇所に対応して、アンテナモジュールの最下面又は最上面(すなわち磁性体シート110の下面又は保護層140の上面)にあらかじめ第2の粘着層を形成しておくことにより、この第2の粘着層を介して、アンテナモジュールを携帯電話等の電子機器に容易に貼り付けて、アンテナモジュールを使用位置に配置することができる。なお、第2の粘着層は、例えば、アクリル系、シリコン系などの粘着剤からなる。
さらに、焼結磁性体層112は、一般的なMn−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Ni系、Mg−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Ba系、Li系などの軟磁性体から選択される。しかし、外部からの磁束を集束可能な高い透磁率の材料であれば、これら材料に限定されない。焼結磁性体層112の小片112aの一つ一つの厚みは10〜100μmとするのが好ましい。
両面接着スペーサ120は、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂などを使用することができる。また、エポキシやポリエチレンテレフタレートのような樹脂シートの両面に接着層を設けた3層構造の両面接着スペーサを使用してもよい。両面接着スペーサ120の厚みは、アンテナ導体130の厚みを超えない範囲(好ましくは10〜70μm)であればよく、アンテナ導体130の厚みと同程度とするのが望ましい。
アンテナ導体130として、例えば、銅、アルミ、銀などを使用することができる。アンテナ導体130の厚みは、RFIDシステムの通信に必要なアンテナ特性を満足させるために、10〜70μmとするのが好ましい。アンテナ導体130の断面形状は、好ましくは長方形又は台形とする。
保護層140は、密着するアンテナ導体130を外部環境から保護可能な材料で形成されるのが好ましく、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性の基材を使用することができる。この保護層140の厚みとしては、3〜25μmとするのが好ましい。
図7は、本発明のアンテナモジュールの製造方法の製造工程フローを簡易的に示した図である。まず、磁性体シート110、両面接着スペーサ120、アンテナ導体130、保護層140をそれぞれ準備する。そして、保護層140とアンテナ導体130と磁性体シート110とを、両面接着スペーサ120を介して結合して組み立てることによってアンテナモジュール100を得ることができる。
次に、本発明によるアンテナモジュールの製造方法を各工程ごとに詳述する。
まず、図8を参照して磁性体シート110の製造方法を説明する。上述した公知の磁性体材料粉末を使用して、これに、ブチラール樹脂、ポリブチルメタクリレート等のバインダーや、ブチルアルコール、トルエン等の溶媒と混合してスラリーを得た後、ドクターブレード法によって、所定厚の磁性体グリーンシートを形成する。そして、図8(a)に示したように、所望の大きさにカットした後に、この磁性体グリーンシート210を焼成する。ただし、焼成前に、磁性体グリーンシート210にあらかじめ図8(b)に示したような分割溝211を形成しておくことが好ましい。分割溝211を縦横に形成しておくことによって、後の、焼結磁性体基板を焼結磁性体小片に分割する工程がスムーズに実施できるようになる。分割溝211の形状としては、図8(b)に示した連続溝のほか、破線溝、一点鎖線溝など、任意の形状とすることができる。そして、磁性体グリーンシート210を焼成することによって焼結磁性体基板310(図8(c))が得られる。
その後に、図8(c)に示すとおり、得られた焼結磁性体基板310の一方又は両方の面に、フレキシブルシート(本実施形態では下部保護層111)を貼着する。この焼結磁性体基板310は、磁性体グリーンシート210の分割溝211に対応する分割溝311を備える。少なくとも分割溝311の面にフレキシブルシートを貼着することが好ましい。そして、下部保護層111を貼着した焼結磁性体基板310を屈曲させると、あらかじめ形成しておいた分割溝311に沿って焼結磁性体基板310が割れることとなる。このとき焼結磁性体基板310は下部保護層111に貼着されているため、麟片状に分割された破片は、焼結磁性体基板310から切り出されてバラバラになることがない。そして、図8(d)に示すとおり、相隣接させて突き合わせた構造の焼結磁性体小片112aの集合体である焼結磁性体層112が形成される。すなわち、焼結磁性体小片112aのそれぞれが下部保護層111によって保持されている磁性体シート110を得ることができる。
なお、焼結磁性体基板310の両面にフレキシブルシート(少なくとも一方は下部保護層111である)を貼着して3層集合体とした場合は、焼結磁性体基板310を分割して焼結磁性体小片112aの集合体とした後に、一方のフレキシブルシートを剥離したものを、磁性体シート110とする。したがって、両面にフレキシブルシートを貼着する場合は、一方のフレキシブルシートの粘着力を、他方のフレキシブルシート(下部保護層111)の粘着力よりも弱くしておくと剥離しやすくなって望ましい。
このような磁性体シートの製造方法によると、多数の焼結磁性体小片の集合体となった後においても、焼結磁性体小片の水平方向、厚み方向のいずれの方向にも位置が変動しないため、これらの集合体の表裏面は、それぞれの焼結磁性体小片同士の高さがずれることもなく同一平面を保ったまま面一になっているのである。また、焼結磁性体小片同士の間は、ほとんど隙間を生じることなく密着配置する構造となるので、通信特性を損なわない程度に磁気の漏れを防止する効果がある。このため、焼結磁性体小片の集合体となった後であっても、焼結磁性体基板の状態とほぼ同等の透磁率を確保できるのである。
焼結磁性体層112を構成する焼結磁性体小片の形状として麟片状とは、前述のように焼結磁性体小片の集合体が同一平面を保ったまま面一になる形状であればどのような形状でもよく、四角形、六角形、三角形など任意の形状とすることができる。
そして、焼結磁性体基板をあらかじめ焼結磁性体小片の集合体へと分割しておくことによって、割れやすいセラミックの基板が、フレキシブルな状態に加工されたため、曲面上にもアンテナモジュールを配置することが可能となっている。しかしながら、実施形態によっては、分割工程を省略し、複数の分割溝が形成された焼結磁性体層を備えた磁性体シート(又はアンテナモジュール)を製造してもよい。この場合、アンテナモジュール使用時の用途に応じて、アンテナモジュール自体を屈曲させることによって、焼結磁性体層を小片に分割可能である。
次に、両面接着スペーサ120の製造方法を説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートなどの面状の合成樹脂芯材の両面に、粘着層とセパレータとからなる剥離シート(図示せず)を貼着して両面接着シート基材を準備し、焼結磁性体小片の集合体と同じ大きさに加工する。次に、図1、4に示したように、前述したアンテナ導体130の形状と略同一形状となるように、この両面接着シート基材を金型で打ち抜いて貫通させた切欠き122を形成した両面接着シート前駆体とする。そして、両面接着シート前駆体からセパレータのみを剥離すると、合成樹脂芯材の両面に接着層が露出して接着面123を有する両面接着スペーサ120が得られる。なお、合成樹脂芯材を有さないものを両面接着スペーサ120として使用することもできる。また、両面接着シートの片面のセパレータを残してハーフカットで打ち抜きしたものを使用することもできる。ここでいうセパレータとは、両面接着シート基材(両面接着シート前駆体)の接着面に貼り付けてあるシートで、目的物に接着する際に剥がされるシートのことをいう。
次に、アンテナ導体130の製造方法を説明する。図1に示したように、アンテナ導線131を平面視渦巻状に形成し、その両端に給電パッド132を取り付ける。アンテナ導線131として銅、アルミ、銀などを使用すると、そのままでは酸化してしまい、通信特性が劣化してしまうので、めっき処理のような酸化防止処理を必要に応じて実施しておくことが望ましい。電極パッド132は、接触抵抗を低減するために、ニッケル+金めっきなどによりアンテナ導線パターンをマスキングして部分めっきするか、あるいは、ニッケル+金めっきを施した燐青銅やステンレスなどの金属板を、金型で打ち抜いて成形したものをはんだ付けや導電接着剤でアンテナ導線131に貼り付けて形成する。なお、アンテナ導線131と電極パッド132との位置関係は、同一平面上であってもよいし、アンテナ導線の上面側、下面側のどちらかであってもよい。
最後に、図1に示すとおり、下層から、上述のごとき準備した磁性体シート110と、両面接着スペーサ120と、アンテナ導体130と、保護層140とを重ね合わせると、図2で示したように、無駄な厚みを省いた薄型のアンテナモジュール100が完成することとなる。より具体的には、両面接着スペーサ120とアンテナ導体130とを組み合わせて1つの中間層を形成し、当該中間層の上下接着面123にそれぞれ保護層140及び磁性体シート110を接着させることにより、アンテナモジュール100が完成する。
本発明のアンテナモジュールの製造方法は上記実施形態に限定されない。次に、本発明を実施するためのさらに好ましい製造方法を説明する。より具体的には、組み立て工程の前に、図1におけるアンテナ導体130と保護層140とを、あらかじめ一体形成して、図9に示したようなアンテナ付保護層140’として一つの部品にしておく方法を説明する。
まず、厚さ10〜70μmの銅箔を準備し、その一方の面にドクターブレード法や、蒸着などの手法を用いて、液状の保護材料の層を5〜25μm程度の厚みでコーティングして、銅箔と保護材料との2層構造とする。そして、一般的なフォトリソ法によって、銅箔を渦巻状のアンテナ導体パターンに露光し、不要な銅箔の部分を除去して、渦巻状のアンテナ導体130のパターンが形成されたアンテナ付保護層140’とする。アンテナ導体のパターン形成方法としては、フォトリソ法以外にも、従来から周知のスクリーン印刷法、リフトオフ法、エッチング、スパッタリング、めっきなどの手法を使用することもできる。また、単純に渦巻状のアンテナ導線を、保護層に接着剤で貼着してもよい。
そして、前述の工程で作成したアンテナ付保護層140’を使用してアンテナモジュール100を製造する方法を説明する。図10(a)はアンテナ付保護層140’のC−C断面図である。このアンテナ付保護層140’の上面全面、すなわちアンテナ導線が形成されている側の面の全面に、両面接着スペーサ120の母材として面状接着体220を形成する。面状接着体220としては、例えば、前述した面状合成樹脂芯材の表裏面に接着層を形成させたものを貼着してもよいし、単に接着層を印刷したものであってもよい。
図10(b)に示すように、アンテナ付保護層140’の上面全面に面状接着体220を形成すると、アンテナ導体130上に面状接着体220が盛り上がった部分221が形成される。次に、この盛り上がった部分221だけをエッチングのような公知の手法で除去して、アンテナ導体130を露出させると、図10(c)に示したようなアンテナ構造体(両面接着スペーサ120、アンテナ導体130及び保護層140のアセンブリ)が得られる。最後に、アンテナ構造体の上面(図2では下面)に磁性体シート110の焼結磁性体層112表面を重ね合わせると、アンテナモジュール100が得られる。
このような製造方法を採用すると、効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができる。まず、磁性体シート110は、焼結磁性体層112が下部保護層111によって相互に固定されている。また、保護層140とアンテナ導体130とは、ドクターブレード法や蒸着、あるいは接着剤によって貼りつけているため、やはり相互に固定されている。そして、保護層140とアンテナ導体130に両面接着スペーサ120を重ね合わせた段階においても、これらは相互に固定されており、最後に磁性体シート110を貼り合わせてアンテナモジュールが完成することとなる。すなわち、常に部品同士が固定されている状態が維持されているため、組み立て時に位置ズレや破損、変形といった不具合を生じることなく、効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができるのである。
本発明のさらに別の製造方法を以下に説明する。まず、図11(a)に示したアンテナ付保護層140’を準備する。そして、図11(b)に示すように、アンテナ付保護層140’上に形成したアンテナ導体130と略同一形状を有する面状の絶縁膜231を準備して、アンテナ導体130上に形成する。絶縁膜231の形成方法としては、例えば、前述した銅箔と保護層との2層構造にさらに絶縁膜231を重ねて3層構造とした後に、銅箔と絶縁膜231とをフォトリソ法などで除去する方法がある。
そして、アンテナ導体130上に絶縁膜231を形成したアンテナ付保護層140’の上部にさらに面状接着体220を形成すると、図11(c)に示すように、アンテナ導体130上に面状接着体220が盛り上がった部分221が形成される。次に、絶縁膜231を剥離すると、絶縁膜231上に形成された盛り上がった部分221も同時に除去されて、図11(d)に示すアンテナ構造体が得られる。最後に、アンテナ構造体の上部に磁性体シート110を重ねると、アンテナモジュール100が得られる。すなわち、このような製造方法を採用すると、前述の製造方法と同様に効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュール100の構造及びその製造方法を説明したが、選択的にアンテナ導体130表面を被覆するように保護膜150を追加することも可能である。図12は、保護膜150を含むアンテナモジュール100’の断面図である。図12に示すとおり、保護膜150がアンテナ導体130及び保護層140を被覆している。保護膜150は、両面接着スペーサ120とアンテナ導体130と間に介在すると共に、両面接着スペーサ120と保護層140と間に介在している。すなわち、保護層140及び保護膜150をアンテナ導体130表面に密着させたことにより、アンテナ導体130が大気に触れることを防止する。
次に、図13を参照して、両面接着スペーサ120、アンテナ導体130、保護層140及び保護膜150のアセンブリであるアンテナ構造体を作成する工程について説明する。図9に示したアンテナ付保護層140’の、アンテナ導体130が形成されている側の面に、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系などの液状樹脂を、スクリーン印刷のような公知の手法で全面又は少なくともアンテナ導体130上に塗布した後、高温で熱硬化させたものが保護膜150である。この保護膜150の厚みは10μm以下とするのが望ましいが、5μm以下とするとさらに望ましい。このようにして得られたアンテナ付保護層140’は、図13(a)に示すようにアンテナ導体130全体が下部保護層111と保護膜150とによって、密着して覆設されている。そして、図10(b)と類似の図13(b)(c)の工程を経て、保護膜150を含むアンテナ構造体が作成可能される。
すなわち、アンテナモジュール100’では、両面接着スペーサ120のみによって接着を行なった場合、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間に隙間が生じて密着されていないことがあるので、アンテナモジュール100を長期的に使用するとアンテナ導体130が酸化して、アンテナ特性が劣化してしまう虞があった。本発明のアンテナモジュールを携帯電話などの端末側に使用する場合は、ライフサイクルがおよそ5年未満と短いため保護膜150を設置せずに、前述した酸化防止処理だけでも問題にならないが、POSレジスターなどの業務用リーダーライタや屋外環境に設置されるRFID装置などで、高温多湿な環境条件で長期の耐環境性能が求められる場合には、保護層150を設置するのが望ましい。
特に、図14に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間の隙間124、及び、アンテナ導体130と焼結磁性体層111との間の隙間125が存在しているときには、保護層150がアンテナ導体130の劣化を効果的に抑えることができる。
また、前述した本発明の一実施形態では、両面接着スペーサ120の肉部121の平面視形状は、アンテナ導体130の投影面に対してほぼ全部が所謂「補集合の関係」にあるが、例えばアンテナ導線同士の間隔が狭い場合には、アンテナ導線の最内周部に包囲される内方領域のみに両面接着スペーサを嵌め込んでもよい。すなわち、この両面接着スペーサ(肉部)の平面視形状は、アンテナ導体の投影面に対して「補集合の関係」にある平面形状の一部を占めるだけでもよい。図15に示すとおり、両面接着スペーサ120”の肉部121”の平面視形状は、少なくとも渦巻状のアンテナ導体130”の最内周部に包囲される(導線が存在しない)内方領域133”に嵌め込むことができる形状であってもよい。そして、両面接着スペーサ120”及びアンテナ導体130”が組み合わさって、上面及び下面に実質的に突起を有さない略平坦面からなる(磁性体シート110と保護層140との間に配置される)中間層を形成する。
このとき、アンテナ導体130”は、焼結磁性体層112にも保護層140にも接着されていないことになるので、アンテナ導体130”の上下面に接着剤(図示せず)をつけておくことによって、焼結磁性体層112や保護層140とアンテナ導体130”を貼着してもよい。接着剤を使用したことによって余分な厚みを生じてしまうが、組み立てたアンテナモジュールを厚み方向に押圧すれば、接着剤が押し出されて、アンテナ導線同士の隙間に移動するため、接着剤の厚みを限りなく薄くすることができる。
以上、本発明の詳細について、実施例を示しながら説明してきたが、ここで示したのは本発明の具体的な実施形態であり、その技術思想を踏まえた上で、発明の効果を著しく損なわない限度において、実施形態の一部を変更して実施することが可能であることが理解されるべきである。
本発明によると、非接触通信機器やスマートフォンなどの分野に幅広く利用することができる。
100 アンテナモジュール
110 磁性体シート
111 下部保護層(第一面状絶縁体及び/又は第一面状導電シールドを含む)
112 焼結磁性体層
112a 焼結磁性体の小片
120 両面接着スペーサ
121 肉部
122 切欠き
123 接着面
124 隙間
125 隙間
130 アンテナ導体
131 アンテナ導線
132 給電パッド
133 内方領域
140 保護層(基材シート又は第二面状絶縁体とも称する)
140’アンテナ付保護層
150 保護膜
210 磁性体グリーンシート
211 分割溝
310 焼結磁性体基板
220 面状接着体
221 盛り上がった部分
231 絶縁体膜
本発明は、電磁波により情報を送受信する非接触型アンテナモジュール及びそれに使用する両面接着スペーサ、並びにアンテナモジュールの製造方法に関する。
近年、おサイフケータイやICカードのようなRFID(Radio Frequency IDentification)システムに用いられる非接触型の情報通信手段が普及してきている。このような非接触通信手段に使用されているモジュールには、絶縁基材、磁性体、アンテナコイル、ICチップといった電子部品が不可欠である。RFIDは、磁界を利用してリーダー、ライターとの情報通信を行うので、付近に金属等の導電体が存在すると、磁界がその金属面を通過するときに渦電流が発生し、交信磁界と逆向きの反磁界を発生させて通信が困難になるという不具合が発生してしまう。そこで、金属面とICタグ等との間に磁性体を配置して、磁界が金属面を貫通しないようにしているのである。
そして、RFIDシステムに用いられる磁性体は、前述した効果を得るために大きな透磁率が要求される。磁性体厚みを大きくするほど通信特性を向上させることができるが、一方、RFIDシステムに必要な絶縁基材、磁性体、アンテナコイルなどの電子部品は、層状に重ねて配置する必要があるため、モジュール全体の厚みを薄くすることも同時に要求されることとなるのである。さらに、このようなモジュールは、平面上だけではなく、曲面上に配置する場合もあるため、これらの電子部品は、可撓性を有することも要求されるのである。
上記のような要求を満たすアンテナモジュールとして、例えば、特許文献1(特開2006−174223号公報)が、多数個の磁性体であるフェライトの小片が1枚のシート基材の上に敷き置きした集合体の上に渦巻状の面状アンテナを設置する構造のアンテナモジュールを開示している。
この特許文献1の技術は、(1)衝撃を受けたとき破壊し易いフェライトを衝撃に耐える最小形状の小片の多数を以って1枚のフェライトシート(面状集合体)にしている点、及び(2)面状アンテナと面状集合体とを直接接触させ、すなわち、集合体の上に渦巻状の面状アンテナを直置きする構造を採用してアンテナ特性を向上させている点において相応の効果を発揮している。
しかしながら、この技術を実際に具現化しようとすると、次の問題に遭遇する。第一に、前記小片を製造する過程で、フェライトのグリーンシートから形成した小片を焼成していること、又は焼成フェライトから小片を切り出していること等の理由で複数の小片そのものの立体形状の不揃いを避けることができないため、その不揃いの複数個の小片を1枚のシート基材の上に敷き置きした場合、必然的に各小片の上面高さが面一(段差のない平坦面)にならない。このため、特許文献1では、焼結磁性体の上部に他のシート部材を重ねて平坦面を形成し、当該平坦面上に面状アンテナを配置している。すなわち、追加したシート部材の厚み分、全体厚みが増加するため、アンテナモジュールの小型化の点で不利である。その上、1本の導電線からできた渦巻き状の面状アンテナにおいて、前記集合体との間に隙間から磁束が漏れて、その結果、アンテナ特性の損失を免れない。
第二に、集合体の上に渦巻状の面状アンテナを配置する場合、焼結磁性体の隣接する小片間に隙間を設けてその隙間を通じて前記シート基材と面状アンテナとを接着媒体で接合する必要がある。すなわち、特許文献1では、面状アンテナを焼結磁性体上に配置する前段階で、焼結磁性体の各小片を離隔させてシート基材上に敷き置きして接着固定を行い、面状アンテナを敷設するための平坦面を形成すべく、その上部に他のシート部材(接着媒体)を重ねる工程を必要とした。このため、必然的な隙間によるアンテナ特性損失の問題だけでなく、アンテナモジュールの全体厚が増し、さらに製造工程が煩雑になるという問題が存在している。
特開2006−174223号公報
したがって、本発明の目的は、アンテナ特性が最大限に発揮できるアンテナモジュールの実用的かつ効率的な組み立て構造を提供することにある。非接触通信システムにおいて、その通信特性を損なうことなく、従来よりも薄型のアンテナモジュールを提供することにある。特には、焼結磁性体の上にアンテナを実質的に直置可能にしたアンテナモジュール及びその製造方法を提供し、また両面接着スペーサを提供する。
そこで本発明者は、この問題を解決するために鋭意研究したところ、面状のアンテナを構成する導体の上面と側面に対して、シート基材と分離した2つの新しい要素部材(保護層及び両面接着スペーサ)を使用すればよい、という知見を得た。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下のような実施形態及び製造方法を採用すれば、良好な通信特性を有する薄型のアンテナモジュールの製造を、実用的かつ効率的に、そして高精度に実施し得るものであることを見出した。
本発明の一実施形態のアンテナモジュール(又はアンテナ装置)は、磁束を集束するための磁性体シートと、当該磁性体シート上に堆積され、所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、アンテナ導体を保護するための保護層とを備えることを特徴とする。保護層がアンテナ導体層を挟み込むように磁性体シートに直接的又は間接的に結合される。すなわち、保護層がアンテナ導体を磁性体シートに対して実質的に押さえつける、又は、磁性体シートと保護層とがアンテナ導体を挟み込むことによって、アンテナ導体と磁性体シートとを実質的に接触させてアンテナ特性を向上させるとともにアンテナモジュール全体の薄型化を図る。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シート及び保護層の間に配置されていると共に磁性体シートと保護層とを接着するための両面接着スペーサをさらに備え、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、平面視におけるアンテナ導体と両面接着スペーサとの関係において、アンテナ導体(導線及び給電パッド)が存在しない空間の少なくとも一部に、両面接着スペーサの肉部が配置される。換言すると、両面接着スペーサの肉部間(すなわち切欠き内)にアンテナ導体が内挿され、あるいは、アンテナ導体の(導線が存在しない)内方領域に両面接着スペーサの肉部が内挿される。したがって、両面接着スペーサを使用したことによりアンテナ導線と磁性体との間の所定厚の接着層を追加しなくても位置ズレ等の不具合を生じることなく容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、アンテナ導体と両面接着スペーサとの間に配置され、アンテナ導体を被覆する保護膜をさらに備えることを特徴とする。アンテナ導体を保護層と保護膜とで密封したことによって、アンテナ導体の酸化等による経時劣化を軽減させることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シートは、下部保護層と、当該下部保護層の上面に接着した焼結磁性体層とを備え、当該焼結磁性体層は、実質的に隙間なく並列した複数の焼結磁性体小片の集合体であり、当該焼結磁性体小片の集合体が段差のない平坦面を形成していることを特徴とする。すなわち、焼結磁性体層の表面及び裏面を面一にしたことによって、アンテナ導線と焼結磁性体小片との間に隙間が生じることを抑制してアンテナ特性を向上させる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、アンテナ導体と両面接着スペーサとの間に、10〜800μmの隙間を設けたことを特徴とする。これにより、組み立て時にアンテナ導線と両面接着スペーサとが重なってしまうことを回避する。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールは、磁性体シートとアンテナ導体と保護層との厚み合計が30〜515μmの範囲である薄型のアンテナモジュールである。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、下部保護層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート及び、ポリイミドから選択されるいずれか1種の合成樹脂フィルムからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、保護層は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイドから選択されるいずれか1種の合成樹脂フィルムからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、金属シールドは、銅、黄銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレスのいずれかからなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、アンテナ導線は、銅、銀又はアルミニウムから選択される金属であることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、焼結磁性体小片は、Mn−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Ni系、Mg−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Ba系、Li系から選択されるいずれか1種の軟磁性体からなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールでは、両面接着スペーサは、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂から選択されるいずれか1種の合成樹脂からなることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法は、磁束を集束するための磁性体シートを準備するステップと、アンテナ導体を磁性体シート上に堆積するステップと、磁性体シート上にアンテナ導体を介して当該アンテナ導体を保護するための保護層を堆積するステップと、を含むことを特徴とする。保護層がアンテナ導体層を挟み込むように磁性体シートに直接的又は間接的に結合される。すなわち、保護層がアンテナ導体を磁性体シートに対して実質的に押さえつける、又は、磁性体シートと保護層とがアンテナ導体を挟み込む構造となり、アンテナ導体を磁性体シートに実質的に接触させてアンテナ特性を向上させるとともにアンテナモジュール全体の薄型化を図ることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法は、磁性体シート及び保護層の間に両面接着スペーサを配置して、磁性体シートと保護層とを接着するステップをさらに含み、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、両面接着スペーサを使用したことによりアンテナ導線と磁性体との間の所定厚の接着層を追加しなくても、位置ズレ等の不具合を生じることなく容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法では、アンテナ導体と保護層とが一体形成されており、保護層と共にアンテナ導体を磁性体シート上に配置することを特徴とする。すなわち、アンテナ導線と保護層とが相互に固定されているため、組み立て時の位置ズレを防止することができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造方法では、磁性体シートを準備するステップは、所定のサイズの磁性体グリーンシートを準備するステップと、磁性体グリーンシートに複数の分割溝を形成するステップと、複数の分割溝を形成した磁性体グリーンシートを焼成して焼結磁性体基板を形成するステップと、焼結磁性体基板の少なくとも一面にフレキシブルシートを貼着するステップと、フレキシブルシートを貼着した焼結磁性体基板を複数の分割溝に沿って屈曲させて、焼結磁性体基板を複数の小片に分割するステップと、を含むことを特徴とする。つまり、表面に分割溝を有する磁性体のクリーンシートを焼成した後、その少なくとも一方の面に、フレキシブルシートを得た面状の焼結磁性体を屈曲させることにより、生成した複数個の鱗片状の焼結磁性体小片を、面状の焼結磁性体から切り出すことなく、相隣接させて突き合わせた構造を簡単に形成することができる。
本発明の一実施形態の磁性体シートは、アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートであって、少なくとも一面に複数の分割溝が形成された焼結磁性体層と、焼結磁性体層に接着するための第1の粘着層が一方の面に形成された下部保護層と、を備えることを特徴とする。すなわち、磁性体シートを分割溝に沿って屈曲することで、簡単に複数の小片に分割可能であり、用途に応じて簡単にフレキシブルシートを形成することができる。このとき、焼結磁性体の複数の小片が下部保護層の粘着層に保持されているため、焼結磁性体層の分割時及びアンテナモジュールの使用時に各小片が移動して隙間を形成することを防ぎ、当該磁性体シートを備えたアンテナモジュールのアンテナ特性を向上させる。さらに、焼結磁性体層を分割した際、複数の小片が実質的に隙間なく並列し、複数の小片の集合体が実質的に段差のない平坦面を形成する。すなわち、焼結磁性体層の表面及び裏面を面一にしたことによって、アンテナ導体と焼結磁性体小片との間に隙間が生じることを抑制してアンテナ特性を向上させる。
本発明の一実施形態の両面接着スペーサは、アンテナモジュールの磁性体シートと保護層とをその両面に接着し、且つ、アンテナ導体と共に磁性体シートと保護層との間に中間層を形成するための両面接着スペーサであって、当該両面接着スペーサの形状は、アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする。すなわち、この両面接着スペーサを使用することによりアンテナ導線と磁性体との間に所定厚の接着層を追加しなくても、位置ズレ等の不具合を生じることなくアンテナモジュールを容易に組み立てることができる。
本発明の一実施形態の両面接着スペーサは、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂からなる群の合成樹脂から選択されるいずれか1種からなる。
本発明によると、通信特性を向上させるとともにアンテナモジュールの厚みを小さくすることが可能となるため、おサイフケータイやICカードなどのようなRFIDシステムを、ますます薄型化することが可能となる。
本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの分解斜視図。 本発明の一実施形態によるアンテナモジュールの斜視図。 図2のA−A断面図。 図1のアンテナ導体を両面接着スペーサに嵌め込んだ斜視図。 図4のB−B断面図。 アンテナ導線厚a>両面接着スペーサ厚bのときのアンテナモジュールの断面模式図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールの製造工程フローを示した図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールの磁性体シートを作成する工程を示す模式図であって、(a)磁性体グリーンシートの斜視図、(b)分割溝を形成した状態の斜視図、(c)焼結磁性体小片に分割する前の保護層を貼着した状態の斜視図、(d)磁性体シートの斜視図。 本発明の一実施形態のアンテナモジュールにおけるアンテナ付保護層の斜視図。 図2のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)図9のアンテナ付保護層のC−C断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に面状接着体を貼着した断面図、(c)アンテナ構造体の断面図。 図2のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)図9のアンテナ付保護層のC−C断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に、絶縁膜を形成した断面図、(c)さらにその上に面状接着体を形成した断面図、(d)アンテナ構造体の断面図。 本発明の別実施形態による保護膜を備えるアンテナモジュールの断面図。 図12のアンテナモジュールにおいて、アンテナ構造体を作成する別工程を示す模式図であって、(a)アンテナ付保護層に保護膜を設置したときの断面図、(b)アンテナ付保護層の上面に面状接着体を貼着した断面図、(c)アンテナ構造体の断面図。 アンテナ導線厚a<両面接着スペーサ厚bのときの図12のアンテナモジュールの断面図。 本発明の別実施形態のアンテナモジュールの分解斜視図。
以下、本発明のアンテナモジュール(アンテナ装置)の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
図1は、当該アンテナモジュール100の分解斜視図であり、図2は当該アンテナモジュール100の斜視図であり、且つ、図3は、当該アンテナモジュール100の断面図(及びその部分拡大図)である。本発明の一実施形態のアンテナモジュール100の構造について詳細に説明する。
図1〜3に示すとおり、アンテナモジュール100は、磁束を集束するための平面状の磁性体シート110と、当該磁性体シート110上に堆積され、所定パターンで形成された平面状のアンテナ導体130と、当該アンテナ導体130上に堆積され、前記アンテナ導体130を保護するための平面状の保護層140(一般的にはアンテナ基材と呼ばれる)と、を備える。
磁性体シート110は、下部保護層(又はフレキシブルシート)111と、当該下部保護層111上に接着された焼結磁性体層112とからなる。焼結磁性体層112は、縦横に並列した複数の小片113からなる。これら隣接する小片113の間には、実質的に隙間が存在していない。そして、焼結磁性体層112(又は磁性体シート110)は、その上面及び下面において、実質的に段差がない平坦面を有している。これら小片の幅は、好ましくは、約0.3〜3.0mm(本実施形態では2.0mm)で形成され、これにより、アンテナモジュールを変形させたときにより滑らかな表面形状を得ることができる。なお、実施形態によっては、焼結磁性体層を複数の小片に分割する代わりに、焼結磁性体層の一面又は両面に、後述するような分割溝を設けてもよい。この場合、分割溝間の距離が小片の幅に対応している。あるいは、実施形態によっては、焼結磁性体層は、(後述する分割溝を形成せずに形成された)不規則な形状で並んだ小片からなってもよい。
そして、当該アンテナモジュール100には、磁性体シート110と保護層140とをその両面に接着するように平面状の両面接着スペーサ120が磁性体シート110及び保護層140の間に配置されている。当該両面接着スペーサ120は、シート状の肉部121と、平面視渦巻き状のアンテナ導体130を内挿可能な形状で当該肉部121に貫通形成された切欠き122と、当該肉部121両面に形成された接着面123と、を備える。そして、図1に示すように、アンテナ導体130全体が切欠き122内に配置される。
図3に示すとおり、アンテナ導体130の厚みaと両面接着スペーサ120の厚みbとはほぼ同じ厚みであり、これらの表裏面は面一(段差のない平坦面)となっているため、その一方の面に焼結磁性体層112を、他方の面に保護層140を被せて貼着することができる。このときアンテナ導体130と焼結磁性体層112との間には所定厚の追加の接着層が存在していないため、磁性体シート110と保護層140とがアンテナ導体130を挟み込んでおり、保護層140がアンテナ導体130を押さえつけている構造となる。このようにして、保護層140と焼結磁性体層112との間にアンテナ導体130が介装されている。
図4は、アンテナ導体130を両面接着スペーサ120の切欠き122に嵌め込んだ状態を示す模式図である。アンテナ導体130は、その平面視で渦巻き状に延びるアンテナ導線131と、その両端に設けられた幅広の給電パッド132とからなる。そして、アンテナ導体130の最内周の巻き線に包囲される内方領域133を有する。図4に示すように、両面接着スペーサ120に形成された切欠き122とアンテナ導体130とは、平面視において略同一形状であるため、このようにアンテナ導体130が切欠き122に完全に埋設された構造となる。すなわち、両面接着スペーサ120の肉部121の平面視形状は、アンテナ導体130の投影面に対して所謂「補集合の関係」となっているので、アンテナ導体130を、切欠き122に嵌め込むことが可能なのである。そして、両面接着スペーサ120及びアンテナ導体130が組み合わさって、上面及び下面に実質的に突起を有さない略平坦面からなる(磁性体シート110と保護層140との間に配置される)中間層を形成している。
本実施形態では、この両面接着スペーサ120(肉部121)は、アンテナ導体130の投影面に対してほぼ全部が所謂「補集合の関係」にある平面形状を有している。この「全部」とは、切欠き122の形状とアンテナ導体130の形状とが略同一形状であることを意味しているが、図3及び図5(図4のB−B断面図)に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間にわずかな隙間124があってもよい。すなわち、切欠き122の形状が、アンテナ導体130の形状よりも大きく、このような形状によってアンテナ導体130を切欠き122に嵌め込むことが可能である。しかし、逆に、切欠き122をアンテナ導体130の形状よりも小さくすると、両面接着スペーサ120にアンテナ導体130を嵌め込むことができず、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とが厚み方向に積み重なってしまい、アンテナモジュールの厚みを薄くするという本発明の課題の薄型化を達成できなくなる。
図5には、切欠き122にアンテナ導体130を嵌め込んだ状態の断面図を示したが、前述のとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とは、相互にほぼ同じ厚みであるので、その表裏面ともに実質的に面一となっているのである
そして、図3及び図5に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120とのすべての境界領域において10~800μmの隙間124を設けておくと、組み立て工程において位置ズレによってアンテナ導体130と両面接着スペーサ120とが重なってしまう不具合を抑制することができる。ただし、アンテナ導体130を渦巻状に形成すると、アンテナ導線131同士の間隔が狭くなって隙間124を設けることが困難になるときがあるが、この場合は、渦巻状のアンテナ導体130の内側と外側の両方ではなく、どちらか一方にのみ隙間を形成しておいてもよい。
また、上述したように、焼結磁性体層112とアンテナ導体130との間にはなんらの追加の接着層も存在していないので、焼結磁性体層112の上に直接アンテナ導体130が載置されて当接している構造となっている。このように焼結磁性体層112とアンテナ導体130との距離がなくなったことによって、通信特性をさらに向上させることができるのである。また、保護層140と焼結磁性体層112とアンテナ導体130とを結合させているのは、両面接着スペーサ120だけであり、このような接着方法を採用したことによって、従来技術のように、磁性体とアンテナ導体との間に粘着層を設けてこれらを固定する必要がなくなるため、アンテナモジュール全体の厚みをさらに薄くすることも可能となったのである。
ここで、アンテナ特性を得るために不可欠な要素である磁性体シート110とアンテナ導体130以外のあらゆる不要な厚み要素を排除したことが、本発明の本質であるため、例えば、図6に示すようにアンテナ導体130の厚みaは、両面接着スペーサ120の厚みbよりも大きくなっていてもよい。このように、アンテナ導体130の厚みaが両面接着スペーサ120の厚みbよりも大きい場合は、保護層140がこれらの厚みの差を埋めるように曲がって被さることとなる。なお、アンテナ導体130の厚みaと両面接着スペーサ120の厚みbとを同じ厚みにすると、アンテナモジュール全体の厚みがフラットになって望ましい。他方、アンテナ導体130の厚みaが両面接着スペーサ120の厚みbよりも小さくても、全体厚が若干厚くなってしまうが、本発明の範囲に含まれることは云うまでもない。
上述したとおり、薄型のアンテナモジュール100は、前述した厚みの各部品を堆積して製造され、全体として30〜215μmの厚みを有する。また、本実施形態のアンテナモジュール100は、縦横55mm×40mmに形成された。しかしながら、本発明のアンテナモジュールの寸法は、用途に応じて任意に設計可能である。
本発明のアンテナモジュールは、公知の材料を使用することができる。
本実施形態では、磁性体シート110は、下部保護層111と、当該下部保護層111に(第1の)粘着層を介して接着された焼結磁性体層112とからなる。焼結磁性体層112は、単に磁性体焼結基板であってもよいが、多数の鱗片状の磁性体小片(分割片)からなる集合体を採用すればフレキシブルなアンテナモジュールが得られるので望ましい。
下部保護層111の一方の面に塗布された第1の粘着層は、例えば、アクリル系、シリコン系などの粘着剤からなる。下部保護層111としては、例えば、ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリイミドなどのフィルムからなる面状絶縁体や、銅、黄銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレスなどの金属をスパッタリング、電界めっき、無電解めっき、転写、スクリーン印刷、粘着剤付金属箔などによって形成した金属シールドや、あるいは、これらの積層体を使用することができる。下部保護層111の厚みは、焼結磁性体層112の集合体を保持するのに最低限必要な厚みである5〜20μm程度とするのが好ましい。
また、アンテナモジュールは、実装する端末の金属環境により通信特性が大きく変化してしまう。そのため、あらかじめアンテナモジュールの磁性体の下部保護層111部に金属シールド層を設けて、Q値とL値を所望の値に安定化させることによって、その後端末の電池パックやシールドケースなどの金属に貼り付けた後のアンテナ特性の変化を最小限にすることができるようになる。そこで、下部保護層111として、金属シールドを使用したもの、絶縁体と金属シールドとを積層したもの、又は、両面粘着材と金属シールドを積層したものを用いることができる。金属シールドの厚みは、絶縁体と同様に、焼結磁性体層112の集合体を保持するのに最低限必要な厚みがあればよいが、Q値とL値を所望の値に安定化するために5〜35μm程度とすることが好ましい。
アンテナモジュールを電池パックや回路基板のシールドケースなどの金属部に貼り付ける場合、下部保護層111の下面(第1の粘着層の反対側の面)に、第2の粘着層(図示せず)を形成するとさらに好ましい。また、アンテナモジュールは、主に携帯電話に使用された場合、その電池パックに貼着されるか、あるいは、リヤカバーに貼着されることが多い。そして、貼り付ける箇所に対応して、アンテナモジュールの最下面又は最上面(すなわち磁性体シート110の下面又は保護層140の上面)にあらかじめ第2の粘着層を形成しておくことにより、この第2の粘着層を介して、アンテナモジュールを携帯電話等の電子機器に容易に貼り付けて、アンテナモジュールを使用位置に配置することができる。なお、第2の粘着層は、例えば、アクリル系、シリコン系などの粘着剤からなる。
さらに、焼結磁性体層112は、一般的なMn−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Ni系、Mg−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Ba系、Li系などの軟磁性体から選択される。しかし、外部からの磁束を集束可能な高い透磁率の材料であれば、これら材料に限定されない。焼結磁性体層112の小片112aの一つ一つの厚みは10〜100μmとするのが好ましい。
両面接着スペーサ120は、例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂などを使用することができる。また、エポキシやポリエチレンテレフタレートのような樹脂シートの両面に接着層を設けた3層構造の両面接着スペーサを使用してもよい。両面接着スペーサ120の厚みは、アンテナ導体130の厚みを超えない範囲(好ましくは10〜70μm)であればよく、アンテナ導体130の厚みと同程度とするのが望ましい。
アンテナ導体130として、例えば、銅、アルミ、銀などを使用することができる。アンテナ導体130の厚みは、RFIDシステムの通信に必要なアンテナ特性を満足させるために、10〜70μmとするのが好ましい。アンテナ導体130の断面形状は、好ましくは長方形又は台形とする。
保護層140は、密着するアンテナ導体130を外部環境から保護可能な材料で形成されるのが好ましく、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性の基材を使用することができる。この保護層140の厚みとしては、3〜25μmとするのが好ましい。
図7は、本発明のアンテナモジュールの製造方法の製造工程フローを簡易的に示した図である。まず、磁性体シート110、両面接着スペーサ120、アンテナ導体130、保護層140をそれぞれ準備する。そして、保護層140とアンテナ導体130と磁性体シート110とを、両面接着スペーサ120を介して結合して組み立てることによってアンテナモジュール100を得ることができる。
次に、本発明によるアンテナモジュールの製造方法を各工程ごとに詳述する。
まず、図8を参照して磁性体シート110の製造方法を説明する。上述した公知の磁性体材料粉末を使用して、これに、ブチラール樹脂、ポリブチルメタクリレート等のバインダーや、ブチルアルコール、トルエン等の溶媒と混合してスラリーを得た後、ドクターブレード法によって、所定厚の磁性体グリーンシートを形成する。そして、図8(a)に示したように、所望の大きさにカットした後に、この磁性体グリーンシート210を焼成する。ただし、焼成前に、磁性体グリーンシート210にあらかじめ図8(b)に示したような分割溝211を形成しておくことが好ましい。分割溝211を縦横に形成しておくことによって、後の、焼結磁性体基板を焼結磁性体小片に分割する工程がスムーズに実施できるようになる。分割溝211の形状としては、図8(b)に示した連続溝のほか、破線溝、一点鎖線溝など、任意の形状とすることができる。そして、磁性体グリーンシート210を焼成することによって焼結磁性体基板310(図8(c))が得られる。
その後に、図8(c)に示すとおり、得られた焼結磁性体基板310の一方又は両方の面に、フレキシブルシート(本実施形態では下部保護層111)を貼着する。この焼結磁性体基板310は、磁性体グリーンシート210の分割溝211に対応する分割溝311を備える。少なくとも分割溝311の面にフレキシブルシートを貼着することが好ましい。そして、下部保護層111を貼着した焼結磁性体基板310を屈曲させると、あらかじめ形成しておいた分割溝311に沿って焼結磁性体基板310が割れることとなる。このとき焼結磁性体基板310は下部保護層111に貼着されているため、麟片状に分割された破片は、焼結磁性体基板310から切り出されてバラバラになることがない。そして、図8(d)に示すとおり、相隣接させて突き合わせた構造の焼結磁性体小片112aの集合体である焼結磁性体層112が形成される。すなわち、焼結磁性体小片112aのそれぞれが下部保護層111によって保持されている磁性体シート110を得ることができる。
なお、焼結磁性体基板310の両面にフレキシブルシート(少なくとも一方は下部保護層111である)を貼着して3層集合体とした場合は、焼結磁性体基板310を分割して焼結磁性体小片112aの集合体とした後に、一方のフレキシブルシートを剥離したものを、磁性体シート110とする。したがって、両面にフレキシブルシートを貼着する場合は、一方のフレキシブルシートの粘着力を、他方のフレキシブルシート(下部保護層111)の粘着力よりも弱くしておくと剥離しやすくなって望ましい。
このような磁性体シートの製造方法によると、多数の焼結磁性体小片の集合体となった後においても、焼結磁性体小片の水平方向、厚み方向のいずれの方向にも位置が変動しないため、これらの集合体の表裏面は、それぞれの焼結磁性体小片同士の高さがずれることもなく同一平面を保ったまま面一になっているのである。また、焼結磁性体小片同士の間は、ほとんど隙間を生じることなく密着配置する構造となるので、通信特性を損なわない程度に磁気の漏れを防止する効果がある。このため、焼結磁性体小片の集合体となった後であっても、焼結磁性体基板の状態とほぼ同等の透磁率を確保できるのである。
焼結磁性体層112を構成する焼結磁性体小片の形状として麟片状とは、前述のように焼結磁性体小片の集合体が同一平面を保ったまま面一になる形状であればどのような形状でもよく、四角形、六角形、三角形など任意の形状とすることができる。
そして、焼結磁性体基板をあらかじめ焼結磁性体小片の集合体へと分割しておくことによって、割れやすいセラミックの基板が、フレキシブルな状態に加工されたため、曲面上にもアンテナモジュールを配置することが可能となっている。しかしながら、実施形態によっては、分割工程を省略し、複数の分割溝が形成された焼結磁性体層を備えた磁性体シート(又はアンテナモジュール)を製造してもよい。この場合、アンテナモジュール使用時の用途に応じて、アンテナモジュール自体を屈曲させることによって、焼結磁性体層を小片に分割可能である。
次に、両面接着スペーサ120の製造方法を説明する。まず、ポリエチレンテレフタレートなどの面状の合成樹脂芯材の両面に、粘着層とセパレータとからなる剥離シート(図示せず)を貼着して両面接着シート基材を準備し、焼結磁性体小片の集合体と同じ大きさに加工する。次に、図1、4に示したように、前述したアンテナ導体130の形状と略同一形状となるように、この両面接着シート基材を金型で打ち抜いて貫通させた切欠き122を形成した両面接着シート前駆体とする。そして、両面接着シート前駆体からセパレータのみを剥離すると、合成樹脂芯材の両面に接着層が露出して接着面123を有する両面接着スペーサ120が得られる。なお、合成樹脂芯材を有さないものを両面接着スペーサ120として使用することもできる。また、両面接着シートの片面のセパレータを残してハーフカットで打ち抜きしたものを使用することもできる。ここでいうセパレータとは、両面接着シート基材(両面接着シート前駆体)の接着面に貼り付けてあるシートで、目的物に接着する際に剥がされるシートのことをいう。
次に、アンテナ導体130の製造方法を説明する。図1に示したように、アンテナ導線131を平面視渦巻状に形成し、その両端に給電パッド132を取り付ける。アンテナ導線131として銅、アルミ、銀などを使用すると、そのままでは酸化してしまい、通信特性が劣化してしまうので、めっき処理のような酸化防止処理を必要に応じて実施しておくことが望ましい。電極パッド132は、接触抵抗を低減するために、ニッケル+金めっきなどによりアンテナ導線パターンをマスキングして部分めっきするか、あるいは、ニッケル+金めっきを施した燐青銅やステンレスなどの金属板を、金型で打ち抜いて成形したものをはんだ付けや導電接着剤でアンテナ導線131に貼り付けて形成する。なお、アンテナ導線131と電極パッド132との位置関係は、同一平面上であってもよいし、アンテナ導線の上面側、下面側のどちらかであってもよい。
最後に、図1に示すとおり、下層から、上述のごとき準備した磁性体シート110と、両面接着スペーサ120と、アンテナ導体130と、保護層140とを重ね合わせると、図2で示したように、無駄な厚みを省いた薄型のアンテナモジュール100が完成することとなる。より具体的には、両面接着スペーサ120とアンテナ導体130とを組み合わせて1つの中間層を形成し、当該中間層の上下接着面123にそれぞれ保護層140及び磁性体シート110を接着させることにより、アンテナモジュール100が完成する。
本発明のアンテナモジュールの製造方法は上記実施形態に限定されない。次に、本発明を実施するためのさらに好ましい製造方法を説明する。より具体的には、組み立て工程の前に、図1におけるアンテナ導体130と保護層140とを、あらかじめ一体形成して、図9に示したようなアンテナ付保護層140’として一つの部品にしておく方法を説明する。
まず、厚さ10〜70μmの銅箔を準備し、その一方の面にドクターブレード法や、蒸着などの手法を用いて、液状の保護材料の層を5〜25μm程度の厚みでコーティングして、銅箔と保護材料との2層構造とする。そして、一般的なフォトリソ法によって、銅箔を渦巻状のアンテナ導体パターンに露光し、不要な銅箔の部分を除去して、渦巻状のアンテナ導体130のパターンが形成されたアンテナ付保護層140’とする。アンテナ導体のパターン形成方法としては、フォトリソ法以外にも、従来から周知のスクリーン印刷法、リフトオフ法、エッチング、スパッタリング、めっきなどの手法を使用することもできる。また、単純に渦巻状のアンテナ導線を、保護層に接着剤で貼着してもよい。
そして、前述の工程で作成したアンテナ付保護層140’を使用してアンテナモジュール100を製造する方法を説明する。図10(a)はアンテナ付保護層140’のC−C断面図である。このアンテナ付保護層140’の上面全面、すなわちアンテナ導線が形成されている側の面の全面に、両面接着スペーサ120の母材として面状接着体220を形成する。面状接着体220としては、例えば、前述した面状合成樹脂芯材の表裏面に接着層を形成させたものを貼着してもよいし、単に接着層を印刷したものであってもよい。
図10(b)に示すように、アンテナ付保護層140’の上面全面に面状接着体220を形成すると、アンテナ導体130上に面状接着体220が盛り上がった部分221が形成される。次に、この盛り上がった部分221だけをエッチングのような公知の手法で除去して、アンテナ導体130を露出させると、図10(c)に示したようなアンテナ構造体(両面接着スペーサ120、アンテナ導体130及び保護層140のアセンブリ)が得られる。最後に、アンテナ構造体の上面(図2では下面)に磁性体シート110の焼結磁性体層112表面を重ね合わせると、アンテナモジュール100が得られる。
このような製造方法を採用すると、効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができる。まず、磁性体シート110は、焼結磁性体層112が下部保護層111によって相互に固定されている。また、保護層140とアンテナ導体130とは、ドクターブレード法や蒸着、あるいは接着剤によって貼りつけているため、やはり相互に固定されている。そして、保護層140とアンテナ導体130に両面接着スペーサ120を重ね合わせた段階においても、これらは相互に固定されており、最後に磁性体シート110を貼り合わせてアンテナモジュールが完成することとなる。すなわち、常に部品同士が固定されている状態が維持されているため、組み立て時に位置ズレや破損、変形といった不具合を生じることなく、効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができるのである。
本発明のさらに別の製造方法を以下に説明する。まず、図11(a)に示したアンテナ付保護層140’を準備する。そして、図11(b)に示すように、アンテナ付保護層140’上に形成したアンテナ導体130と略同一形状を有する面状の絶縁膜231を準備して、アンテナ導体130上に形成する。絶縁膜231の形成方法としては、例えば、前述した銅箔と保護層との2層構造にさらに絶縁膜231を重ねて3層構造とした後に、銅箔と絶縁膜231とをフォトリソ法などで除去する方法がある。
そして、アンテナ導体130上に絶縁膜231を形成したアンテナ付保護層140’の上部にさらに面状接着体220を形成すると、図11(c)に示すように、アンテナ導体130上に面状接着体220が盛り上がった部分221が形成される。次に、絶縁膜231を剥離すると、絶縁膜231上に形成された盛り上がった部分221も同時に除去されて、図11(d)に示すアンテナ構造体が得られる。最後に、アンテナ構造体の上部に磁性体シート110を重ねると、アンテナモジュール100が得られる。すなわち、このような製造方法を採用すると、前述の製造方法と同様に効率的に精度よくアンテナモジュールを組み立てることができる。
本発明の一実施形態のアンテナモジュール100の構造及びその製造方法を説明したが、選択的にアンテナ導体130表面を被覆するように保護膜150を追加することも可能である。図12は、保護膜150を含むアンテナモジュール100’の断面図である。図12に示すとおり、保護膜150がアンテナ導体130及び保護層140を被覆している。保護膜150は、両面接着スペーサ120とアンテナ導体130と間に介在すると共に、両面接着スペーサ120と保護層140と間に介在している。すなわち、保護層140及び保護膜150をアンテナ導体130表面に密着させたことにより、アンテナ導体130が大気に触れることを防止する。
次に、図13を参照して、両面接着スペーサ120、アンテナ導体130、保護層140及び保護膜150のアセンブリであるアンテナ構造体を作成する工程について説明する。図9に示したアンテナ付保護層140’の、アンテナ導体130が形成されている側の面に、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系などの液状樹脂を、スクリーン印刷のような公知の手法で全面又は少なくともアンテナ導体130上に塗布した後、高温で熱硬化させたものが保護膜150である。この保護膜150の厚みは10μm以下とするのが望ましいが、5μm以下とするとさらに望ましい。このようにして得られたアンテナ付保護層140’は、図13(a)に示すようにアンテナ導体130全体が下部保護層111と保護膜150とによって、密着して覆設されている。そして、図10(b)と類似の図13(b)(c)の工程を経て、保護膜150を含むアンテナ構造体が作成可能される。
すなわち、アンテナモジュール100’では、両面接着スペーサ120のみによって接着を行なった場合、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間に隙間が生じて密着されていないことがあるので、アンテナモジュール100を長期的に使用するとアンテナ導体130が酸化して、アンテナ特性が劣化してしまう虞があった。本発明のアンテナモジュールを携帯電話などの端末側に使用する場合は、ライフサイクルがおよそ5年未満と短いため保護膜150を設置せずに、前述した酸化防止処理だけでも問題にならないが、POSレジスターなどの業務用リーダーライタや屋外環境に設置されるRFID装置などで、高温多湿な環境条件で長期の耐環境性能が求められる場合には、保護層150を設置するのが望ましい。
特に、図14に示すとおり、アンテナ導体130と両面接着スペーサ120との間の隙間124、及び、アンテナ導体130と焼結磁性体層111との間の隙間125が存在しているときには、保護層150がアンテナ導体130の劣化を効果的に抑えることができる。
また、前述した本発明の一実施形態では、両面接着スペーサ120の肉部121の平面視形状は、アンテナ導体130の投影面に対してほぼ全部が所謂「補集合の関係」にあるが、例えばアンテナ導線同士の間隔が狭い場合には、アンテナ導線の最内周部に包囲される内方領域のみに両面接着スペーサを嵌め込んでもよい。すなわち、この両面接着スペーサ(肉部)の平面視形状は、アンテナ導体の投影面に対して「補集合の関係」にある平面形状の一部を占めるだけでもよい。図15に示すとおり、両面接着スペーサ120”の肉部121”の平面視形状は、少なくとも渦巻状のアンテナ導体130”の最内周部に包囲される(導線が存在しない)内方領域133”に嵌め込むことができる形状であってもよい。そして、両面接着スペーサ120”及びアンテナ導体130”が組み合わさって、上面及び下面に実質的に突起を有さない略平坦面からなる(磁性体シート110と保護層140との間に配置される)中間層を形成する。
このとき、アンテナ導体130”は、焼結磁性体層112にも保護層140にも接着されていないことになるので、アンテナ導体130”の上下面に接着剤(図示せず)をつけておくことによって、焼結磁性体層112や保護層140とアンテナ導体130”を貼着してもよい。接着剤を使用したことによって余分な厚みを生じてしまうが、組み立てたアンテナモジュールを厚み方向に押圧すれば、接着剤が押し出されて、アンテナ導線同士の隙間に移動するため、接着剤の厚みを限りなく薄くすることができる。
以上、本発明の詳細について、実施例を示しながら説明してきたが、ここで示したのは本発明の具体的な実施形態であり、その技術思想を踏まえた上で、発明の効果を著しく損なわない限度において、実施形態の一部を変更して実施することが可能であることが理解されるべきである。
本発明によると、非接触通信機器やスマートフォンなどの分野に幅広く利用することができる。
100 アンテナモジュール
110 磁性体シート
111 下部保護層(第一面状絶縁体及び/又は第一面状導電シールドを含む)
112 焼結磁性体層
112a 焼結磁性体の小片
120 両面接着スペーサ
121 肉部
122 切欠き
123 接着面
124 隙間
125 隙間
130 アンテナ導体
131 アンテナ導線
132 給電パッド
133 内方領域
140 保護層(基材シート又は第二面状絶縁体とも称する)
140’アンテナ付保護層
150 保護膜
210 磁性体グリーンシート
211 分割溝
310 焼結磁性体基板
220 面状接着体
221 盛り上がった部分
231 絶縁体膜
(付記)
本発明の実施形態は、以下の特徴を有することができる。
1.アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートであって、
少なくとも一面に複数の分割溝が形成された焼結磁性体層と、
前記焼結磁性体層に接着するための第1の粘着層が一方の面に形成された下部保護層と、を備えることを特徴とする磁性体シート。
2.前記下部保護層の他方の面に形成された第2の粘着層をさらに備えることを特徴とする上記磁性体シート。
3.前記下部保護層は、絶縁体、金属シールド、又は、これらの積層体であることを特徴とする上記磁性体シート。
4.前記分割溝に沿って前記焼結磁性体層が複数の小片に分割されたとき、前記複数の小片が実質的に隙間なく並列し、前記複数の小片の集合体が実質的に段差のない平坦面を形成していることを特徴とする上記磁性体シート。
5.所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、を備えるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体の下面に配置されることを特徴とする上記磁性体シート。
6.所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、その上面が前記保護層に接着される両面接着スペーサとを備えるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体及び両面接着スペーサの下面に配置されることを特徴とする上記磁性体シート。
7.所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、その上面が前記保護層に接着される両面接着スペーサとを備え、当該両面接着スペーサの形状が前記アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体及び両面接着スペーサの下面に配置されることを特徴とする上記磁性体シート。
8.アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートを製造する方法であって、
所定のサイズの磁性体グリーンシートを準備するステップと、
前記磁性体グリーンシートの少なくとも一方の面に複数の分割溝を形成するステップと、
前記磁性体グリーンシートを焼成して焼結磁性体基板を形成するステップと、
前記焼結磁性体基板に粘着層を介して下部保護層を貼着するステップと、を含むことを特徴とする磁性体シートの製造方法。

Claims (32)

  1. 磁束を集束するための磁性体シートと、
    当該磁性体シート上に堆積され、所定パターンで形成されたアンテナ導体と、
    当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、
    を備えることを特徴とするアンテナモジュール。
  2. 前記磁性体シート及び前記保護層の間に配置されていると共に前記磁性体シートと前記保護層とを接着するための両面接着スペーサをさらに備え、当該両面接着スペーサの形状は、前記アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 前記磁性体シート及び前記保護層の間に配置されていると共に前記磁性体シートと前記保護層とを接着するための両面接着スペーサをさらに備え、前記両面接着スペーサには、前記アンテナ導体を内挿可能な形状を有する切欠きが形成され、前記アンテナ導体が前記切欠き内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナモジュール。
  4. 前記アンテナ導体の形状と前記切欠きの形状とが略同一であり、前記アンテナ導体が前記切欠きに嵌め込まれていることを特徴とする請求項3に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記両面接着スペーサの少なくとも一部が、前記アンテナ導体の最内周部に包囲される内方領域に配置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記アンテナ導体及び前記両面接着スペーサの厚みが略同一であり、前記アンテナ導体と前記両面接着スペーサとで段差のない平坦面を構成していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記アンテナ導体と前記両面接着スペーサとの間に、10〜800μmの隙間が設けられたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記アンテナ導体と前記両面接着スペーサとの間に配置され、前記アンテナ導体を被覆する保護膜をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記両面接着スペーサは、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂から選択されるいずれか1種の合成樹脂からなることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記磁性体シートは、下部保護層と、当該下部保護層の上面に接着した焼結磁性体層とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記焼結磁性体層は、実質的に隙間なく並列した複数の焼結磁性体小片の集合体であり、当該焼結磁性体小片の集合体が段差のない平坦面を形成していることを特徴とする請求項10に記載のアンテナモジュール。
  12. 前記下部保護層は、絶縁体、金属シールド、又は、これらの積層体であることを特徴とする請求項10又は11に記載のアンテナモジュール。
  13. 当該アンテナモジュールの最上面又は最下面に粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のアンテナモジュール。
  14. 当該アンテナモジュール全体の厚みが30〜515μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  15. 磁束を集束するための磁性体シートを準備するステップと、
    アンテナ導体を前記磁性体シート上に堆積するステップと、
    前記磁性体シート上に前記アンテナ導体を介して当該アンテナ導体を保護するための保護層を堆積するステップと、
    を含むことを特徴とするアンテナモジュールの製造方法。
  16. 前記磁性体シート及び前記保護層の間に両面接着スペーサを配置して、前記磁性体シートと前記保護層とを接着するステップをさらに含み、前記両面接着スペーサの形状は、前記アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする請求項15に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  17. 前記磁性体シート及び前記保護層の間に両面接着スペーサを配置して、前記磁性体シートと前記保護層とを接着するステップをさらに含み、前記両面接着スペーサには、前記アンテナ導体を内挿可能な形状を有する切欠きが形成され、前記アンテナ導体が前記切欠き内に配置されることを特徴とする請求項15又は16に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  18. 前記アンテナ導体と前記保護層とが一体形成されており、前記保護層と共に前記アンテナ導体を前記磁性体シート上に配置することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  19. 前記磁性体シートを準備するステップは、
    所定のサイズの磁性体グリーンシートを準備するステップと、
    前記磁性体グリーンシートを焼成して焼結磁性体基板を形成するステップと、
    前記焼結磁性体基板の少なくとも一面にフレキシブルシートを貼着するステップと、
    前記フレキシブルシートを貼着した焼結磁性体基板を屈曲させて、前記焼結磁性体基板を複数の小片に分割するステップと、を含むことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  20. 前記磁性体グリーンシートを焼成する前に前記磁性体グリーンシートに複数の分割溝を形成するステップをさらに備え、
    前記フレキシブルシートを貼着した焼結磁性体基板を前記複数の分割溝に沿って屈曲させて、前記焼結磁性体基板を複数の小片に分割することを特徴とする請求項19に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  21. 前記フレキシブルシートが下部保護層であることを特徴とする請求項19又は20に記載のアンテナモジュールの製造方法。
  22. アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートであって、
    少なくとも一面に複数の分割溝が形成された焼結磁性体層と、
    前記焼結磁性体層に接着するための第1の粘着層が一方の面に形成された下部保護層と、を備えることを特徴とする磁性体シート。
  23. 前記下部保護層の他方の面に形成された第2の粘着層をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の磁性体シート。
  24. 前記下部保護層は、絶縁体、金属シールド、又は、これらの積層体であることを特徴とする請求項22又は23に記載の磁性体シート。
  25. 前記分割溝に沿って前記焼結磁性体層が複数の小片に分割されたとき、前記複数の小片が実質的に隙間なく並列し、前記複数の小片の集合体が実質的に段差のない平坦面を形成していることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか一項に記載の磁性体シート。
  26. 所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、を備えるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体の下面に配置されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか一項に記載の磁性体シート。
  27. 所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、その上面が前記保護層に接着される両面接着スペーサとを備えるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体及び両面接着スペーサの下面に配置されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか一項に記載の磁性体シート。
  28. 所定パターンで形成されたアンテナ導体と、当該アンテナ導体上に堆積され、前記アンテナ導体を保護するための保護層と、その上面が前記保護層に接着される両面接着スペーサとを備え、当該両面接着スペーサの形状が前記アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなるアンテナモジュールに組み込まれ、前記アンテナ導体及び両面接着スペーサの下面に配置されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか一項に記載の磁性体シート。
  29. アンテナモジュールに使用され、磁束を集束するための磁性体シートを製造する方法であって、
    所定のサイズの磁性体グリーンシートを準備するステップと、
    前記磁性体グリーンシートの少なくとも一方の面に複数の分割溝を形成するステップと、
    前記磁性体グリーンシートを焼成して焼結磁性体基板を形成するステップと、
    前記焼結磁性体基板に粘着層を介して下部保護層を貼着するステップと、を含むことを特徴とする磁性体シートの製造方法。
  30. アンテナモジュールの磁性体シートと保護層とをその両面に接着し、且つ、アンテナ導体と共に前記磁性体シートと前記保護層との間に中間層を形成するための両面接着スペーサであって、当該両面接着スペーサの形状は、前記アンテナ導体の投影面に対して補集合の関係にある平面形状の一部又は全部からなることを特徴とする両面接着スペーサ。
  31. 前記両面接着スペーサは合成樹脂からなることを特徴とする請求項30に記載の両面接着スペーサ。
  32. 前記合成樹脂は、アクリル系、シリコン系、エポキシ系、フッ素系、ウレタン系合成樹脂から選択されるいずれか1種からなることを特徴とする請求項31に記載の両面接着スペーサ。
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