JP2006295981A - リーダ/ライタ用アンテナ及び該アンテナを備えたリーダ/ライタ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ケース等の導電性物品に接して設置される場合であっても共振周波数の変化や損失の増加を抑制することができるRFIDシステムのリーダ/ライタ用アンテナの提供。
【解決手段】平板状の磁芯の表裏面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属ケース面に略直交するように金属ケース面上に設置されるアンテナコイル4や、円柱状の磁芯の円周面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属ケース面に略平行となるように金属ケース面上に設置されるアンテナコイル4と金属ケースとの間に、金属のフレークと有機物の複合材からなる軟磁性材5や、固有抵抗が略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下、抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材7を備えるものであり、軟磁性材5や導電材7により、導電性物品に侵入する磁束を遮断し、その影響を抑制する。
【選択図】図9
【解決手段】平板状の磁芯の表裏面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属ケース面に略直交するように金属ケース面上に設置されるアンテナコイル4や、円柱状の磁芯の円周面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属ケース面に略平行となるように金属ケース面上に設置されるアンテナコイル4と金属ケースとの間に、金属のフレークと有機物の複合材からなる軟磁性材5や、固有抵抗が略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下、抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材7を備えるものであり、軟磁性材5や導電材7により、導電性物品に侵入する磁束を遮断し、その影響を抑制する。
【選択図】図9
Description
本発明は、実装されたICチップに対して非接触でデータの読み書きを行うことを特徴とするRFID(Radio Frequency Identification)システムのアンテナの構造に関し、特に、金属に近接して使用することができるリーダ/ライタ用アンテナの構造に関する。
近年、ICチップを備えたトランスポンダとリーダ/ライタ(又はリーダ)との間でデータの交信を行うRFIDシステムが普及している。このRFIDシステムは、トランスポンダ及びリーダ/ライタの各々に備えたアンテナを用いてデータの交信を行うため、トランスポンダをリーダ/ライタから数cm乃至数十cm離しても通信可能であり、また、汚れや静電気等に強いという長所から、工場の生産管理、物流の管理、入退室管理等の様々な分野に利用されるようになってきている。
このRFIDシステムのリーダ/ライタ及びトランスポンダに用いるアンテナとして、安価で優れた性能を有することから、従来は空芯のコイルが用いられていた。この空芯コイルのアンテナとしては、例えば、絶縁層で被覆された導線を渦巻き状に巻回してベース板に貼り付けて形成したものや、ベース板に堆積したアルミニウム箔や銅箔等の金属箔をエッチングにより除去して形成したもの等が知られている(特開平4−321190号公報等)。
しかしながら、上述した空芯コイルのアンテナでは、磁束がベース板を貫通する方向に生じるため、アンテナコイルを金属製の物品に密着させた場合、磁束がベース板を貫通して金属製の物品に到達し、これにより金属内に渦電流が発生し、アンテナコイルとコンデンサとで形成される共振回路の共振周波数が変化したり、損失が増加してしまうという問題がある。
特に、リーダ/ライタの場合はトランスポンダと異なり、リーダ/ライタを駆動する回路や制御回路、電源等の多くの電子回路が必要であり、これらの電子回路や該回路の保持部材には金属材料が多く含まれるため、リーダ/ライタ用アンテナはこれらの金属材料の影響を受けて共振周波数の変化や損失の増加が大きくなりやすい。このため、従来のリーダ/ライタでは、アンテナと電子回路とを別のケースに収め、その間をケーブルで接続するといった構造が用いている。
しかしながら、このような構造では、装置を持ち運ぶ度に電子回路のケースとアンテナのケースとを分断し、使用の度にケーブルで接続しなければならず、使用上不便である。また、持ち運ぶ場合には、ケースを鉄やアルミニウム、マグネシウム等の金属製とし、小型で強固なものとすることが望ましいが、空芯コイルのアンテナをケースに接して配置すると、共振周波数の変化や損失の増加は著しいものとなる。また、ケースがプラスチック製であっても、アルミニウム等の蒸着膜がある場合や、充填材または塗装層にアルミフレーク等の金属が含まれる場合にはコイルの損失が著しくなってしまう場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、金属ケース等の導電性物品に接して設置される場合であっても共振周波数の変化や損失の増加を抑制することができるRFID用アンテナ、特にリーダ/ライタ用アンテナを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のリーダ/ライタ用アンテナは、非接触でデータの通信を行うRFIDシステムにおけるリーダ/ライタ用アンテナであって、軟磁性材からなる平板状の磁芯の表裏面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属物品面に略直交するように該金属物品上に設置されるアンテナコイルを備えるものである。
本発明においては、更に、前記アンテナコイルの前記金属物品設置面側に、平板状の軟磁性材を備える構成とすることができる。
また、本発明のリーダ/ライタ用アンテナは、非接触でデータの通信を行うRFIDシステムにおけるリーダ/ライタ用アンテナであって、軟磁性材からなる円柱状の磁芯の円周面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属物品面に略平行となるように該金属物品上に設置されるアンテナコイルと、前記アンテナコイルの前記金属物品設置面側に配設される平板状の軟磁性材とを備えるものである。
本発明においては、前記軟磁性材又は前記平板状の磁芯の厚さが、10mm以下に設定され、又は、前記アンテナコイルの面積をS、前記アンテナコイルの周長をL、前記軟磁性材の透磁率をμとしたとき、前記軟磁性材又は前記平板状の磁芯の厚さtが、S/L>t>S/(L×μ)の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明においては、前記軟磁性材が、金属粉を扁平化したフレークと有機物との複合材よりなる構成とすることができ、前記フレークが、水アトマイズされた鉄基合金又は水アトマイズされた鉄基合金粉末を機械的に扁平化したフレークであり、前記鉄基合金が略6w%〜15w%の珪素を含む構成、又は、前記鉄基合金が略6w%〜15w%の珪素の他、略1w%以下のアルミ、略3w%以下の銅又はニッケル、略5w%以下のクロム、略10w%以下のコバルトのいずれか又は複数を含む構成とすることができる。
また、本発明においては、前記軟磁性材と前記物品との間に、非磁性で固有抵抗が略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下の導電材が配設されている構成、又は、非磁性で長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材が配設されている構成とすることができる。
また、本発明のリーダ/ライタは、上記リーダ/ライタ用アンテナを、非磁性で固有抵抗が略10×10−8Ωm以下の材料で形成したケース上に接して配置したものであり、前記ケースが、非磁性で長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材よりなる構成とすることができる。
このように、本発明では、RFID用アンテナ、特にリーダ/ライタ用アンテナのアンテナコイルと金属ケース等の導電性物品との間に、金属のフレークと有機物の複合材からなる軟磁性材を介在させることにより、アンテナコイルで発生する磁束を軟磁性材に通し、金属内で発生する渦電流による共振周波数の変化や損失の増加を抑制することができる。特に、フレークの配向方向を制御して形成した複合材を用いることにより、軟磁性材の厚みを薄くすることができ、アンテナコイルをケース表面等の金属の平板上に設置することが可能となる。
また、軟磁性材と金属面との間に所定の電気抵抗の導電材を挿入することにより、アンテナを設置する導電性物品の材料の差異によるインダクタンスや損失の変化を抑制することができ、どのような場所にアンテナコイルを設置する場合であっても、常に安定したアンテナ性能を得ることができる。
更に、リーダ/ライタの電子回路から種々の電波が漏洩しており、この漏洩電波がアンテナに入るとハウリング等の障害が発生するが、アンテナとケースの間に導電材を挿入し、又はケースを金属製とすることにより、電子回路からの漏洩電波を遮蔽することができる。
本発明のリーダ/ライタ用アンテナによれば、下記記載の効果を奏する。
本発明の第1の効果は、金属面上にアンテナコイルを配置する場合であっても金属面の影響を抑制し、大きなインダクタンス及びQを得ることができるということである。
その理由は、アンテナコイルと金属面との間に軟磁性材を介在させて、アンテナコイルで発生する磁束を軟磁性材内を通過させ、金属内で発生する渦電流の影響を抑制することができるからである。また、軟磁性材と金属面との間に、所定の固有抵抗の導電材を介在させることにより、磁束を確実にカットすることができるからである。
また、本発明の第2の効果は、アンテナコイルを設置する機器内の電子回路の影響を受けにくくすることができるということである。
その理由は、リーダ/ライタの電子回路から種々の電波が漏洩しており、この漏洩電波がアンテナに入るとハウリング等の障害が発生するが、アンテナとケースの間に導電材を挿入したり、ケースを金属製とすることにより、電子回路からの漏洩電波を遮蔽することができるからである。
また、本発明の第3の効果は、リーダ/ライタのケース等の平板状の金属面上にアンテナコイルを直に設置することが可能となり、装置設計の自由度を広げることができるということである。
その理由は、軟磁性材として粒状粉体やフレークを有機物に分散させた複合材を用いることにより、軟磁性材の厚さを薄くすることができるからであり、特に、複合材の製造時に磁場を印加してフレークを配向させた構造では、軟磁性材を数mm以下にしても所望の性能をえることができ、アンテナ部分の突出を抑えることができるからである。
本発明に係るRFID用リーダ/ライタアンテナは、その好ましい一実施の形態において、1ターン以上のループで構成されるアンテナコイルや平板状の磁芯の表裏面を巻回するアンテナコイル、円柱状の磁芯の円周面を巻回するアンテナコイルと、アンテナコイルを設置する金属ケース等の導電性物品との間に、金属の粒状粉体またはフレーク、フェライトの粒状粉体と有機物の複合材、フェライト等、アモルファス箔またはアモルファス箔の積層材からなる、略10mm以下の厚さの軟磁性材や、固有抵抗が略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下、又は、長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の金属板等の導電材を備えるものであり、軟磁性材や導電材により、導電性物品に侵入する磁束を遮断し、その影響を抑制することができる。また、導電材により、リーダ/ライタの電子回路から漏洩する電波を有効に遮断することができる。
すなわち、図2に示すように、薄い軟磁性材5と巻線よりなるアンテナコイル4とをケース等の金属面6に密着して配置する。このような使用形態であっても、軟磁性材5を介在させることにより、アンテナコイル4で発生する磁束9は軟磁性材5内を通過するため、ケースやその内部の電子回路等の影響を受けにくくすることができる。
更に、図3に示すように、軟磁性材5とケース等の金属面6との間に、導電性のアルミ板、銅板等の所定の電気抵抗の導電材7を配置することにより、アンテナコイル4で発生する磁束を完全にシールドすることができ、金属面6の影響を確実に防止することができる。この導電性のアルミ板や銅板等の導電材7による損失の増加は微小であり、導電材7を含む状態で最適の共振周波数となる様に電子回路8のコンデンサの容量等を選定することにより、金属面6の材料の種別によらずリーダ/ライタ用アンテナコイルの性能を一定に保つことが可能となる。
また、ケース等の金属面6の材料としてアルミ板、マグネシウムダイカスト等の非磁性で、略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下の固有抵抗を有する材料を用いた場合、又は、長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の材料を用いた場合は、これに接した状態で共振周波数を選定することにより導電材7を省略することもできる。
なお、トランスポンダ2の場合は単独で設置されるものであり、その設置場所も任意に選択することができるが、リーダ/ライタ3の場合は本体とアンテナとが対となって設置されるものであり、本体内の電子回路を保護するために通常、金属製のケースが用いられる場合が多いため、アンテナには金属の影響を防止する施策が必要である。また、RFIDシステム1の携帯性を重視する場合、そもそもトランスポンダ2は小型、薄型に形成されているが、リーダ/ライタ3は電子回路を組み込む必要上、本体のサイズ縮小には限界があり、アンテナをいかに設置するかが重要なポイントとなる。このようにトランスポンダ2とリーダ/ライタ3とは形態が異なるため両者を同一視することはできず、リーダ/ライタ用アンテナ特有の構造が必要となり、上記構造はこのようなリーダ/ライタ特有の問題点を考慮して案出されたものである。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の第1の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナについて、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明のRFIDシステムの構成を示す図であり、図2及び図3は、第1の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナの構造を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はその断面図である。また、図4は、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナに用いる軟磁性材の構造を模式的に示す断面図であり、図5及び図6は、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナの他の構造を示す図である。
図1に示すように、RFIDシステム1は、リーダ/ライタ用アンテナを用いてデータの交信を行うリーダ/ライタ3(又はリーダ、以下、リーダ/ライタとして記述する。)と、ラベル型、シート型、スティック型等の種々の形状のトランスポンダ2(タグとも呼ばれる。)とからなり、リーダ/ライタ3には、送受信信号を変換するための通信回路や送受信信号をデコードするための演算処理回路等の電子回路が内蔵され、リーダ/ライタ用アンテナは、例えばこれらの電子回路を収納するケース等の金属面上に設置されている。なお、図1ではリーダ/ライタ用アンテナをわかりやすく示すためにリーダ/ライタ3表面の中央に大きく記載しているが、図の構成は例示であり、リーダ/ライタ用アンテナの大きさ、設置位置は任意であり、例えば、図6(a)に示すように、リーダ/ライタ3の金属面の側面6bに設置してもよく、図6(b)に示すように、リーダ/ライタ用アンテナが金属面からはみ出していてもよい。
図2は、金属面上に設置されたリーダ/ライタ用アンテナの構造を示す図であり、両端が電子回路8に接続される巻線よりなるアンテナコイル4と金属面6との間には、所定の材料、製法で形成された軟磁性材5が配置されており、アンテナコイル4で発生する磁束は図2(b)に示すように、軟磁性材5内部を通過し、金属面6内部にほとんど到達しないために、金属内で発生する渦電流に起因する共振周波数の変化や損失の増加を抑制することができる。
なお、図では、アンテナコイル4に接続される電子回路8と金属面6とを別々に記載しているが、金属面6は電子回路8を収納するリーダ/ライタ3のケース表面や、リーダ/ライタ3を内蔵する装置のケース表面であってもよい。また、図2に示す金属面6は金属製ケース等の導電性部材の表面の一部を模式的に示したものであり、金属面6の厚さ、形状等は図の構成に限定されるものではない。この金属面6は、鉄、アルミニウム、マグネシウム等の任意の金属材料を含んでもよく、また、絶縁材料に金属の蒸着膜が形成された構造や、充填材や塗装層に金属材料が含まれる構造等であってもよい。
また、図では、矩形状のアンテナコイル4を3回巻回した構成としているが、アンテナコイル4の構造は図の構成に限定されず、金属面6に略平行な面内で渦巻き状に巻回される構造であればよく、そのサイズ、形状、巻き数、線幅等はリーダ/ライタ3に要求される性能を勘案して適宜設定することができる。このアンテナコイル4を形成する方法としては、表面が絶縁層に被覆された導電材をベース板に貼り付けた構造や、絶縁フィルム等のベース板にアルミニウム箔や銅箔等の金属膜を形成し、エッチングや打ち抜き法等によって渦巻き状のコイルを形成する構造等の任意の手法を用いることができる。
また、軟磁性材5は、アモルファス合金、パーマロイ、電磁鋼、珪素鉄、センダスト合金、Fe−Al合金又は軟磁性フェライトの急冷凝固材、鋳造材、圧延材、鍛造材又は焼結材や、アモルファス箔又はアモルファス箔の積層材や、金属粉、カーボニル鉄粉、還元鉄粉、アトマイズ粉(純鉄、Si、Cr、Al等を含む鉄、パーマロイ、Co−Fe等)、アモルファス粉(B、P、Si、Cr等を含む鉄、Co、Niを水アトマイズして製造したもの)等の粒状の粉体若しくはフレークとプラスチック、ゴム等の有機物との複合材、又は上記粉体若しくはフレークを含む塗料の塗膜であっても良い。
なお、通常の珪素鉄の珪素の含有量は5w%以下で固有抵抗は67×10−8Ωm以下である。珪素をそれ以上多くすれば固有抵抗が増し損失は少なくなるが、鋳造時の偏析、鍛造時の割れ、硬すぎて圧延できない等の問題を起こすためである。粉末を水アトマイズ法で製造すれば珪素を6w%以上にしても微細な溶湯が急冷されるため偏析の問題はなく、組織が微細であるため脆くなく機械的に扁平化が可能である。扁平化はボールミル、アトライター等を用いて行う。珪素を増すと固有抵抗は増し損失は減り、また溶湯の粘性が減り水アトマイズにより微細な粉末を得やすくなる。15w%を越えると飽和磁束密度が減る問題が生じる。従って、珪素の含有量は6w%から15w%の範囲が好ましい。
また、鉄基合金に含まれる各種金属材料の含有量は以下の点を留意して設定した。
Al;含有量が増えると固有抵抗を増す効果があるが溶湯の粘度を上げるので1w%以下が好ましい、
Cu、Ni;含有量が増えるとヒステリシス損を少なくするが3w%を越えると飽和磁束密度が減少するため、3w%以下が好ましい、
Cr;含有量が増えると固有抵抗が増し損失を減少させる。また、耐高温酸化性を向上させる効果がある。5w%を越えると飽和磁束密度を減少させるため、5w%以下が好ましい、
Co;含有量が増えると飽和磁束密度を向上させる。10w%を越えると飽和磁束密度の向上はないため、10w%以下が好ましい。
Cu、Ni;含有量が増えるとヒステリシス損を少なくするが3w%を越えると飽和磁束密度が減少するため、3w%以下が好ましい、
Cr;含有量が増えると固有抵抗が増し損失を減少させる。また、耐高温酸化性を向上させる効果がある。5w%を越えると飽和磁束密度を減少させるため、5w%以下が好ましい、
Co;含有量が増えると飽和磁束密度を向上させる。10w%を越えると飽和磁束密度の向上はないため、10w%以下が好ましい。
上記複合材を製造する方法としては、射出成形、塗布、圧縮成形、圧延等を用いることができる。射出成形又は圧縮成形により形成された軟磁性材5はフェライトにより形成されたものと比較して、強靭であるため薄くしても割れ難いという特徴がある。塗布の場合は、例えば、粒状粉体をアトラター、ボールミル、スタンプミル等で扁平化してフレークとした後、フレーク又は粒状粉体を含む塗料をフィルム上に塗布/乾燥を繰り返して形成することができ、その際、塗布中に磁場を印加することによりフレークを一定の方向に配向させることができ、特性を向上させることができる。
また、複合材におけるプラスチックとしては加工性の良い熱可塑性のプラスチックを用いたり、或いは耐熱性の良い熱硬化性のプラスチックを用いたりすることができ、また、絶縁性を有するアクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、エポキシ等の樹脂を用いることもできる。
上記各種材料、製法は、リーダ/ライタ用アンテナコイルに求められる性能に応じて、適宜選択することができる。例えば、複合材の場合は、図4(a)に示すような構造となり、プラスチック、ゴム等の樹脂バインダー11中に粉体、フレーク10が分散され、その粉体若しくはフレーク10が相互に絶縁されているため、軟磁性材5全体としては導電性を有せず、高周波の電波を受けても渦電流損失を減少させることができ、本発明の構造に用いる材料として望ましい。また、アモルファス箔の積層材の場合は、図4(b)に示すようにアモルファス箔12と絶縁層13とが交互に積層された構造となり、製造が容易であるがアモルファス箔12での損失が大きいという問題がある。
ここで、複合材に分散される材料を粒状粉にした場合と、扁平粉(フレーク)にした場合の効果、及びフレークを分散する過程で磁場を印加して配向させた場合の効果について実験を行った。実験はアルミニウム板上に複合材からなる軟磁性材5を挟んで47mm×17mm、巻き数5のアンテナコイル4を置き、その特性(インダクタンスL及びQ)を測定した。その結果を表1に示す。表1より、分散材をフレーク状にすることにより、広い周波数範囲にわたって、インダクタンスを向上させることができ、更に、分散に際して磁場を印加してフレーク10を配向することにより、13.56MHz近傍の周波数域でQを著しく増加させることができ、図4(a)に示すフレーク10を配向させた構造が最も特性的に優れていることが分かる。
また、軟磁性材5の厚さとしては、アンテナコイル4で発生する磁束を有効に導くためにはある程度の厚さが必要であるが、アンテナコイル4を金属面6に設置した場合のアンテナコイル4の突出を抑制するためには薄い方が好ましく、厚さが10mmを越えるとアンテナが突出するため携帯用機器としては適当ではなくなる。一方、厚さ0.02mmより薄い磁芯は入手困難であり、入手できたとしても特性が不安定であり、また軟磁性材5を0.02mmとしてもアンテナ特性上も携帯の容易さも影響がない。以上を総合的に判断すると、軟磁性材5の厚さの範囲は、10mm以下、好ましくは0.02mm以上10mm以下が適当である。
また、軟磁性材5の厚さ(t)を、アンテナコイル4の面積(S)、アンテナコイル4の周長(L)、軟磁性材5の透磁率(μ)を用いて規定することもできる。図面を参照して説明すると、図15(a)に示すように、アンテナコイル4が、周辺に導電材等の磁束の通過を妨げるもののない状態で単独に配置されている場合、磁束9の通過する面積で磁束間隔が最も狭い領域はアンテナコイル4の導体に囲まれている領域(S)である。また、図15(b)に示すように、アンテナコイル4を金属面6等の導電材に平行に配置した場合の磁束9の通過する面積で磁束間隔が最も狭い領域は、アンテナコイル4の巻線と導電材(金属面6)の間の領域である。この領域は、アンテナコイル4と金属面6の間隔をtとするとアンテナコイル4の周長L×tである。この面積がアンテナコイル4の面積S以上の場合は磁束は導電材があってもコイル単独の場合と同様に通過できる。即ち軟磁性材5がなくても差し支えない。ここで、軟磁性材5を用いる目的は、アンテナコイル4の金属面6からの突出を少なくし携帯を容易にすることであるので軟磁性材5の厚さがこれを越えれば軟磁性材5を用いるメリットがなくなる。従って、S>L×t、即ち、S/L>tでなければ軟磁性材5を用いる意味がない。
また、軟磁性材5を配置すると磁束9の通過する量は透磁率に比例する。換言すれば金属面6とアンテナコイル4との間の面積は実効的にはμ×L×tとなる。この実効的な面積がSより大きければ金属面6とアンテナコイル4の間を磁束9が容易に通過できる。従って、S<μ×L×t、即ち、t>S/(L×μ)であればよい。以上の結果より、軟磁性材5の厚さtは、S/L>t>S/(L×μ)の範囲であることが好ましいと言える。
このような材料、製法、厚さで形成された軟磁性材5をアンテナコイル4と金属面6との間に介在させることにより、金属面6で発生する渦電流の影響を抑制することができ、リーダ/ライタ用アンテナを金属製のケース上に直接配置することもでき、設計の自由度を広げることができる。
また、アンテナがどのような材料の金属面6上に配置されるかが不明の場合には、例えば、図3に示すように、軟磁性材5と金属面6との間に所定の材料、厚さの導電材7を介在させることにより、アンテナコイル4で発生する磁束9が軟磁性材5を貫通した場合であっても導電材7で留めることができ、下面の金属面6の影響を確実に防止することができる。
具体的に説明すると、アンテナコイル4が設置される金属面6の材料が明確な場合は、金属面6の影響を予め見積もることができるが、その材料が不明の場合は材料によって受ける影響が異なる。ここで、アンテナの最適のQは電気回路の設計により決定され、Qは導線を細くする等により容易に低くすることはできるが、Qを高くすることは困難である。従って、金属面6を構成する金属材料が不明な場合はQの変化が大きく最適値に調整できない場合がある。そこで、予め軟磁性材5の下層に導電材7を介在させておけば、金属面6の材料如何に関わらずQを所定の範囲内に留めることができ、Qを最適値に設定することが可能となる。
この場合、導電材7としては磁束を確実に遮断し、かつ導電材7によるQの損失を調整範囲内に収める必要から電気抵抗を所定の値に設定する必要がある。そこで、本願発明者は厚さ7μmの箔を用いた試料の固有抵抗rを変化させた時のアンテナコイルのQの変化量を計算した。その結果を表2に示す。
ここで、共振時のLまたはCの電圧は電源電圧のQ値となるため、Q値はある程度の値が必要であり、少なくとも5以上、多くの場合10以上必要である。このためQ値が5以下のアンテナを使用できることはなく、10以上あれば多くのアンテナで使用可能である。そしてQ値を5以上、好ましくは10以上とするには、表2より、厚さ7μmの箔を用いた場合、固有抵抗としては略10×10−8Ωcm以下、好ましくは略3×10−8Ωcm以下であることが必要であると判断できる。この抵抗条件を満足する金属としては、純銅、アルミニウム、黄銅、アルミ青銅、洋銀、チタン、SUS304、インコネル等があり、これらの材料を用いて導電材7を形成することにより、Qの損失を抑制しつつ金属面6の影響を完全に防止することが可能となる。逆に、金属面6が上記条件を満足する材料で構成されている場合は、導電材7を省略することができる。
表2では、厚さ7μmの箔を用いた場合の好ましい固有抵抗について議論したが、箔の厚さが厚くなれば導電材7の抵抗は低減し、Qの損失も小さくなる。表3は、表2の箔の膜厚を変化させたときの長さ1cm、幅1cmの長さ方向の抵抗(Ω)を示しており、表3より、箔の厚さが変われば固有抵抗の好ましい範囲は変化する。すなわち、箔が厚くなれば固有抵抗の上限値は高くなる。
そこで、上記各々の材料について厚さを変えたときの抵抗(幅1cm、長さ1cmの試料の長さ方向の抵抗)とQを測定した。その結果を表4に示す。また、各々の材料の固有抵抗と組成を表5に示す。
表4より、導電材7の厚さが厚く、すなわち抵抗が小さくなるに従ってQは大きくなり、金属面6の影響を抑制する効果が大きくなることがわかる。ここで、Qを5以上(表の網掛け部)とするには、上記幅1cm、長さ1cmの長さ方向の抵抗はアルミ青銅の0.0143から判断して略0.015Ω以下であればよく、更に、Qを10以上(表の太枠内)とするには上記抵抗はSUS304の0.0035、アルミの0.0034、アルミ青銅の0.0033から総合的に判断して略0.005Ω以下であればよいことが分かる。
以上説明した構造の効果を確認するために、軟磁性材5を介在させた図2の構造、及び軟磁性材5と導電材7とを介在させた図3の構造のリーダ/ライタ用アンテナを製作し、コイルのみのインダクタンス及びQ、アルミ板、鉄板、ステンレス板上に各々設置した場合のインダクタンス及びQを測定した。また、比較のために軟磁性材5及び導電材7を介在させない従来構造のアンテナコイルでも同様に測定した。その結果を表6及び表7(比較例及び実施例1の欄)に示す。
表6及び表7より、コイルのみで測定した場合、軟磁性材5を介在させることにより渦電流の発生が抑制されてインダクタンスが増加していることが分かる。また、各々の金属板上に設置した場合は、比較例の従来構造ではインダクタンスが著しく低下しているのに対して、軟磁性材5を介在させた本実施例の構造ではインダクタンスの減少は少なく、また、Qの変化量も少ないことが分かる。
更に、導電材7を介在させることにより、インダクタンスは多少低下するものの、Qの変化は下地の金属面6の材料によらずほぼ一定であり、アンテナコイル4を設置する金属面6がどのような材料であっても、Qを調整可能な範囲に抑えることができることが分かる。
なお、図1乃至図3では、平面状の金属面6上にリーダ/ライタ用アンテナを設置する構造について記載したが、リーダ/ライタ用アンテナが金属面6から突出すると不都合が生じる場合には、図5(a)、(b)に示すように金属面6に予め凹部を形成しておき、その凹部にリーダ/ライタ用アンテナを設置して突出を防止することもできる。また、図5(c)に示すように、リーダ/ライタ用アンテナ表面に保護シート15を被せてアンテナを保護する構成とすることもできる。更に、図5(d)に示すように、リーダ/ライタ用アンテナに取り付けられる導電材7を金属面6に接合し、導電材7をケースの一部として使用することもできる。
次に、本発明の第2の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナについて、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8は、第2の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナの構造を示す図である。なお、本実施例は軟磁性材をアンテナコイルと金属面との間の一部に配置したことを特徴とするものであり、その他の構造、材料、製法等は前記した第1の実施例と同様である。
図7に示すように、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナは、アンテナコイル4と金属面6との間の一部に、第1の実施例で示した材料、製法で形成された軟磁性材5が配設され、他の部分には厚さを調整するためのスペーサ14が配設されている。このような構造では、アンテナコイル4で発生する磁束9の対称性が崩れ、磁束9は図7(b)に示すように、軟磁性材5が配設された部分(図の右側)で大きく、かつ、軟磁性材5内部を通過した後、斜め方向に広がっていく。従って、軟磁性材5の配設位置や面積を調整することにより、磁束9の広がり方を制御することができ、例えば、アンテナ設置面に対して所定の角度でトランスポンダ2を近づける場合などでは、リーダ/ライタ3とトランスポンダ2との交信状態を良好に保つことができる。
なお、スペーサ14は磁性を有さない材料又は磁性体5と磁気的特性が異なる材料であればよく、プラスチック、ゴム等の有機物を用いることができる。また、図8に示すように、軟磁性材5及びスペーサ14と金属面6との間に第1の実施例で示した導電材7を配設してもよく、特に、スペーサ14として磁束9を透過する材料を用いる場合には、金属面6の影響を抑制し、金属面6の材料の違いによるインダクタンスやQの変化を抑える効果が得られる。
なお、図では、軟磁性材5とスペーサ14とを明確に区別して配置しているが、例えば、複合材に分散される粒状粉体やフレークの含有量を調整し、軟磁性材5の磁性を徐々に変化させる構造とすることもでき、このような構造によっても、磁束9の広がり方を制御することができる。
上記アンテナの効果を確認するために、軟磁性材5及びスペーサ14を介在させた図7の構造、及びその下層に導電材7を介在させた図8の構造のリーダ/ライタ用アンテナを製作し、第1の実施例と同様に、コイルのみのインダクタンス及びQと、アルミ板、鉄板、ステンレス板上に各々設置した場合のインダクタンス及びQを測定した。その結果を前述した表6及び表7(実施例2の欄)に示す。
表6及び表7より、第1の実施例と同様に、軟磁性材5又は導電材7を介在させることにより、比較例よりインダクタンスを大きくできることが分かる。また、各々の金属板上に設置した場合のインダクタンス及びQの変化量は小さく、アンテナコイル4を設置する金属面6がどのような材料であっても良好なアンテナ性能を維持できることが分かる。なお、本実施例では軟磁性材5とスペーサ14の大きさを略等しく設定しているにも関わらず、インダクタンス及びQの値は第1の実施例とそれほど変わらず、軟磁性材5をアンテナ面の一部に配設するだけでも十分な効果が得られることが分かる。
次に、本発明の第3の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナについて、図9乃至図11を参照して説明する。図9及び図10は、第3の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナの構造を示す図であり、図11は、リーダ/ライタ用アンテナの設置位置を示す図である。なお、本実施例はアンテナコイルを軟磁性材の周りに巻回することを特徴とするものであり、その他の構造、材料、製法等は前記した第1及び第2の実施例と同様である。
図9に示すように、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナは、平板状の軟磁性材5を金属面6に略平行に設置し、その軟磁性材5を磁芯としてその周りにアンテナコイル4を巻回するものであり、このような構造では、アンテナコイル4を立体的に巻回するためにアンテナコイル4の突出量が大きくなるが、アンテナコイル4内の磁束9を金属面6と略平行にすることにより、金属面6の影響を受けにくくすることができ、また、巻き数を多くすることによってアンテナコイル4の性能を容易に向上させることができる。
また、図10に示すように、アンテナコイル4と金属面6との間に、第1及び第2の実施例で示した導電材7を配設してもよく、導電材7により更に金属面6の影響を抑制することができ、大きなQを得ることができる。
上記アンテナの効果を確認するために、軟磁性材5にアンテナコイル4を巻回した図9の構造、及びその下層に導電材7を介在させた図10の構造のリーダ/ライタ用アンテナを製作し、第1及び第2の実施例と同様に、コイルのみのインダクタンス及びQと、アルミ板、鉄板、ステンレス板上に各々設置した場合のインダクタンス及びQを測定した。その結果を前述した表6及び表7(実施例3の欄)に示す。
表6及び表7より、第1及び第2の実施例と同様に、軟磁性材5又は導電材7を介在させることにより、比較例に比べてインダクタンス及びQを大きくすることができ、特に、導電材7を配設した構造では、金属面6の影響を受けにくく、第1及び第2の実施例よりも大きなQを得ることができる。
なお、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナの構造の場合、図9及び図10に示すようにアンテナコイル4の磁束9は金属面6に平行な方向に向いているため、トランスポンダ2は、金属面6の法線方向からではなく磁束9の方向から近づけた方がよい場合もある。その場合には、図11(a)、(b)に示すように、軟磁性材5の磁束通過面を金属面の側面6b側に寄せて設置し、トランスポンダ2を側面6b側から近づけて使用すればよい。
次に、本発明の第4の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナについて、図12乃至図14を参照して説明する。図12乃至図14は、第4の実施例に係るリーダ/ライタ用アンテナの構造を示す図である。なお、本実施例はアンテナ面が金属面と略平行となるように、アンテナコイルを円柱状の軟磁性材の周りに巻回することを特徴とするものであり、その他の構造、材料、製法等は前記した第1乃至第3の実施例と同様である。
図12に示すように、本実施例のリーダ/ライタ用アンテナは、その底面が金属面6と略平行な円柱状の軟磁性材5aを磁芯としてその周りにアンテナコイル4を巻回するものであり、このような構造では、アンテナコイル4を立体的に巻回するためにアンテナコイル4の突出量が大きくなるが、第3の実施例の構造と同様に巻き数を多くすることによってアンテナコイル4の性能を容易に向上させることができ、また、第3の実施例よりもアンテナの面積を大きくすることができるという特徴がある。
また、図13に示すように、アンテナコイル4を巻回した軟磁性材5aと金属面6との間に、更に平板状の軟磁性材5bを配設したり、また、図14に示すように、軟磁性材5bと金属面6との間に導電材7を配設してもよく、軟磁性材5bや導電材7により金属面6の影響を抑制することができる。
なお、上記各実施例では、リーダ/ライタ用のアンテナについて記載したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、金属ケース等の導電性の物品に近接して設置されるトランスポンダ用アンテナに適用することもできる。
1 RFIDシステム
2 トランスポンダ
3 リーダ/ライタ
4 アンテナコイル
5、5a、5b 軟磁性材
6 金属面
6a 金属面(上面)
6b 金属面(側面)
7 導電材
8 電子回路
9 磁束
10 フレーク
11 樹脂バインダー
12 アモルファス箔
13 絶縁層
14 スペーサ
15 保護シート
2 トランスポンダ
3 リーダ/ライタ
4 アンテナコイル
5、5a、5b 軟磁性材
6 金属面
6a 金属面(上面)
6b 金属面(側面)
7 導電材
8 電子回路
9 磁束
10 フレーク
11 樹脂バインダー
12 アモルファス箔
13 絶縁層
14 スペーサ
15 保護シート
Claims (11)
- 非接触でデータの通信を行うRFIDシステムにおけるリーダ/ライタ用アンテナであって、
軟磁性材からなる平板状の磁芯の表裏面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属物品面に略直交するように該金属物品上に設置されるアンテナコイルを備えることを特徴とするリーダ/ライタ用アンテナ。 - 更に、前記アンテナコイルの前記金属物品設置面側に、平板状の軟磁性材を備えることを特徴とする請求項1記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 非接触でデータの通信を行うRFIDシステムにおけるリーダ/ライタ用アンテナであって、
軟磁性材からなる円柱状の磁芯の円周面を巻回して構成され、そのアンテナ面が金属物品面に略平行となるように該金属物品上に設置されるアンテナコイルと、前記アンテナコイルの前記金属物品設置面側に配設される平板状の軟磁性材とを備えることを特徴とするリーダ/ライタ用アンテナ。 - 前記軟磁性材が、金属粉を扁平化したフレークと有機物との複合材よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 前記フレークが、水アトマイズされた鉄基合金又は水アトマイズされた鉄基合金粉末を機械的に扁平化したフレークであることを特徴とする請求項4記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 前記鉄基合金が略6w%〜15w%の珪素を含むことを特徴とする請求項5記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 前記鉄基合金が略6w%〜15w%の珪素の他、略1w%以下のアルミ、略3w%以下の銅又はニッケル、略5w%以下のクロム、略10w%以下のコバルトのいずれか又は複数を含むことを特徴とする請求項5記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 前記軟磁性材と前記物品との間に、非磁性で固有抵抗が略10×10−8Ωm以下、好ましくは略3×10−8Ωm以下の導電材が配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 前記軟磁性材と前記物品との間に、非磁性で長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材が配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載のリーダ/ライタ用アンテナ。
- 請求項1乃至9のいずれか一に記載のリーダ/ライタ用アンテナを、非磁性で固有抵抗が略10×10−8Ωm以下の材料で形成したケース上に接して配置したことを特徴とするリーダ/ライタ。
- 前記ケースが、非磁性で長さ1cm、幅1cmの抵抗が略0.015Ω以下、好ましくは略0.005Ω以下の導電材よりなることを特徴とする請求項10記載のリーダ/ライタ。
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