JP2013210628A - アゾ骨格を有する化合物を含有するシアントナー - Google Patents

アゾ骨格を有する化合物を含有するシアントナー Download PDF

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康亮 村井
Takayuki Toyoda
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Yuki Hasegawa
由紀 長谷川
Masashi Kawamura
政志 河村
Hiroteru Watabe
大輝 渡部
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真範 関
Chiaki Nishiura
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Abstract

【課題】フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散性が良好なシアントナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂、ビニル系単量体単位を有する高分子部と下記式(1)で表される部分構造とが連結した化合物、および、着色剤としてフタロシアニン顔料を含有するトナー粒子を有することを特徴とするシアントナー。
Figure 2013210628

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷、またはトナージェット記録に用いられる、アゾ骨格を有する化合物をフタロシアニン顔料の分散剤として含有するトナーに関する。
トナー粒子中での顔料の分散性が不十分であると、トナー粒子の着色力の低下を引き起こす。そのため、これまでに様々な方法で顔料を分散させる技術が開発されてきた。
特許文献1には、フタロシアニン顔料をトナー中に分散させる技術として、スチレンスルホン酸ナトリウムを単量体単位として含有するポリマーを分散剤として用いている例が開示されている。別の例として、金属含有フタロシアニンと、該金属含有フタロシアニンに配位可能な置換基を持つポリマー(以下、配位性ポリマーと省略する)を共存させることによって、フタロシアニン顔料の分散性を改善させる方法が提案されている。
また、特許文献2では、4−ビニルピリジン/スチレン共重合体を配位性ポリマーとして用いる例が開示されており、一方、特許文献3では、アミド基を持つ単量体とスチレン共重合体を配位性ポリマーとして用いる例が開示されている。
特開平03−113462号公報 特開2003−277643号公報 特許第4510687号公報
特許文献1に記載のフタロシアニン顔料の分散剤は、水に親和性の高いスチレンスルホン酸ナトリウムを含んでいる。そのため、懸濁重合法等の水中でトナーを製造する方法では、分散剤がトナー表面に偏在しやすくなる。その結果、分散性の悪化や、表面状態の変化によってトナーの帯電性に影響し、画像の余白部にトナーが現像される「かぶり」と呼ばれる画像不良の問題が発生する場合があった。
また、特許文献2や特許文献3に記載のフタロシアニン顔料の分散性を向上させる方法は、金属含有フタロシアニンと配位性ポリマーが配位結合することによって分散性が発現する。そのため、分散性を保つには多くの配位性ポリマーを入れる必要があった。
従って、本発明の目的は、シアン顔料の結着樹脂への分散性が改善された着色力の高いシアントナーを提供することである。また、「かぶり」が抑制され、転写効率が高いシアントナーを提供することである。
上記の目的は、以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明は、結着樹脂、下記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と、下記式(1)で表される部分構造とが連結した化合物、および、着色剤としてフタロシアニン顔料を含有するトナー粒子を有することを特徴とするトナーを提供する。
Figure 2013210628
[式(1)中、
2、R3、Ar1およびAr2の少なくとも1つは、直接、又は、連結基を介して該高分子部と連結しており、
1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
高分子部と連結しないR2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、及びNR56基からなる群より選択される1価の基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表し、
高分子部と連結しないAr1、Ar2は、それぞれ独立して、アリール基を表し、
高分子部と連結するR2、R3は、上記R2、R3が表す1価の基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、
高分子部と連結するAr1、Ar2は、上記Ar1、Ar2が表すアリール基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、
mは、3または4の整数を表し、nは、1または2の整数を表し、n+mは、5である。]
Figure 2013210628
[式(2)中、
7は、水素原子、またはアルキル基を表し、
8は、フェニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を表す。]
本発明により、上記式(1)で表される部分構造と、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子とが、連結した化合物を顔料分散剤として含有するシアントナーが提供される。上記化合物は、非水溶性溶剤や重合性単量体、トナー用の結着樹脂への親和性、およびフタロシアニン顔料に対する親和性が高いことから、該化合物を顔料分散剤として用いることで、フタロシアニン顔料が結着樹脂中で良好に分散し、着色力の高いシアントナーが提供される。また、上記化合物をシアントナー中に添加することで、「かぶり」が抑制され、転写効率が高いシアントナーが提供される。
なお、以下、式(1)で表される部分構造を「アゾ骨格構造」とも称す。更に、アゾ骨格構造が式(2)で表される単量体単位を有する高分子部に結合した化合物を「アゾ骨格構造を有する化合物」とも称す。また、アゾ骨格構造が結合していない、式(2)で表される単量体単位を有する高分子部のみを指す場合、単に「高分子部」とも称す。
アゾ骨格構造を有する化合物(44)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。 アゾ骨格構造を有する化合物(57)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。 アゾ骨格構造を有する化合物(94)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。 アゾ骨格構造を有する化合物(96)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、下記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と、下記式(1)で表される部分構造とが連結した化合物、および、着色剤としてフタロシアニン顔料を含有するトナー粒子を有することを特徴とする。
Figure 2013210628
[式(1)中、R2、R3、Ar1およびAr2の少なくとも1つは、直接、又は、連結基を介して該高分子部と連結しており、R1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、高分子部と連結しないR2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、及びNR56基からなる群より選択される1価の基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表し、高分子部と連結しないAr1、Ar2は、それぞれ独立して、アリール基を表し、高分子部と連結するR2、R3は、上記R2、R3が表す1価の基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、高分子部と連結するAr1、Ar2は、上記Ar1、Ar2が表すアリール基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、
mは、3または4の整数を表し、nは、1または2の整数値を表し、n+mは、5である。]
Figure 2013210628
[式(2)中、R7は、水素原子、またはアルキル基を表し、R8は、フェニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を表す。]
初めに、アゾ骨格構造を有する化合物の構成について説明する。該アゾ骨格構造を有する化合物は、フタロシアニン顔料への親和性が高い上記式(1)で表されるアゾ骨格構造と、非水溶性溶剤への親和性が高い上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部で構成される。
まず、アゾ骨格構造について詳細に説明する。
上記式(1)の中のR1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
上記式(1)の中のR1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)の中のR1におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、およびイソプロポキシ基等の直鎖、分岐のアルコキシ基が挙げられる。
上記式(1)の中のR1は上記に列挙した置換基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ヒドロキシル基および水素原子から任意に選択できるが、フタロシアニン顔料への親和性の観点から、水素原子である場合が好ましい。
上記式(1)中のアシルアセトアミド基の置換位置は、mが4かつnが1の場合、アシルアセトアミド基同士が、o−位、m−位、およびp−位で置換した場合が挙げられる。これらの置換位置の違いによるフタロシアニン顔料への親和性は、o−位、m−位、p−位で同等である。また、mが3かつnが2の場合、アシルアセトアミド基同士が、1,2,3−位、1,2,4−位、および1,3,5−位で置換した場合が挙げられる。これらの置換位置の違いによるフタロシアニン顔料への親和性は、1,2,3−位、1,2,4−位、1,3,5−位で同等である。
上記式(1)中のR2およびR3におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)中のR2およびR3の置換基は、フタロシアニン顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記式(1)中のR4乃至R6におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)中のR4乃至R6におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、およびフェネチル基等が挙げられる
上記式(1)中のR4乃至R6は上記に列挙した置換基、水素原子およびフェニル基から任意に選択できる。
上記式(1)中のAr1およびAr2はアリール基を表し、フェニル基、およびナフチル基等が挙げられる。これらの置換基は、フタロシアニン顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、およびカルボン酸アミド基等が挙げられる。
上記式(1)中のR2、R3、Ar1およびAr2の少なくとも1つは、直接、又は、連結基を介して、該高分子部と連結している。R2、R3、Ar1、Ar2が該高分子部と連結する場合には、R2、R3、Ar1およびAr2は、上記したR2、R3、Ar1およびAr2が表すそれぞれの構造から1つの水素原子が脱離して形成される2価の基を表す。また、R2、R3、Ar1およびAr2と高分子部とが、連結基を介して連結した構造であることが好ましい。フタロシアニン顔料への親和性の点で、上記式(1)で表される部分構造が下記式(3)の部分構造で表される場合が好ましい。すなわち、式(1)中のAr1、Ar2がフェニル基であり、該フェニル基の水素原子の少なくとも1つが連結基で置換され、該高分子部と連結している場合が好ましい。
Figure 2013210628
[式(3)中、R1は、上記式(1)中のR1と同意義を表す。R9、R10は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は上記式(1)中のR4乃至R6と同意義を表す。)を表す。R11乃至R20は、それぞれ独立して、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、OR25基、又は、該高分子部との連結基を表す。R21乃至R25は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。但し、R11乃至R20の少なくとも1つは、該高分子部との連結基を表す。mは、3または4の整数を表し、nは、1または2の整数を表し、n+mは、5である。]
上記式(3)中のR11乃至R20は、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基から選択できるが、フタロシアニン顔料への親和性の観点から、R11乃至R20のうち少なくとも1つがCOOR21基、またはCONR2223基である場合が好ましい。
上記式(3)中のR21乃至R25におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(3)中のR21乃至R25におけるアリール基としては、例えばフェニル基、およびナフチル基等が挙げられる。
上記式(3)中のR21乃至R25におけるアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、およびフェネチル基等が挙げられる。
上記式(3)中のR21乃至R25は上記に列挙した置換基および水素原子から任意に選択できるが、フタロシアニン顔料への親和性の観点から、R21がメチル基であり、R22が水素原子であり、R23がメチル基または水素原子である場合が好ましい。
上記式(3)中のR9およびR10におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(3)中のR9およびR10の置換基は、フタロシアニン顔料への親和性を著しく阻害しない限りは更に置換基により置換されていても良い。この場合、置換しても良い置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、およびトリフルオロメチル基が挙げられる。
上記式(3)中のR9およびR10は上記に列挙した置換基から任意に選択できるが、フタロシアニン顔料への親和性の観点からメチル基である場合が好ましい。
上記式(3)で表される部分構造は、フタロシアニン顔料との親和性の観点から、下記式(4)乃至(7)の部分構造で表される場合がより好ましい。すなわち、下記式(4)乃至(7)で示されるような、アゾ骨格構造部と高分子部とが連結基Lを介して結合する場合である。
Figure 2013210628
[式(4)中、R1は上記式(1)中のR1と同意義を表す。R9、R10は上記式(3)中のR9、R10と同意義を表す。R26乃至R30はそれぞれ独立して水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基(R21乃至R25は上記式(3)中のR21乃至R25と同意義を表す)を表す。lは4である。Lは上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
Figure 2013210628
[式(5)中、R1は上記式(1)中のR1と同意義を表す。R9、R10は上記式(3)中のR9、R10と同意義を表す。R26乃至R30はそれぞれ独立して水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基(R21乃至R25は上記式(3)中のR21乃至R25と同意義を表す)を表す。lは4である。Lは上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
Figure 2013210628
[式(6)中、R1は上記式(1)中のR1と同意義を表し、R9は上記式(3)中のR9と同意義を表す。pは2または3の整数を表し、qは3または4の整数を表し、p+qは6である。Lは上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
Figure 2013210628
[式(7)中、R1は上記式(1)中のR1と同意義を表し、R9は上記式(3)中のR9と同意義を表す。pは2または3の整数を表し、qは3または4の整数を表し、p+qは6である。Lは上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
上記式(4)乃至(7)中のLは、二価の連結基であり、アゾ骨格構造と高分子部とを結合する。
上記式(4)および上記式(6)の部分構造では、Lを介し1箇所でアゾ骨格構造と高分子部とが連結し、上記式(5)および上記式(7)の部分構造は、二箇所で連結する。
上記式(4)乃至(7)中のLは、二価の連結基であれば特に限定されるものではないが、カルボン酸エステル結合、カルボン酸アミド結合、またはスルホン酸エステル結合を含むことが好ましい。これらの連結基が形成されるような反応が、アゾ骨格構造と高分子部と連結させる際の反応として容易であるためである。
上記式(4)乃至(7)中の、Lの置換位置はフタロシアニン顔料への親和性の点で、少なくとも1つのLが、ヒドラゾ基に対しm−、p−位である場合が好ましい。
上記式(4)もしくは(5)のR26乃至R30は、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基から選択できるが、フタロシアニン顔料への親和性の観点から、少なくとも1つがCOOR21基、またはCONR2223基である場合が好ましい。
次に、該高分子部について詳細に説明する。
上記式(2)中のR7におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、およびシクロヘキシル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
上記式(2)中のR7は上記に列挙した置換基、および水素原子から任意に選択できるが、単量体単位の重合性の観点から水素原子、またはメチル基である場合が好ましい。
上記式(2)中のR8におけるカルボン酸エステル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、n−プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n−ブチルエステル基、イソブチルエステル基、sec−ブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、オクチルエステル基、ノニルエステル基、デシルエステル基、ウンデシルエステル基、ドデシルエステル基、ヘキサデシルエステル基、オクタデシルエステル基、エイコシルエステル基、ドコシルエステル基、2−エチルヘキシルエステル基、フェニルエステル基、および2−ヒドロキシエチルエステル基等の直鎖、または分岐のエステル基が挙げられる。
上記式(2)中のR8におけるカルボン酸アミド基としては、N−メチルアミド基、N,N−ジメチルアミド基、N−エチルアミド基、N,N−ジエチルアミド基、N−イソプロピルアミド基、N,N−ジイソプロピルアミド基、N−n−ブチルアミド基、N,N−ジ−n−ブチルアミド基、N−イソブチルアミド基、N,N−ジイソブチルアミド基、N−sec−ブチルアミド基、N,N−ジ−sec−ブチルアミド基、N−tert−ブチルアミド基、N−オクチルアミド基、N,N−ジオクチルアミド基、N−ノニルアミド基、N,N−ジノニルアミド基、N−デシルアミド基、N,N−ジデシルアミド基、N−ウンデシルアミド基、N,N−ジウンデシルアミド基、N−ドデシルアミド基、N,N−ジドデシルアミド基、N−ヘキサデシルアミド基、N−オクタデシルアミド基、N−フェニルアミド基、N−(2−エチルヘキシル)アミド基、およびN,N−ジ(2−エチルヘキシル)アミド基等の直鎖、または分岐のアミド基が挙げられる。
上記式(2)中のR8の置換基は、更に置換されていてもよく、単量体単位の重合性を阻害したり、アゾ骨格構造を有する化合物の溶解性を著しく低下させたりするものでなければ特に制限されない。この場合、置換しても良い置換基としてはメトキシ基、およびエトキシ基等のアルコキシ基、N−メチルアミノ基、およびN,N−ジメチルアミノ基等のアミノ基、アセチル基等のアシル基、フッ素原子、および塩素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
上記式(2)中のR8は上記に列挙した置換基、フェニル基、およびカルボキシル基から任意に選択できるが、上記アゾ骨格構造を有する化合物のトナーの結着樹脂への分散性、相溶性の点でフェニル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基である場合が好ましい。
上記高分子部は、上記式(2)で表される単量体単位の割合を変化させることで分散媒体との親和性を制御することができる。分散媒体がスチレンのような非極性溶剤の場合には、上記式(2)中のR8がフェニル基で表される単量体単位の割合を大きくすることが分散媒体との親和性の点で好ましい。また、分散媒体がアクリル酸エステルのようなある程度極性がある溶剤の場合には、上記式(2)中のR8がカルボキシル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基で表される単量体単位の割合を大きくすることが分散媒体との親和性の点で好ましい。
上記高分子部の分子量は、フタロシアニン顔料の分散性を向上させる点で数平均分子量が500以上である場合が好ましい。分子量は大きい方がフタロシアニン顔料の分散性を向上させる効果が高いが、分子量があまりに大きすぎると非水溶性溶剤への親和性が低下する傾向にある。従って、該高分子部の数平均分子量は200000までである場合が好ましい。この他、製造容易性の点を考慮すると、該高分子部の数平均分子量は2000乃至50000の範囲内である場合がより好ましい。
また、特表2003−531001号公報に開示されるように、ポリオキシアルキレンカルボニル系の分散剤において、末端に分岐した脂肪族鎖を導入することで分散性を向上させる方法が知られているが、本発明の高分子部においても、後述するATRP(Atom Transfer Radial Polymerization)のような方法でテレケリックな高分子部を合成すれば、末端に分岐した脂肪族鎖を導入することができ、分散性が向上する場合もある。
上記アゾ骨格構造を有する化合物中のアゾ骨格構造の置換位置は、ランダムに点在していても、一端に1つまたは複数のブロックを形成して偏在していても良い。
上記アゾ骨格構造を有する化合物中のアゾ骨格構造の置換数は、多い方がフタロシアニン顔料への親和性は高いが、あまりに多すぎると非水溶性溶剤への親和性が悪化するため好ましくない。従って、アゾ骨格構造の数は、高分子部を形成する単量体数100に対して0.2乃至10の範囲内である場合が好ましく、0.2乃至5の範囲内である場合がより好ましい。
上記式(1)で表されるアゾ骨格構造は、下記に示されるように、下記式(9)および(10)等で表される互変異性体が存在するが、これらの互変異性体についても本発明の権利範囲内である。
Figure 2013210628
[式(9)および(10)中のR1乃至R3、Ar1、Ar2、mおよびnは式(1)におけるR1乃至R3、Ar1、Ar2、mおよびnと各々同義である。]
アゾ骨格構造を有する化合物を合成する方法としては、例えば、下記(i)乃至(iv)に示す方法が挙げられる。
まず、方法(i)について、スキームの一例を以下に示し、詳細に説明する。方法(i)は、予めアゾ骨格構造および高分子部をそれぞれ合成し、縮合反応等により連結させることによりアゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
Figure 2013210628
[式(11)乃至(20)中のR1乃至R3、Ar1、mおよびnは上記式(1)中のR1乃至R3、Ar1、mおよびnと各々同義である。式(19)および(20)中のAr3はアリーレン基を表す。式(12)中のX1および式(17)中のX2は脱離基を表す。P1は、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部を表す。式(19)および(20)中のX3は、P1と反応して上記二価の連結基Lを形成する置換基を表し、rは1または2の整数である。]
上記に例示したスキームでは、式(11)で表されるニトロアニリン誘導体と式(12)で表されるアセト酢酸類縁体をアミド化し、アシルアセトアニリド類縁体である中間体(13)を合成する工程1、中間体(13)とアニリン誘導体(14)をジアゾカップリングさせ、アゾ化合物(15)を合成する工程2、アゾ化合物(15)中のニトロ基を還元し、アニリン類縁体である中間体(16)を合成する工程3、中間体(16)と式(17)で表されるアセト酢酸類縁体をアミド化し、アシルアセトアニリド類縁体である中間体(18)を合成する工程4、中間体(18)とアニリン誘導体(19)をジアゾカップリングし、アゾ化合物(20)を合成する工程5、アゾ骨格と高分子部P1を縮合反応等により合成する工程6によって、上記アゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。
まず、工程1について説明する。工程1では公知の方法を利用できる[例えば、Datta E.Ponde、外 4名、「The Journal of Organic Chemistry」、(米国)、American Chemical Society、1998年、第63巻、第4号、1058−1063頁]。また、式(13)中のR2がメチル基の場合は原料(12)の替わりにジケテンを用いた方法によっても合成可能である[例えば、Kiran Kumar Solingapuram Sai、外 2名、「The Journal of Organic Chemistry」、(米国)、American Chemical Society、2007年、第72巻、第25号、9761−9764頁]。
上記ニトロアニリン誘導体(11)およびアセト酢酸類縁体(12)は、それぞれ多種市販されており容易に入手可能である。また、公知の方法によって容易に合成することができる。
本工程は無溶剤でおこなうことも可能であるが、反応の急激な進行を防ぐために溶剤の存在下でおこなうことが好ましい。溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸プロピル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルム等の含ハロゲン炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、およびN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、アセトニトリル、およびプロピオニトリル等のニトリル類、ギ酸、酢酸、およびプロピオン酸等の酸類、水等が挙げられる。また、上記溶剤は2種以上を混合して用いることができ、基質の溶解性に応じて、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記溶剤の使用量は、任意に定めることができるが、反応速度の点で、上記式(11)で表される化合物に対し1.0乃至20質量倍の範囲が好ましい。
本工程は、通常0℃乃至250℃の温度範囲でおこなわれ、通常24時間以内に完結する。
次に、工程2について説明する。工程2では公知の方法を利用できる。具体的には、例えば、下記に示す方法が挙げられる。まず、メタノール溶剤中、アニリン誘導体(14)を塩酸、または硫酸等の無機酸の存在下、亜硝酸ナトリウム、またはニトロシル硫酸等のジアゾ化剤と反応させて、対応するジアゾニウム塩を合成する。更に、このジアゾニウム塩を中間体(13)とカップリングさせて、アゾ化合物(15)を合成する。
上記アニリン誘導体(14)は、多種市販されており容易に入手可能である。また、公知の方法によって容易に合成することができる。
本工程は無溶剤でおこなうことも可能であるが、反応の急激な進行を防ぐため溶剤の存在下でおこなうことが好ましい。溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸プロピル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルム等の含ハロゲン炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、およびN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、アセトニトリル、およびプロピオニトリル等のニトリル類、ギ酸、酢酸、およびプロピオン酸等の酸類、水等が挙げられる。また、上記溶剤は2種以上を混合して用いることができ、基質の溶解性に応じて、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記溶剤の使用量は、任意に定めることができるが、反応速度の点で、上記式(14)で表される化合物に対し1.0乃至20質量倍の範囲が好ましい。
本工程は、通常−50℃乃至100℃の温度範囲でおこなわれ、通常24時間以内に完結する。
次に、工程3について説明する。工程3では公知の方法を利用できる[金属化合物等を用いる方法としては、例えば、「実験化学講座」、丸善(株)、第1版、第17−2巻、162−179頁。接触水素添加法としては、例えば、「実験化学講座」、丸善(株)、第1版、第15巻、390−448頁、または国際公開第2009/060886号パンフレット]。
本工程は無溶剤でおこなうことも可能であるが、反応の急激な進行を防ぐため溶剤の存在下でおこなうことが好ましい。溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸プロピル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、およびN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類等が挙げられる。また、上記溶剤は2種以上を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記溶剤の使用量は、基質の溶解性に応じて、任意に定めることができるが、反応速度の点で上記式(15)で表される化合物に対し1.0乃至20重量倍の範囲が好ましい。
本工程は、通常0℃乃至250℃の温度範囲でおこなわれ、通常24時間以内に完結する。
次に、工程4について説明する。工程4では上記工程1と同様の方法を利用し、アシルアセトアニリド類縁体である中間体(18)を合成することができる。
次に、工程5について説明する。工程5では上記工程2と同様の方法を適用し、アゾ化合物(20)を合成することができる。
上記アニリン誘導体(19)は、多種市販されており容易に入手可能である。また、公知の方法によって容易に合成することができる。
次に、工程6で用いる高分子部P1の合成方法について説明する。高分子部P1の合成では公知の重合方法を利用できる[例えば、Krzysztof Matyjaszewski、外 1名、「Chemical Reviews」、(米国)、American Chemical Society、2001年、第101巻、2921−2990頁]。
具体的には、ラジカル重合、カチオン重合、およびアニオン重合が挙げられるが、製造容易性の点でラジカル重合を用いることが好ましい。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤の使用、放射線、レーザー光等の照射、光重合開始剤と光の照射との併用、および加熱等によりおこなうことができる。
ラジカル重合開始剤としては、ラジカルを発生し、重合反応を開始させることができるものであればよく、熱、光、放射線、および酸化還元反応等の作用によってラジカルを発生する化合物から選ばれる。例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、および光重合開始剤等が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、およびtert−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン系、およびセリウム(IV)塩−アルコール系等のレドックス開始剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、アセトフェノン類、およびチオキサントン類等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、2種以上を併用してもよい。
この際使用される重合開始剤の使用量は、単量体100質量部に対し0.1乃至20質量部の範囲で、目標とする分子量分布の共重合体が得られるように使用量を調節するのが好ましい。
上記P1で表される高分子部は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、および塊状重合等何れの方法を用いて製造することも可能であり、特に限定するものではないが、製造時に用いる各成分を溶解し得る溶媒中での溶液重合が好ましい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、および2−プロパノール等のアルコール類、アセトン、およびメチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、およびジエチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、またはそのアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、またはそのアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の極性有機溶剤や、場合によりトルエン、およびキシレン等の非極性溶剤等を、単独で、または混合して使用することができる。これらのうち沸点が100乃至180℃の温度範囲の溶剤を、単独、または混合して使用するのがより好ましい。
重合温度は、用いる開始剤の種類により好ましい温度範囲は異なり、特に制限されるものではないが、具体的には、−30乃至200℃の温度範囲で重合することが一般的であり、より好ましい温度範囲は、40乃至180℃の場合である。
上記P1で表される高分子部は、公知の方法を用いて、分子量分布や分子構造を制御することができる。具体的には、例えば、付加開裂型の連鎖移動剤を利用する方法(特許第4254292号公報および特許第3721617号公報参照)、アミンオキシドラジカルの解離と結合を利用するNMP法[例えば、Craig J.Hawker、外 2名、「Chemical Reviews」、(米国)、American Chemical Society、2001年、第101巻、3661−3688頁]、ハロゲン化合物を重合開始剤として、金属触媒および配位子を用いて重合するATRP法[例えば、Masami Kamigaito、外 2名、「Chemical Reviews」、(米国)、American Chemical Society、2001年、第101巻、3689−3746頁]、ジチオカルボン酸エステルやザンテート化合物等を重合開始剤とするRAFT法(例えば、特表2000−515181号公報)、その他、MADIX法(例えば、国際公開第99/05099号パンフレット)、DT法[例えば、Atsushi Goto、外 6名、「Journal of The American Chemical Society」、(米国)、American Chemical Society、2003年、第125巻、8720−8721頁]等を用いることで、分子量分布や分子構造を制御した該高分子部P1を製造することができる。
次に、工程6について説明する。工程6では公知の方法を利用できる。具体的には、例えば、カルボキシル基を有する高分子部P1とX3がヒドロキシル基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで、連結基Lがカルボン酸エステル結合を有するアゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。また、ヒドロキシル基を有する高分子部P1とX3がスルホン酸基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで、連結基Lがスルホン酸エステル結合を有するアゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。更に、カルボキシル基を有する高分子部P1とX3がアミノ基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで連結基Lがカルボン酸アミド結合を有するアゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。具体的には、脱水縮合剤、例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等を使用する方法(例えば、Melvin S.Newman、外 1名、「The Journal of Organic Chemistry」、(米国)、American Chemical Society、1961年、第26巻、第7号、2525−2528頁)、ショッテン−バウマン法(例えば、Norman O.V.Sonntag、「Chemical Reviews」、(米国)、American Chemical Society、1953年、第52巻、第2号、237−416頁)等が挙げられる。
本工程は無溶剤でおこなうことも可能であるが、反応の急激な進行を防ぐため溶剤の存在下でおこなうことが好ましい。溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に制限されるものではないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびヘプタン等の炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、およびクロロホルム等の含ハロゲン炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、およびN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類、アセトニトリル、およびプロピオニトリル等のニトリル類等が挙げられる。また、上記溶剤は基質の溶解性に応じて、2種以上を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記溶剤の使用量は、任意に定めることができるが、反応速度の点で上記一般式(20)で表される化合物に対し1.0乃至20重量倍の範囲が好ましい。
本工程は、通常0℃乃至250℃の温度範囲でおこなわれ、通常24時間以内に完結する。
次に、方法(ii)について、スキームの一例を以下に示し、詳細に説明する。方法(ii)は、予め重合性官能基を有するアゾ化合物を合成し、上記式(2)で表される単量体単位を形成する重合性単量体と共重合させることにより上記アゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
Figure 2013210628
[式(20)中のR1乃至R3、Ar1、Ar3、X3、m、nおよびrは、上記方法(i)のスキーム中の式(20)中のR1乃至R3、Ar1、Ar3、X3、m、nおよびrと各々同義である。式(21)中のR31は、水素原子、およびアルキル基を表し、X4は、式(20)中のX3と反応して、式(22)中のX5を形成する置換基を表す。式(22)中のR1乃至R3、R31、Ar1、Ar3、m、nおよびrは式(20)および(21)と各々同意義を表し、X5は式(20)中のX3および式(21)中のX4が反応し、形成する上記二価の連結基Lを表す。]
上記に例示したスキームでは、アゾ化合物(20)と式(21)で表されるビニル基含有化合物を反応させ、重合性官能基を有するアゾ化合物(22)を合成する工程7、重合性官能基を有するアゾ化合物(22)と上記式(2)で表される単量体単位を形成する重合性単量体とを共重合する工程8によって、アゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
まず、工程7について説明する。工程7では上記方法(i)の工程6と同様の方法を利用し、重合性官能基を有するアゾ化合物(22)を合成することができる。
上記ビニル基含有化合物(21)は、多種市販されており容易に入手可能である。また、公知の方法によって容易に合成することができる。
次に、工程8について説明する。工程8では上記方法(i)の高分子部P1の合成方法を利用して、一般式(22)と上記式(2)で表される単量体単位を形成する重合性単量体とを共重合させることにより、アゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。
次に、方法(iii)について、スキームの一例を以下に示し、詳細に説明する。方法(iii)は、予め合成したハロゲン原子を有するアゾ化合物を重合開始剤とし、上記式(2)で表される単量体単位を形成する重合性単量体と重合させることにより、上記アゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
Figure 2013210628
[式(20)中のR1乃至R3、Ar1、Ar3、X3、m、nおよびrは、上記方法(i)のスキーム中の式(20)中のR1乃至R3、Ar1、Ar3、X3、m、nおよびrと各々同義である。式(23)中のX6は、式(20)中のX3と反応して、式(24)中のX7を形成する置換基を表し、Aは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。式(24)中のR1乃至R3、Ar1、Ar3、m、nおよびrは、上記式(20)と同意義を表し、X7は式(20)中のX3および式(23)中のX6が反応し、形成する上記二価の連結基Lを表す。]
上記に例示したスキームでは、アゾ化合物(20)と式(23)で表されるハロゲン原子含有化合物を反応させ、ハロゲン原子を有するアゾ化合物(24)を合成する工程9、ハロゲン原子を有するアゾ化合物(24)を重合開始剤として、上記式(2)で表される単量体単位を形成する重合性単量体と重合する工程10によって、アゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
まず、工程9について説明する。工程9では上記方法(i)の工程6と同様の方法を利用し、ハロゲン原子を有するアゾ化合物(24)を合成することができる。具体的には、例えば、カルボキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(23)とX3がヒドロキシル基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで、連結基Lがカルボン酸エステル結合を含む構造を有するハロゲン原子を有するアゾ骨格構造(24)を合成することができる。また、ヒドロキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(23)とX3がスルホン酸基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで、連結基Lがスルホン酸エステル結合を含む構造を有するハロゲン原子を有するアゾ骨格構造(24)を合成することができる。更に、カルボキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(23)とX3がアミノ基を有する置換基であるアゾ化合物(20)を使用することで、連結基Lがカルボン酸アミド結合を含む構造を有するハロゲン原子を有するアゾ骨格構造(24)を合成することができる。
上記カルボキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(23)としては、例えば、クロロ酢酸、α−クロロプロピオン酸、α−クロロ酪酸、α−クロロイソ酪酸、α−クロロ吉草酸、α−クロロイソ吉草酸、α−クロロカプロン酸、α−クロロフェニル酢酸、α−クロロジフェニル酢酸、α−クロロ−α−フェニルプロピオン酸、α−クロロ−β−フェニルプロピオン酸、ブロモ酢酸、α−ブロモプロピオン酸、α−ブロモ酪酸、α−ブロモイソ酪酸、α−ブロモ吉草酸、α−ブロモイソ吉草酸、α−ブロモカプロン酸、α−ブロモフェニル酢酸、α−ブロモジフェニル酢酸、α−ブロモ−α−フェニルプロピオン酸、α−ブロモ−β−フェニルプロピオン酸、ヨード酢酸、α−ヨードプロピオン酸、α−ヨード酪酸、α−ヨードイソ酪酸、α−ヨード吉草酸、α−ヨードイソ吉草酸、α−ヨードカプロン酸、α−ヨードフェニル酢酸、α−ヨードジフェニル酢酸、α−ヨード−α−フェニルプロピオン酸、α−ヨード−β−フェニルプロピオン酸、β−クロロ酪酸、β−ブロモイソ酪酸、ヨードメチルメチル安息香酸、および1−クロロエチル安息香酸等が挙げられ、その酸ハロゲン化物、酸無水物も同様に本発明において使用することができる。
上記ヒドロキシル基を有するハロゲン原子含有化合物(23)としては、例えば、1−クロロエタノール、1−ブロモエタノール、1−ヨードエタノール、1−クロロプロパノール、2−ブロモプロパノール、2−クロロ−2−プロパノール、2−ブロモ−2−メチルプロパノール、2−フェニル−1−ブロモエタノール、および2−フェニル−2−ヨードエタノール等が挙げられる。
次に、工程10について説明する。工程10では上記方法(i)中のATRP法を利用し、ハロゲン原子を有するアゾ骨格構造(24)を重合開始剤として、金属触媒、配位子の存在下、上記式(2)で表わされる単量体単位を形成する重合性単量体を重合することで、アゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。
ATRP法に使用する金属触媒としては、特に制限されないが、周期表7乃至11族から選ばれる少なくとも1種の遷移金属が好ましい。低原子価錯体と高原子価錯体とが可逆的に変化するレドックス触媒(レドックス共役錯体)においては、具体的に使用される低原子価金属として、Cu+、Ni0、Ni+、Ni2+、Pd0、Pd+、Pt0、Pt+、Pt2+、Rh+、Rh2+、Rh3+、Co+、Co2+、Ir0、Ir+、Ir2+、Ir3+、Fe2+、Ru2+、Ru3+、Ru4+、Ru5+、Os2+、Os3+、Re2+、Re3+、Re4+、Re6+、Mn2+、およびMn3+の群から選ばれる金属が挙げられる。中でも、Cu+、Ru2+、Fe2+、またはNi2+が好ましく、特に原料入手容易性の点でCu+が好ましい。一価の銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、およびシアン化第一銅等を好適に用いることができる。
ATRP法に使用する配位子としては、一般的には有機配位子が使用される。具体的には、例えば、2,2’−ビピリジルおよびその誘導体、1,10−フェナントロリンおよびその誘導体、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリフェニルホスフィン、およびトリブチルホスフィン等が挙げられるが、製造容易性を考慮すると、特にN,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンの様な脂肪族ポリアミン類が好ましい。
次に、方法(iv)について、スキームの一例を以下に示し、詳細に説明する。方法(iv)は、予めアミノ基を有するアリール基と結合した上記式(2)で表される単量体単位のうち少なくとも1種類の単量体単位を有する高分子部とアシルアセトアニリド類縁体である中間体をそれぞれ合成し、ジアゾカップリングすることによりアゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
Figure 2013210628
[P1は上記方法(i)のスキーム中のP1と同義である。式(18)中のR1乃至R3、Ar1、mおよびnは、上記方法(i)のスキーム中の式(18)中のR1乃至R3、Ar1、mおよびnと各々同義である。式(25)乃至(27)中のAr4は、アリーレン基を表す。式(25)中のX8は、P1と反応して式(26)中のX9を形成する置換基を表し、rは1または2を表す。式(26)および(27)中のX9は式(25)中のX8とP1が反応して形成される上記二価の連結基Lを表す。]
上記に例示したスキームでは、高分子部P1にニトロ基含有アリーレン基(25)を導入し、ニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を合成する工程11と、ニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を還元して、アミノ基含有アリーレン基を有する高分子部(27)を合成する工程12と、アミノ基含有アリーレン基を有する高分子部(27)とアシルアセトアニリド類縁体である中間体(18)をジアゾカップリングする工程13によって、アゾ骨格構造を有する化合物を合成する。
まず、工程11について説明する。工程11では、上記方法(i)の工程6と同様の方法を利用し、ニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を合成することができる。具体的には、例えば、カルボキシル基を有する高分子部P1とX8がヒドロキシル基を有する置換基であるニトロ基含有アリーレン基(25)を反応させることで、連結基がカルボン酸エステル結合であるニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を合成することができる。また、ヒドロキシル基を有する高分子部P1とX8がスルホン酸を有する置換基であるニトロ基含有アリーレン基(25)を反応させることで、連結基がスルホン酸エステル結合であるニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を合成することができる。更に、カルボキシル基を有する高分子部P1とX8がアミノ基を有する置換基であるニトロ基含有アリーレン基(25)を使用することで、連結基がカルボン酸アミド結合であるニトロ基含有アリーレン基を有する高分子部(26)を合成することができる。
上記式(25)は多種市販されており容易に入手可能である。また、公知の方法によって容易に合成することができる。
次に、工程12について説明する。工程12では上記方法(i)の工程3と同様の方法を適用し、アミノ基含有アリーレン基を有する高分子部(27)を合成することができる。
次に、工程13について説明する。工程13では上記方法(i)の工程2と同様の方法を適用し、アゾ骨格構造を有する化合物を合成することができる。
上記例示した合成方法の各工程で得られた上記アゾ骨格構造を有する化合物、上記式(13)、(15)、(16)、(18)、(20)、(22)、(24)、(26)および(27)で表される化合物は、通常の有機化合物の単離、精製方法を用い精製することができる。単離、精製方法としては、例えば、有機溶剤を用いた再結晶法や再沈殿法、シリカゲル等を用いたカラムクロマトグラフィー等が挙げられる。これらの方法を単独、または2つ以上組み合わせて精製をおこなうことにより、高純度の化合物を得ることが可能である。
上記例示した合成方法の各工程で得られた上記式(13)、(15)、(16)、(18)、(20)、(22)、および(24)で表される化合物は、核磁気共鳴分光分析[ECA−400、日本電子(株)製]、ESI−TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)、HPLC分析[LC−20A、(株)島津製作所製]により同定、純度測定をおこなった。
上記例示した合成方法により得られたアゾ骨格構造を有する化合物、上記式(26)、および(27)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)[HLC8220GPC、東ソー(株)製]、核磁気共鳴分光分析[ECA−400、日本電子(株)製]、JIS K−0070に基づく酸価測定[自動滴定測定装置COM−2500、平沼産業(株)製]により同定、分子量測定をおこなった。
次に、本発明のトナーの結着樹脂について説明する。
本発明のトナーの結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびスチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、およびp−エチルスチレン等のスチレン系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、およびメタクリル酸アミド等のメタクリレート系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、およびアクリル酸アミド等のアクリレート系単量体、ブタジエン、イソプレン、およびシクロヘキセン等のオレフィン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独、または理論ガラス転移温度(Tg)が、40乃至75℃の範囲を示すように単量体を適宜混合して用いられる[J.Brandrup、E.H.Immergut編、「ポリマーハンドブック」、(米国)、第3版、John Wiley&Sons、1989年、209−277頁を参照]。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合はトナーのフルカラー画像形成の場合において透明性が低下する。
本発明のトナーにおける結着樹脂は、ポリスチレン等の非極性樹脂にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の極性樹脂を併用して用いることで、着色剤や電荷制御剤、ワックス等の添加剤のトナー内分布を制御することができる。例えば、懸濁重合法等により直接トナー粒子を製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に該極性樹脂を添加する。該極性樹脂は、トナー粒子となる単量体単位組成物と水系媒体の極性のバランスに応じて添加する。その結果、該極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成するなど、トナー粒子表面から中心に向けその樹脂濃度が連続的に変化するように制御することができる。この時、上記アゾ骨格構造を有する化合物、着色剤および電荷制御剤と相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー粒子中への着色剤の存在状態を望ましい形態にすることが可能である。
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、下記一般式(8)で表されるフタロシアニン顔料が好適に使用できる。
Figure 2013210628
[式(8)中、R32乃至R35はそれぞれ独立して、水素、アルキル基、またはスルホン酸基およびその塩を表す。Mは金属または水素原子を表す。]
上記一般式(8)で表されるフタロシアニン顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:5、C.I.Pigment Blue 15:6、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 17、C.I.Pigment Blue 17:1、C.I.Pigment Blue 68、C.I.Pigment Blue 70、C.I.Pigment Blue 75、C.I.Pigment Blue 76、およびC.I.Pigment Blue 79等が挙げられる。特に、下記式(28)で表されるC.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Blue 15:5、およびC.I.Pigment Blue 15:6は、該アゾ骨格構造を有する化合物による分散効果が高いことからより好ましい。
Figure 2013210628
上記フタロシアニン顔料は単独で用いても良く、2種以上を混合しても良い。2種類以上混合する場合は、1種類以上のフタロシアニン顔料を含んでいれば良い。
これらは粗製顔料であっても良く、上記アゾ骨格構造を有する化合物の効果を著しく阻害するものでなければ調製された顔料組成物であっても良い。
本発明のトナーにおけるフタロシアニン顔料とアゾ骨格構造を有する化合物との質量組成比は、100:0.1乃至100:100の範囲である場合が好ましい。
本発明のトナーにおける着色剤としては、上記フタロシアニン顔料が必ず使用されるが、該フタロシアニン顔料の分散性を阻害しない限りは、色調の調製を目的に他の着色剤を併用することができる。
併用できる着色剤としては、公知のシアン着色剤を用いることができる。
併用できるシアン着色剤としては、例えばC.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 1:2、C.I.Pigment Blue 1:3、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 2:1、C.I.Pigment Blue 2:2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 4、C.I.Pigment Blue 5、C.I.Pigment Blue 6、C.I.Pigment Blue 7、C.I.Pigment Blue 8、C.I.Pigment Blue 9、C.I.Pigment Blue 9:1、C.I.Pigment Blue 10、C.I.Pigment Blue 10:1、C.I.Pigment Blue 11、C.I.Pigment Blue 12、C.I.Pigment Blue 13、C.I.Pigment Blue 14、C.I.Pigment Blue 18、C.I.Pigment Blue 19、C.I.Pigment Blue 20、C.I.Pigment Blue 21、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 23、C.I.Pigment Blue 24、C.I.Pigment Blue 24:1、C.I.Pigment Blue 25、C.I.Pigment Blue 26、C.I.Pigment Blue 27、C.I.Pigment Blue 28、C.I.Pigment Blue 29、C.I.Pigment Blue 30、C.I.Pigment Blue 31、C.I.Pigment Blue 32、C.I.Pigment Blue 33、C.I.Pigment Blue 34、C.I.Pigment Blue 35、C.I.Pigment Blue 36、C.I.Pigment Blue 36:1、C.I.Pigment Blue 52、C.I.Pigment Blue 53、C.I.Pigment Blue 56、C.I.Pigment Blue 56:1、C.I.Pigment Blue 57、C.I.Pigment Blue 58、C.I.Pigment Blue 59、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 61、C.I.Pigment Blue 61:1、C.I.Pigment Blue 62、C.I.Pigment Blue63、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 65、C.I.Pigment Blue 66、C.I.Pigment Blue 67、C.I.Pigment Blue 69、C.I.Pigment Blue 71、C.I.Pigment Blue 72、C.I.Pigment Blue 73、C.I.Pigment Blue 74、C.I.Pigment Blue 77、C.I.Pigment Blue 78、C.I.Pigment Blue 80、C.I.Pigment Blue 81、C.I.Pigment Blue 82、C.I.Pigment Blue 83、およびC.I.Pigment Blue 84等が挙げられる。
また、色調を整えるためにシアン以外の着色料を用いることができる。例えば、C.I.Pigment Blue 15:3にC.I.Pigment Green 7を混合して用いることで、シアンの色純度を向上することができる。
これらの着色剤の使用量は、着色剤の種類によって異なるが、結着樹脂100質量部に対して総量で0.1乃至60質量部、好ましくは0.5乃至50質量部が適当である。
更に、本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、上記粒子構成分子の分子量を制御するために、結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることもできる。
本発明のトナー粒子に用いられる架橋剤としては、二官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、およびこれらジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、上記単量体100質量部に対して、好ましくは0.05乃至10質量部の範囲、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いることが良い。
更に、本発明においては、定着部材への付着防止のため、結着樹脂の合成時にワックス成分を用いることもできる。
本発明において使用し得るワックス成分としては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、およびペトロラタム等の石油系ワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、およびキャンデリラワックス等の天然ワックスおよびそれらの誘導体等が挙げられ、該誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、または併せて用いることができる。
上記ワックス成分の添加量としては、結着樹脂100質量部に対する含有量が総量で2.5乃至15.0質量部の範囲であることが好ましく、更には3.0乃至10.0質量部の範囲であることがより好ましい。ワックス成分の添加量が2.5質量部より少ないとオイルレス定着が困難となり、15.0質量部を超えるとトナー粒子中でのワックス成分の量が多すぎるため、余剰のワックス成分がトナー粒子表面に多く存在して、所望の帯電特性を阻害する可能性があるために好ましくない。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて電荷制御剤を混合して用いることも可能である。これにより、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
電荷制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる電荷制御剤が好ましい。更に、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない電荷制御剤が特に好ましい。
電荷制御剤は、例えば、トナーを負帯電に制御するものとして、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体、サリチル酸誘導体およびその金属錯体、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸や、その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、および樹脂系電荷制御剤等が挙げられる。また、トナーを正帯電に制御するものとしては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類、および樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明のトナーは、流動化剤として無機微粉体をトナー粒子に添加しても良い。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物や、これらを表面処理したもの等の微粉体が使用できる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子の製造方法としては、従来使用されている、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法等が挙げられる。製造時の環境負荷および粒径の制御性の観点から、これらの製造方法のうち、特に懸濁重合法、懸濁造粒法等、水系媒体中で造粒する製造法によって得ることが好ましい。
本発明のトナーの製造法において、上記アゾ骨格構造を有する化合物と、フタロシアニン顔料とを予め混合し、顔料組成物を調製することで、フタロシアニン顔料の分散性を向上させることができる。
上記顔料組成物は湿式または乾式にて製造が可能である。上記アゾ骨格構造を有する化合物が非水溶性溶剤との高い親和性を有していることを考えると簡便に均一な顔料組成物が製造できる湿式による製造が好ましい。具体的には、例えば、下記のようにして得られる。分散媒中にアゾ骨格構造を有する化合物および必要に応じて樹脂を溶かし込み、撹拌しながら顔料粉末を除々に加え十分に分散媒になじませる。更にニーダー、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、またはハイスピードミル等の分散機により機械的剪断力を加えることで、フタロシアニン顔料を安定に均一な微粒子状に微分散することができる。
上記顔料組成物に使用し得る分散媒としては特に限定されないが、上記アゾ骨格構造を有する化合物の高い顔料分散効果を得るためには、分散媒が非水溶性溶剤である場合が好ましい。該非水溶性溶剤として具体的には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸プロピル等のエステル類、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の炭化水素類、四塩化炭素、トリクロロエチレン、およびテトラブロモエタン等の含ハロゲン炭化水素類が挙げられる。
上記顔料組成物に使用し得る分散媒は重合性単量体であっても良い。具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン、ビニルナフタリン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、およびアクリルアミド等を挙げることができる。また、これらの分散媒を2種以上混合して用いることができる。
上記顔料組成物に使用し得る樹脂としては、本発明のトナーの結着樹脂として使用できる樹脂を使用することができる。具体的には、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、およびスチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。更に、上記顔料組成物は公知の方法、例えば、濾過、デカンテーションまたは遠心分離によって単離することができる。溶剤は洗浄によって除去することもできる。
上記顔料組成物は製造時に更に助剤を添加しても良い。具体的には、例えば、表面活性剤、分散剤、充填剤、標準化剤(standardizers)、樹脂、ワックス、消泡剤、静電防止剤、防塵剤、増量剤、濃淡着色剤(shading colorants)、保存剤、乾燥抑制剤、レオロジー制御添加剤、湿潤剤、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定化剤、またはこれらの組み合わせである。また、上記アゾ骨格構造を有する化合物は粗製顔料製造の際に予め添加しておいても良い。
本発明の懸濁重合法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。上記顔料組成物、重合性単量体、ワックス成分および重合開始剤等を混合して重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を造粒する。そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る。
上記工程における重合性単量体組成物は、上記顔料組成物を第1の重合性単量体に分散させた分散液を、第2の重合性単量体と混合して調製されたものであることが好ましい。すなわち、上記顔料組成物を第1の重合性単量体により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の重合性単量体と混合することにより、フタロシアニン顔料がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できる。
上記懸濁重合法に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、および光重合開始剤等が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、およびジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、およびtert−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、およびセリウム(IV)塩−アルコール系等のレドックス開始剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、およびケタール類等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独または2つ以上組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の濃度は、重合性単量体100質量部に対して0.1乃至20質量部の範囲である場合が好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部の範囲である場合である。上記重合性開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に、単独または混合して使用される。
上記懸濁重合法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、およびアルミナ等が挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、およびデンプン等が挙げられる。また、ノニオン性、アニオン性、およびカチオン性の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、およびオレイン酸カルシウム等が挙げられる。
上記分散安定化剤のうち、本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、本発明においては、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100質量部に対して0.2乃至2.0質量部の範囲となるような割合で使用することが該重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300乃至3000質量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記難水溶性無機分散安定化剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定化剤をそのまま用いて分散させても良いが、細かい均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、上記難水溶性無機分散安定化剤は、水中にて、高速撹拌下、生成されたものであることが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
本発明のトナー粒子は、懸濁造粒法により製造された場合においても好適なトナー粒子を得ることができる。懸濁造粒法の製造工程では加熱工程を有さないため、低融点ワックスを用いた場合に起こる樹脂とワックス成分の相溶化を抑制し、相溶化に起因するトナーのガラス転移温度の低下を防止することができる。また、懸濁造粒法は、結着樹脂となるトナー材料の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を適用できない樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
上記懸濁造粒法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。まず、上記顔料組成物、結着樹脂、ワックス成分等を、溶剤中で混合して溶剤組成物を調製する。次に、該溶剤組成物を水系媒体中に分散して溶剤組成物の粒子を造粒してトナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を加熱、または減圧によって溶剤を除去することでトナー粒子を得ることができる。
上記工程における溶剤組成物は、上記顔料組成物を第1の溶剤に分散させた分散液を、第2の溶剤と混合して調製されたものであることが好ましい。すなわち、上記顔料組成物を第1の溶剤により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の溶剤と混合することにより、フタロシアニン顔料がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できる。
上記懸濁造粒法に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、およびヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、および四塩化炭素等の含ハロゲン炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、およびイソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびトリエチレングリコール等の多価アルコール類、メチルセロソルブ、およびエチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、およびテトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。これらを単独または2種類以上混合して用いることができる。これらのうち、上記トナー粒子懸濁液中の溶剤を容易に除去するため、沸点が低く、且つ上記結着樹脂を十分に溶解できる溶剤を用いることが好ましい。
上記溶剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、50乃至5000質量部の範囲である場合が好ましく、120乃至1000質量部の範囲である場合がより好ましい。
上記懸濁造粒法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、および炭酸バリウム等が挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、およびポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、およびステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、およびラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、およびポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。
上記分散安定化剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01乃至20質量部の範囲である場合が、該溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。
本発明において、好ましいトナーの重量平均粒径(以下、D4と記載する)は3.00乃至15.0μmの範囲であり、より好ましくは4.00乃至12.0μmの範囲である場合である。上記の範囲内であれば、帯電安定性を維持しつつ、高精細な画像が得られやすい。
また、トナーのD4と個数平均粒径(以下、D1と記載する)の比(以下、D4/D1と記載する)は、高解像度を維持しつつ、カブリ抑制、転写効率の向上を達成できるという点で、1.35以下、好ましく1.30以下が良い。
尚、本発明のトナーのD4とD1は、トナー粒子の製造方法によってその調整方法は異なる。例えば、懸濁重合法の場合は、水系分散媒体調製時に使用する分散剤濃度や反応撹拌速度、または反応撹拌時間等をコントロールすることによって調整することができる。
本発明のトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーどちらでも良い。磁性トナーとして用いる場合には、本発明のトナーを構成するトナー粒子は、磁性材料を混合して用いても良い。このような磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、およびフェライトのような酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄、Fe、Co、およびNiのような金属、または、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、およびVのような金属との合金およびこれらの混合物等が挙げられる。本発明の目的に特に好適な磁性材料は四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は平均粒径が0.1乃至2μm(好ましくは0.1乃至0.3μm)で、795.8kA/m印加での磁気特性が保磁力は1.6乃至12kA/m、飽和磁化は5乃至200Am2/kg(好ましくは50乃至100Am2/kg)、残留磁化は2乃至20Am2/kgである場合がトナーの現像性の点で好ましい。
これら磁性材料の添加量は結着樹脂100質量部に対して、磁性体10乃至200質量部、好ましくは20乃至150質量部使用する場合である。
以下、実施例、比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。尚、以下の記載で「部」、「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
以下に本合成例で用いられる測定方法を示す。
(1)分子量測定
本発明における高分子部、およびアゾ骨格構造を有する化合物の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、ポリスチレン換算で算出される。SECによる分子量の測定は以下に示すようにおこなった。
サンプル濃度が1.0質量%になるようにサンプルを下記溶離液に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブレンフィルターで濾過したものをサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
装置 :高速GPC装置(HLC−8220GPC)[東ソー(株)製]
カラム :TSKgel α−Mの2連[東ソー(株)製]
溶離液 :THF
流速 :1.0ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.025ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂[東ソー(株)製TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、およびA−500]により作成した分子量校正曲線を使用した。
(2)酸価測定
本発明における高分子部、およびアゾ骨格構造を有する化合物の酸価は以下の方法により求められる。
基本操作はJIS K−0070に基づく。
1)試料0.5乃至2.0gを精秤する。このときの質量をM(g)とする。
2)50mlのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン/エタノール(2/1)の混合液25mlを加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い、電位差滴定測定装置を用いて滴定をおこなう(例えば、平沼産業(株)製自動滴定測定装置COM−2500等が利用できる。)。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOH溶液のファクターである。
Figure 2013210628
(3)組成分析
本発明の高分子部、アゾ骨格構造を有する化合物の構造決定は下記の装置を用いておこなった。
1H NMRおよび13C NMR
日本電子(株)製ECA−400(使用溶剤 重クロロホルム)
ブルカー社製FT−NMR AVANCE−600(使用溶剤 重クロロホルム)
[実施例1]
下記方法で、上記アゾ骨格を有する化合物を得た。
<化合物(44)の製造例>
アゾ骨格を有する化合物(44)を下記スキームに従い製造した。
Figure 2013210628
まず、クロロホルム30部にp−ニトロアニリン(102)3.11部を加え、10℃以下に氷冷し、ジケテン(103)1.89部を加えた。その後、65℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、濃縮して化合物(104)4.70部を得た(収率94.0%)。
次に、2−アミノテレフタル酸ジメチル(105)4.25部に、メタノール40.0部、濃塩酸5.29部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム2.10部を水6.00部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.990部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0部に、上記化合物(104)4.51部を加えて、10℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加えた。その後、酢酸ナトリウム5.83部を水7.00部に溶解させたものを加えて、10℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで化合物(106)8.71部を得た(収率96.8%)。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド150部に上記化合物(106)8.58部およびパラジウム−活性炭素(パラジウム5%)0.40部を加えて、水素ガス雰囲気下(反応圧力0.1乃至0.4MPa)、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を濾別し、濃縮して化合物(107)6.99部を得た(収率87.5%)。
次に、クロロホルム30.0部に化合物(107)6.50部を加え、10℃以下に氷冷し、ジケテン(103)0.95部を加えた。その後、65℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、濃縮してアゾ化合物中間体(108)7.01部を得た(収率94.2%)。
次に、2−(4−アミノフェニル)エタノール(109)1.78部に、メタノール15.0部、濃塩酸1.48部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム1.08部を水3.00部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.380部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。N,N−ジメチルホルムアミド70.0部に、炭酸カリウム7.18部を水7.00部に溶解させたものおよび上記化合物(108)6.50部を加えて、10℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加えて、10℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで化合物(110)7.62部を得た(収率91.0%)。
次に、クロロホルム20.0部に化合物(110)2.00部を加え、10℃以下に氷冷し、2−ブロモイソブチリルブロミド(111)0.855部を加えた。その後、65℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、濃縮して中間体(112)2.26部を得た(収率92.0%)。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド10.0部に化合物(112)0.684部、スチレン(113)27.3部、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン0.305部および臭化銅(I)0.124部を加えた。その後、窒素雰囲気下、100℃で7.5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(44)8.50部を得た(収率85.0%)。
得られたものが上記式で表される構造を有することは、上記した各装置を用い確認した。以下に、分析結果を示す。
[アゾ骨格を有する化合物(44)の分析結果]
[1]分子量測定(GPC)の結果:
重量平均分子量(Mw)=15117、数平均分子量(Mn)=12910
[2]酸価測定の結果:
0mgKOH/g
[3]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温)の結果(図1参照):
δ[ppm]=15.65(s、1H)、14.77(s、1H)、11.40(s、1H)、11.41(s、1H)、8.62(s、1H)、8.15(d、1H)、7.79(d、1H)、7.74(d、2H)、7.64(d、2H)、7.37−6.27(m、738H)、4.07(s、3H)、3.98(s、3H)、3.73(br、2H)、2.72−2.52(m、9H)、2.47−1.05(m、458H)、1.01−0.78(m、6H)
<化合物(57)の製造例>
アゾ骨格を有する化合物(57)を下記スキームに従い製造した。
Figure 2013210628
まず、プロピレングリコールモノメチルエーテル100部を窒素置換しながら加熱し液温120℃以上で還流させ、そこへ、スチレン(113)190部、アクリル酸(114)10.0部、およびtert−ブチルパーオキシベンゾエート[有機過酸化物系重合開始剤、日油(株)製、商品名:パーブチルZ]1.00部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温170℃まで昇温しながら常圧蒸留し、液温170℃到達後は1hPaで減圧下1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。該固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンでの再沈殿による精製で化合物(115)185部を得た(収率92.5%)。
次に、クロロホルム15.0部に化合物(115)3.00部およびオキサリルクロリド184部を加え、窒素ガス雰囲気下、室温で5時間撹拌させた。この溶液に、クロロホルム10.0部、N,N−ジメチルホルムアミド5.00部にp−フェニレンジアミン(116)0.644部を溶解させたものを滴下し、窒素ガス雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム/水により分液し、濃縮して、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(117)2.98部を得た(収率90.3%)。
次に、化合物(117)1.00部にテトラヒドロフラン10.0部、濃塩酸0.252部を加えて0℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム0.0900部を水0.270部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.063部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。N,N−ジメチルホルムアミド15.0部に、炭酸カリウム0.446部を水1.50部に溶解させたものおよび上記化合物(108)0.354部を加えて、10℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加えて、10℃以下で4時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、クロロホルムに溶解させてメタノールでの再沈殿による精製で化合物(57)0.970部を得た(収率97.0%)。
得られたものが上記式で表される構造を有することは、上記した各装置を用い確認した。以下に、分析結果を示す。
[アゾ骨格を有する化合物(57)の分析結果]
[1]分子量測定(GPC)の結果:
重量平均分子量(Mw)=32442、数平均分子量(Mn)=18329
[2]酸価測定の結果:
0mgKOH/g
[3]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温)の結果(図2参照):
δ[ppm]=15.57(s、1H)、14.70(s、1H)、11.44(s、1H)、11.33(s、1H)、8.54(s、1H)、8.07(d、1H)、7.71(d、1H)、7.65(d、2H)、7.56(d、2H)、7.19−6.43(m、136H)、4.00(s、3H)、3.91(s、3H)、2.61(s、3H)、2.50(s、3H)、1.76−0.81(m、97H)
<化合物(94)の製造例>
下記構造で表されるアゾ骨格構造を有する化合物(94)を下記スキームに従い製造した。
Figure 2013210628
まず、2−ブロモプロピオン酸メチル(118)0.395部にスチレン(113)60.0部、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン1.47部および臭化銅(I)0.493部を加え、窒素ガス雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(119)52.4部を得た(収率81.9%)。
次に、ジオキサン150部に化合物(119)1.00部を加え、110℃で撹拌した後、濃塩酸5.00部とジオキサン30部を混合したものを加え、窒素ガス雰囲気下、110℃で5時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(120)0.98部を得た(収率98.0%)。
次に、クロロホルム5.00部に化合物(120)1.00部をおよびオキサリルクロリド0.0160部を加え、窒素ガス雰囲気下、室温で5時間撹拌させた。この溶液にクロロホルム10.0部、N,N−ジメチルホルムアミド5.00部にp−フェニレンジアミン(116)0.0670部を溶解させたものを滴下し、窒素ガス雰囲気下、60℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム/水により分液し、濃縮して、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(121)0.970部を得た(収率97.0%)。
次に、クロロホルム300部にp−フェニレンジアミン(116)50.0部、アセトン35.0部を加え、10℃以下に氷冷し、ジケテン(103)72.0部を加えた。その後、65℃で2時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出し、濃縮して化合物(122)121部を得た(収率97.4%)。
次に、化合物(121)4.00部に、THF40.0部、濃塩酸0.127部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム0.005部を水1.70部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.0320部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。メタノール70.0部に、酢酸カリウム0.230部を水1.00部に溶解させたものおよび上記化合物(122)0.0460部を加えて、10℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加えて、10℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、メタノールでの再沈殿による精製で化合物(94)3.80部を得た(収率95.0%)。
得られたものが上記式で表される構造を有することは、上記した各装置を用い確認した。以下に、分析結果を示す。
[アゾ骨格を有する化合物(94)の分析結果]
[1]分子量測定(GPC)の結果:
重量平均分子量(Mw)=31686、数平均分子量(Mn)=22633
[2]酸価測定の結果:
0mgKOH/g
[3]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温)の結果(図3参照):
δ[ppm]=14.78(s、2H)、11.50(s、2H)、7.63(d、4H)、7.29−6.37(m、1192H)、2.56(s、6H)、2.18−0.99(m、839H)
<化合物(96)の製造例>
下記構造で表されるアゾ骨格を有する化合物(96)を下記スキームに従い製造した。
Figure 2013210628
まず、上記化合物(94)の製造例と同様の操作で化合物(121)を得た。
次に、N,N−ジメチルホルムアミド10.0部に1、3、5−トリアミノベンゼン(123)0.500部、トリエチルアミン0.345部を加え室温で撹拌した。次に、ジケテン(103)0.949部を加え、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、化合物(124)1.41部を得た(収率92.8%)。
次に、化合物(121)4.00部に、DMF20部、THF20.0部、濃塩酸0.130部を加えて10℃以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ナトリウム0.0450部を水0.136部に溶解させたものを加えて同温度で1時間反応させた。次いでスルファミン酸0.0320部を加えて更に20分間撹拌した(ジアゾニウム塩溶液)。DMF15.0部に、酢酸カリウム0.225部を水1.00部に溶解させたものおよび上記化合物(124)0.0440部を加えて、10℃以下に氷冷し、上記ジアゾニウム塩溶液を加えて、10℃以下で2時間反応させた。反応終了後、水300部を加えて30分間撹拌した後、固体を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドからの再結晶法により精製することで化合物(96)3.78部を得た(収率94.5%)。
得られたものが上記式で表される構造を有することは、上記した各装置を用い確認した。以下に、分析結果を示す。
[アゾ骨格を有する化合物(96)の分析結果]
[1]分子量測定(GPC)の結果:
重量平均分子量(Mw)=48989、数平均分子量(Mn)=28481
[2]酸価測定の結果:
0mgKOH/g
[3]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温)の結果(図4参照):
δ[ppm]=14.73(s、3H)、11.53(s、3H)、7.79(s、3H)、7.27−6.31(m、2175H)、2.52(s、9H)、2.12−0.81(m、1461H)
上記アゾ骨格を有する化合物(44)、(57)、(94)および(96)の合成例と同様の操作をおこない、アゾ骨格を有する化合物(29)乃至(43)、(45)乃至(56)、(58)乃至(93)、(95)、(97)乃至(99)を製造した。
下記表1に上記高分子部を表わし、下記表2−1乃至2−3に上記アゾ骨格を有する化合物を表す。
Figure 2013210628
[表1中、接頭語αは構造の左につく末端基を表す。WはCOOH基を表し、X、Y1、Y2およびZは下記構造を表す。「Bu」は無置換のブチル基を表し、「Bn」は無置換のベンジル基を表し、(n)はアルキル基が直鎖状であることを表す。]
Figure 2013210628
[式(X)中、R36は水素原子、またはアルキル基を表す。]
Figure 2013210628
[式(Y1)中、R37は水素原子、またはアルキル基を表し、R38はカルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を表す。]
Figure 2013210628
[式(Y2)中、R39は水素原子、またはアルキル基を表し、R40はカルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を表す。]
Figure 2013210628
[式(Z)中、R41は水素原子、またはアルキル基を表す。]
Figure 2013210628
Figure 2013210628
Figure 2013210628
[表2−1乃至2−3中、m、n、R1およびR9乃至R20は、下記式(3)中のm、n、R1およびR9乃至R20を表す。「Pr」は無置換のプロピル基を表し、「Ph」は無置換のフェニル基を表し、(n)、(i)はそれぞれアルキル基が直鎖状、分岐状であることを表す。「高分子部との連結部位」が「W」である化合物は、表1に記載の高分子部中の「W」で表わされるCOOH基と結合して連結基Lを形成し、「Z」である化合物は、表1に記載の高分子部中の単量体「Z」中のCOOH基と結合して連結基Lを形成する。表2中のL1乃至L8は高分子樹脂との連結基Lであり、下記構造を表す。]
Figure 2013210628
[式(L1)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L2)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L3)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L4)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L5)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L6)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L7)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
Figure 2013210628
[式(L8)中の「*」は表1に示した高分子部との連結部位を表し、「**」は上記式(1)で表されるアゾ骨格構造中での連結部位を表す。]
[実施例2]
懸濁重合法によるトナー製造プロセスにおける、フタロシアニン顔料とアゾ骨格を有する化合物を含有する顔料分散液を下記の方法で調製した。
<顔料分散液の調製例1>
着色剤として式(28)で表わされる、C.I.Pigment Blue 15:3 18.0部、上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)1.8部、非水溶性溶剤としてスチレン180部、ガラスビーズ(直径1mm)130部を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]で3時間分散させ、メッシュで濾過して顔料分散液(Dis1)を得た。
Figure 2013210628
<顔料分散液の調製例2>
上記顔料分散液の調製例1においてアゾ骨格構造を有する化合物(29)を、アゾ骨格構造を有する化合物(30)乃至(99)に変更した以外は同様の操作をおこなって、それぞれ顔料分散液(Dis2)乃至(Dis71)を得た。
<顔料分散液の調製例3>
上記顔料分散液の調整例1において、式(28)で表わされる、C.I.Pigment Blue 15:3を、式(28)で表わされる、C.I.Pigment Blue 15:4、式(28)で表わされる、C.I.Pigment Blue 15:6、下記式(100)で表わされる、C.I.Pigment Blue 16、下記式(101)で表わされる、C.I.Pigment Blue 17:1にそれぞれ変更した以外は、それぞれ同様な操作をおこなって、顔料分散液(Dis72)乃至(Dis75)を得た。
Figure 2013210628
<顔料分散液の調製例4>
上記顔料分散液の調製例3において、アゾ骨格構造を有する化合物(29)を化合物(44)、化合物(87)、化合物(94)に変更した以外は、それぞれ同様な操作をおこなって、顔料分散液(Dis76)乃至(Dis87)を得た。
[比較例1]
評価の基準値となる顔料分散液、比較用の顔料分散液を下記方法により調製した。
<基準用顔料分散液の調製例1>
上記実施例2の顔料分散液の調製例1において、アゾ骨格構造を有する化合物(29)を加えないこと以外はそれぞれ同様の操作をおこなって、基準用顔料分散液(Dis88)を得た。
<基準用顔料分散液の調製例2>
上記実施例2の顔料分散液の調製例3において、アゾ骨格構造を有する化合物(29)を加えないこと以外はそれぞれ同様の操作をおこなって、基準用顔料分散液(Dis89)乃至(Dis92)を得た。
<比較用顔料分散液の調製例1>
上記実施例2の顔料分散液の調製例1においてアゾ骨格構造を有する化合物(29)の代わりに、特開2003−277643号公報に記載のスチレン/4−ビニルピリジン共重合体(スチレン/4−ビニルピリジン共重合比:96/4、Mn=2040、Mw=4470)(比較化合物1)1.8部、亜鉛フタロシアニン(比較化合物2)0.09部を加えた以外は同様の操作をおこなって、比較用顔料分散液(Dis93)を得た。
<比較用顔料分散液の調製例2>
上記実施例2の顔料分散液の調製例1においてアゾ骨格構造を有する化合物(29)の代わりに、特許第4510687号公報に記載のスチレン/2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(Mw=12000)(比較化合物3)1.8部、亜鉛フタロシアニン(比較化合物2)0.09部を加えた以外は同様の操作をおこなって、比較用顔料分散液(Dis94)を得た。
<比較用顔料分散液の調製例3>
上記実施例2の顔料分散液の調製例1においてアゾ骨格構造を有する化合物(29)の代わりに、特開平3−113462号公報に記載のメタクリル酸メチル/スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体(比較化合物4)を1.8部加えた以外は同様の操作をおこなって、比較用顔料分散液(Dis95)を得た。
<比較用顔料分散液の調製例4>
上記実施例2の顔料分散液の調製例1においてアゾ骨格構造を有する化合物(29)の代わりに、日本ルーブリゾール社製、ソルスパース5000(商品名)(比較化合物5)を1.8部加えた以外は同様の操作をおこなって、比較用顔料分散液(Dis96)を得た。
[実施例3]
上記顔料分散液を下記の方法で評価した。
本発明のアゾ色素骨格ユニットを有する化合物の顔料分散性を、上記顔料分散体の塗工膜の光沢試験をおこなうことで評価した。すなわち顔料分散液をスポイトですくい取り、スーパーアート紙[SA金藤 180kg 80×160、王子製紙(株)製]上部に直線上に載せ、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗工し、乾燥後の光沢(反射角:75°)を光沢計Gloss Meter VG2000[日本電色工業(株)製]により測定し、下記基準で評価した。尚、フタロシアニン顔料がより微細に分散するほど塗工膜の平滑性が向上し光沢が向上する。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を用いた顔料分散液(Dis1)乃至(Dis71)、(Dis93)乃至(Dis96)の光沢値の向上率は、基準用顔料分散液(DIS88)の光沢値を基準とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を用いた顔料分散液(Dis72)、(Dis76)、(Dis80)、(Dis84)の光沢値の向上率は、基準用顔料分散液(Dis89)の光沢値を基準とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を用いた顔料分散液(Dis73)、(Dis77)、(Dis81)、(Dis85)の光沢値の向上率は、基準用顔料分散液(Dis90)の光沢値を基準とした。
着色剤として、式(100)で表わされるC.I.Pigment Blue 16を用いた顔料分散液(Dis74)、(Dis78)、(Dis82)、(Dis86)の光沢値の向上率は、基準用顔料分散液(Dis91)の光沢値を基準とした。
着色剤として、式(101)で表わされるC.I.Pigment Blue 17:1を用いた顔料分散液(Dis75)、(Dis79)、(Dis83)、(Dis87)の光沢値の向上率は、基準用顔料分散液(Dis92)の光沢値を基準とした。
以下に、顔料分散液の評価基準を示す。
A:光沢値の向上率が10%以上
B:光沢値の向上率が5%以上10%未満
C:光沢値の向上率が0%以上5%未満
D:光沢値の向上率が0%未満
光沢値の向上率が5%以上であれば良好な顔料分散性であると判断した。
本発明の顔料分散性の評価結果を表3に示す。
Figure 2013210628
[表3中の顔料の項目において、15:3は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を表し、15:4は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を表し、15:6は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を表す。]
[実施例4]
下記方法で懸濁重合法による本発明のトナーを製造した。
<トナー製造例1>
高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]を備えた2リットル用4つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/l−Na3PO4水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/l−CaCl2水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。次に下記組成物を60℃に加温し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]を用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。
・上記顔料分散液(Dis1) 132部
・スチレン単量体 46部
・n−ブチルアクリレート単量体 34部
・極性樹脂[飽和ポリエステル樹脂(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15mgKOH/g、ピーク分子量6000)] 10部
・エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク=70℃、Mn=704)
25部
・サリチル酸アルミニウム化合物[オリエント化学工業(株)製、商品名:ボントロンE−108] 2部
・ジビニルベンゼン単量体 0.1部
これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を加え、上記水系媒体中に投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃、減圧下で残存単量体を留去した後、30℃まで冷却し、重合体微粒子分散液を得た。
得られた上記重合体微粒子分散液を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加し、pH1.5で2時間撹拌し、Ca3(PO42を含むリン酸とカルシウムの化合物を溶解させた後に、濾過器で固液分離し、重合体微粒子を得た。これを水中に投入して撹拌し、再び分散液とした後に、濾過器で固液分離した。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とをCa3(PO42を含むリン酸とカルシウムの化合物が十分に除去されるまで繰り返しおこなった。その後、最終的に固液分離した重合体微粒子を、乾燥機で十分に乾燥してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(一次粒子の数平均径7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.15部(一次粒子の数平均径45nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.5部(一次粒子の数平均径200nm)をヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製]で5分間乾式混合して、トナー(Tnr1)を得た。
<トナーの製造例2>
上記トナーの製造例1における上記顔料分散液(Dis1)を顔料分散液(Dis2)乃至(Dis87)にそれぞれ変更すること以外は、トナーの製造例1と同様にして、本発明のトナー(Tnr2)乃至(Tnr87)を得た。
[比較例2]
上記実施例4で製造した本発明のトナーに対して、評価の基準値となるトナー、比較用トナーを下記方法により製造した。
<基準用トナーの製造例1>
上記トナーの製造例1における上記顔料分散液(Dis1)を顔料分散液(Dis88)乃至(Dis92)に変更すること以外は、トナーの製造例1と同様にして、基準用トナー(Tnr88)乃至(Tnr92)を得た。
<比較用トナーの製造例1>
上記トナーの製造例1における上記顔料分散液(Dis1)を顔料分散液(Dis93)乃至(Dis96)にそれぞれ変更すること以外は、トナーの製造例1と同様にして、比較用トナー(Tnr93)乃至(Tnr96)を得た。
[実施例5]
次に、下記方法で懸濁造粒法による本発明のトナーを製造した。
<トナーの製造例3>
酢酸エチル180部、C.I.Pigment Blue 15:3 18部、上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)1.8部、ガラスビーズ(直径1mm)130部を混合し、アトライター[日本コークス工業(株)製]により3時間分散させ、メッシュで濾過することで顔料分散液を調製した。
下記組成をボールミルで24時間分散することにより、トナー組成物混合液200部を得た。
・上記顔料分散液 96.0部
・極性樹脂[飽和ポリエステル樹脂(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとフタル酸の重縮合物、Tg=75.9℃、Mw=11000、Mn=4200、酸価11mgKOH/g)] 85.0部
・炭化水素ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、DSC測定における最大吸熱ピーク=80℃、Mw=750) 9.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物[ボントロンE−108、オリエント化学工業(株)製] 2部
・酢酸エチル(溶剤) 10.0部
下記組成をボールミルで24時間分散することにより、カルボキシメチルセルロースを溶解し、水系媒体を得た。
・炭酸カルシウム(アクリル酸系共重合体で被覆) 20.0部
・カルボキシメチルセルロース[セロゲンBS−H、第一工業製薬(株)製]
0.5部
・イオン交換水 99.5部
該水系媒体1200部を、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー[プライミクス(株)製]に入れ、回転羽根を周速度20m/secで撹拌しながら、上記トナー組成物混合液1000部を投入し、25℃一定に維持しながら1分間撹拌して懸濁液を得た。
上記懸濁液2200部をフルゾーン翼[(株)神鋼環境ソリューション製]により周速度45m/minで撹拌しながら、液温を40℃一定に保ち、ブロワ−を用いて上記懸濁液面上の気相を強制吸気し、溶剤除去を開始した。その際、溶剤除去開始から15分後に、イオン性物質として1%に希釈したアンモニア水75部を添加し、続いて溶剤除去開始から1時間後に上記アンモニア水25部を添加し、続いて溶剤除去開始から2時間後に上記アンモニア水25部を添加し、最後に溶剤除去開始から3時間後に上記アンモニア水25部を添加し、総添加量を150部とした。更に液温を40℃に保ったまま、溶剤除去開始から17時間保持し、懸濁粒子から溶剤(酢酸エチル)を除去したトナー分散液を得た。
溶剤除去工程で得られたトナー分散液300部に、10mol/L塩酸80部を加え、更に0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液により中和処理後、吸引濾過によるイオン交換水洗浄を4回繰り返して、トナーケーキを得た。得られたトナーケーキを真空乾燥機で乾燥し、目開き45μmの篩で篩分しトナー粒子を得た。これ以降の操作は上記トナーの製造例1と同様にしてトナー(Tnr97)を得た。
<トナーの製造例4>
上記トナーの製造例3におけるアゾ骨格構造を有する化合物(29)を(30)乃至(99)にそれぞれ変更すること以外は、同様の操作で、本発明のトナー(Tnr98)乃至(Tnr167)を得た。
<トナーの製造例5>
上記トナー製造例3において、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6、式(100)で表わされるC.I.Pigment Blue 16、式(101)で表わされるC.I.Pigment Blue 17:1に変更した以外は、トナー製造例3と同様にして、本発明のトナー(Tnr168)乃至(Tnr171)を得た。
<トナーの製造例6>
上記トナー製造例5におけるアゾ骨格構造を有する化合物(29)を化合物(44)、化合物(87)、化合物(94)に変更した以外は、それぞれトナー製造例5と同様にして、本発明のトナー(Tnr172)乃至(Tnr183)を得た。
[比較例3]
実施例5で製造した本発明のトナーに対して、評価の基準値となるトナー、比較用トナーを下記方法により製造した。
<基準用トナーの製造例2>
上記トナー製造例3におけるアゾ骨格構造を有する化合物(29)を加えないこと以外は、トナーの製造例3と同様にして、基準用トナー(Tnr184)を得た。
<基準用トナーの製造例3>
上記トナー製造例5におけるアゾ骨格構造を有する化合物(29)を加えないこと以外は、トナー製造例5と同様にして、基準用トナー(Tnr185)乃至(Tnr188)を得た。
<比較用トナーの製造例2>
上記トナー製造例3における上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)を、上記比較化合物1 1.8部、上記比較化合物2 0.09部に変更した以外は、トナー製造例3と同様にして、比較用トナー(Tnr189)を得た。
<比較用トナーの製造例3>
上記トナー製造例3における上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)を、上記比較化合物3 1.8部、上記比較化合物2 0.09部に変更した以外は、トナー製造例3と同様にして、比較用トナー(Tnr190)を得た。
<比較用トナーの製造例4>
上記トナー製造例3における上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)を、上記比較化合物4に変更した以外は、トナー製造例3と同様にして、比較用トナー(Tnr191)を得た。
<比較用トナーの製造例5>
上記トナー製造例3における上記アゾ骨格構造を有する化合物(29)を、上記比較化合物5に変更した以外は、トナー製造例3と同様にして、比較用トナー(TNR192)を得た。
[実施例6]
本発明で得たトナーを下記の方法で評価した。
トナー(Tnr1)乃至(Tnr87)、(Tnr97)乃至(Tnr183)を用いて、画像サンプルを出力し後述する画像特性を比較評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300[キヤノン(株)製]の改造機を使用した通紙耐久をおこなった。改造内容としてはプロセスカートリッジ(以下CRGとする)内の現像ブレードを厚み8[μm]のSUSブレードに交換した。その上でトナー担持体である現像ローラーに印加する現像バイアスに対して−200[V]のブレードバイアスを印加できるようにした。
コールターマルチサイザー[ベックマン・コールター(株)製]を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス[日科機バイオス(株)製]およびパーソナルコンピューターを接続した。電解液は塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を用いるが、例えばISOTON R−II[ベックマン・コールター(株)製]が使用できる。具体的な測定手順は、コールター社発行のコールターマルチサイザーのカタログ(2002年2月版)や、測定装置の操作マニュアルに記載されているが、以下の通りである。
上記電解水溶液100乃至150mlに測定試料を2乃至20mg加えた。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1乃至3分間分散処理をおこない、上記コールターマルチサイザーの100μmアパーチャーを用いて、2.0μm以上64.0μm以下のトナー粒子の体積、個数を測定した。得られたデータを16のチャンネルに振り分け、重量平均粒径D4、個数平均粒径D1および、D4/D1を求めた。
常温常湿[N/N(23.5℃,60%RH)]環境下にて、転写紙(75g/m2紙)に対してトナー載り量0.5mg/cm2のベタ画像を作成した。反射濃度計Spectrolino(GretagMacbeth製)を用いてそのベタ画像の濃度を測定した。トナーの着色力はベタ画像濃度の向上率で評価した。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を用いた、懸濁重合法によって製造した上記トナー(Tnr1)乃至(Tnr71)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr88)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を用いた、懸濁重合法によって製造した上記トナー(Tnr72)、(Tnr76)、(Tnr80)、(Tnr84)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr89)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を用いた、懸濁重合法によって製造した上記トナー(Tnr73)、(Tnr77)、(Tnr81)、(Tnr85)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr90)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(100)で表わされるC.I.Pigment Blue 16を用いた、懸濁重合法によって製造した上記トナー(Tnr74)、(Tnr78)、(Tnr82)、(Tnr86)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr91)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(101)で表わされるC.I.Pigment Blue 17:1を用いた、懸濁重合法によって製造した上記トナー(Tnr75)、(Tnr79)、(Tnr83)、(Tnr87)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr92)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を用いた、懸濁造粒法によって製造した上記トナー(Tnr97)乃至(Tnr167)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr184)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を用いた、懸濁造粒法によって製造した上記トナー(Tnr168)、(Tnr172)、(Tnr176)、(Tnr180)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr185)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を用いた、懸濁造粒法によって製造した上記トナー(Tnr169)、(Tnr173)、(Tnr177)、(Tnr181)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr186)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(100)で表わされるC.I.Pigment Blue 16を用いた、懸濁造粒法によって製造した上記トナー(Tnr170)、(Tnr174)、(Tnr178)、(Tnr182)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr187)のベタ画像濃度を基準値とした。
着色剤として、式(101)で表わされるC.I.Pigment Blue 17:1を用いた、懸濁造粒法によって製造した上記トナー(Tnr171)、(Tnr175)、(Tnr179)、(Tnr183)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr188)のベタ画像濃度を基準値とした。
以下に、ベタ画像濃度の向上率の評価基準を示す。
A:ベタ画像濃度の向上率が30%以上
B:ベタ画像濃度の向上率が20%以上30%未満
C:ベタ画像濃度の向上率が10%以上20%未満
D:ベタ画像濃度の向上率が10%未満
ベタ画像濃度の向上率が10%以上であれば良好な着色力であると判断した。
本発明の懸濁重合法によるトナーの色調評価結果を表4−1乃至4−2に、懸濁造粒法によるトナーの色調評価結果を表5−1乃至5−2に示す。
常温常湿[N/N(23.5℃,60%RH)]環境下、および高温高湿[H/H(30℃,80%RH)]環境下にて、転写紙(75g/m2紙)を用いて2%の印字比率の画像を10,000枚までプリントアウトする画出し試験において、耐久評価終了時に白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」[(有)東京電色製]により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度[反射率Ds(%)]と転写紙の白色度[平均反射率Dr(%)]の差から、かぶり濃度(%)[=Dr(%)−Ds(%)]を算出し、耐久評価終了時のかぶりを評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
かぶり濃度が3%未満であれば実用上問題ないレベルであると判断した。
本発明の懸濁重合法によるトナーのかぶり評価結果を表4−1乃至4−2に、懸濁造粒法によるトナーのかぶり評価結果を表5−1乃至5−2に示す。
高温高湿[H/H(30℃,80%RH)]環境下にて、転写紙(75g/m2紙)を用いて2%の印字比率の画像を10,000枚までプリントアウトする画出し試験において、耐久評価終了時に転写効率確認をおこなった。トナーの載り量0.65mg/cm2のベタ画像をドラム上に現像させた後、転写紙(75g/m2紙)に転写させ未定着画像を得た。ドラム上のトナー量と転写紙上のトナー量との重量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量転写紙上に転写された場合を転写効率100%とする。)。
A:転写効率が90%以上
B:転写効率が80%以上90%未満
C:転写効率が70%以上80%未満
D:転写効率が70%未満
転写効率が70%以上であれば良好な転写効率であると判断した。
本発明の懸濁重合法によるトナーの転写効率評価結果を表4−1乃至4−2に、懸濁造粒法によるトナーの転写効率評価結果を表5−1乃至5−2に示す。
[比較例4]
比較用トナー(Tnr93)乃至(Tnr96)、(Tnr189)乃至(Tnr192)について、それぞれ色調、かぶり、転写効率を実施例6と同様の方法で評価した。
上記比較用トナー(Tnr93)乃至(Tnr96)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr88)のベタ画像濃度を基準値とした。
上記比較用トナー(Tnr189)乃至(Tnr192)のベタ画像濃度の向上率は、基準用トナー(Tnr184)のベタ画像濃度を基準値とした。
懸濁重合法による比較用トナーの評価結果を表4−2に、懸濁造粒法による比較用トナーの評価結果を表5−2に示す。
Figure 2013210628
Figure 2013210628
[表4−1乃至4−2中の顔料の項目において、15:3は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を表し、15:4は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を表し、15:6は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を表す。]
Figure 2013210628
Figure 2013210628
[表5−1乃至5−2中の顔料の項目において、15:3は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:3を表し、15:4は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:4を表し、15:6は、式(28)で表わされるC.I.Pigment Blue 15:6を表す。]
表3より明らかなように、アゾ骨格構造を有する化合物を用いることで、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散性を改善することが確認された。
また、表4−1乃至4−2より明らかなように、アゾ骨格構造を有する化合物を用いることで、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散性を改善し、着色力が良好なシアントナーが提供されることが確認された。また、アゾ骨格構造を有する化合物を用いることで、かぶりが抑制され、転写効率が高いシアントナーが提供されることが確認された。
更に、表5−1乃至5−2より明らかなように、造粒法においても同様に、フタロシアニン顔料の結着樹脂への分散性を改善し、着色力が良好なシアントナーが提供されることが確認された。また、かぶりが抑制され、転写効率が高いシアントナーが提供されることが確認された。

Claims (12)

  1. 結着樹脂、下記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と下記式(1)で表される部分構造とが連結した化合物、および、着色剤としてフタロシアニン顔料を含有するトナー粒子を有することを特徴とするシアントナー。
    Figure 2013210628
    [式(1)中、
    2、R3、Ar1およびAr2の少なくとも1つは、直接、又は、連結基を介して該高分子部と連結しており、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    高分子部と連結しないR2、R3は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、及びNR56基からなる群より選択される1価の基を表し、R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表し、
    高分子部と連結しないAr1、Ar2は、それぞれ独立して、アリール基を表し、
    高分子部と連結するR2、R3は、上記R2、R3が表す1価の基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、
    高分子部と連結するAr1、Ar2は、上記Ar1、Ar2が表すアリール基から1つの水素元素が脱離した2価の基を表し、
    mは、3または4の整数を表し、nは、1または2の整数を表し、n+mは、5である。]
    Figure 2013210628
    [式(2)中、
    7は、水素原子、またはアルキル基を表し、
    8は、フェニル基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、またはカルボン酸アミド基を表す。]
  2. 式(1)で表される部分構造が下記般式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載のシアントナー。
    Figure 2013210628
    [式(3)中、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    9、R10は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表す。)を表し、
    11乃至R20は、それぞれ独立して、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、OR25基、又は、該高分子部との連結基を表し、R21乃至R25は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、
    11乃至R20の少なくとも1つは、該高分子部との連結基を表し、
    mは、3または4の整数を表し、nは1または2の整数を表し、n+mは5である。]
  3. 式(1)で表される部分構造が、下記式(4)もしくは下記式(5)で表される部分構造であることを特徴とする請求項1に記載のシアントナー。
    Figure 2013210628
    [式(4)中、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    9、R10は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表す。)を表し、
    26乃至R30は、それぞれ独立して、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基を表し、R21乃至R25は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、
    lは、4であり、
    Lは、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
    Figure 2013210628
    [式(5)中、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    9、R10は、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表す。)を表し、
    26乃至R30は、それぞれ独立して、水素原子、COOR21基、CONR2223基、NHCOR24基、またはOR25基を表し、R21乃至R25は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、
    lは4であり、
    Lは、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
  4. 式(1)で表される部分構造が、式(4)であり、式(4)中のR26乃至R30の少なくとも1つが、COOR21基、またはCONR2223基を表し、R21乃至R23は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R1が水素原子であることを特徴とする請求項3に記載のシアントナー。
  5. 式(1)で表される部分構造が、式(5)であり、式(5)中のR26乃至R30の少なくとも1つがCOOR21基、またはCONR2223基を表し、R21乃至R23は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R1が水素原子であることを特徴とする請求項3に記載のシアントナー。
  6. 式(1)で表される部分構造が、下記式(6)もしくは下記式(7)で表される部分構造であることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載のシアントナー。
    Figure 2013210628
    [式(6)中、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    9は、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表す。)を表し、
    pは、2または3の整数を表し、qは、3または4の整数を表し、p+qは、6であり、
    Lは、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
    Figure 2013210628
    [式(7)中、
    1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、シアノ基、またはヒドロキシル基を表し、
    9は、アルキル基、フェニル基、OR4基、またはNR56基(R4乃至R6は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、フェニル基、またはアラルキル基を表す。)を表し、
    pは、2または3の整数を表し、qは、3または4の整数値を表し、p+qは、6であり、
    Lは、上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部と連結する二価の連結基を表す。]
  7. 式(1)で表される部分構造が、式(6)であり、式(6)中のR1が水素原子であり、qが3または4であることを特徴とする請求項6に記載のシアントナー。
  8. 式(1)で表される部分構造が、式(7)であり、式(7)中のR1が水素原子であり、qが、3または4であることを特徴とする請求項6に記載のシアントナー。
  9. 式(1)で表わされる部分構造と上記式(2)で表される単量体単位を有する高分子部との連結が、カルボン酸エステル結合もしくはカルボン酸アミド結合を介して行われていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシアントナー。
  10. 該フタロシアニン顔料が、一般式(8)で表されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシアントナー。
    Figure 2013210628
    [式(8)中、R32乃至R35は、それぞれ独立して、水素、アルキル基、またはスルホン酸基およびその塩を表し、Mは金属または水素原子を表す。]
  11. 式(8)中のR32乃至R35が水素であり、MがCu(II)であることを特徴とする請求項10に記載のシアントナー。
  12. 上記トナー粒子が、懸濁重合法或いは懸濁造粒法を用いて製造されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシアントナー。
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