JP2013208013A - キャンドモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータ室が減圧雰囲気下で使用され、運転中にキャン部材が大きな圧縮力を受ける場合であっても、キャン部材の肉厚を大きくすることなく、圧縮力に対して変形する虞のないキャン部材を備えたキャンドモータを提供する。
【解決手段】ステータの内周部を覆う円筒状の樹脂隔壁18−1によってステータとロータとが隔離する。隔壁の外周部が、ステータの磁極歯部と径方向で噛みあう噛みあい部を形成する。噛みあい部は各突起部185及び突起部間に位置する胴部181の外表面によって形成する。
【選択図】図7
【解決手段】ステータの内周部を覆う円筒状の樹脂隔壁18−1によってステータとロータとが隔離する。隔壁の外周部が、ステータの磁極歯部と径方向で噛みあう噛みあい部を形成する。噛みあい部は各突起部185及び突起部間に位置する胴部181の外表面によって形成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、ポンプの回転駆動に用いられるキャンドモータに関し、特に、真空ポンプの駆動モータに好適に使用されるキャンドモータに関する。
従来から、例えば、特開2003−153494号に記載されるような真空ポンプが知られている。真空ポンプは、半導体製造工程における真空チャンバー内のプロセスガスの排気等に広く用いられている。
真空ポンプ用モータでは、プロセスガスとの接触による腐食等からステータコア部を保護するため、ステータとロータとを隔離するロータ室が形成されており、ロータ室は、ポンプケーシング側に固定される隔壁(換言すれば、キャン部材)によって、ステータに対して密閉された空間となっている。このようにモータステータとモータロータとがキャン部材によって隔離された構造を備えるモータは、通常、キャンドモータと称される。キャンドモータは、化学液を送出するためのポンプにも使用されており、例えば、特開平11−89158号には、ポンプ回転軸とモータロータが一体構造とされ、ガソリン等の液体をステータとロータとの間の空隙に流すようにされたモータが記載されている。この場合も、取扱液がステータコア部に接触することを防止するためにキャン部材が設けられている。
キャン部材は、従来、ステンレススチール等の非磁性金属板で形成されることが多いが、非磁性金属板であっても、ステータからの磁束の作用によって表面に渦電流が発生し、このときの損失によってモータ効率が低下する。
一方、樹脂製のキャン部材も使用されているが、隔壁の機械的強度を維持するために、金属製キャン部材に比べて隔壁の板厚寸法が大きく採られる。上記化学液送出用ポンプの場合、一般的には、モータステータ内側での減圧による圧力変動はほとんど生じることがなく、また、モータ周囲の大気圧側で生じる、キャン部材に対する圧縮方向への圧力変動もわずかである。むしろ、キャン部材が外側へ拡張する方向の圧力が加わるのが通常であり、この場合、加わった圧力は、キャン部材の外周にあるステータコアによって支持されるので、比較的薄肉のキャン部材であっても拡張破裂することはない。これに対し、真空ポンプ用キャンドモータでは、運転中に生じるロータ室内の真空領域とモータ周囲の大気圧との圧力差によって、圧縮方向への大きな圧力がキャン部材に直接作用する。換言すれば、キャン部材が、ロータ室内側に向けて大きな引張力を受ける。従って、真空ポンプ用キャンドモータでは、キャン部材が圧縮力によって径方向内側へ座屈変形することを防止するため、キャン部材の厚みを大きくすることによってキャン部材の強度を増している。キャン部材の厚みはJIS B8267等に記載の圧力容器計算方法に基づいて設定され、通常、1.5〜2.0mm程度である。しかし、キャン部材の厚みを大きくすると、必然的に、モータステータとモータロータとの間の離間距離が大きくなる。従って、ステータとロータ間の磁気空隙が大きくなり、これにより、モータ効率が低下する。
このように、キャン部材には十分な機械的強度が求められる一方、モータ効率の観点からは、キャン部材はできるだけ薄肉であることが望ましい。
特開2005−184958号には、キャン部材を薄肉化しつつキャン部材の強度を増すように、キャン部材の外周面にリブが形成されたキャンドモータが提案されている。
本発明の一つの目的は、ロータ室が減圧雰囲気下で使用され、運転中にキャン部材が大きな圧縮力を受ける場合であっても、キャン部材の肉厚を大きくすることなく、圧縮力に対して変形する虞のないキャン部材を備えたキャンドモータを提供することである。
本発明のさらなる目的は、ステータとロータ間の磁気空隙を最小限にすることによってモータ効率を著しく向上させることができるキャンドモータを提供することである。
本発明のさらなる目的は、部品点数及び組立工数を大幅に低減することができるキャンドモータを提供することである。
本発明のさらなる目的は、ステータのスロット内の空間を最大限に利用し、モータ効率を著しく向上させることができるキャンドモータを提供することである。
本発明のさらなる目的は、上記キャンドモータを備える真空ポンプを提供することである。
請求項1の発明によれば、ステータの内周部を覆う円筒状の樹脂隔壁によってステータとロータとが隔離された、真空ポンプの回転駆動に使用されるキャンドモータであって、隔壁の外周部が、ステータの磁極歯部と径方向で噛みあう噛みあい部を形成している、キャンドモータが提供される。この構成によれば、隔壁の外周部が、ステータの磁極歯部と径方向で噛みあう噛みあい部を形成している。このため、真空ポンプ運転中に隔壁に作用する径方向内側への圧縮力を、部分的にステータ側で支持することができる。従って、従来の構成と比較して隔壁の壁厚を著しく減少させることができ、これにより、ステータとロータの間の空隙を著しく減少させてモータ効率を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載のキャンドモータであって、噛みあい部は、磁極歯部と密着するように磁極歯部に対して相補的な断面形状を備えており、噛みあい部は、隔壁の長さ方向に延びるリブを形成している、キャンドモータが提供される。この構成によれば、噛みあい部は、磁極歯部と密着するように磁極歯部に対して相補的な断面形状を備えており、噛みあい部は、隔壁の長さ方向に延びるリブを形成している。このため、噛みあい部が磁極歯部に嵌まり合うように円筒状の隔壁をステータ内に容易に挿入させることができ、隔壁をステータに密着させることができる。これにより、ステータとロータの間の空隙を著しく減少させてモータ効率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2に記載のキャンドモータであって、ステータは、磁極歯部の間に形成されたスロットを備えており、噛みあい部は、スロット内に巻線を保持することができるように径方向外側に延びている、キャンドモータが提供される。この構成によれば、噛みあい部は、スロット内に巻線を保持することができるように径方向外側に延びているので、従来、別個の部材としてスロットに挿入されていた巻線保持部材(換言すれば、スペーサ)の使用を省略することができる。従って、モータの部品点数及び組立工数を大幅に低減することができ、モータの製造コストを大幅に削減することができる。
請求項4の発明によれば、請求項3に記載のキャンドモータであって、噛みあい部は、スロット内で径方向外側に向けて開口する凹部を備えている、キャンドモータが提供される。この構成によれば、噛みあい部は、径方向外側に向けて開口する凹部を備えている。このため、噛みあい部によって磁極歯部との径方向の噛みあいを維持しつつ、従来の平坦な短冊状の巻線保持部材(換言すれば、スペーサ)と比較して、スロット内の空間を最大限に利用することができる。このため、例えば、スロット内に収容できる巻数を多くすることにより、モータ効率を著しく向上させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載されるキャンドモータを備える、真空ポンプが提供される。
本発明によれば、ロータ室が減圧雰囲気下で使用され、運転中にキャン部材が大きな圧縮力を受ける場合であっても、キャン部材の肉厚を大きくすることなく、圧縮力に対して変形する虞のないキャン部材を備えたキャンドモータを提供することができる。
また、本発明によれば、ステータとロータ間の磁気空隙を最小限にすることによってモータ効率を著しく向上させることができるキャンドモータを提供することができる。
また、本発明によれば、部品点数及び組立工数を大幅に低減することができるキャンドモータを提供することができる。
また、本発明によれば、ステータのスロット内の空間を最大限に利用し、モータ効率を著しく向上させることができるキャンドモータを提供することができる。
また、本発明によれば、上記キャンドモータを備える真空ポンプを提供することができる。
以下、図1〜図11を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1に、従来の真空ポンプの全体構造の一例である側断面図を示す。図1に示すように、ポンプPは、一対のポンプロータ1−1、1−2(図1は側断面図にて1軸のみを示す)を備え、各ポンプロータは、それぞれ、ロータ1−1a(1−2a)、1−1b(1−
2b)、1−1c(1−2c)とポンプ主軸2−1(2−2)とから構成されており、ポンプケーシング3内に配置されている。尚、ポンプロータ1−1、1−2はポンプケーシング3内に平行に配置されているが、図1は側断面図であるため、1軸のみを示している。ポンプロータ1−1、1−2は、タイミングギヤ5を介して相互に反転し、各段のロータ1−1a(1−2a)、1−1b(1−2b)、1−1c(1−2c)によってガスが移送され、ガスの排気が行われる。尚、図示は省略するが、ポンプケーシング3には、吸気口と排気口が設けられており、ポンプロータ1−1、1−2の回転により、吸気口に吸い込んだガスを排出口から排出するようになっている。
2b)、1−1c(1−2c)とポンプ主軸2−1(2−2)とから構成されており、ポンプケーシング3内に配置されている。尚、ポンプロータ1−1、1−2はポンプケーシング3内に平行に配置されているが、図1は側断面図であるため、1軸のみを示している。ポンプロータ1−1、1−2は、タイミングギヤ5を介して相互に反転し、各段のロータ1−1a(1−2a)、1−1b(1−2b)、1−1c(1−2c)によってガスが移送され、ガスの排気が行われる。尚、図示は省略するが、ポンプケーシング3には、吸気口と排気口が設けられており、ポンプロータ1−1、1−2の回転により、吸気口に吸い込んだガスを排出口から排出するようになっている。
図2は、図1におけるモータ部分Mの詳細を示す、図1のY−Y矢視断面図である。モータMのモータステータ11は樹脂材12にて全体が覆われており、その外周部でポンプPに取り付ける部分に取付部13が樹脂材12と一体に形成されている。モータステータ11は、取付部13を介してボルト(図示せず)によりポンプケーシング3に取り付けられる。
各々のポンプ主軸2−1、2−2にモータロータ16−1、16−2が直結されている。各ロータ室17−1、17−2はモータステータ11の内周側を覆う円筒状の隔壁(換言すればキャン部材)18−1、18−2によって密閉された空間となっている。隔壁18−1、18−2は樹脂製である。
図3は、隔壁18−1の構成の詳細を示す斜視図である。隔壁18−2は隔壁18−1と同様の構成を有するので、図3には、隔壁18−1のみを示す。図3に示すように、隔壁18−1は、実質的に円筒状の胴部181を備え、胴部181の長さ方向の一端部182が閉鎖され、他端部183が開口している。開口端183の周縁には環状フランジ部184が形成されており、環状フランジ部184は、図示しないボルト等を介してポンプケーシング3側に密封状態に固定される。胴部181の外周面は、隔壁18−1の長さ方向に延びるリブを備えており、リブは、後述する噛みあい部によって形成されている。
尚、図3に示す例では、隔壁18−1は、その長さ方向において環状フランジ部184とは反対側の端部182が閉鎖された、有底円筒状に一体成型されている。しかし、隔壁18−1は、環状フランジ部184とは反対側の端部が開口した形態を備えていてもよい。図4に、そのような開口端182´を備えた隔壁18−1´の例を示す。この場合、別個の閉鎖部材が、密封状態で開口端182´に固定される。
図5は、図2におけるモータ部分Mの径方向の断面図(図2のZ−Z矢視断面図)である。モータMはポンプPの主軸2−1、2−2に直結されたそれぞれのモータロータ16−1、16−2の軸16´−1、16´―2に永久磁石19が周設され、その外周には隔壁18−1、18−2を間に介在させてステータ11が配置されている。ステータ11は、ステータコア22と、ステータコア22の径方向内側に延びる複数の磁極歯部20と、磁極歯部20間に形成されたスロット30内に磁極歯部20を巻回するように配置される巻線21を備えている。各磁極歯部20の先端部は、永久磁石19に対向する表面積を大きくするように、永久磁石19に対して実質的に平行に(換言すれば、周方向に)延びて、ステータコア22から概ね直線状に延びる磁極基部20−1よりも大きな断面積を有する、延長部(換言すれば、拡張部)20−2を形成している(図6参照)。
磁極歯部20は巻線21の通電時に両モータロータ16−1、16−2間の中心軸Cにおいて対称の位置で、且つ反対の磁極を形成するように同期して反転するブラシレス直流モータを構成する。尚、本実施形態では、モータMに2軸型ブラシレス直流モータを用いているが、本発明では、1軸型ブラシレス直流モータを用いてもよい。また、本発明が適用されるモータは、電気モータであれば特に限られない。
また、本発明は真空ポンプに好適に適用されるが、本明細書において、用語「真空ポンプ」とは、運転中にポンプケーシング内がポンプ周囲に対して減圧された状態で使用されるポンプを意味する。すなわち、「真空」とは、相対的な真空を含み、絶対真空のみを意味するものではない。また、本発明は、真空ポンプ以外のポンプに適用されてもよい。
次に、図6及び図7を参照して、隔壁18−1の形態について詳細に説明する。図6は、図5の部分拡大図であるが、巻線21は図示を省略されている。図7は、隔壁18−1を単独で示す図であり、隔壁18−1の胴部181の長さ方向を横切る部分断面図である。
図6を参照すると、上記したように、ステータ11の各磁極歯部20の先端部は、永久磁石19に対向する表面積を大きくするように、永久磁石19に対して実質的に平行に(換言すれば、周方向に)延びて、磁極基部20−1よりも大きな断面積を有する延長部20−2を形成している。磁極歯部20の間には、巻線21(図示省略)が収容されるスロット30が形成されている。一方、隔壁18−1の外周部は、各スロット30内で磁極歯部20と径方向に噛みあう噛みあい部を形成するように構成されている。具体的には、隔壁18−1の胴部181には、スロット30に対応して、隔壁18−1の径方向外側に突出する突起部185が形成されている。図6に示すように、各突起部185は、隔壁18−1の外周部が磁極歯部20の先端部と嵌まり合うように(換言すれば、隔壁18−1の外周部が磁極歯部20の先端部と密着するように)磁極歯部20の先端部に対して相補的な断面形状を備えている。具体的には、図7の断面図に示されるように、突起部185は、胴部181から径方向に突出する、幅(換言すれば、周方向寸法)の小さい基部185−1と、基部185−1の先端から胴部181の周方向に伸長する、幅の大きい延長部(換言すれば、拡張部)185−2を備えている。延長部185−2は、磁極歯部20の延長部20−2と径方向で噛みあうように、スロット30内で延長部20−2に径方向に対向して配置される噛みあい面185−3と、ステータコア22に対向する向きに配置される平坦な先端面185−4とを有している。各突起部185及び各突起部185間に位置する胴部181の外表面によって、磁極歯部20の先端部が嵌まり込むことができる溝186が形成される。こうして、本実施形態では、隔壁18−1の各突起部185及び各突起部185間に位置する胴部181の外表面によって、本発明における噛みあい部が形成されている。
上記のような構成のキャンドモータMによってポンプPを回転駆動すると、ポンプケーシング3及びロータ室17−1、17−2内は、真空領域を形成し、ロータ室17−1、17−2を画定する隔壁18−1、18−2には、モータM周囲の大気圧と真空領域の圧力との差圧によって、図6に示すような径方向の大きな圧縮力Fが作用する(換言すれば、ロータ室17−1、17−2内側への大きな引張力が作用する)。しかし、本発明では、隔壁18−1、18−2の外周部が、ステータ11の磁極歯部20と径方向で噛みあう噛みあい面185−3を有する噛みあい部を形成しているので、ポンプ運転中に発生する径方向の圧縮力の一部をステータ11によって支持することができる。すなわち、上記実施形態では、圧縮力の一部が、噛みあい面185−3を介してステータ11により支持されるので、従来のように圧縮力の全てを隔壁18−1、18−2で支持する必要が無い。このため、隔壁18−1、18−2を従来より薄肉に形成しても、圧縮力によって隔壁18−1、18−2が内側へ座屈変形する虞が無い。従って、磁気空隙内に位置する隔壁18−1、18−2の厚みを従来より大幅に小さくすることができ、これにより、磁気空隙を最小限にしてモータ効率を改善することができる。
また、上記実施形態のように、本発明では、噛みあい部の噛みあい面185−3を含む断面形状は、磁極歯部20の先端部に対して相補的な断面形状であることが好ましく、ま
た、図3及び図4に示すように、噛みあい部は、隔壁18−1、18−2の長さ方向全体に延びて、リブを形成していることが好ましい。これにより、モータMの組立時、隔壁18−1、18−2の外周部が磁極歯部20の先端部に嵌まり合うように、隔壁18−1、18−2をリブに沿ってステータ11内に容易に挿入し、隔壁18−1、18−2をステータ11に容易に密着させることができる。従って、ステータとロータ間の空隙を最小限にすることができる。この点で、本発明は、真空ポンプ以外のポンプに対しても有利に適用されることができる。尚、本発明では、噛みあい部が形成するリブは、図3、図4に示すように隔壁18−1(18−2)の全長に亘って連続して延びていなくてもよく、複数の区分に亘って断続的に延びていてもよい。また、隔壁18−1(18−2)の全長の一部に亘って延びていてもよい。
た、図3及び図4に示すように、噛みあい部は、隔壁18−1、18−2の長さ方向全体に延びて、リブを形成していることが好ましい。これにより、モータMの組立時、隔壁18−1、18−2の外周部が磁極歯部20の先端部に嵌まり合うように、隔壁18−1、18−2をリブに沿ってステータ11内に容易に挿入し、隔壁18−1、18−2をステータ11に容易に密着させることができる。従って、ステータとロータ間の空隙を最小限にすることができる。この点で、本発明は、真空ポンプ以外のポンプに対しても有利に適用されることができる。尚、本発明では、噛みあい部が形成するリブは、図3、図4に示すように隔壁18−1(18−2)の全長に亘って連続して延びていなくてもよく、複数の区分に亘って断続的に延びていてもよい。また、隔壁18−1(18−2)の全長の一部に亘って延びていてもよい。
さらに、本発明では、噛みあい部を所定の径方向寸法に形成することにより、噛みあい部を、スロット30内に巻線を保持する巻線保持部としても機能させることができる。従来、ステータのスロット内に巻線を保持するために、「スペーサ」と称される、別個の巻線保持部材が使用されている。巻線保持部材は、通常、非金属性材料としての樹脂材料を短冊状に加工した部材であり、各スロット毎に挿入されて、巻線をほどけないようにスロット内に保持するために使用される。巻線は、モータ完成後にスロット内に樹脂を充填することによって固定されるが、スペーサは、樹脂充填までの工程の間巻線を保持するために必要とされる。本発明では、例えば、上記実施形態における突起部185の延長部185−2に所定の厚みを持たせることにより、延長部185−2を従来のスペーサに代えて巻線保持部として機能させてもよい。延長部185−2は、スロット30内に配置される部分であり、磁気空隙内に位置する部分ではないため、延長部185−2の厚みを増しても、モータ効率には影響しない。この構成により、別個の巻線保持部材を使用する必要がなく、従って、キャンドモータの部品点数及び組立工数を大幅に低減することができる。
尚、上記実施形態では、突起部185は、断面が概ねT字形状に形成されているが、これは、本実施形態における磁極歯部20の先端部の断面形状が、概ね逆T字形状に形成されているためであり、本発明において噛みあい部を構成する突起部の断面形状は、対応する磁極歯部20の先端部の断面形状によって変わり得る。他の断面形状を有する突起部185´の例を図8に示す。この例では、磁極歯部20の先端部が、略三角形状の断面形状を備える延長部20−2´を形成している。このため、突起部185´は、延長部20−2´の略三角形状の斜辺と噛みあう噛みあい面185´−3と、ステータコア22に対向して配置される平坦な先端面185´−4とを備えた、略逆三角形状の部分を含んでいる。図6及び図7に示す実施形態と同様に、隔壁18−1、18−2に作用する圧縮方向の力の一部を、噛みあい面185´−3を介してステータ11に支持させることができる。さらに、突起部185´は、スロット30内に巻線(図示省略)を保持できるように径方向外側に延びる巻線保持部187を備えている。
図9〜図11は、噛みあい部の断面形状のさらなる例を示す。上記実施形態では、突起部185、185´の先端面185−4、185´−4は、平坦な面を形成しているが、図9〜図11の例では、噛みあい部は、スロット30内で径方向外側に向けて開口する凹部(換言すれば、溝)を備えている。図9は、図7に示されるような概ねT字状断面の突起部の先端面に、矩形状断面を有する矩形溝288が形成された突起部285の例を示す図である。具体的には、突起部285の先端面285−4の幅方向における略中央部に、矩形状断面を有する矩形溝288が形成されている。上記実施形態と同様に、突起部285の基部285−1の先端から幅方向に延びる延長部285−2は、スロット30内で磁極歯部20の延長部20−2に対向して配置される噛みあい面285−3を備えており、噛みあい面285−3が延長部20−2と径方向で噛みあうことによって、圧縮方向の力の一部をステータ11に支持させることができる。さらに、図9の例では、先端面285−4に矩形溝288が形成されているので、延長部285−2がスロット30内に配置さ
れても、スロット30内の空間を巻線保持空間として最大限に利用することができるので、モータ効率を向上させることができる。
れても、スロット30内の空間を巻線保持空間として最大限に利用することができるので、モータ効率を向上させることができる。
図10は、図8に示されるような略逆三角形状断面の突起部の先端面に、逆三角形状断面を有する三角溝(換言すれば、V字溝)388が形成された突起部385の例を示す図であり、図11は、図7に示されるような概ねT字状断面の突起部の先端面に、円弧状断面を有する円弧溝488が形成された突起部485の例を示す図である。図10及び図11に示す例でも、図9に示す例と同様に、突起部385、485の先端面に溝388、488を形成することによって、噛みあい面385−3、485−3による磁極歯部20との径方向の噛みあいを維持しつつ、スロット30内の空間を巻線保持空間として最大限に利用することができるので、モータ効率を向上させることができる。尚、図10及び図11の例では、凹部388、488は、突起部385、485における先端面の幅方向全体に形成されているが、図9の例と同様に、先端面の一部にのみ形成されていてもよい。
本発明は、ポンプに使用されるキャンドモータに広く適用することができ、特に、ロータ室が減圧雰囲気下で使用される真空ポンプに好適に使用することができる。
P ポンプ
M モータ部分
C 中心軸
1−1、1−2 ポンプロータ
1−1a、1−1b、1−1c ロータ
1−2a、1−2b、1−2c ロータ
2−1、2−2 ポンプ主軸
3 ポンプケーシング
5 タイミングギヤ
11 モータステータ
12 樹脂材
13 取付部
16−1、16−2 モータロータ
17−1、17−2 ロータ室
18−1、18−2 樹脂隔壁(キャン部材)
16´―1、16´―2 軸
19 永久磁石
22 ステータコア
20 磁極歯部
20−1 磁極基部
20−2、20−2´ 延長部
21 巻線
30 スロット
181 胴部
182、183 端部
184 環状フランジ部
185、185´、285、385、485 突起部
185−1、285−1、485−1 基部
185−2、285−2、485−2 延長部
185−3、185´−3、285−3、385−3、485−3 噛みあい面
185−4、185´−4、285−4 先端面
187、387 巻線保持部
186 溝
288、388、488 凹部(溝)
M モータ部分
C 中心軸
1−1、1−2 ポンプロータ
1−1a、1−1b、1−1c ロータ
1−2a、1−2b、1−2c ロータ
2−1、2−2 ポンプ主軸
3 ポンプケーシング
5 タイミングギヤ
11 モータステータ
12 樹脂材
13 取付部
16−1、16−2 モータロータ
17−1、17−2 ロータ室
18−1、18−2 樹脂隔壁(キャン部材)
16´―1、16´―2 軸
19 永久磁石
22 ステータコア
20 磁極歯部
20−1 磁極基部
20−2、20−2´ 延長部
21 巻線
30 スロット
181 胴部
182、183 端部
184 環状フランジ部
185、185´、285、385、485 突起部
185−1、285−1、485−1 基部
185−2、285−2、485−2 延長部
185−3、185´−3、285−3、385−3、485−3 噛みあい面
185−4、185´−4、285−4 先端面
187、387 巻線保持部
186 溝
288、388、488 凹部(溝)
Claims (5)
- ステータの内周部を覆う円筒状の樹脂隔壁によってステータとロータとが隔離された、真空ポンプの回転駆動に使用されるキャンドモータであって、
前記隔壁の外周部が、前記ステータの磁極歯部と径方向で噛みあう噛みあい部を形成している、キャンドモータ。 - 請求項1に記載のキャンドモータであって、
前記噛みあい部は、前記磁極歯部と密着するように前記磁極歯部に対して相補的な断面形状を備えており、前記噛みあい部は、前記隔壁の長さ方向に延びるリブを形成している、キャンドモータ。 - 請求項1または2に記載のキャンドモータであって、
前記ステータは、前記磁極歯部の間に形成されたスロットを備えており、
前記噛みあい部は、前記スロット内に巻線を保持することができるように径方向外側に延びている、キャンドモータ。 - 請求項3に記載のキャンドモータであって、
前記噛みあい部は、前記スロット内で径方向外側に向けて開口する凹部を備えている、キャンドモータ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載されるキャンドモータを備える、真空ポンプ。
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