JP6430722B2 - キャンドモータ及びこれを備えた真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、キャンドモータに係り、特に、真空ポンプに用いられキャンドモータに関する。
従来から、半導体製造プロセスにおいては、様々な工程において真空技術が利用されている。いくつか例を挙げると、金属薄膜の形成のための真空蒸着法、レジスト除去やエッチング工程のためのプラズマエッチング法、不純物の拡散工程のためのイオン注入法、シリコン酸化膜や窒化膜形成工程のための減圧CVDやプラズマCVD法などである。これらの半導体製造プロセスは、いずれも真空(或いは減圧)環境で行われるものであり、半導体製造プロセスにおける真空が果たす役割は非常に大きい。
半導体製造装置等に使用される真空ポンプとしては、図3に示すような、二軸同期多段ルーツ型容積式の真空ポンプがある(例えば、引用文献1参照)。この図に示すものは3段の真空ポンプである。すなわち、合計6個のポンプロータ102を備えている(但し、図3(A)では対応するポンプロータ102が重なっているため、各段とも1つのポンプロータ102しか見えない)。この真空ポンプのポンプロータ回転軸102aは、一対のタイミングギア111によって互いに反対方向に同じ速度で回転する。相互に対向するロータ102同士及びロータ102とケーシング101は接触することがなく、わずかな隙間を保ちながら回転して気体を外部に排出するようになっている。
この図3(A)において、左端に設置されているのがモータMである。このモータMでは、ポンプロータ回転軸102aにモータロータ105Aが取り付けられ、このモータロータ105Aの半径方向の周囲に所定のギャップを隔ててモータステータ106が設置されている。この図に示す真空ポンプは、モータの耐腐食性を向上させたキャンドモータの例である。キャンドモータとは、モータロータ105Aを円筒状のキャン107で覆った構造のモータであり、軸シール構造を具備しなくても気密性が保たれる構造を有している。すなわち、モータロータ105Aとモータステータ106の間を隔離するように、円筒状のキャン107を介在させた構造である。
ポンプロータ102は、図3(B)に示すように、三葉状の断面形状を有しており、2つのポンプローラ102の凸部と凹部が近接するようになっている。また、キャン107の開口端の周囲には所定のフランジ部が形成されており、このフランジ部がポンプロータ側のポンプハウジングに固定されている。このため、モータロータ105Aとモータステータ106との間は完全に気密性が維持される。
ところで、図3に示すモータMは、ラジアルギャップ型モータと呼ばれるものである。このラジアルギャップ型モータとは、モータロータ105Aに対してステータ106が半径方向外方(ラジアル方向)に配置され、これらモータロータ105Aとステータ106の間にギャップが存在している形式のモータである。このようなラジアルギャップ型のモータMでは、モータロータ105Aはポンプロータ回転軸102aの一端部に取り付けられるが、ポンプロータ回転軸102aのオーバーハング長さ(主軸が軸受103から飛び出す長さ)は、モータロータ105Aの軸線方向長さ以上の長さが必要である。このため、モータMに求められる定格出力が大きくなるほど、ポンプロータ回転軸102aに求められるオーバーハング長さも大きくなる。
ポンプロータ回転軸102aのオーバーハング長さが大きくなると、様々な問題が生じ
る。例えば、ポンプロータ回転軸102aのオーバーハング部分に重量物であるモータロータ105Aを装着しているため、ポンプロータ回転軸102aの撓みを考慮して回転数が制限されたり、振動や騒音の発生等の問題が生じていた。また、オーバーハング長さが大きくなることで、真空ポンプ全体としてポンプロータ回転軸102aに沿った方向の長さが増大してしまう。
上記問題を解決できる可能性のあるモータとして、図4に示すような、アキシャルギャップ型モータ200も提案されている(特許文献2参照)。アキシャルギャップ型モータ200とは、ロータ110とステータ120とが主軸151の軸線方向(アキシャル方向)に配置され、これらの間にギャップが形成されている形式のモータである。アキシャルギャップ型モータ200においては、必要なオーバーハング長さを、ロータの厚さよりも少し長い程度に抑制できる場合がある。しかしながら、特許文献2のアキシャルギャップ型モータ200は、圧縮機に用いられるものであって、キャンドモータでは無く、ステータ120の側に軸受を設けることが可能である。このため、主軸151のオーバーハング部分にロータを具備するものでも無い。なお、このような構造のモータでは、ロータ室とステータ室の圧力は同一である。
特許第3315581号公報 特開2010−161893号公報
上記したように、従来のラジアルギャップ型モータでは、ポンプロータ回転軸102aのオーバーハング部分にモータロータ105Aが装着されており、回転数の制限、振動や騒音の発生なども大きな問題となっていた。また、従来のアキシャルギャップ型モータ200であっても、キャンドモータに適用したものでなく、オーバーハング部分にロータ110を取り付ける必要性が無く、回転数の制限、振動や騒音も大きな問題ではなかった。このため、キャンドモータにアキシャルギャップ型モータを採用することについても全く想定していない。キャンドモータで無ければ、ロータが存在する空間とステータが存在する空間の圧力差も考慮する必要がなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、第1手段は、真空ポンプ用のキャンドモータであって、このキャンドモータはアキシャルギャップ型モータである、という構成を採っている。このような構成を採ることで、主軸のオーバーハング長さは、円盤状のロータの厚さ程度に最小化される。オーバーハング長さが最小化されることで、許容回転数が増大すると共に、振動や騒音の発生などの諸問題も同時に回避することができる。
第2手段は、第1手段の構成に加え、ロータと、ステータと、ロータとステータの間に配置されてロータが存在する空間の真空を維持するキャンとを備えた、という構成を採っている。
第3手段は、第2手段の構成に加え、キャンは、ロータ用の第1のケーシングとステータ用の第2のケーシングとに挟まれて固定された円盤状部材又は長方形状部材である、という構成を採っている。
第4手段は、第2手段又は第3手段の構成に加え、キャンの材質は、樹脂またはセラミック等の非導電体である、という構成を採っている。
第5の手段は、第2手段から第4手段の何れかの構成に加え、キャンの一部は、ステータコアに貼り付けられている、という構成を採っている。
第6手段は、第2手段から第5手段の何れかの構成に加え、ロータの磁石は、真空ポンプの主軸の一端部における磁石支持部材に装着されている、という構成を採っている。
第7手段は、第6手段の構成に加え、真空ポンプは二軸同期型であり、二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤを備え、磁石支持部材は主軸の一端部に装着されると共に、タイミングギヤは主軸の他端部に装着されている、という構成を採っている。
第8手段は、第6手段又は第7手段の構成に加え、真空ポンプは二軸同期型であり、磁石支持部材は二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤである、という構成を採っている。
第9手段は、真空ポンプの主軸と、この主軸を収容する主ケーシングと、主ケーシングの一端部に設けられる第1端部ケーシングと、主ケーシングの他端部に設けられる第2端部ケーシングと、主軸の一端部に設けられた第1手段から第8手段の何れかの構成に係るキャンドモータとを備えた真空ポンプ、という構成を採っている。
第10手段は、第9手段の構成に加え、キャンドモータは、主ケーシングの排気側端部に設けられた、という構成を採っている。
本発明の一実施形態に係る真空ポンプの、主軸に沿った断面図である。 キャンドモータを拡大した図であり、図2(A)は図1に開示したキャンドモータであり、図2(B)はタイミングギヤと磁石支持部材を別個に設けたキャンドモータの例を示す。 従来のラジアルギャップ型モータを示す図であり、図3(A)は主軸に沿った断面図であり、図3(B)は図3(A)のII−II線における断面図である。 従来のアキシャルギャップ型モータを圧縮機に適用した場合を示す断面図である。
以下において、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るキャンドモータおよび真空ポンプについて説明する。なお、以下に説明する個別の構成要素を任意に組み合わせた発明についても、本発明が対象とする技術思想に含まれるものである。
[全体概要]
図1は、本実施形態に係るキャンドモータ31を備えた真空ポンプ1である。この真空ポンプ1は、真空ポンプ本体11と、この真空ポンプ本体11の一端部(排気側端部)に取り付けられたキャンドモータ31からなる。キャンドモータ31はアキシャルギャップ型モータであり、ロータ41と、ステータ51と、ロータ41とステータ51の間に配置されてロータ41が存在する空間の真空を維持するキャン61とを備えている。ここで、アキシャルギャップ型モータは、ラジアルギャップ型モータと比較して、同じ定格出力を実現するのであれば、主軸方向のオーバーハング長さを低減することができる。
[真空ポンプ本体]
真空ポンプ本体11は、複数のポンプロータ13が取り付けられた主軸15と、ポンプロータ13を収容する主ケーシング17と、主ケーシング17の一方側端面に取り付けら
れた第1端部ケーシング19と、主ケーシング17の他方側端面に取り付けられた第2端部ケーシング21とを備えている。このような真空ポンプ1は、二軸同期多段ルーツ型容積式ポンプと呼ばれている。
[主軸]
主軸15は、真空ポンプ本体11の軸線方向に沿って延設されており、その両端部において第1及び第2端部ケーシング19,21の軸受19a、21aによって回転自在に支持されている。本実施形態の主軸15には、1本当たり5個のポンプロータ13が取り付けられており、5段の真空ポンプ本体11となっている。但し、段数はあくまでも一例であって、5段以外の段数の真空ポンプ本体であってもよい。なお、図1では5個のポンプロータ13しか図示されていないが、本実施形態の真空ポンプ1は二軸同期型であり、実際には図における奥側にもう一組主軸とポンプロータが配置されている。このため、合計で10個のポンプロータ13を備えている。
[主ケーシング]
主ケーシング17は、各ポンプロータ13に対応したポンプ室を有し、さらに所定の隔壁を隔てて半径方向外側に気体排出路23を備えている。また、主ケーシング17には、最も上流側のポンプ室23aに気体を取り入れる気体取入口25と、最も下流側のポンプ室23bから気体を排出する気体排出口27が設けられている。気体取入口25は、真空状態が求められる半導体製造装置等に接続されている。一方、気体排出口27は、所定の排気ガス処理装置(図示略)に接続されている。気体排出口27を排気ガス処理装置に接続するのは、真空ポンプ1によって排出される気体には、腐食性のガスが含まれている場合があり、適切に無害化処理を施す必要があるからである。但し、排出される気体が無害なものであれば、気体排出口27に排気ガス処理装置を接続する必要は無い。
[第1端部ケーシング]
第1端部ケーシング19は、主ケーシング17の一端部に取り付けられている。この主ケーシング17の一端部は開放部となっているが、第1端部ケーシング19によって封止され、最も下流側のポンプ室23bを形成している。第1端部ケーシング19の中心部には段付貫通口が形成されている。このうち、直径の小さな貫通口には主軸15が貫通しており、大きな直径の貫通口には2個の軸受19aが設けられている。そして、この軸受19aによって主軸15の一端部側を回転自在に支持している。但し、軸受の数は一例であって、1個であっても良いし、3個以上設けるようにしてもよい。なお、本実施形態では、主ケーシング17と第1端部ケーシング19を別個に形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、主ケーシング17と第1端部ケーシング19とを一体的に形成してもよい。
[第2端部ケーシング]
第2端部ケーシング21は、主ケーシング17の他端部に取り付けられている。この第2端部ケーシング21の中心部にも段付貫通口が形成されている。このうち、直径の小さな貫通口には主軸15が貫通しており、大きな直径の貫通口には1個の軸受21aが設けられている。この軸受21aによって主軸15を他端部側で回転自在に支持している。なお、本実施形態では、主ケーシング17と第2端部ケーシング21を別個に形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、主ケーシング17と第2端部ケーシング21とを一体的に形成してもよい。
第2端部ケーシング21の外側(図1における左側)には、ケーシングカバー29が取り付けられている。このケーシングカバー29は、第2端部ケーシング21との間に所定の空間を形成して軸受を覆っている。このケーシングカバー29によって形成された空間の下部には潤滑油が貯留されており、軸受21aを潤滑できるようになっている。但し、
グリースが充填されている軸受を使用する場合は、潤滑油は必須ではない。なお、ケーシングカバー29は本発明に必須な構成要素では無い。
[キャンドモータ]
次に、本実施形態の特徴部分の一つである、キャンドモータ31について図2に基づいて説明する。キャンドモータ31はアキシャルギャップ型モータであり、ロータ41と、ステータ51と、ロータ41とステータ51の間に配置されてロータ41が存在する空間(ロータ室43)の真空を維持するキャン61とを備えている。このように、キャン61を備えているため、ロータ室43の気密性が維持される。このとき、ロータ室43は真空ポンプ本体11のポンプ室(図1の符号23b)に連通しているため、ロータ41は腐食性ガスに曝される。しかしながら、ステータ51はキャン61の機能によって腐食性ガスから隔離されている。
[ロータ]
ロータ41は、主軸15の一端部(図では右端部)に取り付けられている。ロータ41は略円盤状の磁石支持部材41aと、この磁石支持部材41aに装着された永久磁石41bとからなる。永久磁石41bは、磁石支持部材41aの一方の表面において、等角度間隔に配置されている。本実施形態の永久磁石41bは、磁石支持部材41aに埋め込まれるような形態となっている。このような構成を採ることで、永久磁石41bが磁石支持部材41aから脱落するのを確実に防止できるからである。但し、本発明はこれに限定されるものでは無く、単純に磁石支持部材41aの表面に強力な接着剤で貼り付けてもよいし、ネジなどを用いて固定してもよい。
本実施形態の磁石支持部材41aは、タイミングギヤを兼ねている。すなわち、本実施形態の真空ポンプは、上述したように二軸同期型の真空ポンプであり、2本の主軸15の回転を同期させるためのタイミングギヤが設けられている。タイミングギヤは、主軸15の一端部に設けられており、アキシャルギャップ型のキャンドモータを構成する場合に、ロータ41を構成する部材として好都合である。磁石支持部材41aは外周面に歯が形成されており、2つの磁石支持部材41a同士がその歯で噛み合っている。一方、磁石支持部材41aの表面及び裏面は特別な役割を有していないので、本実施形態のように、磁石支持部材41aの表面に永久磁石41bを装着するのは容易である。
ロータ41は、ロータ用ケーシング(第1のケーシング)45によって周囲が囲まれている。そして、このロータ用ケーシング45は真空ポンプ1の第1端部ケーシング19に気密状態で固定される。更に、ロータ用ケーシング45のステータ側の端面にはキャン61が気密状態で取り付けられ、内部空間が上述したようにロータ室43となっている。真空ポンプが運転された場合、ロータ室43は真空ポンプ1の基本的な構造上の理由から真空状態となる。しかし、上述したようにキャン61によって真空状態が維持される。また、ロータ室43の底面付近には潤滑油が貯留されており、ロータ室43に露出している軸受19aや、磁石支持部材41aを兼ねるタイミングギヤを潤滑できるようになっている。なお、タイミングギヤには潤滑が必須であるので、当該ロータ室43の潤滑油は必須である。
[ステータ]
次に、ステータ51について説明する。ステータ51は、ステータコア51aとコイル51bからなる。ステータコア51aは、円盤状のコア本体51a1と、コア本体51a1からロータ41に向かって突出する磁芯51a2からなる。但し、本実施形態のステータコア51aは、コア本体51a1と磁芯51a2が一体となった構造を有している。磁芯51a2は上述したロータ41の各永久磁石41bと対向するように、コア本体51a1の表面において円周方向に沿って配列されている。また、ステータコア51aの各磁芯
51a2の周囲にはコイル51bが装着されており、このコイル51bに電流が供給されることで、磁界を発生させるようになっている。なお、キャンドモータが二軸一体型モータである場合には、コア本体の形状は円盤状ではなく、長方形状となる。
ステータ51の周囲は、ステータ用ケーシング(第2のケーシング)55によって囲まれている。また、ステータ用ケーシング55の一端側(図における右側)は閉塞端となっている。このため、ステータ用ケーシング55は皿状の形状を有し、このステータ用ケーシング55の内部がステータ室53となっている。ステータ用ケーシング55の他端側(図における左側)は開放端となっているが、円盤状のキャン61と接触している。なお、キャンドモータが二軸一体型モータである場合には、キャンの形状は円盤状ではなく、長方形状となる。
[キャン]
キャン61は、概ね円盤状(又は長方形状)の形状を有しており、上述のロータ用ケーシング45とステータ用ケーシング55との間に固定されている。このキャン61により、上述したようにロータ室43の真空状態が維持されている。本実施形態ではキャン61を超えて主軸15を延ばすことができないので、ステータ51の側に軸受を設けることはできない。この点は、上述の特許文献2の発明に係るアキシャルギャップ型モータと大きな違いである。また、キャン61は、薄い金属材料、樹脂材料或いはセラミック等の非導電体から構成されており、できる限りロータ41とステータ51の間に生成される磁束に影響を与えないようになっている。また、モータの効率を考慮した場合に、できる限りロータ41とステータ51を接近させたい。このため、所望の強度が確保できる場合には、できるだけ薄く構成することが望ましい。
一方、キャン61を薄い部材で構成した場合には、以下のような問題が生じる場合がある。すなわち、真空ポンプ用のキャンドモータ31をアキシャルギャップ型のモータとした場合、ロータ室43は真空状態である一方、ステータ室53は大気圧となる。この圧力差に起因して、ロータ室43側に向かってキャン61を変形させるような力が加わる。このとき、ロータ41とキャン61との間の隙間はモータ効率を考慮して極小となっている。のため、何ら工夫を施さない場合、ロータ41にキャン61が接触してしまう事態も想定される。これを避けるために、本実施形態ではステータ51の磁芯51a2にキャン61の表面の一部を接着剤で貼り付けるような構造としている。このため、圧力差が生じても、キャン61の変形を防止でき、ロータ41とキャン61との間の隙間を最小限に設定することが可能である。但し、これは本発明に必須な構成ではない。
以上説明したように、本実施形態によれば、キャンドモータ31として扁平形状のアキシャルギャップ型モータを用いたことで、ロータ41を取り付ける部分の主軸15のオーバーハング長さを最小化することができる。このため、定格回転数を高めることができ、騒音や振動の問題も回避することができる。また、主ケーシング17の排気側端部に当該キャンドモータ31を設置したことで、永久磁石41bがステータコア51aを磁気吸引し、ポンプロータ13の軸方向スラスト力(差圧による発生力)を軽減することが可能となり、軸受19a,21aの寿命を延ばしたり、小型の軸受を使用することが可能となる。
図2(B)は、キャンドモータの変形例である。このキャンドモータ31Aは、磁石支持部材41aをタイミングギヤ42とは別個に設けている。図に示すように、図2(A)のキャンドモータ31と比較すると、オーバーハング長さは多少大きくなっているが、それでもラジアルギャップ型モータよりもオーバーハング長さを小さくすることができる。なお、本変形例では、ロータ41がタイミングギヤ42に隣接して設けられている。しかしながら、タイミングギヤを主軸の左端に設け、ロータを主軸の右端に設けるような場合
も本願発明が想定する範囲である。
なお、以上で説明したキャンドモータ31及び真空ポンプ1は、あくまでも一実施形態に過ぎない。このため、一部の構成要素を変更した場合であっても、本発明の技術思想の範囲となる。
本発明は、真空ポンプに用いられるキャンドモータに利用することが可能である。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
[形態1]
真空ポンプ用のキャンドモータであって、このキャンドモータはアキシャルギャップ型モータである、キャンドモータ。
[形態2]
ロータと、ステータと、前記ロータとステータの間に配置されて前記ロータが存在する空間の真空を維持するキャンとを備えた、形態1に記載のキャンドモータ。
[形態3]
前記キャンは、前記ロータ用の第1のケーシングと前記ステータ用の第2のケーシングとに挟まれて固定された円盤状又は長方形状部材である、形態2に記載のキャンドモータ。
[形態4]
前記キャンの材質は、樹脂またはセラミック等の非導電体である、形態2又は3に記載のキャンドモータ。
[形態5]
前記キャンの一部は、ステータコアに貼り付けられている、形態2から4の何れか一項に記載のキャンドモータ。
[形態6]
前記ロータの磁石は、真空ポンプの主軸の一端部における磁石支持部材に装着されている、形態2から5の何れか一項に記載のキャンドモータ。
[形態7]
前記真空ポンプは二軸同期型であり、二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤを備え、前記磁石支持部材は前記主軸の一端部に装着されると共に、前記タイミングギヤは主軸の他端部に装着されている、形態6に記載のキャンドモータ。
[形態8]
前記真空ポンプは二軸同期型であり、前記磁石支持部材は二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤである、形態6又は7に記載のキャンドモータ。
[形態9]
真空ポンプの主軸と、この主軸を収容する主ケーシングと、主ケーシングの一端部に設けられる第1端部ケーシングと、主ケーシングの他端部に設けられる第2端部ケーシングと、この主軸の一端部に設けられた形態1から8の何れか一項に記載のキャンドモータとを備えた、真空ポンプ。
[形態10]
上記キャンドモータは、主ケーシングの排気側端部に設けられた、形態9記載の真空ポンプ。
1 真空ポンプ
11 真空ポンプ本体
13 ポンプロータ
15 主軸
17 主ケーシング
19 第1端部ケーシング
19a 軸受
21 第2端部ケーシング
21a 軸受
23 ポンプ室
25 気体取込口
27 気体排出口
29 ケーシングカバー
31 キャンドモータ
41 ロータ
41a 磁石支持部材
41b 永久磁石
42 タイミングギヤ
43 ロータ室
45 ロータ用ケーシング
51 ステータ
51a ステータコア
51b コイル
51a1 コア本体
51a2 磁芯
53 ステータ室
55 ステータ用ケーシング

Claims (9)

  1. 真空ポンプの主軸と、この主軸を収容する主ケーシングと、主ケーシングの一端部に設けられる第1端部ケーシングと、主ケーシングの他端部に設けられる第2端部ケーシングと、この主軸の一端部に設けられたキャンドモータとを備え、
    このキャンドモータはアキシャルギャップ型モータであり、
    前記キャンドモータは、主ケーシングの排気側端部に設けられる、真空ポンプ
  2. 前記キャンドモータは、ロータと、ステータと、前記ロータとステータの間に配置されて前記ロータが存在する空間の真空を維持するキャンとを備えた、請求項1に記載の真空ポンプ
  3. 前記キャンは、前記ロータ用の第1のケーシングと前記ステータ用の第2のケーシングとに挟まれて固定された円盤状又は長方形状部材である、請求項2に記載の真空ポンプ
  4. 前記キャンの材質は、樹脂またはセラミック等の非導電体である、請求項2又は3に記載の真空ポンプ
  5. 前記キャンの一部は、ステータコアに貼り付けられている、請求項2から4の何れか一項に記載の真空ポンプ
  6. 前記ロータの磁石は、前記真空ポンプの主軸の一端部における磁石支持部材に装着されている、請求項2から5の何れか一項に記載の真空ポンプ
  7. 前記真空ポンプは二軸同期型であり、二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤを備え、前記磁石支持部材は前記主軸の一端部に装着されると共に、前記タイミングギヤは主軸の他端部に装着されている、請求項6に記載の真空ポンプ
  8. 前記真空ポンプは二軸同期型であり、前記磁石支持部材は二本の主軸の回転を同期させるタイミングギヤである、請求項6に記載の真空ポンプ
  9. 真空ポンプの主軸と、この主軸を収容する主ケーシングと、この主軸の一端部に設けられたキャンドモータとを備え、
    このキャンドモータはアキシャルギャップ型モータであり、
    前記キャンドモータは、主ケーシングの排気側端部に設けられる、真空ポンプ。
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