JP2013206898A - チップ型電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップ型電子部品の半田付け性不良を防止する。
【解決手段】チップ型電子部品において、電子部品素体と、前記電子部品素体の外表面に形成された複数の外部電極とを備え、前記外部電極が最外層にSn層を有し、該Sn層の平均粒子径が膜厚以上で、かつ結晶配向(321)面の相対強度が4%以上で40%以下であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、高密度実装に用いられる電子部品の外部電極構造に関し、詳しくは、外部電極の最外層にSn層の形成されたチップ型電子部品に関する。
近年、実装の高密度化により電子部品の小型化、多端子化が進展しているが、これに伴い半田付け不良が増加する問題が生じている。これは外部電極の最外層のめっき層の厚さのばらつきが大きくなり、めっき層の厚さの薄いチップが発生することによるものである。
特に、チップ型電子部品(チップ)の0603サイズ以下の小型化の場合は、チップ自体の体積が小さくなるので、めっき工程におけるバレルめっきのバッチで処理するチップの数量が増え、外部電極の最外層の膜厚のばらつきが増える。また多端子品の場合は、バッチで処理する数量は同じであるが、端子の位置及び端子間の導通、不導通の違いにより同一チップ中でのばらつきが大きくなる。
外部電極の最外層のめっき層の厚みのばらつきが大きくなると、めっき層の薄いチップが発生し、めっき層が薄くなり実装時の半田の濡れ上がりが悪く半田付性が低下する。たとえば、めっき層がNiとSnからなる場合は、Ni層が薄くなると実装時に半田食われが発生し、Sn層が薄くなると実装時に厚いNi−Sn合金相がSn層の粒界に形成されて、半田濡れ上がり不良が発生する。
この問題を解決する為に下記文献では、4〜200mg/Lの割合で遷移金属を添加したNiめっき液を用いてNiめっきを施すことによりNi層の厚みのばらつきを低減し、半田食われを低減する技術が開示されている。
特開2004−193199号公報
しかし、Ni層が厚い場合でもSn層が2μmより薄いと実装時の加熱によりSn結晶の粒界に厚いNi−Sn合金相が表面まで形成される。この部分は融点が高いので半田の濡れ性が悪く、この合金層で半田の濡れ上がりが止まってしまうため、半田付け不良となる半田の濡れ上がり不良が発生する。
本発明の目的は、実装時の半田の濡れ上がりが良好で半田付け不良の少ないSn層を備える小型及び多端子電子部品を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の電子部品は電子部品素体と、前記電子部品素体の外表面に形成された複数の外部電極とを備え、前記外部電極が最外層にSn層を有し、該Sn層の平均粒子径が膜厚よりも大きく、かつ結晶配向(321)面の相対強度が4%以上で40%以下であることを特徴とする。
Sn層の平均粒子径を膜厚より大きくすることで、膜における結晶粒界の単位体積に対する面積を減らし、実装時の加熱(半田付け工程の熱)により形成されるNi−Sn合金相の面積を減らす効果が得られる。そして(321)面の配向性を抑制することで粒界に隙間がなく緻密に結晶が成長し、実装時に形成されるNi−Sn合金相の厚さを減らすことができる。このため、2μmより薄いSn層を備える電子部品であっても、実装時の半田の濡れ上がりを良好にして半田付け不良となる半田の濡れ上がり不良を抑制することが出来る。
またさらに、本発明の電子部品は、Sn層の全ての結晶配向面の相対強度が50%より小さいことが好ましい。結晶配向面の相対強度を50%より小さくすることにより、隣り合う結晶粒の配向性がほとんど異なるSn膜の構造になる。この場合は、隣り合う結晶粒の配向性が同じ場合より実装時に形成されるNi−Sn合金相をさらに薄く出来、半田付性をより改善することが出来ると考えられる。
本発明によれば、実装時の半田の濡れ上がりが良好で半田付け不良の少ないSn層を備える小型及び多端子電子部品を提供することが出来る。
チップ型電子部品の概略構造を示す斜視図である。 図1のII−II線の断面図である。 実施例1のサンプル番号13の膜厚1.0μm、平均粒径1.0μm、結晶配向(321)面の相対強度が29%の場合のX線回折スペクトルである。 実施例1のサンプル番号1〜24のSn層の厚さが1.0μmの結晶配向(321)面の相対強度と半田付け不良数の関係を示すグラフである。 実施例1のサンプル番号25〜48のSn層の厚さが2.0μmの場合の結晶配向(321)面の相対強度と半田付け不良数の関係を示すグラフである。 実施例1のサンプル番号49〜72のSn層の厚さが3.0μmの場合の結晶配向(321)面の相対強度と半田付け不良数の関係を示すグラフである。 実施例1のサンプル番号20のSn層の厚さが1.0μmで平均粒径が1.5μmの場合のSn層の断面写真である。 実施例1のサンプル番号1のSn層の厚さが1.0μmで平均粒径が0.5μmの場合のSn層の断面写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
[チップ型電子部品]
図1は、本実施形態によるチップ型電子部品の一例を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線における断面図である。
チップ型電子部品1は、セラミックスからなる素体2と、素体2内に形成された複数の内部電極3とを含む積層体4を有し、換言すれば、素体2と内部電極3が積層された単位構造10を少なくとも1つ備えたものである。より具体的には、積層体4の一方の表面に露出した端部を有する内部電極3と、積層体4の他方の表面に露出した端部を有する内部電極3とが交互に積層されている。積層体4の両表面には、それらの表面を覆うように下地電極5が設けられており、各下地電極5は、積層体4の一方の表面から露出した内部電極3の群、あるいは積層体4の他方の面から露出した内部電極3の群に電気的に接続されている。チップ型電子部品1の下地電極5の表面に、さらに、電気めっきにより端子電極7が形成される。これらの端子電極7と、例えば、配線基板上の電極とが半田等により接合される。言い換えると、チップ型電子部品1は、素体2の外表面に端子電極7と端子電極7の外部電極が形成されている。
チップ型電子部品1の素体2のセラミックスには、チップインダクター等の場合ではNiCuZn系等のフェライト材料が用いられ、チップコンデンサ等ではチタン酸バリウム等の誘電体材料が用いられる。またチップバリスタ等ではZnO等の半導体材料が用いられる。
他の例として、チップ型電子部品1の素体2樹脂を用いる場合も挙げられる。その例として、低ε高Q樹脂を用いた高周波用高Qチップコイル等が挙げられる。素体2が樹脂とセラミックスの混合体の例としては、前記高周波用高Qコイルで樹脂にフェライト粉を混合してインダクタンス値を調整したものが挙げられる。また素体2が樹脂と金属粉の混合体の例としては、樹脂にNi微粉もしくはカーボン微粉を混合したポリマーPTCが挙げられる。
素体2にセラミックスを用いた電子部品に関しては、特に小型化及び多端子化のトレンドが顕著である。小型化に関してはチップコンデンサ、チップコイル、チップバリスタで0402形状さらには0201形状のサイズも開発が進んでいる。また多端子化に関しては1608形状で10端子の積層フィルターが製造されており、1005形状で10端子の製品も開発中である。以上のように素体がセラミックスのチップ型電子部品は小型化、多端子化が顕著であり、この場合は特にSnめっき厚のばらつきが大きくなり、Snめっき厚の薄いチップが発生して半田付け性不良が発生する可能性が大きくなるので、本発明の効果が顕著であり、以下この場合について説明する。
内部電極3には、素体2との間での確実なオーミック接触を可能とする観点から、例えば、Ag、Pd、Ni、Cu、またはAlを主成分とする材料が用いられるが、特に材料に限定はない。
下地電極5は、例えば、積層体4の表面への導電性ペーストの塗布および焼成により得られる。下地電極5を形成するための導電性ペーストとしては、主として、ガラス粉末(フリット)と、有機ビヒクル(バインダー)と、金属粉末とを含むものが挙げられ、導電性ペーストの焼成により、有機ビヒクルは揮散し、最終的にガラス成分および金属成分を含む下地電極5が形成される。なお、導電性ペーストには、必要に応じて、粘度調整剤、無機結合剤、酸化剤等種々の添加剤を加えてもよい。例えば、下地電極5は、金属成分としてAg、Cu、および、Znを含むことが好ましい。
各端子電極7は、例えば、下地電極5側から積層形成されたNi層7aおよびSn層7bを含む2層構造を有する。言い換えると、外部電極がSn層7bを再外層に有している。Ni層7aは、実装時に溶融状態の半田と下地電極5との接触を防止して、半田食われを防止するものである。その厚さは例えば2μm程度である。Ni層7aを厚くするほど半田食われは抑制できるが生産性は低下する。またNi層7aを電気めっき法で形成する場合は、層を厚くすると応力が増大し、Ni層7aと下地電極5との間、もしくは下地電極5と素体2との間で剥離が発生する場合がある。この状態で実装を行うと剥離部分から半田が侵入して下地電極5に容易に達するので、半田食われは大きくなる傾向になる。
Ni層7aには、Li、Na、K、Rb又はCsの少なくとも1種を4×10−8mol/g〜7×10−6mol/gを含むことが好ましい。これによりNi層7aが緻密になり、半田食われ耐性が向上するため、より薄い層厚で半田耐熱、及び耐湿負荷試験等の長期信頼性が優れるチップ型電子部品となる。また高速でめっきを行っても所定の層構造を形成出来、量産性の面からも好ましい。
添加量が4×10−8mol/g以下の場合は結晶の緻密化が、高速でめっきを行なった場合に、不十分になる傾向がある。また7×10−6mol/g以上の場合は添加元素が多い異相がNi層7a中に形成されて、この部分の半田食われが速いので、全体の半田食われが大きくなる傾向にある。
また、さらにP、Bが含まれると、より半田食われを抑制する効果が得られる。Pの場合は3〜500ppm、Bの場合は0.8〜30ppmが好ましい範囲である。
Li、Na、K、Rb又はCsのNi層7a中への添加は、電気めっき法でNi層7aを形成する場合は、例えばNiめっき液中にLi、Na、K、Rb又はCsの水酸化物、塩化物、硫酸塩等を添加することで行われる。ここでめっき層中のLi、Na、K、Rb又はCsの元素量は、めっき液中のLi、Na、K、Rb又はCsとNiの比率とは異なり、めっき装置の形状、めっき液温度、pH、めっき電流値、めっき液攪拌の状態、メディアの種類及び量、チップの種類及び量、アノードの種類及び量、アノードの配置等、めっきの諸条件に依存する。この為に、めっきの諸条件決定後にNi層中のLi、Na、K、Rb又はCsの元素量を実測して所定の範囲に合わせ込めばよい。
Li、Na、K、Rb又はCsの種類は、Na、K、Liが水酸化物、塩化物、硫酸塩が容易に入手出来、また添加の効果も確実なので好ましい。この中でもNaがコスト面からも、信頼性の点からも最も好ましい。
Sn層7bは、半田の濡れ性を向上させる機能を有するものであり、外部電極の最外層に形成され、その厚さは例えば2〜10μm程度とされる。Sn層7bが2μmよりも薄くなると、通常は半田濡れ性が低下し、半田付け性不良が生じるが、本実施形態ではSn層7bの配向性及び結晶粒径を制御することでSn層7b厚が2μm以下でも良好な半田付け性が得られるものである。特に、Sn層7bは、量産性の観点からめっき法により形成されるSnめっき層であることが好ましい。
Snめっき液には、pHが12以上のアルカリ性Snめっき液(Sn酸塩浴)、pHが2以下の酸性Snめっき液、pHが4〜5の中性Snめっき液があるが、セラミックスの素体2は耐薬品性に課題がある場合が多く、強アルカリ、強酸ともに素体が腐食されるので中性のSnめっき液が好ましい。
中性Snめっき液の組成の例として、Sn塩としてメタンスルホン酸Snを40〜60g/L、導電塩としてメタンスルホン酸アンモニウムを30〜50g/L、キレート剤としてグルコン酸ナトリウムを150〜250g/L及び光沢剤を適量添加し、アンモニアでpHを4に調整したものが挙げられる。
本実施形態によれば、Sn層7bの結晶配向(321)面の相対強度が4%以上で40%以下であることが好適である。このためSn層7bの半田濡れ性が向上し、Sn層7bの厚さが2μmでも良好な半田付け性が得られる。さらには、1μm以下でも良好な半田付け性が得ることができる。
ここで相対強度は、次のように定義する。X線をSn層7bの垂直方向から入射し測定する。X線源はCuのKα線を用いる。次に2θが15°〜105°までの回折パターンを評価し、Snの(110)、(200)、(101)、(220)、(211)、(301)、(112)、(321)、(420)、(411)、(312)、(501)、(332)、(440)、(521)面のピーク強度を求め、ピーク強度の総和を算出する。ピーク強度は個々のピークの最大値とする。個々のピーク強度を前記総和で除して%表示したものを各ピークの相対強度と定義する。
ピーク強度は、同一サンプルでも測定を繰り返すと10%以上変化するが、ピークの相対強度の変化は5%未満であり、配向性の指標として好ましい。結晶面はX線源がCuのKα線の場合に、ブラッグの法則、Snの格子定数(a=58.312nm、c=31.819nm)を考慮した場合に2θが105°以下で出現するSnの結晶面である。
半田濡れ性向上のメカニズムは次のように考えられる。Sn層7bは、Sn結晶粒を有する。このときのSn結晶粒の粒界にはNi−Sn合金相が存在するが、この部分は半田に対する濡れが悪く、この層が厚くなると、実装時に半田の濡れ上がりがこの部分でとまり、Sn層7b全体の半田に対する濡れ性が低下して、半田付け性不良が発生する。結晶配向(321)面に配向したSn層7bは粗雑であり、実装時に形成される粒界のNi−Sn合金相が厚く形成されやすい。よって、Sn層7bにおいて(321)面の配向を少なくすることは、Sn膜が緻密化し実装時に形成される粒界のNi−Sn合金相が薄くなり、半田付け性を改善することが出来る。
Sn層7bがめっき法により形成されるSnめっき膜(層)の配向性の制御は、下地層の種類や配向性、めっき液の主組成、添加剤の種類及び量、前処理方法、めっき液のpH及び温度、めっき液の攪拌状態、めっき電流の変更等で行うことができる。例を挙げると、Niめっき後水洗を行い、部品を乾燥してからバレル研磨処理を行い、その後にベンザルコニウム塩系の光沢剤を添加したSnめっき液でめっきを行うとSnめっき膜の(321)面の配向が強くなる。さらに、Niめっき後に水洗を行い、その直後にSnめっきを行う場合は、Snめっき膜の配向性は添加剤の量に依存しない。この現象のメカニズムの詳細は不明であるが、バレル研磨により下地層が緻密化され、その表層の配向性が変化し、Snめっき初期の添加剤の効果が変化することによると考えられる。また、(321)面の相対強度が4%よりも小さいと半田付け不良が100個中1〜2個程度の少ない割合で発生する。これは他の結晶面の配向性が大きい面が現れることによると考えられる。
また、本実施形態によれば、Sn層7bの平均粒径が膜厚よりも大きいこと、言い換えると、膜厚み方向よりも面方向に大きい粒子形状が好適である。こうすることにより、結晶粒は膜厚の方向にほぼ柱状に形成されており、Sn層7bの単位体積当たりの粒界の面積を減らすことが出来る。これにより実装時に形成されるNi−Sn合金相の面積を減らすことが出来る。
Sn層7bの平均粒径は次のようにして測定する。まず膜(Sn層7b)を断面研磨してArイオンを照射し、粒界の形状を明確にする。次に各結晶粒断面の面積を算出し、これと同じ面積の円の直径を結晶粒の粒径とする。100個以上の結晶粒の粒径を平均したものに統計因子1.27を乗じた値を平均粒子径とする。
Sn層7bをめっき法により形成するSnめっき膜の場合、Snめっき膜の平均粒径の制御は、めっき液の主組成、添加剤の種類及び量、前処理方法、めっき液のpH及び温度、めっき液の攪拌状態、めっき電流の変更等で行うことができる。例を挙げるとめっき電流を大きくすると結晶の平均粒子径は大きくなる。
端子電極7において、各層の好適な厚さは、次の通りである。下地電極4の厚さは、5〜30μmであると好ましく、10〜20μmであるとより好ましい。また、Ni層7aの厚さは、1〜5μmであると好ましく、2〜3μmであるとより好ましい。さらに、Sn層7bの厚さは、通常は2〜10μmであると好ましく、3〜6μmであるとより好ましいが、本実施形態では1〜10μmが好ましく1〜2μmであるとより好ましい。
本発明の内容を実施例及び比較例を参照してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
セラミック素体であるチタン酸バリウムを主組成とした0402サイズのコンデンサチップの内部電極露出面にAgペーストを塗布して焼成し、下地電極を形成した。次に上記チップの下地電極上に電気めっきにより厚さ2μmのNi層、及び厚さ1、2、3μmのSn層を形成し端子電極を付与(つまり、素体表面に最外層にSn層を有する外部電極を付与)し、チップ型電子部品としてのコンデンサチップを得た。
Niめっき液組成は、スルファミン酸Niの4水和物400g/L、ほう酸30g/L、塩化ナトリウム5g/L及び塩化Ni60g/LでありpH4.5、温度60℃でめっきを行った。Snめっき液組成はメタンスルホン酸Snを50g/L、メタンスルホン酸アンモニウム40g/L、グルコン酸ナトリウム200g/Lにベンザルコニウム塩系の光沢剤を適量添加したものであり、pH4.5、温度25℃でめっきを行った。Snめっきでは電流値を調整して平均粒子径の異なるサンプルを作成し、また、Niめっき後水洗を行い、部品を乾燥してからバレル研磨処理を行い、その後に光沢剤の量を調整してSnめっきを行いSn層の結晶配向(321)面の相対強度が異なるサンプルを作成した。平均粒子径は各膜厚で膜厚と同じ値、及び膜厚0.5、1.0、1.5μmの3水準に調整した。結晶配向(321)面の相対強度は膜厚及び平均粒子径の各水準で2、4、10、20、30、40、50、60、70%を目標に調整した。調整したサンプルは、目標値の+2%〜―2%の範囲に調整できたことを確認した。
次に各水準のサンプルのそれぞれの中からランダムに100個のコンデンサチップを抜き取り、各コンデンサチップにPCT試験条件(121℃2気圧、湿度100%)で50時間処理を行った。その後、各コンデンサチップに組成がSn96.5重量%、Ag重量3%、Cu重量0.5%の鉛フリー半田でこれらのコンデンサチップを260℃のリフロー炉を用いてプリント基板に実装し、半田付け性の評価を実施した。評価は、半田の側面端子での濡れ上がりが、チップ高さの70%以下のものを半田付け不良チップと判定しその個数を測定した。
Snめっき膜(Sn層)の厚さが1μmのサンプル番号1〜24の評価結果を表1及び図4に、2μmの厚さのサンプル番号25〜48の結果を表2及び図5に、3μmの厚さのサンプル番号49〜72の結果を表3及び図6に示す。

サンプル番号の数字の前の「*」は、比較例であることを示す。

サンプル番号の数字の前の「*」は、比較例であることを示す。

サンプル番号の数字の前の「*」は、比較例であることを示す。
実施例1のサンプル番号9のSn層が膜厚1μmで平均粒径1.0μmのコンデンササンプルの結晶配向(321)面の相対強度が69%の各面方位の相対強度を表4に示す。そして、実施例1のサンプル番号13のSn層が膜厚1μmで平均粒径1.0μmのコンデンササンプルの結晶配向(321)面の相対強度が29%のX線回折スペクトルを図3に、各面方位の相対強度を表5に示す。

表中の「−」は、概等面のピークが確認されなかったことを示す。

表中の「−」は、概等面のピークが確認されなかったことを示す。
実施例1のサンプル番号20のSn層が膜厚1.0μmで平均粒径1.5μmのコンデンササンプルのめっき膜(Sn層)の断面を図7に示す。そして、実施例1のサンプル番号1のSn層が膜厚1.0μmで平均粒径0.5μmのコンデンササンプルのめっき膜(Sn層)の断面を図8に示す。
表1〜3及び図3〜5より結晶配向(321)面の相対強度を40%以下にすると、半田付け性不良の発生を低減出来ることが分かる。またSnの平均粒子径を膜厚より大きくすることでさらに半田付け性不良を抑えられ、膜厚が1μmの場合でも不良の発生をゼロに出来る。
Sn層において、結晶配向(321)面の相対強度が40%より大きい場合は、チップコンデンサにおいて急速に半田付け性不良が増加することが確認された。つまり、Sn層の結晶配向(321)面は、半田濡れ性が悪いということが判る。言い換えると、この場合は、半田濡れ性が悪い(321)面が面積として多く占めるため、半田付け性不良が増加したと推測される。
一方、相対強度が40%以下の場合は、半田付け性不良はほとんど認められなかった。これは、半田付け性不良に影響する半田の濡れ上がりが悪い結晶配向(321)面がSn層表面で出ている領域(結晶配向(321)面の部分)は、他の結晶配向の面である半田の濡れ上がりが良い面で囲まれる構造をとりやすくなる。このため、結晶配向(321)面の部分は、その面の周囲部の半田の濡れ広がりの効果によって、濡れることが出来き、半田付け性不良が生じない結果を得ることができるのである。
さらに、Sn層の平均粒子径が膜厚以上であることの効果は、結晶配向(321)面の相対強度が40%より大きい場合よりは小さいが、さらに40%以下の場合は非常に有効であり、結晶配向面との相対強度のコントロールによる効果との単なる加算ではなく、相乗効果があることが解る。
図7に実施例1のサンプル番号20のSn層(7b)の断面写真を示す。図7では、Ni層(7a)と、平均粒子径が膜厚以上(膜厚に対して面方向に大きな粒子形状)で構成されるSn層(7b)、さらにその間にNi−Sn合金相(7c)が確認された。
図8に実施例1のサンプル番号1のSn層(7b)の断面写真を示す。図8では、Ni層(7a)と、平均粒子径が膜厚より小さく(膜厚に対して面方向が小さい粒子形状)、厚さ方向に複数の結晶粒が存在しているのが確認された。さらに、Ni−Sn合金相(7c)が不連続でNi層(7a)とSn層(7b)の界面付近で確認された。これは、さらに厚さ方向に複数の結晶粒で構成されるSn層(7b)、さらにその粒の間にNi−Sn合金相(7c)が多数確認された。このNi−Sn合金相(7c)は、半田濡れ性を低下させる影響がある。つまり、平均粒子径が膜厚以上で構成されるSn層(7b)に比べ、平均粒子径が膜厚より小さいSn層(7b)では、Ni−Sn合金相(7c)が多く、半田付け性へ影響したものである。つまり、Sn層(7b)における平均粒子径を制御することによって、半田付け性が向上することができることがわかった。
言い換えると、Sn層(7b)の平均粒子径のコントロールにより半田付け性が改善されるメカニズムは次のように考えられる。平均粒子径が膜厚より大きい場合は、図7に示すようにほとんどの厚さ方向には一つの結晶粒しかない。しかし、平均粒子径が膜厚より小さい場合は図8にあるように、厚さ方向に複数の結晶粒が存在し、粒界の総面積が増える。これに伴い実装時に形成されるNi−Sn合金相(7c)の面積も増えるので半田付け性が低下すると考えられる。
また、Sn層(7b)における(321)面の配向が4%よりも小さいと半田付け不良が100個中1〜2個程度の個数で発生する。これは他の結晶面で配向性が大きくなる面が現れ、隣り合う結晶粒の配向性が同じ場合が増えるが、この場合は実装時に粒界に形成されるNi−Sn合金相(7c)が厚くなるとこによると推察される。
[実施例2]
Sn層の厚さを2μm、平均粒径を2.5μm、結晶配向(321)面の相対強度を20%に固定して結晶配向(101)、(220)、(211)面の相対強度を10、20、30、40、50、60、70%に変えた以外は、実施例1と同様にサンプルを各100個作製した。結晶配向の調整は光沢剤の種類と量を調整して行った。結晶配向(101)面の相対強度を上げるときにはポリオキシエチレンアルキル硫酸塩系の光沢剤を添加し、以下結晶配向(220)面の相対強度を上げる場合はシンナムアルデヒド系添加剤、結晶配向(211)面の相対強度を上げる場合はノニルフェニルエーテル系の添加剤を増量した。また結晶配向(321)面の相対強度の調整はベンザルコニウム塩系の光沢剤の量を変えて行った。
次に、これらのサンプルにPCT試験条件(121℃2気圧、湿度100%)で200時間処理を行ない、その後、半田付け性を実施例1と同じ方法で評価した。結果を結晶配向(101)、(220)、(211)面の相対強度と半田付け不良数の関係として表6、7、8に示す。
相対強度が50%以上の主配向面がある場合は(321)面の相対強度が20%で結晶粒径が平均膜厚よりも大きくても、PCT試験を200時間という過酷な環境下では、半田付け性の不良が発生する傾向にあることが分かった。これは主配向面が存在する場合は、隣り合う結晶粒が同じ場合が増え、この場合は粒界の緻密性が比較的低くなるため、より過酷な環境下で半田付け性が低下したと考えられる。
以上のように、本発明に係るチップ型電子部品は、外部電極の最外層のSn層が薄くても半田付け性が良好であり、小型部品及び多端子部品の接合信頼性の向上に有用である。
1、9・・・セラミック積層電子部品
2・・・素体
3・・・内部電極
4・・・積層体(焼結体)
5・・・下地電極
7・・・端子電極
7a・・・Ni層
7b・・・Sn層
7c・・・Ni−Sn合金相
10・・・単位構造

Claims (2)

  1. 電子部品素体と、前記電子部品素体の外表面に形成された複数の外部電極とを備え、前記外部電極が最外層にSn層を有し、該Sn層の平均粒子径が膜厚以上で、かつ結晶配向(321)面の相対強度が4%以上で40%以下であることを特徴とするチップ型電子部品。
  2. 前記Sn層の全ての結晶配向面の相対強度が50%より小さいことを特徴とする請求項1に記載のチップ型電子部品。
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