JP4677798B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品、積層セラミックコンデンサ及び電子機器に関する。
この種の電子部品として、素体と当該素体に形成された端子電極とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載された電子部品は積層セラミックコンデンサであって、端子電極が、素体の外表面に形成されており、且つ導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、第2の電極層上にSnめっきあるいはSn合金めっきにより形成された第3の電極層とを有している。
特開2002−203736号公報
本発明は、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制することが可能な電子部品、積層セラミックコンデンサ及び電子機器を提供することを目的とする。
近年、環境保護の要請から、電子部品をはんだ付けにより基板に実装する場合、鉛を含有しないはんだ、いわゆる鉛フリーはんだが使用されるようになっている。この鉛フリーはんだは、Snを主成分としたもが主流であり、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Sb系、Sn−Zn−Al系及びSn−Zn−Bi系のはんだが使用されているが、最近になり、はんだ付け性(はんだ濡れ性)及びはんだ付け強度等に優れたSn−Zn系のはんだが多く採用されるようになっている。
そこで、本発明者等が、Znを含む鉛フリーはんだを使用して基板に実装した電子部品の各種特性を実験調査したところ、高温高湿環境下において絶縁抵抗が大きく劣化してしまうという事実を新たに判明した。
本発明者等は、積層セラミックコンデンサがSn−Zn−Al系のはんだにより基板に実装された電子機器を作製し、当該電子機器に対して加速試験を行った。加速試験の対象とした積層セラミックコンデンサは、2012タイプ(長さ2.0mm、幅1.2mm及び高さ1.0mm)の積層セラミックコンデンサであって、特許文献1に記載された積層セラミックコンデンサと同じく、端子電極が、Cuを含む導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、第2の電極層上にSnめっきにより形成された第3の電極層とを有している。
加速試験では、電子機器(積層セラミックコンデンサ)に、恒温恒湿環境(温度:121℃、相対湿度:95%、圧力:2気圧)中で4.0VのDC電圧を40時間連続して印加した。加速試験前の積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が1×10Ωであったのに対し、加速試験から所定時間(2時間以上)経過した後の積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が1×10Ωであり、絶縁抵抗の劣化が生じていた。なお、加速試験の対象とした積層セラミックコンデンサのB特性は、10μFである。
本発明者等が、加速試験により絶縁抵抗の劣化が生じた積層セラミックコンデンサを解析したところ、鉛フリーはんだに含まれているZn原子が第2の電極層と第3の電極層との境界領域に存在しているという事実が確認された。この事実から推測すると、鉛フリーはんだに含まれているZn原子が何らかの要因により積層セラミックコンデンサの素体内に移動して、絶縁抵抗を劣化させていると考えられる。したがって、鉛フリーはんだに含まれているZn原子の素体内への移動を抑制することができれば、絶縁抵抗劣化の防止も可能であると考えられる。
そこで、本発明者等は、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制し得る電子部品についても鋭意研究を行った。まず、本発明者等は、第1の電極層の厚みに着目し、第1の電極層の厚みを大きくすることにより、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できるという新たな事実を見出すに至った。すなわち、第1の電極層の厚みを大きくすることにより、鉛フリーはんだに含まれているZn原子が素体内に移動するのが抑制されると考えられる。
次に、本発明者等は、第1の電極層の形成に用いられる導電性ペーストに着目した。第1の電極層の形成に用いられる導電性ペーストは、一般にガラスフリットが含まれている。このため、第1の電極層を形成した際に、ガラス成分が第1の電極層の表面や素体との界面に移動し、第1の電極層の内部に無数のポアが発生する。本発明者等は、Zn原子が第1の電極層の内部に発生したポアを通って、第1の電極層と素体との界面に移動し、その後に素体内へ移動するのではないかと考え、第1の電極層の構造を緻密なものとすることにより、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できるという新たな事実を見出すに至った。すなわち、第1の電極層をポアが少なく緻密な構造とすることにより、鉛フリーはんだに含まれているZn原子が素体内に移動するのが抑制されると考えられる。
かかる事実を踏まえ、本発明に係る電子部品は、素体と、当該素体に形成された端子電極と、を備える電子部品であって、端子電極が、素体の外表面に形成されており、且つ導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、第2の電極層上にSnめっきあるいはSn合金めっきにより形成された第3の電極層と、を有しており、第1の電極層の厚みが、10μm以上に設定され、第1の電極層のポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で10%以下に設定されていることを特徴とする。
本発明に係る電子部品では、第1の電極層の厚みが10μm以上に設定されると共に、第1の電極層のポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で10%以下に設定されているので、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できる。
また、第1の電極層のポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されていることが好ましい。第1の電極層を導電性ペーストの焼付により形成する場合、上述したように、第1の電極層の内部にポアが発生する。ポアの発生を抑制するためには焼付温度やガラスフリットの量等の調整が必要となり、第1の電極層にポアを発生させないようにすると、当該第1の電極層の工程管理が必要以上に複雑化してしまう。これに対して、本発明では、第1の電極層のポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されているので、ポアの発生を抑制するための第1の電極層の工程管理が必要以上に複雑化することはない。
本発明に係る電子機器は、上記電子部品と、配線パターンが形成された基板と、を備えており、電子部品の端子電極と基板に形成された配線パターンとが、Znを含む鉛フリーはんだを用いて電気的及び機械的に接合されていることを特徴とする。
本発明に係る電子機器では、上述したように、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できる。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層と複数の内部電極とが交互に積層された素体と、当該素体に形成された複数の端子電極と、を備える積層セラミックコンデンサであって、複数の端子電極が、素体の外表面に形成されており、且つ導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、第2の電極層上にSnめっきあるいはSn合金めっきにより形成された第3の電極層と、をそれぞれ有しており、第1の電極層の厚みが、10μm以上20μm以下に設定され、第1の電極層のポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で10%以下に設定されていることを特徴とする。
本発明に係る積層セラミックコンデンサでは、第1の電極層の厚みが10μm以上に設定されると共に、第1の電極層のポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で10%以下に設定されているので、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できる。
ところで、第1の電極層の厚みを大きくすると、積層セラミックコンデンサのサイズを同じにするためには、素体のサイズを小さくせざるを得ない。素体のサイズが小さくなると、各内部電極の面積が小さくならざるを得ず、静電容量が小さくなり、積層セラミックコンデンサの基本性能が保証できなくなってしまう。しかしながら、本発明にあっては、第1の電極層の厚みが20μm以下に設定されているので、素体のサイズが小さくなってしまうのを抑えて、各内部電極の面積が小さくなるのを抑制している。この結果、静電容量が小さくなってしまうのを抑制することができ、積層セラミックコンデンサの基本性能を保証することができる。
また、第1の電極層のポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されていることが好ましい。第1の電極層を導電性ペーストの焼付により形成する場合、上述したように、第1の電極層の内部にポアが発生する。ポアの発生を抑制するためには焼付温度やガラスフリットの量等の調整が必要となり、第1の電極層にポアを発生させないようにすると、第1の電極層の工程管理が必要以上に複雑化してしまう。これに対して、本発明では、第1の電極層のポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されているので、ポアの発生を抑制するための第1の電極層の工程管理が必要以上に複雑化することはない。
本発明に係る電子機器は、上記積層セラミックコンデンサと、配線パターンが形成された基板と、を備えており、積層セラミックコンデンサの端子電極と基板に形成された配線パターンとが、Znを含む鉛フリーはんだを用いて電気的及び機械的に接合されていることを特徴とする。
本発明に係る電子機器では、上述したように、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できる。
本発明によれば、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制することが可能な電子部品、積層セラミックコンデンサ及び電子機器を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。本実施形態は、本発明を積層セラミックコンデンサに適用した例である。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る電子機器EDの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る電子機器の構成を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面構成を示す模式図である。
電子機器EDは、図1に示されるように、電子部品としての積層セラミックコンデンサ1と、配線パターンWPが形成された基板Bとを備えている。積層セラミックコンデンサ1は、直方体形状のコンデンサ素体3と、一対の端子電極11,13とを備えている。積層セラミックコンデンサ1は、2012タイプ(長さ2.0mm、幅1.2mm及び高さ1.0mm)の積層セラミックコンデンサである。
積層セラミックコンデンサ1は、一対の端子電極11,13を配線パターンWPにはんだ付けすることにより、一対の端子電極11,13と配線パターンWPとが電気的及び機械的に接合された状態で基板Bに実装されている。このとき、各端子電極11,13と配線パターンWPとにわたって、はんだフィレットSFが形成される。はんだ付けに用いるはんだは、Znを含む鉛フリーはんだが用いられている。本実施形態では、Sn−Zn系のはんだ、特にSn−Zn−Bi系のはんだが用いられている。Sn−Zn−Bi系のはんだの換わりに、Sn−Zn−Al系のはんだを用いてもよい。
はんだ付けは、予め基板B上の配線パターンWPに塗布しておいたはんだペースト上に積層セラミックコンデンサ1を載せた後に、電子機器ED全体をはんだ溶融温度以上に加熱してはんだを溶融させて固定する、いわゆるリフローにより行うことができる。
コンデンサ素体3は、図2に示されるように、誘電体層21を介在させて第1の内部電極23と第2の内部電極25とが交互に積層されることにより構成される。すなわち、コンデンサ素体3にあっては、複数の誘電体層21と複数の内部電極23,25とが交互に積層されている。実際の積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層21の間の境界が視認できない程度に一体化されている。本実施形態においては、第1の内部電極23、第2の内部電極25及び誘電体層21により構成されるコンデンサが内部回路要素となる。
一対の端子電極11,13は、コンデンサ素体3の外表面に形成されている。詳細に説明すると、一方の端子電極11は、コンデンサ素体3の端面のうち、コンデンサ素体3の厚さ方向(第1の内部電極23と第2の内部電極25との積層方向)に延在し且つ互いに対向する一対の端面のうち一方の端面に、当該端面の全領域を覆うように形成されている。 他方の端子電極13は、コンデンサ素体3の端面のうち、コンデンサ素体3の厚さ方向に延在し且つ互いに対向する一対の端面のうち他方の端面に、当該端面の全領域を覆うように形成されている。
第1の内部電極23は、長方形状を呈している。第1の内部電極23は、上記他方の端面とは所定の間隔を有した位置に形成され、上記一方の端面に臨むように伸びている。これにより、第1の内部電極23は、一方の端面に引き出されることとなり、一方の端子電極11に電気的に接続される。
第2の内部電極25は、長方形状を呈している。第2の内部電極25は、上記一方の端面とは所定の間隔を有した位置に形成され、上記他方の端面に臨むように伸びている。これにより、第2の内部電極25は、他方の端面に引き出されることとなり、他方の端子電極13に電気的に接続される。
誘電体層21は、BaTiOを主成分とする層であり、BaTiOを含むセラミックグリーンシートを焼成して形成される。第1及び第2の内部電極23,25は、Niを主成分として含む電極層である。第1及び第2の内部電極23,25は、Pd、Ag−Pd、CuあるいはCu合金を主成分として含む電極層であってもよい。
一対の端子電極11,13は、第1の電極層11a,13a、第2の電極層11b,13b、及び、第3の電極層11c,13cをそれぞれ有している。
第1の電極層11a,13aは、コンデンサ素体3の外表面に形成されており、且つ導電性ペーストの焼付により形成されている。第1の電極層11a,13aの厚みは10μm以上20μm以下に設定されている。また、本実施形態においては、導電性ペーストとして、Cuを主成分とする金属粉末にガラスフリット及び有機ビヒクルを混合したものが用いられている。金属粉末は、Ni、Ag−PdあるいはAgを主成分とするものであってもよい。
第1の電極層11a,13aのポアの発生率は、切断面におけるポア面積比率で2%以上10%以下に設定されている。ここで、切断面におけるポア面積比率は、以下のようにして求める。まず、第1の電極層11a,13aの切断面を鏡面加工した後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、1000倍の倍率で鏡面加工面を写真撮影する。つぎに、撮影した写真を画像処理して、ポアの領域とポア以外の領域とを2値化する。次に、2値化された画像から、ポアの領域の面積をポア面積として求め、写真の視野面積に対するポア面積をポア面積比率として求める。
第2の電極層11b,13bは、第1の電極層11a,13a上にNiめっきにより形成されている。第2の電極層11b,13bの厚みは1〜3μmであり、本実施形態においては、2μm程度に設定されている。Niめっきは、Niめっき浴(例えば、ワット浴)を用いたバレルめっき法にて行うことができる。
第3の電極層11c,13cは、第2の電極層11b,13b上にSnめっきにより形成されている。本実施形態においては、第3の電極層11c,13cの厚みは、3μm程度に設定されている。Snめっきは、Snめっき浴(例えば、中性Snめっき浴)を用いたバレルめっき法にて行うことができる。第3の電極層11c,13cは、Sn合金めっきにより形成してもよい。
ここで、第1の電極層11a,13aの厚み及びポア面積比率と、積層セラミックコンデンサ1の絶縁抵抗劣化との関係について、詳細に説明する。
本発明者等は、第1の電極層11a,13aの厚み及びポア面積比率と、絶縁抵抗IRとの関係を明らかにするために、以下のような実験をおこなった。すなわち、第1の電極層11a,13aの厚み及びポア面積比率が異なる積層セラミックコンデンサのサンプルを15個(サンプル1〜15)準備して、各サンプル1〜15をはんだ付け(リフロー)により基板に実装した状態で加速試験を行い、各サンプル1〜15の加速試験前後における絶縁抵抗IRをそれぞれ測定した。その測定結果を、図3の表に示す。本実験では、第1の電極層11a,13aの厚みは、導電性ペーストに含まれる溶剤を調整し、導電性ペーストの塗布量を変えることにより異ならせている。第1の電極層11a,13aのポア面積比率は、焼付温度やガラスフリットの量等を調整することにより異ならせている。一般に、焼付温度を高くすることにより、ポアの発生が抑制される。また、ガラスフリットの量を多くすることによっても、ポアの発生が抑制される。
加速試験では、恒温恒湿環境(温度:121℃、相対湿度:95%、圧力:2気圧)中で、各サンプル1〜6に4.0VのDC電圧を40時間連続して印加した。加速試験後の絶縁抵抗は、加速試験から所定時間(2時間以上)経過した後に測定した値とした。第1の電極層11a,13aの厚み及びポア面積比率が異なる点を除いては、各サンプル1〜15とも上述した実施形態の積層セラミックコンデンサ1と同じ構成であり、B特性が10μFとなるように設計されている。はんだ付けに用いたSn−Zn−Bi系のはんだの組成は、Sn:89wt%、Zn:8wt%、Bi:3wt%とした。リフローは、リフロー炉を用いて行い、炉内雰囲気温度を230〜250℃に設定し、炉通過時間を4〜6分に設定した。
図3に示される測定結果から、第1の電極層11a,13aの厚みを大きくすると共に、ポア面積比率を小さくすることにより、絶縁抵抗劣化の発生が抑制されていることがわかる。第1の電極層11a,13aの厚みが9μmであるサンプル1〜3は、加速試験後の絶縁抵抗IRが5.0×10〜6.0×10Ωであり、加速試験前の絶縁抵抗IRである1.3×10Ωよりも著しく小さくなっている。また、第1の電極層11a,13aの厚みが10μm以上であっても、ポア面積比率が15%であるサンプル4,8,12は、加速試験後の絶縁抵抗IRが5.0×10Ω〜1.0×10Ωであり、加速試験前の絶縁抵抗IRである1.3×10Ωよりも著しく小さくなっている。これに対して、第1の電極層11a,13aの厚みが10μm以上であると共にポア面積比率が10%であるサンプル5〜7,9〜11,13〜15は、加速試験後の絶縁抵抗IRが1.2×10Ω〜1.3×10Ωであり、加速試験前の絶縁抵抗IRである1.3×10Ωと殆ど変化していない。したがって、第2の電極層11b,13bの厚みの下限は10μmとなり、ポア面積比率の上限は10%となる。
以上のように、本実施形態においは、第1の電極層11a,13aの厚みが10μm以上に設定されると共に、第1の電極層11a,13aのポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で10%以下に設定されているので、高温高湿環境下における絶縁抵抗劣化の発生を抑制できる。
ところで、第1の電極層11a,13aの厚みを大きくすると、積層セラミックコンデンサ1のサイズを同じにするためには、コンデンサ素体3のサイズを小さくせざるを得ない。コンデンサ素体3のサイズが小さくなると、各内部電極23,25の面積が小さくならざるを得ず、静電容量が小さくなり、積層セラミックコンデンサ1の基本性能が保証できなくなってしまう。しかしながら、本発明にあっては、第1の電極層11a,13aの厚みが20μm以下に設定されているので、コンデンサ素体3のサイズが小さくなってしまうのを抑えて、各内部電極23,25の面積が小さくなるのを抑制している。この結果、静電容量が小さくなってしまうのを抑制することができ、積層セラミックコンデンサ1の基本性能を保証することができる。
また、本実施形態においては、第1の電極層11a,13aのポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されている。第1の電極層11a,13aを導電性ペーストの焼付により形成する場合、第1の電極層11a,13aの内部にポアが発生する。ポアの発生を抑制するためには焼付温度やガラスフリットの量等の調整が必要となり、第1の電極層11a,13aにポアを発生させないようにすると、当該第1の電極層11a,13aの工程管理が必要以上に複雑化してしまう。これに対して、本実施形態は、第1の電極層11a,13aのポアの発生率が切断面におけるポア面積比率で2%以上に設定されているので、ポアの発生を抑制するための第1の電極層11a,13aの工程管理が必要以上に複雑化することはない。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、誘電体層21、第1の内部電極23及び第1の内部電極25の層数は、図示された数に限られるものではない。また、積層セラミックコンデンサ1は、上述した2012タイプに限られることなく、2012タイプよりも大きい積層セラミックコンデンサであってもよく、2012タイプよりも小さい積層セラミックコンデンサであってもよい。
本発明は、積層セラミックコンデンサに限られることなく、素体と、当該素体に形成された端子電極と、を備える電子部品であれば、コンデンサ、サーミスタ、バリスタ、これらを含む複合電子部品に適用してもよい。
本実施形態に係る電子機器の構成を示す模式図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面構成を示す模式図である。 加速試験前後における絶縁抵抗の測定結果を示す図表である。
符号の説明
1…積層セラミックコンデンサ、3…コンデンサ素体、11,13…端子電極、11a,13a…第1の電極層、11b,13b…第2の電極層、11c,13c…第3の電極層、21…誘電体層、23…第1の内部電極、25…第2の内部電極、B…基板、ED…電子機器、WP…配線パターン。

Claims (2)

  1. 素体と、当該素体に形成された端子電極と、を備える電子部品と、
    配線パターンが形成された基板と、を備えており、
    前記電子部品の前記端子電極と前記基板に形成された前記配線パターンとが、Znを含む鉛フリーはんだを用いて電気的及び機械的に接合され、
    前記端子電極が、
    前記素体の外表面に形成されており、且つガラスフリットを含む導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、
    前記第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、
    前記第2の電極層上にSnめっきあるいはSn合金めっきにより形成された第3の電極層と、を有しており、
    前記第1の電極層の厚みが、10μm以上20μm以下に設定され、
    前記第1の電極層の内部には、前記ガラスフリットのガラス成分が前記第1の電極層の表面及び前記素体との界面に移動することによりポアが形成されており、
    前記第1の電極層の前記ポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で2%以上%以下に設定され、
    前記鉛フリーはんだに含まれているZn原子が前記素体内へ移動するのが抑制されていることを特徴とする電子機器。
  2. 複数の誘電体層と複数の内部電極とが交互に積層された素体と、当該素体に形成された複数の端子電極と、を備える積層セラミックコンデンサと、
    配線パターンが形成された基板と、を備えており、
    前記積層セラミックコンデンサの前記端子電極と前記基板に形成された前記配線パターンとが、Znを含む鉛フリーはんだを用いて電気的及び機械的に接合され、
    前記複数の端子電極が、
    前記素体の外表面に形成されており、且つガラスフリットを含む導電性ペーストの焼付により形成された第1の電極層と、
    前記第1の電極層上にNiめっきにより形成された第2の電極層と、
    前記第2の電極層上にSnめっきあるいはSn合金めっきにより形成された第3の電極層と、をそれぞれ有しており、
    前記第1の電極層の厚みが、10μm以上20μm以下に設定され、
    前記第1の電極層の内部には、前記ガラスフリットのガラス成分が前記第1の電極層の表面及び前記素体との界面に移動することによりポアが形成されており、
    前記第1の電極層のポアの発生率が、切断面におけるポア面積比率で2%以上%以下に設定され、
    前記鉛フリーはんだに含まれているZn原子が前記素体内へ移動するのが抑制されていることを特徴とする電子機器。
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